JP2000284846A

JP2000284846A - 車両用ブレーキペダル装置

Info

Publication number: JP2000284846A
Application number: JP11087027A
Authority: JP
Inventors: Ryoichi Kinoshita; 良一木下
Original assignee: Suzuki Motor Corp
Current assignee: Suzuki Motor Corp
Priority date: 1999-03-29
Filing date: 1999-03-29
Publication date: 2000-10-13

Abstract

(57)【要約】【課題】ブレーキペダル板の下側で、外側から見える
ことが少く、専用の戻しバネが不要で、外観がよく、構
造もシンプルで、操作のフィーリングもよい車両用ブレ
ーキペダル装置を提供する。【解決手段】ペダル板は、内側ペダル板７と外側ペダ
ル板８に左右に二分してあって、内側ペダル板７の外端
下側の位置で、前後軸９によって蝶着する。外側ペダル
板８と内側ペダル板７の間には隙間１０を設けてあり、
外側ペダル板８は、蝶番の突出部１１が内側ペダル板７
の下面に当って、水平以下には回動できず、上側に回動
したときは、外側ペダル板８の内端が、内側ペダル板７
の内端面に当り、それ以上は回動できないようにしてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、オートバイのブ
レーキペダルに最適で、バギー車や四輪自動車にも用い
ることができる車両用ブレーキペダル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】いわゆるアメリカンタイプ等のオートバ
イで大型のものでは、車体の下部左右に設けるフロント
フートレストをフロアボードタイプとして、運転者がフ
ロアボードの上に足を置くことができるようにしたもの
が増えて来ている。この種のオートバイでは、通常フロ
アボードが可倒式で、外側が上方に所望な角度回動可能
にしており、コーナリングで車体を傾けてフロアボード
が接地したとき、フロアボードを上側に逃がす工夫をし
ている。

【０００３】一方、フロアボードの前部上側には、ブレ
ーキペダルを装着し、フロアボードに置いた足をブレー
キペダルに移して、ブレーキペダルを踏下げることによ
って、ブレーキを掛けることができるようにしている。
そして、この種のオートバイでは、ブレーキペダルも大
型のものを使用する（四輪オートマチック車用のブレー
キペダル並の大きさのものがある）ため、通常走行時は
ライダーの足（ｆｏｏｔ）がブレーキペダルの下方に位
置しており、ブレーキ操作時には一旦足を手前に引きあ
るいは外側にずらしてブレーキペダルの下から足を逃が
して、その後、ブレーキペダルを踏むという作業を行
う。その場合にブレーキをかけるときに足をブレーキペ
ダルから迂回してからペダルに足をかける必要があるの
で、面倒な操作になりやすい。

【０００４】また、フロアボードが傾いて上側に移動す
ると、ブレーキペダルの裏面とフロアボードとの間のス
ペースが狭くなり、足を置きにくくなる。これを避ける
ため、ブレーキアームを前後に二分し、蝶軸で前部が上
側にのみ回動できるようにして、ブレーキペダルが上側
に逃げることができるようにしたものがあり、前部のブ
レーキペダルは、戻しバネを用いて元の位置に復帰でき
るようにしている（例えば、実開昭５８−１５３１８９
号公報、実開昭６１−１５９２９１号公報参照）。

【０００５】また、ブレーキペダルやブレーキアーム部
分は、外側から見える場所に設置されているので、ブレ
ーキアームの二分した部分や、戻しバネが見えて体裁が
悪い。なお、オフロード車のブレーキペダルは可倒式に
なっている考え方を元にブレーキペダルの先端部を車体
横方向に可倒するタイプとすることが考えられる。しか
しながら、その場合、リターンスプリングを装着し、外
観的に体裁が悪い。また、ブレーキ操作時にペダル自体
が取付け軸のガタによるしなりが感じられ、フィーリン
グのあまり良好なものではない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる点に鑑み、この発
明は、ブレーキペダル板の下側で、外側から見えること
が少く、専用の戻しバネが不要で、外観がよく、構造も
シンプルで、操作のフィーリングもよく、足置きスペー
スに干渉しない車両用ブレーキペダル装置を得ることを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次ぎの構成を有する。本発明は車両用ブ
レーキペダル装置であって、ペダル板を左右に二分し、
内側ペダル板の下面をブレーキアームの先端に固着し、
内側ペダル板の外端下側に前後軸で外側ペダル板を上側
だけに所望角度回動可能に蝶着し、内側ペダル板と外側
ペダル板をゴムカバーで被覆し、ゴムカバーの弾力で外
側ペダル板を戻り方向に付勢するようにしたものであ
る。そして、ゴムカバーは内側ペダル板と外側ペダルと
の外周縁で下側に巻き込まれてこれらペダルに係止され
たものであり、これらペダル同士の回動軸の前後方向に
位置するゴムカバーの下側巻込み部を部分的に切除する
か薄くして、ペダルも回動時のゴムカバーの撓みを調節
できるようにしたものである。

【０００８】本発明によれば、外側ペダル板に上方への
力が加わると、外側ペダル板は前後に沿う回動軸を中心
にして上側に回動して逃げることができる。また、内側
ペダル板と外側ペダル板の回動軸部分は、内側ペダル板
と外側ペダル板の下側で、殆んど見えない位置になるの
で体裁がよく、外観がよい。また、滑り止めのゴムカバ
ーが、外側ペダル板の戻しバネの役を兼ねることができ
るので、構造もシンプルにできる。そして、ゴムカバー
は、内側ペダル板と外側ペダル板の両側全体を覆ってい
るので、二分されていることを感じることもなく、踏下
げたときの操作フィーリングもよい。さらには、外側ペ
ダル板を戻す力は、ゴムカバーの下側巻込部の差込深さ
を浅くしたり、巻込部の厚さを選ぶことによって、適度
な戻し力を得ることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１乃
至図１０によって説明する。実施形態にかかるブレーキ
ペダル装置は、図１０に示すような、アメリカンタイプ
の自動二輪車（オートバイ）の車体前部右側に位置して
配設されたものである。この自動二輪車では、車体前部
左右にそれぞれ位置して対のフロアボード２が配設され
る。具体的には、Ｖ型エンジン２０の右側からエキゾー
ストパイプ２１が後方に向けて配置されており、ペダル
は前側気筒のエキゾーストパイプ２１を逃げて、エンジ
ンケース２２に隣接した前側に配設されている。なお、
この自動二輪車では、前輪２３を懸架するフロントステ
アリング２４から後輪２５を懸架するリアスイングアリ
ーム２６に向けてのフレーム形状が後ろに向かうほど上
下に狭くなるようにして、シート２７位置を下げて足つ
き性を良くしている。

【００１０】ここで、図１及び図２に示すように、フレ
ームに外側に向けて締着した概略クランク形状のブラケ
ット１の外端部分にフロアボード２の内側下面部を、フ
ロアボード２の外側が上方のみに回動できるように軸３
で軸着する。又、ブラケット１の上面に設けたボス４に
は、ブレーキアーム５の基端を回動操作ができるよう
に、軸６で軸着する。

【００１１】図３乃至図５に示すように、ペダル板は、
内側ペダル板７と外側ペダル板８に左右に二分してあっ
て、内側ペダル板７の外端下側の位置で、前後軸９によ
って蝶着する。外側ペダル板８と内側ペダル板７の間に
は隙間１０を設けてあり、外側ペダル板８は、蝶番の突
出部１１が内側ペダル板７の下面に当って、水平以下に
は回動できず、上側に回動したときは、外側ペダル板８
の内端が、内側ペダル板７の内端面に当り、それ以上は
回動できないようにしてある。

【００１２】両側のペダル板７，８の上には、操作した
ときの滑り止めになるゴムカバー１２を被覆する。ゴム
カバー１２は図６乃至図８に示すように、両側のペダル
板７，８の上面から外周全体を覆い、下側に巻込部１３
を設けてあって、両側のペダル板７，８の外周下面を巻
込んで、通常では外れないようにしてある。ゴムカバー
１２の弾力が、外側ペダル板８が上側に回動したときに
撓んで、その反力が外側ペダル板８を戻すように働くの
で、外側ペダル板８の戻しバネを特に設けなくてもよ
い。

【００１３】ゴムカバー１２の巻込部１３の中央部前後
の、外側ペダル板８の回動で撓む部分は、巻込み深さを
１４で示すように浅くするか、二点鎖線１５で示すよう
に薄くすることよって、適度の外側ペダル板８の戻し力
を得るようにする。

【００１４】足が外側ペダル板８の下面に当った場合
は、外側ペダル板８が、上方に回動して逃げることがで
きるので、足が挟ることがないようにできる。そして、
外側ペダル板８は、ゴムカバー１２の弾力で元に戻るの
で、特別に戻しバネを用いなくてもよい。ゴムカバー１
２の外側ペダル板８を戻す弾力は、巻込部１３の深さ又
は厚さによって適度のものにできる。

【００１５】以上では、オートバイの場合について説明
したが、バーハンドルのバギー車にも同様に実施するこ
とができる。又、四輪自動車でも、アクセルペダルか
ら、ブレーキペダルへの踏変えの場合にも、有効で、利
用できる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は上述の
ように構成したので、外力が加わったときに外側ペダル
板が上方に回動させることができる。そして、外側ペダ
ル板は、ゴムカバーの弾力によって元に戻ることがで
き、特別に戻しバネを作る必要がなく、構造が簡単にで
きて、安価に製造できる。また、内側ペダル板と外側ペ
ダル板の蝶着部分は、両側のペダル板の下側で見えるこ
とが少く、外観よくできる。そして、両側のペダル板
は、ゴムカバーで覆ってあるので操作のとき滑るのを防
止できると共に、操作のフィーリングが損われることも
ない。外側ペダル板を元に戻す力は、ゴムカバーの巻込
部の深さや厚さの設定で適度のものにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る車両用ブレーキペダル
装置を示す斜視図である。

【図２】図１のブレーキペダル装置を示す正面図であ
る。

【図３】ブレーキアームとペダル板の側面図である。

【図４】ブレーキアームとペダル板の底面図である。

【図５】ペダル板部分の正面図である。

【図６】ゴムカバーの平面図である。

【図７】ゴムカバーの底面図である。

【図８】ゴムカバーの縦断正面図である。

【図９】図１のブレーキペダル装置を自動二輪車に装着
した状態の側面図である。

【図１０】図１のブレーキペダル装置をオートバイに装
着した状態の全体側面図である。

【符号の説明】

５ブレーキアーム７内側ペダル板８外側ペダル板９前後軸１２ゴムカバー１３巻込み部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ペダル板を左右に二分し、内側ペダル板
の下面をブレーキアームの先端に固着し、内側ペダル板
の外端下側に前後軸で外側ペダル板を上側だけに所望角
度回動可能に蝶着し、内側ペダル板と外側ペダル板をゴ
ムカバーで被覆し、ゴムカバーの弾力で外側ペダル板を
戻り方向に付勢するようにしたことを特徴とする車両用
ブレーキペダル。
【請求項２】ゴムカバーは内側ペダル板と外側ペダル
との外周縁で下側に巻き込まれてこれらペダルに係止さ
れたものであり、これらペダル同士の回動軸の前後方向
に位置するゴムカバーの下側巻込み部を部分的に切除す
るか薄くして、ペダルも回動時のゴムカバーの撓みを調
節できるようにしたことを特徴とする請求項１に記載の
車両用ブレーキペダル装置。