JP2022034879A - キャリア - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下においてかぶりの発生を抑制できるキャリアを提供する。【解決手段】本発明のキャリアは、キャリア粒子を含むキャリアである。前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。前記コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する。前記コート層は、導電材を更に含有することが好ましい。前記導電材は、カーボンブラック又は酸化チタン粒子を含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、キャリアに関する。
キャリア及びトナーを含む2成分現像剤には、様々な環境下(例えば、通常環境下及び高温高湿環境下)において、かぶりの発生を抑制できることが要求される。2成分現像剤には、耐久性の観点から、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備えるキャリア粒子を含むキャリアが用いられる場合がある。キャリア粒子の備えるコート層としては、例えば、シリコーン樹脂と、導電材又はカップリング剤とを含有するコート層が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開平6-118725号公報 特開平5-341581号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載のキャリア粒子を含むキャリアを用いた2成分現像剤は、高温高湿環境下において、かぶりが発生する傾向がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温高湿環境下においてかぶりの発生を抑制できるキャリアを提供することである。
本発明のキャリアは、キャリア粒子を含むキャリアである。前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。前記コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する。
本発明のキャリアは、高温高湿環境下においてかぶりの発生を抑制できる。
本発明のキャリアが含むキャリア粒子の断面の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。キャリアは、キャリア粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体、キャリア粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA-950」)を用いて測定されたメディアン径である。
粉体の個数平均1次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:1次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均1次粒子径は、例えば100個の1次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均1次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均1次粒子径を指す。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N-01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P-01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。以下に記載する各成分については、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<キャリア>
本発明のキャリアは、キャリア粒子を含む。キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する。
本発明のキャリアは、例えば、トナーと混合することで2成分現像剤として用いることができる。2成分現像剤は、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。2成分現像剤は、現像装置内においてキャリア及びトナーが攪拌されることで、トナーが帯電する。
本発明のキャリアは、上述の構成を備えることにより、高温高湿環境下においてかぶりの発生を抑制できる。その理由を以下に説明する。シリコーン樹脂を含有するコート層を用いた公知のキャリアは、コート層の耐久性に優れ、常温常湿環境下においてかぶりの発生を抑制することができ、画像形成時に汚れが発生せず、かつ様々な種類のトナーに対して適切な帯電付与能力を発揮できるというメリットを有する。一方、シリコーン樹脂は、水蒸気透過性が比較的高い。そのため、上述の公知のキャリアは、高温高湿環境下においてキャリア粒子が吸湿し、その結果、トナーに対する帯電付与能力、及び電荷保持能力が低下する。これにより、上述の公知のキャリアを用いると、高温高湿環境下においてかぶりが発生し易くなる。これに対して、本発明のキャリアは、コート層がポリイミドシリコーン樹脂を含有する。ポリイミドシリコーン樹脂は、シリコーン樹脂と似た特性を有するが、水蒸気透過性が低い。そのため、本発明のキャリアは、上述の公知のキャリアと同様のメリットを有し、かつ高温高湿環境下におけるかぶりの発生を抑制できる。
[キャリア粒子]
以下、図面に沿って本発明のキャリアが含むキャリア粒子を説明する。図1は、本発明のキャリアが含むキャリア粒子の断面の一例を示す。キャリア粒子1は、キャリアコア2と、キャリアコア2の表面を被覆するコート層3とを備える。コート層3は、キャリアコア2の表面の全面を被覆している。コート層3は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する。ポリイミドシリコーン樹脂は、例えば、コート層3の主成分である。
以上、図1に基づいてキャリア粒子1について説明した。但し、本発明のキャリアが含むキャリア粒子は、図1に示すキャリア粒子1に限定されない。以下、キャリア粒子の各構成について詳細を説明する。
[キャリアコア]
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましい。キャリアコアは、磁性材料の粒子であってもよく、結着樹脂と、結着樹脂中に分散した磁性材料の粒子とを備える粒子(以下、樹脂キャリアコアと記載することがある)であってもよい。
キャリアコアに含有される磁性材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、及びこれら金属のうち1種以上を含む合金)、並びに強磁性金属酸化物が挙げられる。強磁性金属酸化物としては、フェライトと、スピネルフェライトの1種であるマグネタイトとが挙げられる。フェライトとしては、例えば、Baフェライト、Mnフェライト、Mn-Znフェライト、Ni-Znフェライト、Mn-Mgフェライト、Ca-Mgフェライト、Liフェライト、Cu-Znフェライト、及びMn-Mg-Srフェライトが挙げられる。キャリアコアの製造方法としては、例えば、磁性材料を粉砕及び焼成する工程を含む方法が挙げられる。キャリアコアの製造において、磁性材料の添加量(特に、強磁性材料の割合)を変更することで、キャリアの飽和磁化を調整することができる。また、キャリアコアの製造において、焼成温度を変更することで、キャリアコアの円形度を調整することができる。なお、キャリアコアは、市販品を使用してもよい。
キャリアコアとして用いる磁性材料の粒子としては、例えば、フェライト粒子が挙げられる。フェライト粒子は、2成分現像剤による画像形成のために十分な磁性を有する傾向がある。なお、一般的な製法により製造されたフェライト粒子は、真球にはならず、表面に適度な凹凸を有する傾向がある。キャリアコアがフェライト粒子(フェライトコア)である場合、フェライトコアの表面とコート層との密着性を向上させる観点から、フェライトコアの表面の算術平均粗さ(詳しくは、JIS(日本産業規格)B0601-2013で規定される算術平均粗さRa)としては、0.3μm以上2.0μm以下が好ましい。
樹脂キャリアコアにおける結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、又はフェノール樹脂が好ましく、フェノール樹脂がより好ましい。樹脂キャリアコアにおける磁性材料の粒子としては、例えば上記磁性材料において例示した磁性材料のうち1種以上の磁性材料を含む粒子が挙げられる。
キャリア粒子において、キャリアコア及びコート層の合計質量に対するキャリアコアの質量割合としては、70質量%以上99質量%以下が好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。
良好な現像性を得るためには、キャリアコアの体積中位径(D50)としては、20μm以上70μm以下が好ましい。
キャリアコアの飽和磁化としては、例えば、50emu/g以上90emu/g以下とすることができる。
[コート層]
コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する。コート層の質量としては、キャリアコア100質量部に対して、0.4質量部以上4.5質量部以下が好ましく、1.0質量部以上3.0質量部以下がより好ましい。コート層の質量を0.4質量部以上とすることで、キャリアコアの露出を抑制できる。コート層の質量を4.5質量部以下とすることで、本発明のキャリアがトナーを帯電させ易くなる。
(ポリイミドシリコーン樹脂)
ポリイミドシリコーン樹脂は、ポリイミド構造とポリシロキサン構造(例えば、アルキルポリシロキサン構造)とを有する共重合体である。ポリイミドシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製「KJR-651」、「KJR-655」、「KJR-657」及び「KJR-663」が挙げられる。ポリイミドシリコーン樹脂は、熱硬化型ポリイミドシリコーン樹脂を硬化させた樹脂であってもよい。
コート層は、樹脂として、ポリイミドシリコーン樹脂のみを含有することが好ましいが、他の樹脂を更に含有してもよい。コート層が含有する樹脂全体におけるポリイミドシリコーン樹脂の含有割合としては、90質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
(導電材)
コート層は、導電材を更に含有することが好ましい。コート層が導電材を更に含有することにより、キャリア粒子の電気抵抗及びトナーに対する帯電付与能力を調整することができる。
導電材としては、例えば、カーボンブラック(特に、導電性カーボンブラック)、酸化金属粒子(例えば、酸化チタン粒子及び酸化スズ粒子)、及び有機導電材が挙げられる。導電材としては、カーボンブラック又は酸化チタン粒子が好ましい。
コート層がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量としては、コート樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以上6.0質量部以下がより好ましい。
(添加剤)
コート層は、添加剤として、電荷制御剤、密着向上剤及び架橋剤のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。添加剤としては、シランカップリング剤(又はシランカップリング剤に由来する成分)が好ましく、アミノシランカップリング剤(又はアミノシランカップリング剤に由来する成分)がより好ましい。アミノシランカップリング剤(又はアミノシランカップリング剤に由来する成分)は、電荷制御剤、密着向上剤及び架橋剤としての機能を有する。
コート層が添加剤を含有する場合、添加剤の含有量としては、コート樹脂100質量部に対して、4.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、8.0質量部以上15.0質量部以下がより好ましい。
(2成分現像剤)
本発明のキャリアの用途の一例について説明する。本発明のキャリアは、2成分現像剤の材料として用いることができる。2成分現像剤は、例えば、本発明のキャリアとトナーとを含む。2成分現像剤は、例えば、混合機(より具体的には、例えば、ボウルミル及びロッキングミキサ(登録商標))を用いて、キャリアとトナーとを攪拌しながら混合することで得られる。2成分現像剤におけるトナーの含有割合としては、1質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
トナー粒子は、トナー母粒子のみを備えてもよい。また、トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えてもよい。トナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよく、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子のトナー母粒子は、例えば結着樹脂を含有するトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含有する。カプセルトナー粒子は、例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)としては、4μm以上9μm以下が好ましい。
トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、結着樹脂に加え、必要に応じて内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を更に含有してもよい。
結着樹脂としては、トナーの低温定着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。トナー母粒子における結着樹脂の含有割合としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、75質量%以上90質量%以下がより好ましい。
トナー母粒子は、着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができるが、例えば、黒色着色剤及びカラー着色剤を用いることができる。トナー母粒子が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有することが好ましい。離型剤は、例えば、トナーに耐ホットオフセット性を付与する目的で使用される。トナー母粒子が離型剤を含有する場合、離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以上15.0質量部以下がより好ましい。
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有することが好ましい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩が好ましい。トナー母粒子が電荷制御剤を含有する場合、電荷制御剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましい。
トナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着する外添剤を備えることが好ましい。外添剤は、外添剤粒子を含む。外添剤粒子としては、無機粒子が好ましい。無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウム)の粒子が挙げられる。無機粒子としては、酸化チタン粒子又はシリカ粒子が好ましい。無機粒子の個数平均1次粒子径としては、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上40nm以下がより好ましい。
トナー粒子が外添剤を備える場合、外添剤の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.01質量部以上10.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下がより好ましい。
<キャリアの製造方法>
本発明のキャリアの製造方法の一例について説明する。キャリアの製造方法は、キャリアコアにコート層形成溶液を塗布する塗布工程と、塗布工程後のキャリアコアを加熱する加熱工程とを備える。コート層形成溶液は、ポリイミドシリコーン樹脂、溶媒及び必要に応じて添加される他の成分(例えば、導電材及び添加剤)を含有する。ポリイミドシリコーン樹脂は、熱硬化型ポリイミドシリコーン樹脂であってもよい。
コート層形成溶液の溶媒としては、例えば、ラクタム化合物(例えば、2-ピロリドン及びN-メチル-2-ピロリドン)、ケトン化合物(例えば、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン)、環状エーテル化合物(例えば、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン)、アルコール化合物(例えば、ノルマルブタノール及びイソブタノール)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル及び酢酸イソブチル)及び芳香族炭化水素化合物(例えば、トルエン及びキシレン)が挙げられる。コート層形成溶液の溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
コート層形成溶液の固形分濃度としては、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
[塗布工程]
コート層形成溶液をキャリアコアに塗布する方法としては、例えば、コート層形成溶液にキャリアコアを浸漬させる方法、及び流動層中のキャリアコアにコート層形成溶液を噴霧する方法が挙げられる。コート層形成溶液にキャリアコアを浸漬させる方法では、キャリアコアの表面の凸部には少量のコート層形成溶液が塗布され、キャリアコアの表面の凹部には多量のコート層形成溶液が塗布され、コート層形成溶液の塗布量が不均一になる傾向がある。これに対して、流動層中のキャリアコアにコート層形成溶液を噴霧する方法では、キャリアコアの表面の凸部及び凹部の何れに対してもコート層形成溶液を均一に塗布できる傾向がある。以上から、コート層形成溶液をキャリアコアに塗布する方法としては、流動層中のキャリアコアにコート層形成溶液を噴霧する方法が好ましい。
[加熱工程]
本工程では、塗布工程後のキャリアコアを加熱し、コート層形成溶液に含まれる溶媒を除去する。また、コート層形成溶液に未硬化のポリイミドシリコーン樹脂が含まれる場合、未硬化のポリイミドシリコーン樹脂を熱硬化させる。その結果、コート層形成溶液からコート層が形成される。加熱条件としては、例えば、加熱温度を200℃以上300℃以下、加熱時間を30分以上90分以下とすることができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<キャリアの製造>
以下の方法により、キャリアコアにコート層を形成することでキャリアを製造した。
(キャリアコアの調製)
MnO(40質量部)と、MgO(9質量部)と、Fe23(50質量部)と、SrO(1質量部)とを、ボウルミルにて2時間の混合粉砕処理を行った。得られた造粒物を1000℃で5時間焼成した。これにより、個数平均1次粒子径が40μm、飽和磁化が65Am2/kg(3000×103/4π・A/m印加時)であるキャリアコア(マンガン系フェライトキャリアコア)を得た。
<キャリアの調製>
以下の方法により、実施例1~8及び比較例1~4のキャリアを調製した。まず、各キャリアの調製において、コート層の形成に用いた樹脂(以下、コート樹脂と記載することがある)、導電材及び添加剤について説明する。
(コート樹脂)
ポリイミドシリコーン樹脂(A):信越化学工業株式会社製「KJR(登録商標)651」
ポリイミドシリコーン樹脂(B):信越化学工業株式会社製「KJR(登録商標)655」
ポリイミドシリコーン樹脂(C):信越化学工業株式会社製「KJR(登録商標)657」
シリコーン樹脂:デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル株式会社製「SR2400」
ポリイミド樹脂:日立化成株式会社製「HCI-7000」
(導電材)
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「三菱(登録商標)カーボンブラック#3230B」、個数平均1次粒子径:55nm
酸化チタン粒子:チタン工業株式会社製「EC-100」、TiO2基体とSbドープSnO2コート層とを備える酸化チタン粒子、個数平均1次粒子径:約0.35μm
(添加剤)
アミノシランカップリング剤:信越化学工業株式会社製「KBM-603」
[実施例1]
コート樹脂としてのポリイミドシリコーン樹脂(A)2.00質量部を、溶媒(N-メチル-2-ピロリドン)10.0質量部に分散させることにより、コート層形成溶液を調製した。
流動コーティング装置(フロイント産業株式会社製「FL-1」)を用い、上述のキャリアコア100質量部に、上述の方法で調製したコート層形成溶液の全量をスプレーコートで塗布した。上述のコーティング装置を用いて、コート層形成溶液を塗布したキャリアコアを、280℃で1時間加熱した。これにより、コート層形成溶液に含まれるコート樹脂を硬化させた。その結果、キャリアコア及びコート層を備えるキャリア粒子を含む実施例1のキャリアを得た。
[実施例2~8及び比較例1~4]
コート層形成溶液の組成を下記表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~8及び比較例1~4のキャリアを調製した。なお、下記表1において、「部」は、キャリアコア100質量部に対する質量部を示す。「アミノシラン」は、アミノシランカップリング剤を示す。「-」は、該当する成分を使用していないことを示す。
Figure 2022034879000002
<2成分現像剤の調製>
実施例1~8及び比較例1~4のキャリアを評価するため、実施例1~8及び比較例1~4のキャリアを含む2成分現像剤を調製した。
(トナー母粒子の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「XPE258」)100質量部と、ポリプロピレンワックス(三洋化成工業株式会社製「ビスコール(登録商標)660P」)5質量部と、カーボンブラック(キャボット社製「REGAL(登録商標)330R」)5質量部と、電荷制御剤としての4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P-51」)1質量部とを、攪拌速度2400rpmで5分間混合した。
続けて、得られた混合物を、材料投入量5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度範囲80℃以上110℃以下の条件で、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM-30」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却後の混練物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ-LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径7μmのトナー母粒子を得た。
(外添剤の外添)
上述のトナー母粒子100.0質量部と、酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC-100」)1.0質量部と、疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「RA-200H」)0.7質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて攪拌速度3500rpmで5分間混合した。その結果、トナー母粒子の表面に外添剤(酸化チタン粒子及び疎水性シリカ粒子)が付着した。これにより、トナー粒子を含む評価用トナーを得た。
(評価用トナー及びキャリアの混合)
粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサ(登録商標)」、混合方式:容器回転揺動方式)に、評価対象となるキャリア(詳しくは、実施例1~8及び比較例1~4のキャリアの何れか)100質量部と、評価用トナー8質量部とを投入した。この粉体混合機を用いて、内容物を30分間に渡って攪拌速度70rpmにて攪拌した。このようにして、評価用2成分現像剤(トナーの含有割合8質量%)を得た。
<評価>
以下の方法により、実施例1~8及び比較例1~4のキャリアを含む2成分現像剤を用いて画像形成を行った。
[評価機]
評価機としては、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa(登録商標)500ci」)を用いた。印刷用紙としては、富士ゼロックス株式会社製「C2(登録商標)」を用いた。
[通常環境A]
以下の操作は、通常環境(温度23℃、湿度50%RH)下において行った。評価用2成分現像剤を評価機のブラック用現像装置に投入し、評価用トナー(補給用トナー)を評価機のブラック用トナーコンテナに投入した。上記評価機を用いて、印刷用紙に5個のソリッド画像(縦:25mm×横:25mm)を形成した。これにより、第1評価用紙(通常環境、初期)を得た。次に、上記評価機を用いて、印刷用紙に、印字率2%で5000枚の連続印刷試験(2%、5kp)を行った。連続印刷試験後、上記評価機を用いて、上述の印刷用紙に5個のソリッド画像(縦:25mm×横:25mm)を形成した。これにより、第2評価用紙(通常環境、2%、5kp)を得た。別途、上記評価機を用いて、印刷用紙に、印字率20%で5000枚の連続印刷試験(20%、5kp)を行った。連続印刷試験後、上記評価機を用いて、上述の印刷用紙に5個のソリッド画像(縦:25mm×横:25mm)を形成した。これにより、第3評価用紙(通常環境、20%、5kp)を得た。
[高温高湿環境]
上述の評価機を、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)下に48時間静置した(H/H処理)。高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)下において、上記評価機を用いて、印刷用紙に5個のソリッド画像(縦:25mm×横:25mm)を形成した。これにより、第4評価用紙(H/H処理後、初期)を得た。
[通常環境B]
以下の操作は、通常環境(温度23℃、湿度50%RH)下において行った。H/H処理後の上記評価機を用いて、上述の印刷用紙に、印字率5%で100000枚の連続印刷試験(5%、100kp)を行った。その後、上記評価機を用いて、上述の印刷用紙に5個のソリッド画像(縦:25mm×横:25mm)を形成した。これにより、第5評価用紙(通常環境、5%、100kp)を得た。
得られた5種類の評価用紙(詳しくは、第1評価用紙(通常環境、初期)、第2評価用紙(通常環境、2%、5kp)、第3評価用紙(通常環境、20%、5kp)、第4評価用紙(H/H処理後、初期)及び第5評価用紙(通常環境、5%、100kp))について、以下の方法により、画像濃度及びかぶりの発生の抑制を評価した。評価結果を下記表2に示す。
[画像濃度]
5種類の評価用紙のそれぞれのソリッド画像の画像濃度(ID)を、マクベス反射濃度計(X-Rite社製「RD914」)を用いて測定した。画像濃度は、以下の評価基準に沿って判定した。詳しくは、ソリッド画像の任意の10点においてソリッド画像の画像濃度を測定し、10個の測定値の算術平均値を画像濃度の評価値とした。
(画像濃度の基準)
特に良好:IDが1.3以上
良好:IDが1.0以上1.3未満
不良:IDが1.0未満
[かぶり]
5種類の評価用紙のそれぞれの白地部(非印字部)の画像濃度Aを、カラー反射濃度計(伊原電子工業株式会社製「R710」)を用いて測定した。なお、白地部の任意の10箇所の画像濃度を測定し、10個の画像濃度の算術平均値を白地部の画像濃度の評価値(画像濃度A)とした。また、未印刷の印刷用紙の画像濃度Bを、上述のカラー反射濃度計を用いて測定した。そして、「画像濃度A-画像濃度B」をかぶり濃度(FD)とした。かぶりは、以下の評価基準に沿って判定した。
(かぶりの基準)
特に良好:IDが0.005以下
良好:IDが0.005超0.010以下
不良:IDが0.010超
Figure 2022034879000003
実施例1~8のキャリアは、各々、キャリア粒子を含むキャリアであった。キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備えていた。コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有していた。実施例1~8のキャリアは、H/H処理後において、画像濃度に優れる画像を形成でき、かつかぶりの発生を抑制できた。また、実施例1~8のキャリアは、通常環境下においても、画像濃度に優れる画像を形成でき、かつかぶりの発生を抑制できた。
一方、比較例1~4のキャリアは、各々、上述の構成を備えていなかった。その結果、比較例1~4のキャリアは、H/H処理後において、かぶりの発生を抑制できなかった。
詳しくは、比較例1~3のキャリアは、コート層がシリコーン樹脂を含有していた。比較例1~3のキャリアは、高温高湿環境下において、キャリア粒子が吸湿したと判断される。その結果、比較例1~3のキャリアは、H/H処理後において、画像濃度に優れる画像を形成することはできたが、かぶりの発生は抑制できなかった。なお、比較例1~3のキャリアは、通常環境下においては、画像濃度に優れる画像を形成でき、かつかぶりの発生を抑制できた。
比較例4のキャリアは、コート層がポリイミド樹脂を含有していた。比較例4のキャリアは、H/H処理後において、かぶりの発生を抑制できなかった。なお、比較例4のキャリアは、通常環境下においては、画像濃度に優れる画像を形成でき、かつかぶりの発生を抑制できた。
以上から、本発明のキャリアは、高温高湿環境下において、かぶりの発生を抑制できると判断した。
本発明のキャリアは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
1 キャリア粒子
2 キャリアコア
3 コート層

Claims (4)

  1. キャリア粒子を含むキャリアであって、
    前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備え、
    前記コート層は、ポリイミドシリコーン樹脂を含有する、キャリア。
  2. 前記コート層は、導電材を更に含有する、請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記導電材は、カーボンブラック又は酸化チタン粒子を含む、請求項2に記載のキャリア。
  4. 前記コート層は、電荷制御剤、密着向上剤及び架橋剤のうち少なくとも1つを更に含有する、請求項1~3の何れか一項に記載のキャリア。
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