JP2000283768A - ジャイロ及びレーザー装置 - Google Patents

ジャイロ及びレーザー装置

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JP2000283768A JP2000010565A JP2000010565A JP2000283768A JP 2000283768 A JP2000283768 A JP 2000283768A JP 2000010565 A JP2000010565 A JP 2000010565A JP 2000010565 A JP2000010565 A JP 2000010565A JP 2000283768 A JP2000283768 A JP 2000283768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転方向の検出が可能なリングレーザー型ジ
ャイロを提供する。 【解決手段】 一方向に周回する第1のレーザー光を主
モードとして発生する第1のレーザー1200、及び一
方向に周回する第2のレーザー光を主モードとして発生
する第2のレーザー1201を備え、該第1及び第2の
レーザーの少なくとも一方から電気信号を取り出すジャ
イロにおいて、該第1のレーザー光1206と第2のレ
ーザー光1207との発振周波数が異なり、かつ該第1
のレーザー光と該第2のレーザー光とが干渉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、レーザー装置に関
する。また、本発明は、レーザー装置を用いたジャイロ
に関する。とくに、本発明は、リング共振器型レーザー
を用いたジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動する物体の角速度を検出する
ためのジャイロとしては、回転子や振動子をもつ機械的
なジャイロや、光ジャイロが知られている。特に光ジャ
イロは、瞬間起動が可能でダイナミックレンジが広いた
め、ジャイロ技術分野に革新をもたらしつつある。光ジ
ャイロには、リングレーザー型ジャイロ、光ファイバー
ジャイロ、受動型リング共振器ジャイロなどがある。
【0003】このうち、最も早く開発に着手されたの
が、気体レーザーを用いたリングレーザー型ジャイロで
あり、すでに航空機などで実用化されている。
【0004】最近では、小型で高精度なリングレーザー
型ジャイロとして、半導体基板上に集積化された半導体
レーザージャイロも提案されており、例えば特開平5−
288556号公報がある。
【0005】上記の公報によれば、図69に示すよう
に、pn接合を有する半導体基板5710上に、リング
状の利得導波路5711を形成し、この利得導波路57
11内に、電極5722からキャリアを注入してレーザ
ー発振を生じさせる。そして、利得導波路5711内を
時計方向及び反時計方向に伝搬するレーザー光のそれぞ
れの一部を取り出して、光吸収領域5717にて干渉さ
せ、その干渉光強度を電極5723から光電流として取
り出している。5716はCCW光、5715はCW
光、5719,5718は出力光である。
【0006】また、特開昭57−43486号公報(U
SP4,431,308)には、半導体レーザー素子の
外部に光を取り出さずに、回転に伴って当該素子の端子
電圧が変化することを利用したジャイロが記載されてい
る。図56中、半導体レーザー素子5792は、上下に
電極5790、5791を有している。5793は直流
阻止用コンデンサ、5794は出力端子、5795は抵
抗である。
【0007】図70に示すように、リングレーザー装置
のレーザー素子として半導体レーザー素子を駆動用電源
5796に接続し、当該装置にある角速度が加わった場
合に生ずる時計回りと反時計回りの光の周波数差(ビー
ト周波数)をレーザー素子の端子電圧の差として検出す
る旨記載されている。
【0008】また、特開平4−174317号公報に
も、回転に伴い生じるレーザー素子の端子電圧の変化を
検出する旨記載されている。
【0009】しかしながら、上記いずれの公報において
も物体の回転方向検知が出来なかった。これは、回転方
向が異なっていても角速度が同じであれば、ビート周波
数は同じになってしまうためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のリング
レーザー型ジャイロでは、回転方向の検出ができなかっ
た。このため、ディザ(微小振動)をかけ、ディザの方
向と信号との相関から回転方向を決定していた。
【0011】また、リングレーザー型ジャイロでは、回
転に伴い発振周波数が2つに分離する。しかし、回転数
が小さいときは発振周波数の差が小さくなる。
【0012】この場合、媒質の非線形性のため、発振周
波数が一方のモードに引き込まれるロックイン現象が生
じていた。
【0013】このロックイン現象を解除するために、リ
ングレーザー型ジャイロに前述のディザをかけることが
行われている。
【0014】そこで、本発明は、方向検知が可能なジャ
イロを提供することを目的とする。
【0015】また、本発明は、ディザ(微小振動)など
の機械的な機構がない状態でも回転方向の検出可能なリ
ングレーザー型ジャイロを提供することを目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るジャイロ
は、一方向に周回する第1のレーザー光を主モードとし
て発生する第1のレーザー、及び一方向に周回する第2
のレーザー光を主モードとして発生する第2のレーザー
を備え、該第1及び第2のレーザーの少なくとも一方か
ら電気信号を取り出すジャイロであって、該第1のレー
ザー光と第2のレーザー光との発振周波数が異なり、か
つ該第1のレーザー光と該第2のレーザー光とが干渉す
ることを特徴とする。
【0017】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1の光導波路の少
なくとも一部と該第2の光導波路の少なくとも一部と
を、近接して配置することを特徴とする。
【0018】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の光導
波路の少なくとも一部に光学的に結合する第3の光導波
路を備えることを特徴とする。
【0019】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の光導
波路の少なくとも一部に接続する第3の光導波路を備え
ることを特徴とする。
【0020】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の光導
波路の少なくとも一部は共用されていることを特徴とす
る。
【0021】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
及び第2のレーザー光の周回方向は互いに逆であること
を特徴とする。
【0022】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
及び第2のレーザー光の周回方向は互いに同一であるこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の光導
波路には非対称のテーパー領域が備わっていることを特
徴とする。
【0024】また、本発明に係るジャイロは、前記テー
パー領域は、第1のテーパー部及び第2のテーパー部か
らなり、該第1及び第2のテーパー部の一方と、一定幅
を有する光導波路部とのなす角が90度であることを特
徴とする。
【0025】また、本発明に係るジャイロは、前記第1
のレーザーは第1の光導波路を、前記第2のレーザーは
第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の光導
波路にはそれぞれ光学素子が備えられており、該光学素
子は、一の方向に周回するレーザー光に対する透過損
を、他の方向に周回するレーザー光に対する透過損と異
ならせることを特徴とする。
【0026】また、本発明は、第1のレーザーは定電圧
駆動し、前記第2のレーザーは定電流駆動することを特
徴とする。
【0027】本発明に係るジャイロは、一方向に周回す
る第1のレーザー光を主モードとして発生する第1のレ
ーザー、及び一方向に周回する第2のレーザー光を主モ
ードとして発生する第2のレーザーを備えるジャイロで
あって、該第1のレーザーは第1の光導波路を、該第2
のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及
び第2の光導波路の少なくとも一部に光学的に結合する
第3の光導波路を備えていることを特徴とする。
【0028】また、本発明に係るジャイロは、一方向に
周回する第1のレーザー光を主モードとして発生する第
1のレーザー、及び一方向に周回する第2のレーザー光
を主モードとして発生する第2のレーザーを備えるジャ
イロであって、該第1のレーザーは第1の光導波路を、
該第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有し、該
第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に接続する第
3の光導波路を備えることを特徴とする。
【0029】更にまた、本発明に係るジャイロは、一方
向に周回する第1のレーザー光を主モードとして発生す
る第1のレーザー、及び一方向に周回する第2のレーザ
ー光を主モードとして発生する第2のレーザーを備える
ジャイロであって、該第1のレーザーは第1の光導波路
を、該第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に共用
されていることを特徴とする。
【0030】本発明に係るジャイロは、一方向に周回す
る第1のレーザー光を主モードとして発生する第1のレ
ーザー、一方向に周回する第2のレーザー光を主モード
として発生する第2のレーザー、及びビート信号検出手
段を有するジャイロであって、該第1のレーザー光と第
2のレーザー光との発振周波数が異なり、かつ該第1の
レーザー光と該第2のレーザー光とが干渉することを特
徴とする。
【0031】前記ビート信号検出手段は、前記第1若し
くは第2のレーザーにかかる電圧信号、前記第1若しく
は第2のレーザーを流れる電流信号、又は前記第1若し
くは第2のレーザー装置のインピーダンス信号を検出す
る。
【0032】前記第1若しくは第2のレーザーは、前記
ビート信号を取り出すための電気端子を備える。
【0033】前記ビート信号検出手段は、前記第1及び
第2のレーザーの外部に配された光検出器を含む。
【0034】本発明に係るジャイロは、一方向に周回す
る第1のレーザー光を主モードとして発生する第1のレ
ーザー、及び一方向に周回する第2のレーザー光を主モ
ードとして発生する第2のレーザーを備え、該第1の及
び第2のレーザー光を受光する光検出器を有するジャイ
ロであって、該第1のレーザー光と第2のレーザー光と
の発振周波数が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第
2のレーザー光とが干渉することを特徴とする。
【0035】本発明に係るレーザー装置は、一方向に周
回する第1のレーザー光を主モードとして発生する第1
のレーザー、及び一方向に周回する第2のレーザー光を
主モードとして発生する第2のレーザーを有するレーザ
ー装置であって、該第1のレーザー光と第2のレーザー
光との発振周波数が異なり、かつ該第1のレーザー光と
該第2のレーザー光とが干渉することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の説明に先立
って、まず、図66,67及び数式を参照して、本発明
に関係するジャイロの動作原理について説明する。
【0037】本発明において、一つの方向に周回するレ
ーザー光を主モードとして発生するレーザーとは、光導
波路内を一つの方向に周回するレーザー光のみを発生す
るレーザー、又は、光導波路内を一つの方向に周回する
レーザー光の強度が他の方向に周回するレーザー光の強
度よりはるかに大きいレーザーをいう。
【0038】本発明に係るジャイロから検出される信号
のSN比は、一つの方向に周回する主モードのレーザー
光と、他の方向に周回する副モードのレーザー光との強
度比によって影響を受ける。
【0039】従って、本発明においては、主モードのレ
ーザー光のみを発生させることが好ましい。
【0040】もちろん、当該ジャイロによって検出され
る信号のSN比を十分な値に確保することができれば、
副モードのレーザー光が発生しても構わない。
【0041】図66に示すリング状の導波路602,6
03を有するレーザーを考える。
【0042】いま、図66に示すように、第1のレーザ
ー600の主モードとしてのレーザー光606が時計回
り(CW)に周回し、その波長をλ1 とする。又、第2
のレーザー601の主モードとしてのレーザー光607
が反時計回り(CCW)に周回し、その波長をλ2 (<
λ1 )とする。
【0043】ここで、レーザー装置625自体を時計回
りに回転させるとき、時計回りの第1のレーザー光60
6の発振周波数f1 は、非回転時の発振周波数f10に比
べて式1で示されるΔf1だけ減少する。
【0044】
【数1】 ここで、S1 は第1のレーザーの光路が囲む閉面積、L
1 は第1のレーザーの光路長、Ωは回転の角速度であ
る。
【0045】一方、反時計回りの第2のレーザー光60
7の発振周波数f2 は、非回転時の発振周波数f20に比
べて式2で示されるΔf2だけ増加する。
【0046】
【数2】 ここで、S2 は第2のレーザーの光路が囲む閉面積、L
2 は第2のレーザーの光路長である。
【0047】このとき、第1のレーザー600と第2の
レーザー601が近接して配置されていると、第1のレ
ーザー内を伝搬する第1のレーザー光606が第2のレ
ーザー光607に結合する。
【0048】同時に、第2のレーザー内を伝搬する第2
のレーザー光が第1のレーザーに結合する。
【0049】このため、第1のレーザー600および第
2のレーザー601のそれぞれの中で両レーザー光が共
存する。従って、両レーザー光が干渉し合い、第1のレ
ーザー光606と第2のレーザー光607の発振周波数
の差、すなわち、式3で表されるビート光が発生する。
【0050】
【数3】 一方、レーザー装置625自体が反時計回りに回転した
ときは、式4で表される周波数をもつビート光が発生す
る。
【0051】
【数4】 レーザーの中に2つ以上の発振モードが存在すると、反
転分布はモードの発振周波数の差に応じた時間変動を示
す。
【0052】この現象は、反転分布の脈動として知られ
ている。気体レーザーや半導体レーザーのように、電流
を流すレーザーの場合、反転分布とレーザーのインピー
ダンスには1対1の対応関係がある。
【0053】そして、レーザーの中で光が干渉すると、
それに応じて反転分布が変化し、その結果、レーザーの
電極間のインピーダンスが変化する。
【0054】この変化の様子は、駆動電源として定電圧
源を用いれば、レーザーを流れる電流の変化として現れ
る。又、定電流源を用いれば、レーザーにかかる電圧の
変化として、光の干渉の様子を信号として取り出すこと
ができる。
【0055】もちろん、直接インピーダンスメーター
で、インピーダンスの変化を測定することもできる。
【0056】したがって、本発明のように、レーザーの
電流、電圧又はインピーダンス変化を検出することで、
回転に応じたビート信号を取り出すことができる。
【0057】さらに、本発明によれば、式(3)、式
(4)に示すように、回転方向に応じてビート周波数が
増減する。
【0058】したがって、ビート周波数の非回転時から
の増減を観測することによって、回転方向を検知するこ
とができる。
【0059】そして、(f2−f1)が式(5)を満足す
るようにしておけば、回転方向の検知とともに、角速度
の正確な検知が可能となる。すなわち、ビート周波数の
符号が常に同一(ただし、説明では、符号を正に取っ
た。もちろん逆でもよい。)で、その絶対値が回転方向
によって変化する構成にすれば、回転方向及び角速度の
正確な検知が可能となる。
【0060】
【数5】 次に、第1のレーザー光と第2のレーザー光の周回方向
が同一である場合を考える(図67)。例として、第1
のレーザー600の主モードとしてのレーザー光606
が時計回りに周回し、その波長をλ1 とする。又、第2
のレーザー601の主モードとしてのレーザー光608
も時計回りに周回し、その波長をλ2 とする。ただし、
λ1 >λ2 である。レーザー装置625自体を時計回り
に回転させるとき、第1のレーザー光の発振周波数f1
は、非回転時の発振周波数f10に比べて式(6)だけ減
少する。
【0061】
【数6】 ここで、S1 は第1のレーザーの光路が囲む閉面積、L
1 は第1のレーザーの光路長、Ωは回転の角速度であ
る。又、第2のレーザー光の発振周波数f2 も、非回転
時の発振周波数f20に比べて式(7)だけ減少する。
【0062】
【数7】 ここで、S2 は第2のレーザーの光路が囲む閉面積、L
2 は第2のレーザーの光路長である。
【0063】このとき、第1のレーザー600と第2の
レーザー601が近接して配置されていると、第1のレ
ーザー内を伝搬する第1のレーザー光が第2のレーザー
に結合する。同時に、第2のレーザー内を伝搬する第2
のレーザー光が第1のレーザーに結合する。
【0064】このため、第1のレーザーおよび第2のレ
ーザーそれぞれの中に、第1のレーザー光と第2のレー
ザー光が共存する。従って、両レーザー光は干渉し合
い、両レーザー光の発振周波数の差、すなわち式(8)
に示されるビート光が発生する。
【0065】
【数8】 一方、レーザー装置自体が反時計回りに回転したとき
は、発振周波数は増加し、式(9)に示される周波数を
もつビート光が発生する。
【0066】
【数9】 この場合も、これらのビート周波数に応じて、反転分布
は時間変動を示す。
【0067】この結果、レーザーの電極間のインピーダ
ンスが変化する。
【0068】さらに、式(8)、式(9)に示すよう
に、回転方向に応じてビート周波数が増減するので、ビ
ート周波数の非回転時からの増減を観測することによっ
て、回転方向を検知することができる。
【0069】もし、第1のレーザー光と第2のレーザー
光の発振波長が等しければ、式(10)が成立し、ビー
ト周波数f2 −f1 は正負の値をとる。
【0070】
【数10】 ビート周波数の絶対値が等しければ、レーザー装置に係
る電圧信号を取り出す端子から同じ信号が出るので、回
転方向の検知ができない。これに対して、本発明では、
(f2−f1)の絶対値の変化から回転方向が検知でき
る。式(5)を満たす場合は、とりわけ正確な角速度、
回転方向の検知ができる。
【0071】また、レーザーにかかる電圧、レーザーを
流れる電流、あるいはレーザーのインピーダンス変化か
らビート周波数を検出するのではなく、外部に配された
検出器を用いてビート周波数を検出してもよい。
【0072】具体的には、前述の第1のレーザー光と第
2のレーザー光をレーザーの外部に取り出す。
【0073】そして、これらのレーザー光を同時に光検
出器で受光すると、光検出器の中で第1のレーザー光と
第2のレーザー光は干渉し合い、互いの発振周波数の差
に応じたビート光が発生する。
【0074】この結果、光検出器の電気端子からビート
信号を検出することができる。
【0075】さて、レーザーの中で、一の方向に周回状
に伝搬するレーザー光が主モードとして存在するために
は、当該一の方向と反対方向の周回状に伝搬する光に損
失を与えればよい。
【0076】たとえば、光導波路の一部にテーパー部を
設けることで、前記テーパー部に入射する光に対して、
全反射条件がずれる。
【0077】このため、前記テーパー部に入射した光に
対しては、ミラー損が生ずる。具体的には、光の周回方
向によって、テーパー部への入射角が異なるので、ある
方向に周回するレーザー光に対して損失が大きく、その
反対方向に周回する光に対して損失を小さくすることが
できる。このミラー損が十分大きくなるよう設計するこ
とで、レーザー発振を抑えることができる。
【0078】こうして、一の方向に周回状に伝搬するレ
ーザー光が主モードとして存在するようなレーザーを実
現することができる。
【0079】本発明において、テーパー部は、たとえ
ば、レーザー光の伝搬方向の一方向に沿って徐々に光導
波路の幅が広くなる部分として形成される。この場合、
周回するレーザー光の伝搬路を含む平面に平行な平面に
おけるテーパー部の形状は鋸歯状である。
【0080】また、光導波路の一部にテーパー部を設け
る代わりに、あるいはそれとともに、光路中に光アイソ
レーターのような光学素子を挿入してもよい。
【0081】光アイソレーターとは、ある偏波方向の定
まった光を一方向にのみ通すものである。したがって、
光アイソレーターを挿入することで、通常のレーザーの
ようにお互いに反対方向に周回する光の偏波が等しい場
合、一つの方向に周回状に伝搬する光が主モードとして
存在するリングレーザーを作ることができる。もちろ
ん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子なら
ば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレーターな
ど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0082】また、本発明に係る光ジャイロにおいて
は、第1のレーザーと第2のレーザーの注入電流を異な
らせて、前記第1のレーザーと前記第2のレーザーの発
振周波数あるいは発振波長を異ならせてもよい。
【0083】上記構成において、前記第1のレーザー、
前記第2のレーザーの光路長をそれぞれL1,L2とする
と、前記第1のレーザー、前記第2のレーザーの発振波
長との間に式(11)のような関係が存在する。
【0084】
【数11】 ここで、m1 ,m2 は正の整数である。正の整数m1
2 が等しい場合、光路長が異なれば、2つのレーザー
の発振波長を変えることができる。発振周波数は、発振
波長の逆数に比例するので、発振周波数も異なる。光路
長は、等価屈折率と光が伝搬する距離の積で与えられる
から、前記第1のレーザー、前記第2のレーザーにおい
て、光導波路の等価屈折率あるいは長さを変えること
で、これら2つのレーザーの光路長に差をつけることが
できる。
【0085】光導波路の屈折率を変える方法として、こ
れら2つのレーザーへの注入電流を変えるのが一つの方
法である。半導体レーザーの場合、注入電流によって、
発熱の効果が無視できる範囲では自由キャリアプラズマ
効果(free carrier plasma ef
fect)により、屈折率が減少する。
【0086】一方、発熱が支配的な領域では、屈折率が
増大する。いずれにせよ、注入電流の値を制御すること
によって屈折率を変えることができ、光導波路の等価屈
折率が変化する。その結果、光路長が変化する。
【0087】さて、発振周波数fi と光子数密度S
i (i=1,2)との間には、式(12)及び式(1
3)のような関係があることが知られている。
【0088】
【数12】
【0089】
【数13】 ここで、Φi は位相、Ωi は共振角周波数、σi はモー
ドの引き込みを表す係数、ρi はモードの自己押し出し
を示す係数、τijはモードの相互押し出しを示す係数で
ある。ただし、i=1,2;j=1,2;i≠jであ
る。
【0090】ここで、光導波路の形状が定まれば式(1
2)(13)のΩi、σi、ρi、τi jは定数となる。
【0091】また、レーザー発振時にモードとびが無け
れば、dΦi/dt=0と考えられる。
【0092】このため、S1≠S2のときf1≠f2となる
ことが式(12)、式(13)から導かれる。
【0093】レーザーへの注入電流値によって、光子数
密度Si (i=1,2)が変わるため、2つのレーザー
への注入電流値を異ならせることで、式(12)、式
(13)にしたがって、発振周波数に差を与えることが
できる。この現象は、半導体レーザーだけではなく、気
体レーザーにも当てはまる。
【0094】また、光導波路の等価屈折率を変えるに
は、2つのレーザーにおいて、前記光導波路の幅、等価
屈折率に寄与する媒質のサイズ、前記媒質の材料、ある
いは前記媒質の組成のうち少なくとも一つが異なってい
ればよい。
【0095】さらに、2つのレーザーにおいて、前記媒
質の材料、あるいは前記媒質の組成が異なっていれば、
利得のピーク波長が異なるため、2つのレーザーの発振
波長を変えることができる。これは、光共振器の中には
多数の共振モードが存在し、利得ピークにもっとも近い
波長が選択的に増幅されてレーザー発振にいたるためで
ある。
【0096】本発明においては、電気信号を取り出すた
めにレーザー自体あるいは外部に配された光検出器に設
けられた端子からは回転の角速度に応じたビート周波数
で振動する電気信号が観測される。
【0097】ここで、第1及び第2のレーザーを備えた
ジャイロが静止している時に、得られている電気信号
が、時計方向の回転或いは反時計方向の回転により、ど
のような信号に変化するかの概略を示す(図1(A)〜
(C))。
【0098】なお、当該ジャイロにおいて、第1のレー
ザーは時計回りに周回するレーザー光(CW光)を主モ
ードとして発生し、その波長をλ1とし、第2のレーザ
ーは反時計回りに周回するレーザー光(CCW光)を主
モードとして発生し、その波長をλ2(<λ1)とする。
【0099】ジャイロが静止時に得られる電気信号(た
とえば、第1のレーザーにかかる電圧信号)を図1
(A)に示す。
【0100】当該電気信号の周期をtAとする。
【0101】周期tAは、第1のレーザー光と第2のレ
ーザー光の静止時の発振周波数の逆数(前述の式(3)
における(f20−f10-1)に対応する。
【0102】いま、ジャイロが時計回りに回転すると、
ビート周波数すなわち(f2−f1)は、前述の式(3)
により、大きくなる。従って、電気信号の周期tBは、
図1(B)に示すように小さくなる。
【0103】一方、ジャイロが反時計回りに回転する
と、ビート周波数は、式(4)により、小さくなる。従
って、電気信号の周期tCは、図1(C)に示すように
大きくなる。
【0104】このように、ジャイロが静止している時の
ビート周波数と、回転を受けた時のビート周波数との大
小関係から回転方向が分かる。
【0105】また、静止時と回転時のビート周波数の差
から角速度を検知することができる。
【0106】ビート周波数は、回転の角速度に比例して
いる。従って、例えば、上記電気信号を周波数−電圧変
換回路により電圧の大きさに変換し、回転速度と電圧の
関係を予め求めておくことで、電圧値を角速度に換算す
ることができる。以上、本発明に係るジャイロの動作原
理について説明した。
【0107】以下、図面を参照して本発明の実施形態に
ついて説明する。
【0108】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態にかかるジャイロは、一方向に周回する第1のレーザ
ー光を主モードとして発生する第1のレーザー、及び一
方向に周回する第2のレーザー光を主モードとして発生
する第2のレーザーを備え、該第1の及び第2のレーザ
ーの少なくとも一方から電気信号を取り出すジャイロで
あって、該第1のレーザー光と第2のレーザー光との発
振周波数が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第2の
レーザー光とが干渉することを特徴とするものである。
【0109】互いに発振周波数が異なる第1のレーザー
光と第2のレーザー光を干渉させるためには、第1及び
第2のレーザーが、それぞれ有する第1及び第2の光導
波路を以下のような構成にする。
【0110】すなわち、該第1及び第2の光導波路の少
なくとも一部を、近接して配置したり、該第1及び第2
の光導波路の少なくとも一部を接続する第3の光導波路
を設けたり、該第1及び第2の光導波路に光学的に結合
する第3の光導波路を設けたり、該第1及び第2の光導
波路の少なくとも一部を共用するようにジャイロを構成
する。
【0111】次に、第1のレーザー及び第2のレーザー
におけるそれぞれの主モード光を干渉させる方法につい
て説明する。
【0112】<1> 第1及び第2のレーザーを近接配
置する場合(図2、図3) 図2(A)に示すように、第1のレーザー1200の第
1の光導波路1202と、第2のレーザー1201の第
2の光導波路1203とを近接して配置する。
【0113】図2(A)中、1204,1205は一方
向に周回する主モード光を作り出すためのテーパー領域
である。
【0114】なお、1206はCCW光、1207はC
W光を示す。
【0115】近接配置とは第1のレーザーと第2のレー
ザーの光導波路の少なくとも一部を近づけることであ
る。こうすることで、第1のレーザー1200内を周回
する主モード光1206が第2の光導波路1203と光
学的に結合し、第2のレーザー内を伝搬するようにな
る。
【0116】一方、第2のレーザー1201内を周回す
る主モード光1207は、第1の光導波路1202と光
学的に結合し、第1のレーザー内を伝搬するようにな
る。すなわち、2つの主モード光の発振周波数が互いに
異なれば、一つのレーザー内に2種の発振周波数を持つ
レーザー光が共存することになる。
【0117】なお、近接配置とは、図2(A)中lの距
離を短くすることである。
【0118】具体的には、第1のレーザー1200のC
CW光1206と第2のレーザー1201のCW光12
07を干渉させるため、少なくとも一方のレーザーのレ
ーザー光の染み出し距離以内に、他のレーザーの光導波
路の少なくとも一部を配置する。
【0119】もちろん、両方のレーザー光のそれぞれの
染み出し距離以内に相手方のレーザーの光導波路の少な
くとも一部を配置してもよい。
【0120】また、近接して配置されるそれぞれのレー
ザーの光導波路同士は、必ずしも平行である必要はない
が、第1のレーザー1200の光導波路1202に、第
2のレーザー光1207を光学的に効率よく結合させる
には、近接配置される第1及び第2の光導波路部同士は
平行であることが好ましい。
【0121】近接の方法は、図2(A)に限定されるも
のではなく、図2(B)のように、第1の光導波路12
02の内側に第2の光導波路1203を設けてもよい。
この場合、第1及び第2の光導波路を伝搬する第1及び
第2のレーザー光の向きを統一する。また、図3
(C)、図3(D)に示すように、ガスレーザーの場合
においても第1及び第2のレーザー1200,1201
を近接して配置できる。図中、1214及び1215は
ミラー(反射面)、1210及び1211はアノードで
ある。1216及び1217は回転に伴い生じる電気信
号を取り出すための端子である。1212及び1213
はカソードである。1218及び1219は光アイソレ
ーター等の光学素子である。なお、図中、電気信号を取
り出す為の端子を両方のレーザーに設けているが、もち
ろん、一方のみでもよい。なお、図2(A)に示す配置
のみならず、図3(E)に示すように、第1及び第2の
レーザー1200、1201をずらして配置させてもよ
い。
【0122】なお、レーザーの光導波路が全反射面を有
していることが好ましく、とりわけ、全反射面のみでリ
ングレーザーを構成することが発振閾値低減のため好ま
しい。
【0123】<2> 第1の光導波路及び第2の光導波
路の少なくとも一部を光学的に結合する第3の光導波路
を設ける場合 図4(A)に示すように、第1のレーザー1300の第
1の光導波路1302の一部と、第2のレーザー130
1の第2の光導波路1303の一部とそれぞれ近接する
第3の光導波路1320を設けて光学的に接続する。第
1のレーザー1300と、第2のレーザー1301は第
3の光導波路1320を挟んでいる。図中1306は主
モード光として発振するCCW光、1307は主モード
光として発振するCW光である。
【0124】第3の光導波路1302を介して第1のレ
ーザー1300におけるCCW光1306を、第2のレ
ーザー1301に光学的に結合する。
【0125】そして、第2のレーザーから回転に伴う電
気信号の変化を取り出し、回転方向を検知する。
【0126】又、図4(B)に示す配置でもよい。第1
のレーザー1300と、第2のレーザー1301は第3
の光導波路1320の同じ側にある。図4(B)中、1
302は第1の導波路、1303は第2の導波路、13
20は、第3の光導波路である。この場合は、主モード
光の周回方向を一致させる必要がある。
【0127】図5(C)、図5(D)は、ガスレーザー
を用いる場合である。1310、1312、1313、
および1311はアノード若しくはカソードである。ま
た1317は回転に伴う電気信号の変化を取り出すため
の電気端子である。
【0128】1318,1319は、前述の光アイソレ
ータ等の光学素子である。
【0129】なお、第1及び第2のレーザーの主モード
光発生のためには、両方のレーザーにそれぞれテーパー
領域(1304,1305)あるいは光学素子(131
8,1319)を設けてもよい。
【0130】もちろん、一方のレーザーには、テーパー
領域を、他の一方のレーザーには、光学素子を用いても
よい。
【0131】尚、図4、図5に示す第3の光導波路13
20は、石英を用いて形成したり、あるいは、半導体プ
ロセス等で用いるリソグラフィー技術を用いることによ
り形成できる。
【0132】<3> 第1及び第2の光導波路の少なく
とも一部を接続する第3の光導波路を設ける場合 図6(A)中、1400は第1のレーザー、1404は
テーパー領域、1402は第1の光導波路、1406は
主モードであるCCW光、1407は主モードであるC
W光、1420は、接続用の第3の光導波路である。第
1のレーザー1400と第2のレーザー1401は第3
の光導波路1420を挟んでいる。
【0133】このような構成にすることで、CCW光1
406が、第2のレーザー1401内に、CW光140
7とともに共存する。
【0134】従って、第2のレーザー1401から回転
に伴う伝記電気信号の変化を取り出すことで、その方
向、角速度が検知できる。
【0135】図6(B)のような構成にすることもでき
る。第1のレーザー1400と第2のレーザー1401
は第3の光導波路1420の同じ側にある。
【0136】図7(C)(D)のようにガスレーザーを
用いることもできる。1410、141、1411、1
413はアノード及びカソードである。1414及び1
415はミラー、1411は電気信号を取り出すための
電気端子である。
【0137】<4> 第1及び第2の光導波路の少なく
とも一部を共用するようにジャイロが構成されている場
合 図8(A)において、1500は第1のレーザー、15
01は第2のレーザー、1504、1505はテーパー
領域、1520は光導波路の共有部である。
【0138】第1のレーザー1500の主モード光15
06が共用部1520を伝搬するとともに、第2のレー
ザーに結合する。一方、第2のレーザー1501の主モ
ード光1507が共用部1520を伝搬するとともに、
第1のレーザーに結合する。こうして、第1及び第2の
それぞれのレーザー装置において、互いに発振周波数の
異なるレーザー光が共存する。
【0139】従って、静止時も、ビート周波数が生じ、
回転に伴う電器信号の変化を読み取ることで、回転方向
及び角速度の検知が可能となる。
【0140】なお、第1あるいは第2のレーザーの一方
の電気信号を検出してもよい。両方の信号を利用するこ
とで回転検知の精度が上がる。
【0141】また、図8(B)のように、第1及び第2
のレーザーの主モード光の周回方向を同一にすることも
できる。この場合、共用部1520で第1のレーザー光
1506と第2のレーザー光1509が共存する。
【0142】もちろん、図9(C)、図9(D)のよう
にガスレーザーの場合も光導波路の一部を共有すること
で互いに発振周波数の異なるレーザー光を一のレーザー
内に共存させることができる。
【0143】なお、上記<1>〜<4>においては、レ
ーザーの形状が四角形状の場合について説明したが、も
ちろん、四角形に限定されることなく、三角形状、円
形、多角形状であってもよい。
【0144】上記<1>〜<4>においては、リング状
の光導波路を持つレーザーについて説明したが、もちろ
ん、一の周回方向に伝搬する主モード光を発生させるこ
とができれば、図68に示すような中空部がない導波路
1202であってもよい。1205はテーパー領域、1
206は主モード光である。
【0145】(テーパー領域)次に、一方向に周回する
レーザー光を主モードとして発生させるためのテーパー
領域の形状について具体的に述べる。
【0146】図10において、1601は光導波路、1
606はテーパー領域を示す。
【0147】テーパー領域1606がなければ、CW光
1608とCCW光1606がともに発生する。
【0148】しかし、非対称なテーパー領域を設けるこ
とにより、CW光、CCW光の光損失に差が生じる。テ
ーパー部の一方の角度βが90°に近ければ近いほどC
W光の光強度が小さくなり、CCW光が主モードとな
る。もちろん、α=90°の場合は、CW光が主モード
となる。
【0149】実質的に、一方向のみに周回させるために
は、80°≦β(ないしα)≦100°、好ましくは8
3°≦β(ないしα)≦97°、更に好ましくは87°
≦β(ないしα)≦93°である。最適には、β(ない
しα)=90°である。
【0150】特に、β=90°の場合、テーパー領域の
起点(図の1630)で、発振モードが階段状に変化す
るので、一定幅の光導波路に対する導波モードとの結合
効率が小さくなる。従って、主モード光を生成しやすく
なる。なお、α<βの場合を考えると、βが上述の範囲
の場合に、2°≦α≦10°、好ましくは、3°≦α≦
6°であるとよい。
【0151】第1のレーザーの主モード光と第2のレー
ザーの主モード光の発振周波数の差は、ロックイン現象
を避けるためにも、100Hz以上、好ましくは1kH
z以上、更に好ましくは10kHz以上であることが望
ましい。
【0152】主モード光同士の発振周波数を変えるに
は、レーザーを構成する材料を異ならせたり、それぞれ
のレーザーに注入する電流の大きさを変えたり、レーザ
ーに印加する電圧の大きさを変えたり、あるいは、光導
波路の幅又は長さを変えることで実現できる。
【0153】一のレーザー装置の中に発振周波数の異な
る2つのレーザー光が共存すると、両レーザー光は干渉
し合い、ビート周波数が電気信号として検出される。
【0154】レーザー装置から取り出す電気信号は、当
該装置が定電流駆動の場合は電圧信号、定電圧駆動の場
合は電流信号である。
【0155】また、レーザー装置のインピーダンス信号
を取り出してもよい。
【0156】このように取り出された電圧信号等の周波
数は、前述のビート周波数に対応している。従って、当
該周波数変化を検出することで当該レーザー装置が受け
た回転の角速度及びその方向の検知が可能となる。
【0157】なお、電気信号をレーザー装置から取り出
す場合について説明するが、後述の実施形態2において
説明する光検出器からの信号により回転方向及び又は角
速度を検知する場合にも適用できる。
【0158】以下、電気信号としてレーザー装置の電圧
変化を検出する手段について述べる。
【0159】図11に示すように定電流源1902を用
意し、レーザー装置として半導体レーザー1900を当
該電源と抵抗1901を介して接続する。そして電圧検
出回路1906により半導体レーザー1900の電気信
号(この場合は電圧信号)を読みとる。
【0160】図11のように必要に応じて保護回路とし
てボルテージフォロワ回路1905を設けることが好ま
しい。
【0161】なお、半導体レーザーを例にとり説明して
いるが、もちろん気体レーザーの場合も同様である。
【0162】図12に、レーザーを定電流駆動し、半導
体レーザー2000のアノード電位の変化を読みだし、
回転検知を行う回路図の一例を示す。
【0163】半導体レーザー2000のアノードは、保
護抵抗2003を介して、演算増幅器2010の出力端
子に接続され、半導体レーザー2000のカソードは演
算増幅器2010の反転入力端子に接続される。
【0164】マイコンからの入力電位Vinに対応し
て、該演算増幅器2011は、信号Voutを出力す
る。この信号Voutは、角速度に比例したビート周波
数を持つので、当該信号を公知の周波数−電圧変換回路
(F−V変換回路)等により電圧に変換し、回転を検知
する。
【0165】なお、図13に周波数−電圧変換回路(F
−V変換回路)の例を示す。この回路は、トランジスタ
ー、ダイオード、コンデンサー、抵抗で構成され、出力
電圧Vc2は式(14)で表される。
【0166】
【数14】 ここで、Eiは入力電圧のpeak−to−peakの
値、fはビート周波数である。C2>>C1、RO2f<
1となるように回路パラメータを設計することで、式
(15)に示すようなVc2が得られ、ビート周波数に
比例した電圧出力を得ることが可能になる。
【0167】
【数15】 次に、レーザー装置の電流変化により回転を検知する場
合について説明する。
【0168】電源として定電圧源を用いると、回転の角
速度を半導体レーザーに流れる電流の変化として測定す
ることができる。図14や図15に示すように、定電圧
源として電池を用いると、駆動系の小型化、軽量化につ
ながる。図14では、半導体レーザー2200と直列に
電気抵抗2201を接続し、電気抵抗の両端の電圧の変
化として、半導体レーザーに流れる電流を測定してい
る。2202は電池、(バッテリー)、2206は電圧
計である。一方、図15では、半導体レーザー2300
と直列に電流計2306を接続し、じかに半導体レーザ
ーに流れる電流を測定している。2301は電気抵抗で
ある。
【0169】次に、ビート信号を検出するための別の回
路構成について説明する。
【0170】図16に、半導体レーザーを定電圧駆動
し、半導体レーザー2400のアノード電位の変化を読
みだし、回転検知を行う回路図の一例を示す。
【0171】半導体レーザー2400のアノードは、抵
抗2403を介して、演算増幅器2410の出力端子に
接続され、レーザー2400のカソードは基準電位に接
地されている。
【0172】マイコン等から、演算増幅器2410の反
転入力端子に定電圧(Vin)を与えると、その電位が
常に抵抗2403とレーザー2400にかかる定電圧ド
ライブ構成になる。
【0173】電気抵抗2403は、バッファ用の演算増
幅器2411に接続される。
【0174】該演算増幅器2411は、信号Voutを
出力する。この信号Voutは、角速度に比例したビー
ト周波数であるので、公知の周波数−電圧変換回路(F
−V変換回路)等により電圧に変換し、回転を検知す
る。もちろん、演算増幅器2411を通さず、電気抵抗
2403と等電位部分の信号を直接F−V変換回路に入
れて、回転検知してもよい。またビート信号検出手段と
して周波数カウンタを用いることもできる。
【0175】次に、図16と同じ定電圧ドライブ回路構
成に加え、減算回路2515を用いて、信号電位の基準
をアースにとる場合を図17に示す。
【0176】マイコン等から演算増幅器2510の反転
入力端子に定電位V1を与える。2500はレーザー、
2511、2512はボルテージフォロワ、2503、
2516、2519は電気抵抗であり、2516と25
17、2518と2519の抵抗値をそれぞれ等しくし
ている。
【0177】電気抵抗2503の両端の電位V1、V
2が、ボルテージフォロワ2511,2512及び抵抗
2516、2518を通して、該増幅器2520の反転
入力端子、非反転入力端子につなげられている。こうす
ることにより、基準電位をアースにとって、電気抵抗2
503にかかる電圧(V2−V1)=V0の変化を検出す
ることができる。すなわち、レーザー2500に流れる
電流変化を検出できる。
【0178】得られる信号をF−V変換回路等を通し
て、回転を検出する。
【0179】また、電源の種類に関わらず、直接インピ
ーダンスメーター2609で、半導体レーザー2600
のインピーダンスの変化を測定することもできる。26
02は、電源である。この場合、端子電圧や素子に流れ
る電流を測定する場合と違って、駆動電源の雑音の影響
が小さくなる。この例を図18に示す。
【0180】以上、半導体レーザーを例に取り説明した
がガスレーザーの場合も同様である。 [第2の実施形態]前述の第1の実施形態は、ビート周
波数を一のレーザーにかかる電圧、一のレーザーに流れ
る電流信号の変化として当該一のレーザーから電気信号
として取り出す。それに対して、第2の実施形態におい
ては、互いに発振周波数の異なる2種のレーザー光をレ
ーザーの外部に配した光検出器を用いてビート周波数の
変化すなわち回転数及び回転方向を検知するものであ
る。
【0181】<1> 図19〜図21を参照して第2の
実施形態について説明する。図2、図3と同一番号を付
したものは、同じものを表している。
【0182】図19(A)図20(C)において、12
56は第1のレーザー1200の主モード光1206の
出力光である。1257は、第2のレーザー1201の
主モード光1207の出力光である。1230は光検出
器であり、両方の出力光1256と1257が干渉し合
い、それらの発振周波数差に応じた信号が当該光検出器
より検出される。
【0183】図20(D)において1240はミラーで
ある。CCW光1209の出力光をこのミラー1240
で反射させ光検出器1230に入射させている。
【0184】なお、図21(E)及び図21(F)は、
図20(C)及び図20(D)における主モード光発生
のためのテーパー領域1204、1205のかわりに、
光アイソレーター等の光学素子を用いた場合である。図
19が半導体レーザー、図20及び図21はガスレーザ
ーの場合である。なお、図19〜図21のように、互い
に異なる発振周波数(波長)を有する出力光1256,
1257を光検出器1230にて受光する場合は、第1
及び第2のレーザー(1200,1201)は、必ずし
も近接配置されていることを要しない。すなわち、光の
しみ出し距離内に配置することも要しない。
【0185】<2> 更に図22、図23を参照して第
2の実施形態について説明する。図4,5と同一のもの
については同一番号を付している。
【0186】図22(A)において、1356、135
7は第1及び第2のレーザーそれぞれからの出力光であ
り、1330は、光検出器である。
【0187】第1及び第2のレーザーの主モード光13
06,1307に光学的に結合する第3の光導波路13
20から両光の出力光を光検出器1330に受光させ
る。
【0188】そして、当該光検出器からの信号により、
回転を検知する。
【0189】図22は半導体レーザー、図23がガスレ
ーザーの場合である。
【0190】<3> 更に、図24、図25を参照し
て、第2の実施形態について説明する。なお、図6、図
7と同一のものについては同一番号を付している。
【0191】1430は光検出器、1456、1457
は第1及び第2のレーザーの主モード光の出力光であ
り、光検出器1430によって受光される。
【0192】図24が半導体レーザー、図25がガスレ
ーザーの場合である。
【0193】<4> 更に、図26、図27を参照して
第2の実施形態について説明する。図8、図9と同じ物
には同一番号を付している。
【0194】図26、図27においては、第1のレーザ
ーと第2のレーザーとが光導波路の一部を共有するよう
に構成されている。
【0195】1556、1557は第1及び第2のレー
ザーの主モード光の出力光であり、ともに光検出器15
30で受光される。
【0196】図26は半導体レーザーの場合、図27は
ガスレーザーの場合である。
【0197】ここでいう光検出器とは、具体的にいえば
光の強度を電気信号に変換する装置で、光電子放出(外
部光電効果)を用いた光電管、光電子増倍管がある。ま
た、半導体における内部光電効果を利用した各種の素
子、すなわち光導電効果による光導電セル、フォトダイ
オード、フォトトランジスター、アバランシュフォトダ
イオード、光起電力効果による光電池がある。また、光
吸収による熱検出器すなわち熱電対検出器、ボロメータ
ー、ゴーレイセル、焦電効果による焦電光検出器などが
ある。
【0198】以下、本発明に用いることのできるリング
形状を有する半導体レーザーについて説明する。
【0199】図28は、図4に示す半導体レーザーのA
A'間での断面図の一例を模式的に示したものである。2
800は半導体レーザー、2801は活性層、2802
は基板、2803はアノード、2804はカソード、2
806は上部クラッド層、2807は下部クラッド層で
ある。
【0200】このように少なくとも上部クラッド層28
06の中央部領域がくりぬかれた構造(リング形状)2
809にすることにより、半導体レーザーの中央部領域
に電流が流れにくくなる。従って、主として周回する光
のみに利得を生じさせることができるので、無効な電流
を低減することができる。特に、単一横モードが実現さ
れている場合には、ビート周波数は非常に安定したもの
となる。
【0201】図28においては、光ガイド層やキャップ
層を特に示していないが、それらの層がある場合には、
少なくとも上部クラッド層2806の中央部がくりぬか
れた構造になっていれば良い。
【0202】図29にその一例を示す。2921はキャ
ップ層、2922及び2923は光ガイド層、2901
は活性層、2904はカソードである。
【0203】また、上部クラッド層2906やキャップ
層2921等の形状はそのままに、電極2903をリン
グ状に形成することも可能である。なお、図において
は、アノード電極2903は、レーザー装置全面に設け
ているが、必ずしも全面に設けなくてもよい。
【0204】また、図30に示すように、活性層280
1の一部あるいは活性層自体をリング形状にしたり、図
21に示すように下部クラッド層2807の一部をもリ
ング形状にすることも好ましいものである。活性層の一
部をもリング形状にした場合、活性層の体積が減少する
ので、より効果的に閾値電流の低減を図ることができ
る。
【0205】とりわけ、レーザー光が分布している領域
(例えば、図31中のl)の範囲内において、リング形
状を有していることが好適である。すなわち、活性層が
リング状(ドーナツ状)であることが好ましい。
【0206】例えば、活性層厚が0.1μmの場合、図
31中のlは、1μm程度である。
【0207】活性層面に対して垂直方向のしみだし距離
内において、リング状の構造を有していれば活性層に対
する光閉じ込め係数が大きくなり、好適に低電流駆動が
可能になり、また発振周波数も安定する。もちろん、図
32に示すように、半導体レーザー2800全体がリン
グ形状を有していても良い。
【0208】なお、図31においては、光のしみだし距
離lがクラッド層2806,2807内に位置するよう
に記載しているが、もちろんクラッド層の屈折率や厚さ
等の条件によっては、クラッド層を超えて光がしみだし
ている場合もある。この様な場合には、光のしみだし距
離lに相当する部分は、円筒形状を有していることが好
ましい。また、活性層とクラッド層間の光ガイド層や基
板2802にまでしみだしている場合には、しみだし距
離に対応する光ガイド層、基板の一部がリング形状であ
ることが好ましい。
【0209】なお、光の損失を防ぎ、低電流あるいは低
電圧駆動が求められる場合には、低屈折率層2806,
2807における光の損失を低減することが望ましい。
【0210】図33に、図32の領域2850を拡大し
た図を示す。低電力駆動する場合には、低屈折率層側面
と、該活性層面のなす角θ1 ,θ2 (図33)が、 75゜≦θ1 , θ2 ≦105゜ 好ましくは、80゜≦θ1 ,θ2 ≦100゜ 更に好ましくは、85゜≦θ1 ,θ2 ≦95゜を満たす
ように、レーザー装置を作製することが望ましい。
【0211】かかる条件を満たすことにより、該低屈折
率層2806,2807にしみ出している光(エバネッ
セント光)の損失を防げるので、より低電流(あるいは
低電圧)で半導体レーザーを駆動することが可能とな
る。
【0212】もちろん、半導体レーザー側面が全反射面
であることも好ましいものである。全反射面において光
のしみだしている領域の90%以上が活性層面となす角
が、上記範囲内であることが好ましい。
【0213】また、低屈折率層の全周にわたる側面が、
上述のθ1 ,θ2 の条件を満たしていることも好ましい
ものである。レーザーの内部側面も上述のθ1 ,θ2
条件を満たしていれば更によい。
【0214】また、活性層2801を挟む低屈折率層側
面の面精度(表面粗さ)は、活性層における媒質内波長
(真空中での波長/媒質の等価屈折率)の2分の1以
下、より好ましくは3分の1以下であることが好まし
い。具体的には、InP系(波長1.55μm、媒質の
等価屈折率3.6)の場合、約0.22μm以下、好ま
しくは、0.14μm以下ということになる。
【0215】また、GaAs系(波長0.85μm、媒
質の等価屈折率3.6)の場合、約0.12μm以下、
好ましくは、0.08μm以下である。
【0216】もちろん、低屈折率層側面のみではなく、
活性層側面も上述の範囲にあることが望ましい。
【0217】なお、リング形状部の少なくとも一部に、
絶縁性材料(誘電体薄膜)を充填することも好ましいも
のである。もちろん、所望の特性が得られる場合には、
絶縁性材料に限られないし、また、中空部分を完全に充
填する必要もない。
【0218】誘電体薄膜としては、クラッド層に比べ比
抵抗値が高ければ特に限定されるものではないが、アモ
ルファスSi、SiO2 、MgO、SiNが好適に用い
られる。充填材により、円筒形状の内側に全反射面を形
成しても良い。図34のように、1種類の材料2930
を充填しても良いし、または混合物であっても良い。ま
た、図35のように、活性層等の内側及び外側側面の少
なくとも一方を薄膜2931で被覆することも好まし
い。この場合、外部雰囲気にさらされることによる素子
特性の劣化を防止できるとともに、完全に充填する場合
に比べ、材料の節約が可能である。図25においては、
1層の被覆膜を示しているが、複数層であっても良いこ
とは言うまでもない。
【0219】複数層の誘電体薄膜を用いる場合には、S
iO2 とSiのペアを何層か設けることも好ましいもの
である。もちろん、所望の特性が得られれば、完全に充
填する必要はない。
【0220】以下に、充填する際の別の例について示
す。
【0221】図36において、2930は絶縁膜であ
る。このようにアノード2903下部中央部に絶縁膜領
域2930を有することも好ましいものである。半導体
レーザー装置中央部に電流が流れにくくなり、無効な電
流が減るとともに単一横モード化が生じ易くなる。電極
構造を平坦に形成したい場合には有用である。
【0222】また、上部クラッド層2906がP型の場
合には、絶縁膜2930の代わりにPNP型の導電性を
持つ物質を充填することで、レーザー中央部領域は、P
NPNサイリスタ構造となって、電流を流れにくくする
ことができる。
【0223】また、図37における2840はたとえば
Feドープ高抵抗層である。このような高抵抗層を利用
する形態によっても半導体レーザー素子中央部に電流が
流れにくい構造を実現できる。
【0224】半導体レーザーの活性層の中空部分280
9(例えば、図31)は、およそ中央部に位置していれ
ば良い。導波モードが存在しない状態をカットオフとい
うが、横モードを安定化するため、高次のモードに対す
るカットオフ条件を満たすように形成することが好まし
い。また、中空部分の直径d(図28)も、高次のモー
ドに対するカットオフ条件を満たすように規定すること
が望ましい。
【0225】高次のモードに対するカットオフ条件を満
たすことにより、横モードは基本モードのみになり、安
定になる。
【0226】また、中空部分の形状もできるだけ高次モ
ードのカットオフ条件を満たし、かつ単一の導波モード
のみが存在(単一横モード化)するような形状とするこ
とが好ましい。
【0227】中空形状を有するレーザー装置の形成は、
基板上に活性層、光ガイド層、クラッド層等となる半導
体膜を堆積させる際に、マスク等を利用してリング状に
堆積させても良い。また、活性層、光ガイド層、クラッ
ド層等を堆積後、リング形状になる様エッチング等によ
りくりぬいても良い。
【0228】中空部を形成する際のエッチング方法とし
ては、ウエットエッチングや、ガスエッチング、プラズ
マエッチング、スパッタエッチング、反応性イオンエッ
チング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(R
IBE)などを適宜用いることができる。
【0229】本発明に適用可能な活性層の材料として
は、GaAs、InP、ZnSe、AlGaAs、In
GaAsP、InGaAlP、InGaAsP、GaA
sP、InGaAsSb、AlGaAsSb、InAs
SbP、PbSnTe、GaN、GaAlN、InGa
N、InAlGaN、GaInP、GaInAs、Si
Ge系、等が挙げられる。
【0230】クラッド層としては、上記活性層に適用で
きるものを用いることができる。
【0231】活性層とクラッド層の組み合わせとして
は、例えば、PbSnTe(活性層)/PbSeTe
(クラッド層)、PbSnSeTe(活性層)/PbS
eTe(クラッド層)、PbEuSeTe(活性層)/
PbEuSeTe、PbEuSeTe(活性層)/Pb
Te(クラッド層)、InGaAsSb(活性層)/G
aSb(クラッド層)、AlInAsSb(活性層)/
GaSb(クラッド層)、InGaAsP(活性層)/
InP(クラッド層)、AlGaAs(活性層)/Al
GaAs(クラッド層)、AlGaInP(活性層)/
AlGaInP(活性層)等を用いることができる。
【0232】また、半導体レーザーの構造としては、活
性層はバルク構造に限らず、単一量子井戸構造(SQ
W)、多重量子井戸構造(MQW)などの構造を用いる
こともできる。
【0233】量子井戸型レーザーを用いる場合には、歪
量子井戸型構造をとることも好ましいものである。例え
ば、約1%の圧縮歪みを持つInGaAsP量子井戸8
層と、InGaAsPの障壁層により活性層を形成す
る。もちろんMIS構造を用いることもできる。
【0234】基板としては、所望の材料を成長させるこ
とができる基板であれば良く、GaAs基板、InP基
板、GaSb基板、InAs基板、PbTe基板、Ga
N基板、ZnSe基板、ZnS基板などの化合物半導体
や、SiC基板、4H−SiC基板、6H−SiC基
板、サファイア基板、シリコン基板、SOI基板等を用
いることができる。
【0235】半導体レーザーの活性層等の形成には、液
相エピタキシ(LPE法)、分子線エピタキシ(MBE
法)、有機金属気相成長法(MOCVD法、MOVPE
法)、原子層成長法(ALE法)、有機金属分子線エピ
タキシ(MOMBE)、化学ビームエピタキシ(CB
E)など用いることができる。
【0236】アノード電極としては、Cr/Au、Ti
/Pt/Au、AuZn/Ti/Pt/Au等を用いる
ことができる。カソード電極としては、AuGe/Ni
/AuやAuSn/Mo/Au等を用いることができ
る。
【0237】もちろん、これらに限定されるものではな
い。
【0238】また、基板や活性層等の導電性に応じて適
宜、電極の配置を図面に記載の形態と逆にすることも可
能である。他の実施形態においても同様である。
【0239】なお、クラッド層上に、電極との接触抵抗
を低くするためのキャップ層(コンタクト層)を形成し
た後、該キャップ層上に上記電極材料を形成することも
好ましいものである。
【0240】例えば、InGaAsP(活性層)/P型
InP(クラッド層)/P型InGaAsP(キャップ
層)/電極の構成である。
【0241】なお、図面上では、基板下にカソード電極
があるように図示しているが、もちろん、基板の種類に
よっては、アノード、カソードの配置が逆になることも
ある。
【0242】なお、半導体レーザーの熱に対する影響を
防止するため、放熱材料(ヒートシンク)上に半導体レ
ーザーチップをマウントすることも好ましいものであ
る。ヒートシンク材料としては、Cu、Si、SiC、
AlN、ダイヤモンドなどを用いることができる。もち
ろん、これらに限定されるものではない。また、必要に
応じて温度制御用としてペルチェ素子を用いることもで
きる。
【0243】また、半導体レーザーが、確実に全反射面
となるように、あるいは劣化防止等のため、半導体レー
ザーの側面(光が存在している領域の側面)に、絶縁膜
(コーティング膜)を形成することも好ましいものであ
る。このコーティング材料としては、SiO、Si
N、Al、Siなどの絶縁膜やアモルファ
スシリコン(α−Si)等を用いることができる。
【0244】また、前述のリング形状の中空部に相当す
る部分を図38に示すように高抵抗化しておき、実質的
な光導波路の形状をリング状とすることも好ましいもの
である。
【0245】その場合の断面図の一例の模式図を図38
に示す。
【0246】2801は活性層、2802は基板、28
03はアノード、2804はカソード、2806は上部
クラッド層、2807は下部クラッド層、2859はイ
オン注入により高抵抗化されている領域を示す。このよ
うな構成にすることにより、電流は中央部領域には流れ
にくくなり、主として周回する光のみに利得を与えるこ
とができる。
【0247】なお、図38においては、高抵抗化領域2
859の界面がはっきりしているように記載している
が、実際には界面において多少の広がりがある。もちろ
ん、図39に示すように、イオン注入の際の投影飛程が
主として、活性層にくるように、イオン注入を行うこと
も好ましいものである。
【0248】図38においては、上部クラッド層の少な
くとも一部が高抵抗化されているように記載している
が、中央部領域に電流が流れにくい構造となっていれ
ば、活性層領域2801の一部まで高抵抗化されていて
も、下部クラッド層2807の少なくとも一部まで高抵
抗化されていてもよい。もちろん、半導体レーザーの中
央部領域全体が高抵抗化されていても良い。
【0249】とりわけ、活性層2801の中央部領域が
高抵抗化されていれば、実質的な活性層体積が減少する
ことになり、駆動電流を更に低減することができる。
【0250】もちろん、活性層付近の深さに投影飛程を
持つようにイオン注入を行ない、当該深さ付近を中心に
高抵抗化することも可能である。
【0251】また、図38においては、アノード280
3は、半導体レーザーの周囲に配置した構造としている
が、レーザー上面の全面に配しても、あるいは逆に、一
部の領域に配してもよい。
【0252】適宜、光ガイド層、キャップ層等を形成す
ることも可能である。
【0253】本発明にいう高抵抗化に関しては、活性層
種類によっても異なるが、およそイオン注入領域におけ
る比抵抗が、100Ω・cmから105Ω・cm、好ま
しくは、5×103Ω・cmから1×105Ω・cmであ
るとよい。
【0254】イオン注入種としては、プロトンやホウ素
が挙げられる。
【0255】また、イオン注入の投影飛程Rpを、活性
層中央になるようにイオン注入を行なうことも好まし
い。その場合の加速電圧としては、活性層上のクラッド
層、光ガイド層等の材質、厚さ等を考慮して、10Ke
Vから1MeVの範囲で適宜行うことが好ましい。
【0256】イオン注入量は、1×1013cm-2から1
×1015cm-2の範囲内で行うことができる。
【0257】イオン注入の際の基板温度としては、室温
でよい。
【0258】イオン注入領域は、厳密に半導体レーザー
の中央部である必要はなく、高次のモードに対するカッ
トオフ条件を満たすように、略中央にイオン注入を行な
うことが好ましい。
【0259】注入領域の直径dも、高次のモードに対す
るカットオフ条件を満たすように規定することが望まし
い。
【0260】また、注入領域の形状は必ずしも円形に限
定されるものではなく、できるだけ高次のモードのカッ
トオフ条件を満たし、かつ単一の導波モード(単一横モ
ード化)のみが存在するような形状にすることが好まし
い。
【0261】なお、注入後に、イオン注入時に生じたダ
メージを低減するためにアニール処理をすることも好ま
しいものである。アニール処理の温度としては、200
℃から500℃、好ましくは300℃から400℃であ
る。アニールの際の雰囲気しては、水素を含む雰囲気等
を用いることができる。
【0262】なお、高抵抗化のために、イオン注入を利
用する例を示したが、高抵抗化したい部分を選択的に酸
化することで、高抵抗化を実現してもよい。
【0263】以上、本発明の実施の形態について説明し
た。なお、本発明にいうジャイロとは、角速度検知及び
回転方向検知が可能な物品はもちろん、角速度のみ検知
する物品や回転方向のみ検知する物品をも含むものであ
る。
【0264】(実施例1)図2(A)は本発明の特徴を
最もよく表す図画であり、A−A’での断面図が図40
である。1200はリング共振器型半導体レーザー、1
204は光導波路のテーパー部、33はアノード、34
は電気端子、35はキャップ層、36はクラッド層、3
7は光ガイド層、38は活性層、39は光ガイド層、1
201はリング共振器型半導体レーザー、1205は光
導波路のテーパー部、43はアノード、44は電気端
子、45はキャップ層、46はクラッド層、47は光ガ
イド層、48は活性層、49は光ガイド層、54は半導
体基板、55はカソード、1206は反時計回りのレー
ザー光、1207は時計回りのレーザー光である。
【0265】上記構成における製造方法を説明する。ま
ず、有機金属気相成長法を用いて、n−InP基板54
(厚み350μm)の上にリング共振器型半導体レーザ
ー1200を構成する1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層39(厚み0.15μm)、1.
55μm組成のアンドープInGaAsP活性層38
(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層37(厚み0.15μm)、p−
InPクラッド層36(厚み2μm)、1.4μm組成
のp−InGaAsPキャップ層35(厚み0.3μ
m)を成長する。
【0266】又、有機金属気相成長法を用いて、n−I
nP基板54(厚み350μm)の上にリング共振器型
半導体レーザー1201を構成する1.3μm組成のア
ンドープInGaAsP光ガイド層49(厚み0.15
μm)、1.55μm組成のアンドープInGaAsP
活性層48(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアン
ドープInGaAsP光ガイド層47(厚み0.15μ
m)、p−InPクラッド層46(厚み2μm)、1.
4μm組成のp−InGaAsPキャップ層45(厚み
0.3μm)を成長する。
【0267】今回は、リング共振器型半導体レーザー1
200とリング共振器型半導体レーザー1201を構成
する共通の半導体層を同時に成長したが、それぞれ別々
に成長してもよい。
【0268】結晶成長後、スピンコーターを用いて、p
−InPキャップ層の上にフォトレジストAZ−135
0(ヘキスト製)を膜厚が1μmとなるように塗布す
る。プリベークを80℃で30分おこなった後、ウェハ
ーにマスクをかけて露光した。現像、リンス後の光導波
路の幅は5μmであり、テーパー部1204と1205
では、光導波路の幅の最大値は8μm、最小値は5μm
である。なお、テーパー部の角度(図10のβ)は90
°になるように形成した。又、光導波路1周の長さは、
600μmである。
【0269】このあと、ウェハーをリアクティブ・イオ
ンビームエッチング装置に導入し、塩素ガスを用いて、
深さが3μmとなるようにエッチングした。最後に、p
−InGAsPキャップ層35,45の上に、それぞれ
アノード33,43としてCr/Auを蒸着によって形
成した。又、n−InP基板にカソード55として、A
uGe/Ni/Auを蒸着した。その後、水素雰囲気中
でアニールし、オーミック接触をとった。
【0270】上記構成において、半導体と空気では屈折
率が異なるため、界面で反射が生じる。半導体の屈折率
を3.5とすると、界面に対する法線とレーザー光との
なす角が16.6度以上で全反射が生じる。全反射を受
けるモードは、他のモードに比べてミラー損失が少ない
分だけ発振しきい利得が小さくてすむので、低注入電流
レベルで発振が開始する。しかもこの発振モードに利得
が集中するため、他のモードの発振は抑制される。
【0271】図2(A)において、界面に対する法線と
レーザー光とのなす角は45度であり、全反射条件を満
たす。室温における発振しきい電流は2mAである。リ
ング共振器型レーザー1200の駆動電流3mA、リン
グ共振器型レーザー1201の駆動電流3.5mAであ
り、これらのレーザーが静止しているときは、レーザー
光1206とレーザー光1207の発振波長はほぼ等し
く、発振波長λは1.55μmである。ただし、リング
共振器型レーザー1200とリング共振器型レーザー1
201の駆動電流が異なるから、これらのレーザーを構
成する光導波路の等価屈折率の値に差が生じる。
【0272】このため、発振周波数がわずかに異なり、
レーザー光1206の発振周波数f 3 は、レーザー光1
207の発振周波数f4 よりも1kHz大きい。また、
全反射が生じるときには、界面に沿って進行するエバネ
ッセント光が存在する。発振波長が1.55μmの場
合、エバネッセント光のしみ出し距離は0.0735μ
mである。エバネッセント光の強度は指数関数的に減衰
するが(しみ出し距離は、電界振幅が1/eに減衰する
距離である)、リング共振器型レーザー1200と12
01がしみ出し距離以内の0.07μmだけ離れて配置
されていることから、レーザー光1206とレーザー光
1207とが効率よく結合する。この結果、それぞれの
リング共振器型レーザーの中でレーザー光1206と1
207が干渉する。このとき、電源電流が一定となるよ
う調整しておき、電極端子34とカソード55の間の電
圧、あるいは電極端子44とカソード55の間の電圧を
モニターすると、それぞれ振幅80mV、100mVで
周波数1kHzの信号が得られる。すなわち、リング共
振器型レーザー1200と1201が静止しているとき
でも、ビート周波数が検出できる。
【0273】さて、リング共振器型レーザー1200と
1201が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1206の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1207の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0274】
【数16】 一方、リング共振器型レーザー1200と1201が、
毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビー
ト周波数は式(17)で表わされる。
【0275】
【数17】 ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速度に比例して
いるので、回転速度の検出ができるだけでなく、回転方
向とビート周波数の増減が1対1に対応しているので、
回転方向の検知が可能となる。こうして得られるレーザ
ー装置を、自動車、カメラ、レンズ、航空機、船舶に搭
載し、ジャイロとして使用する。
【0276】なお、この実施例では、定電流駆動とし、
端子電圧の変化を測定したが、もし定電圧駆動であれ
ば、端子に流れる電流の変化を検出することができる。
又、インピーダンスメーターを用いて、素子のインピー
ダンスの変化を直接検出してもよい。
【0277】これによって、ビート光を検出するための
光検出器が不要となり、その結果光検出器からの戻り光
が起因となる戻り光雑音もなくなる。
【0278】なお、ここでは半導体材料として、InG
aAsP系のものを用いたが、GaAs系、ZnSe
系、InGaN系、AlGaN系などどのような材料系
であってもかまわない。又、光導波路も、光路が囲む形
状が、図3のように四角形だけでなく、六角形や三角
形、あるいは円などどのような形状でもよい。
【0279】リング共振器型レーザー1200と120
1の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0280】レーザーの別の作成方法を図41から図4
9を用いて説明する。まず、n−GaAs基板4402
上に、Al0.3Ga0.7As/GaAsの3層からなる多
重量子井戸構造の活性層4401があり、この活性層を
挟むようにAl0.3Ga0.7As の光ガイド層4422
を設けている。更にそれらを挟むようにクラッド層(4
406はp− Al0.5Ga0.5As、4407はn−
Al0.5Ga0.5As)が形成してある。4415は、n
−GaAsからなるバッファ層である。4440は、p
−GaAsからなるキャップ層である。
【0281】該キャップ層4440上にアノード440
3となるcr/Au(又はTi/Pt/Au)を形成す
る(図42)。
【0282】そして、フォトレジスト4460を塗布
後、図43のようにパターンニングする。
【0283】パターニングされたフォトレジスト446
0をマスクにアノード4403に対してドライエッチン
グを行う(図44)。
【0284】次に、半導体層をドライエッチングにより
除去し(図45)、そしてフォトレジストを剥離する
(図46)。
【0285】ここで、アノードを水素雰囲気中でアニー
ルし、アロイ化する。
【0286】次に、必要に応じて基板研磨後、AuGe
Ni/Auからなるカソード4404を蒸着する(図4
7)。
【0287】こうして、リングレーザー4400が形成
できる。図48は、こうしてできたレーザー4404を
上面から見た図である。
【0288】なお、図48中の角度mは、45°±0.
01°の範囲、好ましくは45°±0.001°の範囲
であることが望ましい。他の角部に対応する個所も同様
である。これは、レーザー光が光共振器内を一周したと
きに、できるだけ始点の近くに戻るために必要な条件で
ある。
【0289】もちろん、他のプロセスにより半導体リン
グレーザーを作成する場合にも、mは上述の範囲である
ことが望ましい。
【0290】また、図49は、図48中の角部4490
を拡大したものであるが、角部における表面荒れrが5
0nm未満、好ましくは20nm未満であるとよい。こ
れにより、後方散乱を低減し、ロックインを生じにくく
することができる。
【0291】図50は、上述のレーザーを用いてビート
を検出するための一例を示す図であり、1は光ジャイ
ロ、2は回転台、3は電流源、4は抵抗、5は周波数−
電圧変換回路(FV変換回路)である。
【0292】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1に電流を注入す
る。光ジャイロ1が静止した状態でも、光ジャイロ1を
構成する2つのレーザーの発振周波数の差に相当するビ
ート信号が端子電圧の変化として得られる。さらに、回
転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の角
速度に応じたビート信号が現れる。
【0293】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0294】(実施例2)図2(B)において、120
2は光導波路、1204は光導波路のテーパー部、12
03は光導波路、1205は光導波路のテーパー部、1
208はレーザー光、1207はレーザー光である。
【0295】上記構成において、レーザー光1207も
1208も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、作用で説明したように回転方向を検知することがで
きるが、同じ方向にレーザー光が周回する場合、レーザ
ー光700と800の間の結合効率を大きくするには、
光導波路のうち近接した部分を伝搬するレーザー光の伝
搬方向が等しいことが望ましい。これを実現するため
に、光導波路1202の中に光導波路1203を形成し
てある。
【0296】(実施例3)図3(C)において、120
2は石英管、1204は光導波路のテーパー部、121
4はミラー、1210はアノード、1216は電気端
子、1212はカソード、1203は石英管、1205
は光導波路のテーパー部、1215はミラー、1211
はアノード、1217は電気端子、1213はカソー
ド、1206はレーザー光、1207はレーザー光であ
る。
【0297】上記構成において、レーザー光のしみ出し
距離以内に光導波路が存在することで、第1のレーザー
の光導波路に第2のレーザー光が光学的に効率よく結合
する。同時に、第2のレーザーの光導波路に第1のレー
ザー光が光学的に効率よく結合する。このため、それぞ
れのレーザー内での干渉光成分が大きくなり、さらに端
子での電気信号を大きくすることができる。なお、この
ようにしみ出している光をエバッセント光という。
【0298】上記構成において、石英のブロックをドリ
ルを用いてくり抜き、石英管1202と1203を形成
した。その後、石英管1202と1203に、それぞれ
ミラー1214,1215を取り付けた。さらに、石英
管1202と1203に、それぞれアノード1210、
電気端子1216、カソード1212、アノード121
1、電気端子1217、カソード1213を取り付け
た。次に石英管1202と1203の中にヘリウムガス
とネオンガスを入れ、アノードとカソード間に電圧をか
けると放電が始まり、電流が流れるようになる。
【0299】光導波路のテーパー部により、石英管12
02の中では反時計回りのレーザー光1206のみが発
振し、石英管1203の中では時計回りのレーザー光1
207のみが発振する。なお、テーパー部の角度(図1
0にいうβ)は、90°になるように形成した。
【0300】石英管12020と1203が静止してい
るときは、レーザー光1206とレーザー光1207の
発振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振
波長λは632.8nmである。ただし、石英管120
2と1203に流す電流を変えておくことで、媒質のQ
値が変わるので、発振周波数がわずかに異なり、レーザ
ー光1206の発振周波数f1 は、レーザー光1207
の発振周波数f2 よりも20MHz大きい。
【0301】又、石英管1202と1203とが近接さ
れて配置していることから、レーザー光1206が石英
管1203の中のレーザー光1207と結合する。
【0302】同時にレーザー光1207が石英管120
2の中のレーザー光1206と結合する。この結果、そ
れぞれの石英管の中でレーザー光1206と1207が
干渉する。このとき、電源電流が一定となるよう調整し
ておき、電極端子1216とカソード1212の間の電
圧をモニターすると、振幅100mVで周波数20MH
zの信号が得られる。同時に電極端子1217とカソー
ド1213の間の電圧をモニターすると、振幅80mV
で、先ほどと同じ周波数20MHzの信号が得られる。
すなわち、石英管1202と1203が静止していると
きでも、ビート電圧が検出できる。
【0303】さて、石英管1202と1203が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光100
の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
【0304】一方、時計回りのレーザー光200の発振
周波数f2 は248.3kHzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(18)で表わされる。
【0305】
【数18】 一方、石英管1202と1203が毎秒180度の速度
で反時計回りに回転を受けると、ビート周波数は式(1
9)で表わされる。
【0306】
【数19】 ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速度に比例して
いるので、回転速度の検出ができるだけでなく、回転方
向とビート周波数の増減が1対1に対応しているので、
回転方向の検知が可能となる。
【0307】この実施例では、定電流駆動とし、端子電
圧の変化を測定したが、もし定電圧駆動であれば、端子
に流れる電流の変化を検出することができる。又、イン
ピーダンスメーターを用いて、放電のインピーダンスの
変化を直接検出してもよい。
【0308】これによって、ビート光を検出するための
光検出器が不要となり、その結果光検出器からの戻り光
が起因となる戻り光雑音もなくなる。
【0309】なお、ここでは、ヘリウムガスとネオンガ
スを用いたが、レーザー発振する気体であれば何であっ
てもよい。又、光導波路も、光路が囲む形状が、図3
(C)のように四角形だけでなく、六角形や三角形、あ
るいは円などどのような形状でもよい。
【0310】(実施例4)図3(D)において1218
は光アイソレーター、1219は光アイソレーターであ
る。
【0311】この構成においても、実施例3と同じ原理
で、回転方向を検知することができる。本実施例が実施
例3と異なるのは、リングレーザーの中で1方向にのみ
周回するモードを選択するための手段である。すなわ
ち、実施例3ではテーパー状の光導波路を用いたのに対
し、実施例4では光アイソレーターを用いたことであ
る。
【0312】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0313】(実施例5)図4(A)及び図51におい
て、1300はリング共振器型半導体レーザー、130
4は光導波路のテーパー部、33はアノード、35はキ
ャップ層、36はクラッド層、37は光ガイド層、38
は活性層、39は光ガイド層、1301はリング共振器
型半導体レーザー、1305は光導波路のテーパー部、
43はアノード、44は電気端子、45はキャップ層、
46はクラッド層、47は光ガイド層、48は活性層、
49は光ガイド層、54は半導体基板、55はカソー
ド、1320は光導波路、1306は反時計回りのレー
ザー光、1307は時計回りのレーザー光である。A−
A’及びB−B’でカットした断面図がそれぞれ図51
(A)、図51(B)である。
【0314】上記構成における製造方法を説明する。ま
ず、有機金属気相成長法を用いて、n−InP基板54
(厚み350μm)の上にリング共振器型半導体レーザ
ー1300を構成する1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層39(厚み0.15μm)、1.
55μm組成のアンドープInGaAsP活性層38
(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層37(厚み0.15μm)、p−
InPクラッド層36(厚み2μm)、1.4μm組成
のp−InGaAsPキャップ層35(厚み0.3μ
m)を成長する。
【0315】又、有機金属気相成長法を用いて、n−I
nP基板54(厚み350μm)の上にリング共振器型
半導体レーザー1301を構成する1.3μm組成のア
ンドープInGaAsP光ガイド層49(厚み0.15
μm)、1.55μm組成のアンドープInGaAsP
活性層48(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアン
ドープInGaAsP光ガイド層47(厚み0.15μ
m)、p−InPクラッド層46(厚み2μm)、1.
4μm組成のp−InGaAsPキャップ層45(厚み
0.3μm)を成長する。
【0316】今回は、リング共振器型半導体レーザー1
300とリング共振器型半導体レーザー1301を構成
する共通の半導体層を同時に成長したが、それぞれ別々
に成長してもよい。
【0317】結晶成長後、スピンコーターを用いて、p
−InGaAsPキャップ層の上にフォトレジストAZ
−1350(ヘキスト製)を膜厚が1μmとなるように
塗布する。
【0318】プリベークを80℃で30分おこなった
後、ウエハーにマスクをかけて露光した。現像、リンス
後の光導波路の幅は5μmであり、テーパー部1304
と1305では、光導波路の幅の最大値は8μm、最小
値は5μmである。又、光導波路1周の長さは、600
μmである。このあと、ウェハーをリアクティブ・イオ
ンビームエッチング装置に導入し、塩素ガスを用いて、
深さが3μmとなるようにエッチングした・最後に、p
−InPキャップ層35,45の上に、それぞれアノー
ド33,43としてCr/Auを蒸着によって形成し
た。又、n−InP基板にカソード55として、AuG
e/Ni/Auを蒸着した。その後、水素雰囲気中でア
ニールし、オーミック接触をとった。
【0319】なお、第3の光導波路1320の構成は次
のようにしている。
【0320】第3の光導波路1320は、半導体レーザ
ー1300と同じ層構成とした。そして、活性層38が
透明となるように電流を注入し、受動型の光導波路とし
て用いた。
【0321】また、第3の光導波路に差らに電流を注入
し、増幅肩の光導波路として用いてもよい。
【0322】光導波機能だけを実現するのであれば、第
3の光導波路1320の層構造として、半導体レーザー
1300から活性層38だけを除去した構造としてもよ
い。この場合は、第3の光導波路1320は、既に受動
型光導波路なので、第3の光導波路に電流を注入する必
要はない。
【0323】図4(A)において、コーナー部における
半導体と空気の界面に対する法線とレーザー光とのなす
角は45度であり、全反射条件を満たす。室温における
発振しきい電流は2mAである。リング共振器型レーザ
ー1300の駆動電流3mA、リング共振器型レーザー
1303の駆動電流3.5mAであり、これらのレーザ
ーが静止しているときは、レーザー光1306とレーザ
ー光1307の発振波長はほぼ等しく、発振波長λは
1.55μmである。
【0324】ただし、リング共振器型レーザー1300
とリング共振器型レーザー1301の駆動電流が異なる
から、これらのレーザーを構成する光導波路の等価屈折
率の値に差が生じる。このため、発振周波数がわずかに
異なり、レーザー光1306の発振周波数f3 は、レー
ザー光1307の発振周波数f4 よりも1kHz大き
い。
【0325】又、全反射が生じるときには、界面に沿っ
て進行するエバネッセント光が存在する。発振波長が
1.55μmの場合、エバネッセント光のしみ出し距離
は0.0735μmである。エバネッセント光の強度は
指数関数的に減衰するが(しみ出し距離は、電界振幅が
1/eに減衰する距離である)、リング共振器型レーザ
ー1300と光導波路1320がしみ出し距離以内の
0.07μmだけ離れて配置されており、レーザー光1
306と光導波路1320とが効率よく結合する。そし
て、リング共振器型レーザー1303と光導波路132
0もしみ出し距離以内の0.07μmだけ離れて配置さ
れており、光導波路1320を伝搬してきたレーザー光
がリング共振器型レーザー1303に効率よく結合す
る。
【0326】この結果、リング共振器肩レーザー130
1の中でレーザー光1306と1307が干渉する。そ
れぞれのリング共振器型レーザーの中でレーザー光30
0と400が干渉する。このとき、電源電流が一定とな
るよう調整しておき、電極端子44とカソード55の間
の電圧モニターすると、振幅80mVで周波数1kHz
の信号が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー
1300と1303が静止しているときでも、ビート電
圧が検出できる。
【0327】さて、リング共振器型レーザー1300と
1301が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1306の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1307の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0328】一方、リング共振器型レーザー1300と
1301が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0329】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0330】リング共振器型レーザー1300と130
1の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0331】図52において、1は光ジャイロ、2は回
転台、3は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回
路(FV変換回路)である。
【0332】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1に電流を注入す
る。光ジャイロ1が静止した状態でも、光ジャイロ1を
構成する2つのレーザーの発振周波数の差に相当するビ
ート信号が端子電圧の変化として得られる。さらに、回
転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の角
速度に応じたビート信号が現れる。
【0333】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5を電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0334】(実施例6)図4(B)において、130
2は光導波路、1304は光導波路のテーパー部、13
03は光導波路、1305は光導波路のテーパー部、1
320は光導波路、1306はレーザー光、1309は
レーザー光である。
【0335】上記構成において、レーザー光1306も
1309も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、作用で説明したように回転方向を検知することがで
きるが、同じ方向にレーザー光が周回する場合、光導波
路1302、1303、1320を配置することで、レ
ーザー光1306と1309の間の結合効率を大きくす
ることができる。
【0336】(実施例7)図5(C)において、130
2は石英管、1304は光導波路のテーパー部、131
4はミラー、1310はアノード、1312はカソー
ド、1303は石英管、1305は光導波路のテーパー
部、1315はミラー、1311はアノード、1317
は電気端子、1313はカソード、1320は光導波
路、1306はレーザー光、1307はレーザー光であ
る。なお、テーパー部の角度(図10のβ)は、90°
とした。他の実施例においても同様である。ただし、静
止時にビート信号が適当に得られれば、90°に限られ
るものではない。
【0337】上記構成において、石英のブロックをドリ
ルを用いてくり抜き、石英管1302と1303、光導
波路1320を形成した。その後、石英管1302と1
303に、それぞれミラー1314,1315を取り付
けた。さらに、石英管1302と1303に、それぞれ
アノード1310、カソード1312、アノード131
1、電気端子1317、カソード1313を取り付け
た。
【0338】次に石英管1302の中にヘリウムガスと
ネオンガスを入れ、アノードとカソード間に電圧をかけ
ると放電が始まり、電流が流れるようになる。光導波路
のテーパー部1304と1305により、石英管130
2の中では反時計回りのレーザー光1306のみが発振
し、石英管1303の中では時計回りのレーザー光13
07のみが発振する。
【0339】石英管1302と1303が静止している
ときは、レーザー光1306とレーザー光1307の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。
【0340】ただし、石英管1302と1303に流す
電流を変えておくことで、媒質のQ値が変わるので、発
振周波数がわずかに異なり、レーザー光1306の発振
周波数f1 は、レーザー光1307の発振周波数f2
りも20MHz大きい。
【0341】石英管1302が光導波路1320に近接
して配置されていることから、レーザー光1306が光
導波路1320に結合する。そして、石英管1303が
光導波路1320に近接して配置されていることから、
光導波路1320を伝搬したレーザー光が石英管130
3と結合する。この結果、石英管1303の中でレーザ
ー光1306と1307が干渉する。
【0342】このとき、電源電流が一定となるよう調整
しておき、電気端子1317とカソード1313の間の
電圧をモニターすると、振幅80mV、周波数20MH
zの信号が得られる。すなわち、石英管1302と13
03が静止しているときでも、ビート電圧が検出でき
る。
【0343】さて、石英管1302と1303が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光130
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
【0344】一方、時計回りのレーザー光1307の発
振周波数f2 は248.3kHzだけ減少する。したが
って、ビート周波数は式(18)で表わされる。
【0345】一方、石英管1302と1303が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0346】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0347】(実施例8)図5(D)において、131
8は光アイソレーター、1319は光アイソレーターで
ある。
【0348】この構成においても、実施例7と同じ原理
で、回転方向を検知することができる。本実施例が実施
例7と異なるのは、リングレーザーの中で1方向にのみ
周回するモードを選択するための手段である。
【0349】すなわち、実施例7ではテーパー状の光導
波路を用いたのに対し、本の実施例では光アイソレータ
ーを用いたことである。
【0350】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
(実施例9)図6(A)及び図53において、1402
はリング共振器型半導体レーザー、1404は光導波路
のテーパー部、33はアノード、35はキャップ層、3
6はクラッド層、37は光ガイド層、38は活性層、3
9は光ガイド層、1403はリング共振器型半導体レー
ザー、1405は光導波路のテーパー部、43はアノー
ド、44は電気端子、45はキャップ層、46はクラッ
ド層、47は光ガイド層、48は活性層、49は光ガイ
ド層、54は半導体基板、55はカソード、1430は
光導波路、1406は反時計回りのレーザー光、140
7は時計回りのレーザー光である。又、図53(A)、
図53(B)は図6(A)のA−A′およびB−B′で
カットした断面図である。
【0351】上記構成における製造方法を説明する。ま
ず、有機金属気相成長法を用いて、n−InP基板54
(厚み350μm)の上にリング共振器型半導体レーザ
ー1402を構成する1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層39(厚み0.15μm)、1.
55μm組成のアンドープInGaAsP活性層38
(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層37(厚み0.15μm)、p−
InPクラッド層36(厚み2μm)、1.4μm組成
のp−InGaAsPキャップ層35(厚み0.3μ
m)を成長する。
【0352】又、有機金属気相成長法を用いて、n−I
nP基板54(厚み350μm)の上にリング共振器型
半導体レーザー1403を構成する1.3μm組成のア
ンドープInGaAsP光ガイド層49(厚み0.15
μm)、1.55μm組成のアンドープInGaAsP
活性層48(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアン
ドープInGaAsP光ガイド層47(厚み0.15μ
m)、p−InPクラッド層46(厚み2μm)、1.
4μm組成のp−InGaAsPキャップ層45(厚み
0.3μm)を成長する。
【0353】今回は、リング共振器型半導体レーザー1
402とリング共振器型半導体レーザー1403を構成
する共通の半導体層を同時に成長したが、それぞれ別々
に成長してもよい。結晶成長後、スピンコーターを用い
て、p−InGaAsPキャップ層の上にフォトレジス
トAZ−1350(ヘキスト製)を膜厚が1μmとなる
ように塗布する。プリベークを80℃で30分おこなっ
た後、ウェハーにマスクをかけて露光した。現像、リン
ス後の光導波路の幅は5μmであり、テーパー部140
4と1405では、光導波路の幅の最大値は8μm、最
小値は5μmである。又、光導波路1周の長さは、60
0μmである。このあと、ウェハーをリアクティブ・イ
オンエッチング装置に導入し、塩素ガスを用いて、深さ
が3μmとなるようにエッチングした。最後に、p−I
nGaAsPキャップ層35,45の上に、それぞれア
ノード33,43としてCr/Auを蒸着によって形成
した。又、n−InP基板にカソード55として、Au
Ge/Ni/Auを蒸着した。その後、水素雰囲気中で
アニールし、オーミック接触をとった。
【0354】上記構成において、半導体と空気では屈折
率が異なるため、界面で反射が生じる。半導体の屈折率
を3.5とすると、界面に対する法線とレーザー光との
なす角が16.6度以上で全反射が生じる。全反射を受
けるモードは、他のモードに比べてミラー損失分だけ発
振しきい利得が小さくなるので、低注入電流レベルで発
振が開始する。しかもこの発振モードに利得が集中する
ため、他のモードの発振は抑制される。図6(A)にお
いて、界面に対する法線とレーザー光とのなす角は45
度であり、全反射条件を満たす。室温における発振しき
い電流は2mAである。リング共振器型レーザー140
2の駆動電流3mA、リング共振器型レーザー1403
の駆動電流3.5mAであり、これらのレーザーが静止
しているときは、レーザー光1406とレーザー光14
07の発振波長はほぼ等しく、発振波長λは1.55μ
mである。ただし、リング共振器型レーザー1402と
リング共振器型レーザー1403の駆動電流が異なるか
ら、これらのレーザーを構成する光導波路の等価屈折率
の値に差が生じる。このため、発振周波数がわずかに異
なり、レーザー光1406の発振周波数f3 は、レーザ
ー光1407の発振周波数f4 よりも1kHz大きい。
【0355】リング共振器型レーザー1402とリング
共振器型レーザー1403が、光導波路1430で接続
されていることから、レーザー光1406とレーザー光
1407とが効率よく結合する。この結果、それぞれの
リング共振器型レーザーの中でレーザー光1406と1
407が干渉する。
【0356】このとき、電源電流が一定となるよう調整
しておき、電気端子44とカソード55の間の電圧をモ
ニターすると、振幅100mV、周波数1kHzの信号
が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー140
2と1403が静止しているときでも、ビート電圧が検
出できる。
【0357】さて、リング共振器型レーザー1402と
1403が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1406の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1407の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0358】一方、リング共振器型レーザー1402と
1403が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0359】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0360】リング共振器型レーザー1402と140
3の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える。レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0361】図54において、1は光ジャイロ、2は回
転台、3は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回
路(FV変換回路)である。
【0362】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1に電流を注入す
る。光ジャイロ1が静止した状態でも、光ジャイロ1を
構成する2つのレーザーの発振周波数の差に相当するビ
ート信号が端子電圧の変化として得られる。さらに、回
転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の角
速度に応じたビート信号が現れる。
【0363】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0364】(実施例10)図6(B)において、14
02は光導波路、1404は光導波路のテーパー部、1
403は光導波路、1405は光導波路のテーパー部、
1430は光導波路、1406はレーザー光、1409
はレーザー光である。
【0365】上記構成において、レーザー光1406も
1409も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、作用で説明したように回転方向を検知することがで
きるが、同じ方向にレーザー光が周回する場合、図6
(B)のように光導波路1402,1403を配置する
ことで、レーザー光1406と1409の間の結合効率
を大きくすることができる。
【0366】(実施例11)図7(C)において、14
02は石英管、1404は光導波路のテーパー部、14
14はミラー、1410はアノード、1412はカソー
ド、1403は石英管、1405は光導波路のテーパー
部、1415はミラー、1411はアノード、1417
は電気端子、1413はカソード、1430は光導波
路、1406はレーザー光、1407はレーザー光であ
る。
【0367】上記構成において、石英のブロックをドリ
ルを用いてくり抜き、石英管1402と1403、光導
波路1430を形成した。その後、石英管1402と1
403に、それぞれミラー1414,1415を取り付
けた。さらに、石英管1402と1403に、それぞれ
アノード1410、カソード1412、アノード141
1、電気端子1417、カソード1413を取り付け
た。
【0368】次に石英管1402の中にヘリウムガスと
ネオンガスを入れ、アノードとカソード間に電圧をかけ
ると放電が始まり、電流が流れるようになる。光導波路
のテーパー部1404と1405により、石英管140
2の中では反時計回りのレーザー光1406のみが発振
し、石英管1403の中では時計回りのレーザー光14
07のみが発振する。
【0369】石英管1402と1403が静止している
ときは、レーザー光1406とレーザー光1407の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。
【0370】ただし、石英管1402と1403に流す
電流を替えておくことで、媒質のQ値が変わるので、発
振周波数がわずかに異なり、レーザー光1406の発振
周波数f1 は、レーザー光1407の発振周波数f2
りも20MHz大きい。又、石英管1402と1403
とが光導波路1430を介して接続されていることか
ら、レーザー光1406が石英管1403の中のレーザ
ー光1407と結合する。
【0371】同時にレーザー光1407が石英管140
2の中のレーザー光1406と結合する。この結果、そ
れぞれの石英管の中でレーザー光1406と1407が
干渉する。このとき、電源電流が一定となるよう調整し
ておき、電気端子1417とカソード1413の間の電
圧をモニターすると、振幅80mV、周波数20MHz
の信号が得られる。すなわち、石英管1402と140
3が静止しているときでも、ビート電圧が検出できる。
【0372】さて、石英管1402と1403が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光140
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1407の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0373】一方、石英管1402と1403が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0374】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0375】この実施例では、定電流駆動とし、端子電
圧の変化を測定したが、もし定電圧駆動であれば、端子
に流れる電流の変化を検出することができる。又、イン
ピーダンスメーターを用いて、放電のインピーダンスの
変化を直接検出してもよい。 (実施例12)図7(D)において、1418は光アイ
ソレーター、1419は光アイソレーターである。
【0376】この構成においても、実施例11と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。実施例12が
実施例11と異なるのは、リングレーザーの中で1方向
にのみ集回するモードを選択するための手段である。す
なわち、実施例11ではテーパー状の光導波路を用いた
のに対し、本実施例では光アイソレーターを用いたこと
である。
【0377】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0378】(実施例13)図8(A)及び図55にお
いて、1502はリング共振器型半導体レーザー、15
04は光導波路のテーパー部、33はアノード、34は
電気端子、35はキャップ層、36はクラッド層、37
は光ガイド層、38は活性層、39は光ガイド層、15
03はリング共振器型半導体レーザー、1505は光導
波路のテーパー部、43はアノード、44は電気端子、
45はキャップ層、46はクラッド層、47は光ガイド
層、48は活性層、49は光ガイド層、54は半導体基
板、55はカソード、1506は反時計回りのレーザー
光、1507は時計回りのレーザー光である。又、図5
5は8(A)のA−A’でカットした断面図である。
【0379】上記構成における製造方法を説明する。ま
ず、有機金属気相成長法を用いて、n−InP基板54
(厚み350μm)の上にリング共振器型半導体レーザ
ー1502を構成する1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層39(厚み0.15μm)、1.
55μm組成のアンドープInGaAsP活性層38
(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアンドープIn
GaAsP光ガイド層37(厚み0.15μm)、p−
InPクラッド層36(厚み2μm)、1.4μm組成
のp−InGaAsPキャップ層35(厚み0.3μ
m)を成長する。
【0380】又、有機金属気相成長法を用いて、n−I
nP基板54(厚み350μm)の上にリング共振器型
半導体レーザー1503を構成する1.3μm組成のア
ンドープInGaAsP光ガイド層49(厚み0.15
μm)、1.55μm組成のアンドープInGaAsP
活性層48(厚み0.1μm)、1.3μm組成のアン
ドープInGaAsP光ガイド層47(厚み0.15μ
m)、p−InPクラッド層46(厚み2μm)、1.
4μm組成のp−InGaAsPキャップ層45(厚み
0.3μm)を成長する。
【0381】今回は、リング共振器型半導体レーザー1
502とリング共振器型半導体レーザー1503を構成
する共通の半導体層を同時に成長したが、それぞれ別々
に成長してもよい。結晶成長後、スピンコーターを用い
て、p−InGaAsPキャップ層の上にフォトレジス
トAZ−1350(ヘキスト製)を膜厚が1μmとなる
ように塗布する。プリベークを80℃で30分おこなっ
た後、ウェハーにマスクをかけて露光した。現像、リン
ス後の光導波路の幅は5μmであり、テーパー部150
4と1505では、光導波路の幅の最大値は8μm、最
小値は5μmである。又、光導波路1周の長さは、60
0μmである。このあと、ウェハーをリアクティブ・イ
オンエッチング装置に導入し、塩素ガスを用いて、深さ
が3μmとなるようにエッチングした。最後に、p−I
nGaAsPキャップ層35,45の上に、それぞれア
ノード33,43としてCr/Auを蒸着によって形成
した。又、n−InP基板にカソード55として、Au
Ge/Ni/Auを蒸着した。その後、水素雰囲気中で
アニールし、オーミック接触をとった。
【0382】上記構成において、半導体と空気では屈折
率が異なるため、界面で反射が生じる。半導体の屈折率
を3.5とすると、界面に対する法線とレーザー光との
なす角が16.6度以上で全反射が生じる。全反射を受
けるモードは、他のモードに比べてミラー損失分だけ発
振しきい利得が小さくなるので、低注入電流レベルで発
振が開始する。しかもこの発振モードに利得が集中する
ため、他のモードの発振は抑制される。図8(A)にお
いて、リング形状のコーナー部における半導体と空気と
の界面に対する法線とレーザー光とのなす角は45度で
あり、全反射条件を満たす。室温における発振しきい電
流は2mAである。リング共振器型レーザー1502の
駆動電流3mA、リング共振器型レーザー1503の駆
動電流3.5mAであり、これらのレーザーが静止して
いるときは、レーザー光1506とレーザー光1507
の発振波長はほぼ等しく、発振波長λは1.55μmで
ある。
【0383】ただし、リング共振器型レーザー1502
とリング共振器型レーザー1503の駆動電流が異なる
から、これらのレーザーを構成する光導波路の等価屈折
率の値に差が生じる。このため、発振周波数がわずかに
異なり、レーザー光1506の発振周波数f3 は、レー
ザー光1507の発振周波数f4 よりも1kHz大き
い。
【0384】リング共振器型レーザー1502とリング
共振器型レーザー1503が、光導波路の一部を共有し
ていることから、レーザー光1506とレーザー光15
07とが効率よく結合する。この結果、それぞれのリン
グ共振器型レーザーの中でレーザー光1506と150
7が干渉する。このとき、電源電流が一定となるよう調
整しておき、電気端子34とカソード55の間の電圧を
モニターすると、振幅80mV、周波数1kHzの信号
が得られる。又、電気端子44とカソード55の間の電
圧をモニターすると、振幅100mV、周波数1kHz
の信号が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー
1502と1503が静止しているときでも、ビート電
圧が検出できる。
【0385】さて、リング共振器型レーザー1502と
1503が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1506の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1507の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0386】一方、リング共振器型レーザー1502と
1403が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0387】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0388】リング共振器型レーザー1502と150
3の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0389】図56において、1は光ジャイロ、2は回
転台、3は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回
路(FV変換回路)である。
【0390】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1に電流を注入す
る。光ジャイロ1が静止した状態でも、光ジャイロ1を
構成する2つのレーザーの発振周波数の差に相当するビ
ート信号が端子電圧の変化として得られる。さらに、回
転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の角
速度に応じたビート信号が現れる。
【0391】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。 (実施例14)図8(B)において、1502は光導波
路、1504は光導波路のテーパー部、1503は光導
波路、1505は光導波路のテーパー部、1506はレ
ーザー光、1509はレーザー光である。
【0392】上記構成において、レーザー光1506も
1509も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、実施例13と同じように回転方向を検知することが
できる。
【0393】(実施例15)図9(C)において、15
02は石英管、1504は光導波路のテーパー部、15
14はミラー、1510はアノード、1516は電気端
子、1512はカソード、1503は石英管、1505
は光導波路のテーパー部、1515はミラー、1511
はアノード、1517は電気端子、1513はカソー
ド、1506はレーザー光、1508はレーザー光であ
る。
【0394】上記構成において、石英のブロックをドリ
ルを用いてくり抜き、石英管1502と1503を形成
した。その後、石英管1502と1503に、それぞれ
ミラー1514,1515を取り付けた。さらに、石英
管1502と1503に、それぞれアノード1510、
電気端子1516、カソード1512、アノード151
1、電気端子1517、カソード1513を取り付け
た。次に石英管1502と1503の中にヘリウムガス
とネオンガスを入れ、アノードとカソード間に電圧をか
けると放電が始まり、電流が流れるようになる。光導波
路のテーパー部1504と1505により、石英管15
02の中では反時計回りのレーザー光1506のみが発
振し、石英管1503の中では時計回りのレーザー光1
508のみが発振する。
【0395】石英管1502と1503が静止している
ときは、レーザー光1506とレーザー光1508の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。ただし、石英管1502
と1503に流す電流を変えておくことで、媒質のQ値
が変わるので、発振周波数がわずかに異なり、レーザー
光1506の発振周波数f1 は、レーザー光1508の
発振周波数f2 よりも20MHz大きい。又、石英管1
502と1503とが光導波路の一部を共有しているこ
とから、レーザー光1502が石英管1503の中のレ
ーザー光1508と結合する。同時にレーザー光150
3が石英管1502の中のレーザー光1506と結合す
る。この結果、それぞれの石英管の中でレーザー光15
06と1608が干渉する。このとき、電源電流が一定
となるよう調整しておき、電気端子1516とカソード
1512の間の電圧をモニターすると、振幅80mV、
周波数20MHzの信号が得られる。又、電気端子15
17とカソード1513の間の電圧をモニターすると、
振幅100mV、周波数20MHzの信号が得られる。
すなわち、石英管1502と1503が静止していると
きでも、ビート電圧が検出できる。
【0396】さて、石英管1502と1503が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光150
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1508の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0397】一方、石英管1502と1503が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0398】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0399】なお、ここでは、ヘリウムガスとネオンガ
スを用いたが、レーザー発振する気体であれば何であっ
てもよい。又、光導波路も、光路が囲む形状が、図1の
ように四角形だけでなく、六角形や三角形、あるいは円
などどのような形状でもよい。
【0400】(実施例16)図9(D)において、15
18は光アイソレーター、1519は光アイソレーター
である。
【0401】この構成においても、実施例15と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。本実施例が実
施例15と異なるのは、リングレーザーの中で1方向に
のみ周回するモードを選択するための手段である。すな
わち、実施例15ではテーパー状の光導波路を用いたの
に対し、本実施例では光アイソレーターを用いたことで
ある。
【0402】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0403】(実施例17)図19(A)、図57にお
いて、1200はリング共振器型半導体レーザー、12
04は光導波路のテーパー部、33はアノード、35は
キャップ層、36はクラッド層、37は光ガイド層、3
8は活性層、39は光ガイド層、1201はリング共振
器型半導体レーザー、1205は光導波路のテーパー
部、43はアノード、45はキャップ層、46はクラッ
ド層、47は光ガイド層、48は活性層、49は光ガイ
ド層、1230は光検出器、54は半導体基板、55は
カソード、1206は反時計回りのレーザー光、125
6はリング共振器型半導体レーザー1200から出射さ
れたレーザー光、1207は時計回りのレーザー光、1
257はリング共振器型半導体レーザー1201から出
射されたレーザー光である。また、図57(G)は、図
19(A)のA−A′でカットした断面図である。レー
ザー1200,1201の形成方法は既述の実施例1と
同様に、同じ装置を作製した。
【0404】室温における発振しきい電流は2mAであ
る。リング共振器型レーザー1200の駆動電流3m
A、リング共振器型レーザー1201の駆動電流3.5
mAであり、これらのレーザーが静止しているときは、
レーザー光1206とレーザー光1207の発振波長は
ほぼ等しく、発振波長λは1.55μmである。ただ
し、リング共振器型レーザー1200とリング共振器型
レーザー1201の駆動電流が異なるから、これらのレ
ーザーを構成する光導波路の等価屈折率の値に差が生じ
る。このため、発振周波数がわずかに異なり、レーザー
光1206の発振周波数f3 は、レーザー光1207の
発振周波数f4 よりも1kHz大きい。レーザー光12
56とレーザ光1257を光検出器1320で同時に受
光することで、光検出器1230の中でレーザー光12
56と1257が干渉する。この結果、光検出器123
0の電気端子から振幅50mV、周波数1kHzの信号
が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー120
0と1201が静止しているときでも、ビート電圧が検
出できる。
【0405】さて、リング共振器型レーザー1200と
1201が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光300の発振周波数f3 は88.7Hzだ
け増加する。一方、時計回りのレーザー光400の発振
周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがって、
ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0406】一方、リング共振器型レーザー1200と
1201が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0407】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0408】なお、ここでは半導体材料として、InG
aAsP系のものを用いたが、GaAs系、ZnSe
系、InGaN系、AlGaN系などどのような材料系
であってもかまわない。また、光導波路も、光路が囲む
形状が、図19(A)のように四角形だけでなく、六角
形や三角形、あるいは円などどのような形状でもよい。
【0409】リング共振器型レーザー1202と120
3の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0410】図58において、1は光ジャイロ、222
はリングレーザー、333は光検出器、2は回転台、3
は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回路(FV
変換回路)である。
【0411】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1の中のリングレー
ザー222に電流を注入する。光ジャイロ1が静止した
状態でも、光ジャイロ1を構成する2つのリングレーザ
ー222の発振周波数の差に相当するビート信号が光検
出器333の端子電圧の変化として得られる。さらに、
回転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の
角速度に応じたビート信号が現れる。
【0412】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0413】(実施例18)図19(B)、図59にお
いて、1240はミラー、1209は反時計回りのレー
ザー光、1257はミラー1240で反射されたレーザ
ー光である。
【0414】上記構成において、実施例17との違い
は、光導波路のテーパー部1205の向きが、図19
(A)と逆で、その結果、リング共振器型レーザー12
01の中を伝搬するレーザー光1209が反時計回りに
周回していることである。この場合、リング共振器型レ
ーザー1201から出射されたレーザー光1257をミ
ラー1240で反射させ、レーザー光1256と同時に
光検出器1230で受光することで、実施例17と同様
にビート信号を得ることができる。
【0415】(実施例19)図20(C)において、1
230光検出器、1202は石英管、1204は光導波
路のテーパー部、1214はミラー、1210はアノー
ド、1212はカソード、1203は石英管、1205
は光導波路のテーパー部、1215はミラー、1211
はアノード、1213はカソード、1206は石英管1
202の中を伝搬するレーザー光、1256は外部に出
射されたレーザー光、1207は石英管1203の中を
伝搬するレーザー光、1257は外部に出射されたレー
ザー光である。
【0416】レーザーは、実施例3に記載の方法を用い
て作製した。
【0417】石英管1202と1203が静止している
ときは、レーザー光12060とレーザー光1207の
発振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振
波長λは632.8nmである。ただし、石英管120
2と1203に流す電流を変えておくことで、媒質のQ
値が変わるので、発振周波数がわずかに異なり、レーザ
ー光1206の発振周波数f1 は、レーザー光1207
の発振周波数f2 よりも20MHz大きい。レーザーの
共振器を構成するミラーのうち、一つのミラーの反射率
を下げておくことで、この反射率の低いミラーからレー
ザー光を取り出すことができる。レーザーから外部に出
射されたレーザー光1256と1257を光検出器12
30で同時に受光することで、光検出器の中でレーザー
光1256と1257が干渉する。このとき、光検出器
1230の電気端子に、振幅50mVで周波数20MH
zの信号が得られる。すなわち、石英管1202と12
03が静止しているときでも、ビート電圧が検出でき
る。
【0418】さて、石英管1202と1203が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光120
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1207の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0419】一方、石英管1202と1203が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0420】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0421】なお、ここでは、ヘリウムガスとネオンガ
スを用いたが、レーザー発振する気体であれば何であっ
てもよい。また、光導波路も、光路が囲む形状が、図2
0(C)のように四角形だけでなく、六角形や三角形、
あるいは円などどのような形状でもよい。
【0422】(実施形態1の第1の実施例)図20
(C)において、1230光検出器、1202は石英
管、1204は光導波路のテーパー部、1214はミラ
ー、1210はアノード、1212はカソード、120
3は石英管、1205は光導波路のテーパー部、121
5はミラー、1211はアノード、1213はカソー
ド、1206は石英管1202の中を伝搬するレーザー
光、1256は外部に出射されたレーザー光、1207
は石英管1203の中を伝搬するレーザー光、1257
は外部に出射されたレーザー光である。
【0423】レーザーは、実施例3に記載の方法を用い
て作製した。
【0424】石英管1202と1203が静止している
ときは、レーザー光12060とレーザー光1207の
発振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振
波長λは632.8nmである。ただし、石英管120
2と1203に流す電流を変えておくことで、媒質のQ
値が変わるので、発振周波数がわずかに異なり、レーザ
ー光1206の発振周波数f1 は、レーザー光1207
の発振周波数f2 よりも20MHz大きい。レーザーの
共振器を構成するミラーのうち、一つのミラーの反射率
を下げておくことで、この反射率の低いミラーからレー
ザー光を取り出すことができる。レーザーから外部に出
射されたレーザー光1256と1257を光検出器12
30で同時に受光することで、光検出器の中でレーザー
光1256と1257が干渉する。このとき、光検出器
1230の電気端子に、振幅50mVで周波数20MH
zの信号が得られる。すなわち、石英管1202と12
03が静止しているときでも、ビート電圧が検出でき
る。
【0425】さて、石英管1202と1203が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光120
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1207の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0426】一方、石英管1202と1203が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0427】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0428】なお、ここでは、ヘリウムガスとネオンガ
スを用いたが、レーザー発振する気体であれば何であっ
てもよい。また、光導波路も、光路が囲む形状が、図2
0(C)のように四角形だけでなく、六角形や三角形、
あるいは円などどのような形状でもよい。
【0429】(実施例20)図20(D)において、1
240はミラー、1209は反時計回りのレーザー光、
1257はミラー1240で反射されたレーザー光であ
る。
【0430】上記構成において、実施例19との違い
は、光導波路のテーパー部1205の向きが、図20
(C)と逆で、その結果、石英管1203の中を伝搬す
るレーザー光1209が反時計回りに周回していること
である。この場合、石英管1203から出射されたレー
ザー光1257をミラー1240で反射させ、レーザー
光1256と同時に光検出器1230で受光すること
で、実施例19と同様にビート信号を得ることができ
る。
【0431】(実施例21)図21(E)において、1
218は光アイソレーター、1219は光アイソレータ
ーである。
【0432】この構成においても、実施例19と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。本実施例が実
施例19と異なるのは、リングレーザーの中で1方向に
のみ周回するモードを選択するための手段である。すな
わち、実施例19ではテーパー状の光導波路を用いたの
に対し、本実施例では光アイソレーターを用いたことで
ある。
【0433】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0434】(実施例22)図21(F)の構成におい
て、実施例21との違いは、光アイソレーター1219
の向きが、図21(E)と逆で、その結果、石英管12
03の中を伝搬するレーザー光1209が反時計回りに
周回していることである。この場合、石英管1203か
ら出射されたレーザー光1257をミラー1240で反
射させ、レーザー光1256と同時に光検出器1230
で受光することで、実施例21と同様にビート信号を得
ることができる。
【0435】(実施例23)図22(A)、図60にお
いて、1300はリング共振器型半導体レーザー、13
04は光導波路のテーパー部、33はアノード、35は
キャップ層、36はクラッド層、37は光ガイド層、3
8は活性層、39は光ガイド層、1301はリング共振
器型半導体レーザー、1305は光導波路のテーパー
部、43はアノード、45はキャップ層、46はクラッ
ド層、47は光ガイド層、48は活性層、49は光ガイ
ド層、1330は光検出器、54は半導体基板、55は
カソード、1320は光導波路、1306は反時計回り
のレーザー光、1356はリング共振器型半導体レーザ
ー1300から出射されたレーザー光、1307は時計
回りのレーザー光、1357はリング共振器型半導体レ
ーザー1301から出射されたレーザー光である。ま
た、図60(E)、図60(F)は図22(A)のA−
A′およびB−B′でカットした断面図である。
【0436】実施例5と同じ方法でリングレーザーを形
成した。
【0437】室温における発振しきい電流は2mAであ
る。リング共振器型レーザー1300の駆動電流3m
A、リング共振器型レーザー1301の駆動電流3.5
mAであり、これらのレーザーが静止しているときは、
レーザー光1306とレーザー光1307の発振波長は
ほぼ等しく、発振波長λは1.55μmである。ただ
し、リング共振器型レーザー1300とリング共振器型
レーザー1301の駆動電流が異なるから、これらのレ
ーザーを構成する光導波路の等価屈折率の値に差が生じ
る。このため、発振周波数がわずかに異なり、レーザー
光1306の発振周波数f3 は、レーザー光1307
の発振周波数f4 よりも1kHz大きい。
【0438】また、全反射が生じるときには、界面に沿
って進行するエバネッセント光が存在する。発振波長が
1.55μmの場合、エバネッセント光のしみ出し距離
は0.0735μmである。エバネッセント光の強度は
指数関数的に減衰する(しみ出し距離は、電界振幅が1
/eに減衰する距離である)。リング共振器型レーザー
1300と光導波路1320が、しみ出し距離以内の
0.07μmだけ離れて配置されており、レーザー光1
306が光導波路1320に効率よく結合する。そし
て、リング共振器型レーザー1303と光導波路132
0も、しみ出し距離以内の0.07μmだけ離れて配置
され、レーザー光1307も光導波路1320に効率よ
く結合する。光導波路1320から出射したレーザー光
1356とレーザー光1357を光検出器1330で同
時に受光することで、光検出器1330の中でレーザー
光1356と1357が干渉する。この結果、光検出器
1330の電気端子から振幅50mV、周波数1kHz
の信号が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー
1300と1301が静止しているときでも、ビート電
圧が検出できる。
【0439】さて、リング共振器型レーザー1300と
1301が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光300の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1307の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したが
って、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0440】一方、リング共振器型レーザー1300と
1301が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0441】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0442】リング共振器型レーザー1300と130
1の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える。レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0443】図61において、1は光ジャイロ、222
はリングレーザー、333は光検出器、2は回転台、3
は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回路(FV
変換回路)である。
【0444】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1の中のリングレー
ザー222に電流を注入する。光ジャイロ1が静止した
状態でも、光ジャイロ1を構成する2つのリングレーザ
ー222の発振周波数の差に相当するビート信号が光検
出器333の端子電圧の変化として得られる。さらに、
回転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の
角速度に応じたビート信号が現れる。
【0445】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0446】(実施例24)図22(B)において、1
302は光導波路、1304は光導波路のテーパー部、
1303は光導波路、1305は光導波路のテーパー
部、1320は光導波路、1306はレーザー光、13
56はレーザー光、1309はレーザー光、1357は
レーザー光である。
【0447】上記構成において、レーザー光1306も
1309も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、回転方向を検知することができるが、同じ方向にレ
ーザー光が周回する場合、図22(B)のように光導波
路1302,1303,1320を配置することで、レ
ーザー光1306と1309の間の結合効率を大きくす
ることができる。
【0448】(実施例25)図23(C)において、1
330は光検出器、1302は石英管、1304は光導
波路のテーパー部、1314はミラー、1310はアノ
ード、1312はカソード、1303は石英管、130
5は光導波路のテーパー部、1315はミラー、131
1はアノード、1313はカソード、1320は光導波
路、1306は石英管1302の中を伝搬するレーザー
光、1356は外部に出射されたレーザー光、1307
は石英管1303の中を伝搬するレーザー光、1357
は外部に出射されたレーザー光である。
【0449】実施例7記載の方法を用いてリングレーザ
ーを作製した。
【0450】石英管1302と1303が静止している
ときは、レーザー光1306とレーザー光1307の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。
【0451】ただし、石英管1302と1303に流す
電流を変えておくことで、媒質のQ値が変わるので、発
振周波数がわずかに異なり、レーザー光1306の発振
周波数f1 は、レーザー光1307の発振周波数f2
よりも20MHz大きい。
【0452】石英管1302と1303が光導波路13
20に近接して配置されていることから、レーザー光1
306と1307は光導波路1320に結合する。光導
波路1320から外部に出射されたレーザー光1356
と1357を光検出器1330で同時に受光すること
で、光検出器の中でレーザー光1356と1357が干
渉する。
【0453】このとき、光検出器1330の電気端子
に、振幅50mVで周波数20MHzの信号が得られ
る。すなわち、石英管1302と13030が静止して
いるときでも、ビート電圧が検出できる。
【0454】さて、石英管1302と1303が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光130
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加す
る。一方、時計回りのレーザー光1307の発振周波数
f2 は248.3kHzだけ減少する。したがって、
ビート周波数は式(18)で表わされる。
【0455】一方、石英管1302と1303が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0456】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0457】(実施例26)図23(D)において、1
318は光アイソレーター、1319は光アイソレータ
ーである。
【0458】この構成においても、実施例25と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。本実施例が実
施例25と異なるのは、リングレーザーの中で一方向に
のみ周回するモードを選択するための手段である。すな
わち、実施例25ではテーパー状の光導波路を用いたの
に対し、本実施例では光アイソレーターを用いたことで
ある。
【0459】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。 (実施例27)図24(A)、図62において、140
0はリング共振器型半導体レーザー、1404は光導波
路のテーパー部、33はアノード、35はキャップ層、
36はクラッド層、37は光ガイド層、38は活性層、
39は光ガイド層、1401はリング共振器型半導体レ
ーザー、1405は光導波路のテーパー部、43はアノ
ード、45はキャップ層、46はクラッド層、47は光
ガイド層、48は活性層、49は光ガイド層、1430
は光検出器、54は半導体基板、55はカソード、14
30は光導波路、1406は反時計回りのレーザー光、
1456はリング共振器型半導体レーザー1400から
出射されたレーザー光、1407は時計回りのレーザー
光、1457はリング共振器型半導体レーザー1403
から出射されたレーザー光である。また、図62
(E),図62(Fは、図24(A)のA−A′および
B−B′でカットした断面図である。
【0460】リングレーザーは実施例9に記載された方
法を用いて作製した。
【0461】室温における発振しきい電流は2mAであ
る。リング共振器型レーザー1400の駆動電流3m
A、リング共振器型レーザー1401の駆動電流3.5
mAであり、これらのレーザーが静止しているときは、
レーザー光1406とレーザー光1407の発振波長は
ほぼ等しく、発振波長λは1.55μmである。ただ
し、リング共振器型レーザー1400とリング共振器型
レーザー1401の駆動電流が異なるから、これらのレ
ーザーを構成する光導波路の等価屈折率の値に差が生じ
る。
【0462】このため、発振周波数がわずかに異なり、
レーザー光1406の発振周波数f 3 は、レーザー光1
407の発振周波数f4 よりも1kHz大きい。リング
共振器型レーザー1400とリング共振器型レーザー1
401が、光導波路1430で接続されていることか
ら、レーザー光1406とレーザー光1407とが効率
よく結合する。光導波路1430から出射したレーザー
光1456とレーザー光1457を光検出器1430で
同時に受光することで、光検出器1430の中でレーザ
ー光1456と1457が干渉する。
【0463】この結果、光検出器1430の電気端子か
ら振幅50mV、周波数1kHzの信号が得られる。す
なわち、リング共振器型レーザー1402と1403が
静止しているときでも、ビート電圧が検出できる。
【0464】さて、リング共振器型レーザー1400と
1401が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1406の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1407の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0465】一方、リング共振器型レーザー1400と
1401が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0466】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0467】リング共振器型レーザー1400と140
1の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0468】図63において、1は光ジャイロ、222
はリングレーザー、333は光検出器、2は回転台、3
は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回路(FV
変換回路)である。
【0469】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1の中のリングレー
ザー222に電流を注入する。光ジャイロ1が静止した
状態でも、光ジャイロ1を構成する2つのリングレーザ
ー222の発振周波数の差に相当するビート信号が光検
出器333の端子電圧の変化として得られる。さらに、
回転台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の
角速度に応じたビート信号が現れる。
【0470】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5を電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0471】(実施例28)図24(B)において、1
402は光導波路、1404は光導波路のテーパー部、
1403は光導波路、1405は光導波路のテーパー
部、1430は光導波路、1406はレーザー光、14
56はレーザー光、1409はレーザー光、1457は
レーザー光である。
【0472】上記構成において、レーザー光1406も
1409も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、作用で説明したように回転方向を検知することがで
きる。同じ方向にレーザー光が周回する場合、図24
(B)12のように光導波路1402,1403,14
30を配置することで、レーザー光1406と1409
の間の結合効率を大きくすることができる。
【0473】(実施例29)図25(C)において、1
430は光検出器、1402は石英管、1404は光導
波路のテーパー部、1414はミラー、13はアノー
ド、15はカソード、1403は石英管、1405は光
導波路のテーパー部、1415はミラー、23はアノー
ド、25はカソード、1430は光導波路、1406は
石英管1402の中を伝搬するレーザー光、1456は
外部に出射されたレーザー光、1407は石英管140
3の中を伝搬するレーザー光、1457は外部に出射さ
れたレーザー光である。
【0474】リングレーザーは実施例11と同様にして
作製した。
【0475】石英管1402と1403が静止している
ときは、レーザー光1406とレーザー光1407の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。
【0476】ただし、石英管1402と1403に流す
電流を変えておくことで、媒質のQ値が変わるので、発
振周波数がわずかに異なり、レーザー光1406の発振
周波数f1 は、レーザー光1407の発振周波数f2
りも20MHz大きい。
【0477】石英管1402,1403と光導波路14
30が接続されていることから、レーザー光1406と
1407は光導波路1430に結合する。光導波路14
30から外部に出射されたレーザー光1456と145
7を光検出器1430で同時に受光することで、光検出
器の中でレーザー光1456と1457が干渉する。こ
のとき、光検出器1430の電気端子に、振幅50mV
で周波数20MHzの信号が得られる。すなわち、石英
管1402と1403が静止しているときでも、ビート
電圧が検出できる。
【0478】さて、石英管1402と1403が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光140
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1407の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0479】一方、石英管1402と1403が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0480】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0481】(実施例30)図25(D)において、1
418は光アイソレーター、1419は光アイソレータ
ーである。
【0482】この構成においても、実施例29と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。本実施例が実
施例29と異なるのは、リングレーザーの中で1方向に
のみ周回するモードを選択するための手段である。すな
わち、実施例29ではテーパー状の光導波路を用いたの
に対し、本実施例では光アイソレーターを用いたことで
ある。
【0483】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0484】(実施例31)図26(A)、図64にお
いて、1500はリング共振器型半導体レーザー、15
04は光導波路のテーパー部、33はアノード、35は
キャップ層、36はクラッド層、37は光ガイド層、3
8は活性層、39は光ガイド層、1503はリング共振
器型半導体レーザー、1505は光導波路のテーパー
部、43はアノード、45はキャップ層、46はクラッ
ド層、47は光ガイド層、48は活性層、49は光ガイ
ド層、1530は光検出器、54は半導体基板、55は
カソード、1506は反時計回りのレーザー光、155
6はリング共振器型半導体レーザー1500から出射さ
れたレーザー光、1507は時計回りのレーザー光、1
557はリング共振器型半導体レーザー1403から出
射されたレーザー光である。また、図64(E)は、図
26(A)のA−A′でカットした断面図である。
【0485】リングレーザーは、実施例13と同様の方
法により作製した。
【0486】室温における発振しきい電流は2mAであ
る。リング共振器型レーザー1500の駆動電流3m
A、リング共振器型レーザー1501の駆動電流3.5
mAであり、これらのレーザーが静止しているときは、
レーザー光1506とレーザー光1507の発振波長は
ほぼ等しく、発振波長λは1.55μmである。ただ
し、リング共振器型レーザー1500とリング共振器型
レーザー1501の駆動電流が異なるから、これらのレ
ーザーを構成する光導波路の等価屈折率の値に差が生じ
る。このため、発振周波数がわずかに異なり、レーザー
光1506の発振周波数f3 は、レーザー光1507の
発振周波数f4 よりも1kHz大きい。リング共振器型
レーザー1500とリング共振器型レーザー1501
が、光導波路の一部を共有していることから、レーザー
光1506とレーザー光1507とが効率よく結合す
る。この共有している光導波路から出射したレーザー光
1556とレーザー光1557を光検出器1530で同
時に受光することで、光検出器1530の中でレーザー
光1556と1557が干渉する。この結果、光検出器
1530の電気端子から振幅50mV、周波数1kHz
の信号が得られる。すなわち、リング共振器型レーザー
1500と1501が静止しているときでも、ビート電
圧が検出できる。
【0487】さて、リング共振器型レーザー1500と
1501が、カメラの手ぶれや自動車の振動程度の毎秒
30度の速度で時計回りに回転を受けると、反時計回り
のレーザー光1506の発振周波数f3 は88.7Hz
だけ増加する。一方、時計回りのレーザー光1507の
発振周波数f4 は88.7Hzだけ減少する。したがっ
て、ビート周波数は式(16)で表わされる。
【0488】一方、リング共振器型レーザー1500と
1501が、毎秒30度の速度で反時計回りに回転を受
けると、ビート周波数は式(17)で表わされる。
【0489】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0490】リング共振器型レーザー1500と150
1の発振波長が異なるようにするために、本実施例では
駆動電流の大きさを変えた。しかし、これ以外にも、光
導波路の長さや幅を変える、レーザーを構成している半
導体層の厚み・組成・材料を変えるなどして、2つのレ
ーザーの光学長を変えることで発振波長を変えることが
できる。
【0491】図65はにおいて、1は光ジャイロ、22
2はリングレーザー、333は光検出器、2は回転台、
3は電流源、4は抵抗、5は周波数−電圧変換回路(F
V変換回路)である。
【0492】上記構成において、直列に接続した抵抗4
を介して、電流源3から光ジャイロ1の中のリングレー
ザー222に電流を注入する。光ジャイロ1が静止した
状態でも、光ジャイロ1を構成する2つのリングレーザ
ー222の発振周波数の差に相当するビート信号が光検
出器3の端子電圧の変化として得られる。さらに、回転
台2に載せた光ジャイロ1を回転させると、回転の角速
度に応じたビート信号が現れる。
【0493】このビート信号を周波数−電圧変換回路
(FV変換回路)5を通すことによって、ビート周波数
を電圧値に直すことができる。たとえば、オフセットを
調整して、光ジャイロ1が静止している時の周波数−電
圧変換回路(FV変換回路)5の電圧出力をゼロとする
と、周波数−電圧変換回路(FV変換回路)5の出力の
正負によって、回転方向を検出することができる。
【0494】(実施例32)図26(B)において、1
502は光導波路、1504は光導波路のテーパー部、
1503は光導波路、1505は光導波路のテーパー
部、1520は光導波路、1506はレーザー光、15
56はレーザー光、1509はレーザー光、1557は
レーザー光である。
【0495】上記構成において、レーザー光1506も
1509も同じ方向に周回状に伝搬している。この場合
も、作用で説明したように回転方向を検知することがで
きる。 (実施例33)図27(C)において、1530は光検
出器、1502は石英管、1504は光導波路のテーパ
ー部、1514はミラー、1510はアノード、151
2はカソード、1503は石英管、1505は光導波路
のテーパー部、1515はミラー、1511はアノー
ド、1513はカソード、1506は石英管1502の
中を伝搬するレーザー光、1556は外部に出射された
レーザー光、1508は石英管1503の中を伝搬する
レーザー光、1557は外部に出射されたレーザー光で
ある。
【0496】リングレーザーは実施例15と同様にして
作製した。
【0497】石英管1502と1503が静止している
ときは、レーザー光1506とレーザー光1508の発
振周波数はほぼ等しく、4.73×1014Hz、発振波
長λは632.8nmである。
【0498】ただし、石英管1502と1503に流す
電流を変えておくことで、媒質のQ値が変わるので、発
振周波数がわずかに異なり、レーザー光1506の発振
周波数f1 は、レーザー光1508の発振周波数f2
りも20MHz大きい。石英管150と1503が光導
波路の一部を共有していることから、この光導波路の共
有部を通して外部に出射されたレーザー光1556と1
557を光検出器1530で同時に受光することで、光
検出器1530の中でレーザー光1556と1557が
干渉する。このとき、光検出器1530の電気端子に、
振幅50mVで周波数20MHzの信号が得られる。す
なわち、石英管1502と1503が静止しているとき
でも、ビート電圧が検出できる。
【0499】さて、石英管1502と1503が毎秒1
80度の速度で時計回りに回転を受け、共振器の1辺の
長さが10cmのとき、反時計回りのレーザー光150
6の発振周波数f1 は248.3kHzだけ増加する。
一方、時計回りのレーザー光1508の発振周波数f2
は248.3kHzだけ減少する。したがって、ビート
周波数は式(18)で表わされる。
【0500】一方、石英管1502と1503が毎秒1
80度の速度で反時計回りに回転を受けると、ビート周
波数は式(19)で表わされる。
【0501】ビート周波数の増減量の絶対値は、回転速
度に比例しているので、回転速度の検出ができるだけで
なく、回転方向とビート周波数の増減が1対1に対応し
ているので、回転方向の検知が可能となる。
【0502】(実施例34)図27(D)において、1
518は光アイソレーター、1519は光アイソレータ
ーである。
【0503】この構成においても、実施例33と同じ原
理で、回転方向を検知することができる。本実施例が実
施例33と異なるのは、リングレーザーの中で1方向に
のみ周回するモードを選択するための手段である。すな
わち、実施例33ではテーパー状の光導波路を用いたの
に対し、本実施例では光アイソレーターを用いたことで
ある。
【0504】同一偏波の光が、お互いに反対方向から光
アイソレーターに入射した場合、光アイソレーターは一
方向に伝搬する光のみを透過し、逆方向に伝搬する光は
通さない。通常のリングレーザーでは、お互いに反対方
向に周回する光の偏波が等しいが、光アイソレーターを
挿入することで、一つの方向に周回状に伝搬する光のみ
が存在するようなリングレーザーを作ることができる。
もちろん、光を一方向にのみ通す機能を持った光学素子
ならば、光アイソレーターに限らず、光サーキュレータ
ーなど、他の光学素子でもよいことは言うまでもない。
【0505】なお、ガスレーザーについては、ヘリウム
ガスとネオンガスを用いた例を実施例で示しているが、
レーザー発振する気体であり、所望の角速度が検知可能
であれば、何であってもよい。例えば、アルゴンレーザ
ー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザーである。
【0506】尚、ガスレーザー作製にあたって、石英管
を用いる場合について説明したが、ポリマーを用いるこ
ともできる。この場合、低温プロセスで形成できる。な
お、ポリマー材料としては、フッ素化ポリイミド、ポリ
シロキサン、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、
エポキシやポリカーボネイトを用いることができる。
【0507】又、放電電極としては、アルミニウムやジ
ルコニウム、タングステン等が利用できる。
【0508】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザー装置の回転時のビート周波数を検出し、非回転
時からの増減を求めることによって、角速度とともに、
回転方向を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転によるビート信号の変化を説明するための
波形図
【図2】第1及び第2のレーザーを近接配置する場合の
概念図
【図3】第1及び第2のレーザーを近接配置する場合の
概念図
【図4】第3の光導波路を設ける場合の概念図
【図5】第3の光導波路を設ける場合の概念図
【図6】光導波路の一部を接続する場合の概念図
【図7】光導波路の一部を接続する場合の概念図
【図8】光導波路を共用する場合の概念図
【図9】光導波路を共用する場合の概念図
【図10】テーパー形状を説明するための光導波路の平
面図
【図11】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図12】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図13】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図14】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図15】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図16】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図17】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図18】レーザー装置の電圧変化を検出する手段の回
路図
【図19】光検出器を備え、第1及び第2のレーザーを
近接配置する場合の概念図
【図20】光検出器を備え、第1及び第2のレーザーを
近接配置する場合の概念図
【図21】光検出器を備え、第1及び第2のレーザーを
近接配置する場合の概念図
【図22】光検出器を備え、第3の光導波路を設ける場
合の概念図
【図23】光検出器を備え、第3の光導波路を設ける場
合の概念図
【図24】光検出器を備え、光導波路の一部を接続する
場合の概念図
【図25】光検出器を備え、光導波路の一部を接続する
場合の概念図
【図26】光検出器を備え、光導波路を共用する場合の
概念図
【図27】光検出器を備え、光導波路を共用する場合の
概念図
【図28】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図29】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図30】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図31】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図32】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図33】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図34】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図35】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図36】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図37】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図38】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図39】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図40】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図41】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図42】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図43】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図44】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図45】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図46】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図47】半導体レーザー及び光導波路の製造工程を説
明するための断面図
【図48】光導波路の角部を説明するための平面図
【図49】光導波路の角部の拡大図
【図50】本発明の実施例を説明するための図
【図51】本発明の実施例を説明するための図
【図52】本発明の実施例を説明するための図
【図53】本発明の実施例を説明するための図
【図54】本発明の実施例を説明するための図
【図55】本発明の実施例を説明するための図
【図56】本発明の実施例を説明するための図
【図57】本発明の実施例を説明するための図
【図58】本発明の実施例を説明するための図
【図59】本発明の実施例を説明するための図
【図60】本発明の実施例を説明するための図
【図61】本発明の実施例を説明するための図
【図62】本発明の実施例を説明するための図
【図63】本発明の実施例を説明するための図
【図64】本発明の実施例を説明するための図
【図65】本発明の実施例を説明するための図
【図66】本発明の実施形態を説明するための図
【図67】本発明の実施形態を説明するための図
【図68】本発明の実施形態を説明するための図
【図69】従来技術を説明するための図
【図70】従来技術を説明するための図
【符号の説明】
1 光ジャイロ 2 回転台 3 電流源 4 抵抗 5 FV変換回路 222 リングレーザー 333 光検出器 1200、1300、1400、1500、1600
非対称テーパー部 1202、1302、1402、1502、1602
CW光 1203、1303、1403、1503、1603
CCW光 1204、1304、1504、1604 ミラー 1230、1330、1430、1530 光検出器 2602 電源 2609 インピーダンスメーター 2712 外部に放出されたCW光 2713 外部に放出されたCCW光 2730 光検出器 2801、2901 活性層 2802、2902 基板 2803、2903 アノード 2804、2904 カソード 2806、2906 上部クラッド層 2807、2907 下部クラッド層 4101 活性層 4103 アノード 4104 カソード 4121 キャップ層 4122、4123 光ガイド層 4124 ビート信号を取り出すための電気端子 4300 ジャイロ 4350 回転台 4401 活性層 4402 p−GaAs基板 4422 光ガイド層 4406,4407 クラッド層 4403 アノード 4460 フォトレジスト 4490 角部 5301 石英管 5313 アノード 5314 電気端子 5315 カソード 5800、5900 テーパー領域 5711 リング上の利得導波路 5717 光吸収領域 5722 電極 5790,5791 電極 5792 半導体レーザー素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F105 BB01 DD07 5F072 AA01 AB13 FF05 JJ20 KK30 LL09 LL16 LL18 RR01 RR03 YY12 5F073 AA66 AA73 AA74 BA09 CA02 CA07 CA12 CA13 CA14 CA22 CB02 DA02 DA05 DA06 DA14 DA16 EA29 GA15

Claims (80)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に周回する第1のレーザー光を主
    モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に周
    回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第2
    のレーザーを備え、該第1及び第2のレーザーの少なく
    とも一方から電気信号を取り出すジャイロであって、 該第1のレーザー光と第2のレーザー光との発振周波数
    が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第2のレーザー
    光とが干渉する事を特徴とするジャイロ。
  2. 【請求項2】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1の光導波路の少なくとも一部と該第2の光導
    波路の少なくとも一部とを、近接して配置することを特
    徴とする請求項1記載のジャイロ。
  3. 【請求項3】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に光学
    的に結合する第3の光導波路を備えることを特徴とする
    請求項1記載のジャイロ。
  4. 【請求項4】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に接続
    する第3の光導波路を備えることを特徴とする請求項1
    記載のジャイロ。
  5. 【請求項5】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部は共用
    されていることを特徴とする請求項1記載のジャイロ。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のレーザー光は、互い
    に発振波長が異なる請求項1乃至5のいずれか一つに記
    載されたジャイロ。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のレーザー光は、互い
    に発振周波数が異なる請求項1乃至5のいずれか一つに
    記載されたジャイロ。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のレーザー光の発振周
    波数差が100Hz以上である請求項7記載のジャイ
    ロ。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のレーザー光の発振周
    波数差が1kHz以上である請求項7記載のジャイロ。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2のレーザー光の発振
    周波数差が10kHz以上である請求項7記載のジャイ
    ロ。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2のレーザー光の周回
    方向は互いに逆である請求項1乃至5のいずれか一つに
    記載されたジャイロ。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2のレーザー光の周回
    方向は互いに同一である請求項1乃至5のいずれか一つ
    に記載されたジャイロ。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2のレーザーに注入さ
    れる電流が互いに異なる請求項1乃至5のいずれか一つ
    に記載されたジャイロ。
  14. 【請求項14】 前記第1及び第2のレーザーに印加さ
    れる電圧が互いに異なる請求項1乃至5のいずれか一つ
    に記載されたジャイロ。
  15. 【請求項15】 前記第1及び第2のレーザーは、互い
    に光路長が異なる請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    されたジャイロ。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第2のレーザーは、互い
    に光導波路の長さが異なる請求項1乃至5のいずれか一
    つに記載されたジャイロ。
  17. 【請求項17】 前記第1及び第2のレーザーは、構成
    材料が互いに異なる請求項1乃至5のいずれか一つに記
    載されたジャイロ。
  18. 【請求項18】 前記第1及び第2のレーザーを構成す
    る光導波路は、リング形状である請求項1乃至5のいず
    れか一つに記載されたジャイロ。
  19. 【請求項19】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路には非対称のテーパー領
    域が備わっている請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    されたジャイロ。
  20. 【請求項20】 前記テーパー領域は、第1のテーパー
    部及び第2のテーパー部からなり、該第1及び第2のテ
    ーパー部の一方と、一定幅を有する光導波路部とのなす
    角が90度である請求項19記載のジャイロ。
  21. 【請求項21】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路にはそれぞれ光学素子が
    備えられており、該光学素子は、一の方向に周回するレ
    ーザー光に対する透過損を、他の方向に周回するレーザ
    ー光に対する透過損と異ならせることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか一つに記載されたジャイロ。
  22. 【請求項22】 前記第1及び第2のレーザーは、半導
    体レーザーである請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    されたジャイロ。
  23. 【請求項23】 前記半導体レーザーは量子井戸構造を
    有している請求項22記載のジャイロ。
  24. 【請求項24】 前記第1及び第2のレーザーは、ガス
    レーザーである請求項1乃至5のいずれか一つに記載さ
    れたジャイロ。
  25. 【請求項25】 前記第1及び第2のレーザーは、リン
    グ共振器型レーザーである請求項1乃至5のいずれか一
    つに記載されたジャイロ。
  26. 【請求項26】 前記第1及び第2のレーザーは、導波
    路側面に全反射面を有する請求項1記載のジャイロ。
  27. 【請求項27】 前記第1及び第2のレーザーは、定電
    流で駆動される請求項1記載のジャイロ。
  28. 【請求項28】 第1及び第2のレーザーは、定電圧で
    駆動する請求項1記載のジャイロ。
  29. 【請求項29】 第1のレーザーは定電圧駆動し、前記
    第2のレーザーは定電流駆動する請求項1記載のジャイ
    ロ。
  30. 【請求項30】 前記第1の光導波路の少なくとも一部
    を前記第2のレーザー光のしみだし距離以内に近接して
    配置する請求項2記載のジャイロ。
  31. 【請求項31】 前記電気信号は、前記第1及び第2の
    レーザーの回転に伴い変化する信号である請求項1記載
    のジャイロ。
  32. 【請求項32】 前記電気信号は、前記第1及び第2の
    レーザーの一方のレーザーの電気信号である請求項1記
    載のジャイロ。
  33. 【請求項33】 前記電気信号は、電圧信号である請求
    項1記載のジャイロ。
  34. 【請求項34】 前記電気信号は、前記第1及び第2の
    レーザーの少なくとも一方にかかる電圧信号、あるいは
    前記第1及び第2のレーザーの少なくとも一方を流れる
    電流信号、あるいは前記第1及び第2のレーザーの少な
    くとも一方のインピーダンス信号である請求項1記載の
    ジャイロ。
  35. 【請求項35】 前記電子信号の変化によりビート周波
    数を検出する請求項1記載のジャイロ。
  36. 【請求項36】 前記電気信号の周波数変化により角速
    度及び回転方向を検知する請求項1乃至5のいずれか一
    つに記載されたジャイロ。
  37. 【請求項37】 前記第1及び第2のレーザーの少なく
    とも一方は、電気信号を検出するための電気端子を備え
    る請求項1記載のジャイロ。
  38. 【請求項38】 前記電気信号は、前記第1及び第2の
    レーザーの外部に配された光検出器により得られる請求
    項1記載のジャイロ。
  39. 【請求項39】 周波数−電圧変換回路を備えている請
    求項1乃至5のいずれか一つに記載されたジャイロ。
  40. 【請求項40】 保護回路を備えている請求項1乃至5
    のいずれか一つに記載されたジャイロ。
  41. 【請求項41】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に
    周回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第
    2のレーザーを備えるジャイロであって、 該第1のレーザーは第1の光導波路を、該第2のレーザ
    ーは第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の
    光導波路の少なくとも一部に光学的に結合する第3の光
    導波路を備えていることを特徴とするジャイロ。
  42. 【請求項42】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に
    周回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第
    2のレーザーを備えるジャイロであって、 該第1のレーザーは第1の光導波路を、該第2のレーザ
    ーは第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の
    光導波路の少なくとも一部に接続する第3の光導波路を
    備えることを特徴とするジャイロ。
  43. 【請求項43】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に
    周回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第
    2のレーザーを備えるジャイロであって、 該第1のレーザーは第1の光導波路を、該第2のレーザ
    ーは第2の光導波路をそれぞれ有し、該第1及び第2の
    光導波路の少なくとも一部に共用されていることを特徴
    とするジャイロ。
  44. 【請求項44】 前記第1及び第2のレーザー光は互い
    に発振周波数が異なる請求項41乃至43のいずれか一
    つに記載されたジャイロ。
  45. 【請求項45】 前記第1及び第2のレーザーの少なく
    とも一方から電気信号を検出する請求項44記載のジャ
    イロ。
  46. 【請求項46】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、一方向に周回
    する第2のレーザー光を主モードとして発生する第2の
    レーザー、及びビート信号検出手段を有するジャイロで
    あって、 該第1のレーザー光と第2のレーザー光との発振周波数
    が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第2のレーザー
    光とが干渉することを特徴とするジャイロ。
  47. 【請求項47】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1の光導波路の少なくとも一部と該第2の光導
    波路の少なくとも一部とを、近接して配置することを特
    徴とする請求項46記載のジャイロ。
  48. 【請求項48】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に光学
    的に結合する第3の光導波路を備えることを特徴とする
    請求項46記載のジャイロ。
  49. 【請求項49】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に接続
    する第3の光導波路を備えることを特徴とする請求項4
    6記載のジャイロ。
  50. 【請求項50】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部は共用
    されていることを特徴とする請求項46記載のジャイ
    ロ。
  51. 【請求項51】 前記ビート信号検出手段は、電圧信号
    を検出する手段である請求項46記載のジャイロ。
  52. 【請求項52】 前記ビート信号検出手段は、前記第1
    若しくは第2のレーザーにかかる電圧信号、前記第1若
    しくは第2のレーザーを流れる電流信号、又は前記第1
    若しくは第2のレーザー装置のインピーダンス信号を検
    出する請求項46記載のジャイロ。
  53. 【請求項53】 前記第1若しくは第2のレーザーは、
    前記ビート信号を取り出すための電気端子を備える請求
    項46記載のジャイロ。
  54. 【請求項54】 前記ビート信号検出手段は、前記第1
    及び第2のレーザーの外部に配された光検出器を含む請
    求項46記載のジャイロ。
  55. 【請求項55】 前記ビート信号検出手段は、周波数−
    電圧変換回路を備えている請求項46記載のジャイロ。
  56. 【請求項56】 前記ビート信号検出手段は、減算回路
    を有する請求項46記載のジャイロ。
  57. 【請求項57】 前記ビート信号検出手段は、保護回路
    が設けられている請求項46記載のジャイロ。
  58. 【請求項58】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に
    周回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第
    2のレーザーを備え、該第1の及び第2のレーザー光を
    受光する光検出器を有するジャイロであって、 該第1のレーザー光と第2のレーザー光との発振周波数
    が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第2のレーザー
    光とが干渉することを特徴とするジャイロ。
  59. 【請求項59】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1の光導波路の少なくとも一部と該第2の光導
    波路の少なくとも一部とを、近接して配置することを特
    徴とする請求項58記載のジャイロ。
  60. 【請求項60】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に光学
    的に結合する第3の光導波路を備えることを特徴とする
    請求項58記載のジャイロ。
  61. 【請求項61】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部に接続
    する第3の光導波路を備えることを特徴とする請求項5
    8記載のジャイロ。
  62. 【請求項62】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路の少なくとも一部は共用
    されていることを特徴とする請求項58記載のジャイ
    ロ。
  63. 【請求項63】 前記光検出器では、前記第1及び第2
    のレーザー光を同時に受光する請求項58記載のジャイ
    ロ。
  64. 【請求項64】 前記光検出器から電気信号を取り出
    し、ビート信号を検出する請求項58記載のジャイロ。
  65. 【請求項65】 前記第1及び第2のレーザー光は、互
    いに発振周波数が異なる請求項58乃至62のいずれか
    一つに記載されたジャイロ。
  66. 【請求項66】 前記第1及び第2のレーザー光の発振
    周波数差が100Hz以上である請求項65記載のジャ
    イロ。
  67. 【請求項67】 前記第1及び第2のレーザー光の発振
    周波数差が1kHz以上である請求項65記載のジャイ
    ロ。
  68. 【請求項68】 前記第1及び第2のレーザー光の発振
    周波数差が10kHz以上である請求項66記載のジャ
    イロ。
  69. 【請求項69】 前記第1及び第2のレーザー光の周回
    方向は互いに逆である請求項62乃至65のいずれか一
    つに記載されたジャイロ。
  70. 【請求項70】 前記第1及び第2のレーザー光の周回
    方向は互いに同一である請求項62乃至65のいずれか
    一つに記載されたジャイロ。
  71. 【請求項71】 前記第1及び第2のレーザーに注入さ
    れる電流が互いに異なる請求項62乃至65のいずれか
    一つに記載されたジャイロ。
  72. 【請求項72】 前記第1及び第2のレーザーに印加さ
    れる電圧が互いに異なる請求項62乃至65のいずれか
    一つに記載されたジャイロ。
  73. 【請求項73】 前記第1及び第2のレーザーは、互い
    に光路長が異なる請求項62乃至65のいずれか一つに
    記載されたジャイロ。
  74. 【請求項74】 前記第1及び第2のレーザーは、互い
    に光導波路の長さが異なる請求項62乃至65のいずれ
    か一つに記載されたジャイロ。
  75. 【請求項75】 前記第1及び第2のレーザーを構成す
    る光導波路は、リング形状である請求項62乃至65の
    いずれか一つに記載されたジャイロ。
  76. 【請求項76】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路には非対称のテーパー領
    域が備わっている請求項75記載のジャイロ。
  77. 【請求項77】 前記テーパー領域は、第1のテーパー
    部及び第2のテーパー部からなり、該第1及び第2のテ
    ーパー部の一方と、一定幅を有する光導波路部とのなす
    角が90度である請求項75記載のジャイロ。
  78. 【請求項78】 前記第1のレーザーは第1の光導波路
    を、前記第2のレーザーは第2の光導波路をそれぞれ有
    し、該第1及び第2の光導波路にはそれぞれ光学素子が
    備えられており、該光学素子は、一の方向に周回するレ
    ーザー光に対する透過損を、他の方向に周回するレーザ
    ー光に対する透過損と異ならせることを特徴とする請求
    項62乃至65のいずれか一つに記載されたジャイロ。
  79. 【請求項79】 前記第1の光導波路の少なくとも一部
    を前記第2のレーザー光のしみだし距離以内に近接して
    配置する請求項63記載のジャイロ。
  80. 【請求項80】 一方向に周回する第1のレーザー光を
    主モードとして発生する第1のレーザー、及び一方向に
    周回する第2のレーザー光を主モードとして発生する第
    2のレーザーを有するレーザー装置であって、 該第1のレーザー光と第2のレーザー光との発振周波数
    が異なり、かつ該第1のレーザー光と該第2のレーザー
    光とが干渉することを特徴とするレーザー装置。
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