JP2000284196A - マルチビーム射出装置及び画像形成装置 - Google Patents

マルチビーム射出装置及び画像形成装置

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JP2000284196A
JP2000284196A JP11089762A JP8976299A JP2000284196A JP 2000284196 A JP2000284196 A JP 2000284196A JP 11089762 A JP11089762 A JP 11089762A JP 8976299 A JP8976299 A JP 8976299A JP 2000284196 A JP2000284196 A JP 2000284196A
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laser
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half mirror
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Toshio Naiki
俊夫 内貴
Mitsutoshi Iko
光俊 位高
Hidenari Tatebe
秀成 立部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで装置の小型化を実現することがで
きるマルチビーム射出装置、及びそれを用いた画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 複数のレーザビームを射出する光源LD
1及びLD2と、少なくとも一枚の光学ガラスの平行平
板を含み、前記光源から射出された複数のレーザビーム
のそれぞれを偏向し、若しくはそのまま透過させること
で略同一方向に進行するように合成するビーム合成装置
11と、前記ビーム合成装置11に光学ガラスの平行平
板を用いることにより、複数のレーザビーム間に生じる
収差状況の相違を補正する収差補正板13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のレーザビー
ムを射出するマルチビーム射出装置、及び当該マルチビ
ーム射出装置を用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル複写機、レーザプリンタ
等の画像形成装置の分野において、画像形成の高速化、
高解像度化等に対応すべく、複数のレーザビームにより
像担持体表面等を露光するマルチビーム走査光学系を用
いたものが種々開発されている。それら従来の画像形成
装置としては、例えば特開平7−234369号公報に
開示されているように、複数のレーザダイオードから射
出されるレーザビームをそれぞれ別個のコリメータレン
ズで平行光とした後、ビームスプリッタ等を用いて合成
し、ポリゴンミラー等の偏向器に導くものが大多数であ
った。
【0003】しかしながら、上記の如く、複数のレーザ
ビームのそれぞれにコリメータレンズを設けると装置が
大型化する他、レーザダイオード、コリメータレンズ及
びビームスプリッタ等の取付け位置が経時的にずれてく
ることによる影響が大きくなる等の問題点があった。そ
れらの問題を解決する技術として、本願出願人が既に出
願した技術が特開平9−179048号公報に記載され
ている。この技術は複数の光源から射出された光束を、
ビームスプリッタ等を用いて合成した後にコリメータレ
ンズに導くようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術により、複
数の光源で単一のコリメータレンズを共用できる他、平
行光とされる前にビームの合成を行うことからビームス
プリッタ自体も小型化することができるため、マルチビ
ーム射出装置を小型化することが可能となった。しかし
ながら、上記従来の技術では、平行光となっていない状
態で複数のレーザビームを合成するに際して発生し得る
収差の影響を最小限にすべく、ビームスプリッタとして
二つのプリズムを貼り合わせたものを用いていたため、
若干コスト高になるという問題点を有していた。
【0005】ここで、低コスト化のためには、例えば光
学ガラスの平行平板を加工したビーム合成手段を用いる
ことが考えられる。しかしながら、レーザビームの合成
を行うに際して、平行光となる以前の状態で平行平板を
透過させると、透過により発生し得る収差の影響が無視
できないものとなる。本発明は、上記のような問題点に
鑑みてなされたものであって、低コスト化を実現しつつ
装置の小型化を図ることができるマルチビーム射出装
置、及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るマルチビーム射出装置は、複数のレー
ザビームを射出するマルチビーム射出装置であって、前
記複数のレーザビームを射出する光源と、少なくとも一
枚の光学ガラスの平行平板を含み、前記光源から射出さ
れた複数のレーザビームのそれぞれを、発散光の状態
で、略同一方向に進行するように偏向し、若しくはその
まま透過させるビーム合成手段と、前記ビーム合成手段
を経由することにより、前記それぞれのレーザビーム間
に生じる収差状況の相違を補正する収差補正手段とを備
えることを特徴としている。
【0007】この構成によれば、複数のレーザビームで
単一のコリメータレンズを共用するために、コリメータ
レンズにより平行光となる前の発散光の状態でレーザビ
ームの合成を行うビーム合成手段として、平行平板を含
むもの、例えば光学ガラスの平行平板を加工したハーフ
ミラーを用いた場合においても、当該ハーフミラーを透
過、又は反射することにより生じる、複数のレーザビー
ム間における収差状況の相違を補正することができる。
従って、低コスト化を実現しつつ、マルチビーム射出装
置の小型化を図ることができる。
【0008】具体的には、前記ビーム合成手段は、前記
ハーフミラーを、当該ビーム合成手段通過後に前記それ
ぞれのレーザビームが進行すべき方向に対して所定の傾
きをもって設置したものであり、前記収差補正手段は、
前記それぞれのレーザビームが進行すべき方向に垂直な
面に対して、前記所定の傾きと面対称となる傾きをもっ
て設置された少なくとも一枚の光学ガラスの平行平板を
含んでいるようにすることで、収差状況の相違の補正を
行うことができる。かかる構成により収差状況の相違が
補正できる理由については、本発明の実施の形態を説明
する際に説明する。
【0009】より詳細には、前記複数のレーザビーム
は、前記ビーム合成手段を通過する前には、互いに異な
る方向に進行している二本のレーザビームであり、前記
ビーム合成手段は、前記二本のレーザビームのそれぞれ
を反射させ、若しくは透過させることにより、当該二本
のレーザビームを略同一方向に進行させるようにする前
記ハーフミラーであり、前記ハーフミラー及び前記収差
補正手段に関して、前記二本のレーザビームの光路上に
おいて、それぞれのレーザビームが透過する光学ガラス
の平行平板について、下記(数2)を満たしていればよ
い。
【0010】
【数2】
【0011】上記(数2)を満たす構成はいわば無限に
考えられるが、いくつかの具体例については本発明の実
施の形態として後に詳細に説明する。なお、上記数式に
ついては、これを厳密に満たす必要があるというわけで
はなく、多少の誤差が許容されるものであることは言う
までもない。また、本発明に係る画像形成装置は、上記
本発明に係るマルチビーム射出装置から射出された複数
のレーザビームを用いて像担持体表面の露光を行うこと
を特徴とするものであるから、複数のレーザビームでコ
リメータを共用するに際して得られるメリットを、低コ
スト化を実現しながら享受することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るマルチビーム
射出装置、及び画像形成装置の実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。 (1)マルチビーム走査光学系の全体構成 図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置にお
けるマルチビーム走査光学系の全体構成を説明するため
の斜視図である。同図に示されるように、本実施の形態
のマルチビーム走査光学系は、二つのレーザダイオード
LD1及びLD2を備えており、それぞれのレーザダイ
オードから射出されるレーザビーム(それぞれのレーザ
ビームを、以下、「レーザビームLB1」及び「レーザ
ビームLB2」という。)は、光学ガラスから成る平行
平板を二枚貼り合わせ、その中間層に金属膜や誘電体の
多層膜などをコートしてハーフミラーとする等の加工を
施したビーム合成装置11に入射する。ここで、レーザ
ビームLB1及びレーザビームLB2は略同一方向、即
ちコリメータレンズ12の方向へと進行するように合成
され、従ってレーザビームLB1及びレーザビームLB
2は単一のコリメータレンズ12を共用して、それぞれ
平行光とされる。
【0013】ここで、平行平板をハーフミラーとするた
めにコートする材料として、金属膜を用いる場合であれ
ば、Al、Ag、Au、Cu等の単層膜(必要に応じて
SiO2の単層膜を保護コートとして加える。)を用い
ることができる。この方法を用いた場合には、単層若し
くは2層でよく、偏光、入射角の影響が少ない等のメリ
ットがあるが、吸収のため効率がやや低下するという問
題がある。誘電体多層膜を用いる場合には、例えばTi
2等の屈折率の高い材料と、SiO2等の屈折率の低い
材料を交互にコートして半透膜を形成する方法等が考え
られる。
【0014】平行光となったレーザビームは、シリンド
リカルレンズ2を透過した後、不図示のポリゴンモータ
により矢印a方向に高速回転駆動され、レーザビームを
主走査方向に偏向するポリゴンミラー3、及びfθレン
ズ等の走査レンズ群4、折り返しミラー5等を経由し
て、像担持体としての例えば副走査方向に回転する感光
体ドラム6の表面に導かれる。なお、以下の説明ではレ
ーザダイオードLD1及びLD2、ビーム合成装置11
及びコリメータレンズ12等を含む部分を指してマルチ
ビーム射出装置1という。同図1に示されるように、本
実施の形態のマルチビーム射出装置1は収差補正板13
を備えているが、その詳細については後述する。
【0015】(2)収差の発生について 上記の如く、本実施の形態のマルチビーム射出装置1に
は収差補正板13が備えられている。ここで、本実施の
形態のマルチビーム射出装置1のように、それぞれのレ
ーザビームがコリメータレンズ12により平行光とされ
る前の発散光の状態で、平行平板を加工したビーム合成
装置11を通過した場合において、発生し得る収差につ
いて説明する。なお、これらの収差の発生については周
知の事項であるので、ここでの説明は簡単なものにとど
める。
【0016】一般的に、平行光でない光が光学ガラス等
の材料からなる平行平板を透過した場合に発生し得る収
差としては、(A)球面収差、(B)コマ収差、(C)
非点隔差の3種類がある。以下、図2を参照しながら、
それぞれの収差ごとにその内容を簡単に説明する。尚、
図2(a)は、図1に対応するマルチビーム射出装置1
の一部を側面から見た模式図、同図(b)は、別の実施
の形態の一例におけるマルチビーム射出装置1の一部を
側面から見た模式図であり、以下、収差の説明には主に
図2(b)を用いる。
【0017】なお、これらの収差は例えば単一のレーザ
ビームを用いる場合にはコリメータレンズ12等により
補正可能なものである。即ち、本実施の形態のようなマ
ルチビーム走査光学系においても、複数のレーザビーム
それぞれに発生している収差の収差状況が等しければ、
複数のレーザビームにより共用される上記コリメータレ
ンズ12等により補正を行うことができる。問題となる
のは、複数のレーザビーム間における収差状況が異なっ
ている場合である。一方のレーザビームに発生している
収差を補正するようにコリメータレンズ12等を設計し
ても、他のレーザビームでは収差が残存してしまうから
である。
【0018】(A)球面収差 発散光の光路上に平行平板を挿入した場合の球面収差と
は、平行平板に発散光が入射した際、及び平行平板から
出射する際の屈折によって生ずるものであり、即ち、入
射角度が異なる光が同一の点で結像しなくなることをい
う。この収差は、挿入された平行平板に垂直に光線が入
射した場合に考慮すべきものであり、複数のレーザビー
ム間での球面収差の発生状況の差異は、それぞれのレー
ザビームが透過する光学ガラスの屈折率が同一であれ
ば、それぞれのレーザビームが光学ガラスを透過する光
路長に依存することになる。
【0019】図2(b)に示す如く、ビーム合成装置1
1として、一枚の平行平板11bの片面(コリメータレ
ンズ12側の面、以下「表面」という。)のみを加工し
てコート層11cを設けたハーフミラーを用いた場合
(以下、このようなタイプを「表面タイプ」のビーム合
成装置という。)を考えると、レーザビームLB1は、
平行平板11b中を透過してコリメータレンズ12へと
向かうのに対し、レーザビームLB2は、平行平板11
b中を透過することなく、コート層11cで反射するこ
とになる。即ち、レーザビームLB1とレーザビームL
B2とで、光学ガラスを透過する光路長が異なることに
なり、従って、それぞれのレーザビームに生じる収差状
況が異なるものとなってしまう。
【0020】この収差状況の相違を補正し、それぞれの
レーザビームにおいて球面収差の発生状況を等しくする
ためには、平行平板11bを透過するレーザビームLB
1と、反射するレーザビームLB2とで、光学ガラスを
透過する光路長が等しくなるように、光学ガラスを透過
する長さの短い方のレーザビームLB2の光路上のみ
に、不足する分の厚さを有する収差補正板13aを挿入
すればよい。ここで、平行平板11bの厚さをPとすれ
ば、収差補正板13a(以下、特に説明する場合以外
は、ビーム合成装置11に用いられる平行平板と収差補
正板として用いられる平行平板の屈折率は全て等しいも
のとする。)の厚さも同様にPとし、設置角度について
は、平行平板11bを含む面と、収差補正板13aを含
む面とが平行になるようにする必要がある。
【0021】(B)コマ収差 本実施の形態の如く、発散光の光路中に平行平板型の光
学素子を傾けて挿入した場合、一般にコマ収差が発生
し、入射面(主光線と、光学素子の法線とを含む面)内
で主光線を基準として収差状況が左右で非対称となる。
これを補正し、収差状況が左右対称となるようにするに
は、傾けて配置した上記平行平板型の光学素子と同じ厚
さ、同じ屈折率の収差補正板を前記光学素子と同じ角度
だけ反対方向に傾けて配置する。即ち、光の進行方向に
垂直な面に対して、光学素子と収差補正板とが面対称に
なるように設置し、ビームが両方の平行平板を透過する
ようにすればよい。
【0022】図2(b)の例では、平行平板11b及び
収差補正板13aと、それぞれのレーザビームの進行方
向に垂直な面について面対称となる設置角度をもち、厚
さがPである収差補正板13cを設けることにより上記
コマ収差を補正することができる。即ち、同図の例で
は、平行平板11bの設置角度は、レーザビームLB1
の進行方向とレーザビームLB2の進行方向が交わる角
度(本実施の形態では90°)を二等分する角度(即ち
45°)であり、収差補正板13cは、上記角度と反対
方向に同じ角度(45°)だけ傾けて設置されており、
これにより上記コマ収差の補正を行うことができる。
【0023】(C)非点隔差 一方のレーザビームについてのみ上記コマ収差の補正を
行った場合を考えると、上記コマ収差の補正のためにそ
れぞれ逆方向に傾いた二枚の平行平板を透過するレーザ
ビームには、上記入射面とそれに直交する平面内とで非
点隔差が発生する。一方、二枚の傾いた平行平板を透過
しないもう一本のレーザビームが存在したとすると、こ
のレーザビームには上記の非点隔差が発生しないため、
複数のレーザビーム間で収差状況が異なる原因となる。
【0024】従って、上記もう一本のレーザビームにつ
いても同量の非点隔差が発生するようにすることによ
り、複数のレーザビームに発生する非点隔差の絶対量を
等しくすれば、共通のシリンドリカルレンズ2を用い
て、この絶対値としての非点隔差量を補正することがで
き、以上をもって発生し得る収差の影響を除去すること
ができる。なお、本実施の形態の如く、ビーム合成装置
11において、いずれかのレーザビームが光学ガラスの
平行平板を透過するような場合においては、例えば図2
(a)、(b)に示す例のように、上記球面収差とコマ
収差との補正を適切に行うことにより、非点隔差量の補
正も同時になされる場合もある。もっとも、後に例を示
すように、収差補正板の数が増加した場合には、非点隔
差にも注意を払う必要が出てくる場合もあり得ると考え
られる。
【0025】(3)マルチビーム射出装置1の詳細構成 以上に説明したような内容に基づいて、図2(a)にそ
の一部を示すマルチビーム射出装置1について、以下に
説明する。図1に対応する本実施の形態のマルチビーム
射出装置1は、レーザダイオードLD1及びLD2によ
りそれぞれ射出されるレーザビームLB1及びレーザビ
ームLB2の光路上のいずれかの位置に収差補正板を設
けることで、ビーム合成装置11に平行平板を用いるこ
とにより発生する種々の収差の補正を行っているもので
ある。
【0026】図2(a)の例では、ビーム合成装置11
として、光学ガラスから成る二枚の平行平板11a、1
1bを貼り合わせ、その中間層としてハーフミラーとす
るためのコート層11cを設けたものを用いている(以
下、このようなタイプを「中間層タイプ」のビーム合成
装置という。)。中間層タイプのビーム合成装置11で
は、透過するレーザビームLB1が光学ガラスを透過す
る光路長と、反射するレーザビームLB2が光学ガラス
を透過する光路長とは、等しくなるため、この部分のみ
では球面収差は問題とはならないが、コマ収差の補正を
考慮する必要がある。
【0027】即ち、この例では、ビーム合成装置11を
構成する平行平板11a及び11bの設置角度と反対側
に同角度に傾くように、厚さがPの2倍である収差補正
板13を設けている。収差補正板13にはレーザビーム
LB1及びレーザビームLB2の両方が透過するので、
球面収差の発生状況に差異は生じず、また、それぞれの
レーザビームが同様に傾いた平行平板を透過しているた
め、非点隔差量の相違も生じないことから、中間層タイ
プのビーム合成装置11を用いることによる収差状況の
相違が補正されることになる。
【0028】なお、収差補正板13は、ビーム合成装置
11よりもレーザダイオードLD1及びLD2寄りの位
置に設けるようにしてもよい。そのような配置の例を図
3に示す。この場合、収差補正板13a及び13bの厚
さは上記収差補正板13と同様Pの2倍とし、設置角度
は、上記収差補正板13と平行となるようにする必要が
あることは勿論である。
【0029】(4)収差補正板に関する他の構成例 既述したような収差発生に関する説明の内容に基づいて
考えると、収差補正板を設ける構成に関しては、上記図
2及び図3に示した構成に限定されることなく、種々の
構成を考えることが可能である。以下に、それらの例を
示すが、これらにも限定されるわけではないことは勿論
であり、いわば無限の構成が考えられるといえる。もっ
とも、装置の小型化等の目的達成のためには、一般的に
は光学素子の数は少ない方が好ましい。
【0030】図4は、表面タイプのビーム合成装置11
を用いた場合における、収差補正板の他の設置位置の例
を示す模式図である。同図に示す例は、レーザビームL
B1が平行平板11bを透過することにより発生するコ
マ収差の補正のために、レーザダイオードLD1とビー
ム合成装置11との間に、平行平板11bと厚さの等し
い収差補正板13bを設けた場合の例である。
【0031】同図のような方法によりコマ収差の補正を
行った場合には、上記した球面収差及び非点隔差量の差
異の補正を考慮する必要が生じる。即ち、レーザビーム
LB2についても収差の発生状況を等しくするために、
収差補正板13a及び13cを設けたものである。収差
補正板13a及び13cを設ける必要がある理由につい
ては、既に説明しているのでここでの詳細な説明は省略
するが、収差補正板13a及び13cの厚さは、それぞ
れ平行平板11b等と等しくし、また、収差補正板13
aと13cとの間の角度についても、収差補正板13b
と平行平板11bとの間の角度と等しくする必要があ
る。尚、収差補正板13a及び13cの設置に関して
は、同図(a)のようにしてもよいし、同図(b)のよ
うにしてもよい。
【0032】図5は、ビーム合成装置11として、一枚
の平行平板11aの片面(レーザダイオードLD1側の
面、以下「裏面」という。)のみを加工してコート層1
1cを設けたハーフミラーを用いた場合(このようなタ
イプを「裏面タイプ」のビーム合成装置という。)の収
差補正板の設置例を示す図である。同図(a)の例で
は、平行平板11aの厚さをPとすると、収差補正板1
3aの厚さはPの2倍とし、収差補正板13bの厚さは
Pとする。また、同図(b)の例では、収差補正板13
a及び13bの厚さをPの2倍に、収差補正板13cの
厚さをPとする。さらに同図(c)の例では、収差補正
板13aの厚さをPの2倍とし、他の収差補正板13b
〜13dの厚さをPとする。いずれも設置角度等につい
ては、これまでの説明から明らかと思われるので、ここ
での詳細な説明は省略する。
【0033】なお、以上、いずれの例においても、ビー
ム合成装置11の平行平板はそれぞれのレーザビームが
進行すべき方向に対して45°の角度で設置される場合
について説明したが、ビーム合成装置11の平行平板の
設置角度は45°に限定されるわけではなく、何度とし
てもよい。ただし、上記に説明したように、収差補正板
は、反対向きに同じ角度で設置する必要があるため、ビ
ーム合成装置11の設置角度によって、適宜収差補正板
の設置角度も調整する必要がある。
【0034】また、上記の説明では、ビーム合成装置1
1に用いる平行平板と、収差補正板との屈折率は等しい
という前提で説明したが、屈折率が異なる材料を用いる
ことも可能であり、具体的には、下記の(数3)の関係
を満足させるように収差補正板を設けることにより、収
差状況の相違を補正することができる。
【0035】
【数3】
【0036】以下、上記の式について簡単に説明する。
レーザビームLB1の光路上に存在するi枚の平行平板
と、レーザビームLB2の光路上に存在するj枚の平行
平板(それぞれ、ビーム合成装置11の平行平板及び収
差補正板の両方を含む。)に関して、それぞれの厚さP
と屈折率nとの積の和を等しくすることにより、球面収
差の相違が補正される。ここで、例えば裏面タイプのビ
ーム合成装置11を用いる場合におけるレーザビームL
B2の光路のように(図5(a)参照)、平行平板11
aに入射した後にコート層11cに反射して出射するよ
うな場合には、当該平行平板11aの厚さを2倍して考
える。
【0037】さらに、既述の如く、収差補正板の設置角
度が、その時のレーザビームの進行方向に対して、レー
ザビームがビーム合成装置11に用いられる平行平板に
入射する際の角度と同一、若しくは、その設置角度と、
当該レーザビームの進行方向に垂直な面に対して面対称
(即ち反対側に同角度)のいずれかであるという前提の
下において、レーザビームLB1及びレーザビームLB
2の、それぞれi枚、及びj枚の平行平板のレーザビー
ムの進行方向に対する設置の角度θと、上記厚さP、屈
折率nとの積の総和が等しく零であること(上記設置の
角度θに関しての、既述の「反対側の同角度」について
は、単純に符号が逆になるものと考えることとする。)
によりコマ収差の補正がなされる。ここで、上記変数i
及びjはいずれも零ではないとすれば、非点隔差の絶対
量も補正されることとなり、もって上記三種類の収差が
補正できることになる。
【0038】以上に説明したように、本実施の形態のマ
ルチビーム射出装置を用いることにより、ビーム合成装
置11に、ハーフミラー等、光学ガラスの平行平板を加
工したものを用いることが可能となるので、マルチビー
ム射出装置1を小型化するため、複数のレーザビームで
単一のコリメータレンズを共用しようとした際にも、低
コスト化を実現することが可能となる。
【0039】また、上記に説明したマルチビーム射出装
置を、画像形成装置における像担持体表面の露光に用い
ることにより、低コスト化を実現しつつ、主にコリメー
タレンズを複数のレーザビームで共用することによるメ
リットを享受することができる。なお、上記実施の形態
では、複数のレーザダイオードLD1及びLD2から射
出された複数のレーザビームをビーム合成装置11で合
成する場合についての収差状況の相違の補正について種
々説明を行ったが、複数の光源を有する場合に限定され
るわけではなく、単一の光源からのレーザビームが複数
のレーザビームに分離される場合や、複数のレーザビー
ムをそれぞれ偏向させるような場合等にも適用すること
が可能である。
【0040】さらに、上記実施の形態では、本発明に係
るマルチビーム射出装置を、画像形成装置の像担持体表
面の露光に用いる場合について説明したが、他の種々の
装置に適用することも可能である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るマルチビー
ム射出装置によれば、少なくとも一枚の光学ガラスの平
行平板を含むビーム合成手段を経由することにより、そ
れぞれのレーザビーム間に生じる収差状況の相違を補正
する収差補正手段を備えることにより、ビーム合成手段
として低コストの光学ガラスの平行平板を用いることが
できるので、単一のコリメータを複数のレーザビームで
共用することによる装置の小型化を、低コストで実現す
ることができるという効果がある。
【0042】また、本発明に係る画像形成装置によれ
ば、上記本発明に係るマルチビーム射出装置から射出さ
れた複数のレーザビームを用いて像担持体表面の露光を
行うので、主に単一のコリメータを複数のレーザビーム
で共用することによるメリットを低コストにて享受する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置にお
けるマルチビーム走査光学系の全体構成を説明するため
の斜視図である。
【図2】(a)図1に対応するマルチビーム射出装置1
の一部を側面から見た模式図である。 (b)別の実施の形態の一例におけるマルチビーム射出
装置1の一部を側面から見た模式図である。
【図3】中間層タイプのビーム合成装置11を用いる場
合における収差補正板の設置位置の別の例を示す模式図
である。
【図4】表面タイプのビーム合成装置11を用いる場合
における収差補正板の設置位置の別の例を示す模式図で
ある。
【図5】裏面タイプのビーム合成装置11を用いる場合
における収差補正板の設置位置の例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 マルチビーム射出装置 11 ビーム合成装置 11a、11b 平行平板 11c コート層 12 コリメータレンズ 13、13a〜13d 収差補正板 2 シリンドリカルレンズ 3 ポリゴンミラー 4 走査レンズ群 5 折り返しミラー 6 感光体ドラム LD1、LD2 レーザダイオード LB1、LB2 レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立部 秀成 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2C362 AA47 BA58 BA67 BA83 BA84 BA90 DA03 DA06 2H045 AA01 BA22 BA32 CA53 DA02 5C072 AA01 AA03 BA01 BA04 BA13 DA02 DA05 HA02 HA06 HA08 XA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレーザビームを射出するマルチビ
    ーム射出装置であって、 前記複数のレーザビームを射出する光源と、 少なくとも一枚の光学ガラスの平行平板を含み、前記光
    源から射出された複数のレーザビームのそれぞれを、発
    散光の状態で、略同一方向に進行するように偏向し、若
    しくはそのまま透過させるビーム合成手段と、 前記ビーム合成手段を経由することにより、前記それぞ
    れのレーザビーム間に生じる収差状況の相違を補正する
    収差補正手段とを備えることを特徴とするマルチビーム
    射出装置。
  2. 【請求項2】 前記ビーム合成手段は、 前記光学ガラスの平行平板を加工したハーフミラーであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム射出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記収差補正手段は、 前記それぞれのレーザビームが前記ハーフミラーを透過
    し、若しくは前記ハーフミラーにより反射することによ
    り生じる、前記それぞれのレーザビーム間の収差状況の
    相違を補正することを特徴とする請求項2に記載のマル
    チビーム射出装置。
  4. 【請求項4】 前記ビーム合成手段は、 前記ハーフミラーを、当該ビーム合成手段通過後に前記
    それぞれのレーザビームが進行すべき方向に対して所定
    の傾きをもって設置したものであり、 前記収差補正手段は、 前記それぞれのレーザビームが進行すべき方向に垂直な
    面に対して、前記所定の傾きと面対称となる傾きをもっ
    て設置された少なくとも一枚の光学ガラスの平行平板を
    含んでいることを特徴とする請求項2又は3に記載のマ
    ルチビーム射出装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のレーザビームは、 前記ビーム合成手段を通過する前には、互いに異なる方
    向に進行している二本のレーザビームであり、 前記ビーム合成手段は、前記二本のレーザビームのそれ
    ぞれを反射させ、若しくは透過させることにより、当該
    二本のレーザビームを略同一方向に進行させるようにす
    る前記ハーフミラーであり、 前記ハーフミラー及び前記収差補正手段に関して、 前記二本のレーザビームの光路上において、それぞれの
    レーザビームが透過する光学ガラスの平行平板につい
    て、下記(数1)を満たすことを特徴とする請求項4に
    記載のマルチビーム射出装置。 【数1】
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のマル
    チビーム射出装置から射出された複数のレーザビームを
    用いて像担持体表面の露光を行うことを特徴とする画像
    形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005266492A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 光源装置、光走査装置、画像形成装置、システム、光走査装置の位置決め方法並びに光走査装置の製造方法
JP2012003045A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置

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JP2005266492A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 光源装置、光走査装置、画像形成装置、システム、光走査装置の位置決め方法並びに光走査装置の製造方法
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