JP2002251787A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2002251787A
JP2002251787A JP2001051515A JP2001051515A JP2002251787A JP 2002251787 A JP2002251787 A JP 2002251787A JP 2001051515 A JP2001051515 A JP 2001051515A JP 2001051515 A JP2001051515 A JP 2001051515A JP 2002251787 A JP2002251787 A JP 2002251787A
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JP2001051515A
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English (en)
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Yoshitaka Hayashi
嘉隆 林
Toshiyuki Kawasaki
俊之 川崎
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報の記録、再生、消去、または記録・再生
を光学的に行うことが可能な光情報記録媒体において、
より高密度記録化のため近接場光を用い、より小さい光
スポット径で記録ができ、また、小さい領域に記録され
ている情報の再生ができる、耐摩耗性や耐衝撃性に優れ
た光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に記録層を少なくとも備えた構成
層を有し、近接場光で記録、再生、消去、または記録・
再生を行う光情報記録媒体であって、基板1と記録層3
との間の構成層中に膜厚が30nm 以下の金属層(例
えばAg層)を設けるか、もしくは金属層を設けない構
成とすることにより、耐摩耗性、耐衝撃性等の強度を向
上させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録、再
生、消去、または記録・再生を光学的に行うことが可能
な光情報記録媒体において、より高密度記録化のため近
接場光を用い、より小さい光スポット径で記録ができ、
また小さい領域に記録されている情報の再生ができる耐
摩耗性や耐衝撃性の強度が優れた光情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光情報記録媒体としては、コンパクトデ
ィスク(CD:Compact Disc)に代表され
るようにディスク状情報記録媒体が良く知られている
が、マルチメディア、情報ネットワークの時代になり、
これら情報記録媒体の記録密度の増大が求められてお
り、さらに大容量の記録システムが必要とされている。
光情報記録媒体には読み出し専用の再生専用型、自由に
記録のできる追記可能型、重ね書きのできる書替可能型
があり、例えば、再生専用型としてはCD―ROM(C
ompact Disc―Read Only Mem
ory) 、DVD―ROM (Digital Vid
eo Disc―Read Only Memor
y)、追記可能型としてCD―R(Compact D
isc―Recordable)など、書替可能型とし
て相変化記録方式を用いたCD―RW(Compact
Disc―Rewritable)や光磁気記録方式
のものが実用化されている。
【0003】これらの光情報記録媒体は、基板と記録層
を共通構成層に備えているが、再生専用型、追記可能
型、書替可能型などの用途に応じて、その構成層を設計
する必要があり、記録、再生,消去、または記録・再生
など目的に応じて多様な構成から選択することができ
る。特に、記録、再生,消去、または記録・再生におい
て、必要の場合には、半導体レーザなどの光の反射強度
を向上させたり、光によって発生する熱を放熱するた
め、あるいは反射と放熱をするための役割を担う構成層
(本発明の「金属層」に該当)を設けることが知られて
いる。
【0004】高密度化のためには情報が記録されている
記録ピットを小さくする必要があるが、記録ピットを小
さくすると、光ヘッド(以下、ヘッドという)から照射
の光スポット中に複数の記録ピットが入ってしまい再生
が困難になる。また、情報を記録する際にも光のスポッ
トが大きいと、小さい記録ピットを形成することが困難
になるため、光をより小さく絞り、光のスポットを小さ
くする必要がある。しかし、従来の光情報記録装置で
は、光の回折限界によって、これまで以上の微小スポッ
ト化、すなわち高密度記録化の実現は困難となってき
た。このため、回折限界を打開する方法として近接場光
の使用が必要となっている。
【0005】近接場光の実現方法としてはソリッドイマ
ージョンレンズ(SIL:Solid Immersi
on Lens/固体液浸レンズ)を用いる方法と微小
開口を用いる方法がある。
【0006】光のスポット径は波長をλ、レンズの開口
率をNA とするとλ/NA に比例するため、スポット
径を小さくするには、波長を小さくするか開口率を大き
くすることが考えられる。光の波長はレーザーダイオー
ドなど光の発生源に依存するので、光のスポット径を小
さくする方法として、レンズの開口率NA を大きくす
る方法が比較的容易である。そこで、NA を大きくす
る技術として、スタンフォード大学のG.Kinoらの
提案によるソリッドイマージョンレンズ(SIL )を
光記録に応用した例(特許番号2553275号)などが
ある。この提案では、入射光はソリッドイマージョンレ
ンズの球面に対して垂直に入射され、出射側の平面の中
心に収束する。この方式ではソリッドイマージョンレン
ズの屈折率をnとすると、最小ビーム径は回折限界ビー
ム径のn分の一まで小さくすることができる。このた
め、記録媒体をレンズ(SIL)に近づけることによ
り、この微小ビームが近接場光的に伝播し微小スポット
の光を媒体に照射することができる。
【0007】一方、微小開口(小さな開口)に光を照射
するとその開口近傍では近接場光が発生する。その近接
場光を用いて小さいピットを記録する試みもなされてい
る(例えば特開平7−191046号公報)。近接場光
を用いると、光スポットの収束限界以下のスポットを形
成することが可能であり、100Gbit/in以上
の記録密度に相当する小さいスポットを光磁気記録媒体
上や、相変化記録媒体上に形成できるとされている。
【0008】従って、前記の方法を用いることにより、
小さい記録ピットの形成が可能となるが、ソリッドイマ
ージョンレンズを用いた場合には、開口率が大きくなる
ので、光を小さく収束させるため、より精密にスポット
位置を制御する必要がある。これを解決するには、光ヘ
ッドと記録媒体との間隔(以下、距離という)を小さく
する必要があった。また、微小開口を用いた近接場光記
録においても、近接場光は光の波長以下で微小開口の極
近傍でのみ生じているため、ヘッドと記録媒体との距離
を小さくする必要がある。記録媒体と光ヘッドとの距離
を近接させた状態で制御する例(光ヘッドをスライダに
搭載)としては、例えば特開平9―198830 号公
報、特開平11―66658 号公報などがある。
【0009】以上のように、近接場光はその発生源の近
傍でのみ利用可能となるため、ヘッドと記録媒体との距
離を極端に近づける必要がある。このため、ヘッドと記
録媒体の位置する距離が大きく、それぞれが接触する可
能性がほとんどなく問題とされなかった従来の光情報記
録とは異なり、近接接触の心配が生ずる。また、更なる
高密度化のためにはヘッドと記録媒体を接触させる方式
も考えられる。このため、ヘッドと記録媒体の近接接触
による双方の損傷の可能性が生じ、接触による損傷を防
止するために、光情報記録媒体の耐摩耗性、耐衝撃性な
どの強度向上が必要となってきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みなされたもので、その目的は、近接場光
を用いた高密度記録、再生、消去、または記録再生を実
現するため、ヘッドと記録媒体の距離を小さくしても近
接接触による損傷等の問題を生じないような耐摩耗性、
耐衝撃性を高めた光情報記録媒体を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る光情報記録媒体は、基板上に記録層を
少なくとも備えた構成層を有し、近接場光で記録、再
生、消去、または記録・再生を行う光情報記録媒体であ
って、前記基板と前記記録層との間の構成層中に膜厚が
30nm 以下の金属層を設けるか、もしくは金属層を
設けない構成とすることにより、耐摩耗性、耐衝撃性を
向上させたものである。
【0012】本発明において「金属層」は、光情報記録
媒体の構成層として半導体レーザなどヘッドから照射さ
れる光の反射強度を向上させたり、光によって発生する
熱を放熱したり、あるいは反射と放熱をする役割を担う
構成層である。本発明に係る光情報記録媒体は、上記金
属層の膜厚範囲において、各構成層(基板、金属層、記
録層など)の層構成、材質や膜厚の選択によって耐摩耗
性、耐衝撃性を向上することが可能である。
【0013】以下、本発明について具体的に説明する。
請求項1の発明は、基板上に記録層を少なくとも備えた
構成層を有し、近接場光で記録、再生、消去、または記
録・再生を行う光情報記録媒体において、前記基板と前
記記録層との間の構成層中に膜厚が30nm 以下の金
属層を設けるか、もしくは金属層を設けないことを特徴
とする光情報記録媒体である。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の光情報記録
媒体において、金属層にAg、Al、Ag合金、または
Al合金のうち1種類を用いることを特徴とする光情報
記録媒体である。
【0015】請求項3の発明は、請求項1の光情報記録
媒体において、金属層がW、Mo、Ta、Ti、Cr、
Co、Ni、Zr、Nbのうち少なくとも一種類、また
はこれらの元素を含む合金のうち少なくとも一種類の材
料を用いることを特徴とする光情報記録媒体である。
【0016】請求項4の発明は、請求項1、2または3
の光情報記録媒体において、記録媒体を構成する各層を
形成するための基板としてガラス基板を用いることを特
徴とする光情報記録媒体である。
【0017】請求項5の発明は、請求項1、2、または
3の光情報記録媒体において、基板として金属材料から
なる基板を用いることを特徴とする光情報記録媒体であ
る。
【0018】請求項6の発明は、請求項1、2または3
の光情報記録媒体において、記録媒体を構成する各層を
形成するための基板として、Al またはAl 合金から
なるものを用いることを特徴とする光情報記録媒体であ
る。
【0019】請求項7の発明は、請求項5、または6の
光情報記録媒体において、基板の表面にNi 合金の皮
膜を形成することを特徴とする光情報記録媒体である。
【0020】請求項8の発明は、請求項1、2、または
3の光情報記録媒体において、記録媒体を構成する各層
を形成するための基板として、W、Mo、Ta、Ti、
Cr、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なくとも一種
類、またはこれらの元素を含む合金のうち少なくとも一
種類の材料からなるものを用いることを特徴とする光情
報記録媒体である。
【0021】請求項9の発明は、請求項1〜8の光情報
記録媒体において、基板上に形成した記録媒体を構成す
る各層の最上面に硬質保護層を設けることを特徴とする
光情報記録媒体である。
【0022】請求項10の発明は、請求項1〜8の光情
報記録媒体において、基板上に形成した記録媒体を構成
する各層の最上面に潤滑層を設けることを特徴とする光
情報記録媒体である。
【0023】請求項11の発明は、請求項9の光情報記
録媒体において、硬質保護層と記録層とが直接接するよ
うに層を構成することを特徴とする光情報記録媒体であ
る。
【0024】請求項12の発明は、請求項1〜11の光
情報記録媒体において、記録媒体を構成する基板上に形
成した構成層に下部保護層、記録層、上部保護層の順に
積層した層構成を含む多層構造を用いることを特徴とす
る光情報記録媒体である。
【0025】請求項13の発明は、請求項9または11
の光情報記録媒体において、硬質保護層として炭素を主
成分とする硬質保護層を設けることを特徴とする光情報
記録媒体である。
【0026】請求項14の発明は、請求項1〜13の光
情報記録媒体において、記録層の材料として相変化材料
を用いることを特徴とする光情報記録媒体である。
【0027】請求項15の発明は、請求項1〜13の光
情報記録媒体において、記録層の材料として有機色素材
料を用いることを特徴とする光情報記録媒体である。
【0028】請求項16の発明は、請求項1〜13の光
情報記録媒体において、記録層の材料として光磁気材料
を用いることを特徴とする光情報記録媒体である。
【0029】請求項17の発明は、請求項1〜16の光
情報記録媒体において、記録層よりも光の入射側にある
層全体の膜厚を100nm以下にすることを特徴とする
光情報記録媒体である。
【0030】前記請求項1〜17の構成によれば、ヘッ
ドの近接接触に対して耐摩耗性や耐衝撃性の高い、損傷
に強い光情報記録媒体が提供される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。請求項1の発明は、基板上に記録層を少な
くとも備えた構成層を有し、近接場光で記録、再生、消
去、または記録・再生を行う光情報記録媒体にであっ
て、前記基板と前記記録層との間の構成層中に膜厚が3
0nm 以下の金属層を設けるか、もしくは金属層を設
けないことを特徴とする光情報記録媒体に関する。本発
明で述べている金属層は再生専用型媒体などのように光
を反射するための役割に用いられたり、追記可能型媒
体、書替可能型媒体のように熱を放熱する役割を担うも
のとして用いられているものを示している。これらの金
属層を近接場光を用いて記録、再生、消去、または記録
・再生を行う光情報記録媒体に用いる場合、膜厚の厚い
金属層を用いると記録媒体の強度が下がり、他の構成層
を硬くしてもヘッドなどの接触による衝撃により、へこ
みや傷を生じてしまう問題がある。
【0032】このため、本発明者らは記録媒体の強度を
高める方法として、金属層の膜厚と強度について検討し
た結果、金属層を30nm 以下の厚さとすることによ
り、耐衝撃性や耐摩耗性など強度の高い光情報記録媒体
が実現できることを確認した。この場合、金属層を30
nm を超える膜厚とすると耐摩耗性や耐衝撃性などの
強度が低下して充分な強度が得られないという問題が生
じる。また、金属層を用いない構成とすることも、強度
を高める上で好ましいことが判った。
【0033】本発明では金属層の材料として、光の反射
率が高い材料、例えばAu 、Ag、Al 、Cu など
を用いることができるほか、これらの合金を用いること
もできる。これにより、強度の高い光情報記録媒体が実
現できる。また、金属層を薄い膜厚で構成するため、光
が透過することもできるので反射、透過のどちらの方式
でも記録、再生、消去、消去、または記録・再生を行う
ことが可能となる特徴がある。
【0034】請求項2の発明は、金属層がAg、Al、
Ag 合金またはAl合金のうち1種類からなる光情報
記録媒体に関する。Ag、Al、Ag 合金、Al合金
は光の反射率および熱伝導率が高いため、金属層を薄く
した場合においても充分な光の反射、熱の放熱を行うこ
とができる。また、Ag、Al はリサイクルが比較的
容易な材料であるため効率の良い利用が可能であり、そ
の結果コストの面からも有利となる。
【0035】請求項3の発明は、金属層がW、Mo、T
a、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なく
とも一種類、またはこれらの元素を含む合金のうち少な
くとも一種類の材料からなる光情報記録媒体に関する。
これらの金属は硬度が高いため、これらを金属層として
用いた場合、媒体の強度を高くすることが可能となる。
【0036】請求項4の発明は、請求項1 ,2、3 と
同様な構成で、基板としてガラス基板を用いた光情報記
録媒体に関する。ヘッドと記録媒体の距離を小さくする
ため、記録媒体が変形しにくい基板を用いるのが好まし
い。ガラスは剛性が高いため基板とした場合、記録媒体
が変形することは少なくなり、記録媒体とヘッドとの距
離を一定に保つことができるので記録、再生、消去特性
などの向上が望める。また、硬度や強度も高いため、耐
衝撃性、耐傷性にも優れている。また、加工性が良好で
あるため基板の平坦性、平滑性を高くすることができ、
記録媒体の表面性向上にもつながる。その結果、機械的
な特性に優れ、コスト的にも有利な光情報記録媒体を実
現することが可能となる。
【0037】請求項5の発明は、基板として金属材料基
板を用い、請求項1 ,2、または3 と同様な層構成を
持つ光情報記録媒体に関する。金属材料は剛性が高く、
加工も容易であり平坦性、平滑性を容易に高めることが
可能であるため、媒体とヘッドとの距離が小さい場合に
おいても良好な特性を示すことができる。さらに媒体の
強度を高めるために表面処理などを施した金属基板を用
いることも好ましい。
【0038】請求項6の発明は、基板としてAlまたは
Al合金からなるものを用いた光情報記録媒体に関す
る。AlまたはAl合金は、安価で加工も容易であり、
表面粗さを小さくすることが可能であるため、基板とし
て好ましい。基板の平坦性、平滑性を高めることによ
り、光情報記録媒体の表面性状が向上する。その結果、
媒体とヘッドとの距離を一定にすることが可能となり、
距離を小さくしても良好な特性を示すことができる。こ
こで用いることができるAl合金には特に限定はない
が、Al―Mg系合金、Al―Ti系合金、Al―Cr
系合金、Al―Si系合金などが特に好ましい。
【0039】請求項7の発明は、基板の表面にNi合金
の皮膜を形成した光情報記録媒体に関する。Ni合金は
レーザーなどで高温にすることで、容易に所望の形状に
加工できる。例えばNiP、NiNbは腐食しにくく、
しかも硬いため、基板表面にこれらの合金膜を形成する
ことが好ましい。Al合金基板、中でもAl―Mg系合
金基板とNi合金の組み合わせは特に好ましい。基板表
面へのNi合金膜の成膜方法としては無電解めっきなど
のめっき法が好ましいが、蒸着法、スパッタ法なども可
能である。
【0040】請求項8の発明は、W、Mo、Ta、T
i、Cr、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なくとも一
種類、またはこれらの元素を含む合金のうち少なくとも
一種類の材料からなる基板を用いた光情報記録媒体に関
する。これらの材料は硬度が高く基板に用いた場合、記
録媒体の強度が向上する。
【0041】請求項9の発明は、構成層の最上面が硬質
保護層である光情報記録媒体に関する。光情報記録媒体
の層構成は基板上に保護層、記録層、放熱層などを積層
した多層構成とすることが可能であるが、それらの多層
構造の最上面に硬質保護層を設けるものである。硬質保
護層は耐摩耗性、耐衝撃性を向上させるためのものであ
り、硬度が高く化学的にも熱的にも安定であることが必
要である。硬質保護層としては例えばダイヤモンドや、
ダイヤモンドライクカーボンのような炭素膜、また、B
N、SiC、SiN、AlN、TaOなどの窒化物、炭
化物、酸化物を用いることができる。これらはスパッタ
法、蒸着法、CVD 法などで容易に形成することがで
きる。
【0042】請求項10の発明は、基板上に形成した膜
の最上面に潤滑層を設けた光情報記録媒体に関する。本
発明の光情報記録媒体は基板上に記録層、保護層、反射
層などを積層した多層構成からなっているが、その最表
面に潤滑層を設けることにより記録媒体とヘッドとの潤
滑が改善され、接触しても記録媒体が損傷を受け難くな
る。また、接触させて使用する構成においては、動作が
滑らかになる。本発明は上述した様々な層構成に適用可
能である。
【0043】潤滑層には炭化水素系潤滑剤とフッ素系潤
滑剤が用いられる。炭化水素系潤滑剤としてはステアリ
ン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチ
ル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホ
ン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル
類、ステアリンアルコール、オレインアルコール等のア
ルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド
類、またはステアリルアミン等のアミン類などが好まし
い。さらに、フッ化系潤滑剤として上記炭化水素系潤滑
剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基
もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤
がより好ましい。これらの潤滑層は、ディッピング法、
スプレー塗布法、スピンコート法などで形成される。特
に、ダイヤモンドライクカーボンとフッ素系潤滑剤とで
は、結合が強く強固な保護層の形成が可能となり好適で
ある。また、有機系化合物、層状の無機化合物、酸化
物、硫化物など潤滑性を有していれば、限定なく固体潤
滑層として用いることができる。
【0044】請求項11の発明は、硬質保護層と記録層
とが直接接するように構成された光情報記録媒体に関す
る。記録層にかかる熱を制御したり、記録層が酸化など
の劣化することを防止するため保護層を用いることが有
効であることが知られているが、その保護層を上述した
ような硬質な保護層とすることにより記録層を保護する
役割と媒体の強度を向上するための役割を兼ねた効果が
ある。そのため、保護層と硬質保護層の両方を構成要素
として持つ必要がなくなりコスト面でも効果がある。
【0045】請求項12の発明は、構成層が下部保護
層、記録層、上部保護層の順に積層した層構成を含む多
層構造からなる光情報記録媒体に関する。記録層を保護
層で挟むことにより記録時に記録層にかかる熱をうまく
制御し最適な記録を行うことができるようになる。保護
層はその材質、膜厚などにより熱を放熱する役割と熱を
蓄える役割を同時に満たすことができるようになる。ま
た、記録時に記録層が溶融状態になる場合、保護層では
さみそれを保護することにより媒体の繰り返し特性を向
上させる効果もある。さらに保護層を硬質保護層とする
ことにより記録媒体の硬度を高めることができ効果があ
る。
【0046】請求項13の発明は、硬質保護層の主成分
が炭素からなる光情報記録媒体に関する。主成分が炭素
からなる材料としては、ダイヤモンドまたはダイヤモン
ドライクカーボン等が挙げられるが、これらは作製条件
などにより様々な熱伝導率の膜を作ることが可能であ
り、記録層に対し最適な熱伝導率をもつ膜を作ることが
できる。また、光学的な特性も制御することが可能であ
る。また、作製条件で膜の硬度も変化するため、硬い膜
を作ることが可能である。特に、ダイヤモンドまたはダ
イヤモンドライクカーボンと呼ばれる炭素膜は硬度が高
いため、記録媒体表面に施すことにより記録媒体の耐摩
耗性、耐衝撃性が向上できる。これらはCVD法、スパ
ッタリング法、などの気相成長法で作製できる。特にス
パッタリング法は装置、作製法が容易であるため好まし
く、プラズマCVD法はかなり薄い膜でも特性劣化のな
い膜が実現でき、膜形成速度が速く、生産性が高いため
好適である。
【0047】請求項14の発明は、記録層の材料として
相変化材料を用いた光情報記録媒体に関するものであ
る。相変化材料としてはTeOなどのようなTe系の
材料からSb系の材料、GeSbTe系、AgInSb
Te系のようなカルコゲン系の材料などが例示でき、こ
れらはスパッタ法、蒸着法、CVD法などの真空製膜
法、電着法、ゾルゲル法などの湿式法などにより形成さ
れる。中でも、記録層として少なくともAg、In、S
b、Teを含む材料を用いた光情報記録媒体、または少
なくともGe、Sb、Teを含む材料を用いた光情報記
録媒体は記録感度、書替特性、記録密度、繰り返し特性
などに優れており特に好ましい。
【0048】請求項15記載の発明は、記録層の材料と
して有機色素材料を用いた光情報記録媒体に関する。有
機色素材料としてはシアニン系、フタロシアニン系、ア
ゾ系などの有機色素を用いることができる。これらはス
ピンコート法、ディップ法等の塗布法により形成できる
【0049】請求項16の発明は、記録層の材料として
光磁気材料を用いた光情報記録媒体に関する。光磁気材
料としては、任意の希土類―遷移金属系の非晶質垂直磁
化膜、バリウムフェライト系材料、PtCo系材料など
が例示できるが、カー回転角が大きいことなどの理由か
らTb、Gd、Dy、Ndのうち少なくとも一種類の元
素とFe、Co、Niのうち少なくとも一種類の元素と
の合金が好ましい。また、これらに添加元素を加えた合
金系も用いることができる。またPt、Pd、Au、A
g、Cuの元素のなかから少なくとも一種類の元素とF
e,Co ,Niから選択した少少なくとも一種類の元
素との合金、またはこれを主成分とする合金は短波長に
対応可能であるなどの理由から特に好ましい。
【0050】請求項17の発明は、記録層よりも光の入
射側にある層全体の膜厚が100nm以下である光情報
記録媒体に関する。この理由は、波長の極めて短い近接
場光を用いて記録,再生,消去、あるいは記録・再生を
行うため、光入射側の膜厚を薄くする必要があるためで
ある。
【0051】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。ただし、本発明はなんら実施例に限定されるも
のではない。
【0052】
【実施例】実施例1 請求項1の発明の実施例を示す。これは、近接場光を反
射または、熱を放熱するための金属層を形成しない光情
報記録媒体の構成例である。図1に示したような光情報
記録媒体を作製した。基板1としてAlMg合金基板を
用いた。その上面に下部保護層2としてZnS・SiO
を19nmの厚さで形成した。さらに記録層3として
GeSbTe合金を15nm、上部保護層4としてZn
S・SiOを20nm形成した。この記録媒体では、
本発明でいう「金属層」は形成されていない。なお、記
録層3がGeSbTe合金で形成されているが、これは
本発明の「金属層」には該当しない(他の実施例におい
ても同じ)。この記録媒体の強度を引っかき試験で測定
した結果を図2に示した。この試験はダイヤモンド針で
微小荷重をかけ、その針で引っかくことによってどの程
度摩耗痕ができるかをAFM(原子間力顕微鏡)で測定
しているものでCPM(コンタクト プロファイル メ
ーター)と呼んでいるものである。強度が高いほど摩耗
痕が小さいことになる。本実施例の記録媒体は比較例1
で示したAg層が120nmの記録媒体と比較して摩耗
痕深さが小さく、強度の高いことがわかる。
【0053】上記基板1は特に限定はなくポリカーボネ
ート、ポリオレフィンなどの単体または、これらの誘導
体もしくは複合体などの樹脂基板を用いることができ
る。また強化ガラス、セラミックス、金属などを用いる
ことも可能である。しかし、ヘッドと記録媒体との間の
距離が小さいため、表面粗さが小さく、平坦性の高い基
板が好ましい。下部保護層2、上部保護層4としてはZ
nS・SiO、SiNx、AlNx、ZnS、Zn
O、SiO2、MgFなど酸化物、窒化物、弗化物が挙
げられるが、これらのうちから線速などに対応した熱設
計、光学設計によって選択することが好ましい。これら
の層はスパッタ法、蒸着法、CVD などの真空製膜法
により形成される。また、必要に応じて不純物を含んで
も良い。ただし、これらの保護層材料としては記録層よ
りも融点が高いことが必要である。
【0054】比較例1 図3のような層構成で比較例の記録媒体を形成した。す
なわち、基板1として樹脂基板を用い、「金属層」として
120nmの厚さのAg層を基板の上面に形成し、その
上面に下部保護層2としてZnS・SiOを19nm
の厚さで形成した。さらに記録層3としてGeSbTe
合金を15nm、上部保護層4としてZnS・SiO
を20nm形成した。この記録媒体の引っかき試験の結
果を図4に示した。
【0055】実施例2 請求項2の発明の実施例を示す。これは、金属層として
薄いAg層を設けた光情報記録媒体の構成例である。図
3に示したと同様の層構成で、基板1として結晶化ガラ
ス基板を用いた。その上面にAg層を20nm、下部保
護層2としてZnS・SiOを19nmの厚さで形
成した。さらに記録層3としてAgInSbTe合金を
15nm、上部保護層4としてZnS・SiOを20
nm形成し、光情報記録媒体とした。この記録媒体にお
いては、本発明でいう「金属層」はAg層(膜厚20n
m)である。この記録媒体の引っかき試験の結果を図5
に示した。比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度
の高いことがわかる。
【0056】実施例3 請求項3の発明の実施例では、図6に示すように、基板
1として表面粗さが8nm以下にした結晶化ガラス基板
を用い、その上面にCr層を20nm形成し、その上に
記録層3として有機色素膜をスピンコート法で形成し
た。さらに上部保護層4 としてZnS・SiOを2
0nm形成し光情報記録媒体とした。この記録媒体で
は、本発明でいう「金属層」はCr層(膜厚20nm)
である。このような記録媒体の構成とすることによって
比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度が大幅に改
善されることが判った。
【0057】実施例4 請求項4の発明の実施例を示す。図3と同様な層構成
で、この光情報記録媒体では基板1として表面粗さが8
nm以下にした結晶化ガラス基板を用いた。その上面に
Ag層を20nm形成し、下部保護層2としてZnS・
SiOを19nmの厚さで形成した。さらに記録層3
としてGeSbTe合金を15nm 、上部保護層4と
してZnS・SiOを20nm形成し、光情報記録媒
体とした。この記録媒体においては、本発明でいう「金
属層」はAg層(膜厚20nm)である。引っかき試験
は図5の結果とほぼ同様の結果が得られた。
【0058】実施例5 請求項5、6、8の発明の実施例を示す。図3に示した
層構成と同様の構成を用い、基板1としてAl―Mg系
合金を用いた。その上面にAg層を20nm、下部保護
層2としてZnS・SiOを19nmの厚さで形成し
た。さらに記録層3としてAgInSbTe合金を15
nm、上部保護層4としてZnS・SiOを20nm
のこの順で形成し、光情報記録媒体とした。この記録媒
体においては、本発明でいう「金属層」はAg層(膜厚
20nm)である。引っかき試験の結果を図7に示し
た。Al合金など金属基板を用いることにより、比較例
1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度の高いことが判
る。
【0059】実施例6 請求項7の発明の実施例を示す。図8に示したような層
構成を用いた。この光情報記録媒体では基板1としてA
l―Mg合金を用いた。その上面に電着法によりNiP
合金を10〜20μm形成した。さらに下部保護層2と
してZnS・SiOを19nm、記録層3としてAg
InSbTe合金を15nm、上部保護層4としてZn
S・SiOを20nm形成し、光情報記録媒体とし
た。この記録媒体において本発明でいう「金属層」は、
形成されていない。このような記録媒体の構成とするこ
とによって比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度
が向上することが判った。
【0060】実施例7 請求項9の発明の実施例を示す。図9に示したように、
基板1として結晶化ガラス基板を用いた。その上面にA
g層を20nm、下部保護層2としてZnS・SiO
を19nmの厚さで形成した。さらに記録層3としてA
gInSbTe合金を15nm、上部保護層4としてZ
nS・SiOを20nm形成した。さらに、膜の最上
面に硬質保護層5としてダイヤモンドライクカーボン層
を形成し、光情報記録媒体とした。この記録媒体におい
て本発明でいう「金属層」は、Ag層(膜厚20nm)
である。引っかき試験の結果を図10に示した。比較例
1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度の高いことが判っ
た。
【0061】実施例8 請求項10の発明の実施例を示す。図11に示したよう
に、基板1として結晶化ガラス基板を用いた。その上面
にAg 層を20nm、下部保護層2としてZnS・S
iOを19nm の厚さで形成した。さらに、記録層
3としてAgInSbTe 合金を15nm、上部保護
層4としてZnS・SiOを20nm形成した。さら
に、膜の最上面に硬質保護層5としてダイヤモンドライ
クカーボン層を形成し、その上面に潤滑層6としてフッ
素系潤滑剤を塗布し、光情報記録媒体とした。この記録
媒体において本発明でいう「金属層」は、Ag層(膜厚
20nm)である。このような記録媒体の構成とするこ
とによって比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度
が向上することが判った。
【0062】実施例9 請求項11の発明の実施例を示す。図12に示したよう
に、基板1としてAl―Mg合金を用いた。その上面に
電着法によりNiP合金を10〜20μm形成した。さ
らに下部保護層2としてZnS・SiOを19nm、
記録層3としてAgInSbTe合金を15nm、硬質
保護層5としてダイヤモンドライクカーボン層を15n
m形成し、その上面に潤滑層6としてフッ素系潤滑剤を
塗布し、光情報記録媒体とした。この記録媒体において
本発明でいう「金属層」は、形成されていない。このよ
うな記録媒体の構成とすることによって比較例1に較べ
て摩耗痕深さが小さく、強度が向上することが判った。
【0063】実施例10 請求項12の発明の実施例を示す。図13に示したよう
な層構成の光情報記録媒体を用いた。基板1にAl―M
g合金基板を用い、その上面に電着法によりNiP合金
を10〜20μm形成した。さらにAg層を20nm、
下部保護層2としてZnS・SiOを19nm、記録
層3としてAgInSbTe合金を15nm、上部保護
層4としてZnS・SiOを20nm、硬質保護層5
としてダイヤモンドライクカーボン層を15nm形成し
た。その上面に潤滑層6としてフッ素系潤滑剤を塗布
し、光情報記録媒体とした。この記録媒体において本発
明でいう「金属層」は、Ag層(膜厚20nm)であ
る。図14に引っかき試験の結果を示した。比較例1に
較べて摩耗痕深さが小さく、強度の高いことが判った。
【0064】実施例11 請求項13の発明の実施例を示す。図15に示したよう
に、基板1にAl―Mg系合金基板を用い、その上面に
電着法によりNiP合金を10〜20μm形成した。さ
らに下部保護層2としてZnS・SiOを19nm、
記録層3としてAgInSbTe合金を15nm、上部
保護層4としてZnS・SiOを20nm、硬質保護
層5としてダイヤモンドライクカーボン層を15nm形
成したものを光情報記録媒体として用いた。この記録媒
体において本発明でいう「金属層」は、形成されていな
い。このような記録媒体の構成とすることによって比較
例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度が向上すること
が判った。
【0065】実施例12 請求項14の発明の実施例を示す。図13に示したのと
同様な層構成の光情報記録媒体を用いた。基板1にAl
―Mg合金基板を用い、その上面に電着法によりNiP
合金を10〜20μm形成した。さらにAg層を20n
m、下部保護層2としてZnS・SiOを19nm、
記録層3として層変化材料のGeSbTe 合金を15
nm、上部保護層4としてZnS・SiOを20n
m、硬質保護層5としてダイヤモンドライクカーボン層
を15nm形成し、その上面に潤滑層6としてフッ素系
潤滑剤を塗布し、光情報記録媒体とした。この記録媒体
において本発明でいう「金属層」は、Ag層(膜厚20
nm)である。このような記録媒体の構成とすることに
よって比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度が向
上することが判った。
【0066】実施例13 請求項15の発明の実施例を示す。図16に示したよう
に基板1 としてAl合金基板を用い、その上面に記録
層3としてフタロシアニン系の有機色素膜を形成し、そ
の上面に硬質保護層5としてダイヤモンドライクカーボ
ン層を形成し、その上面に潤滑層6としてフッ素系潤滑
剤を塗布し、光情報記録媒体とした。この記録媒体で
は、本発明でいう「金属層」は形成されていない。この
ような記録媒体の構成とすることによって比較例1に較
べて摩耗痕深さが小さく、強度が向上することが判っ
た。
【0067】実施例14 請求項16の発明の実施例を示す。図17に示したよう
に基板1としてAl―Mg系 合金基板を用い、下部保
護層2としてSiNを、記録層3として光磁気材料であ
るTbFeCo合金を形成し、上部保護層4としてSi
Nを、その上面に硬質保護層5としてダイヤモンドライ
クカーボン層を形成し、その上面に潤滑層6としてフッ
素系潤滑剤を塗布し、本発明の光情報記録媒体とした。
この記録媒体では、本発明でいう「金属層」は形成され
ていない。このような記録媒体の構成とすることによっ
て比較例1に較べて摩耗痕深さが小さく、強度が向上す
ることが判った。
【0068】実施例15 請求項17の発明の実施例を示す。図13に示したよう
な層構成の光情報記録媒体を用いた。基板1にAl―M
g合金基板を用い、その上面に電着法によりNiP合金
を10〜20μm形成した。さらにAg層を20nm、
下部保護層2としてZnS・SiOを19nm、記録
層3としてAgInSbTe合金を15nm、上部保護
層4としてZnS・SiOを60nm、硬質保護層5
としてダイヤモンドライクカーボン層を15nm形成
し、その上面に潤滑6としてフッ素系潤滑剤を塗布し、
光情報記録媒体とした。記録層よりも光の入射側の層
は、上部保護層4の60nm、硬質保護層5の15nm
の合計75nmであり、この面に接触させるようにヘッ
ドが摺動することにより良好な記録、再生が可能となっ
た。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、近接場光を用いた記
録、再生、消去、または記録・再生を行うことが可能と
なるようにヘッドと記録媒体との距離を小さくすること
ができる、耐摩耗性や、耐衝撃性などに優れた強度の高
い情報記録媒体が実現でき、これにより、高密度光情報
記録媒体が提供される。
【0070】請求項1に係る発明では、30nm以下の
厚さの薄い金属層を用いた層構成、または金属層を除い
た光情報記録媒体の層構成の光情報記録媒体とすること
により、記録媒体の耐摩耗性、耐衝撃性が高まる。その
結果、SIL、微小開口利用の近接場光を用い、ヘッド
と記録媒体との距離を小さくすることができて、高密度
の記録再生が可能となる。
【0071】請求項2に係る発明では、金属層を光の反
射率および熱伝導率が高いAg、Al、Ag合金、また
はAl合金で形成するため、充分な光の反射、熱の放熱
を行うことができ、30nm以下の厚さの金属層におい
ても記録、再生、消去、または記録・再生など特性の顕
著な向上効果がある。また、Agはリサイクルが比較的
容易な材料であるため、資源の効率良い利用が可能であ
り、その結果コストの面からも有利となる。
【0072】請求項3に係る発明では、金属層をW、M
o、Ta、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbのうち
少なくとも一種類、またはこれらの元素を含む合金のう
ち少なくとも一種類の材料にすることにより媒体の強度
は高くなり、耐摩耗性や耐衝撃性などに優れた光情報記
録媒体が実現できる。
【0073】請求項4に係る発明では、基板として硬
度、強度の高いガラス基板を用いるので、記録媒体が変
形することが少なくなり、記録媒体とヘッドの距離を一
定に保つことができるため記録、再生、消去、または記
録・再生など特性が向上する。また、耐衝撃性、耐傷性
にも優れている。さらに、また、ガラス基板は加工性が
良好であるため、基板の平坦性、平滑性を高くすること
ができ、記録媒体の表面性向上にもつながる。その結
果、機械的な特性に優れ、コスト的にも優れた光情報記
録媒体を実現することが可能となる。
【0074】請求項5に係る発明では、金属材料からな
る基板を用いるので、基板の平坦性、平滑性を容易に高
めることが可能であり、記録媒体と光ヘッドとの距離が
小さい場合においても良好な特性を示すことができる。
また、機械的にも優れた光情報記録媒体を実現すること
が可能となる。
【0075】請求項6に係る発明では、基板として安価
で加工も容易なAlまたはAl合金からなるものを用い
るので、容易に表面粗さを小さくすることが可能であ
り、基板の平坦性、平滑性を高めることにより、光情報
記録媒体の表面性が向上する。その結果、記録媒体と光
ヘッドとの距離を一定にすることが可能となり、近接場
光を用いた光情報記録において良好な特性を示すことが
できる。
【0076】請求項7に係る発明では、基板の表面に腐
食しにくく、しかも硬いNi合金の皮膜を形成するので
基板の耐久性が向上し、優れた特性の光情報記録媒体を
提供することができる。
【0077】請求項8に係る発明では、W、Mo、T
a、Ti、Cr、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なく
とも一種類、またはこれらの元素を含む合金のうち少な
くとも一種類の材料からなる基板を用いることにより記
録媒体の強度が向上する。
【0078】請求項9に係る発明では、構成層の最上面
が、耐摩耗性、耐衝撃性の硬質保護層であるため、機械
的強度の高い光情報記録媒体を提供することができる。
【0079】請求項10に係る発明では、構成層の最上
面が潤滑層であるため、光情報記録媒体とヘッドとの間
での潤滑が改善され、接触しても記録媒体が損傷を受け
難くなる。また、接触させて使用する構成においては、
動作が滑らかになるという効果がある。
【0080】請求項11に係る発明では、硬質保護層と
記録層が直接接することにより、硬質保護層が記録層を
保護する役割と媒体の強度を向上するための役割を兼ね
た効果がある。そのため、保護層を省略することによる
製造上のコスト効果がある。
【0081】請求項12に係る発明では、記録層を保護
層で挟むことにより、記録時に記録層にかかる熱を適切
に制御し、最適な記録を行うことができるようになる。
また、記録時に記録層が溶融状態になる場合、保護層で
はさみそれを保護することにより、媒体の繰り返し特性
を向上させる効果もある。さらに保護層を硬質保護層と
することにより記録媒体の硬度を高める効果がある。
【0082】請求項13に係る発明では、硬質保護層の
主成分が炭素からなるため、硬質保護層の作製条件など
により様々な熱伝導率をもつ膜を作ることが可能であ
り、記録層に対し最適な熱伝導率をもつ膜を作ることが
できる。また、光学的な特性も制御することが可能であ
る。また、作製条件で膜の硬度も変化するため、非常に
硬い膜を作ることが可能である。特に、ダイヤモンドま
たはダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる炭素膜は硬
度が高いため、記録媒体表面に施すことにより記録媒体
の耐摩耗性、耐衝撃性を向上させることができる。
【0083】請求項14に係る発明では、記録層の材料
として相変化材料を用いるので、近接場光を用いた書替
特性に優れた高密度光情報記録媒体を提供することがで
きる。
【0084】請求項15に係る発明では、記録層の材料
として有機色素材料を用いるので、近接場光を用いた低
コストで優れた特性を持つ高密度光情報記録媒体を提供
することができる。
【0085】請求項16に係る発明では、記録層の材料
として光磁気材料を用いるので、近接場光を用いた書替
特性に優れた高密度光情報記録媒体を提供することがで
きる。
【0086】請求項17に係る発明では、膜厚を限定す
ることにより近接場光で良好に記録、再生、消去、また
は記録・再生を行うことができる光情報記録媒体を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属層を形成しない光情報記録媒体の層構成断
面図である。
【図2】図1の光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重との
関係を示した図である。
【図3】金属層として120nmの厚膜のAg層設けた
光情報記録媒体の層構成断面図である。
【図4】図3の光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重との
関係を示した図である。
【図5】図3と同様の層構成とし、金属層として薄膜の
Ag層を設けた光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重との
関係を示した図である。
【図6】金属層として薄膜のCr層を設けた光情報記録
媒体の層構成断面図である。
【図7】図3と同様の層構成とし、Al基板またはAl
合金基板を用いた光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重と
の関係を示した図である。
【図8】Ni合金皮膜を有する金属基板を用いた光情報
記録媒体の層構成断面図である。
【図9】硬質保護層を設けた光情報記録媒体の層構成断
面図である。
【図10】図9の光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重と
の関係を示した図である。
【図11】硬質保護層の上面に潤滑層を形成した光情報
記録媒体の層構成断面図である。
【図12】硬質保護層と記録層とが直接接するように構
成した光情報記録媒体の層構成断面図である。
【図13】基板上に形成した構成層が下部保護層、記録
層、上部保護層の順に積層した層構成を含む多層構造か
らなる光情報記録媒体の層構成断面図である。
【図14】図13の光情報記録媒体の摩耗痕深さと荷重
との関係を示した図である。
【図15】炭素を主成分とする硬質保護層を設けた光情
報記録媒体の層構成断面図である。
【図16】記録層の材料として有機色素材料を用いた光
情報記録媒体の層構成断面図である。
【図17】記録層の材料として光磁気材料を用いた光情
報記録媒体の層構成断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部保護層 3 記録層 4 上部保護層 5 硬質保護層 6 潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535G B41M 5/26 B41M 5/26 X Y

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層を少なくとも備えた構成
    層を有し、近接場光で記録、再生、消去、または記録・
    再生を行う光情報記録媒体であって、前記基板と前記記
    録層との間の構成層中に膜厚が30nm 以下の金属層
    を設けるか、もしくは金属層を設けないことを特徴とす
    る光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記金属層がAg、Al、Ag合金、ま
    たはAl合金のうち1種類からなることを特徴とする請
    求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記金属層がW、Mo、Ta、Ti、C
    r、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なくとも一種類、
    またはこれらの元素を含む合金のうち少なくとも一種類
    の材料からなることを特徴とする請求項1記載の光情報
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基板がガラス基板であることを特徴
    とする請求項1、2、または3記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記基板が金属材料からなることを特徴
    とする請求項1、2、または3記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基板がAl、またはAl合金からな
    ることを特徴とする請求項1、2、または3記載の光情
    報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記基板の表面にNi合金の皮膜を形成
    したことを特徴とする請求項5または6記載の光情報記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基板がW、Mo、Ta、Ti、C
    r、Co、Ni、Zr、Nbのうち少なくとも一種類、
    またはこれらの元素を含む合金のうち少なくとも一種類
    の材料からなることを特徴とする請求項1、2、または
    3記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記構成層の最上面が硬質保護層からな
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の
    光情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記構成層の最上面が潤滑層からなる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の光
    情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記硬質保護層と記録層とが直接接す
    るように構成されていることを特徴とする請求項9記載
    の光情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記構成層が下部保護層、記録層、上
    部保護層の順に積層した層構成を含む多層構造からなる
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の
    光情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記硬質保護層は、炭素を主成分とす
    るものであることを特徴とする請求項9または11記載
    の光情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記記録層の材料として相変化材料
    を用いたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1
    項記載の光情報記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記記録層の材料として有機色素材
    料を用いたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか
    1項記載の光情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記記録層の材料として光磁気材料
    を用いたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1
    項記載の光情報記録媒体。
  17. 【請求項17】前記記録層よりも光の入射側にある層全
    体の膜厚が100nm以下であることを特徴とする請求
    項1〜16のいずれか1項記載の光情報記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005025868A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Ricoh Co Ltd 光学ヘッド装置および光情報記録再生装置

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JP2005025868A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Ricoh Co Ltd 光学ヘッド装置および光情報記録再生装置

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