JP2000285533A - 情報ディスクの記録膜形成方法及び装置 - Google Patents

情報ディスクの記録膜形成方法及び装置

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JP2000285533A
JP2000285533A JP11091645A JP9164599A JP2000285533A JP 2000285533 A JP2000285533 A JP 2000285533A JP 11091645 A JP11091645 A JP 11091645A JP 9164599 A JP9164599 A JP 9164599A JP 2000285533 A JP2000285533 A JP 2000285533A
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disk substrate
rotation speed
film
disk
recording film
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JP11091645A
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Kosuke Inatani
孝祐 稲谷
Katsumi Yamaguchi
勝美 山口
Masahiko Kotoyori
正彦 琴寄
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Origin Electric Co Ltd
Original Assignee
Origin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ディスク基板に膜厚のバラツキの小さい膜厚の
均一な色素膜からなる記録膜を形成すること、及び記録
膜の形成時間の短縮化を可能にすること。 【解決手段】ディスク基板1上に液体状記録材料を供給
した後に回転処理して前記液体状記録材料を均一な所望
の膜厚に広げる情報ディスクの記録膜形成方法におい
て、ディスク基板1の回転数yを、時間xの2次元曲線
に従って、又はその2次曲線を近似した二つ以上の傾斜
で回転速度を切り替えて所定値まで上昇させ、しかる後
に急激に回転速度を降下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、光ディスクのような
情報ディスク、特にCD−Rの記録膜を形成するのに適
した方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】 1回だけ記録が可能なコンパクトディス
クCD−Rは、CD規格の一つであり、オレンジブック
で規定されている。CD、CD−Rは共に、ディスク基
板はポリカーボネートを成形したものであり、CDは成
形時に予めデータとなるピットが形成されているが、C
D−Rはそのようなピットはなく、それに代わるものと
して記録膜となる色素層が形成されている。
【0003】 この記録膜は、CD、CD−Rなどの保
護膜と同様にスピンコーティング法によって形成され
る。この形成方法について簡単に説明すると、先ずディ
スク基板を一定に低速回転させた状態で有機色素材を供
給する。この有機色素材は一般的に粘性が低いので、こ
の過程でディスク基板のほぼ全面に広がる。次に、回転
速度を所定の傾斜で上昇させた後、回転速度をほぼフラ
ットに保持し、さらに再び回転速度を上昇させるなどし
て、余分な有機色素材をディスク基板から振り切ると共
に、溶剤分を揮発させることにより、ほぼ所定の膜厚の
記録膜を得ている。
【0004】 しかし、詳細な記録膜形成方法について
の報告はなされておらず、本発明者はスピンコーティン
グ法による保護膜の形成の経験を活かして種々の実験を
行った結果、色素膜の形成されるディスク基板の回転数
を直線的、すなわち一次的に回転させて色素膜を形成さ
せた場合には、傾向として、図9(B), (D)に示すように
内周部に比べて外周部が厚くなることが分かった。した
がって、この方法では平坦度の十分に高い色素膜を形成
することは難しい。
【0005】 次に、ディスク基板の回転数をある傾斜
で上昇させた後、更にその傾斜よりも急な傾斜で回転数
を上昇させ、しかる後、回転数を急降下させるスピンパ
ターンで処理した場合、図9(D) に示すように回転数加
速度を切り替える時点で、一時的に色素膜が薄くなり、
ディスク基板の半径外方向に向けて膜厚が厚くなるた
め、平坦度の高い色素膜を形成することは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 したがってこの発明
では、ディスク基板面における平坦度の高い記録膜の形
成と、記録膜としての色素層の形成時間の短縮を課題と
している。
【0007】 本発明は、ある範囲の2次曲線又はこれ
を近似した曲線に従って回転させることにより、平坦度
の優れた記録膜を形成することができるという本発明者
の知見により、前記課題を解決したところに特徴があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記の課題を
解決するため、ディスク基板の回転数yを、時間xの2
次曲線に従って、又はその2次曲線を近似した二つ以上
の傾斜で回転速度を切り替えて上昇させる情報ディスク
の記録膜形成方法及び装置を提案するものである。
【0009】 さらに具体的には、ディスク基板の回転
数をy、回転時間をx、初期回転数をq、回転数上昇開
始時刻をp、係数をaとするとき、y=a(x−p)2
+qの式で、10≦a≦1000の範囲を満足する任意の2次
曲線に従って、ディスク基板の回転速度を連続的に上
昇、又はその範囲にある2次曲線を近似した二つ以上の
傾斜で切り替えて上昇させることを特徴とする情報ディ
スクの記録膜形成方法及び装置を提案するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】 図1により、本発明に係る記録
膜形成方法の実施例について説明する。この発明は、既
存のスピンコータのスピンパターンを変更することによ
り実現され、形成工程は従来と同様であるので、詳しい
形成工程の説明を省略する。記録膜としての有機色素膜
が形成されるディスク基板も通常のものであり、ディス
ク基板をほぼ一定の低速度で回転させた状態で有機色素
材を滴下する。このときの回転速度は、有機色素材がデ
ィスク基板面に接触したときに形が乱れない程度のもの
であるが、有機色素材は1-10cp( センチポイズ) 程度と
粘性が低いので、その低速度回転でディスク基板表面に
広がる。この状態では色素膜は厚く、かつ非常に不均一
であるので、この発明では特定の2次曲線に従って、又
は2次曲線を近似した二つ以上の傾斜からなる曲線(こ
れらを2次曲線で総称する)に沿って、ディスク基板の
回転速度を切り替えて上昇させるところに特徴がある。
【0011】 図1において、T1が上記ほぼ一定の低速
度でディスク基板を回転させる期間であり、有機色素材
がディスク基板面にほぼ広がった時刻pでディスク基板
の回転速度を2次曲線に切り替える。この2次曲線は、
ディスク基板の回転数をy、回転時間をx、初期回転数
をq、回転数上昇開始時刻をp、係数をaとするとき、
y=a(x−p)2 +qの式で、10≦a≦1000の範囲を
満足するものである。ここで、初期回転数qは有機色素
材をディスク基板供給するときの前記一定の低速回転の
回転数である。
【0012】 ディスク基板の回転数が、y=10(x−
p)2 +qよりも低い領域では、従来のようにディスク
基板の回転数を直線的に上昇させたときと同様な現象が
見られ、内周部に比べて外周部が厚くなる傾向が生じ始
める。また、ディスク基板の回転数が、y=1000(x−
p)2 +qよりも高い領域では、初期回転数qの状態か
らその曲線で回転速度を上昇させたときに一時的にディ
スク基板面の特定の半径よりも外側の領域の膜厚が薄く
なる現象が発生し、仕上がりが図 9(D) のような膜厚分
布となるので、平坦度の十分に高い色素膜を形成するこ
とは難しくなる。
【0013】 また、10≦a≦1000の範囲を満足するあ
る数値、例えばa=200を選んで、y= 200(x−p)2
+qの式で示される2次曲線を近似した二つ以上の傾
斜からなる2次曲線に従って時間の経過とともにディス
ク基板の回転数を上昇させたとき、その2次曲線がほぼ
160(x−p)2 +qからほぼ 240(x−p)2 +qの
範囲にあれば、均一な膜厚の色素膜が得られることを確
認した。つまり、10≦a≦1000の範囲を満足するaの値
を選んで、y=a(x−p)2 +qの2次曲線を近似し
た二つ以上の傾斜からなる2次曲線に従ってディスク基
板の回転数を上昇させた場合には、図2に示すように、
aが選定された値a0の±10%程度の値0.9a0 から1.1a0
の2次曲線に挟まれた範囲にあれば均一な膜厚の色素膜
が得られる。
【0014】 さらにまた、ディスク基板に形成される
色素膜の平坦度を更に向上させるには、ディスク基板の
回転数をy=a(x−p)2 +qの式で、20≦a≦700
の範囲内の任意の2次曲線とするのがより好ましいこと
を確認した。ディスク基板のスピーンパターンをこの範
囲内の任意の2次曲線に設定して、色素膜を形成し、測
定した結果、すべてのテストで平坦度の向上が確認され
たばかりでなく、最も厳しい仕様を満足することができ
た。
【0015】 次に、y=a(x−p)2 +qの式で、
10≦a≦1000の範囲の種々の2次曲線に従ってディスク
基板を回転させて色素膜を形成した際に、各2次曲線に
よる回転数の総回転数が設定値になった時点で、回転モ
ータを急停止させた。種々の実験から2次曲線による総
回転数の設定値を適切に選ぶことにより、色素膜の乾燥
の程度が等しくなることが確認された。つまり、2次曲
線による総回転数を適切な設定値に管理することによ
り、不必要に回転数を増やすことなく一様に乾燥された
色素膜を形成することができる。これは実際上非常に簡
単に実現でき、前記範囲内の2次曲線に従ってモータ
(図示せず) の回転数を上昇させながらカウンタ(図示
せず)で計数し、その総回転数の計数値が設定値になっ
た時点で、前記モータを急停止させれば良い。これによ
り、必要最小限の処理時間で記録膜の形成が完了するの
で、装置を構成する場合、高スループットのものが実現
できる。
【実施例】
【0016】 次に、現在主に使われているシアニン系
色素材を2種類の溶剤ジアセトンアルコール(以下DA
Aという)と2,2,3,3,テトラフルオロプロパノール(以
下TFPという)でそれぞれ溶かしてなる2種類の有機
色素溶液A、Bを塗布した結果の内の代表的なものにつ
いて述べる。
【0017】〔実施例1〕 a=21.5、q=1000とし、
y=21.5(x−p)2 +1000の式を近似した曲線(図3
(A) )に従ってディスク基板を回転させて、シアニン系
色素材を溶剤DAAで溶かしてなる有機色素溶液(A)
を塗布した例である。先ず、ディスク基板の回転速度が
1000rpm に安定した時点でディスク基板上に有機色素溶
液(A)を滴下して広げ、しかる後に一定の第1の傾斜
a1で回転速度を3000rpmまで上昇させる。次に、傾斜a1
よりも急勾配の第2の傾斜a2で回転速度を4000rpm まで
上昇させる。さらに、第2の傾斜a2よりも急勾配の第三
の傾斜a3で回転速度を8500rpm まで上昇させた後、急激
に回転速度をゼロまで降下させた。
【0018】 このようにしてディスク基板に有機色素
溶液(A)の塗膜を形成し、乾燥させた色素膜は、図3
(B) に示すようにデイスク基板の半径方向に対して膜厚
のバラツキが小さくなり、後述の従来方法を示す比較例
に比べて大幅に膜厚の均一化ができた。
【0019】〔実施例2〕 a=15、q=500 とし、y
=15(x−p)2 +500 の式を近似した曲線(図4(A)
)に従ってディスク基板を回転させて、シアニン系色
素材を溶剤TFPで溶かしてなる有機色素溶液(B)を
塗布した例である。実施例1と同様にして、先ずディス
ク基板の回転速度が500rpmに安定した時点でディスク基
板上に有機色素溶液(B)滴下して広げ、しかる後に一
定の第1の傾斜b1で回転速度をほぼ1000rpm まで上昇さ
せる。次に、傾斜b1よりも急勾配の第2の傾斜b2で回転
速度をほぼ3200rpm まで上昇させた後、急激にディスク
基板の回転速度をゼロまで降下させた。
【0020】 このようにしてディスク基板に有機色素
溶液(B)の塗膜を形成し、乾燥させた結果、図4(B)
に示すようにデイスク基板の半径方向に対して均一な有
機色素膜を形成することができた。その膜厚のバラツキ
は非常に小さくなった。
【0021】 実施例1及び実施例2によれば、図9(A)
に示すように、後述する従来方法を示す比較例に比べ
て、ディスク1 上に形成された記録膜としての色素膜2
の膜厚を大幅に均一化できた。なお、図9においてZは
ディスク1 の中央穴の中心軸線を示す。これら実施例に
おいて、第1の傾斜に比べて第2の傾斜が2.5倍から
4.5倍の範囲にあることが、更に一層、膜厚の均一化
を向上させることが分かった。
【0022】 以上述べた実施例の他に、y=a(x−
p)2 +qの式で、aを種々変えて有機色素溶液
(A)、(B)による種々の厚みの塗膜を形成した。a
を大きく選んでy=a(x−p)2 +qの式を近似した
2次曲線に従ってディスク基板を高速で回転させるほ
ど、所定の膜厚を形成するのに要する時間は短くなる
が、有機色素溶液(A)、(B)それぞれの乾燥の程度
については総回転数が等しければほぼ等しくなることが
確認された。したがって、有機色素溶液(A)、(B)
それぞれについて、所定の乾燥度を得ることのできる総
回転数Rを予め求めておくことにより、上述2次曲線間
の領域内であればaの値がいくらであろうが、ディスク
基板の総回転数Rを管理することにより、不要に回転数
を増やすことなく有機色素溶液(A)、(B)による均
一に乾燥した塗膜を得ることができる。
【0023】 次に、比較例について説明する。 〔比較例1〕 実施例2と同様に、先ずディスク基板の
回転速度が500rpmに安定した時点でディスク基板上に前
述の有機色素溶液(A)を滴下して広げた。しかる後、
図5(A) に示すように急激に回転速度を上昇させ、ほぼ
5000rpm で10数秒一定に回転速度を保持し、その後急速
にゼロまで降下させた。このようにして得られた有機色
素膜も図5(B) の曲線で示すように、その膜厚のバラツ
キは非常に大きくなり、図9(B) に示すように、ディス
ク基板の半径内側方向に比べて外側方向の膜厚が厚くな
るという顕著な傾向を示した。
【0024】〔比較例2〕 実施例1と同様に、先ずデ
ィスク基板の回転速度が1000rpm に安定した時点でディ
スク基板上に前述の有機色素溶液(A)を滴下して広げ
た。しかる後、図6(A) に示すように一定の傾斜cで回
転速度を上昇させ、ほぼ6000rpm に至る前に急激に回転
速度をゼロまで降下させた。このようにして得られた有
機色素膜は図6(B) の曲線で示すように、その膜厚のバ
ラツキは大きく、図9(C) に示すように、ディスク基板
1 の半径内側方向に比べて外側方向の膜厚2 が厚くなる
傾向を示した。
【0025】〔比較例3〕 比較例2と同様に、先ず、
ディスク基板の回転速度が1000rpm に安定した時点でデ
ィスク基板上に前述の有機色素溶液(A)を滴下して広
げた。しかる後、図1の斜線で示す2次曲線間領域の外
側範囲において、図7(A) に示すように一定の第1の傾
斜d1で回転速度を3000rpm まで上昇させる。次に、傾斜
d1よりも急勾配の第2の傾斜d2で回転速度をほぼ9000rp
m まで上昇させた後、急激に回転速度をゼロまで降下さ
せた。このようにして得られた有機色素膜は図7(B) の
曲線で示すように、その膜厚のバラツキは大きくなり、
図9(D) に示すように、ディスク基板の半径内側方向か
ら外側方向に向けて膜厚が途中で一旦薄くなり、更にま
た厚くなるという傾向を示した。
【0026】〔比較例4〕 シアニン系色素材を溶剤T
FPで溶かしてなる有機色素溶液(B)を塗布した例で
ある。先ず、図8(A) に示すように、ディスク基板の回
転速度がほぼ500rpmに安定した時点でディスク基板上に
有機色素溶液(B)を滴下して広げ、しかる後に一定の
傾斜eで回転速度を上昇させ、ほぼ4500rpm に至ったと
き急激に回転速度をゼロまで降下させた。このようにし
て得られた有機色素膜は図8(B) の曲線で示すように、
ディスク基板の放射外方向に大きなバラツキを生じ、図
9(A) 又は (B)で示すように、ディスク基板の半径内側
方向に比べて外側方向の膜厚が厚くなるという顕著な傾
向を示した。
【0027】 本発明の実施例とこれら比較例の有機色
素膜の膜厚を比較してみると、本発明方法による膜厚の
バラツキは比較例に比べて大幅に小さいことが分かる。
【0028】 次に、前記本発明に係る形成方法及び比
較例の方法を実現し得る記録膜形成装置の概要について
説明する。ディスク基板1はディスク受台1’に載置さ
れ、真空吸引されている。ディスク基板1及びディスク
受台1’は、高速回転による記録材料の振り切り時に記
録材料が飛散しないよう、コーターハウス3に囲まれて
いる。ディスク基板1に液体記録材料を滴下する記録材
料吐出ノズル4は、ノズル旋回駆動装置5によってディ
スク基板1上を一定速度で旋回して、ディスク基板1面
に液体記録材料を供給する。
【0029】 ディスク受台1’はスピンドル6を介し
てサーボモータ7に結合されている。サーボモータ7は
駆動回路8により駆動され、マイクロコンピュータの制
御部9はそのプログラミング部10からの制御命令信号
により、又はその制御命令信号と状態検出手段11から
の検出信号を演算して得られた制御信号でモータ駆動回
路8を制御する。
【0030】 プログラミング部10には、ディスク基
板1の回転数をy、時間をx、初期回転数をq、回転数
上昇開始時刻をp、係数をaとするとき、y=a(x−
p)2 +qの式で、10≦a≦1000の範囲を満足する任意
の2次曲線又は該2次曲線を近似した二つ以上の傾斜か
らなる曲線が、あらかじめプログラミングされる。好ま
しくは、予め種々の実験により条件に適したa,p,q
の数値及び時間を求めて前記2次曲線又は曲線に入力し
ておき、用いる液体記録材料の種類、あるいは記録膜形
成雰囲気などの条件に応じて、適した具体的な2次曲線
又は曲線を選択できるようにする。
【0031】 状態検出手段11は、デイスク受台2の
回転速度、総回転数、記録材料吐出ノズル4が単位時間
当たり滴下する記録材料の量、ここでは特に述べないが
記録膜の形成に影響のある雰囲気温度、湿度などの内の
一つ以上の状態を検出し、マイクロコンピュータの制御
部9に帰還信号として与える。
【0032】 制御部9は、プログラミング部10から
の前記2次曲線又は曲線に基づく制御命令信号と状態検
出手段11からの検出信号とにより、モータ駆動回路8
を通してサーボモータ7の回転速度の切替え、回転速度
などの制御を行う。また、図示していないが、記録材料
吐出ノズル4の単位時間当たり滴下する記録材料の量な
どの制御を行うこともできる。
【0033】
【発明の効果】 以上述べたように本発明によれば、デ
ィスク基板において膜厚のバラツキが小さい膜厚の均一
な色素膜からなる記録膜を形成できる。また、色素膜の
形成時間を短縮できる他に、ディスク基板の総回転数を
所定値に管理することにより色素膜の乾燥度を一定に管
理することができると同時に、記録膜の形成時間の短縮
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色素膜による記録膜の形成方法
を説明する図である。
【図2】 本発明に係る色素膜による記録膜の形成方法
を説明する図である。
【図3】 本発明の第1の実施例を説明するための図で
ある。
【図4】 本発明の第2の実施例を説明するための図で
ある。
【図5】 第1の比較例を示す図である。
【図6】 第2の比較例を示す図である。
【図7】 第3の比較例を示す図である。
【図8】 第4の比較例を示す図である。
【図9】 本発明の実施例、比較例それぞれの記録膜の
膜厚の傾向を示す図である。
【図10】 本発明の実施例に係る形成方法を実現する装
置を説明するための図である
【符号の説明】
1・・・ディスク基板 6・・・ス
ピンドル 1’・・・ディスク受け台 7・・・サ
ーボモータ 2・・・色素膜による記録膜 8・・・モ
ータ駆動回路 3・・・コータハウス 9・・・制
御部 4・・・記録材料吐出ノズル 10・・・プ
ログラミング部 5・・・ノズル旋回駆動装置 11・・・状
態検出手段 Z・・・ディスク基板1の中央穴の中心軸線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月20日(1999.5.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 情報ディスクの記録膜形成方法及び装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、光ディスクのような
情報ディスク、特にCD−Rの記録膜を形成するのに適
した方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】 1回だけ記録が可能なコンパクトディス
クCD−Rは、CD規格の一つであり、オレンジブック
で規定されている。CD、CD−Rは共に、ディスク基
板はポリカーボネートを成形したものであり、CDは成
形時に予めデータとなるピットが形成されているが、C
D−Rはそのようなピットはなく、それに代わるものと
して記録膜となる色素層が形成されている。
【0003】 この記録膜は、CD、CD−Rなどの保
護膜と同様にスピンコーティング法によって形成され
る。この形成方法について簡単に説明すると、先ずディ
スク基板を一定に低速回転させた状態で有機色素材を供
給する。この有機色素材は一般的に粘性が低いので、こ
の過程でディスク基板のほぼ全面に広がる。次に、回転
速度を所定の傾斜で上昇させた後、回転速度をほぼフラ
ットに保持し、さらに再び回転速度を上昇させるなどし
て、余分な有機色素材をディスク基板から振り切ると共
に、溶剤分を揮発させることにより、ほぼ所定の膜厚の
記録膜を得ている。
【0004】 しかし、詳細な記録膜形成方法について
の報告はなされておらず、本発明者はスピンコーティン
グ法による保護膜の形成の経験を活かして種々の実験を
行った結果、色素膜の形成されるディスク基板の回転数
を直線的、すなわち一次的に回転させて色素膜を形成さ
せた場合には、傾向として、図9(B), (D)に示すように
内周部に比べて外周部が厚くなることが分かった。した
がって、この方法では平坦度の十分に高い色素膜を形成
することは難しい。
【0005】 次に、ディスク基板の回転数をある傾斜
で上昇させた後、更にその傾斜よりも急な傾斜で回転数
を上昇させ、しかる後、回転数を急降下させるスピンパ
ターンで処理した場合、図9(D) に示すように回転数加
速度を切り替える時点で、一時的に色素膜が薄くなり、
ディスク基板の半径外方向に向けて膜厚が厚くなるた
め、平坦度の高い色素膜を形成することは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 したがってこの発明
では、ディスク基板面における平坦度の高い記録膜の形
成と、記録膜としての色素層の形成時間の短縮を課題と
している。
【0007】 本発明は、ある範囲の2次曲線又はこれ
を近似した曲線に従って回転させることにより、平坦度
の優れた記録膜を形成することができるという本発明者
の知見により、前記課題を解決したところに特徴があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記の課題を
解決するため、ディスク基板の回転数yを、時間xの2
次曲線に従って、又はその2次曲線を近似した二つ以上
の傾斜で回転速度を切り替えて上昇させる情報ディスク
の記録膜形成方法及び装置を提案するものである。
【0009】 さらに具体的には、ディスク基板の回転
数をy、回転時間をx、初期回転数をq、回転数上昇開
始時刻をp、係数をaとするとき、y=a(x−p)
+qの式で、10≦a≦1000の範囲を満足する任意の2次
曲線に従って、ディスク基板の回転速度を連続的に上
昇、又はその範囲にある2次曲線を近似した二つ以上の
傾斜で切り替えて上昇させることを特徴とする情報ディ
スクの記録膜形成方法及び装置を提案するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】 図1により、本発明に係る記録
膜形成方法の実施例について説明する。この発明は、既
存のスピンコータのスピンパターンを変更することによ
り実現され、形成工程は従来と同様であるので、詳しい
形成工程の説明を省略する。記録膜としての有機色素膜
が形成されるディスク基板も通常のものであり、ディス
ク基板をほぼ一定の低速度で回転させた状態で有機色素
材を滴下する。このときの回転速度は、有機色素材がデ
ィスク基板面に接触したときに形が乱れない程度のもの
であるが、有機色素材は1-10cp( センチポイズ) 程度と
粘性が低いので、その低速度回転でディスク基板表面に
広がる。この状態では色素膜は厚く、かつ非常に不均一
であるので、この発明では特定の2次曲線に従って、又
は2次曲線を近似した二つ以上の傾斜からなる曲線(こ
れらを2次曲線で総称する)に沿って、ディスク基板の
回転速度を切り替えて上昇させるところに特徴がある。
【0011】 図1において、T1が上記ほぼ一定の低速
度でディスク基板を回転させる期間であり、有機色素材
がディスク基板面にほぼ広がった時刻pでディスク基板
の回転速度を2次曲線に切り替える。この2次曲線は、
ディスク基板の回転数をy、回転時間をx、初期回転数
をq、回転数上昇開始時刻をp、係数をaとするとき、
y=a(x−p)+qの式で、10≦a≦1000の範囲を
満足するものである。ここで、初期回転数qは有機色素
材をディスク基板供給するときの前記一定の低速回転の
回転数である。
【0012】 ディスク基板の回転数が、y=10(x−
p)+qよりも低い領域では、従来のようにディスク
基板の回転数を直線的に上昇させたときと同様な現象が
見られ、内周部に比べて外周部が厚くなる傾向が生じ始
める。また、ディスク基板の回転数が、y=1000(x−
p)+qよりも高い領域では、初期回転数qの状態か
らその曲線で回転速度を上昇させたときに一時的にディ
スク基板面の特定の半径よりも外側の領域の膜厚が薄く
なる現象が発生し、仕上がりが図 9(D) のような膜厚分
布となるので、平坦度の十分に高い色素膜を形成するこ
とは難しくなる。
【0013】 また、10≦a≦1000の範囲を満足するあ
る数値、例えばa=200を選んで、y= 200(x−p)
+qの式で示される2次曲線を近似した二つ以上の傾
斜からなる2次曲線に従って時間の経過とともにディス
ク基板の回転数を上昇させたとき、その2次曲線がほぼ
160(x−p)+qからほぼ 240(x−p) +q
の範囲にあれば、均一な膜厚の色素膜が得られることを
確認した。つまり、10≦a≦1000の範囲を満足するaの
値を選んで、y=a(x−p)+qの2次曲線を近似
した二つ以上の傾斜からなる2次曲線に従ってディスク
基板の回転数を上昇させた場合には、図2に示すよう
に、aが選定された値aの±10%程度の値0.9aから
1.1aの2次曲線に挟まれた範囲にあれば均一な膜厚
の色素膜が得られる。
【0014】 さらにまた、ディスク基板に形成される
色素膜の平坦度を更に向上させるには、ディスク基板の
回転数をy=a(x−p)+qの式で、20≦a≦700
の範囲内の任意の2次曲線とするのがより好ましいこと
を確認した。ディスク基板のスピーンパターンをこの範
囲内の任意の2次曲線に設定して、色素膜を形成し、測
定した結果、すべてのテストで平坦度の向上が確認され
たばかりでなく、最も厳しい仕様を満足することができ
た。
【0015】 次に、y=a(x−p)+qの式で、
10≦a≦1000の範囲の種々の2次曲線に従ってディスク
基板を回転させて色素膜を形成した際に、各2次曲線に
よる回転数の総回転数が設定値になった時点で、回転モ
ータを急停止させた。種々の実験から2次曲線による総
回転数の設定値を適切に選ぶことにより、色素膜の乾燥
の程度が等しくなることが確認された。つまり、2次曲
線による総回転数を適切な設定値に管理することによ
り、不必要に回転数を増やすことなく一様に乾燥された
色素膜を形成することができる。これは実際上非常に簡
単に実現でき、前記範囲内の2次曲線に従ってモータ
(図示せず) の回転数を上昇させながらカウンタ(図示
せず)で計数し、その総回転数の計数値が設定値になっ
た時点で、前記モータを急停止させれば良い。これによ
り、必要最小限の処理時間で記録膜の形成が完了するの
で、装置を構成する場合、高スループットのものが実現
できる。
【実施例】
【0016】 次に、現在主に使われているシアニン系
色素材を2種類の溶剤ジアセトンアルコール(以下DA
Aという)と2,2,3,3,テトラフルオロプロパノール(以
下TFPという)でそれぞれ溶かしてなる2種類の有機
色素溶液A、Bを塗布した結果の内の代表的なものにつ
いて述べる。
【0017】〔実施例1〕 a=21.5、q=1000とし、
y=21.5(x−p)+1000の式を近似した曲線(図3
(A) )に従ってディスク基板を回転させて、シアニン系
色素材を溶剤DAAで溶かしてなる有機色素溶液(A)
を塗布した例である。先ず、ディスク基板の回転速度が
1000rpm に安定した時点でディスク基板上に有機色素溶
液(A)を滴下して広げ、しかる後に一定の第1の傾斜
で回転速度を3000rpmまで上昇させる。次に、傾斜
よりも急勾配の第2の傾斜aで回転速度を4000rp
m まで上昇させる。さらに、第2の傾斜aよりも急勾
配の第三の傾斜aで回転速度を8500rpm まで上昇させ
た後、急激に回転速度をゼロまで降下させた。
【0018】 このようにしてディスク基板に有機色素
溶液(A)の塗膜を形成し、乾燥させた色素膜は、図3
(B) に示すようにデイスク基板の半径方向に対して膜厚
のバラツキが小さくなり、後述の従来方法を示す比較例
に比べて大幅に膜厚の均一化ができた。
【0019】〔実施例2〕 a=15、q=500 とし、y
=15(x−p)+500 の式を近似した曲線(図4(A)
)に従ってディスク基板を回転させて、シアニン系色
素材を溶剤TFPで溶かしてなる有機色素溶液(B)を
塗布した例である。実施例1と同様にして、先ずディス
ク基板の回転速度が500rpmに安定した時点でディスク基
板上に有機色素溶液(B)滴下して広げ、しかる後に一
定の第1の傾斜bで回転速度をほぼ1000rpm まで上昇
させる。次に、傾斜bよりも急勾配の第2の傾斜b
で回転速度をほぼ3200rpm まで上昇させた後、急激にデ
ィスク基板の回転速度をゼロまで降下させた。
【0020】 このようにしてディスク基板に有機色素
溶液(B)の塗膜を形成し、乾燥させた結果、図4(B)
に示すようにデイスク基板の半径方向に対して均一な有
機色素膜を形成することができた。その膜厚のバラツキ
は非常に小さくなった。
【0021】 実施例1及び実施例2によれば、図9
(A) に示すように、後述する従来方法を示す比較例に比
べて、ディスク1 上に形成された記録膜としての色素膜
2 の膜厚を大幅に均一化できた。なお、図9においてZ
はディスク1 の中央穴の中心軸線を示す。これら実施例
において、第1の傾斜に比べて第2の傾斜が2.5倍か
ら4.5倍の範囲にあることが、更に一層、膜厚の均一
化を向上させることが分かった。
【0022】 以上述べた実施例の他に、y=a(x−
p)+qの式で、aを種々変えて有機色素溶液
(A)、(B)による種々の厚みの塗膜を形成した。a
を大きく選んでy=a(x−p)+qの式を近似した
2次曲線に従ってディスク基板を高速で回転させるほ
ど、所定の膜厚を形成するのに要する時間は短くなる
が、有機色素溶液(A)、(B)それぞれの乾燥の程度
については総回転数が等しければほぼ等しくなることが
確認された。したがって、有機色素溶液(A)、(B)
それぞれについて、所定の乾燥度を得ることのできる総
回転数Rを予め求めておくことにより、上述2次曲線間
の領域内であればaの値がいくらであろうが、ディスク
基板の総回転数Rを管理することにより、不要に回転数
を増やすことなく有機色素溶液(A)、(B)による均
一に乾燥した塗膜を得ることができる。
【0023】 次に、比較例について説明する。 〔比較例1〕 実施例2と同様に、先ずディスク基板の
回転速度が500rpmに安定した時点でディスク基板上に前
述の有機色素溶液(A)を滴下して広げた。しかる後、
図5(A) に示すように急激に回転速度を上昇させ、ほぼ
5000rpm で10数秒一定に回転速度を保持し、その後急速
にゼロまで降下させた。このようにして得られた有機色
素膜も図5(B) の曲線で示すように、その膜厚のバラツ
キは非常に大きくなり、図9(B) に示すように、ディス
ク基板の半径内側方向に比べて外側方向の膜厚が厚くな
るという顕著な傾向を示した。
【0024】〔比較例2〕 実施例1と同様に、先ずデ
ィスク基板の回転速度が1000rpm に安定した時点でディ
スク基板上に前述の有機色素溶液(A)を滴下して広げ
た。しかる後、図6(A) に示すように一定の傾斜cで回
転速度を上昇させ、ほぼ6000rpm に至る前に急激に回転
速度をゼロまで降下させた。このようにして得られた有
機色素膜は図6(B) の曲線で示すように、その膜厚のバ
ラツキは大きく、図9(C) に示すように、ディスク基板
1 の半径内側方向に比べて外側方向の膜厚2 が厚くなる
傾向を示した。
【0025】〔比較例3〕 比較例2と同様に、先ず、
ディスク基板の回転速度が1000rpm に安定した時点でデ
ィスク基板上に前述の有機色素溶液(A)を滴下して広
げた。しかる後、図1の斜線で示す2次曲線間領域の外
側範囲において、図7(A) に示すように一定の第1の傾
斜dで回転速度を3000rpm まで上昇させる。次に、傾
斜dよりも急勾配の第2の傾斜dで回転速度をほぼ
9000rpm まで上昇させた後、急激に回転速度をゼロまで
降下させた。このようにして得られた有機色素膜は図7
(B) の曲線で示すように、その膜厚のバラツキは大きく
なり、図9(D) に示すように、ディスク基板の半径内側
方向から外側方向に向けて膜厚が途中で一旦薄くなり、
更にまた厚くなるという傾向を示した。
【0026】〔比較例4〕 シアニン系色素材を溶剤T
FPで溶かしてなる有機色素溶液(B)を塗布した例で
ある。先ず、図8(A) に示すように、ディスク基板の回
転速度がほぼ500rpmに安定した時点でディスク基板上に
有機色素溶液(B)を滴下して広げ、しかる後に一定の
傾斜eで回転速度を上昇させ、ほぼ4500rpm に至ったと
き急激に回転速度をゼロまで降下させた。このようにし
て得られた有機色素膜は図8(B) の曲線で示すように、
ディスク基板の放射外方向に大きなバラツキを生じ、図
9(A) 又は (B)で示すように、ディスク基板の半径内側
方向に比べて外側方向の膜厚が厚くなるという顕著な傾
向を示した。
【0027】 本発明の実施例とこれら比較例の有機色
素膜の膜厚を比較してみると、本発明方法による膜厚の
バラツキは比較例に比べて大幅に小さいことが分かる。
【0028】 次に、前記本発明に係る形成方法及び比
較例の方法を実現し得る記録膜形成装置の概要について
説明する。ディスク基板1はディスク受台1’に載置さ
れ、真空吸引されている。ディスク基板1及びディスク
受台1’は、高速回転による記録材料の振り切り時に記
録材料が飛散しないよう、コーターハウス3に囲まれて
いる。ディスク基板1に液体記録材料を滴下する記録材
料吐出ノズル4は、ノズル旋回駆動装置5によってディ
スク基板1上を一定速度で旋回して、ディスク基板1面
に液体記録材料を供給する。
【0029】 ディスク受台1’はスピンドル6を介し
てサーボモータ7に結合されている。サーボモータ7は
駆動回路8により駆動され、マイクロコンピュータの制
御部9はそのプログラミング部10からの制御命令信号
により、又はその制御命令信号と状態検出手段11から
の検出信号を演算して得られた制御信号でモータ駆動回
路8を制御する。
【0030】 プログラミング部10には、ディスク基
板1の回転数をy、時間をx、初期回転数をq、回転数
上昇開始時刻をp、係数をaとするとき、y=a(x−
p)+qの式で、10≦a≦1000の範囲を満足する任意
の2次曲線又は該2次曲線を近似した二つ以上の傾斜か
らなる曲線が、あらかじめプログラミングされる。好ま
しくは、予め種々の実験により条件に適したa,p,q
の数値及び時間を求めて前記2次曲線又は曲線に入力し
ておき、用いる液体記録材料の種類、あるいは記録膜形
成雰囲気などの条件に応じて、適した具体的な2次曲線
又は曲線を選択できるようにする。
【0031】 状態検出手段11は、デイスク受台2の
回転速度、総回転数、記録材料吐出ノズル4が単位時間
当たり滴下する記録材料の量、ここでは特に述べないが
記録膜の形成に影響のある雰囲気温度、湿度などの内の
一つ以上の状態を検出し、マイクロコンピュータの制御
部9に帰還信号として与える。
【0032】 制御部9は、プログラミング部10から
の前記2次曲線又は曲線に基づく制御命令信号と状態検
出手段11からの検出信号とにより、モータ駆動回路8
を通してサーボモータ7の回転速度の切替え、回転速度
などの制御を行う。また、図示していないが、記録材料
吐出ノズル4の単位時間当たり滴下する記録材料の量な
どの制御を行うこともできる。
【0033】
【発明の効果】 以上述べたように本発明によれば、デ
ィスク基板において膜厚のバラツキが小さい膜厚の均一
な色素膜からなる記録膜を形成できる。また、色素膜の
形成時間を短縮できる他に、ディスク基板の総回転数を
所定値に管理することにより色素膜の乾燥度を一定に管
理することができると同時に、記録膜の形成時間の短縮
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色素膜による記録膜の形成方法
を説明する図である。
【図2】 本発明に係る色素膜による記録膜の形成方法
を説明する図である。
【図3】 本発明の第1の実施例を説明するための図で
ある。
【図4】 本発明の第2の実施例を説明するための図で
ある。
【図5】 第1の比較例を示す図である。
【図6】 第2の比較例を示す図である。
【図7】 第3の比較例を示す図である。
【図8】 第4の比較例を示す図である。
【図9】 本発明の実施例、比較例それぞれの記録膜の
膜厚の傾向を示す図である。
【図10】 本発明の実施例に係る形成方法を実現する装
置を説明するための図である
【符号の説明】 1・・・ディスク基板 6・・・ス
ピンドル 1’・・・ディスク受け台 7・・・サ
ーボモータ 2・・・色素膜による記録膜 8・・・モ
ータ駆動回路 3・・・コータハウス 9・・・制
御部 4・・・記録材料吐出ノズル 10・・・プ
ログラミング部 5・・・ノズル旋回駆動装置 11・・・状
態検出手段 Z・・・ディスク基板1の中央穴の中心軸線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク基板上に液体状記録材料を供給
    した後に回転処理して前記液体状記録材料を均一な所望
    の膜厚に広げる情報ディスクの記録膜形成方法におい
    て、前記ディスク基板の回転数yを、時間xの2次元曲
    線に従って上昇、又は該2次曲線を近似した二つ以上の
    傾斜で切り替えて上昇させることを特徴とする情報ディ
    スクの記録膜形成方法。
  2. 【請求項2】 ディスク基板上に液体状記録材料を供給
    した後に回転処理して前記液体状記録材料を均一な所望
    の膜厚に広げる情報ディスクの記録膜形成方法におい
    て、前記ディスク基板の回転数をy、時間をx、初期回
    転数をq、回転数上昇開始時刻をp、係数をaとすると
    き、y=a(x−p)2 +qの式で、10≦a≦1000の範
    囲を満足する任意の2次曲線に従って前記ディスク基板
    の回転速度を連続的に上昇、又は前記2次曲線を近似し
    た二つ以上の傾斜で切り替えて上昇させることを特徴と
    する情報ディスクの記録膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記2
    次曲線を近似した二つ以上の前記傾斜は、前記2次曲線
    の±10%程度の範囲内にあることを特徴とする情報デ
    ィスクの記録膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、各記録膜形成時におけるディスク基板の回転総数
    をその回転速度の大小に係わらずにほぼ一定とすること
    を特徴とする情報ディスクの記録膜形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、前記ディスク基板の時間に対する回転速度を、先
    ず第1の傾斜に従って上昇させ、次に前記第1の傾斜の
    2.5から4.5倍の第2の傾斜で上昇させることを特
    徴とする情報ディスクの記録膜形成方法。
  6. 【請求項6】 ディスク基板上に液体状記録材料を供給
    する記録材料吐出ノズルと、該記録材料吐出ノズルを移
    動させ得るノズル移動装置と、前記ディスク基板を回転
    させるモータと、該モータを駆動するモータ駆動回路と
    を備えた情報ディスクの記録膜形成装置において、前記
    ディスク基板の回転数をy、時間をx、初期回転数を
    q、回転数上昇開始時刻をp、係数をaとするとき、y
    =a(x−p)2 +qの式で、10≦a≦1000の範囲を満
    足する任意の2次曲線又は該2次曲線を近似した二つ以
    上の傾斜からなる曲線がプログラミングされるプログラ
    ミング部と、該プログラムにしたがって前記モータの回
    転速度を制御する制御部とを備えたことを特徴とする情
    報ディスクの記録膜形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記モータ又はディ
    スク基板の回転速度などを検出して検出信号を前記制御
    部に送出する状態検出回路を備え、前記制御部はその検
    出信号と前記プログラミング部からの信号とにより前記
    モータを制御することを特徴とする情報ディスクの記録
    膜形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112005000463B4 (de) * 2004-03-01 2011-04-28 Origin Electric Company, Ltd. Herstellungsverfahren und Herstellungsvorrichtung für eine Scheibe

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112005000463B4 (de) * 2004-03-01 2011-04-28 Origin Electric Company, Ltd. Herstellungsverfahren und Herstellungsvorrichtung für eine Scheibe

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