JP2000279296A - 浴室用鏡 - Google Patents

浴室用鏡

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JP2000279296A
JP2000279296A JP9417599A JP9417599A JP2000279296A JP 2000279296 A JP2000279296 A JP 2000279296A JP 9417599 A JP9417599 A JP 9417599A JP 9417599 A JP9417599 A JP 9417599A JP 2000279296 A JP2000279296 A JP 2000279296A
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mirror
water
hydrophilic
bathroom mirror
chamfer
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JP9417599A
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Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Shinji Toyofuku
信次 豊福
Kaori Morihara
かおり 森原
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏡の水切れ性を向上させて、鏡表面の余剰水
の流れを良くし、水に起因する金属石鹸などの親水性を
阻害させる汚染物質を付着させないようにすることによ
り、親水維持性が向上し、長期にわたって良好な防曇性
及び/又は防汚性が発揮できる鏡を提供することを目的
とする。 【解決手段】 親水性を有する鏡であって、該鏡表面に
水膜として保持可能な許容量を超えた余剰の水を誘導す
る手段を設けたことを特徴とする浴室用鏡を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れ負荷量の大き
く、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、例えば、
浴室・シャワールーム等において好適に使用できる鏡に
関する。
【従来の技術】
【0002】従来、鏡の水切れをよくすることは行われ
ていないため、垂直に設置されている浴室や洗面所の鏡
に付着する水があまりに多くなると重力の影響で水膜が
下方に移動する。その結果、鏡下端には水が溜り、水中
の金属イオンに起因する汚染物質が固着する。カルシウ
ムイオンなどの金属イオンが付着した場合、その部分は
白くなり、水をはじくようになる。少しでも水をはじく
ようになったところがあるとその部分を基点にして徐々
にその周囲にまで撥水化が進み、鏡の親水性は失われて
いく。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】そこで本発明では、鏡の水切れ性を向上さ
せて、鏡表面の余剰水の流れを良くし、水に起因する金
属石鹸などの親水性を阻害させる汚染物質を付着させな
いようにすることにより、親水維持性を向上させ、長期
にわたって良好な防曇性及び/又は防汚性が発揮できる
鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明は、上記問題を解決すべく、親水性
を有する鏡であって、該鏡表面に水膜として保持可能な
許容量を超えた余剰の水を誘導する手段を設けたことを
特徴とする浴室用鏡を提供する。余剰水を誘導する手段
を設けることにより、鏡の水切れ、ひいては水の流れが
良くなり、水に起因する金属石鹸などの汚染物が鏡表面
に付着しにくく、鏡の親水性は良好に維持されるように
なる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、表面に
微細な凹凸構造を有しており、該凹凸によって親水性を
呈する部材であるようにする。ここで微細な凹凸構造と
は、微細な孔を有する多孔質構造、スケルトン構造、溝
状など様々な形態を含む。微細な凹凸構造によれば、良
好な親水性を呈することはもちろんのこと、適度な厚み
の水膜を形成させることができるため、鮮明な反射像を
得ることが可能となる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記凹
凸構造は機械的エッチングにより形成する。機械的エッ
チングによれば、鏡本来の耐久性を保ちながら、より良
好な親水性を付与することが可能となる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記凹
凸構造はケミカルエッチングにより形成する。あるいは
部材表面に接合される、金属酸化物の1種以上を含有す
る凹凸層を形成する。これらの方法によれば、より微細
な凹凸構造がえられ、鏡表面は良好な親水性を呈するよ
うになるため、防曇・防汚性が向上する。ケミカルエッ
チングすることによれば、二重像のない鮮明な反射像が
得られる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、前記凹
凸構造は、凹凸構造を有する部材表面に、さらに金属酸
化物からなる凹凸層を形成する。凹凸の上にさらに金属
酸化物からなる凹凸を形成することにより、さらに高度
な親水性を発現させることが可能になるため、鏡の防曇
・防汚性はさらに向上する。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記金
属酸化物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、酸化スズ、酸化亜鉛からなる群より選ばれたものを
主成分とする。これらの金属酸化物を使用することによ
り、耐薬品性、耐温水性などの耐久性に優れた親水性表
面となる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、余剰水
誘導手段として、鏡下縁部を面取りするようにする。下
縁部を面取りする方法によれば、意匠が向上する上、簡
便に余剰水が誘導でき、鏡の水切れ性を向上させること
が可能になる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記面
取り部をサンドブラスト加工するようにする。面取り部
を加工することにより、加工された部分はすりガラス状
になり、意匠が向上する。下部面取り部に水がたまって
白っぽくなるのを目立たなくすることもできる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、鏡下縁
部に勾配をつけ、余剰水を集めて流すようにする。余剰
水を集めて流すことにより、鏡直下に置かれた物品をぬ
らしたり、さらにその部分の菌等の繁殖させることを未
然に防げる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における親水性とは、水と
の接触角に換算して60°以下、好ましくは40°以
下、さらに好ましくは30°以下の水濡れ性を呈する状
態をいう。水との接触角が60°以下の状態であれば、
水をかけた時に水滴とならずに水膜を形成し、その水膜
中に水蒸気を取り込んで曇りを防止することができる。
【0014】鏡に親水性を付与する方法は、公知の方法
より選択すれば良く、鏡表面に直接あるいは間接的に凹
凸構造を形成する方法、親水性を有するポリマー等を被
膜する方法、界面活性剤を塗布する方法などがある。こ
の中では微細な凹凸構造による親水性鏡が好ましい。親
水性によって形成される水膜が厚すぎると反射像はぼや
けてしまうが、微細な凹凸構造によれば、適度な厚みの
水膜を形成させることができ、鮮明な反射像を得ること
ができる。硝子製造時に溶融スズに接する面に銀引きし
て製鏡した鏡を使用することもできる。この鏡も良好な
耐久性と親水性を有している。
【0015】部材表面に凹凸構造を形成する方法として
は、限定されるものではなく、部材表面に接合される微
細な凹凸を有する層を形成する方法、部材表面をエッチ
ングする方法、成形型上に微細な凹凸を形成して凹凸を
転写する方法などがある。中では、凹凸を有する層を形
成する方法、エッチングする方法が好ましい。親水性の
良好な微細な凹凸が得やすいからである。
【0016】部材表面に接合される凹凸を有する層を形
成する方法としては、限定されるものではなく、公知の
方法より選択すれば良いが、ゾル塗布法、CVD法、ス
パッタリング、真空蒸着法などによって、金属酸化物の
1種以上を含有する層を形成することが好ましい。これ
によれば、高度な親水性を呈する所望の凹凸を容易に形
成することができる。ここで、金属酸化物としては、シ
リカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、ボ
ロニア、マグネシア、カルシア、フェライト、ハフニ
ア、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化
第二鉄、酸化第一銅、酸化第二銅、三酸化二ビスマス、
酸化スズ、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウ
ム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム等の単一酸化
物や、チタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、水ガラ
ス、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、チタン酸ス
トロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、
チタン酸カルシウム、アルミノシリケート等の複合酸化
物が好適に利用できる。中でも、シリカ、アルミナ、ジ
ルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかを
使用することが好ましい。小さく細かい凹凸を形成する
にはシリカ、アルミナがよく、大きな凹凸を形成するに
はジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛が好まし
い。ゾル塗布法においては、粒子径、後述するゾルの性
状に関して様々なものが入手可能なシリカが好ましい。
シリカは最も安価であり、実用性が非常に高い。
【0017】部材表面そのものを凹凸にする方法として
は、サンドブラスト、エッチングなどが挙げられるが、
ここではケミカルエッチングが好ましい。機械的エッチ
ングとは、機械的に表面を研磨あるいは侵食させる方法
であるが、金属酸化物粒子、研磨紙、研磨剤、ナイロン
不織布、たわしなど鏡表面に目視で確認できないくらい
の微細に表面加工できるものなら何を使用しても構わな
い。ケミカルエッチングとは、基材を例えば酸、アルカ
リ、過酸化物の溶液に浸漬あるいはその溶液を加温した
際に発生する蒸気に接触させ、その化学反応によって表
面処理を行う方法である。使用する溶液としては、塩
酸、硫酸、硫化アンモニウム、フッ酸、フッ化ホウ素、
ケイフッ化水素酸等の水溶液が挙げられる。
【0018】金属酸化物粒子は水または親水性溶媒にコ
ロイド状に分散させたゾルの形態とされるのが好まし
い。親水性溶媒としては前記金属酸化物を安定に分散さ
せ、基材上に均一かつ平滑な被膜を形成させうるもので
ある限り、特に限定されないが、好ましいものとして
は、沸点が200℃以下の有機溶媒を挙げることができ
る。好ましい有機溶媒の例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブ
タノ−ル、イソブタノ−ル、n−ブタノ−ル、2−メチ
ルプロパノ−ル、ペンタノ−ル、エチレングリコ−ル、
モノアセトンアルコ−ル、ジアセトンアルコ−ル、エチ
レングリコ−ルモノメチルエ−テル、4−ヒドロキシ−
4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−
ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1−ブトキシ−
2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−プロパノ−
ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロ
ピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレング
リコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレングリコ−
ルモノメチルエ−テル、2−ブトキシエタノール等のア
ルコール系溶剤や、n−ヘキサン、トルエン、キシレ
ン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤を挙げ
ることができる。
【0019】ゾル塗布法によって基材表面に被膜形成す
る場合においては、金属酸化物0.05〜20重量部、
溶媒99.95〜80重量部とするコーティング組成物
を使用することが好ましい。前記塗布液を基材表面に塗
布することにより、優れた防曇性を有し、光干渉や白濁
のない透明な膜を形成することができる。また、平均粒
子径1〜100nmの粒状金属酸化物、平均径1〜50
nm、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物、
平均径1〜50nm、平均長さ10〜500nmの羽毛
状または棒状金属酸化物のいずれかを使用することが好
ましい。平均粒子径1〜100nmの粒状金属酸化物と
しては、シリカ、ジルコニアなどが、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物とし
ては、シリカ、アルミナなどが、平均径1〜50nm、
平均長さ10〜500nmの羽毛状または棒状金属酸化
物としては、アルミナ、チタニアなどが挙げられる。鎖
状、羽毛状、棒状金属酸化物を使用すれば、基材表面に
形成した膜の耐久性を向上させることができる。また、
粒状無機酸化物を使用すれば、所望の凹凸を有した上で
より平滑性の高い膜を形成することができる。
【0020】基材表面層には前記金属酸化物を前記基材
表面に固定するためのバインダーを含有させることが好
ましい。バインダーにより基材表面との密着性は向上
し、さらに高度な耐久性、耐摩耗性がえられるからであ
る。バインダーとしては、釉薬、水ガラス、シリコーン
等の無機質のバインダー、熱硬化性樹脂、光硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等の有機質のバインダー等が利用でき
る。
【0021】前記塗布液には、界面活性剤を含むことが
できる。添加が可能な界面活性剤の例としては、スルホ
ン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テルアン
モニウム塩、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエ−テルナトリウム塩、脂肪酸カリセッケン、脂
肪酸ナトリウムセッケン、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム、アルキルサルフェ−ト、アルキルエ−テルサ
ルフェ−ト、アルキルサルフェ−トソ−ダ塩、アルキル
エ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエ−テルサルフェ−ト、ポリオキシエチレンアル
キルエ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、アルキルサルフェ
−トTEA塩、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルサ
ルフェ−トTEA塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸
エステルナトリウム塩、アシルメチルタウリン酸ナトリ
ウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウ
リル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸
ラウリル2ナトリウム、ポリカルボン酸、オレオイルザ
ルコシン、アミドエ−テルサルフェ−ト、ラウロイルザ
ルコシネ−ト、スルホFAエステルナトリウム塩等のア
ニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエ−
テル、ポリオキシエチレントリデシルエ−テル、ポリオ
キシエチレンアセチルエ−テル、ポリオキシエチレンス
テアリルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノ−ルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエ−テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
−テル、ポリオキシエチレンラウラ−ト、ポリオキシエ
チレンステアレ−ト、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエ−テル、ポリオキシエチレンオレエ−ト、ソルビ
タンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン
アルキルエステル、ポリエ−テル変性シリコ−ン、ポリ
エステル変性シリコ−ン、ソルビタンラウラ−ト、ソル
ビタンステアレ−ト、ソルビタンパルミテ−ト、ソルビ
タンセスキオレエ−ト、ソルビタンオレエ−ト、ポリオ
キシエチレンソルビタンラウラ−ト、ポリオキシエチレ
ンソルビタンステアレ−ト、ポリオキシエチレンソルビ
タンパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンオレ
エ−ト、グリセロ−ルステアレ−ト、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、アルキルアルキロ−ルアミド、ラウリン
酸ジエタノ−ルアミド、オレイン酸ジエタノ−ルアミ
ド、オキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレ
ンドデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルプロピレンジアミン、ポリオキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマ−、ポリオキシ
エチレンステアレ−ト等のノニオン性界面活性剤;ジメ
チルアルキルベタイン、アルキルグリシン、アミドベタ
イン、イミダゾリン等の両性界面活性剤;オクタデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイル
ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシ−2
−アルキルイミダゾリン4級塩、アルキルイソキノリニ
ウムブロマイド、高分子アミン、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ア
ルキルイミダゾリン4級塩、ジアルキルジメチルアンモ
ニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラ
デシルアミン酢酸塩、アルキルプロピレンジアミン酢酸
塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のカチ
オン性界面活性剤等が挙げられる。
【0022】前記塗布液を基材表面に塗布する方法は、
公知の方法から適宜選択すればよく、エアーガン、エア
レスガン、エアゾールスプレー等を用いたスプレーコー
ティング法、スピンコーティング法、ディップコーティ
ング法、フローコーティング法、ロールコーティング
法、刷毛塗り法、スポンジ塗り等があげられるが、これ
らに限定されるものではない。また、前記塗布液を基材
表面に塗布する前の処理として、各種シャンプーやプラ
イマー類、洗浄剤、コンパウンド類、帯電防止剤等を用
いることもできる。
【0023】塗布液を基材表面に塗布した後の熱処理
は、塗布液、基材の種類・性質に応じて適宜行えばよ
く、自然乾燥、加熱、赤外線・紫外線照射等いずれの方
法でも良い。単に溶媒を揮散させ乾燥したのみでもよい
場合もある。 熱処理を行う場合の方法としては、物品
の表面に表面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布
および熱処理の回数は2回以上であってもよい。塗布の
みを複数回繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と
熱処理の一連の操作を複数回行うことなど、様々な方法
が挙げられる。
【0024】あらかじめ凹凸を形成した基材表面上に、
さらに金属酸化物からなる凹凸層を形成することも可能
である。あらかじめ形成する凹凸は、公知の方法より選
択すれば良いが、前記のようにゾル塗布法、真空蒸着
法、スパッタリング、CVDによって形成することが好
ましく、その凹凸構造は前述の凹凸高さ・幅・表面粗さ
の範囲に入っていることが好ましい。凹凸層を形成する
金属酸化物としては、前述の金属酸化物の中から選べば
良いが、特にシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、酸化スズ、酸化亜鉛を使用することが好ましい。こ
れらの金属酸化物のうち、ジルコニア、チタニア、酸化
スズ、酸化亜鉛等の光触媒活性を有しているものを使用
することが好ましい。光触媒の親水化機能により、室内
の照明や窓からの入射光などから得られる紫外線の存在
下で、より一層親水性を高めることが可能となる。さら
に、光触媒の分解機能により、防汚・防臭などの効果も
期待できる。これらの酸化物のゾルを使用してゾル塗布
法により形成することが好ましい。ゾルは様々な粒子径
・性状のものが入手可能であり、表面に形成した凹部に
入り込ませるために最適なものを選ぶことができる。酸
化物ゾルは前述の各種金属酸化物が挙げられるが、中で
も粒子径が50nm以下のものが好ましい。あらかじめ
形成した凹凸に入り込むため、基材表面の表面積は大き
くなり、一層親水性が高まるからである。また、スパッ
タあるいはCVDによって前記酸化物の被膜を形成する
方法も好ましい。スパッタあるいはCVDによれば、被
膜形成する前の親水性複合材の凹凸を生かした被膜を形
成することが可能となる。CVDやスパッタにおいて処
理温度を高くすることにより、耐アルカリ性、耐温水性
などの耐久性をより向上させることが可能である。
【0025】また、基材の最表面には、金属粒子を光還
元法により、固定することも可能である。この場合、電
子捕捉効果を有する金属を添加することにより、親水機
能を高めることができる。電子捕捉効果を有する金属と
は、Pt、Pd、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、C
o、Zn等のイオン化傾向の小さく、自身が還元されや
すい金属をいう。これらの金属は、複数併用しても構わ
ない。この場合の金属の平均粒子径は200nm以下で
あることが好ましい。光の干渉、乱反射による発色、白
濁を防止するためである。
【0026】また、基材表面に形成した金属酸化物層粒
子の間隙にその間隙よりも小さな粒径の粒子を充填させ
ることも可能である。間隙に粒子を充填することで、基
材表面の表面積を大きくすることができ、親水性の向上
につながる。また、間隙に充填した粒子によって、金属
酸化物層粒子を結合させることができ、基材への密着性
が向上する。前記間隙より小さい粒径の粒子としては、
Sn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、Pt、Co、P
d、Ni等が挙げられる。前記電子捕捉効果を有する金
属を充填すれば、さらなる親水性の向上が期待できる。
【0027】余剰水誘導手段は、鏡そのものを処理する
方法、器具を用いる方法などど、鏡の水切れを良くする
ものなら何でもよい。鏡そのものに処理する方法として
は、図1、図2のように鏡下縁部を面取りする、図3、
4のように鏡下縁部に勾配5をつけ、水を集めて流すよ
うにするなどの方法が挙げられる。器具を用いる方法と
しては、鏡近傍に送風装置を設け、鏡面に向かって送風
し、鏡面の余剰水を誘導することもできる。鏡裏面、鏡
縁部などに発振装置を設けて、鏡を振動させて余剰水を
誘導することも可能である。鏡の固定具を利用し、余剰
水を固定具に誘導し、固定具から壁面へと流し伝えるよ
うにすることも可能である。これらの方法は、単独で用
いてもよいが、組合せて用いれば、尚好ましい。
【0028】本発明において、面取りは図1に示す面取
り角度αは45度以上なら何度でもよいが、さらには6
0度以上が好ましい。面取り角度αを大きくすれば面取
り勾配角度βは小さくなり、余剰水がよりスムーズに流
れるようになる。親水性鏡表面2と面取り部3の接合部
(面取り角部4)をさらに面取りしたり、図2のように
Rをつけたりすると、余剰水の流れをよりスムーズにす
ることが可能である。
【0029】本発明において、面取りは、鏡全周に施し
てもよく、また、左右及び下縁部に施すなど、鏡の周囲
のうち少なくとも下縁部に施すようにすればよい。全周
に面取りを施せば、鏡の高級感が増し、意匠が向上する
ばかりか、上下左右を考えないで取付けることが可能と
なり、施工も簡易になる。面取り部分の表面性状は、鏡
本体と同様に親水性を呈していることが好ましい。あら
かじめ面取りした鏡に親水化の処理を行えば、鏡本体と
同様な親水性を得ることができる。親水化処理を行った
後に面取りする場合には、そのままでもよいが、面取り
部を機械的エッチングするなど簡便な方法で親水処理を
行えば、尚好ましい。
【0030】本発明において、面取り部は本体と同じよ
うに透明であってもよいが、サンドブラスト加工を施し
て、すりガラス状にして、装飾することも可能である。
すりガラス状にして白くしておけば、水中のカルシウム
分が固着して白っぽくなってきた時に目立たせないよう
にすることができる。
【0031】
【実施例1】試料作成 あらかじめ下端部が面取りされている200mm×30
0mmを用意した。この鏡表面をセリア粒子で研磨して
試料1を、ケミカルエッチングして試料2を得た。ま
た、鏡表面にCVD法により酸化スズの凹凸層を形成し
て試料3を得た。試料3の最表面にさらにシリカゾルを
塗布しすることで凹凸上にさらに凹凸層を形成して試料
4を得た。比較のため、標準の鏡にも上記と同様の処理
を行い、比較試料1〜4を得た。
【0032】評価 試料1〜4及び比較試料1〜4を浴室内に設置し、実機
評価を行った。入浴は1日4人とし、毎日入浴終了後、
試料に水をかけて、1分後の水濡れ状況を目視にて確認
した。評価の結果は、水濡れ面積が80%以上を保持し
た日数で表わした。結果を下表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1からわかるように、鏡の下端に面取り
を施すことで、いずれの試料も親水性を維持する日数が
延びた。このことから、鏡の下端部に面取りを行えば、
鏡の水切れが良くなるため、表面の余剰水の流れがよく
なり、親水維持性が向上することが確認できた。
【0035】
【発明の効果】鏡の水切れ性を向上させて、鏡表面の余
剰水の流れを良くし、水に起因する金属石鹸などの親水
性を阻害させる汚染物質を付着させないようにすること
により、親水維持性が向上し、長期にわたって良好な防
曇性及び/又は防汚性が発揮できる鏡を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態である鏡の下縁部に面取りを施
した例を示す側面図である。
【図2】本発明の一形態である鏡の下縁部にR面取りを
施した例を示す側面図である。
【図3】本発明の一態様である鏡の下縁部に勾配を施し
た例を示す正面図である。
【図4】本発明の一態様である鏡の下縁部に勾配を施し
た例を示す正面図である。
【図5】従来例を示す図である。(A)は正面図、
(B)は側面図である。
【符号の説明】
1 : 親水性鏡 2 : 親水性鏡表面
3 : 面取り部 4 : 面取り角部 5 : 勾配 α : 面取り角度 β : 面取り勾配角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B111 AA01 AA03 AC01 AC03 AD01 CA03 CB01 CC01 CD01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性を有する親水性鏡であって、該鏡
    表面に水膜として保持可能な許容量を超えた余剰水を誘
    導する誘導手段を設けたことを特徴とする浴室用鏡。
  2. 【請求項2】 前記親水性鏡は、表面に微細な凹凸構造
    を有しており、該凹凸によって親水性を呈することを特
    徴とする請求項1に記載の浴室用鏡。
  3. 【請求項3】 前記凹凸構造は、機械的エッチングによ
    り形成したものであることを特徴とする請求項2に記載
    の浴室用鏡。
  4. 【請求項4】 前記凹凸構造は、ケミカルエッチングに
    より形成したものであることを特徴とする請求項2に記
    載の浴室用鏡。
  5. 【請求項5】 前記凹凸構造は、部材表面に接合され
    る、金属酸化物の1種以上を含有する凹凸層であること
    を特徴とする請求項2に記載の浴室用鏡。
  6. 【請求項6】 前記凹凸構造は、凹凸構造を有する部材
    表面に、さらに金属酸化物からなる凹凸層を形成したも
    のであることを特徴とする請求項2に記載の浴室用鏡。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物は、シリカ、アルミナ、
    ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛からなる群
    より選ばれたものが主成分であることを特徴とする請求
    項5または6に記載の浴室用鏡。
  8. 【請求項8】 前記誘導手段は、鏡の下縁部の面取りで
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の浴室用鏡。
  9. 【請求項9】 前記面取り部はサンドブラスト加工がな
    されていることを特徴とする請求項8記載の浴室用鏡。
  10. 【請求項10】 前記誘導手段は、鏡下縁部に勾配をつ
    け、余剰水を集めて流すことを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか1項に記載の浴室用鏡。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003024733A (ja) * 2001-07-18 2003-01-28 Matsushita Seiko Co Ltd 気水分離装置
JP2008119908A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Kyushu Institute Of Technology インクジェット式液滴ノズル
JP2010192711A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Nishio Glass & Mirror Co Ltd 板鏡における防水構造
JP2016165379A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 株式会社ノーリツ 浴室用防汚鏡

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