JP2000281473A - 堆肥発酵処理装置 - Google Patents
堆肥発酵処理装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W30/40—Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】好気発酵を促進して、悪臭発生を出さずに良質
の堆肥を迅速に製造するための堆肥発酵処理装置を提供
する。 【解決手段】発酵槽の堆肥排出口側から堆肥原料投入口
側に向けて移動しながら堆肥原料を上方に揚送して落下
させる切り返し装置を備えた堆肥発酵処理装置におい
て、切り返し装置の堆肥原料落下位置に、落下してくる
堆肥原料を砕いて飛散させる粉砕機を設ける。好ましく
は、発酵槽の悪臭空気を発酵槽の下面から堆肥層に吸収
させる悪臭吸収装置を設ける。さらに好ましくは、畜舎
から出る家畜の糞尿汚水を発酵槽の下面から堆肥層に吸
収させる汚水処理装置を設ける。
の堆肥を迅速に製造するための堆肥発酵処理装置を提供
する。 【解決手段】発酵槽の堆肥排出口側から堆肥原料投入口
側に向けて移動しながら堆肥原料を上方に揚送して落下
させる切り返し装置を備えた堆肥発酵処理装置におい
て、切り返し装置の堆肥原料落下位置に、落下してくる
堆肥原料を砕いて飛散させる粉砕機を設ける。好ましく
は、発酵槽の悪臭空気を発酵槽の下面から堆肥層に吸収
させる悪臭吸収装置を設ける。さらに好ましくは、畜舎
から出る家畜の糞尿汚水を発酵槽の下面から堆肥層に吸
収させる汚水処理装置を設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は堆肥の発酵処理装置
に関し、特に、畜糞などの農業有機排泄物や生ごみなど
の生活雑排物を材料とする堆肥の発酵処理装置に関す
る。
に関し、特に、畜糞などの農業有機排泄物や生ごみなど
の生活雑排物を材料とする堆肥の発酵処理装置に関す
る。
【０００２】
【発明の背景】従来、堆肥の主な原料は畜糞等の農業有
機排泄物であったが、最近は食品残査等の生ごみの焼却
が困難になってきたことやリサイクルの認識が高まって
きたところからこれらの生ごみを農業有機排泄物に混合
して堆肥化することが行われている。他方、環境問題に
対する認識の高まりから、堆肥製造時の悪臭、汚水の問
題を解決することが大きな課題となり、さらには、農業
技術の進歩から堆肥の品質に対する要求が厳しくなって
いる。
機排泄物であったが、最近は食品残査等の生ごみの焼却
が困難になってきたことやリサイクルの認識が高まって
きたところからこれらの生ごみを農業有機排泄物に混合
して堆肥化することが行われている。他方、環境問題に
対する認識の高まりから、堆肥製造時の悪臭、汚水の問
題を解決することが大きな課題となり、さらには、農業
技術の進歩から堆肥の品質に対する要求が厳しくなって
いる。
【０００３】
【従来の技術】堆肥製造工程は一般に、堆肥材料を圧縮
混練して昇温させ、発酵槽で発酵させた後、所定時間養
生して製品となるものであるが、上記のような堆肥材料
の増加、環境問題、品質に対応するためにいろいろな発
酵処理装置が提案されており、中でも効率の良い発酵処
理装置としてスクープ方式の装置が広く使用されてい
る。
混練して昇温させ、発酵槽で発酵させた後、所定時間養
生して製品となるものであるが、上記のような堆肥材料
の増加、環境問題、品質に対応するためにいろいろな発
酵処理装置が提案されており、中でも効率の良い発酵処
理装置としてスクープ方式の装置が広く使用されてい
る。
【０００４】このスクープ式発酵処理装置は、発酵槽の
長手方向に沿って移動する架台に、斜め上方に向けて回
動するエンドレスの揚送手段を支持した切り返し装置を
用い、発酵槽の後部から前部に向けて移動しながら、堆
肥原料を上方に揚送して落下させ、落下の過程で空気に
触れさせて好気発酵を促そうというものである。
長手方向に沿って移動する架台に、斜め上方に向けて回
動するエンドレスの揚送手段を支持した切り返し装置を
用い、発酵槽の後部から前部に向けて移動しながら、堆
肥原料を上方に揚送して落下させ、落下の過程で空気に
触れさせて好気発酵を促そうというものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
に食品残査が混合される最近の堆肥材料は多糖類を多く
含むため、これらを混練・撹拌した堆肥原料は粘質性が
高く、団塊になり易い。しかも一旦、団塊になると表面
から乾燥して硬くなり、砕けにくくなるとともに、表面
硬化のために団塊の内部は水分が下がらず酸素が入りに
くいために嫌気的発酵となって悪臭を発生させる。ま
た、従来の装置は好気発酵を目的として、発酵槽の下部
から空気を送っているが、堆肥原料が団塊となることに
より全体の空気の通りが良くなり、乾燥が急速に進み、
内部の発酵が完了しないままで見かけ上の発酵が終了し
てしまう。このため、堆肥化後に外気温度が上昇し水分
を含むと悪臭を発生させながら再度発酵し、いわゆる二
次発酵による悪臭発生の環境問題が発生する。また、団
塊内部の発酵が完了しない状態で土壌に入ると土中でガ
スを発生し、作物生育の障害となる。
に食品残査が混合される最近の堆肥材料は多糖類を多く
含むため、これらを混練・撹拌した堆肥原料は粘質性が
高く、団塊になり易い。しかも一旦、団塊になると表面
から乾燥して硬くなり、砕けにくくなるとともに、表面
硬化のために団塊の内部は水分が下がらず酸素が入りに
くいために嫌気的発酵となって悪臭を発生させる。ま
た、従来の装置は好気発酵を目的として、発酵槽の下部
から空気を送っているが、堆肥原料が団塊となることに
より全体の空気の通りが良くなり、乾燥が急速に進み、
内部の発酵が完了しないままで見かけ上の発酵が終了し
てしまう。このため、堆肥化後に外気温度が上昇し水分
を含むと悪臭を発生させながら再度発酵し、いわゆる二
次発酵による悪臭発生の環境問題が発生する。また、団
塊内部の発酵が完了しない状態で土壌に入ると土中でガ
スを発生し、作物生育の障害となる。
【０００６】また、従来の発酵処理装置は悪臭を処理す
るために発酵槽にフードを設け、フード内の悪臭空気を
脱臭装置で処理して大気に放出している。従って、脱臭
装置を別途設けなけらばならず、コスト高になってい
た。
るために発酵槽にフードを設け、フード内の悪臭空気を
脱臭装置で処理して大気に放出している。従って、脱臭
装置を別途設けなけらばならず、コスト高になってい
た。
【０００７】さらに、従来の発酵処理装置は家畜の糞尿
汚水を処理するために発酵槽の堆肥原料の上方から汚水
を散水しているが、このような処理は、とくに悪臭の強
い汚水を空中に放散することになるため悪臭発生を増大
させる結果になっていた。
汚水を処理するために発酵槽の堆肥原料の上方から汚水
を散水しているが、このような処理は、とくに悪臭の強
い汚水を空中に放散することになるため悪臭発生を増大
させる結果になっていた。
【０００８】従って、本発明の第１の目的は、好気発酵
を促進して、悪臭発生を出さずに良質の堆肥を迅速に製
造するための堆肥発酵処理装置を提供することにある。
を促進して、悪臭発生を出さずに良質の堆肥を迅速に製
造するための堆肥発酵処理装置を提供することにある。
【０００９】本発明の第２の目的は、発酵槽内に発生し
た悪臭を脱臭装置を用いずに発酵槽内で分解・吸収する
上記堆肥発酵処理装置を提供することにある。
た悪臭を脱臭装置を用いずに発酵槽内で分解・吸収する
上記堆肥発酵処理装置を提供することにある。
【００１０】本発明の第３の目的は、畜舎などから排出
される家畜の糞尿汚水を悪臭を放出させずに発酵・分解
させる上記堆肥発酵処理装置を提供することにある。
される家畜の糞尿汚水を悪臭を放出させずに発酵・分解
させる上記堆肥発酵処理装置を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために、本発明の堆肥発酵処理装置は、堆肥原料を投
入する発酵槽と、この発酵槽の長手方向に沿って移動す
る架台に支持され、発酵槽の堆肥排出口側から堆肥原料
投入口側に向けて移動しながら、斜め上方に向けて回動
するエンドレスの揚送手段によって堆肥原料を上方に揚
送して落下させる切り返し装置、とを有するスクープ式
堆肥発酵処理装置において、前記切り返し装置の堆肥原
料落下位置に、落下してくる堆肥原料を砕いて飛散させ
る粉砕機を設けたことを特徴とする。
るために、本発明の堆肥発酵処理装置は、堆肥原料を投
入する発酵槽と、この発酵槽の長手方向に沿って移動す
る架台に支持され、発酵槽の堆肥排出口側から堆肥原料
投入口側に向けて移動しながら、斜め上方に向けて回動
するエンドレスの揚送手段によって堆肥原料を上方に揚
送して落下させる切り返し装置、とを有するスクープ式
堆肥発酵処理装置において、前記切り返し装置の堆肥原
料落下位置に、落下してくる堆肥原料を砕いて飛散させ
る粉砕機を設けたことを特徴とする。
【００１２】上記第２の目的を達成するために、本発明
は、上記堆肥発酵処理装置において、堆肥発酵槽の一部
又は全部の上方を覆うフードと、このフードの内部と発
酵槽の床面間に配設され、フード内の悪臭空気を吸引し
て堆肥原料の下方から長手方向の多数の排気孔群を介し
て放出する通気管路と、を備えた悪臭吸収装置を有する
ことをさらに特徴とする。
は、上記堆肥発酵処理装置において、堆肥発酵槽の一部
又は全部の上方を覆うフードと、このフードの内部と発
酵槽の床面間に配設され、フード内の悪臭空気を吸引し
て堆肥原料の下方から長手方向の多数の排気孔群を介し
て放出する通気管路と、を備えた悪臭吸収装置を有する
ことをさらに特徴とする。
【００１３】この場合、前記フードを、発酵槽の堆肥原
料投入口側から長手方向に沿って所定範囲にわたって設
けるとともに、発酵槽床面の前記通気管路の排気孔群
を、堆肥排出口側の所定範囲にわたって配設し、原料投
入口側で発生するフード内の悪臭が発酵の進んだ堆肥層
に吸収されるようにすることが望ましい。
料投入口側から長手方向に沿って所定範囲にわたって設
けるとともに、発酵槽床面の前記通気管路の排気孔群
を、堆肥排出口側の所定範囲にわたって配設し、原料投
入口側で発生するフード内の悪臭が発酵の進んだ堆肥層
に吸収されるようにすることが望ましい。
【００１４】上記第３の目的を達成するために、本発明
は、上記堆肥発酵処理装置において、家畜等の糞尿の汚
水槽と、この汚水槽から圧送手段を介在させて発酵槽床
面に配設された汚水供給管と、堆肥排出口側床面の所定
範囲の汚水供給管に所定間隔をもって形成された注出孔
を有し、汚水供給管から送られる前記汚水を発酵の進ん
だ発酵槽の堆肥に下方から注入する汚水処理装置を設け
たことをさらに特徴とする。
は、上記堆肥発酵処理装置において、家畜等の糞尿の汚
水槽と、この汚水槽から圧送手段を介在させて発酵槽床
面に配設された汚水供給管と、堆肥排出口側床面の所定
範囲の汚水供給管に所定間隔をもって形成された注出孔
を有し、汚水供給管から送られる前記汚水を発酵の進ん
だ発酵槽の堆肥に下方から注入する汚水処理装置を設け
たことをさらに特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】図は本発明によるスクープ式堆肥
発酵処理装置の一実施例を示すもので、発酵槽１は、堆
肥製造の混練、加圧工程で発酵温度に昇温させた堆肥原
料２を投入して発酵工程を行うための処理槽であり、ス
クープ式の発酵処理槽では、後述する移動式切り返し装
置３で切り返しを自動的に行うために、切り返し装置が
往復走行するのに充分な長さと巾を有し、切り返し中に
堆肥原料が槽外にこぼれないように適宜の深さに形成さ
れている。
発酵処理装置の一実施例を示すもので、発酵槽１は、堆
肥製造の混練、加圧工程で発酵温度に昇温させた堆肥原
料２を投入して発酵工程を行うための処理槽であり、ス
クープ式の発酵処理槽では、後述する移動式切り返し装
置３で切り返しを自動的に行うために、切り返し装置が
往復走行するのに充分な長さと巾を有し、切り返し中に
堆肥原料が槽外にこぼれないように適宜の深さに形成さ
れている。
【００１６】発酵槽１の内部には、発酵槽１の長手方向
に移動しながら堆肥原料をすくい上げ、斜め上方に揚送
して落下させる堆肥切り返し装置３が装備されている。
図の実施例の切り返し装置３は、モータ等の揚送駆動手
段４によって斜め上方に向けて回動するエンドレスのキ
ャタピラ５に沿って多数のスクープブラケット６を固定
した揚送装置７を備えている。
に移動しながら堆肥原料をすくい上げ、斜め上方に揚送
して落下させる堆肥切り返し装置３が装備されている。
図の実施例の切り返し装置３は、モータ等の揚送駆動手
段４によって斜め上方に向けて回動するエンドレスのキ
ャタピラ５に沿って多数のスクープブラケット６を固定
した揚送装置７を備えている。
【００１７】揚送装置７は、発酵槽１の長手方向に固定
したレール８に沿って往復走行する架台９に支持されて
おり、架台移動モータ１０によって自走する架台９と一
体になって発酵槽１内の長手方向に往復移動するように
なっている。
したレール８に沿って往復走行する架台９に支持されて
おり、架台移動モータ１０によって自走する架台９と一
体になって発酵槽１内の長手方向に往復移動するように
なっている。
【００１８】かくして、切り返し装置３は、揚送装置７
のスクープブラケット６ですくい上げた堆肥原料２を落
下させながら発酵槽１の堆肥排出口側１ｂから堆肥原料
投入口側１ａに向けて移動し、これにより発酵槽１の堆
肥原料２の切り返しを行い、堆肥原料２を空気に接触さ
せて好気菌による好気的発酵を促すようにしている。
のスクープブラケット６ですくい上げた堆肥原料２を落
下させながら発酵槽１の堆肥排出口側１ｂから堆肥原料
投入口側１ａに向けて移動し、これにより発酵槽１の堆
肥原料２の切り返しを行い、堆肥原料２を空気に接触さ
せて好気菌による好気的発酵を促すようにしている。
【００１９】ところが、前述のように、畜糞などの畜産
排泄物と生ごみなど混合物を圧縮混練した堆肥原料は、
粘質性が高く、団塊になっているので切り返し装置３か
ら落下させただけでは空気との接触が不充分であること
から嫌気的発酵となって悪臭を出す。この問題を解決す
るために、本発明は、切り返し装置３の堆肥落下位置、
すなわち、揚送装置７の裏側に、揚送装置７の上端から
落下してくる団塊状の堆肥原料２に衝撃を与え、破砕及
び飛散させる粉砕機１１が設けられている。
排泄物と生ごみなど混合物を圧縮混練した堆肥原料は、
粘質性が高く、団塊になっているので切り返し装置３か
ら落下させただけでは空気との接触が不充分であること
から嫌気的発酵となって悪臭を出す。この問題を解決す
るために、本発明は、切り返し装置３の堆肥落下位置、
すなわち、揚送装置７の裏側に、揚送装置７の上端から
落下してくる団塊状の堆肥原料２に衝撃を与え、破砕及
び飛散させる粉砕機１１が設けられている。
【００２０】揚送装置７は下端回動部が発酵槽１の床面
に強い力で衝突しないように、ロープ２４等で床面より
若干上方へ吊るすか、あるいはキャスタなどの脚をつけ
てもよい。また、切り返し装置３による堆肥の切り返し
作業は、発酵槽１の堆肥排出口側１ｂ（後部）から堆肥
原料投入口側１ａ（前部）までを１サイクルとして数サ
イクル繰り返して行われる。切り返し装置３を排出口側
端部に戻すときは、ロープ２４をモータ２５で巻き上げ
て揚送装置７の下端を上方へ引き上げ、架台移動モータ
１０を逆転させて自動操作するのが好ましい。
に強い力で衝突しないように、ロープ２４等で床面より
若干上方へ吊るすか、あるいはキャスタなどの脚をつけ
てもよい。また、切り返し装置３による堆肥の切り返し
作業は、発酵槽１の堆肥排出口側１ｂ（後部）から堆肥
原料投入口側１ａ（前部）までを１サイクルとして数サ
イクル繰り返して行われる。切り返し装置３を排出口側
端部に戻すときは、ロープ２４をモータ２５で巻き上げ
て揚送装置７の下端を上方へ引き上げ、架台移動モータ
１０を逆転させて自動操作するのが好ましい。
【００２１】図の実施例の粉砕機１１は粉砕機駆動モー
タ１２によって高速回動する回転軸に複数の破砕部材１
３を固設した構造になり、落下してくる堆肥の塊りに対
抗して破砕部材１３が高速回転して堆肥団塊の下方から
強い回転衝撃を与えるようになっている。このようにし
て、堆肥原料が破砕部材１３によって粉砕、飛散される
ことにより、団塊が砕かれた状態で空気によく接触す
る。また、破砕部材１３で上方へ飛散させられることに
より、空気との接触滞空時間が長くなると同時に、砕か
れた堆肥原料が雪が降るようにふんわりと広範囲に堆積
することにより、切り返した堆肥原料の堆積層内に空気
が充分に入り急速に好気発酵分解が進む。従って、汚水
や悪臭を出すことなく発酵、分解が迅速に完了する。こ
のように、本発明は粉砕機により、堆肥原料の破砕によ
る空気接触の向上、飛散による空気接触の向上、堆積後
の空気接触の向上という、三つの作用が同時に得られる
のである。
タ１２によって高速回動する回転軸に複数の破砕部材１
３を固設した構造になり、落下してくる堆肥の塊りに対
抗して破砕部材１３が高速回転して堆肥団塊の下方から
強い回転衝撃を与えるようになっている。このようにし
て、堆肥原料が破砕部材１３によって粉砕、飛散される
ことにより、団塊が砕かれた状態で空気によく接触す
る。また、破砕部材１３で上方へ飛散させられることに
より、空気との接触滞空時間が長くなると同時に、砕か
れた堆肥原料が雪が降るようにふんわりと広範囲に堆積
することにより、切り返した堆肥原料の堆積層内に空気
が充分に入り急速に好気発酵分解が進む。従って、汚水
や悪臭を出すことなく発酵、分解が迅速に完了する。こ
のように、本発明は粉砕機により、堆肥原料の破砕によ
る空気接触の向上、飛散による空気接触の向上、堆積後
の空気接触の向上という、三つの作用が同時に得られる
のである。
【００２２】このようにして好気的発酵により発酵中の
悪臭の発生が著しく抑制されるが、堆肥原料そのものに
悪臭があるのでその対策が必要になる。すなわち、図
２、図３のように、本発明の上記発酵処理装置では発酵
槽１の全長の堆肥原料投入口側１ａから所定の範囲、例
えば、堆肥原料投入口側１ａから約３分の２の範囲のと
ころで発酵が完了し、堆肥排出口側１ｂから約３分の１
のところでは悪臭の発生はほとんどなくなるが、投入口
から約３分の２の範囲では発酵が完了していないため堆
肥原料自体の悪臭が出る。
悪臭の発生が著しく抑制されるが、堆肥原料そのものに
悪臭があるのでその対策が必要になる。すなわち、図
２、図３のように、本発明の上記発酵処理装置では発酵
槽１の全長の堆肥原料投入口側１ａから所定の範囲、例
えば、堆肥原料投入口側１ａから約３分の２の範囲のと
ころで発酵が完了し、堆肥排出口側１ｂから約３分の１
のところでは悪臭の発生はほとんどなくなるが、投入口
から約３分の２の範囲では発酵が完了していないため堆
肥原料自体の悪臭が出る。
【００２３】そこで、本発明の堆肥発酵処理装置は、図
２に示すように、堆肥発酵槽１の一部又は全部の上方を
フード１４で覆い、悪臭空気が外に出ないようにすると
ともに、フード１４内の悪臭を吸引して発酵槽１内の堆
肥原料２の下方、特に、発酵の進んだ堆肥原料２の下方
から堆肥原料に向けて、好ましくはエアレーシヨンとし
て放出する悪臭吸収装置１５を設けてある。図の実施例
の悪臭吸収装置１５は、フード１４に連通するダクト１
６と、このダクト１６に介装され、フード１４内の臭気
を吸引する送風機１７と、ダクト１６に連通し、多数の
吹出孔１８を形成した通気管１９から成り、通気管１９
をその吹出孔１８を上に向けて発酵槽１の床面に敷設し
た構成になっている。
２に示すように、堆肥発酵槽１の一部又は全部の上方を
フード１４で覆い、悪臭空気が外に出ないようにすると
ともに、フード１４内の悪臭を吸引して発酵槽１内の堆
肥原料２の下方、特に、発酵の進んだ堆肥原料２の下方
から堆肥原料に向けて、好ましくはエアレーシヨンとし
て放出する悪臭吸収装置１５を設けてある。図の実施例
の悪臭吸収装置１５は、フード１４に連通するダクト１
６と、このダクト１６に介装され、フード１４内の臭気
を吸引する送風機１７と、ダクト１６に連通し、多数の
吹出孔１８を形成した通気管１９から成り、通気管１９
をその吹出孔１８を上に向けて発酵槽１の床面に敷設し
た構成になっている。
【００２４】好ましくは、前記フード１４は、発酵槽１
の悪臭の発生する範囲、例えば、堆肥原料投入口側１ａ
から長手方向全長の約３分の２の範囲にわたって設ける
とともに、悪臭吸収装置１５の通気管１９の吹出口１８
は発酵の進んだ堆肥原料の下方に対向するように、例え
ば、発酵槽１の排出口側１ｂから長手方向全長の約３分
の１の範囲にわたって敷設する。
の悪臭の発生する範囲、例えば、堆肥原料投入口側１ａ
から長手方向全長の約３分の２の範囲にわたって設ける
とともに、悪臭吸収装置１５の通気管１９の吹出口１８
は発酵の進んだ堆肥原料の下方に対向するように、例え
ば、発酵槽１の排出口側１ｂから長手方向全長の約３分
の１の範囲にわたって敷設する。
【００２５】かくして、フード１４内の悪臭空気はダク
ト１６、送風機１７、通気管１９、吹出口１８を通って
堆肥の下方から放出される。有機物の発酵・分解は、微
生物の体内及び体外の酵素によって行われるものである
が、分解完了により微生物自体は死滅しても、酵素は活
性を保って残留するために、体外酵素とともに悪臭成分
を分解する能力を発揮する。すなわち、微生物脱臭機能
により、フード１４内の悪臭が、発酵の進んだ堆肥に効
率よく吸収される。
ト１６、送風機１７、通気管１９、吹出口１８を通って
堆肥の下方から放出される。有機物の発酵・分解は、微
生物の体内及び体外の酵素によって行われるものである
が、分解完了により微生物自体は死滅しても、酵素は活
性を保って残留するために、体外酵素とともに悪臭成分
を分解する能力を発揮する。すなわち、微生物脱臭機能
により、フード１４内の悪臭が、発酵の進んだ堆肥に効
率よく吸収される。
【００２６】ところで、畜舎等の畜産施設からは糞と尿
の混じった汚水が大量に排出される。この汚水は、悪臭
と病原菌の問題から畑地への散布が禁止されはじめてお
り、その処置が困難になっている。そこで、本発明は、
畜舎等から排水される前記汚水を発酵槽内の堆肥原料に
その下方から注入し、悪臭を放散させないで堆肥に吸収
させる汚水処理装置を設けてある。このため、畜舎等か
らの汚水を貯溜する汚水槽２０を設け、この汚水槽２０
から発酵槽１の床面に汚水供給管２１を配管してある。
発酵槽１の外部に配設された部分の汚水供給管２１ａに
はポンプ２２を設けるとともに、発酵槽１の床面に配設
された部分の汚水供給管２１ｂの上面長手方向に沿って
複数の小さな注出孔２３を所定間隔で形成し、これによ
り、発酵槽１から排出された汚水を圧送して発酵槽１内
の堆肥に注入し、汚水が堆肥層に下方から吸収されるよ
うになっている。
の混じった汚水が大量に排出される。この汚水は、悪臭
と病原菌の問題から畑地への散布が禁止されはじめてお
り、その処置が困難になっている。そこで、本発明は、
畜舎等から排水される前記汚水を発酵槽内の堆肥原料に
その下方から注入し、悪臭を放散させないで堆肥に吸収
させる汚水処理装置を設けてある。このため、畜舎等か
らの汚水を貯溜する汚水槽２０を設け、この汚水槽２０
から発酵槽１の床面に汚水供給管２１を配管してある。
発酵槽１の外部に配設された部分の汚水供給管２１ａに
はポンプ２２を設けるとともに、発酵槽１の床面に配設
された部分の汚水供給管２１ｂの上面長手方向に沿って
複数の小さな注出孔２３を所定間隔で形成し、これによ
り、発酵槽１から排出された汚水を圧送して発酵槽１内
の堆肥に注入し、汚水が堆肥層に下方から吸収されるよ
うになっている。
【００２７】汚水が発酵槽１の堆肥に均一に注入される
ように、発酵槽１内の汚水供給管２１ｂは複数本に分岐
し、発酵槽１の床面巾に沿って適宜の間隔で配置するの
が望ましい。また、悪臭の発生を抑えて汚水を効率良
く、発酵、分解するためには汚水は発酵槽１内の発酵の
進んだ堆肥材料又は堆肥に吸収させるのが望ましい。こ
のため、前記悪臭吸収装置１５の悪臭吹出口１８と同様
に、汚水注出孔２３は発酵槽１の堆肥排出口側１ｂの適
宜の範囲、好ましくは堆肥排出口側１ｂから発酵槽全長
の約５０％の範囲に配設するとよい。
ように、発酵槽１内の汚水供給管２１ｂは複数本に分岐
し、発酵槽１の床面巾に沿って適宜の間隔で配置するの
が望ましい。また、悪臭の発生を抑えて汚水を効率良
く、発酵、分解するためには汚水は発酵槽１内の発酵の
進んだ堆肥材料又は堆肥に吸収させるのが望ましい。こ
のため、前記悪臭吸収装置１５の悪臭吹出口１８と同様
に、汚水注出孔２３は発酵槽１の堆肥排出口側１ｂの適
宜の範囲、好ましくは堆肥排出口側１ｂから発酵槽全長
の約５０％の範囲に配設するとよい。
【００２８】なお、図１乃至図３に示すように、発酵槽
１の床面には堆肥原料投入口側１ａから約３分の２の範
囲、すなわち、発酵中の堆肥原料に空気を送って好気発
酵を促進させるための送風管２６が送風機２７を介して
配管されている。
１の床面には堆肥原料投入口側１ａから約３分の２の範
囲、すなわち、発酵中の堆肥原料に空気を送って好気発
酵を促進させるための送風管２６が送風機２７を介して
配管されている。
【００２９】
【効果】本発明は切り返し装置の堆肥落下位置に粉砕機
を設けたことにより、団塊状の堆肥材料が細かく砕か
れ、空気との接触面積が拡大するとともに、粉砕機によ
って上方へ遠く飛散することにより空気接触時間が長く
なり、さらには、粉砕、飛散した堆肥原料が雪のように
柔らかく広範囲に降下するので空気を多く含んだ状態で
堆積する。これらの現象が相俟って堆肥の好気発酵分解
が速進され、汚水や悪臭が抑制されるとともに、発酵分
解時間が著しく短縮される。
を設けたことにより、団塊状の堆肥材料が細かく砕か
れ、空気との接触面積が拡大するとともに、粉砕機によ
って上方へ遠く飛散することにより空気接触時間が長く
なり、さらには、粉砕、飛散した堆肥原料が雪のように
柔らかく広範囲に降下するので空気を多く含んだ状態で
堆積する。これらの現象が相俟って堆肥の好気発酵分解
が速進され、汚水や悪臭が抑制されるとともに、発酵分
解時間が著しく短縮される。
【００３０】堆肥原料の悪臭を吸引し発酵槽の堆肥原料
の下方から放出して堆肥に吸収させることにより悪臭の
問題が解決されるので、別途、脱臭装置を設ける必要が
ない。
の下方から放出して堆肥に吸収させることにより悪臭の
問題が解決されるので、別途、脱臭装置を設ける必要が
ない。
【００３１】畜舎等から出る家畜の糞尿汚水を堆肥の下
方から堆肥層に注入して、発酵・分解させるので汚水が
外部に放出されずに吸収され、汚水による悪臭も効率良
く抑制される。
方から堆肥層に注入して、発酵・分解させるので汚水が
外部に放出されずに吸収され、汚水による悪臭も効率良
く抑制される。
【図１】本発明による堆肥発酵処理装置の要部概略構成
図
図
【図２】本発明による堆肥発酵処理装置の概略縦断面図
【図３】本発明による堆肥発酵処理装置の発酵槽平面図
１…発酵槽 １ａ…堆肥原料投入口側 １ｂ…堆肥排出口側 ２…堆肥原料 ３…切り返し装置 ４…揚送駆動手段 ５…キャタピラ ６…スクープブラケット ７…揚送装置 ８…レール ９…架台 １０…架台駆動モータ １１…粉砕機 １２…粉砕機駆動モータ １３…破砕部材 １４…フード １５…悪臭吸収装置 １６…ダクト １７…送風機 １８…吹出孔 １９…通気管 ２０…汚水槽 ２１、２１ａ、２１ｂ…汚水供給管 ２２…ポンプ ２３…注出孔 ２４…ロープ ２５…モータ ２６…送風管 ２７…送風機
【整理番号】ＰＡＳ９９００８
Claims (4)
- 【請求項１】 堆肥原料を投入する発酵槽と、この発酵
槽の長手方向に沿って移動する架台に支持され、発酵槽
の堆肥排出口側から堆肥原料投入口側に向けて移動しな
がら斜め上方に向けて回動するエンドレスの揚送手段に
よって堆肥原料を上方に揚送して落下させる切り返し装
置、とを有するスクープ式堆肥発酵処理装置において、
前記切り返し装置の堆肥原料落下位置に、落下してくる
堆肥原料を砕いて飛散させる粉砕機を設けたことを特徴
とする堆肥発酵処理装置 - 【請求項２】 堆肥発酵槽の一部又は全部の上方を覆う
フードと、このフードの内部と発酵槽の床面間に配設さ
れ、フード内の悪臭空気を吸引して堆肥原料の下方から
長手方向の多数の排気孔群を介して放出する通気管路
と、を備えた悪臭吸収装置を有することをさらに特徴と
する請求項１記載の堆肥発酵処理装置 - 【請求項３】 前記フードを、発酵槽の堆肥原料投入口
側から長手方向に沿って所定範囲にわたって設けるとと
もに、発酵槽床面の前記通気管路の排気孔群を、堆肥排
出口側の所定範囲にわたって配設し、原料投入口側で発
生するフード内の悪臭が発酵の進んだ堆肥層に吸収され
るようにしたことを特徴とする請求項２記載の堆肥発酵
処理装置 - 【請求項４】 家畜等の糞尿の汚水槽と、この汚水槽か
ら圧送手段を介在させて発酵槽床面に配設された汚水供
給管と、堆肥排出口側床面の所定範囲の汚水供給管に所
定間隔をもって形成された注出孔を有し、汚水供給管か
ら送られる前記汚水を発酵の進んだ発酵槽の堆肥に下方
から注入する汚水処理装置を設けたことをさらに特徴と
する請求項１、２又は３記載の堆肥発酵処理装置
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9252699A JP3978293B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 堆肥発酵処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9252699A JP3978293B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 堆肥発酵処理装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000281473A true JP2000281473A (ja) | 2000-10-10 |
| JP3978293B2 JP3978293B2 (ja) | 2007-09-19 |
Family
ID=14056799
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9252699A Expired - Fee Related JP3978293B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 堆肥発酵処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3978293B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012001667A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | S Science:Kk | 固形燃料及びその製造方法 |
| WO2015088129A1 (ko) * | 2013-12-10 | 2015-06-18 | 농업회사법인 주식회사 태초의 자연으로 | 다층구조 폐유기물 발효장치 |
| CN106365222A (zh) * | 2016-11-10 | 2017-02-01 | 中国科学院生态环境研究中心鄂尔多斯固体废弃物资源化工程技术研究所 | 畜禽养殖污染控制与集中资源化利用一体化技术方法 |
| CN110732544A (zh) * | 2019-09-16 | 2020-01-31 | 浙江潜能生态科技有限公司 | 一种地下智能脱污囊分质处理垃圾系统 |
| CN113582745A (zh) * | 2021-08-23 | 2021-11-02 | 贵州省土壤肥料研究所(贵州省生态农业工程技术研究中心)(贵州省农业资源与环境研究所) | 一种堆肥发酵装置 |
| CN115676929A (zh) * | 2022-11-07 | 2023-02-03 | 中国水产科学研究院珠江水产研究所 | 一种用于水处理的有机污染物去除装置及其操作方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109500069B (zh) * | 2018-11-23 | 2021-12-17 | 山东新希望六和集团有限公司 | 一种死畜禽发酵池、棚舍一体化处理系统 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP9252699A patent/JP3978293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| WO2015088129A1 (ko) * | 2013-12-10 | 2015-06-18 | 농업회사법인 주식회사 태초의 자연으로 | 다층구조 폐유기물 발효장치 |
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| CN115676929A (zh) * | 2022-11-07 | 2023-02-03 | 中国水产科学研究院珠江水产研究所 | 一种用于水处理的有机污染物去除装置及其操作方法 |
| CN115676929B (zh) * | 2022-11-07 | 2024-03-19 | 中国水产科学研究院珠江水产研究所 | 一种用于水处理的有机污染物去除装置及其操作方法 |
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|---|---|
| JP3978293B2 (ja) | 2007-09-19 |
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