JP4436880B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報記録媒体に代表されるような光学的に情報の記録または再生が可能な光情報記録において、より高密度化を目指し、より小さい光スポット径で記録を行うことができ、また小さい領域に記録されている情報の再生を行うことができる光情報記録媒体に関する。そのような光情報記録媒体を実現するために媒体の強度を高める必要があり、構成要素として硬度の高い酸化物記録層を用いることにより強度を高めた光情報記録媒体に関する。
光情報記録媒体としてはコンパクトディスクに代表されるようにディスク状記録媒体が良く知られているが、マルチメディア、情報ネットワークの時代になりさらなる大容量の記録システムが必要とされている。光情報記録媒体には読み出し専用、追記型、書き換え型があるが、読み出し専用としてはCD−ROM、DVD−ROM、追記型としてCD−Rなど、書き換え型として相変化記録方式、光磁気記録方式のものが実用化されている。
しかし、情報技術の進歩に伴う情報量の飛躍的な増加により、情報記録媒体に対する高密度化および大容量化への要求はさらに高くなっている。波長0.65μmの光を利用したDVDの実用化された現在では、波長0.4μm程度の光を用いて高密度化を実現する開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1〜2参照)。しかし、現在の記録媒体に用いられている記録材料は屈折率、光の吸収率などが上述したような短い波長の情報記録/再生に充分適しているとは言えず、他の特性もまだ不充分である。そこで、短い波長において良好な記録、再生を行うことができるような材料の開発が課題となっている。
高密度化のためには情報が記録されている記録ピットを小さくする必要があり、そのための一つの方法として、光をより小さく絞り光のスポットを小さくする方法がある。光のスポット径は波長をλ、レンズの開口率をNAとするとλ/NAに比例するため、スポット径を小さくするためには波長を小さくするか開口率を大きくすることが考えられる。光の波長はレーザダイオードなど光の発生源に依存するので、光のスポット径を小さくする方法としてレンズの開口率NAを大きくする方法が比較的容易である。そこでNAを大きくする方法の例として、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)を用いたもの(例えば、特許文献3参照)がある。
また、高密度化を実現する方法としては、近接場光を利用した微小スポットを用いる方法があり、例えば、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)を用いる方法と微小開口を用いる方法がある。ソリッドイマージョンレンズ(SIL)を応用した光記録方法としては、例えば、スタンフォード大学のG.Kinoらの提案などがある(例えば、特許文献4参照)。この提案では、入射光はソリッドイマージョンレンズの球面に対して垂直に入射され、出射側の平面の中心に収束する。この方法では、ソリッドイマージョンレンズの屈折率をnとすると、最小ビーム径は回折限界ビーム径のn分の一まで小さくすることができる。記録媒体をレンズに近づけることによりこの微小ビームが近接場光的に伝播し微小スポットの光を媒体に照射することができる。
また、小さな開口に光を照射するとその開口近傍では近接場光が発生する。その近接場光を用いて小さいピットを記録する試みもなされている(例えば、特許文献5参照)。近接場光を用いると、光スポットの収束限界以下のスポットを形成することが可能であり、100Gbit/in以上の記録密度に相当する小さいスポットを光磁気記録媒体上や、相変化記録媒体上に形成できたという報告もある。
これらの方法を用いることにより小さいピットが形成可能となってきたが、ソリッドイマージョンレンズを用いた場合には、開口率が大きくなり光を小さく収束させるためより精密にスポット位置を制御する必要があり、ヘッドと記録媒体との距離を小さくする必要があった。
また、近接場光情報記録においても近接場光は光の波長以下の微細開口の極近傍でのみ生じているため、ヘッドと記録媒体との距離を小さくする必要があった。記録媒体と光ヘッドとの距離を近接させた状態で制御するため、光ヘッドをスライダに載せることも考えられている(例えば、特許文献6〜7参照)。
また、微小開口を利用した、近接場光はその発生源である微小開口の近傍でのみ利用可能となるため、ヘッドと記録媒体の距離が大きく接触の可能性がほとんどないような従来の光情報記録とは異なりヘッドと記録媒体との距離を近づける必要がある。また、更なる高密度化のためにはヘッドと記録媒体を接触させる方式も考えられる。
これらのように、高密度化を行おうとするとヘッドと記録媒体との距離を近づける必要があり、スライダを用いるなどの場合にはヘッドと媒体とが記録再生の動作中に接触する可能性が生じてきた。また、高密度化を行う場合、積極的にヘッドと媒体とを接触する必要が生じ、その場合にも媒体の耐摩耗性などの強度が必要となっていた。
また、表面の保護層を厚くすると記録再生が困難になるため、保護層を薄くする必要がある。保護層を薄くすると記録層が比較的大気に近いところに位置するようになるため、保存特性が低下するなどの問題に関しても考慮する必要が生じていた。
また、記録層に酸化物を用いた光情報記録媒体としては、ガーネット膜を用いた光磁気記録媒体が知られているが、光磁気記録と追記型記録との各方式で共通に使用できる記録媒体を提供することを目的に、Bi、Ga、Fe、Oを含む記録媒体に関する報告がある(例えば、特許文献8参照)。この発明は、媒体強度を改善するためのものではなく、また、記録層に用いられる材料においても光磁気記録に用いられる組成に限られている。
特開平6−295469号公報 特開2000−108513公報 特開平8−212579号公報 特許番号2553275号 特開平7−191046号公報 特開平9−198830号公報 特開平11−066658号公報 特開平10−92027号公報
高密度媒体を実現するため、記録媒体と記録ヘッドとの距離を小さくする必要が生じているが、そのため、媒体の強度を高め耐摩耗性、耐衝撃性を向上させることと、記録再生特性の両立、また記録媒体の保存性が課題であった。また、上述したように、ソリッドイマージョンレンズ、微小開口などを用いた近接場光を利用した高密度化においては、ヘッドと記録媒体の接触による双方の損傷の可能性を考える必要がある。つまり、接触による損傷を防止するために媒体の耐衝撃性、耐磨耗性などの強度をいかに高めるかという課題が明らかとなった。また、追記型記録媒体の記録材料として用いられるような有機材料は、光の波長が0.4μm程度のいわゆる青色光の領域では光安定性が低いため、再生を繰り返すことで劣化してしまうという問題点も指摘されている。
そこで、本発明では、これらの課題を解決し、強度の高い高密度光情報記録媒体を提供することを目的としている。また、本発明の他の目的は、近接場光を用いた高密度記録を実現するためにヘッドと記録媒体との距離を小さくしても問題の生じない耐摩耗性、耐衝撃性などを高めた情報記録方法、情報再生方法、情報記録/再生装置により情報記録/再生が可能な光情報記録媒体を提供することである。また、さらに他の目的は、0.4μm程度の短い波長の光を用いて高密度記録/再生を実現することが可能となるような優れた記録、再生特性を示す光情報記録媒体を提供することである。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の光情報記録媒体の発明は、光照射により記録または再生を行う光情報記録媒体において、記録層が、X、YおよびOの各元素(ただし、XはMn及びNiのいずれかの元素を示し、YはFeの元素を示し、Oは酸素を示す。)からなり、前記記録層として、XY (ただし、XはMn及びNiのいずれかの元素を示し、YはFeの元素を示し、Oは酸素を示す。)の組成を有する酸化物を用いることを特徴とする。
本発明においては、記録層にX、YおよびOの元素からなる酸化物を用いることにより、耐摩耗性、耐衝撃性などに優れた高密度光情報記録媒体を実現できる。また、記録層を酸化物とすることにより保存性に優れた光情報記録媒体を実現できる。
また、上記光情報記録媒体において、記録層にXYの組成の酸化物を用いることにより、耐摩耗性、耐衝撃性などに優れた高密度光情報記録媒体を実現できる。また、記録層を酸化物とすることにより保存性に優れた光情報記録媒体を実現できる。
本発明においては、記録層を構成する酸化物が未記録状態では非晶質構造であることにより、記録感度が高い光情報記録媒体を実現できる。
本発明においては、反射層を設けることにより、記録、再生特性が向上する。また、再生信号強度が大きくなるため高速で記録、再生が可能となる光情報記録媒体を提供できる。
また、本発明においては、潤滑層を設けることにより、媒体、ヘッド間の潤滑がよくなり耐摩耗性、耐衝撃性などに優れた高密度光情報記録媒体を実現できる。
さらに、本発明では、反射層として、W、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの中から少なくとも一種類の元素またはこれらの元素を含む合金の中から選択される少なくとも一種類の材料を用いることにより、耐摩耗性、耐衝撃性などに優れた高密度光情報記録媒体を実現できる。
本発明では、基板として、Al、W、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの中から少なくとも一種類の元素またはこれらの元素を含む合金の中から選択される少なくとも一種類の材料を用いることにより、基板と反射層を兼用することができ、そのため強度およびコスト的に有利となり、耐摩耗性、耐衝撃性などに優れた高密度光情報記録媒体を実現できる。
また、本発明によれば、上記情報記録媒体に対し高密度記録を行うのに適した情報記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記情報記録媒体に対し極めて感度良く高密度記録を行うこと情報記録方法を提供できる。
また、本発明によれば、上記情報記録媒体に高密度に記録された情報を良好に再生する情報再生方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記情報記録媒体に高密度記録を行うことができる情報記録装置/情報記録再生装置を提供できる。また、上記情報記録媒体に高密度に記録された情報を再生できる情報記録装置/情報記録再生装置を提供できる。
さらに、本発明によれば、短波長の光を用いて高密度記録再生を行う場合にも感度良く記録再生が良好に行われ、近接場光による記録、再生においても耐磨耗性などに優れ良好に高密度記録再生が可能となる情報記録媒体を提供できる。
また、400nmから430nmの波長の光のに対する記録層の吸収率を10%以上とすることで、記録の保存性に優れ、強度の高い情報記録媒体を提供できる。記録層の結晶構造をアモルファス構造とすれば、極めて良好な記録を行うことができる情報記録媒体を提供できる。記録層の膜厚を50nm以下とすれば、感度良く記録可能な情報記録媒体を提供できる。
上記課題を解決するために本発明は、光情報記録媒体の一構成要素である記録層に酸化物を用いている。それにより媒体の耐摩耗性、耐衝撃性が高い、保存性に優れた高密度光情報記録媒体を提供する。また、この光情報記録媒体を用いた情報記録方法、情報再生方法、情報記録/再生装置で情報記録/再生が可能な情報記録媒体を提供する。また、短い波長の光を用いて高密度記録、再生を可能とする光情報記録媒体、情報記録方法、情報記録装置及び情報再生装置を提供する。これにより、良好な高密度記録/再生を可能とし、さらに、情報の保存特性を向上させる。
以下で本発明の構成例を示し課題を解決するための手段について説明する。
(光情報記録媒体)
本実施の形態にかかる第1の光情報記録媒体は、光照射により記録または再生を行う光情報記録媒体において、記録層がR、MおよびOの各元素(ただし、RはY、Bi、Inおよびランタン系列元素より選ばれる一種以上の元素を示し、MはAl、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、VおよびNbのうちより選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)からなることを特徴とする。
従来の光情報記録媒体において、記録層は媒体の構成要素の中で比較的柔らかい材質よりなっており、この層の強度を高めることができれば媒体の強度も高まることが期待される。酸化物は一般に比較的硬度が高いため、酸化物を記録層に用いることは強度の高い光情報記録媒体を実現するために有効である。
また、R、MおよびOの各元素(ただし、RはY、Bi、Inおよびランタン系列元素より選ばれる一種以上の元素を示し、MはAl、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、VおよびNbのうちより選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)からなる酸化物は、スパッタなど気相成長法により特性の良い膜が容易に製膜される。
このように製膜した記録層に光を照射し温度を上昇させることにより、結晶構造が変化し情報を記録することができる。光の吸収率が高い元素を含むことで記録時における必要な光の出力が小さくてすむようになる。つまり記録感度が高くなる。このように、例えばBiのように光吸収率が高い元素を多く含む組成、場合によってはBiFeO合金のような組成を持つことにより記録感度が大きく向上するため、好ましい。また、酸化物はもともと酸化されているため大気中で安定であり、酸化物を記録層に用いた場合、記録された情報が酸化により破壊されることがなく、このような記録層を用いることにより保存性に優れた光情報記録媒体の実現が可能である。
本実施の形態にかかる第2の光情報記録媒体は、光照射により記録または再生を行う光情報記録媒体において、記録層がX、YおよびOの各元素(ただし、XはMg、Fe、Zn、Mn、Ni、Liのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、YはAl、Fe、Cr、Ti、Mn、Ni、Co、Cu、Vのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)からなることを特徴とする。
X、YおよびOの各元素(ただし、XはMg、Fe、Zn、Mn、Ni、Liのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、YはAl、Fe、Cr、Ti、Mn、Ni、Co、Cu、Vのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)からなる酸化物は、スパッタなど気相成長法により製膜すると特性の優れた膜が容易に製膜できる。
製膜した記録層に光を照射し温度を上昇させることにより結晶構造が変化し情報を記録することができる。また、酸化物はもともと酸化されているため大気中で安定であり、酸化物を記録層に用いた場合、記録された情報が酸化により破壊されることがなく、このような記録層を用いることにより保存性に優れた光情報記録媒体の実現が可能である。
上記第1の光情報記録媒体では、記録層としてR12(ただし、RはY、Bi、Inおよびランタン系列元素より選ばれる一種以上の元素を示し、MはAl、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、VおよびNbのうちより選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)の組成を有する酸化物を用いることができる。
12の組成を持つ酸化物として、いわゆるガーネット構造を有する酸化物がある。ガーネット構造を持つ化合物は硬度が高いためこれを記録層に用いることができれば強度が高い光情報記録媒体が実現できる。
スパッタ法などのような気相成長法で製膜することが可能であり、この方法が簡便で特性の良い膜を容易に作成できることから好ましい。このように製膜した膜に光を照射し温度を上昇させることにより結晶構造が変化し情報を記録することができる。めっき法、ゾルゲル法などで製膜することも可能である。また、CVD法、プラズマCVD法、イオンビーム蒸着法等がいずれも使用可能である。
ガーネットは光磁気記録材料として研究が行われている材料であり高温で熱処理することによりガーネット構造をとるようになる。しかし、光で記録を行ったマークは熱処理によっても消去されることはなく、また酸化により情報が破壊されることもなく保存性にも優れている。
上記第2の光情報記録媒体では、記録層としてXY(ただし、XはMg、Fe、Zn、Mn、Ni、Liのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、YはAl、Fe、Cr、Ti、Mn、Ni、Co、Cu、Vのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、Oは酸素を示す。)の組成を有する酸化物を用いることができる。
XYの組成を持つ化合物は、いわゆるスピネル構造を有する酸化物が挙げられる。スピネルは硬度が高いためこれを記録層に用いることができれば強度が高い光情報記録媒体が実現できる。
上記の第1の光情報記録媒体および第2の光情報記録媒体においては、記録層を構成する酸化物が未記録状態では非晶質構造であることが好ましい。未記録状態で非晶質構造を有する記録層に光照射を行い温度を上昇させることで記録マークを書きこむことができる。非晶質状態から結晶質への転移は比較的低温で起こるため感度良く記録を行うことができる。また、非晶質状態の膜はスパッタ法などの気相成長法で比較的簡単に製膜できるため作製も容易である。また、CVD法、プラズマCVD法、イオンビーム蒸着法等がいずれも使用可能である。
上記の第1の光情報記録媒体および第2の光情報記録媒体においては、反射層を有することができる。反射層を設けることにより記録層を透過した光が反射層で反射され再度記録層を透過する。このことにより光を効率良く利用できるようになり、良好な記録、再生を行うことができるようになるとともに反射率が向上するなどの効果がある。反射率が高くなると再生信号強度が大きくなるため信号処理が容易になり高速記録、再生が可能となる。
また、反射層として熱伝導率の高い材料を用いることにより記録層に加わる熱を制御することができ記録マークの形状、大きさを制御することができる。反射層に用いられる材料としては、温度の制御を行うためその設計に応じた熱伝導を有する材料を用いることができるが、例えばAg、Au、Al、またその合金などが挙げられる。
上記の第1の光情報記録媒体および第2の光情報記録媒体においては、潤滑層を有することができる。媒体の最表面に潤滑層を設けることによりディスクとヘッドとの潤滑が改善され接触しても媒体が損傷を受け難くなる。また、接触させて使用する構成においても動作が滑らかになる。この潤滑層は上述した様々な層構成に適用可能である。
潤滑層としては、炭化水素系潤滑剤とフッ素系潤滑剤とが用いられる。炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリンアルコール、オレインアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、またはステアリルアミン等のアミン類などが好ましい。
さらに、フッ化系潤滑剤として、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤がより好ましい。
これらの潤滑層は、ディッピング法、スプレー塗布法、スピンコート法などで形成される。最表面に炭素膜を形成し、その上面にフッ素系潤滑剤を用いると、炭素膜とフッ素系潤滑剤とは結合が強く強固な潤滑層の形成が可能となり好適である。また、固体潤滑層としてテフロン(登録商標)などの弗化物、ポリイミド、グラファイト、炭素化合物、二硫化モリブデン、W、Moなどの酸化物および硫化物なども例示できる。
上記の第1の光情報記録媒体および第2の光情報記録媒体においては、前記光情報記録媒体が、W、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの中から少なくとも一種類の元素またはこれらの元素を含む合金の中から選択される少なくとも一種類の材料からなる反射層を有することができる。
反射層として、比較的硬度が高い材料であるW、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの中から少なくとも一種類の元素またはこれらの合金の中から選択される少なくとも一種類の材料を用いることにより、強度的に優れた光情報記録媒体を実現することができる。W、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの元素およびこれらの合金は、ビッカース硬さで硬度を評価するとAgの2倍以上の値を示すことから強度の高い光情報記録媒体を実現するのに効果がある。
上記の第1の光情報記録媒体および第2の光情報記録媒体においては、前記光情報記録媒体の基板が、Al、W、Mo、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbの中から少なくとも一種類の元素またはこれらの元素を含む合金の中から選択される少なくとも一種類の材料からなることができる。
基板として、これらの比較的硬度の高い材料を用いることにより媒体の強度を高めるのに効果がある。また、基板と反射層とを兼ねることができるため媒体を構成する層を一層減らすことができる。層数を減らすことで媒体全体としての強度は高くなるため基板に上記のような材料を用いることは効果がある。
特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金は安価で加工も容易であり、表面粗さを小さくすることが可能であるため好ましい。中でもアルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−チタン合金、アルミニウム−クロム合金などが特に好ましい。
また、本発明のような金属基板の表面にNi合金の皮膜を形成した場合効果が大きい。Ni合金はレーザなどで高温にすると容易に形状を作ることが可能である。
NiP、NiNbのような合金は腐食しにくく、硬いため基板の表面にこれらの合金を形成することは好ましい。特にアルミニウム合金基板とNi合金の組み合わせは好ましい。Ni合金の形成は無電解めっきなどのめっき法が好ましいが、蒸着法、スパッタ法などでも可能である。
また、本実施の形態に係る第3の光情報記録媒体は、上記第1または第2の光情報記録媒体において、記録層の400nmから430nmの波長に対する光の吸収率が10%以上としたことを特徴とする。このような記録層は、上記波長の光が入射されると記録に必要な熱が生じるため良好な記録が可能となる。つまり、記録層は、光を吸収して熱を発生することにより、膜の結晶相、結晶構造および/または形状が変化されて情報が記録される。より詳しくは、次の通りである。
記録層は、数種類の酸化物の混合化合物となっており、温度上昇により融点を超えると、層中の酸素を放出して結晶構造の変化をおこしたり、反応をおこすことで新たな化合物が生成され、形状変化や結晶構造変化がおこる。これらの変化と情報とを対応させることで情報記録が可能となる。このような変化は、数百℃から起こり、酸素を外部に放出する反応などは600℃程度で生じる。記録層の光の吸収率が10%より小さいと、光が照射された場合の記録層の温度上昇が小さくなるため、C/Nの高い記録を行うことが困難となる。
記録層に、情報に対応した光のパルスを照射することで、情報を記録することができる。つまり、光照射による発熱により、記録層の結晶面などの結晶性を変化させたり、結晶相などの結晶構造の変化などが生じさせたり、記録層に穴が形成させたり、部分的に凹部または凸部が形成させるなど、記録層に上記パルスに応じた変化を生じさせて情報記録する。
上述したような従来の記録媒体では用いられていないような酸化物記録材料を用いて記録層を形成し、当該記録層に適した方法で情報を記録すれば、高密度記録を行う場合でも極めて良好に記録できる。上述したような材料は、酸化などに強く、また情報を記録した後高温になっても記録した情報が消えにくいため情報の保存性が向上するからである。また、光磁気記録のように磁気的に記録を行うのではなく、形状の変化および/または原子配列の変化により記録を行い、これを光学的に読み取ることで再生すれば、上述したように高密度記録が可能となる。
なお、光の吸収率は、膜に入射した光のうち反射と透過する分を除いた光の量の入射した光の総量に対する割合であらわされる。例えば、物質の吸収係数に膜厚を乗じることにより算出してもよい。
また、前記したように、X、Y、Oの各元素(ただし、XはMg、Fe、Zn、Mn、Ni、Liのうちから選ばれる一種以上の元素を示し、YはAl、Fe、Cr、Ti、Mn、Ni、Co、Cu、Vのうちから選ばれる一種以上の元素、Oは酸素を示す。)を含有する記録層を採用し、当該記録層を、波長が400nmから430nmの光の吸収率を10%以上とすれば、極めて感度よく情報記録を行えることを見いだした。
前記したように、記録層は、照射された光を吸収して熱を発生することにより結晶相、結晶構造および/または形状が変化する。記録層は、数種類の酸化物の混合膜になっていると考えられるが、例えば、MnOとFeは600℃以上では反応してスピネル型化合物に変化するといわれている。また、高温では酸素を放出して結晶構造の変化が起こることもある。
また、記録層に少なくともBi、Fe、Oを含有させることで、記録感度が極めてよく、酸化に強く、また、情報が消えにくい光情報記録媒体を提供できる。BiおよびFeは、光の吸収が比較的大きいため、これらの合金、化合物も光の吸収が比較的大きい。そのため、これらの元素またはこれらの元素を含有する化合物を記録層に用いることにより記録感度が極めて高くなる。また、酸化物を用いることにより酸化に極めて強くなる。また、情報が記録された後に高温されても、記録された情報が消えにくくなり、情報の保存性も向上する。
また、記録層に少なくともMn、Fe、Oを含有させることで、記録感度が極めてよく、酸化に強く、また、情報が消えにくい光情報記録媒体を提供できる。MnおよびFeは、光の吸収が比較的大きいため、これらの合金、化合物も光の吸収が比較的大きい。そのため、これらの元素またはこれらの元素を含有する化合物を記録層に用いることにより記録感度が極めて高くなる。また、酸化物を用いることにより酸化に極めて強くなる。また、情報が記録された後に高温されても、記録された情報が消えにくくなり、情報の保存性も向上する。
また、記録層の結晶構造をアモルファス構造とすることが好ましい。結晶質材料とした場合に比べ均一性が高いため、高密度に記録のように極めて小さい領域に記録を行う場合、結晶粒界などの影響を受けにくくなる。
また、記録層の膜厚を50nm以下とすることが好ましい。膜厚が50nmよりも厚くなると記録感度が悪くなり良好な記録を行うことができなくなる。なお、膜厚を20nm以下とするとさらに感度よく記録できるため好ましい。
(情報記録方法)
本実施の形態に係る情報記録方法は、上記光情報記録媒体の記録層に光を照射することで、この記録層の結晶相、結晶構造および/または形状を変化させて情報の記録を行う。本発明に係る情報記録方法では、上記記録層内で情報を記録する箇所に、記録する情報に対応した光のパルスを照射する。記録層(の上記箇所)は、光を吸収して熱を発生し、上記パルスに対応した所定の結晶相、結晶構造および/または形状に変化する。別言すれば、本発明に係る情報記録方法は、上記記録層の情報記録箇所の結晶相、結晶構造および/または形状を、情報に対応した状態に変化させて情報の記録を行う。より詳しくは、光照射による発熱により、結晶面などの結晶性の変化、結晶相などの結晶構造の変化、穴の形成、部分的に凹部/凸部の形成など、記録層の状態を情報と対応する状態へ変化させることで情報を記録する。このように、上述した材料を用いた光情報記録媒体を用い、当該媒体(材料)に適した情報記録方法を採用することで、良好な高密度記録が可能となる。つまり、酸化などの耐環境性が極めてよく、また、情報を記録した後高温条件下におかれても情報が消えにくい優れた保存性を有する上記情報記録媒体に、本発明による情報記録方法を用いて情報記録を行えば、近接場光を用いた場合にも良好に記録を行うことができる。
また、上記記録層へ照射する光の波長は、0.5μm以下とすることが好ましい。上記記録層は、0.5μm以下の波長の光の吸収が極めてよいため、このような波長の光が入射すると熱の吸収による発熱も多くなる。従って、効率のよい記録が可能となる。特に、上記記録層は、波長が0.4〜0.43μm程度の光、いわゆる青色レーザーダイオードの光に対し、吸収が大きく、記録感度が高く、比較的弱い光でも記録を可能とする。このように、波長が0.5μm以下の光を照射して記録層の結晶相、結晶構造および/または形状を変化させることで情報の記録を行う情報記録方法は、従来用いられていない上記光情報記録媒体の情報記録を可能とする。
なお、上記第3の光情報記録媒体に対して情報を記録する場合には、波長が400nmから430nmの光を用いる。上記第3の光情報記録媒体は、波長が400nmから430nmの光、いわゆる青色レーザーダイオードの光に対し吸収が大きく、記録感度が高く、比較的弱い光でも記録が可能である。そこで、記録したい情報に対応した波長400nmから430nmの光を上記媒体に照射することで、上記媒体の記録層の結晶相、結晶構造および/または形状を変化させて情報を記録できる。この情報記録方法は、前記したような情報記録媒体に対して行う記録方法としては極めて効果が大きい。
(情報再生方法)
本実施の形態に係る情報再生方法は、上記光情報記録媒体の記録層に結晶相、結晶構造および/または形状が変化されて記録された情報を、この記録層に光を照射することで再生する。より詳しくは、上記記録層に光を照射した場合の光の特性を検出し、当該光の特性から上記情報を再生する。光の特性は結晶相、結晶構造および/または形状と一意に対応するため、上記光の特性に基づき記録層に記録された情報を再生できる。つまり、結晶相、結晶構造および/または形状を光の特性として検出し、当該結晶相、結晶構造および/または形状と対応する情報を再生する。本発明に係る情報再生方法では、記録層に光を照射し、情報が記録されている部分と未記録の部分とで光のもつ特性に違いが生じる。また、情報毎、つまり情報が記録された箇所毎に結晶相、結晶構造および/または形状が異なる。また、光の特性は、結晶相、結晶構造および/または形状により異なる。つまり、記録層に光を照射して得られる光の特性(上記情報記録箇所の光の特性)は、光を照射した部分に記録された情報毎に一意に決まる。従って、記録層に光を照射すれば、光を照射した部分の情報を再生することが可能となる。なお、光の持つ特性としては、例えば光の反射率や透過率の違い、位相差、偏光の違いなどがある。上記光情報記録媒体の記録層の材料は、様々な結晶構造をとりうる。そこで、温度制御するなどして記録層の結晶性、結晶構造および/または形状の変化を作り出すことが可能である。例えば、前記した情報記録方法を採用し、形状の変化を作り出せばよい。また、情報を記録してある部分と未記録の部分とで光の反射率などが大きく異なるように結晶構造などを制御しておくことによりこれらの材料を用いた場合、情報を良好に再生することが可能となる。このように、本発明に係る情報再生方法では、上述した材料からなる材料のような従来の記録媒体では用いられていない材料を用い、情報の再生方法をこれらの材料に適した方法とすることにより高密度記録において良好な再生が可能となる。なお、この再生方法では、光磁気記録のように磁気的に記録を行うのではなく、形状の変化(違い)および/または原子配列の変化(違い)を光学的に読み取る。
(情報記録装置)
本実施の形態に係る情報記録装置は、上記情報記録方法を用いて上記光情報記録媒体に情報を記録する手段を有する。これにより、従来記録媒体として用いられていない上記光情報記録媒体で高密度記録を実現できる。
(情報再生装置)
本実施の形態に係る情報再生装置は、上記情報再生方法を用いて上記光情報記録媒体に記録された情報を再生する手段を有する。これにより、従来記録媒体として用いられていない上記光情報記録媒体を用いた情報伝達を可能とする。
(情報記録/再生装置)
本実施の形態に係る情報記録/再生装置は、上記情報記録方法を用いて上記光情報記録媒体に情報を記録する手段と、上記情報再生方法を用いて上記光情報記録媒体に記録された情報を再生する手段とを有する。
なお、上記第1または第2の光情報記録媒体は、上記情報記録方法で情報を記録でき、および/または上記情報再生方法で記録された情報を再生可能とすることが好ましい。このように記録層として上記材料を用いることで、従来になかった高密度化に適した情報記録媒体を提供できる。
つまり、上記光情報記録媒体の記録層は、光照射による発熱により、結晶面などの結晶性の変化、結晶相などの結晶構造の変化、また穴の形成、部分的な凹部または凸部が形成などの変化が生じるように構成し、この変化を情報と対応させることで、情報を記録可能とする。
また、記録層に光を照射し、得られた光の特性から情報が記録されている部分/未記録の部分の判別および記録されている情報の特定を可能とする。この光の特性としては、例えば、光の反射率、透過率、位相差または偏光などがある。記録層の情報が記録された箇所は、この情報に1対1で対応する結晶相、結晶構造および/または形状となる。当然、情報が記録されていない部分の結晶相、結晶構造および形状は初期状態となる。また、結晶相、結晶構造および形状により、光の特性、つまり入射された光に対する特性(上記した反射率、透過率等)は異なる。従って、この光記録媒体の記録層に光を照射し、照射した部分の光の特性を検出すれば、この部分の結晶相、結晶構造および形状が分かる。結晶相、結晶構造および/または形状は、情報と一意に対応しているため、上記光の特性から情報を再生することが可能となる。
このように、上記材料で作成した膜は硬度が高い構造もとりうるため、この構造を記録層に用いることで耐磨耗性、強度の高い光情報記録媒体を実現できる。強度の高い光記録媒体を実現するためには記録層の強度を高めることが一つの方法として考えられるが、記録層材料として上述の材料を用いることにより強度が改善される。上述したような材料は、酸化などに強く、また情報を記録した後高温になっても記録した情報が消えにくいため情報の保存性も向上する。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。
参考例1〕
第1の光情報記録媒体の例を示す。図1に示したように、基板1としてポリカーボネート基板を用い、記録層2としてBiFeO合金膜をRFスパッタ法により製膜した。これを光情報記録媒体として基板を通して光を照射することにより記録、再生を行った。
基板の材料としては制限はなく、例えばガラス、樹脂などを用いることができるが、基板には光の位置を案内するためのトラッキング用の溝、凹凸などが設けてあっても良い。光は基板側からも基板の反対側つまり膜面側から入射することも可能である。また、発光素子と受光素子とを媒体からみて同一側に配置することで反射光を検出して記録、再生を行うことができ、これらの素子をそれぞれ媒体の反対側に配置することにより媒体を透過してきた光を検出して記録、再生を行うことも可能である。
記録再生を行った結果、記録部と未記録部とで光の反射率が異なりその反射率の違いで情報を読み出すことが可能である。媒体を線速度3.5m/sの一定の速さで回転させ、10mWの光で8−16変調を用いてランダムパターンを記録した。再生信号の変調度は50%であった。12mWの光で記録を行ったときの変調度は51%であった。
また、記録部を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図5のようにマークが記録されていることが確認できた。例えば、線で囲んだ部分のように黒っぽくなっているところがマーク部である。記録の光を制御することにより高密度記録が可能である。
参考例2〕
第2の光情報記録媒体の例を示す。光情報記録媒体は、図1に示したような基板1上に記録層2が製膜されているような構成からなっている。基板1には結晶化ガラス基板を用いた。記録層2としてMnFeO合金を用いた。光を膜面側から照射することにより記録、再生を行った。
参考例3〕
記録層として、R12を用いた光情報記録媒体の例を示す。図1に示したような光情報記録媒体の構成とし、基板1として強化ガラス基板を用い、記録層2としてDyFe12を用いた。光を膜面側から照射することにより記録、再生を行った。
〔実施例4〕
記録層として、XYを用いた光情報記録媒体の例を示す。図1に示したような光情報記録媒体の構成とし、基板1として強化ガラス基板を用い、記録層2としてNiFeを用いた。光を膜面側から照射することにより記録、再生を行った。
参考例5〕
記録層を構成する酸化物が未記録状態では非晶質構造である光情報記録媒体の例を示す。図1に示したような光情報記録媒体の構成とし、基板1として樹脂基板を用い、記録層2としてBiFeCuO合金を用いた。
記録層2はRFマグネトロンスパッタ法を用い、導入するArとOの混合ガスを流量比で98:2となるように制御し製膜を行った。製膜直後の膜の結晶構造は非晶質状態であり、光を照射することにより記録層の温度が上昇することを利用し情報の記録を行った。再生は弱い光を照射することにより、記録部と未記録部との光の反射率または透過率の違いを読み取ることにより行った。
参考例6〕
反射層を有する光情報記録媒体の例を示す。図2に示したように基板1上に反射層3を備え、その上面に記録層2が製膜されたような構成をした光情報記録媒体を用いた。基板1として結晶化ガラス基板を用い、反射層3としてAg合金を用いた。その上面に記録層2としてBiFeAlO合金をスパッタ法により製膜した。膜面側から光を照射することにより記録、再生を行った。
〔実施例7〕
潤滑層を有する光情報記録媒体の例を示す。光情報記録媒体の膜の最表面に潤滑層4を備える構成とした。図3のように基板1、記録層2、潤滑層4のような構成でも良く、図4のように基板1、反射層3、記録層2、潤滑層4のような層構成でも良い。スライダ状の光ヘッドを媒体面に摺動させ、そこから光を照射することにより記録、再生を行った。
参考例8〕
反射層としてMoを用いた光情報記録媒体の例を示す。図4のような基板1、反射層3、記録層2、潤滑層4のような順で形成した層構成の光情報記録媒体を用いた。基板1として結晶化ガラス基板、記録層2としてBiFeO合金を用い、反射層3としてMoを用いた。最表面には潤滑層4を形成し、光情報記録媒体とした。スライダ状の光ヘッドを媒体面に摺動させ、そこから光を照射することにより記録、再生を行った。
参考例9〕
基板としてAlMg合金を用いた光情報記録媒体の例を示す。図3のような基板1、記録層2、潤滑層4のような順で形成した層構成の光情報記録媒体を用いた。基板1としてAlMg合金を用いた。その基板の表面には無電解めっき法によりNiP層が形成してある。その上面に記録層2としてBiFeO合金を製膜し、最表面には潤滑層4を形成し、光情報記録媒体とした。スライダ状の光ヘッドを媒体面に摺動させ、そこから光を照射することにより記録、再生を行った。
〔実施例10〕
図6に情報記録再生装置の構成の概略を示す。図6に示す情報記録再生装置は、情報記録媒体10、ディスクドライブ20およびコントローラー30を有する。コントローラー30は、装置全体の制御を行う。特に、ディスクドライブ20の信号制御部22、サーボ制御部21、光ピックアップ23、ディスク駆動部24などの制御を行う。本例では、MnFeを記録層に用いた情報記録媒体10を採用した。なお、情報記録媒体10は可換である。信号処理部22は、情報記録媒体10に記録するのに適した信号を作成する。光ピックアップ23は、この信号に対応した光を照射する。また、光を照射し再生信号を検出し信号処理部で情報に変換し再生を行う。ここでは情報記録媒体10からの反射光を検出し再生を行うような例を示したが、透過光を検出し再生を行うような装置としてもよい。光ピックアップ23に備えるレーザーダイオードからの光の波長を0.4μm程度としてもよい。
参考例11〕
本実施例では、図1の構成の情報記録媒体を用いた。この情報記録媒体は図6に示した情報記録媒体10として用いた。基板1としてポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。基板1はトラッキングを制御するための溝、ピットを備えていても良い。ここでは溝を備えた基板を用いた。基板1上に記録層2としてBiFe12膜を製膜し情報記録媒体とした。製膜は高周波マグネトロンスパッタ法により行った。作成した情報記録媒体は、実施例10の情報記録再生装置により情報の記録/再生ができた。
〔実施例12〕
本実施例では、図1の構成の情報記録媒体を用いた。基板1上に記録層2としてMnFe膜を製膜し情報記録媒体としたこと以外は参考例11と同様の構成とした。作成した情報記録媒体は、実施例10の情報記録再生装置により情報の記録/再生ができた。
参考例13〕
本実施例では、図2の構成の情報記録媒体を用いた。基板1上に反射層3としてAlTi合金を製膜し、更に記録層2としてBiFe12膜を製膜した。この情報記録媒体に以下のような記録方法で記録を行った。BiFe12膜の上面から情報に応じたパルス上の光を入射し記録を行った。光はパルスのピークが15mWのものを用いた。情報記録媒体のパルス状の光が照射された部分では温度が上昇しBiFe12膜の結晶状態または形状が変化し情報の記録ができた。変調度は50%程度であった。
参考例14〕
情報記録媒体として図3に示したように基板1上に記録層2としてBiFe12膜を製膜したものを用いた。この情報記録媒体に以下のような記録方法で記録を行った。BiFe12膜の上面から情報に応じたパルス上の光を入射し記録を行った。光は波長0.4μm、パルスのピークが8mWのものを用いた。情報記録媒体のパルス状の光が照射された部分では温度が上昇しBiFe12膜の結晶状態または形状が変化し情報の記録ができた。変調度は65%程度であった。
〔実施例15〕
情報記録媒体として図3に示したように基板1上に記録膜22としてMnFe膜を製膜したものを用いた。この情報記録媒体に以下のような記録方法で記録を行った。MnFe膜の上面から情報に応じたパルス上の光を入射し記録を行った。光は波長0.4μm、パルスのピークが7mWのものを用いた。情報記録媒体のパルス状の光が照射された部分では温度が上昇しMnFe膜の結晶状態または形状が変化し情報の記録ができた。変調度59%程度であった。
参考例16〕
情報記録媒体として図2に示したように基板1上に記録層2としてBiAl12を製膜したものを用いた。場合によっては記録層2の上面に反射層、UV硬化樹脂などの保護膜を備える構成にすることも可能である。この情報記録媒体に基板側から波長0.4μm程度の光を入射し記録を行った。記録する情報を変調しパルス状の信号に変換しその信号に応じた光のパルスを発生させ記録を行った。記録マークはBiAl12が部分的に変形することにより形成されている。情報が記録されている部分は形状変化により光の反射率が10%程度と低くなり未記録部との反射率の違いにより信号を検出し変調を復調することにより情報を再生した。記録された信号は変調度79%で再生ができた。再生は透過光を検出することによっても反射と同等以上の変調度で再生が可能であった。
〔実施例17〕
情報記録媒体として図3に示したように基板1上に反射層3、NiFe膜を記録層2として製膜したものを用いた。NiFe膜の上面側から波長0.4μm程度の光青色を使った記録を入射し記録を行った。記録する情報を変調しパルス状の信号に変換しその信号に応じた光のパルスを発生させ記録を行った。記録マークはNiFeが部分的に結晶構造変化または形状変化することにより形成されている。情報が記録されている部分は形状変化により光の反射率が20%程度と低くなり未記録部との反射率の違いにより信号を検出し変調を復調することにより情報を再生した。記録された信号は変調度70%で再生ができた。
参考例18〕
参考例18では、図1に示す構造を有する情報記録媒体を作成した。基板1は、ポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。なお、基板1にはトラッキングを制御するための溝やピットを備えていても良いが、本例では溝を備えた基板を用いた。基板1上に、Bi、FeおよびOからなる記録層2を、15nmの膜厚で製膜し、光情報記録媒体を得た。この製膜法は、BiFe12の組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータで測定したところ、波長400nmにおける屈折率は2.9、消衰係数は0.52、光の吸収係数は1.64×10であることを確認した。また、記録層の結晶構造はアモルファス構造であることを確認した。また、波長400nmの光に対する上記記録層の光の吸収率は24.6%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nm、NA0.65のピックアップを用いて6mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、C/Nは61dBであった。
参考例19〕
参考例19では、図1に示す構造の光情報記録媒体を作成した。基板1は、ポリカーボネート製で、トラッキングを制御するための溝を備えたディスク状基板を用いた。基板1上に、Bi、Al、Oからなる記録層2を10nmの膜厚で製膜し光情報記録媒体とした。この製膜法は、BiAl12の組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータにて測定した結果、波長400nmにおける屈折率は2.2、消衰係数は0.57、光の吸収係数は1.78×10であることが分かった。波長400nmの光に対する上記記録層の吸収率は17.8%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nmのレーザーダイオードを用いてNA0.65、9mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、52dBであった。
参考例20〕
参考例20では、図1に示す構造の光情報記録媒体を作製した。基板1は、トラッキングを制御するための溝を備えたポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。基板1上に、Bi、Dy、Fe、Oからなる記録層2を膜厚10nmで製膜し、光情報記録媒体を得た。この製膜法は、Bi2.76Dy0.24Fe12の組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータで測定した結果、波長400nmにおける、屈折率は2.8、消衰係数は0.4、光の吸収係数は1.11×10であることが分かった。波長400nmの光に対する上記記録層の光の吸収率は11%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nm、NA0.65の光ピックアップを用いて9mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、51dBであった。
〔実施例21〕
実施例21では、図1に示す構造の光情報記録媒体を作製した。基板1は、トラッキングを制御するための溝を備えたポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。基板1上に、Mn、Fe、Oからなる記録層2を、膜厚10nmで製膜し、光情報記録媒体を得た。この製膜法は、MnFeの組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータで測定した結果、波長400nmにおける屈折率は2.72、消衰係数は0.74、光の吸収係数は2.32×10でああることが分かった。波長400nmの光に対する上記記録層の光の吸収率は23%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nmのレーザーダイオードを用いて8mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、63dBであった。
〔実施例22〕
実施例22では、図1に示す構造の光情報記録媒体を作製した。基板1は、トラッキングを制御するための溝を備えたポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。基板1上に、Ni、Fe、Oからなる記録層2を10nmの膜厚で製膜して光情報記録媒体を得た。この製膜法は、NiFeの組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータで測定した結果、波長400nmにおける屈折率は2.7、消衰係数は0.63、光の吸収係数は2×10であることが分かった。波長400nmの光に対する上記記録層の光の吸収率は19.7%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nmのレーザーダイオードを用いて9mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、52dBであった。
参考例23〕
参考例23では、図1に示す構造の光情報記録媒体を作製した。基板1は、トラッキングを制御するための溝を備えたポリカーボネート製のディスク状基板を用いた。基板1上に、Sn、Fe、Oからなる記録層2を製膜して光情報記録媒体を得た。膜厚は30nmとした。製膜法は、SnFe12の組成のターゲットを用いて高周波マグネトロンスパッタ法によりアルゴンガス中で行った。
得られた光情報記録媒体の記録層の光学定数を分光エリプソメータで測定した結果、波長400nmにおける屈折率は2.48、消衰係数は0.26、光の吸収係数は8.1×10であることが分かった。波長400nmの光に対する上記記録層の光の吸収率は24%であった。上記情報記録媒体を線速3.5m/sで回転させ、波長405nm、NA0.65の光ピックアップを用いて9mWの出力でマーク長400nmマーク間隔400nmの単一周期マークを記録した。このときのC/Nをスペクトラムアナライザで測定した。周波数幅の解像度を1kHzで測定を行ったところ、50dBであった。
〔実施例24〕
実施例24では、図6に示す情報記録再生装置を作成した。この装置の構成は実施例10における装置と同様の構成である。情報記録媒体10は、Mn、Fe、Oからなる記録層を有する媒体を用いた。なお、情報記録媒体1は本発明に係る他の光情報記録媒体を適宜採用できる。光ピックアップ23のレーザーダイオードは、405nmの波長の光を発するものを用いた。
本発明に係る光情報記録媒体の一構成例を示す断面図である。 反射層を備えた本発明に係る光情報記録媒体の一構成例を示す断面図である。 潤滑層を備えた本発明に係る光情報記録媒体の一構成例を示す断面図である。 潤滑層を備えた本発明に係る光情報記録媒体の一構成例を示す断面図である。 走査型電子顕微鏡による記録部の観察写真である。 本発明による情報記録再生装置の一構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 反射層
4 潤滑層
10 情報記録媒体
20 ディスクドライブ
30 コントローラー
21 信号処理部
22 サーボ制御部
23 光ピックアップ
24 ディスク駆動部

Claims (1)

  1. 光照射により記録または再生を行う光情報記録媒体において、記録層が、X、YおよびOの各元素(ただし、XはMn及びNiのいずれかの元素を示し、YはFeの元素を示し、Oは酸素を示す。)からなり、前記記録層として、XY (ただし、XはMn及びNiのいずれかの元素を示し、YはFeの元素を示し、Oは酸素を示す。)の組成を有する酸化物を用いることを特徴とする光情報記録媒体。
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