JP2000273937A - 防汚処理された小便器 - Google Patents

防汚処理された小便器

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JP2000273937A
JP2000273937A JP11082322A JP8232299A JP2000273937A JP 2000273937 A JP2000273937 A JP 2000273937A JP 11082322 A JP11082322 A JP 11082322A JP 8232299 A JP8232299 A JP 8232299A JP 2000273937 A JP2000273937 A JP 2000273937A
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Haruyuki Mizuno
治幸 水野
Shozo Yamamoto
章造 山本
Kazuyoshi Isou
一義 異相
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Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陶磁器製の小便器において洗浄水中に含まれる
微量成分が鉢内面に付着して所謂珪酸スケール汚れを生
成・固着する問題を解決し、同時にまた鉢内面を洗浄水
にて効果的に洗浄できるようにする。 【解決手段】上端部に射水孔32を有し、射水孔32か
ら洗浄水を下向きに噴射して洗浄水を鉢14内面に沿っ
て下方に流下させ、鉢14内面を洗浄する陶磁器製の小
便器10において、鉢14内面の上部であって射水孔3
2直下の上下所定範囲に亘る部分に鉢14内面の水酸基
と反応して化学結合する防汚剤44を塗布処理して防汚
剤44の膜形成し、水酸基をシールドする一方、それ以
下の鉢14内面全体について防汚剤44を非塗布とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は窯業製品としての
陶磁器製小便器に関し、詳しくは防汚処理に特徴を有す
るものに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来小
便器は陶磁器製のものが用いられており、その洗浄方式
として、通常は上端部に射水孔を設け、その射水孔から
洗浄水を下向きに噴射してその洗浄水を鉢内面に沿って
流下させ、鉢内面を洗浄する方式が採用されている。
【0003】この場合、射水孔からの洗浄水の広がりに
沿って洗浄水中の微量成分に由来する珪酸スケール汚れ
が特に射水孔直下の鉢内面上部に筋状に生成する問題が
生じていた。この汚れは頑固な汚れであって通常の清掃
では容易には除去できない。
【0004】この汚れの発生のメカニズムは以下のよう
なものである。窯業製品としての陶磁器製小便器の場
合、上記のように鉢内面は射水孔からの洗浄水にて洗浄
されるが、この洗浄水の中には珪素,カルシウム,鉄等
の成分が微量に含まれており、射水孔からの洗浄水の噴
射が間欠的に繰り返されて水濡れと乾燥とを繰り返す
と、その微量成分が鉢内面上部、詳しくは射水孔からの
洗浄水の広がりに沿って付着し、更に乾湿を繰り返す過
程で鉢内面の水酸基と化学反応を起こして次第に鉢内面
に析出・堆積し、いわゆる珪酸スケールと称される汚れ
を生成させる。
【0005】この珪酸スケールは鉢内面に化学反応によ
り不可逆的に固着し、通常の清掃作業では洗い落とすこ
とのできない頑固な汚れとなる。この珪酸スケールの中
には鉄分が取り込まれる場合があり、その鉄分によって
黄ばんだ筋状の顕著な汚れが鉢内面上部、即ち射水孔直
下の部分に洗浄水の広がりに沿って発生するのである。
【0006】図4はこの汚れの発生・固着のメカニズム
を模式的に表したもので、(I)は汚れの基となる水の
中の微量成分が陶磁器表面に付着した状態を、(II)は
付着した微量成分が陶磁器表面の水酸基と化学反応を起
こして析出・固着した状態をそれぞれ表している。
【0007】そこでこれを防止するため、小便器の鉢内
面全体に亘って撥水剤を塗布処理し、鉢内面に撥水剤の
膜を形成してその撥水剤の膜により鉢内面への珪酸スケ
ールに起因する汚れの付着を防止することが考えられ
る。
【0008】しかしながら洋風大便器の場合、射水孔か
ら噴射された洗浄水が合流し一体となって鉢内面を旋回
しながら鉢底部の溜水部へと流れ込み鉢内面を洗浄する
関係上、鉢内面全体に亘って撥水剤の膜を形成しても良
いが、小便器の場合、射水孔からの洗浄水はそのまま鉢
内面に沿って下向きに流れて鉢内面を洗浄するため、鉢
内面全体に亘って撥水剤の膜を形成してしまうと、各射
水孔から噴射された洗浄水は互いに広がり合流すること
なくそれぞれ独立に1本の筋となって下向きに流れてし
まうだけとなり、鉢内面全体を洗浄水にて良好に洗浄で
きなくなってしまう問題を生ずる。
【0009】
【課題を解決するための手段】ここにおいて本願の発明
の小便器はこのような課題を解決するために案出された
ものであって、請求項1のものは、上端部に射水孔を有
し、該射水孔から洗浄水を下向きに噴射して該洗浄水を
鉢内面に沿って下方に流下させ、鉢内面を洗浄する陶磁
器製の小便器において、前記鉢内面の上部であって前記
射水孔直下の上下所定範囲に亘る部分に該小便器表面の
水酸基と反応して化学結合する防汚剤を塗布処理して該
防汚剤の膜を形成し該水酸基をシールドする一方、それ
以下の実質上鉢内面の全体に亘って該防汚剤を非塗布と
したことを特徴とする。
【0010】請求項2のものは、請求項1に記載の小便
器において、前記防汚剤は前記水酸基と反応して化学結
合し膜形成する撥水剤であることを特徴とする。
【0011】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
に記載の小便器において、前記射水孔は前記小便器の左
右方向の実質的全幅に亘って所定間隔で複数設けられて
いるとともに、前記鉢内面の該射水孔直下且つ実質上左
右全幅に亘って前記防汚剤の塗布処理が施してあること
を特徴とする。
【0012】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
に記載の小便器において、前記小便器は左右の幅方向端
縁部に縦のリムを有しており、該リムの裏面及び前記鉢
内面の左右端縁部であって該リムの裏側に隠れた部分に
ついても前記防汚剤を塗布処理してあることを特徴とす
る。
【0013】請求項5のものは、請求項1〜4の何れか
に記載の小便器において、前記小便器は垂れ受部の縁部
に沿ってリムを有するものであって、該垂れ受部におけ
るリムの裏面及び該垂れ受部内面の縁部であって該リム
の裏側に隠れた部分についても前記防汚剤を塗布処理し
てあることを特徴とする。
【0014】請求項6のものは、請求項5に記載の小便
器において、前記垂れ受部のリムには洗浄水の射水孔が
設けられており、該射水孔から垂れ受部内面に向けて洗
浄水が噴射されるようになっていることを特徴とする。
【0015】
【作用及び発明の効果】上記請求項1のものは、鉢内面
の上部であって射水孔直下の上下所定範囲に亘る部分に
水酸基との化学結合性を有する防汚剤を塗布処理して膜
形成し、小便器表面の水酸基をシールドするようになし
たもので、この小便器の場合、上部の射水孔から噴射さ
れた洗浄水の広がりに沿って鉢内面に筋状の汚れが発生
するのを効果的に防止することができる。即ち洗浄水中
に含まれる微量成分の鉢内面への析出・固着によるいわ
ゆる珪酸スケールに起因する汚れを効果的に防止でき
る。
【0016】鉢内面の上部、即ち射水孔直下の部分がそ
の表面の水酸基と化学反応して膜形成した防汚剤によっ
てシールドされているため、水中微量成分が同部分の水
酸基と化学反応できず、従ってその微量成分の析出・堆
積が防止されるからである。尚、ここで防汚剤とは小便
器表面の水酸基と反応して化学結合し膜形成するものを
意味し、水酸基との反応性を有しないような抗菌剤等は
含まない概念である。
【0017】尚鉢内面の射水孔直下の防汚処理部分は上
下50mm程度の幅とすることができる。この部分は射
水孔からの射水に基づく汚れが最も目立つ部分であり、
従って上下50mmの幅で防汚剤の膜を形成しておくこ
とによってその汚れを効果的に防止することができる。
【0018】一方本発明では、上記射水孔直下の上下所
定範囲に亘る部分より下側の鉢内面の実質上全体に亘る
部分については防汚剤を非塗布とする。このようにする
ことにより、射水孔から噴射された洗浄水が防汚剤の非
塗布部分において鉢内面に沿って良好に広がり、水膜を
形成した状態で流下することができ、鉢内面の全体を良
好に洗浄することができる。
【0019】本発明においては上記防汚剤として、水酸
基と反応して化学結合し膜形成する撥水剤を用いること
ができる(請求項2)。防汚剤としてこのような撥水剤
を用いれば、その撥水剤の撥水効果により鉢内面の射水
孔直下の部分への水膜の付着・形成を効果的に防止する
ことができ、撥水剤自身による鉢内面の水酸基のシール
ド効果と相俟って水膜の形成・乾燥に起因する水中微量
成分の析出による汚れを防止できる。
【0020】またこのような撥水剤の膜を形成すること
によって他の汚れが付着した場合にも容易にこれを清掃
・除去することができる。加えてその撥水剤の膜は化学
結合により鉢内面上部に強固に固着されているため、撥
水剤の膜が鉢内面上部から長期に亘って剥れず耐久寿命
が長い利点も得られる。
【0021】本発明においては、射水孔を小便器の左右
方向の実質的全幅に亘って所定間隔で複数設けておき、
そして上記鉢内面の上部の実質上左右の全幅に亘って前
記防汚剤を塗布処理しておくことができる(請求項
3)。このようにしておけば、鉢内面全幅に亘って良好
に洗浄水によって洗浄することができるとともに、射水
孔直下の部分において洗浄水中に含まれる微量成分に起
因する頑固な汚れの発生を全幅に亘って良好に防止する
ことができる。
【0022】ところで、小便器は左右の幅方向端縁部に
沿って縦のリムを有するものが多く、この場合リムの裏
面及び鉢内面の左右端縁部であってその縦のリムの裏側
に隠れた部分に尿垢に起因する汚れが付着・堆積する問
題が生ずる。この汚れもまた頑固な汚れであって通常の
掃除では容易には除去できない。
【0023】ここにおいて請求項4のものは、その縦の
リムの裏面及び鉢内面の左右端縁部であって縦のリムの
裏側に隠れた部分に防汚剤を塗布処理するようになした
もので、この請求項4の小便器の場合、縦のリム裏側に
尿垢等が付着した場合においても清掃により容易にこれ
を除去することができ、縦のリム裏側の部分を常に清浄
に保つことができる。
【0024】上記縦のリムと同様、小便器下部の垂れ受
部の縁部に沿ったリムの裏側部分も尿垢に起因する汚れ
が発生・固着し易い部分であり、ここにおいて請求項5
のものは、その垂れ受部の縁部のリムの裏面及び垂れ受
部内面の縁部であってリムの裏側に隠れた部分について
も防汚剤を塗布処理するようになしたもので、この請求
項5の小便器にあっては、垂れ受部のリムの裏側に尿垢
に起因する汚れが付着した場合において、これを容易に
清掃・除去でき、同部分を常に清浄に保つことができ
る。
【0025】またその垂れ受部のリムに洗浄水の射水孔
が設けられており、その射水孔から垂れ受部内面に洗浄
水が噴射される形式のものにおいては、その射水孔から
の洗浄水中の微量成分の付着堆積に起因する、即ち珪酸
スケールに起因する汚れの固着も併せて効果的に防止で
きる効果が得られる(請求項6)。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1において10は本例の陶磁器製の小便器
で、上部の射水部12と鉢14とを有している。鉢14
の低部は垂れ受部16とされており、また左右方向端縁
部に沿って縦のリム18を有している。
【0027】本例においては、背面を除いて鉢14の内
面を含む小便器10の全外表面全体に釉薬22の膜が素
地20上に形成されている。この釉薬22の膜内部には
抗菌材が分散状に含有されている。即ち釉薬22の膜形
成個所において小便器10表面に抗菌処理が施されてい
る。
【0028】抗菌材として銀又は銀化合物,亜鉛,銅又
はそれらの化合物或いは所定の担体に担持させてなるも
のその他を用いることができる。
【0029】これら抗菌材を釉薬22中に含有させてお
き、その抗菌材含有の釉薬22を素地20の表面に塗布
し焼成することで、抗菌材含有の釉薬22の膜を素地2
0の表面に形成することができる。
【0030】図2に上記射水部12の構成が示してあ
る。これらの図において24は給水室で、給水管26
(図1参照)からの洗浄水は一旦この給水室24内部に
流入する。給水室24内部に流入した洗浄水は、更に通
孔28を通じてその外側の射水室30に流れ込み、そし
て鉢14の内面の左右方向全幅に沿って所定間隔毎に形
成された複数の射水孔32から下向きに射水され、鉢1
4内面を洗浄する。
【0031】給水室24内部の洗浄水はまた、通孔28
を通じて左右の連絡水路34へと流れ込み、引き続いて
左右一対の縦のリム18内部のリム水路36(図1参
照)へと流れ込んで、そのリム水路36を通じて下向き
に流下する。
【0032】前記垂れ受部16には、その縁部に沿って
リム38が設けられている。このリム38の内部には上
記一対の縦のリム18内部のリム水路36に連通する状
態でリム水路40が形成されており(図1参照)、縦の
リム18内部のリム水路36を通じて流下した洗浄水
が、この垂れ受部16のリム38内部のリム水路40へ
と供給されるようになっている。
【0033】この垂れ受部16におけるリム38には、
リム水路40に連通する状態で図2に示しているように
多数の射水孔42が所定間隔毎に形成されており、リム
水路40に供給された洗浄水が、それら多数の射水孔4
2から垂れ受部16の内面に向けて射水され、垂れ受部
16内面がそれら洗浄水にて洗浄されるようになってい
る。
【0034】本例の小便器10においては、図1に示し
ているように鉢14内面の上部且つ上記射水孔32の直
下の上下所定範囲に亘る部分に、小便器10表面(鉢内
面)の水酸基と反応して化学結合する防汚剤としての撥
水剤44が全幅に亘って塗布処理され、同部分に撥水剤
44の膜が形成されている。この射水孔32直下の撥水
剤44の塗布処理部Aは、例えばその上下幅を50mm
となすことができる。また小便器10の上壁部を構成す
る射水部12の下面についても撥水剤44の塗布処理が
施してあり、同部分に撥水剤44の膜が形成してある。
【0035】また図1に要部を拡大して示しているよう
に小便器10の左右の幅方向端縁部に沿った縦のリム1
8の裏面及び鉢14内面の左右端縁部であって縦のリム
18の裏側に隠れた部分にも撥水剤44を塗布処理し、
撥水剤44の膜を形成している。この塗布処理部Bの幅
Lは例えばその幅Lを50mmとなすことができる。
【0036】更に小便器10下部の垂れ受部16の縁部
のリム38の裏面全面及び垂れ受部16内面の縁部であ
ってリム38の裏側に隠れた部分についても防汚処理
し、撥水剤44の膜を形成している。この塗布処理部C
は、射水孔42下の部分の幅Lが例えば50mmとなる
ような幅とすることができる。
【0037】本例において、撥水剤44は末端にフッ化
炭素基(−C−F基)を有し、また反対側の末端に小便
器10の陶磁器表面の水酸基(この例では釉薬22の層
表面の水酸基)と化学反応性を有する化学反応基、例え
ば−SiOH基,−SiCl基等を有するものが用いら
れている。
【0038】この撥水剤44は鉢14内面に塗布処理さ
れることによって内面の水酸基と反応して化学結合し、
その内面に撥水剤44の膜を形成している。そしてこの
撥水剤の44の膜形成によって、その撥水剤44の膜形
成部分において鉢14内面の水酸基はシールドされた状
態となっている。またその化学反応に基づいて撥水剤4
4の膜は鉢14内面に強固に固着された状態となってい
る。
【0039】このような撥水剤44としては、下記
(イ)で示すパーフロロアルキル基含有有機珪素化合物
【化1】 と、下記(ロ)で示す加水分解性基含有メチルポリシロ
キサン化合物
【化2】 とを水と親水性溶媒とともに混合して共加水分解させた
A液と、下記(ハ)で示すオルガノポリシロキサン化合
【化3】 と強酸を混合したB液とを混ぜ合わせて得たものを例示
することができる。
【0040】尚この撥水剤は特開平8−209118に
開示された公知のもので、詳細な説明は省略する。勿論
本発明では陶磁器表面の水酸基と化学反応性を有する他
の撥水剤を用いることもできる。
【0041】本例の小便器10では、上記撥水剤44の
塗布処理部A,B及びCを除いた鉢14内面の実質上全
体に亘る部分と小便器10の外側表面,縦のリム18の
前面及び内側面,垂れ受部16のリム38の上面及び前
面については撥水剤を非塗布としており、釉薬22の膜
に含有させた抗菌剤をそのまま外部に露出させた状態と
している。
【0042】本例の小便器10の場合、射水孔32から
噴射された洗浄水の広がりに沿って鉢14内面上部に筋
状の汚れが発生するのを効果的に防止することができ
る。即ち洗浄水中に含まれる微量成分の鉢14内面上部
への固着によるいわゆる珪酸スケール汚れを効果的に防
止できる。
【0043】図3に模式的に表しているように鉢14内
面の上部即ち射水孔32直下の部分が、その内面の水酸
基と化学反応して膜形成した防汚剤としての撥水剤44
によってシールドされているため、水中微量成分が同部
分の水酸基と化学反応できず、従ってその微量成分の析
出・堆積が防止されるからである。
【0044】上記のように鉢14内面の射水孔32直下
の防汚処理部分は上下50mm程度の幅とすることがで
きる。この部分は射水孔32からの射水に基づく汚れが
最も目立つ部分であり、従って上下50mmの幅で防汚
剤の膜を形成しておくことによって、その汚れを効果的
に防止することができる。
【0045】一方本例では上記射水孔32直下の上下所
定範囲に亘る部分Aより下側の鉢14内面の実質上全体
については撥水剤44を非塗布としており、従って射水
孔32から噴射された洗浄水が鉢14内面全体に亘って
良好に広がり、水膜を形成した状態で流下することがで
きる。これにより鉢14内面全体を良好に洗浄すること
ができるとともに、抗菌剤の作用により有機物に起因す
る汚れを防止できる。
【0046】尚射水孔32直下のAの部分には尿飛散の
恐れが少ない部分であり、従って同部分について撥水剤
の塗布処理を行っても同部分に尿が洗い流されずに残っ
て目立つといったことがなく、またたとえ同部分に尿が
付着した状態となっても容易にこれを清掃除去できる。
【0047】本例では縦のリム18の裏側部分及び垂れ
受部16のリム38の裏側部分にも撥水剤を塗布処理し
ているため、それらリム18,38の裏側に尿垢等が付
着しても清掃により容易にこれを除去することができ、
同部分を常に清浄に保つことができる。
【0048】また本例では、垂れ受部16縁部のリム3
8の射水孔42からの洗浄水中の微量成分の付着堆積に
起因する、即ち珪酸スケールに起因する汚れの付着・堆
積も併せて効果的に防止できる。
【0049】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明は例えば防汚剤として上記
撥水剤44以外のもの、即ち小便器10表面の水酸基と
化学反応して膜形成し、小便器10表面の水酸基をシー
ルドする機能を有する他の防汚剤を用いることも可能で
あるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において
種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である小便器を示す図であ
る。
【図2】図1の小便器における射水部の平面断面図及び
側面断面図である。
【図3】図1の便器の作用を模式的に表す図である。
【図4】従来便器に生じていた汚れの発生メカニズムを
模式的に表した図である。
【符号の説明】
10 小便器 12 射水部 14 鉢 16 垂れ受部 18,38 リム 32,42 射水孔 44 撥水剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 異相 一義 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 2D039 AA04 DB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部に射水孔を有し、該射水孔から洗
    浄水を下向きに噴射して該洗浄水を鉢内面に沿って下方
    に流下させ、鉢内面を洗浄する陶磁器製の小便器におい
    て、 前記鉢内面の上部であって前記射水孔直下の上下所定範
    囲に亘る部分に該小便器表面の水酸基と反応して化学結
    合する防汚剤を塗布処理して該防汚剤の膜を形成し該水
    酸基をシールドする一方、それ以下の実質上鉢内面の全
    体に亘って該防汚剤を非塗布としたことを特徴とする防
    汚処理された小便器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の小便器において、前記
    防汚剤は前記水酸基と反応して化学結合し膜形成する撥
    水剤であることを特徴とする防汚処理された小便器。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の小便器に
    おいて、前記射水孔は前記小便器の左右方向の実質的全
    幅に亘って所定間隔で複数設けられているとともに、前
    記鉢内面の該射水孔直下且つ実質上左右全幅に亘って前
    記防汚剤の塗布処理が施してあることを特徴とする防汚
    処理された小便器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の小便器に
    おいて、前記小便器は左右の幅方向端縁部に縦のリムを
    有しており、該リムの裏面及び前記鉢内面の左右端縁部
    であって該リムの裏側に隠れた部分についても前記防汚
    剤を塗布処理してあることを特徴とする防汚処理された
    小便器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の小便器に
    おいて、前記小便器は垂れ受部の縁部に沿ってリムを有
    するものであって、該垂れ受部におけるリムの裏面及び
    該垂れ受部内面の縁部であって該リムの裏側に隠れた部
    分についても前記防汚剤を塗布処理してあることを特徴
    とする防汚処理された小便器。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の小便器において、前記
    垂れ受部のリムには洗浄水の射水孔が設けられており、
    該射水孔から垂れ受部内面に向けて洗浄水が噴射される
    ようになっていることを特徴とする防汚処理された小便
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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