JP2000285516A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2000285516A
JP2000285516A JP11090273A JP9027399A JP2000285516A JP 2000285516 A JP2000285516 A JP 2000285516A JP 11090273 A JP11090273 A JP 11090273A JP 9027399 A JP9027399 A JP 9027399A JP 2000285516 A JP2000285516 A JP 2000285516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric layer
transparent dielectric
recording medium
layer
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11090273A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kitagaki
直樹 北垣
Takeshi Maro
毅 麿
Kazunori Adachi
和慶 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP11090273A priority Critical patent/JP2000285516A/ja
Publication of JP2000285516A publication Critical patent/JP2000285516A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録時の媒体の温度上昇を抑制して良好に記
録再生を行うことが可能な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に記録膜及び透明誘電体層を備
え、透明誘電体層側からイマージョンレンズを用いて光
を入射させて記録再生を行う光記録媒体において、イマ
ージョンレンズの屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の
差が0〜0.5である光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上型ヘッドを用
いて膜面側からレーザー光を照射して記録再生を行う光
記録媒体に関し、更に詳細には、高い記録再生特性を維
持しつつ、記録時の媒体表面の温度上昇を抑制すること
ができる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア化に対応して、大
量データを高密度で記録することができ、且つ記録した
データを迅速に再生することができる光記録媒体が注目
されている。光記録媒体の記録サイズは、光学系が記録
メディア上に形成するスポットサイズで決定される。こ
の光スポットサイズは、レーザー光の波長をλ、レンズ
の開口数をNAとすると、λ/NA程度となる(角田義
人監修、「光ディスクストレージの基礎と応用」:社団法
人電子情報通信学会(1995)、p65)。この関係
から、より高密度な記録再生を行うためには、より小さ
なレーザー光スポットが必要となる。光スポットを小さ
くするためには、上記関係からレーザー光波長(λ)を
短くする方法と、レンズの開口数(NA)を大きくする
方法の2通りの方法が考えられる。
【0003】現在、光ディスク装置に用いられる半導体
レーザーの波長は主に780〜680nmであるが、更
に短波長の650nmの橙色レーザーが試験的に用いら
れつつある。しかしながら、橙色レーザーよりも短波長
の緑、青色レーザーについては未だ開発途上である。そ
れゆえ、レーザー光波長を短くすることで飛躍的にスポ
ットサイズを小さくすることはかなり困難である。
【0004】一方、レンズの開口数(NA)は、レンズ
の屈折率をn、レンズの絞り半角をθとすると、NA=
n×sinθと表わされ、1よりも小さな値となる。現
在使用しているレンズのNAが0.5程度であることか
ら、理論上限界に近い値である0.9としても、レーザ
ー光スポットサイズは1/1.8にしか小さくならない。
また実際には、NAを大きくすると球面収差の影響でレ
ンズ系の焦点深度が浅くなり、記録面上で焦点を維持す
るための制御系が複雑になることから、NAをむやみに
大きくすることはできず、通常の光記録装置ではNAと
して最大0.6程度のレンズが用いられている。
【0005】このような光記録媒体の記録密度向上を制
約する回折限界の問題を解決する一手法として、イマー
ジョンレンズを使用して実効的にレンズのNAを上げる
方法が提案されている。(日経エレクトロニクス、68
6号、13〜14ページ、1997.4.7)。図1に示
すように半球状のイマージョンレンズを用いレーザー光
をレンズ表面に対し垂直に入射させた場合、等価なNA
はイマージョンレンズの屈折率をnとするとn×NAと
なる。更に超半球イマージョンレンズを用いレーザービ
ームを超半球レンズの底面で焦点を結ばせた場合にはn
2×NAとなる。イマージョンレンズをガラスで作成し
た場合、ガラスの屈折率は約1.8程度であることか
ら、半球イマージョンレンズを用いたときでスポットサ
イズは1/1.8に、また超半球イマージョンレンズでは
1/3.2に小さくできる。ただし、この技術では、記録
再生にはイマージョンレンズから滲み出る近接場(near
field)光を用いるため、イマージョンレンズと記録膜
との隙間を広くともレーザー波長の1/4程度にする必
要がある。この値は、波長680nmの赤色レーザーを
用いた場合で170nmとなり、通常の光記録装置の光
ヘッドと光記録媒体間の間隔数mmに比べ、はるかに小
さい。そのため、近接場光を用いる場合には、通常の光
記録媒体のように透明基板を通しての記録再生は不可能
で、基板と反対側、すなわち記録膜側からレーザー光を
入射させる必要がある。この場合の媒体構造は、図3に
示すように、通常の透明基板を通して記録再生を行う場
合と逆になり、基板40上に反射層41、第2誘電体層
42、記録層43、第1誘電体層44、潤滑層45の順
に積層した構造となる。第1及び第2誘電体層には、通
常、SiNxなど屈折率がほぼ2程度の材料が用いられ
ている。
【0006】かかる積層構造を有する媒体を記録再生す
るためのヘッドは、イマージョンレンズ等の光学系を、
図2に示すようなエアーサスペンション機構を有する浮
上型エアースライダーに組み込んで構成することが提案
されている。かかる浮上型エアースライダーは既に固定
型磁気ディスクで用いられている。しかし、かかる浮上
型ヘッドは媒体表面上を走行するので、媒体と接触して
媒体表面に傷を形成し易い。この媒体表面の傷を防ぐた
め、通常の磁気ディスクと同様に潤滑剤層が設けられて
いる。また、イマージョンレンズと近接場光を用いた記
録再生方式では、固定型磁気ディスクと同様にディスク
の両面からの記録再生が容易なため、記録容量を上げる
ため基板の両面に成膜したディスク構造を採用すること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、近接
場光を用いて記録再生される光記録媒体は、記録層が基
板と紫外線硬化樹脂等の樹脂層で挟まれている従来の光
記録媒体とは異なり、媒体の最表面層が直接空気層と接
する。この空気層は断熱層として作用するが熱が逃げに
くく、記録時の近接場光の照射によって媒体表面が加熱
されると、媒体表面の温度は100℃以上にもなる。そ
れゆえ、媒体の最表面に位置する潤滑層では、その構成
成分である潤滑剤が蒸発したり、潤滑剤の熱劣化が起こ
る。蒸発した潤滑剤は、光学ヘッドのレンズ、特にイマ
ージョンレンズ底面に付着し、その光学特性を劣化させ
て記録再生特性の劣化を引き起こす。また、潤滑剤が蒸
発して媒体表面の潤滑量が減少したり、潤滑剤の熱劣化
で潤滑性能が悪化することにより、光学ヘッドに対する
摺動特性が悪化し、光学ヘッド及び媒体の破損を引き起
こす可能性が高くなる。
【0008】本発明は、かかる従来技術の問題を解決す
るためになされたものであり、その目的は、優れた記録
再生特性を維持しつつ、記録時の媒体表面の温度上昇に
よる潤滑剤の蒸発、飛散及び劣化を防止することが可能
な光記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、基板上
に記録膜及び透明誘電体層を備え、透明誘電体層から光
を入射させて記録再生を行う光媒体において、イマージ
ョンレンズの屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差を
0.5以下であることを特徴とする光記録媒体が提供され
る。
【0010】本発明では、媒体表面とイマージョンレン
ズ底面との間に介在する空気層と記録膜とによって挟ま
れた透明誘電体層の平均屈折率とイマージョンレンズの
屈折率の差を0.5以下、更に望ましくは0.05〜0.45とす
る。これにより記録時の透明誘電体層の温度上昇を抑制
することができる。以下にその理由について説明する。
透明誘電体層を厚くすると、誘電体層の層内を通しての
熱拡散量が多くなり、レーザー光で加熱されている部分
の直上の膜厚方向での温度勾配が小さくなる。その結
果、透明誘電体層表面の温度上昇が小さくなると考えら
れる。したがって、記録時の媒体表面の温度上昇を制御
するには透明誘電体層の層厚を厚くすればよい。しかし
ながら、本発明者らの研究によると、透明誘電体層の層
厚は記録再生特性に大きく寄与しており、例えば、従来
用いられていた酸化タンタルや窒化シリコン(SiN)
の場合、最大の記録再生特性が得られる膜厚は30〜4
0nmであり、これよりも膜厚を厚くしてしまうと記録
再生特性が著しく劣化してしまうことがわかった。本発
明者らは更に研究を進めた結果、記録再生特性はイマー
ジョンレンズの屈折率と透明誘電体層の屈折率にも依在
することがわかり、イマージョンレンズの屈折率と透明
誘電体層の屈折率の差を小さくすると最大の記録再生特
性が得られる透明誘電体層の膜厚が厚くなることを見出
した。
【0011】そこで、本発明では、イマージョンレンズ
の平均屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差を上述の
範囲にすることで、記録再生特性を劣化させることなく
透明誘電体層の膜厚を40〜250nmとすることが可能と
なる。そして、透明誘電体層の膜厚を厚くすることによ
り、記録時の透明誘電体層最表面の温度上昇を抑えるこ
とができ、潤滑剤の飛散、蒸発及び熱劣化を防ぐことが
できる。この場合の光学路長(=d×n、d:透明誘電体
層の膜厚、n:屈折率)は、100nm〜350nmに相当す
る。
【0012】
【発明の実施形態】本発明において透明誘電体層の平均
屈折率nは、透明誘電体層からの深さをz、深さzでの屈
折率をn(z)とした時に、下記式(1)で表わされる
屈折率である。ただし、dは透明誘電体層の層厚とす
る。
【0013】
【数1】
【0014】本発明において、イマージョンレンズの屈
折率と透明誘電体層の平均屈折率の差の上限は0.5で
ある。後述する実施例に示したように、イマージョンレ
ンズの屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差が0.5
よりも大きいと、記録再生特性が最大となる透明誘電体
層厚は250nm以上となることがわかった。しかしな
がら、透明誘電体層を250nm以上の膜厚で形成する
と、基板に予め形成されているサーボ信号及びアドレス
信号を得るためのピット若しくは溝に対応する凹凸パタ
ーンが透明誘電体層の表面では平坦化されてしまう。こ
のため、ピット、溝部からの信号強度が減少して、サー
ボエラーやアドレスエラーを起こしやすくなる。したが
って、イマージョンレンズの平均屈折率と透明誘電体層
の平均屈折率の差のは0.5以下とし、更に0.4以下が
好ましい。
【0015】本発明において、透明誘電体層の消衰係数
は0.05以下であることが望ましい。透明誘電体層の
減衰係数が0.05よりも大きくなると、レーザー光の
吸収による透明誘電体膜での発熱が無視できなくなり、
記録時に透明誘電体層最表面の温度が上昇することにな
る。また、光ピックアップの受光部への戻り光量も減少
し、記録再生特性を劣化させることになるため好ましく
ない。
【0016】ところで、0.4〜2の屈折率を有する誘電
体では、SiO、MgO、Al23、SiO2が知られ
ている。しかしながら、 MgOは空気中の水分および
二酸化炭素と反応して水酸化炭酸マグネシウムとなるた
め、そのまま本発明の光記録媒体の透明誘電体層に用い
るのは不適当である。また、 SiO、Al23、Si
2の酸化物は主に真空蒸着もしくはスパッタ等の製法
で成膜されることから、これらの酸化物をそのまま用い
た場合、酸素が遊離しやすく好ましくない。また透明誘
電体層は記録層に接しているため、酸化物中の酸素が記
録層に移動しやすく、記録層の腐食の原因となる。ま
た、部分的にも記録層の酸化が進むと、記録層の光消衰
係数が変化し、記録時の最低記録レーザーパワーが変動
する原因となる。そのため、酸化物を単独で用いるには
好ましくない。
【0017】そこで、本発明では、透明誘電体層を、酸
化物、炭化物、及び窒化物の少なくとも2種類以上を含
む透明セラミックを用いて構成することが望ましいこと
がわかった。酸化物と同時に窒化物または炭化物を存在
させると酸化物中の酸素の遊離および拡散を抑制するこ
とができると考える。また、窒化物中の窒素や炭化物中
の炭素は酸化物中の酸素に比べて記録層中に拡散しにく
く、また拡散しても、酸化物中の酸素のような上記問題
をおこさない。更に、2種類以上の化合物もしくは混合
体とすることでそれぞれ単独で用いた場合より熱伝導率
を低下させることができる。熱伝導率を低下することが
できれば、透明誘電体層の熱拡散率(k/(Cρ))、
k:熱伝導率、C:比熱、ρ:比重)が小さくなり、透明
誘電体層の温度上昇を抑制できる。具体的には、Si、
Al、及びSiAl化合物の酸化物、炭化物、窒化物
や、Ti、Ta、Mo、Hf、V、W、およびこれらの
合金の酸化物、炭化物、窒化物、他に、InOx、Sb
x、AlSiOxなどが用いられる。透明誘電体には、
ZnSe、ZnS、SiO2含有ZnSe、SiO2含有
ZnSなどの半導体透明誘電体膜も含まれてもよい。ま
た、水酸化カーボン、DLC(ダイヤモンドライクカー
ボン)も透明誘電体層として用いることができる。
【0018】また、上記のほかに、記録膜上に、Si
N、AlN、SiAlN等の窒化物や、SiC、Al
C、TiC、TaC等の炭化物、ZnS、ZnSe、S
iO2含有ZnSおよびZnSe等の透明半導体、水素
化カーボン、ダイヤモンドライクカーボン等のカーボン
などのいわゆる非酸化物透明誘電体層を形成し、かかる
非酸化物透明誘電体層上に酸化物もしくは酸化物含有層
を形成して、これら非酸化物透明誘電体層及酸化物含有
層を含めて透明誘電体層とすることもできる。
【0019】また、本発明では、透明誘電体層上に、記
録再生時に誘電体層としても作用し得る任意の層、例え
ば保護層が存在する場合には、それらの層及び透明誘電
体層の平均屈折率とイマージョンレンズの屈折率の差を
0〜0.5とすることができる。
【0020】本発明の光記録媒体は、例えば、基板/反
射層/(第2誘電体層)/記録層/透明誘電体層(第1誘
電体層)/保護膜/潤滑剤層の積層構造にし得る。透明
誘電体層の最表面層には、カーボン、窒素化カーボン、
DLC、珪素含有カーボンなどを用いることができる。
記録層としては、光磁気記録方式では、TbFeCo、
GdFeCo、TbFeCoの2層膜、その他磁気超解
像で用いられる膜などが用いることができる。また、相
変化方式では、GeSbTe、InAgSn等を用いる
ことができ、Write Once方式では、色素もし
くはGeSbTe、TePbSe、AuSn等を用いる
ことができる。
【0021】第2誘電体相は随意に設け得る。第2誘電
体層を構成する材料としては、第1誘電体層と同様の一
般的なセラミック材料を用いることができる。例えば、
SiNx、SiOx、SiCx、SiNxy、SiC
xy、SiCxyz、AlNx、AlSixyz、A
lOx、ZnS、TaOx、TiOx、水素化カーボン、
DLCなどを用いることができるが、熱伝導率の高いA
lNx、AlSixy、水素化カーボン、DLCなどを
用いることが好ましい。
【0022】反射層としてはAlまたはAl合金(Al
Ti、AlCr、AlTa、AlNd、AlNb、Al
Cu、AlAg、AlAu等)を用いることができ、こ
れらの他に、Cu、Ag、Au、もしくはこれらの合金
を用いることができる。
【0023】潤滑剤としては、フッ素系のパーフルオロ
ポリエーテル及びその末端にアルコール基、カルボキシ
ル基、ピペロニル基を導入した誘電体、または飽和もし
くは不飽和脂肪酸及びその金属塩等の各種潤滑剤を用い
ることができる。
【0024】基板と反射層の間には、SiOx、Si
x、AlNx、TaOxなどのセラミックス層、または
NiP、NiB、CoZr、CoMo、AlTi、Al
Ta、AlCr等の金属アモルファス層を耐食性向上の
ため形成しても良い。また、このセラミック層または金
属アモルファス層と反射層および基板との密着力を上げ
るため、これらの層と反射層および/もしくは基板との
間にさらにTi、Ta、Cr、Mo、V、Nb等の層を
形成してもよい。
【0025】本発明の光記録媒体の基板は、例えば、樹
脂、ガラス、セラミック、金属を用いて構成することが
できる。本発明では、記録・再生光を基板を透過させず
に照射して記録再生することができるので、透明な材料
を用いて基板を構成する必要は無い。樹脂基板用の樹脂
としては、ポリカーボネイト、ポリメタアクリル酸(P
MMA)、ノルボルネン系アモルファス樹脂、エポキシ
樹脂、ナイロン、ポリミド、ポリアミド、ポリミドアミ
ド、ポリエチレン、ポリエsチレンなどがある。セラミ
ック基板としては、Si基板、結晶化ガラス、カーボン
などを含む。
【0026】本発明の光記録媒体は、有機色素層やTe
化合物などの無機物層にレーザーで穴を空け記録する追
記型や、TbFeCo、DyFeCoなどの希土類金属
と遷移金属の合金層を記録層とする光磁気方式の書き換
え型、Ge合金やIn合金のように結晶相と非結晶相が
可逆に変化することを利用する相変化方式の書き換え型
などの、何れの記録再生方式に従う光記録媒体に適用す
ることができる。再生だけであれば、凹凸ピットや穴の
有無、結晶層とアモルファス相との反射率の違いから情
報を再生する方式でもできる。
【0027】また、本発明の光記録媒体の使用形状とし
てはディスクのみにとらわれず、例えば、ドラム、テー
プ、カード状でもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。
【0029】(実施例1)図4に、本発明に伴う光記録媒
体の一具体例の模式的な構成断面図を示す。光記録媒体
510は、基板50上に、第1接着層51、セラミック層52、第
2接着層53、反射層54、記録層55、透明誘電体層56、保
護層57、潤滑層58を有する。かかる積層構造の光記録媒
体510を以下に記す方法で作製した。
【0030】まず、基板50として、射出圧縮成形機を用
いてポリカーボネイト樹脂製のディスクを成形した。成
形した基板50は、直径130mm、厚さ1.2mm、内径15mmの寸
法を有し、トラックピッチ0.5μm、ランド幅300nm、溝
深さ80nmの連続溝を有していた。次いで、基板50上に、
インライン式DCおよびRFマグネトロンスパッタ装置を
用いて、第1接着層51としてTiを10nm、耐食性層である
セラミック層52としてSiNを20nm、第2接着層53とし
てTiを10nm、反射層54としてAuを50nm、記録層55と
してTbFeCo合金を20nm、透明誘電体層56としてS
iNxyzを成膜し、透明誘電体層上に保護層57とし
てカーボンを5nmの膜厚で連続してスパッタリングする
ことにより成膜した。最後に、保護膜上に、潤滑層58と
して、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
をディップ法で厚さ2nmで塗布し、その後、波長245nmの
紫外線を照射した。
【0031】上述のスパッタリングは次の条件で行っ
た。Ti及びTbFeCoは、Tiターゲット及びTb
FeCoターゲットをArガス中でスパッタすることに
より成膜した。保護層のカーボンは、炭素ターゲットを
Arガス雰囲気中でスパッタすることにより成膜した。
セラミック層のSiNは、SiターゲットをArと窒素
の混合ガス(窒素量:30%)中でスパッタすることによ
り成膜した。透明誘電体層のSiNxyzは、Siタ
ーゲットをAr、水素、酸素および窒素混合ガス中でス
パッタすることにより成膜した。 SiNxyz膜の屈
折率を、エリプソメーターを用いて測定した結果、1.5
であった。 SiNxyz膜の消衰係数は波長680nm
で、0.05以下であることを確認した。
【0032】(実施例2〜8)透明誘電体層の成膜におい
て、水素ガスと窒素ガスと酸素ガスの混合比をそれぞれ
変化させた以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を
それぞれ作製した。本実施例2〜8で作製した各光記録媒
体のSiNxyz膜の屈折率をエリプソメーターで測
定したところ、それぞれ1.55、1.6、1.8、1.95、1.98、
2.08、2.2であった。また、各光記録媒体のSiNxy
z膜の消衰係数は波長680nmでいずれも0.05以下である
ことを確認した。
【0033】(比較例1〜3)透明誘電体層を弗化マグネ
シウム(MgFx)を用いて構成した以外は、それぞれ
実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。なお、弗
化マグネシウムの成膜では、MgF2ターゲットを用
い、Arガス中で投入パワーを変化させてRFマグネト
ロン方式でスパッタした。本比較例1〜3で作製した光記
録媒体の透明誘電体層の屈折率をエリプソメーターで測
定したところ、それぞれ1.3、1.4、1.45であった。
【0034】次に、実施例1〜6及び比較例1〜4の各光記
録媒体について、材質がガラス(SiOx)で構成され
て屈折率が2.0であるソリッドイマージョンレンズを用
いて、透明誘電体層を20nmから300nmの範囲で変化さ
せ、SNR(Signal to Noise Ratio)の透明誘電体層
膜厚依存性を調べた。SNRは、近接場光を用いて記録再
生する評価用ドライブにディスクを組み込み測定した。
評価用ドライブには、図2に示したような浮上ヘッド500
が取り付けられており、浮上型ヘッド500は、ソリッド
イマージョンレンズ100と磁界発生用コイル104を備えて
いる。かかる浮上ヘッドを用いて、線速10m/sec、マー
ク長5μmの連続マークを磁界変調で記録した。記録時の
最大磁界強度は150Oeであった。サーボ信号は、予め
基板上に成形されているトラックピッチ0.5μm、ランド
幅300nm、溝深さ80nmの連続溝からのプッシュプル信号
から得た。SNRはスペクトラムアナライザーを用いて測
定した。ノイズは帯域100Mhzまでのノイズ成分を積分し
て求めた。ピークSNRとは、記録レーザーパワー及び読
み取りレーザーパワーを変化させたとこのSNRが最大と
なる記録レーザーパワー、読み取りレーザーパワーでの
SNRである。
【0035】表1に、透明誘電体層の平均屈折率をA、
イマージョンレンズの屈折率Bと透明誘電体層の平均屈
折率Aとの差B−A、ピークSNRをCで表し、各屈折率
でのピークSNRが得られる透明誘電体層膜厚をt、イマ
ージョンレンズの屈折率Bと保護膜57及び透明誘電体層
56の2つの層にわたる平均屈折率Dとの差B−Dとを示
す。保護層57も誘電体層として作用するため、ここでは
保護層と透明誘電体層とを含めた2層における平均屈折
率を考慮した。カーボン保護膜だけ屈折率は2.5であっ
た。なお、SNRとしては、20dB以上あればドライブの信
号回路は動作する。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜8、比較例1〜3の各屈折率を有す
る光記録媒体の中で、ピークSNRがもっとも高くなる透
明誘電体層厚を有する光記録媒体を用いて、潤滑剤の飛
散特性を調べた。ドライブに光記録媒体を装填し、光記
録媒体を2400rpmの速度で回転させ、かつヘッドを半径3
0mmから55mmの範囲で5Hzでシークさせながら、書き込み
レーザーパワーに相当する15mWのレーザーをディスクに
50時間連続して照射した。試験終了後、光記録媒体とヘ
ッドを取り出して光記録媒体表面上の傷及びヘッドスラ
イダー面に付着した潤滑剤の状態を調べた。ヘッドスラ
イダー上に付着した物質が潤滑剤であるかどうかについ
ては、赤外線分光及び光電子分光法を用いて調べ、潤滑
剤であることを確認した。光記録媒体表面上の傷は目視
及び光学顕微鏡により調べた。またヘッドスライダー上
の潤滑剤付着状態は、光学顕微鏡観察で調べた。表2
に、光記録媒体表面及びスライダー表面の状態を調べた
結果を示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2中、ディスクの表面状態は次の5つのレ
ベルで表わした。 5:傷は観察されない。 4:光学顕微鏡(500倍)で見て一部の領域で傷が観察さ
れる。 3:目視で見て一部領域に傷が観察される。 2:目視で見て半分以上の領域で傷が観察される。 1:目視で全面に傷が観察される。
【0040】また、ヘッドスライダーの表面状態は次の
5つのレベルで表わした。 5:潤滑剤の付着が観察されず、また傷も観察されな
い。 4:スライダーのトレーリングエッジの一部に潤滑剤の
たまりが観察される。傷は観察されない。 3:スライダー全面に潤滑剤の付着が観察される。傷は
観察されない。 2:スライダー全面に潤滑剤の付着が観察される。一部
で傷も観察される。 1:スライダー全面で潤滑剤の付着及び傷が観察され
る。
【0041】表1及び2から、イマージョンレンズの平均
屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差を0〜0.5と
することで、高SNRで、かつ潤滑剤の飛散を抑制した光
記録媒体が得られることがわかった。また、イマージョ
ンレンズの平均屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差
を0.05〜0.45とすることで、更に高SNRで、かつ潤滑剤
の飛散を抑制した光記録媒体が得られることがわかる。
【0042】(実施例9〜15)この実施例では、実施例1
で作製した光記録媒体において、第2接着層53がない光
記録媒体を作製した。かかる積層構造を有する光記録媒
体の作製方法を以下に示す。なお、便宜上、実施例1の
光記録媒体で使用した層と同じ層には、、実施例1で使
用した符号と同じ符号を付して説明する。
【0043】樹脂としてアモルファスポリオレフィン樹
脂を用いた以外は、実施例1と同様にして基板50を作製
した。作製した基板50は、実施例1で作製した基板と同
様に直径130mm、厚さ1.2mm、内径15mmの寸法を有し、ト
ラックピッチ0.5μm、ランド幅300nm、溝深さ80nmの連
続溝を有していた。つぎに、作製した基板上にインライ
ン式DC及びRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、
接着層51としてTiを20nmで、セラミック層52としてS
iNを20nmで、反射層54としてCuを50nmで、記録層55
としてTbFeCo合金を20nmで、透明誘電体層56とし
てSiNxy及びTaOxをこの順で積層し、透明誘電
体層56上に保護層としてDLC(ダイアモンドライクカ
ーボン)膜を10nmで連続してスパッタリングすることに
よって成膜した。最後に、この保護膜上に潤滑層58とし
て、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルを
ディップ法で厚さ2nmで塗布し、その後、波長254nmの紫
外線を照射した。
【0044】上述のスパッタリングは次の条件で行っ
た。Ti及びTbFeCo層は、それぞれTiターゲッ
ト及びTbFeCoターゲットをArガス中でスパッタ
することにより成膜した。DLC層は、炭素ターゲット
をArと水素の混合ガス中(水素含有量:20%)でスパ
ッタし、かつ基板側にRF方式で正の100Vのバイアス
電圧を印加することで成膜した。SiNxy/TaOx
複合構造の透明誘電体層57のうち、 SiNxyは、S
iターゲットをAr、窒素及び水素混合ガス中で混合比
を変化させてスパッタすることにより成膜し、 TaOx
はTa25ターゲットをArと酸素の混合ガス中で混合
比を変えてスパッタすることにより成膜した。実施例9
〜15のSiNxy/TaOx複合構造の透明誘電体層の
平均屈折率を、エリプソメーターを用いて測定した結
果、1.8、1.85、2.0、2.2、2.25、2.4、2.5であった。
各光記録媒体のSiNxySiNxHy、TaOx及び
DLCの消衰係数はいずれも波長680nmで、0.05以下で
あることを確認した。
【0045】(比較例4〜6)SiNxy/TaOx複合
構造の透明誘電体層の成膜において、 Ar、窒素及び
水素混合ガス及びArと酸素の混合ガスの混合比と投入
電力を変化させた以外は、実施例9〜15と同様にして光
記録媒体をそれぞれ作製した。本比較例4〜6で作製した
各光記録媒体のSiNxy/TaOx複合構造の透明誘
電体層の平均屈折率を、エリプソメーターを用いて測定
した結果、1.5、1.6、1.7であった。
【0046】つぎに、実施例1〜8及び比較例1〜3と同様
に、実施例9〜15及び比較例4〜6の各光記録媒体につい
て、材質がZnSで構成されて屈折率が2.3であるソリ
ッドイマージョンレンズを用いて、透明誘電体層を20nm
から300nmの範囲で変化させ、SNRの透明誘電体層膜
厚依存性を調べた。SNRは、実施例1〜8及び比較例1〜3
と同様に、近接場光を用いて記録再生する評価用ドライ
ブにディスクを組み込み測定した。線速10m/sec、マー
ク長5μmの連続マークを磁界変調で記録した。記録時の
最大磁界強度は150Oeであった。サーボ信号は、予め
基板上に成形されているトラックピッチ0.5μm、ランド
幅300nm、溝深さ80nmの連続溝からのプッシュプル信号
から得た。SNRはスペクトラムアナライザーを用いて測
定した。ノイズは帯域100Mhzまでのノイズ成分を積分し
て求めた。ピークSNRとは、記録レーザーパワー及び読
み取りレーザーパワーを変化させたとこのSNRが最大と
なる記録レーザーパワー、読み取りレーザーパワーでの
SNRである。
【0047】表3に、透明誘電体層の平均屈折率をA、
イマージョンレンズの屈折率Bと透明誘電体層の平均屈
折率Aとの差B−A、ピークSNRをCで表し、各屈折率
でのピークSNRが得られる透明誘電体層膜厚をt、イマ
ージョンレンズの屈折率Bと保護膜57及び透明誘電体層
56の2つの層にわたる平均屈折率Dとの差B−Dとを示
す。保護層57も誘電体層として作用するため、ここでは
保護層と透明誘電体層とを含めた2層における平均屈折
率を考慮した。カーボン保護膜だけの屈折率は2.5であ
った。なお、SNRとしては、20dB以上あればドライブの
信号回路は動作する。
【0048】
【表3】
【0049】実施例9〜15、比較例4〜6の各屈折率を有
する光記録媒体の中で、ピークSNRがもっとも高くなる
透明誘電体層厚を有する光記録媒体を用いて、潤滑剤の
飛散特性を調べた。ドライブに光記録媒体を装填し、光
記録媒体を2400rpmの速度で回転させ、かつヘッドを半
径30mmから55mmの範囲で5Hzでシークさせながら、書き
込みレーザーパワーに相当する15mWのレーザーをディス
クに50時間連続して照射した。試験終了後、光記録媒体
とヘッドを取り出して光記録媒体表面上の傷及びヘッド
スライダー面に付着した潤滑剤の状態を調べた。ヘッド
スライダー上に付着した物質が潤滑剤であるかどうかに
ついては、赤外線分光及び光電子分光法を用いて調べ、
潤滑剤であることを確認した。光記録媒体表面上の傷は
目視及び光学顕微鏡により調べた。またヘッドスライダ
ー上の潤滑剤付着状態は、光学顕微鏡観察で調べた。表
2に、光記録媒体表面及びスライダー表面の状態を調べ
た結果を示す。
【0050】
【表4】
【0051】表4中、ディスクの表面状態は次の5つのレ
ベルで表わした。 5:傷は観察されない。 4:光学顕微鏡(500倍)で見て一部の領域で傷が観察さ
れる。 3:目視で見て一部領域に傷が観察される。 2:目視で見て半分以上の領域で傷が観察される。 1:目視で全面に傷が観察される。
【0052】また、ヘッドスライダーの表面状態は次の
5つのレベルで表わした。 5:潤滑剤の付着が観察されず、また傷も観察されな
い。 4:スライダーのトレーリングエッジの一部に潤滑剤の
たまりが観察される。傷は観察されない。 3:スライダー全面に潤滑剤の付着が観察される。傷は
観察されない。 2:スライダー全面に潤滑剤の付着が観察される。一部
で傷も観察される。 1:スライダー全面で潤滑剤の付着及び傷が観察され
る。
【0053】表3及び4から、イマージョンレンズの平均
屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差を0〜0.5と
することで、高SNRで、かつ潤滑剤の飛散を抑制した光
記録媒体が得られることがわかった。また、イマージョ
ンレンズの平均屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の差
を0.05〜0.45とすることで、更に高SNRで、かつ潤滑剤
の飛散を抑制した光記録媒体が得られることがわかる。
【0054】(実施例16)本実施例では相変化型の光記
録媒体を作製した。図5に、相変化型光記録媒体の概略
断面図を示す。相変化型光記録媒体600は、基板60上に
セラミック層61、反射層62、第2誘電体層63、記録層6
4、透明誘電体層65、保護層66及び潤滑剤層67を順次積
層した構造を有する。かかる積層構造を有する相変化型
光記録媒体600の製造方法を以下に説明する。
【0055】まず、実施例1と同様にしてポリカーボネ
イト樹脂基板60を作製した。次いで、実施例1と同じス
パッタ装置を用いて、作製した基板60上に、セラミック
層61としてSiNを20nm、反射層としてCuを75nm、こ
の上に第2誘電体層63としてZnS−SiO2(SiO2
含有量20mol%)を5nm、記録層64としてGeSbT
eを20nm、その上に透明誘電体層65として、先ずZnS
−SiO2(SiO2含有量:70%)を60nm、その上にZ
nS−SiO2(SiO2含有量:30%)を60nm、最後に
保護層66として水素化カーボン膜を10nmで連続してスパ
ッタリングすることによって積層した。保護層66上に、
潤滑層67として、両末端にピペロニル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルを2nmの膜厚でスピンコート法によ
り塗布した。
【0056】上述のスパッタリングは次の条件で行っ
た。Ti及びGeSbTe層は、それぞれTiターゲッ
ト及びGeSbTeターゲットをArガス中でDCスパ
ッタすることにより成膜した。水素化カーボン層は、炭
素ターゲットをArと水素の混合ガス(水素含有量:20
%)中でDCスパッタして成膜した。セラミック層のS
iN層はSiターゲットをArと窒素の混合ガス(窒素
ガス含有量:30%)中でDCスパッタすることにより成
膜した。ZnS−SiO2は、 ZnS−SiOターゲ
ットをArと酸素の混合ガス(酸素ガス含有量:10
%)中でRFスパッタすることにより成膜した。この条
件の透明誘電体中のZnS−SiO2(SiO2含有量:
70%)膜の屈折率は1.71、 ZnS−SiO2(SiO2
含有量:30%)膜の屈折率は2.05であった。水素化カー
ボン膜の屈折率は1.6であった。透明誘電膜と水素化カ
ーボン膜を合わせた平均屈折率は1.86であった。消衰係
数はいずれも波長680nmで0.05以下であった。
【0057】実施例1の光記録媒体の記録再生に用いた
評価用ドライブに相変化用の光学系を有する浮上ヘッド
に材質がガラス(SiOx)で構成されて屈折率が2.0で
あるソリッドイマージョンレンズを取り付け、イマージ
ョンレンズの平均屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の
差が0.05の条件で、この評価用ドライブに実施例16で作
製した相変化光記録媒体を装填して、実施例1の光記録
媒体のSNRを測定したときと同じ条件にてSNRを測
定した。記録波形は相変化用のくし型波形を用いた。測
定の結果、SNRとして25dBを得た。次いで、この相変
化型光記録媒体600に、レーザーパワー20mWのレーザー
光を、ヘッドシークさせながら50時間連続して照射し
た。その後、相変化光記録媒体600の表面の傷及びヘッ
ドスライダー表面の潤滑剤の付着と傷の入り方を調べた
ところ、媒体表面の状態及びヘッドスライダー表面の状
態は、表2で説明した5つのレベルを用いて表わすと、と
もに「5」で良好なレベルであった。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、高SN比を維持しつつ透
明誘電体層の膜厚を厚くすることができるので、記録時
の媒体表面の温度上昇を抑制することができる。したが
って、潤滑剤の蒸発や飛散、劣化が防止または抑制され
るので、イマージョンレンズの底面に潤滑剤が付着また
は移着することが防止または抑制され、良好に記録再生
を行うことができる。また、媒体に対してヘッドを良好
に摺動させることが可能になり、ヘッドクラッシュを低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イマージョンレンズを使用したときの光学系の
概略を説明する図である。
【図2】イマージョンレンズと近接場光を利用した記録
再生方式で用いるエアーサスペンション型光ヘッドの構
造の概略図である。
【図3】浮上型光ヘッドを使用する従来の光記録媒体の
断面模式図である。
【図4】本発明に従う光記録媒体の一具体例の断面模式
図である。
【図5】本発明に従う相変化型光記録媒体の一具体例の
断面模式図である。
【符号の説明】
1 半球状イマージョンレンズ 2 超半球状イマージョンレンズ 3 レーザー光 40、50、60 基板 41、54、62 反射層 42 第2誘電体層 43、55、64 記録層 44 第1誘電体層 51 第1接着層 52、61 セラミック層 53、63 第2接着層 56、65 透明誘電体層 57、66 保護層 58、97 潤滑剤層 100 ソリッドイマージョンレンズ(SIL) 102 スライダー 104 磁気コイル 4、400、510、600 光記録媒体 500 光ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/10 521 G11B 11/10 521F 551 551A (72)発明者 安達 和慶 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D029 LA14 LA16 LB01 LB07 LB11 LC03 LC06 5D075 AA03 CD17 EE03 FG03 5D119 AA11 AA22 BA01 BB04 BB05 JA44 JB03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録膜及び透明誘電体層を備
    え、透明誘電体層側からイマージョンレンズを用いて光
    を入射させて記録再生を行う光記録媒体において、イマ
    ージョンレンズの屈折率と透明誘電体層の平均屈折率の
    差が0.5以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記イマージョンレンズの屈折率と透明
    誘電体層の平均屈折率の差が0.05〜0.45であることを特
    徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記透明誘電体層の光消衰係数が0.05以
    下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記透明誘電体層が、酸化物、窒化物及
    び炭化物からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記酸化物、窒化物及び炭化物が、それ
    ぞれ、Ti、Ta、Mo、Hf、V、W及びこれらの合
    金、並びにSi、Al、SiAl、In、Sb、AlS
    i及びこれらの合金からなる群から選択されたすくなく
    とも一種から構成されていることを特徴とする請求項4
    に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記透明誘電体層が、上記記録膜の直上
    に形成された非酸化物透明誘電体層と、当該非酸化物透
    明誘電体層上に形成された酸化物含有透明誘電体層から
    構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記透明誘電体層上に保護層を備え、上
    記透明誘電体層及び該保護層の平均屈折率とイマージョ
    ンレンズの平均屈折率の差が0.5以下であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 基板上に反射層、記録層、透明誘電体
    層、保護層、潤滑剤層をこの順で備える積層構造を有す
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載
    の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記透明誘電体層の膜厚が、40nm〜250n
    mの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜8のいず
    れ一項に記載の光記録媒体。
JP11090273A 1999-03-30 1999-03-30 光記録媒体 Withdrawn JP2000285516A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11090273A JP2000285516A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11090273A JP2000285516A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000285516A true JP2000285516A (ja) 2000-10-13

Family

ID=13993918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11090273A Withdrawn JP2000285516A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000285516A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507274A (ja) * 2009-10-16 2013-03-04 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 単一および複層における高反射率、耐引っ掻き性TiO2被膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507274A (ja) * 2009-10-16 2013-03-04 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 単一および複層における高反射率、耐引っ掻き性TiO2被膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4307767B2 (ja) 光情報記録媒体、及びこの媒体の情報記録方法
JP3940709B2 (ja) 相変化光記録媒体
JP4509431B2 (ja) 情報記録媒体
JPH11185313A (ja) 光記録媒体
JP4127789B2 (ja) 相変化光記録媒体
JP2000285516A (ja) 光記録媒体
JP2001312840A (ja) 表面読み出し型光記録媒体
KR19990083107A (ko) 광기록 매체
JP2000149326A (ja) 光記録媒体
JP2004063047A (ja) 光記録媒体
JP2002542563A (ja) 光記録媒体及びその使用方法
JP2006252766A (ja) 相変化光記録媒体
JPH11144321A (ja) 光記録媒体
JP2002352472A (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法およびその記録再生方法
US20020168495A1 (en) Phase-change optical recording media
JP4086689B2 (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法
JP2001331972A (ja) 光情報記録媒体
JP2003266936A (ja) 情報記録媒体、情報記録方法、及び情報記録再生装置
JP4436880B2 (ja) 光情報記録媒体
JP4108280B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2000215513A (ja) 光記録媒体及び光記録装置
JP2000082245A (ja) 光磁気記録媒体
JP4328840B2 (ja) 表面読み出し型光記録媒体
JP2003338083A (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、並びにその記録再生方法
JPH1173682A (ja) 光記録媒体、光ヘッド及び光記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606