JP2000275892A - 記録媒体及び転写方法 - Google Patents

記録媒体及び転写方法

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JP2000275892A
JP2000275892A JP11083089A JP8308999A JP2000275892A JP 2000275892 A JP2000275892 A JP 2000275892A JP 11083089 A JP11083089 A JP 11083089A JP 8308999 A JP8308999 A JP 8308999A JP 2000275892 A JP2000275892 A JP 2000275892A
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Yasushi Matsune
泰 真常
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像が良好な定着を示す記録媒体を提供
する。 【解決手段】 多価の金属塩化合物を含有する基材11
から成る事を特徴とする記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録媒体に関し、特
に画像形成装置に適した記録媒体、及び転写方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体現像剤を用いた湿式画像形成装置
は、乾式では実現出来ないサブミクロンサイズの微細ト
ナーを使用できる為、高画質化が実現可能である。ま
た、その他にもトナー粒子中の、樹脂に対する顔料の比
が乾式のそれより高い為、少量のトナーで十分な画像濃
度が得られ経済的である事、使用するトナーの樹脂のガ
ラス転移温度が低く、トナーを用紙に定着する温度を低
く設定する事が出来る為、省エネルギーである事等の利
点も有している。
【0003】一方、従来の湿式画像形成装置には、まだ
いくつかの本質的な問題が含まれている。これらの問題
の1つとして転写手段における画質の劣化があげられ
る。従来は、潜像保持体上に付着している液体現像剤
を、電界の作用で用紙に直接転写していた為、用紙表面
の凹凸に応じた電界変動による転写むらが生じていた。
また、使用する場所の温度や湿度等の環境依存性や、用
紙の電気特性のばらつき等によって、転写不良も生じ易
かった。これらにより、転写手段において転写画像の画
質が著しく劣化していた。
【0004】この様な問題を解決する為、潜像保持体か
ら一旦電界により中間転写媒体へと転写し、その後に中
間転写媒体から紙などの記録媒体に圧力を用い、または
圧力と熱を用いて転写する装置が、米国特許第5,14
8,222号、同第5,166,734号、同第5,2
08,637号等に開示されている。中間転写媒体を、
表面が平滑で電気抵抗のばらつきや変動の少ない材料で
構成する事は比較的容易である為、記録媒体へ直接電界
で転写する場合に比べて、転写手段による画質の劣化は
大幅に改良される。
【0005】また、その他にも特公昭46−41679
号や、特開昭62−280882号等には、電界転写を
用いる事なく、潜像保持体から中間転写媒体への転写、
中間転写媒体から記録媒体への転写の双方において、圧
力による転写、または圧力と熱による転写を行う装置が
開示されている。この場合は、圧力によって、または圧
力と熱によってのみ転写する為、電界転写の場合に見ら
れた問題は生じない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、転写手段によ
る画質の劣化が改良されても、まだ問題は残る。それ
は、記録媒体上での画像の定着強度の大きさである。湿
式画像装置では、上記で述べたように使用するトナーの
樹脂のガラス転移温度が低い。その為、トナーを記録媒
体に定着する温度を低く設定する事が出来るので省エネ
ルギーなのであるが、一方で、最終的な画像担持体とし
ての記録媒体において、常温での定着強度が小さくなっ
てしまうという問題が残るのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、多価の
金属塩化合物を含有する基材から成る事を特徴とする記
録媒体を提供する。多価の金属塩化合物としては、ナフ
テン酸、オクチル酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の、
ジルコニウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、錫
塩、セリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を用
いても良い。
【0008】また、酢酸、メチルスルホン酸等の低分子
量有機酸の、多価金属塩化合物を用いても良い。この記
録媒体の基材は、金属酸化物を含有しても良い。
【0009】金属酸化物としては、SiO2、TiO2
Al23、SnO2、ZnO、Fe23、MgO、B2
3、MnO2等を用いても良い。また本発明は、表面が多
価の金属塩化合物を含有する樹脂層から成る記録媒体上
に、酸価を有する樹脂を含有するトナー粒子を転写する
工程を有する事を特徴とする転写方法を提供する。
【0010】トナー粒子中の酸価を有する樹脂として
は、ポリエステル系の縮合樹脂や、アクリル系の共重合
樹脂を用いても良い。さらに本発明は、表面が多価金属
塩結合樹脂層から成る事を特徴とする記録媒体を提供す
る。
【0011】この記録媒体の多価金属塩結合樹脂層は、
金属酸化物を含有しても良く、基材上に設けられても良
い。また本発明は、表面が多価金属塩結合樹脂層から成
る記録媒体上に、酸価を有する樹脂を含有するトナー粒
子を転写する工程を有する事を特徴とする転写方法を提
供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。本発明の第1の実施例について説明する。本
実施例は図1の断面図に示すように、基材11表面に、
金属塩化合物を含有する樹脂層12を設けたものであ
り、この樹脂層12は、金属酸化物粒子13を含有す
る。
【0013】まず、三井東圧化学(株)製CPR−10
0を約100重量部中に、トルエン約500重量部と、
金属酸化物13として日本アエロジル(株)製疎水性シ
リカR−972を約10重量部と、金属塩化合物として
大日本インキ化学工業(株)製ナフテン酸ジルコニウム
を約10重量部を加えて、混合機で約3時間混合攪拌
し、塗料とする。
【0014】この塗料を、基材11とするポリエチレン
テレフタラート(PET)製のOHPシートに、約15
μmとなる様に塗布して、金属塩化合物を含有する樹脂
層12とし、記録媒体を完成する。さらに、この樹脂層
12は、金属酸化物粒子13を含有している。
【0015】金属酸化物13粒子を含有する事により、
樹脂層12の補強効果と、金属酸化物13粒子によって
記録媒体のトナー像を転写する表面に微細な凹凸が設け
られる事による、記録媒体の表面積を増加させる効果が
ある。金属酸化物13としては、SiO2、TiO2、A
23、SnO2、ZnO、Fe23、MgO、B
23、MnO2等を用いても良い。
【0016】酸価を有する樹脂から成る現像剤として
は、武田薬品工業(株)製エチレンビニルアセテート共
重合体樹脂のデュミランC−2270を約5重量部に、
エクソン化学(株)製のアイソパーLを加えて全体を約
60重量部とし、還流攪拌器付き容器で約150℃で加
熱溶解する。冷却後、その溶液に、着色剤微粉末約10
重量部と、大日本インキ化学工業(株)製ナフテン酸ジ
ルコニウム(不揮発分40%)約0.7重量部と、アイ
ソパーL約13.3重量部を加え、混合機で約3時間混
合し、約84gの濃縮液を得る。さらにアイソパーLを
約616g加えて希釈し、画像形成装置用の液体現像剤
とする。現像剤中の酸価を有する樹脂としては、ポリエ
ステル系の縮合樹脂や、アクリル系の共重合樹脂を用い
ても良い。
【0017】着色剤としては、例えば大日本インキ化学
工業(株)製フタロシアニンブルーのKET BLUE
111を約40重量部と、三洋化成工業(株)製ポリア
ミド樹脂のポリマイドS−150(酸価13mgKOH
/g、アミン価5mgKOH/g)を約60重量部を混
合し、加圧ニーダーを用いて溶融混練する。得られた着
色練肉物を粉砕機を用いて粉砕し、直径約1mmの着色
剤微粉末を得る。
【0018】樹脂層12を設けたOHPシートに、上記
液体現像剤を用いて、一般的な湿式画像形成法により、
潜像保持体上に形成されたトナー像を転写したところ、
良好に定着された。また、JIS K−5400記載の
Xカットテープ法で、トナー像とOHPシートとの付着
性を評価したところ、評価点10となった。
【0019】カルボキシル基等の酸性置換基を有する樹
脂は多価の金属イオン存在下で架橋する。よって本発明
の記録媒体を用いる事によって、現像剤中の酸価を有す
る樹脂と、記録媒体中の多価の金属塩化合物とが化学的
に結合する事により、強固な定着が可能となる。従っ
て、液体現像剤などのガラス転移温度の低い樹脂を用い
た場合でも、トナー像が良好に定着する。
【0020】多価の金属塩化合物としては、ナフテン
酸、オクチル酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の、ジル
コニウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、錫塩、
セリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等でも良
い。
【0021】また、酢酸、メチルスルホン酸等の低分子
量有機酸の、多価金属塩化合物を用いても良い。比較例
として、樹脂層を設けないOHPシートを用いて第1の
実施例と同様に上記液体現像剤を用いた湿式画像形成法
によって、潜像保持体上に形成されたトナー像を転写し
たところ、転写されたトナー像の定着は不良であり、上
記のXカットテープ法でトナー像とOHPシートの付着
性を評価したところ、評価点4であった。
【0022】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。本実施例は図2の断面図に示すように、基材11
表面に、多価金属塩結合樹脂層21を設けたものであ
る。本実施例でも、第1の実施例と同様の現像剤を使用
する。
【0023】多価金属塩結合樹脂層21として、三井・
デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛で金属架橋された
エチレン酢酸ビニル共重合体、ハイミラン1554を、
基材11としてのOHP表面に加熱プレス処理で15μ
mとなる様に形成し、記録媒体とする。
【0024】第1の実施例と同様の方法でトナー像を転
写したところ、良好に定着された。また、上記のXカッ
トテープ法で、トナー像とOHPシートの付着性を評価
したところ、評価点10であった。
【0025】多価金属塩結合樹脂には、金属酸化物粒子
を含有させても良いし、金属塩化合物や、多価金属塩結
合樹脂を基材に含有させても良い。これらを基材に含有
させるには、金属塩化合物や、多価金属塩結合樹脂を基
材に混ぜ込み、記録媒体となる様、延ばす事によって作
製すれば良い。また、図3の多価金属塩結合樹脂含有基
材31のように、これらの樹脂を含有させた基材に、金
属酸化物を含有させても良い。
【0026】転写方法としては、潜像保持体から直接記
録媒体へ転写する方法でも、潜像保持体から中間転写媒
体へ一度転写し、中間転写媒体から記録媒体へ転写する
方法でも良い。また、電界による転写、圧力による転
写、または圧力と熱による転写等、限定しない。また、
画像形成方法としては、実施例1の現像剤と同様のトナ
ーを用いる事により、湿式画像形成方法に限らず、乾式
画像形成方法でも良い。
【0027】
【発明の効果】以上の様に、装置の構成などを変えるこ
となく、湿式画像形成装置などに用いられる、ガラス転
移温度の低いトナーを用いても、トナー像が良好な定着
を示し、剥離しにくく、他の媒体へと移行しにくい記録
媒体を得る事が出来る。また、画像形成方法としては、
湿式画像形成方法に限らず、乾式画像形成方法でも良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の記録媒体の第1の実施例の断面図。
【図2】 本発明の記録媒体の第2の実施例の断面図。
【図3】 本発明の多価金属塩結合樹脂含有基材。
【符号の説明】
11…基材 12…樹脂 13…金属酸化物粒子 21…多価金属塩結合樹脂 31…多価金属塩結合樹脂含有基材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価の金属塩化合物を含有する基材から
    成る事を特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記基材は金属酸化物を含有する事を特
    徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 表面が多価の金属塩化合物を含有する樹
    脂層から成る記録媒体上に、酸価を有する樹脂を含有す
    るトナー粒子を転写する工程を有する事を特徴とする転
    写方法。
  4. 【請求項4】 表面が多価金属塩結合樹脂層から成る事
    を特徴とする記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記多価金属塩結合樹脂層は金属酸化物
    を含有する事を特徴とする請求項4記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記多価金属塩結合樹脂層は、基材上に
    設けられている事を特徴とする請求項4または5記載の
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 表面が多価金属塩結合樹脂層から成る記
    録媒体上に、酸価を有する樹脂を含有するトナー粒子を
    転写する工程を有する事を特徴とする転写方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1850186A1 (en) * 2006-04-27 2007-10-31 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Electrophotographic image forming method
JP2012003138A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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