JP2000280011A - 熱延薄鋼帯の平坦度制御方法および装置 - Google Patents

熱延薄鋼帯の平坦度制御方法および装置

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JP2000280011A
JP2000280011A JP11090589A JP9058999A JP2000280011A JP 2000280011 A JP2000280011 A JP 2000280011A JP 11090589 A JP11090589 A JP 11090589A JP 9058999 A JP9058999 A JP 9058999A JP 2000280011 A JP2000280011 A JP 2000280011A
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flatness
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rolled
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Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Yuichiro Watanabe
裕一郎 渡辺
Masanori Kitahama
正法 北浜
Yukio Yarita
征雄 鑓田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦度の良好な熱延薄鋼帯を製造することの
可能な熱延薄鋼帯の平坦度制御方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 仕上圧延機出側に設置されて鋼帯の平坦
度を検出する形状測定器9と、仕上圧延機の最終スタン
ドF7 に配置された上下のスプレーノズル16a,16b
と、圧延油を供給する油ポンプ21と、スプレー水を供給
する水ポンプ19と、油ポンプ21からの圧延油と水ポンプ
19からのスプレー水とを混合してスプレーノズル16a,
16bに圧延油スプレー水を供給する圧延油ミキシング装
置17と、形状測定器9で検出された平坦度信号に基づい
て油ポンプ21を制御して、圧延油ミキシング装置17に供
給する圧延油の量を加減する油ポンプ制御装置24とから
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延薄鋼帯の平坦
度制御方法および装置に係わり、特にシートバーを接合
する連続圧延による薄物熱延鋼帯を熱間潤滑圧延によっ
て製造する時に好適な平坦度制御方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の熱延鋼帯を製造する熱間圧延の工
程は、図7に示すように構成されるのが一般的である。
すなわち、加熱炉1で均一温度に加熱されたスラブW
は、抽出後デスケーラ2でスラブ表面に生成した1次ス
ケールを除去し、複数のスタンドからなる粗圧延機3に
よって板厚20〜50mm程度のシートバーに粗圧延される。
このシートバーは複数スタンドで構成される仕上圧延機
4で所定の板厚に仕上げられ、ホットランテーブル5で
冷却されて所定の材質に調えられた後、コイラ6で巻き
取られる。
【0003】なお、粗圧延機3と仕上圧延機4の間にシ
ートバーコイラ7と接合装置8を配設して、シートバー
コイラ7でシートバーを巻き取り・巻き戻しするととも
に、接合装置8で先行シートバーの尾端部と後行シート
バーの先端部とを加熱して突き合わせ接合するいわゆる
連続圧延法が、近年、高能率、高歩留りの圧延法として
実用化された。
【0004】また、特開昭62−137103号公報には、熱間
潤滑圧延により高いr値を達成する技術が開示されてい
る。この技術は、連続圧延において一時的にシートバー
コイラ7で巻き取ったシートバーを、シートバーコイラ
7から巻き出す温度が1100〜700 ℃であり、仕上圧延機
4の後段スタンドでの潤滑時の圧延荷重の減少率(=
(無潤滑時の荷重−潤滑時の荷重)/無潤滑時の荷重)
が30%以上の条件のもとで、変態点以下の温度に仕上げ
るものである。
【0005】ところで、熱間仕上圧延における平坦度制
御は重要であり、平坦度不良が発生すると、次工程で鋼
帯間の溶接が不可能になったり、蛇行を誘発することが
ある。ここで、平坦度不良とは形状不良ともいい、耳伸
びや腹伸び、クォータ伸びなどの種類がある。そのた
め、平坦度不良が発生した鋼帯は熱間圧延後、スキンパ
ス圧延が行われるのが一般的である。また、平坦度不良
が著しい場合には切り捨てられる。このようなスキンパ
ス工程追加によるコストアップや切り捨てによる大幅な
歩留り低下をもたらす。そのため、熱間仕上圧延工程に
おいて、特に仕上圧延機出側において良好な形状を得る
ことがきわめて重要である。
【0006】一方、特開昭59−33016 号公報には、仕上
圧延機における板平坦度の制御方法としては、図8(a)
,(b) に示すように、仕上圧延機4の出側に平坦度を
検出するたとえばレーザ距離計などの形状測定器9を設
置し、この形状測定器9で鋼帯の幅方向の波高さを計測
して平坦度を求め、その測定結果に基づいて形状制御装
置10が仕上圧延機4のスタンドの上下のワークロール11
a,11bのそれぞれのワークロールチョック13a,13b
の間に設置されたワークロールベンダ14a,14bの油圧
を制御する方法が開示されている。なお、図中の12a,
12bは上下のバックアップロール、Sは熱延鋼帯であ
る。
【0007】また、特開昭56−131005号公報にはペアク
ロス圧延機に関する技術が記載されている。このペアク
ロス圧延機は、図9に示すように、上側のワークロール
11aとバックアップロール12a、下側のワークロール11
bとバックアップロール12bとをそれぞれ1ペアとし
て、上下のそのペアを互いに逆方向にクロスするように
構成されている。このようなペアクロス圧延機は広範囲
な鋼帯の平坦度制御が可能であることから、それを熱間
仕上圧延機の後段スタンドに導入することにより、熱延
鋼帯の形状が従来よりも飛躍的に向上させることが可能
であるとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱延鋼帯の平坦度制御技術を用いる場合は、圧延油を使
用しない無潤滑圧延では鋼帯圧延中の荷重変化が小さい
ためにきわめて容易によい平坦度制御を行うことができ
るのであるが、前記した特開昭62−137103号公報に記載
のように、高潤滑圧延により大幅に圧延荷重が減少する
場合は、特に板圧延が薄い場合においては従来の板平坦
度制御技術では困難になるという問題があった。
【0009】熱間仕上圧延において、潤滑油を使用する
とワークロールと板との間の摩擦係数が低下し、圧延荷
重は低下する。この圧延荷重は鋼帯を加工する力と鋼帯
表面に発生する摩擦力の垂直成分の力によって構成され
る。潤滑圧延によって2.0mm厚以下の鋼帯の圧延で
は無潤滑の圧延時の荷重に対して圧延荷重が50%程度
低下することもある。
【0010】また、被圧延材がステンレス鋼帯の場合は
普通鋼の鋼帯よりも耐酸化性にすぐれているため、ワー
クロールと鋼帯間で潤滑作用を受け持つスケールの厚さ
が薄く、無潤滑の圧延では高い摩擦係数を示すのである
が、そこでステンレス鋼帯を熱間潤滑圧延しようとする
と、ワークロールと板間で高い摩擦係数の状態から低い
摩擦係数の状態に変化するため、熱間潤滑圧延での荷重
減少率(=(無潤滑時の荷重−潤滑時の荷重)/無潤滑
時の荷重)が大きく、特には薄物のステンレス鋼帯の平
坦度制御はきわめて困難であった。
【0011】荷重の減少に伴い、ロールのたわみ、ロー
ルの偏平量が小さくなることから、鋼帯の幅方向のロー
ルギャップが変化し、圧延機出側の板厚分布が変化する
ことになる。一般的に鋼帯の平坦度λは以下の式(1) で
与えられる。 λ=±(2/π)/√(|Cpi−Cpi-1|・ξ) ………………(1) ここで、Cp ;クラウン比率、ξ;形状変化係数、i;
iスタンド番号である。また、符号において−は腹伸
び、+は耳伸びである。
【0012】圧延荷重が低下した場合には出側クラウン
比率Cpiが小さくなるため、(1) 式に従えば、鋼帯の平
坦度は腹伸びになる。すなわち、板エッジ近傍の圧下率
は小さくなり、相対的に鋼帯中央部の伸びが大きくな
り、結果として、潤滑スタンドでの鋼帯の形状は腹伸び
になる。一方、鋼帯の尾端部では圧延油をオフにする
が、この場合には圧延荷重が増大し、ロールのたわみ、
ロールの偏平量が大きくなって、クラウンは大きくなる
ために耳伸びになる。
【0013】前記したように高加工性の鋼帯を得る場合
には潤滑によって圧延荷重を無潤滑圧延時の圧延荷重に
対して30%以上減少させる必要がある。たとえば特開昭
59−33016 号公報のように、ワークロールベンダ14a,
14bによって平坦度制御を行う場合、荷重が30%以上減
少する場合にはその制御能力以上となりベンダ荷重が下
限になるため、ワークロールベンダ14a,14bのみでは
平坦度制御が十分できないという問題があった。
【0014】また、前出特開昭56−131005号公報に記載
のワークロールベンダ14a,14bを具備したペアクロス
圧延機の平坦度制御は、ワークロールベンダ荷重が下限
になると、圧延中にワークロール11a,11b間のクロス
角度θを小さくするいわゆる走間クロス角度変更機能を
有している。そのため、広範囲な平坦度制御が可能にな
るとされているが、ワークロールベンダ14a,14bは油
圧によりワークロール11a,11bのたわみを制御し、高
い応答性を有しているのに対して、圧延中でのワークロ
ール11a,11b間のクロス角度θの変更は一般には電動
モータで行うのが常であるから、その応答性がきわめて
低い。そのため、ワークロールベンダ14a,14bがその
能力の下限または上限になったあとでクロス角度θを変
更しても、良好な平坦度を達成するためのクロス角度に
なるために時間を要し、その間板の平坦度不良が発生す
るという問題があった。
【0015】本発明は上記のような従来技術の有する課
題を解決すべくしてなされたものであって、平坦度の良
好な熱延薄鋼帯を製造することの可能な熱延薄鋼帯の平
坦度制御方法および装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続鋳造で得
られたスラブを加熱炉で均一温度に加熱し、粗圧延機で
圧延し、仕上圧延機で潤滑圧延し、コイラで巻き取りを
行う一連の工程で熱延薄鋼帯を圧延する際の平坦度制御
方法であって、前記仕上圧延機の出側における鋼帯の平
坦度の測定結果に基づいて、前記仕上圧延機の少なくと
も最終スタンドのスプレーノズルに供給される圧延油と
スプレー水の混合割合を制御することを特徴とする熱延
薄鋼帯の平坦度制御方法である。なお、前記一連の工程
において、粗圧延終了後に先行材の尾端部と後行材の先
端部を接合した後連続仕上潤滑圧延を行うようにしても
よい。
【0017】また、本発明は、連続鋳造で得られた複数
のスラブを加熱炉で均一温度に加熱し、粗圧延機で圧延
し、仕上圧延機で潤滑圧延し、コイラで巻き取りを行う
一連の工程で熱延薄鋼帯を圧延する際の平坦度制御装置
であって、前記仕上圧延機の出側に設置されて鋼帯の平
坦度を検出する形状測定器と、前記仕上圧延機の少なく
とも最終スタンドに配置された上下のスプレーノズル
と、圧延油を供給する油ポンプ装置と、スプレー水を供
給する水ポンプ装置と、前記油ポンプ装置からの圧延油
と前記水ポンプ装置からのスプレー水とを混合して前記
スプレーノズルに圧延油スプレー水を供給する圧延油ミ
キシング装置と、前記形状測定器で検出された平坦度信
号に基づいて前記油ポンプ装置を制御して、前記圧延油
ミキシング装置に供給する圧延油の量を加減する油ポン
プ制御装置と、からなることを特徴とする熱延薄鋼帯の
平坦度制御装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態について、図面を参照しながら詳しく説明する。図1
は本発明が適用される熱間圧延ラインを示す概要図であ
る。図2は本発明が適用される仕上圧延機の最終スタン
ドに配置されたペアクロス圧延機を模式的に示す概要図
であり、図3はそのA−A矢視側面図である。なお、図
中において、従来例と同一の部材には同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0019】図1において、7スタンドからなる仕上圧
延機4の最終スタンドF7 にはペアクロス圧延機が配置
されている。この最終スタンドF7 のペアクロス圧延機
には、図2および図3に示すように、その上下ワークロ
ール11a,11bの入側にそれぞれ上下のスプレーノズル
16a,16bが配置される。これらスプレーノズル16a,
16bにフラットタイプのものを使用することにより、ロ
ールのバレル方向に均一にスプレーが可能である。
【0020】なお、図2中において、17は圧延油とスプ
レー水とをミキシングする圧延油ミキシング装置で、た
とえば直径が6〜10mm程度とされるオリフィスノズルが
用いられる。18はミキシングに使用されるスプレー水の
温度を制御するスプレー水冷却装置で、冷媒を使用した
通常のものが使用される。19は水ポンプ、20は水タンク
である。21は潤滑用の圧延油を供給するたとえばギアポ
ンプなどの油ポンプであって、ギアの回転を制御するこ
とによって所定の圧延油を供給することができる。22は
油タンクである。23a,23bはワークロールベンダ14
a,14bの油圧を検出する油圧計である。
【0021】24は油ポンプ制御装置で、平坦度信号とワ
ークロールベンダの油圧信号の情報をもとに油ポンプ21
の回転数を制御して圧延油ミキシング装置17へ供給する
圧延油の量を加減する。以下に、本発明による平坦度制
御の具体的な手順を説明する。 形状測定器9で仕上圧延機4の最終スタンドF7 であ
るペアクロス圧延機の出側の鋼帯の平坦度λを測定す
る。 形状制御装置10において、ワークロールベンダ14a,
14bの油圧PM が上限P ULまたは下限PLLのいずれかに
到達したかどうかを判断する。 そして、ワークロールベンダ14a,14bの油圧PM
上限PULまたは下限PLLのいずれかに到達したときは以
下の処理を行う。
【0022】(a) 下記(2) 式を用いて単位時間当たりの
スプレー量変更量ΔQc を求める。 ΔQc =a・(λ+C) ………………(2) ここで、C;定数で、0.2 〜1.0 の範囲で選択するのが
好ましい。また、a;係数で、ΔQc が潤滑油のスプレ
ー量変更可能量以下の値となるように選択する。
【0023】(b) そして、必要スプレー量Qを下記(3)
式を用いて求める。 Q=Q+ΔQc ………………(3) ただし、(3) 式は前回スプレー量QにΔQc を加算した
ものを今回スプレー量Qとすることを表す。 (c) ついで、この必要スプレー量Qになるように、油ポ
ンプ制御装置24を介して油ポンプ21の回転数を制御す
る。 ワークロールベンダ14a,14bの油圧PM が上限PUL
または下限PLLのいずれかに到達していないときは以下
の処理を行う。
【0024】(a) 単位時間当たりのスプレー最大変更可
能油量ΔQm (定数) (b) 必要スプレー量Qを下記(4) 式を用いて求める。 Q=Q+ΔQm ………………(4) (c) ついで、この必要スプレー量Qになるように、油ポ
ンプ制御装置24を介して油ポンプ21の回転数を制御す
る。
【0025】これらの手順を図4にまとめて示した。な
お、上記の例は圧延油が潤滑される仕上圧延機を対象に
したものであるが、本発明はこれに限るものではなく、
粗圧延機における潤滑の場合にも適用し得ることはいう
までもない。
【0026】
【実施例】寸法が厚さ;200mm ×幅;1000mm×長さ;80
00mmで、材質がC;0.003wt %、Ti;0.02wt%、Nb;0.
023wt %、Cr;10.5wt%を含む極低炭素ステンレス鋼ス
ラブを、加熱炉1で1050℃の温度に加熱し、3スタンド
からなる粗圧延機3で粗圧延して板厚30mmのシートバー
にした後、コイルボックス7で巻き取り、先行材の尾端
部と後行材の先端部とを誘導加熱方式の接合装置8で突
き合わせ加熱、接合して連続的に最終スタンドF7 にペ
アクロス圧延機が組み込まれた7スタンドからなる仕上
圧延機4で1.5mm の板厚に仕上げ、コイラ6で巻き取っ
た。このときの接合本数は2本とした。
【0027】粗圧延機3のワークロール直径は1300mm、
バレル長2200mm、仕上圧延機4のワークロール直径は70
0mm 、バレル長2200mmである。潤滑に用いた圧延油は、
合成エステルを60%、鉱油を38%、極圧剤(硫化エステ
ル)を2%含む市販の熱間圧延油である。 〔実施例1〕 最終のスタンドF7 のみに800cc/min の
油量をスプレーする潤滑圧延を実施する際に、前記した
本発明の図4に示した手順を適用して平坦度の制御を行
った。そして、仕上圧延機出側の平坦度を測定し、ワー
クロールベンダ油圧が下限または上限に到達した場合に
は、測定された平坦度に基づいて圧延油のスプレー量を
制御した。このとき、前出(2) 式の係数aは20とした。
【0028】この本発明法による平坦度制御の結果を図
5に実線で示した。このとき圧延荷重の減少率は50%に
なり、良好な潤滑圧延であった。本発明法ではワークロ
ールベンダの能力の上限および下限を超える場合には平
坦度の変化に応じて緩やかな変化で圧延油スプレー量を
制御したので、平坦度の変化は±0.5 %の範囲に制御で
き、本発明の有効性が確認された。 〔比較例1〕 実施条件が、ワークロールベンダの能力
の上限または下限に到達した以降、走間クロス角度中に
おいても圧延油のスプレー量を制御しない従来法を比較
例とした。このとき、スプレー量は20cc/secの割合で増
加するようにした。その結果は、前出図5に破線で示し
たように、圧延油のスプレー量が増大する場合および低
下する場合にそれぞれ腹伸び、耳伸びになった。これ
は、圧延油量が急激に増減する場合、ワークロールベン
ダが能力の下限(10ton/c )および上限(200ton/c)に
なった場合に、ロールをクロスする平坦度制御(走間ク
ロス角度変更)速度が遅いためにその変更で荷重の変化
を補償できなかったことを示している。この圧延油のス
プレー量の増減部はスキンパス圧延不能(±2%を超え
るとスキンパス圧延ができない)な平坦度不良を発生し
たため切り捨てられた。 〔実施例2〕 上記した実施例1は最終段のみの単スタ
ンドを潤滑圧延して、その平坦度制御特性を評価したも
のであるが、高潤滑圧延による鋼帯の加工性には単スタ
ンドよりも多スタンドの方が好ましい。そこで、連続す
る後段3スタンドで800cc/min の圧延油をスプレーし、
高潤滑の圧延を行った。平坦度制御は最終スタンドF7
を含む後段3スタンドに適用する潤滑圧延を実施した。
【0029】その本発明法の平坦度制御結果を図6に実
線で示した。このとき圧延荷重の減少率は40〜50%にな
り良好な潤滑圧延であった。本発明法においては、ベン
ダの能力の上限および下限を超える場合には平坦度の変
化に応じて圧延油スプレー量を制御したので、平坦度の
変化は鋼帯全長にわたって±0.3 %の範囲に制御でき、
本発明法の有効性が確認された。 〔比較例2〕 比較例1と同じ従来法の条件で後段3ス
タンドを潤滑した結果は、前出図6に破線で示した。図
示のように、圧延油のスプレー量が増大する場合および
低下する場合にそれぞれ腹伸び、耳伸びになった。しか
し、仕上圧延機の後段3スタンドを潤滑しているため
に、最終スタンドF7 に供給される鋼帯のクラウンは小
さく、最終スタンドF7 の荷重が変化しても平坦度の変
化が小さいため、実施例1の単スタンドのみを潤滑圧延
する場合よりも平坦度の変化は小さかった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明法によれ
ば、高潤滑の接合圧延において安定して平坦度を制御可
能になったことから、高い加工性が得られる鋼帯の製造
が可能となり、製造原価の減少、歩留りの大幅な向上が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される熱間圧延ラインを示す概要
図である。
【図2】本発明が適用される仕上圧延機の最終スタンド
に配置されたペアクロス圧延機を模式的に示す概要図で
ある。
【図3】図2のA−A矢視側面図である。
【図4】本発明の平坦度制御の手順を示すフローチャー
トである。
【図5】単スタンド潤滑圧延での平坦度制御の特性図で
ある。
【図6】多スタンド潤滑圧延での平坦度制御の特性図で
ある。
【図7】従来の熱間圧延ラインを示す概要図である。
【図8】従来の仕上圧延機の最終スタンドを模式的に示
す(a) 側面図、(b) X−X矢視図である。
【図9】ペアクロス圧延機を模式的に示す概要図であ
る。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 デスケーラ 3 粗圧延機 4 仕上圧延機 5 ホットランテーブル 6 コイラ 7 シートバーコイラ 8 接合装置 9 形状測定器 10 形状制御装置 11a 上ワークロール 11b 下ワークロール 12a 上バックアップロール 12b 下バックアップロール 13a 上ワークロールチョック 13b 下ワークロールチョック 14a 右ワークロールベンダ 14b 左ワークロールベンダ 15 幅プレス装置 16a 上スプレーノズル 16b 下スプレーノズル 17 圧延油ミキシング装置 18 スプレー水冷却装置 19 水ポンプ 20 水タンク 21 油ポンプ 22 油タンク 23a 右ワークロールベンダ油圧計 23b 左ワークロールベンダ油圧計 24 油ポンプ制御装置 F7 仕上圧延機最終スタンド S 熱延鋼帯 W スラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北浜 正法 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鑓田 征雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E002 AB01 AD02 AD04 BC08 BD03 BD05 BD07 BD08 CA02 4E024 AA02 DD13 FF01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造で得られたスラブを加熱炉で均
    一温度に加熱し、粗圧延機で圧延し、仕上圧延機で潤滑
    圧延し、コイラで巻き取りを行う一連の工程で熱延薄鋼
    帯を圧延する際の平坦度制御方法であって、 前記仕上圧延機の出側における鋼帯の平坦度の測定結果
    に基づいて、前記仕上圧延機の少なくとも最終スタンド
    のスプレーノズルに供給される圧延油とスプレー水の混
    合割合を制御することを特徴とする熱延薄鋼帯の平坦度
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記一連の工程において、粗圧延終了後
    に先行材の尾端部と後行材の先端部を接合した後連続仕
    上潤滑圧延を行うようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の熱延薄鋼帯の平坦度制御方法。
  3. 【請求項3】 連続鋳造で得られた複数のスラブを加熱
    炉で均一温度に加熱し、粗圧延機で圧延し、仕上機で潤
    滑圧延し、コイラで巻き取りを行う一連の工程で熱延薄
    鋼帯を圧延する際の平坦度制御装置であって、 前記仕上圧延機の出側に設置されて鋼帯の平坦度を検出
    する形状測定器と、前記仕上圧延機の少なくとも最終ス
    タンドに配置された上下のスプレーノズルと、圧延油を
    供給する油ポンプ装置と、スプレー水を供給する水ポン
    プ装置と、前記油ポンプ装置からの圧延油と前記水ポン
    プ装置からのスプレー水とを混合して前記スプレーノズ
    ルに圧延油スプレー水を供給する圧延油ミキシング装置
    と、前記形状測定器で検出された平坦度信号に基づいて
    前記油ポンプ装置を制御して、前記圧延油ミキシング装
    置に供給する圧延油の量を加減する油ポンプ制御装置
    と、からなることを特徴とする熱延薄鋼帯の平坦度制御
    装置。
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