JPH08125251A - 六方晶半導体リング共振器 - Google Patents

六方晶半導体リング共振器

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JPH08125251A
JPH08125251A JP25664494A JP25664494A JPH08125251A JP H08125251 A JPH08125251 A JP H08125251A JP 25664494 A JP25664494 A JP 25664494A JP 25664494 A JP25664494 A JP 25664494A JP H08125251 A JPH08125251 A JP H08125251A
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JP
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ring resonator
substrate
semiconductor ring
resonator
hexagonal
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JP25664494A
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English (en)
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Toshiya Fukuhisa
敏哉 福久
Hideto Adachi
秀人 足立
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Seiji Onaka
清司 大仲
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体リング共振器およびその製造方法に関
するもので、成長工程による端面反射鏡形成により微小
で共振器損失の小さい半導体リング共振器を提供する。 【構成】 基板101上に酸化膜102を堆積し、酸化
膜102をエッチングして成長領域パターンを形成す
る。成長領域パターン上に、下クラッド層103を有機
金属気相成長法により、基板101と垂直な方向に成長
する。次に成長温度を低くして基板101と平行な方向
に成長する。再び成長温度を高くして基板101と垂直
な方向にさらに成長し、前記下クラッド層102上に活
性層104を成長する。活性層104上に上クラッド層
105を成長して、垂直かつ平滑な低損失端面反射鏡を
備える微小な六方晶半導体共振器を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低共振器損失、微小
化、高効率の出射光取り出し、高集積化、発光スペクト
ル狭化、波長可変が可能な半導体リング共振器の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の微細プロセス技術の発展などによ
り半導体リングレーザの開発が数多く行われている。半
導体リングレーザは共振器形成の工程にエッチングを用
いて半導体リング共振器を形成し、電流注入によってリ
ング共振器のモードで発振することを特徴とする。
【0003】共振器および端面反射鏡の形成に劈開を用
いないことから共振器の微小化、集積化への可能性が期
待される。現在までに報告されている半導体リングレー
ザについてはその材料系、共振器形状、共振器のサイズ
など構造の種類が非常に数多くあるが、共振器形状によ
り導波路型半導体リングレーザおよび円柱型半導体リン
グレーザの二種類に大別できる。
【0004】図8には導波路型半導体レーザの模式構造
図を示す。導波路型半導体レーザは、閉塞した光導波路
と端面反射鏡801により光導波を行って発振動作させ
るものであり、横モードを安定して動作させることが可
能である。しかし一方で少なくとも基本横モードを伝搬
させるための導波路の幅802が一定以上必要なため共
振器の微小化が制限される。また導波路構造形成のエッ
チングは活性層より上のクラッド層途中まで行い反射鏡
形成のエッチングは活性層より下までエッチングを行う
ため最低二回のエッチング工程が必要となり必ずしも微
小化、集積化に適した構造とはいえない。
【0005】図9には円柱型半導体リングレーザの模式
構造図を示す。円柱型半導体リングレーザは共振器形状
が単純な円柱型であり、共振器内部では光を共振器の輪
郭の内接多角形状に伝搬するモード(以下ウィスパリン
グギャラリーモードという)で伝搬させることにより発
振動作させるものである。これは一度のエッチングで共
振器形成と端面反射鏡形成を同時に行えるため共振器の
微小化および低閾値化という点で前記の導波路型半導体
リングレーザより有利であり、例えばエレクトロニクス
レターズの1992年第28巻1010ページには共振
器直径4μmのInGaAs/GaAs系半導体マイク
ロディスクレーザによって低閾値電流1mA以下で室温
発振動作を実現したという報告がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題は
端面反射鏡形成工程が挙げられる。現在リング共振器の
端面反射鏡形成にはエッチング工程が用いられている。
ウェットエッチングによる端面反射鏡形成ではエッチン
グ面形状に面方位依存性が反映されるため光導波方向に
対して垂直な端面反射鏡が得られず反射率の低下による
共振器損失の原因となる。
【0007】一方ドライエッチングによる端面反射鏡で
はイオンビームあるいはプラズマの照射により端面反射
鏡表面近傍にダメージを与えるため共振器損失の原因と
なる。またエッチング工程においてはエッチングマスク
を必要とし、マスクのエッジに乱れがあると、その不完
全性が直接端面反射鏡のモホロジーに影響する。これら
の理由からエッチング工程による共振器損失の無い完全
な端面反射鏡形成は非常に困難である。
【0008】本発明の第一の目的はエッチング工程を用
いることなく共振器損失の無い端面反射鏡を形成する工
程を含む半導体リング共振器の製造方法およびその製造
方法によって製作される半導体リング共振器を提供する
ことにある。
【0009】本発明の第二の課題は、出射光取り出しで
ある。ウィスパリングギャラリーモードを利用するリン
グ共振器では伝搬光は端面で全反射する。したがって出
射光が全く得られないか、もしくは端面の不完全さのた
め漏洩する出射光が得られる場合があるがその透過率は
微小である。
【0010】本発明の第二の目的は高効率で出射方向制
御可能な光取り出しを可能にする半導体リング共振器お
よびその製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の第三の課題は、高密度集積化であ
る。エッチング工程によるリング共振器の集積化では第
一の課題と同様の理由からリング共振器間の間隙を十分
小さくすることができず、集積度が制限される。
【0012】本発明の第三の目的はエッチング工程を用
いずにリング共振器が高密度に集積された半導体リング
共振器およびその製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第一の課題を解決す
るために、基板上に半導体結晶を積層する工程と前記半
導体結晶上に絶縁膜を積層する工程と前記絶縁膜の一部
を除去する工程と前記絶縁膜に被覆されていない領域上
に半導体結晶を積層する工程で半導体リング共振器の製
造方法を構成し、前記第二の課題を解決するために、基
板と、前記基板上に積層した六角柱の下クラッド層と、
前記下クラッド層上に積層した六角柱の活性層と、前記
活性層上に積層した六角柱の上クラッド層を有し、前記
上クラッド層の上端の六角形の六辺の内の少なくとも一
辺を含む縁の部分がエッチングされている半導体リング
共振器、もしくは基板と、前記基板上に積層し、最近接
間隔が共振器内を伝搬する光のグース・ヘーシェンシフ
ト量以下である複数の六角柱の下クラッド層と、前記下
クラッド層上に積層した六角柱の活性層と、前記活性層
上に積層した六角柱の上クラッド層を有し、前記下クラ
ッド層の一部と前記活性層の一部と前記上クラッド層の
一部がエッチングされている半導体リング共振器を構成
し、前記第三の課題を解決するために、基板と、前記基
板上に積層し、最近接間隔が共振器内を伝搬する光のグ
ース・ヘーシェンシフト量以下である複数の六角柱の下
クラッド層と、前記下クラッド層上に積層した六角柱の
活性層と、前記活性層上に積層した六角柱の上クラッド
層を有する半導体リング共振器を構成する。
【0014】
【作用】本発明の半導体リング共振器の製造方法では、
基板の露出した領域上に六方晶半導体をエピタキシャル
成長させ、基板に平行な方向への成長による六角形の台
座を形成しリング共振器を構成するもので、微小かつ高
精度な共振器長の設定が可能で、また共振器端面がエピ
タキシャル成長により形成され、原子サイズオーダーで
共振器端面の平坦性が得られるため、共振器損失の小さ
い半導体リング共振器を得ることができる。
【0015】また、前記半導体リング共振器の一部の領
域のエッチングを施して前記半導体リング共振器の内外
の屈折率差を低減し光の臨界角を大きくすることによ
り、高効率の出射光取り出しが可能な半導体リング共振
器を得ることができる。
【0016】また、前記半導体リング共振器の上部の中
心から共振器の内接円半径より少し小さい半径の部分の
エッチングを施して注入キャリアおよび伝搬光を共振器
端面に局在させることにより低しきい値電流を持つ半導
体リング共振器を得ることができる。
【0017】また、複数の半導体リング共振器を全反射
光が伝搬する接近して形成することにより発光スペクト
ル幅の狭化、波長可変、高効率出射光取り出しが可能な
半導体リング共振器を得ることができる。
【0018】
【実施例】
(第1の実施例)本発明の第1の実施例について説明す
る。図1は第1の実施例における製造工程の模式図であ
る。サファイア基板101上に酸化膜からなる絶縁膜1
02を熱CVDで堆積し(a)のような構造を形成す
る。続いてフォトリソグラフィによって、前記絶縁膜上
に直径1000Åの円形領域を除去したレジストエッチ
ングマスクを形成し、前記絶縁膜を四フッ化炭素による
反応性イオンエッチングにより前記サファイア基板10
1が露出するまでエッチングし(b)のような構造の試
料を形成する。前記レジストエッチングマスクのパター
ンは、直径および形が必ずしも正確でなくても、前記サ
ファイア基板101の露出領域が六方晶半導体の針状結
晶成長可能である程度に微小な領域であればよい。また
前記サファイア基板101の代わりに多結晶アルミナ基
板を用い、前記絶縁膜マスク102形成の代わりに電子
線もしくはイオンビームを照射して針状結晶成長可能な
微小領域を単結晶化する工程を用いてもよい。
【0019】次に有機金属気相成長法により六方晶リン
グ共振器構造を形成する。図2は第1の実施例における
有機金属気相成長時の成長温度の切り換えのタイミング
を示すグラフである。まず、有機金属気相成長装置の反
応管内に前記試料(b)を装荷し、前記サファイア基板
101に垂直な方向の成長速度が前記サファイア基板1
01に平行な方向の成長速度に比べて著しく大きくなる
成長条件を満たす成長温度1000℃まで前記反応管内
を水素およびアンモニア雰囲気で10分間昇温する。そ
れから次の3分間、成長温度1000℃を保ちながら前
記反応管内に水素、アンモニア、トリメチルアルミニウ
ム、トリメチルガリウムを供給することによりn型Al
GaNクラッド層103を膜厚1000Å形成し(c)
のような構造を形成する。
【0020】それから次の3分間、前記反応管内の降温
を開始し前記サファイア基板101に平行な方向の成長
速度が前記サファイア基板101に垂直な方向の成長速
度に比べて著しく大きくなる成長条件を満たす成長温度
800℃に設定する。この時間も引き続き前記反応管内
に水素、アンモニア、トリメチルアルミニウム、トリメ
チルガリウムを供給し前記n型AlGaNクラッド層1
03を成長する。このとき成長方向は前記サファイア基
板101に垂直な方向から平行な方向へ徐々に変化する
ため、(d)のような構造を経て前記n型AlGaNク
ラッド層103の上端に析出する形状が、最長対角線の
長さが1500Åである六角形となり(e)のような構
造が得られる。それから次の6分間は成長温度800℃
を保持しながら引き続き前記反応管内に水素、アンモニ
ア、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウムを供
給し前記n型AlGaNクラッド層103を前記サファ
イア基板101に平行な方向へ成長し(f)のような最
長対角線の長さが2000Åである六角形の台座構造を
形成する。
【0021】その後アルキル化合物の供給を停止するこ
とにより成長を5分間中断し1000℃まで前記反応管
を水素およびアンモニア雰囲気で昇温する。それから次
の3分間は、再び前記反応管内への水素、アンモニア、
トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウムの供給を
開始し、前記n型AlGaNクラッド層103を前記サ
ファイア基板101に垂直な方向へさらに膜厚1000
Åを六角柱状に成長して(g)のような構造を形成す
る。さらに次の0.3分間、前記反応管内への水素、ア
ンモニア、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム
を供給して膜厚100ÅのInGaN活性層105を形
成して(h)のような構造を形成し、さらに次の3分
間、前記反応管内への水素、アンモニア、トリメチルア
ルミニウム、トリメチルガリウム、ジエチルジンクを供
給して膜厚1000Åのp型AlGaNクラッド層10
6を形成することにより、(i)のような共振器構造を
形成し結晶成長工程を終了する。
【0022】この後電極形成、実装工程を行って完成さ
せる。図3は前記半導体リング共振器における活性層内
を伝搬する光の経路の模式図である。伝搬光は各端面反
射鏡に対して60度で入射し全反射されながら正六角形
状に周回しながら伝搬する。
【0023】以上のように第一の実施例による方法によ
って、共振器形成にエッチング工程を用いないため、原
子サイズオーダーで平坦な端面反射鏡を有する低損失の
微小半導体リング共振器の形成が可能であり低しきい値
化が図られる。また成長温度800℃における前記n型
AlGaNクラッド層103の成長時間の調整によって
前記六角形台座の大きさすなわち共振器長が数Å単位の
高精度で制御可能である。
【0024】(第2の実施例)次に本発明の第2の実施
例について説明する。図4は一端面からの出射光の取り
出しを行う半導体リング共振器の前記台座より上の部分
の模式構造図である。第1の実施例によって形成した前
記リング共振器構造において前記p型AlGaNクラッ
ド層105の上端の六角形の内一辺を含む領域を上クラ
ッド途中までエッチングすることにより、InGaN活
性層104において、エッチングされた領域の直下のに
おける領域の有効屈折率がその他の領域の有効屈折率の
比べ小さくなる。すなわち存在する6つの端面反射鏡の
内で一つの端面反射鏡のみ前記半導体リング共振器内を
伝搬する光の臨界角が大きくなり外部への有限の透過率
が確保できる。本発明を用いればエッチングの深さによ
り光の透過率が調整でき、高効率の光取り出しが可能と
なる。
【0025】(第3の実施例)次に本発明の第3の実施
例について述べる。図5(a)は量子効率を高めるため
の工程を施した半導体リング共振器の前記台座より上の
部分の模式構造図である。p側電極401および前記p
型AlGaNクラッド層105の途中までをくり貫い
て、電子が共振器の外周近くに集中的に注入される構造
をとる。
【0026】図5の(b)および(c)はそれぞれ、第
3の実施例を施したものと施していないもののキャリア
注入と発光の様子を表した前記リング共振器構造の模式
断面図である。
【0027】前記半導体リング共振器内では光は共振器
の外周に沿って伝搬するため、発光再結合に寄与するキ
ャリアと発振モードに寄与する光とは活性層内全体に存
在しているよりも、共振器外周に局在している方が効率
が高くなりしきい値電流が低減する。p側電極401を
形成した後、前記共振器上端から共振器の内接円半径よ
り少し小さい半径1500Åの部分を前記p側電極40
1およびp型AlGaNクラッド層105の途中までエ
ッチングする。この工程を加えることにより注入キャリ
アは端面反射鏡近傍に注入され、また光も有効屈折率分
布により端面反射鏡近傍に閉じ込められるので効率が増
大ししきい値電流が低減できる。
【0028】なお特に前記エッチングパターンは円形で
ある必要はない。 (第4の実施例)次に本発明の第4の実施例について述
べる。図6(a)に2つの前記半導体リング共振器を接
近して形成した半導体リング共振器の前記台座より上の
部分の模式構造図を示す。第1のリング共振器を第2の
リング共振器を再近接距離50Åで位置した構造をと
る。この構造は第1の実施例での製作工程における前記
絶縁膜のエッチングを接近した2カ所で行うこと以外は
第1の実施例と同じ工程で得られる。前記絶縁膜マスク
を最近接間隔1000Åで2カ所に形成し第1の実施例
の条件で共振器形成を行うと、第1の実施例で示した半
導体リング共振器が最近接間隔50Åで2つ形成され
る。
【0029】図6(b)は光の伝搬の様子を示す構造図
である。共振器端面で光は全反射しながらもわずかに外
部へはみ出してから反射する。この光のはみ出す距離を
をグース・ヘンシェンシフト量という。共振器内を伝搬
する光の波長を500nm、前記InGaN活性層の屈
折率を2.7とすると伝搬光のグース・ヘーシェンシフ
ト量はTEモードが372Å、TMモードが51Åである
ため、2つの共振器の最近接間隔は、伝搬光の共振器端
面におけるグース・ヘーシェンシフト量を下回り、2つ
の共振器間で光は伝搬される。この光の結合をエバネッ
セント波結合という。2つの半導体リング共振器501
と502の間隔503は、半導体のエッチング工程は用
いず、絶縁膜のエッチングパターンの間隔および前記有
機金属化学成長法における前記n型AlGaNクラッド
層103の成長時間により制御できるため前記半導体リ
ング共振器間を高精度かつ微小な間隔に設定することが
可能であり、多数のリング共振器の高密度、大規模な集
積化が可能である。この技術を用いて発振スペクトルの
狭化が可能となる。
【0030】図6(a)において2つの半導体リング共
振器501および502に別々に電極を設け、一方の半
導体リング共振器501にはしきい値以上の電流を注入
して発振動作させ、もう一方の半導体リング共振器50
2はしきい値以下のバイアス電流を注入してアクティブ
フィルタモードで動作させる。アクティブフィルタモー
ドで動作させている半導体リング共振器502のバイア
ス電流をしきい値電流に近づけるほど共振ピークが急峻
となりその出力として、発振動作させている半導体リン
グ共振器501のスペクトル半値幅を狭化したスペクト
ルが得られる。
【0031】またアクティブフィルタモードで動作させ
ている半導体リング共振器502のバイアス電流を変化
させることによって前記共振器502内部の屈折率が変
化し従って共振ピークが変化するため前記共振器501
より前記共振器502に入力されたスペクトルに対し
て、バイアス電流に応じたピーク波長をもつスペクトル
が前記共振器502より得られる。すなわちこの半導体
リング共振器は波長可変レーザとして機能する。
【0032】(第5の実施例)次に本発明の第5の実施
例について述べる。第4の実施例の技術を用いて高効率
の光取り出しが可能となる。図7(a)には半導体リン
グ共振器による発振光の高効率取り出しが可能な半導体
リング共振器のメサ部分の構造図を示す。2つのリング
共振器の内一方を共振器内部の光が全反射されずに外部
へ出射する構造をとる。2つの半導体リング共振器50
1および502のうち一方の502は共振器上端の六角
形の、エバネッセント波結合されている共振器端面に平
行な最長対角線を境界として、エバネッセント波結合さ
れていない方の部分を活性層の下までエッチングして光
取り出し端面601を形成し、光が周回伝搬せず外部に
出射するような形状にする。前記半導体リング共振器5
01を電流注入により発振動作させ502でその発振光
をエバネッセント波結合により受光しその光を前記光取
り出し端面601より外部へ出射させる。
【0033】図7(b)は光の伝搬の様子を示す構造図
である。この方法によれば前記半導体リング共振器50
1の形状に手を加えることなく効率よく光を取り出すこ
とができる。また発振光のTEモードとTMモードでは
グース・ヘーシェンシフト量に差違がありエバネッセン
ト波結合による透過率が異なるため、前記両半導体リン
グ共振器501および502間の間隙503を調整する
ことによってTE、TM両モードを分離することも可能
となる。
【0034】さらに3つ以上の半導体リング共振器を上
記の工程で制作することにより大規模な集積度が得ら
れ、かつ上記の機能を組み合わせて得ることが可能とな
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、微小領域に六方晶構造
半導体のダブルヘテロ構造を成長することにより原子サ
イズオーダーで平坦な共振器端面が得られるため微小で
低損失の半導体リング共振器を作製することができる。
【0036】また本発明によれば共振器の一部をエッチ
ングすることによって共振器内外屈折率差が低減される
ためウィスパリングギャラリーモードで発振する低損失
の半導体リングレーザにおいても光取り出し効率が制御
可能となる。
【0037】また本発明によれば共振器上部の一部をエ
ッチングすることによって注入キャリアおよび光が共振
器端面近傍に局在するため量子効率の高い半導体リング
共振器が得られる。
【0038】また本発明によればエバネッセント波結合
が可能になるほど接近して複数の半導体リング共振器が
形成されるため、スペクトルの狭化や波長可変が可能と
なりまた大規模集積化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における半導体リング共
振器の製造工程の模式構造図
【図2】本発明の第1の実施例における結晶成長工程の
時刻に対する成長温度の切り換えの説明図
【図3】本発明の第1の実施例における半導体リング共
振器の活性層内における光伝搬の模式図
【図4】本発明の第2の実施例における半導体リング共
振器の模式構造図
【図5】本発明の第3の実施例における半導体リング共
振器の模式構造図
【図6】本発明の第4の実施例における半導体リング共
振器の模式断面図
【図7】本発明の第5の実施例における半導体リング共
振器の模式構造図
【図8】導波路型半導体リングレーザの従来例の模式構
造図
【図9】円柱型半導体リングレーザの従来例の模式構造
【符号の説明】
101 基板 102 絶縁膜 103 n型AlGaNクラッド層 104 InGaN活性層 105 p型AlGaNクラッド層 301 伝搬光の経路 501 p側電極 511 再結合発光に寄与する注入電子 512 キャリア再結合により発生する光 513 発振のモードに寄与する光の領域 601 第1の半導体リング共振器 602 第2の半導体リング共振器 603 第1および第2の半導体リング共振器の間隙 701 光取り出し端面 801 端面反射鏡 802 導波路幅 803 下クラッド層 804 活性層 805 上クラッド層
フロントページの続き (72)発明者 大仲 清司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上に積層した六角柱の下
    クラッド層と、前記下クラッド層上に積層した六角柱の
    活性層と、前記活性層上に積層した六角柱の上クラッド
    層とを有することを特徴とした六方晶半導体リング共振
    器。
  2. 【請求項2】前記上クラッド層の上端から前記上クラッ
    ドの途中の深さまで、上端の六角形の六辺の内の少なく
    とも一辺を含む縁の部分を除去し、その直下の前記活性
    層中の実効屈折率が他の領域の活性層中の実効屈折率に
    比して低いことを特徴とした請求項1記載の六方晶半導
    体リング共振器。
  3. 【請求項3】前記上クラッド層の上端から前記上クラッ
    ドの途中の深さまで、中心が上部六角形の中心と同一の
    円形の部分を除去し、その直下の前記活性層中の光閉じ
    込め係数が他の領域の活性層中の光閉じ込め係数に比し
    て小さいことを特徴とした請求項1記載の六方晶半導体
    リング共振器。
  4. 【請求項4】前記活性層内の伝搬光の端面反射鏡におけ
    る前記共振器のグース・ヘーシェンシフト量より小さい
    間隔で請求項1記載の六方晶半導体リング共振器を単一
    基板上に2つ有し、その内一つの第一六方晶半導体リン
    グ共振器の伝搬光がもう一つの第二六方晶半導体リング
    共振器へ伝搬するような結合を可能としたことを特徴と
    した六方晶半導体リング共振器。
  5. 【請求項5】前記第二六方晶半導体リング共振器の一部
    を、前記上クラッド層上端から少なくとも前記活性層下
    端まで除去して高透過率の端面反射鏡を形成し、前記第
    一六方晶半導体リング共振器より前記第二六方晶半導体
    リング共振器へ結合された伝搬光の共振器外への放射を
    可能とする請求項4記載の六方晶半導体リング共振器。
  6. 【請求項6】六方晶半導体の針状結晶成長を可能とする
    ような微小領域の基板上に、前記基板に平行な方向の結
    晶成長が支配的な条件で六方晶半導体を針状成長させ六
    角柱状メサの下クラッド層を形成する工程と、前記基板
    に垂直な方向の結晶成長が支配的な成長条件で前記下ク
    ラッド層上に活性層を成長する工程と、前記基板に垂直
    な方向の結晶成長が支配的な成長条件で前記活性層上に
    上クラッド層を成長する工程を備えたことを特徴とした
    六方晶半導体リング共振器の製造方法。
  7. 【請求項7】前記基板上に絶縁膜を積層する工程と、前
    記絶縁膜の一部を除去し六方晶半導体の針状結晶成長を
    可能とするような微小領域のみ前記基板を露出させる工
    程を備えたことを特徴とした請求項6記載の六方晶半導
    体リング共振器の製造方法。
  8. 【請求項8】多結晶基板上の一部にに電子ビームを照射
    し六方晶半導体の針状結晶成長を可能とするような微小
    領域のみ前記基板を単結晶化する工程を備えたことを特
    徴とした請求項6記載の六方晶半導体リング共振器の製
    造方法。
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