JP3360651B2 - 水洗式便器及び水洗式便器用貼着フィルム - Google Patents
水洗式便器及び水洗式便器用貼着フィルムInfo
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Description
便器、及び水洗式便器を汚れにくくするための貼着フィ
ルムに関する。
が高まっており、便器洗浄面を衛生的に清浄に保つこと
は広く望まれている。一般的に知られている水洗式便器
は陶器製であり、新品時においては表面は親水性を呈
し、そのため、吐水口より吐水される流水はかなり万遍
なく便器洗浄面を濡らし、付着汚れを重力方向に除去す
ることにより、便器洗浄面を衛生的に清浄に保つ。
陶器製便器を長期にわたり使用すると、徐々に便器洗浄
面が局所的に疎水化され、かつ疎水化される面積が増大
する。そのため、吐水口より吐水される流水の流路は徐
々に狭まり、一定の場所しか流れなくなる。そして、流
水が来なくなる表面に徐々に汚れが堆積し汚れていくと
いう問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、長期にわたり吐水口より吐水される流水が
万遍なく便器洗浄面を濡らし、以って汚れが堆積しにく
い水洗式便器を提供することを目的とする。また、汚れ
が堆積しにくくさせる水洗式便器用貼着フィルムを提供
することを目的とする。
解決すべく、水洗用吐水口及び/又は前記水洗用吐水口
の直下の便器洗浄面に複数の突起が設けられている水洗
式便器において、前記突起は、前記便器洗浄面に対して
突起した部分を前記水洗用吐水口及び/又は前記水洗用
吐水口の直下の便器洗浄面に形成することにより設けら
れることを特徴とする水洗式便器を提供する。上記突起
の存在により、水洗用吐水口からの流水を拡散させるこ
とが可能となり、流水の流れる方向をより広げやすくな
り、長期にわたり水洗用吐水口より吐水される流水が万
遍なく便器表面を濡らすようになり、以って便器表面に
汚れが堆積しにくくなる。さらに、突起した部分からな
る突起が複数設けられていることにより、洗浄水の誘導
水路が増加するので、長期にわたり水洗用吐水口より吐
水される流水が万遍なく便器表面を濡らすようになり、
以って便器表面に汚れが堆積しにくくなる。
起の長手方向の水平面に対する角度(θ)は、0度もし
くは90度未満の角度を有するように傾いているように
する。そうすることにより、水洗用吐水口からの洗浄水
は、一部は便器洗浄面に対して突起した部分からなる突
起を飛び越えてオーバーフローするが、他の大部分は突
起した部分による段に沿うように誘導されて流れるよう
になるので、便器の水平方向に幅広く水洗用吐水口から
吐水される流水が齎されるようになる。従って、長期に
わたり水洗用吐水口より吐水される流水が万遍なく便器
表面を濡らすようになり、以って便器表面に汚れが堆積
しにくくなる。
数の突起は、隣合う2つの突起の少なくとも一部は、長
手方向の水平面からの傾きが逆向きであるようにする。
こうすることにより、流水が旋回されるようになるの
で、さらに洗浄力が増す。
起は、水洗用吐水口及び/又は前記水洗用吐水口の直下
の便器洗浄面にフィルムを貼着することにより設けられ
ているようにする。このような方法によれば、フィルム
を貼着するだけの容易な工程で、前記水洗用吐水口及び
/又は前記水洗用吐水口の直下に突起を有する水洗式便
器を作製することができる。
洗式便器は金属製又は樹脂製であり、前記突起は、水洗
用吐水口及び/又は前記水洗用吐水口の直下の便器洗浄
面の前記金属又は樹脂の変形加工により形成されている
ようにする。水洗式便器が金属製又は樹脂製の場合に
は、塑性加工が容易なのでこのような方法により簡単に
上記吐水口及び/又は前記水洗用吐水口の直下に突起を
有する水洗式便器を作製することができる。
洗式便器は陶器素地上に釉薬層が形成された便器洗浄面
を有しており、前記突起は、水洗用吐水口及び/又は前
記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面の陶器成形素地の加
工処理に基づいて形成されているようにする。水洗式便
器が陶器製の場合には、焼成前の陶器成形素地の加工処
理により、簡単に上記水洗用吐水口及び/又は前記水洗
用吐水口の直下に突起を有する水洗式便器を作製するこ
とができる。
起は、10μm以上、より好ましくは40μm以上の段
の高さを有するようにする。段の高さを10μm以上、
より好ましくは40μm以上にすることにより、水 洗用
吐水口からの洗浄水が突起に衝突したときに、突起を飛
び越えてオーバーフローする量を低減することができ、
大部分の流水を突起の段に沿うように誘導されて流れる
ようになるので、水洗式便器の水平方向に幅広く吐水口
から吐水される流水が齎されるようになる。従って、長
期にわたり水洗用吐水口より吐水される流水が万遍なく
便器表面を濡らすようになり、以って便器表面に汚れが
堆積しにくくなる。
起は、突起の上方の便器洗浄面に対する角度(α)が水
平面に対して−60度以上60度未満であるようにされ
ているようにする。そうすることにより、水洗用吐水口
からの洗浄水が突起に衝突したときに、突起を飛び越え
てオーバーフローする量を低減することができ、大部分
の流水を突起の段に沿うように誘導されて流れるように
なるので、水洗式便器の水平方向に幅広く水洗用吐水口
から吐水される流水が齎されるようになる。従って、長
期にわたり水洗用吐水口より吐水される流水が万遍なく
便器表面を濡らすようになり、以って便器表面に汚れが
堆積しにくくなる。
起は、突起の上方の便器洗浄面に対して、略ステップ状
に設けられているようにする。そうすることにより、水
洗用吐水口からの洗浄水が突起に衝突したときに、突起
を飛び越えてオーバーフローする量を低減することがで
き、大部分の流水を突起の段に沿うように誘導されて流
れるようになると同時に、突起の作製が容易になるの
で、好ましい。
起には、さらに原子価が一価の金属成分及び/又はポー
リングの電気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が含
有されているようにする。こうすることにより、突起の
油性汚れの付着性を低減することができ、油性汚れの付
着に基づく水洗用吐水口からの洗浄水が突起に衝突した
ときの突起を飛び越えてオーバーフローする量の増加を
低減することが可能となるので、長期に亘り大部分の流
水を突起の段に沿うように誘導させて流せるようにな
る。従って、長期に亘り水洗式便器の水平方向に幅広く
水洗用吐水口から吐水される流水が齎されるようになる
ので、長期にわたり水洗用吐水口より吐水される流水が
万遍なく便器表面を濡らすようになり、以って便器洗浄
面全体にも汚れが堆積しにくくなる。
起、前記水洗用吐水口、前記便器洗浄面のいずれかに
は、さらに抗菌剤が含有されているようにする。そうす
ることで、便器洗浄面が抗菌される。
いて説明する。本発明の水洗式便器としては、大便器、
小便器共に使用可能である。その洗浄方式も問わない。
例えば、小便器の洗浄方式には、図1(a)に示すよう
に、小便器20の内表面の上部に取り付けられたスプレ
ッダノズル22から噴出される水により便器の内表面を
洗浄する方式(スプレッダ方式)と、図1(b)に示す
ように、小便器20のリム(淀掛け)部24の内側に形
成された水洗用吐水口26から吐出される水により便器
の内表面を洗浄する方式(淀掛け方式)とがあるが、そ
のいずれでもよい。同様に大便器にもスプレッダ方式と
淀掛け方式とがある(図示せず)がそのいずれでもよ
い。
スプレッダ方式ではスプレッダノズルの噴出口であり、
淀掛け方式ではリム(淀掛け)部の内側に形成された水
洗用吐水口である。水洗用吐水口の直下とは、水洗用吐
水口の真下数センチをいい、好ましくは真下0〜10c
mまでの部分である。
(a)のように、水洗用吐水口及び/又は上記水洗用吐
水口の直下に段差を設け、突起の上方の便器洗浄面に対
して上記突起の下方の便器洗浄面の段が高いようにし
て、そのさらに下方はそのままにしてもよいし、図2
(b)のように、便器洗浄面に対して突起した部分を水
洗用吐水口及び/又は上記水洗用吐水口の直下にのみ設
けるようにしてもよいし、図2(c)のように、便器洗
浄面に対して突起した部分を水洗用吐水口及び/又は上
記水洗用吐水口の直下に設け、その下方にも間隔をおい
て便器洗浄面に対して突起した部分を設けるようにして
もよい。
る角度とは、図3におけるαをいう。また、突起の長手
方向の水平面に対する角度とは、図3におけるθをい
う。また、突起の段の高さとは、図3におけるtをい
う。
面に対して突起した部分を、水洗用吐水口及び/又は上
記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に、上記便器洗浄面
に対して突起した部分の長手方向の水平面に対する角度
(θ)が0度(水平)もしくは90度未満、好ましくは
10度以上80度未満、より好ましくは20度以上70
度未満の角度を有するように傾いて配置するように複数
形成し、複数の便器洗浄面に対して突起した部分のうち
の隣合う2つの突起の少なくとも一部は、長手方向の水
平面からの傾きが逆向きであるようにする。その配置の
一例を図4に示す。図4では2つの突起した部分28お
よび30が、水洗用吐水口26の直下の便器面32に、
それぞれ右傾き、左傾きで配置されている。このように
複数の突起した部分を逆向きの角度で配置することで流
水は旋回誘導され、さらに洗浄性は増すことになる。
水口及び/又は上記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に
突起が設けられており、前記突起の上方の便器洗浄面に
対して前記突起の下方の便器洗浄面は突起の段が高い水
洗式便器の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好
適に利用できる。 (1)上記突起を形成可能な鋳型により、成形する。 (2)通常の便器を作製した後、エンボス加工等の方法
で、上記突起を形成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起を形成する。
水口及び/又は上記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に
突起が設けられており、前記突起の上方の便器洗浄面に
対して前記突起の下方の便器洗浄面は突起の段が高い水
洗式便器の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好
適に利用できる。 (1)上記突起を形成可能な鋳型により、成形する。 (2)通常の便器を作製した後、エンボス加工等の方法
で、上記突起を形成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起を形成する。
水口及び/又は上記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に
突起が設けられており、前記突起の上方の便器洗浄面に
対して前記突起の下方の便器洗浄面は突起の段が高い水
洗式便器の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好
適に利用できる。 (1)陶器成形素地の乾燥前の土締り工程で、突起をマ
スキングしながらプレスした後に、施釉し、焼成する。 (2)陶器成形素地に、突起を形成する生素地を接着
後、施釉し、焼成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起を形成する。
面に対して突起した部分を水洗用吐水口及び/又は上記
水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に形成した水洗式便器
の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好適に利用
できる。 (1)上記突起部を形成可能な鋳型により、成形する。 (2)通常の便器を作製した後、エンボス加工等の方法
で、上記突起部を形成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起部を形成する。
面に対して突起した部分を水洗用吐水口及び/又は上記
水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に形成した水洗式便器
の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好適に利用
できる。 (1)上記突起部を形成可能な鋳型により、成形する。 (2)通常の便器を作製した後、エンボス加工等の方法
で、上記突起部を形成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起部を形成する。
面に対して突起した部分を水洗用吐水口及び/又は上記
水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に形成した水洗式便器
の製造方法には、例えば、以下に示す方法が好適に利用
できる。 (1)陶器成形素地の乾燥前の土締り工程で、突起部を
マスキングしながらプレスした後に、施釉し、焼成す
る。 (2)陶器成形素地に、突起部を形成する生素地を接着
後、施釉し、焼成する。 (3)請求項17〜21に記載のフィルムを貼着するこ
とにより、突起部を形成する。
び/又はポーリングの電気陰性度の尺度が1.0未満の
金属成分としては、Li、Na、K、Rb、Cs、A
g、Cu、Au、Ba、Srが好適に利用可能である。
亜鉛等の抗菌性金属及びその化合物微粒子またはシリカ
ゲルやゼオライトなどの担体へ担持物、第四級アンモニ
ウム塩、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾ
チアゾール誘導体、イソチアゾール誘導体、チアジチア
ゾール誘導体、トリアジン誘導体、スルホン誘導体、フ
ェノール誘導体、フェノールエステル誘導体、ピロール
誘導体等が好適に利用できる。
トール小便器:U307C、陶器色:パステルアイボリ
ー(#SC1)を準備した。本小便器の洗浄方式は淀掛
け方式である。また、本小便器と同一の素地、釉薬から
焼成して作製した70×150mmの板状試験片を用意
した。この板状試験片を用いて水との接触角測定を、小
便器サンプルを用いて淀掛け部に設けられた水洗用吐水
口から排水口までの便器面における水流の状態及び水の
濡れ方を観察した。板状試験片表面と水との接触角は、
接触角測定器(協和界面科学製、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジからサンプル表面に蒸留水の液滴
を滴下した後30秒後に測定した。その結果、サンプル
作製直後の水との接触角は30゜であったが、約1ヶ月
間放置した後の水との接触角は50゜〜55゜まで上昇
していた。小便器サンプルの水洗用吐水口から排水口ま
での便器面における水流の状態及び水の濡れ方について
は、小便器設置直後と通常の使用下で約1ヶ月経過後
に、フラッシュバルブ開閉時における洗浄水の状態を目
視により観察した。その結果、設置直後は便器面が親水
性であるため水洗用吐水口からの流水が水平方向に広が
り、水洗用吐水口下3cm付近よりも下側の便器面はほ
ぼ完全に水膜が形成されて洗浄されていた。約1ヶ月経
過後は、水洗用吐水口付近及び便器面が若干疎水化して
おり、流水の幅が狭くなってしまい、便器面全体を濡ら
すことができなくなっていた。そのため、水の通らない
部分にはわずかに汚れが堆積していた。
板状試験片を用意した。小便器は、淀掛け部に設けられ
た水洗用吐水口の直下3.0cmの所から、左下向きに
45゜の角度をつけて幅1.3cm×長さ4.0cmの
帯状に、中興化成工業製フッ素樹脂テープASF−11
0を貼り付けた。さらにこの下側3.0cmの所にも、
右下向きに45゜の角度をつけて幅1.3cm×長さ
4.0cmの帯状にASF−110を貼り付けた。ま
た、板状試験片は、釉薬面全体に上記フッ素樹脂テープ
を貼り付けた。なお、上記フッ素樹脂テープの厚みは8
0μmである。得られた板状試験片について、比較例1
と同様に水との接触角を測定したところ、サンプル作製
直後から110゜という撥水性を示し、約1ヶ月放置後
も110゜と変わらなかった。また、得られた小便器に
ついて、比較例1と同様に水流の状態及び便器面の水の
濡れ方を観察した。その結果、設置直後は比較例1と同
じく便器面が親水性であるため水洗用吐水口からの流水
が水平方向に広がり、便器面はほぼ完全に水膜が形成さ
れて洗浄されていた。約1ヶ月経過後は、水洗用吐水口
付近及び便器面が若干疎水化しているものの、水洗用吐
水口直下に設けられた一段目のフッ素樹脂テープによる
突起によって左側に流水が広がり、さらに、二段目のフ
ッ素樹脂テープによる突起によって右側に流水が広がる
ことにより、これよりも下側の便器面のほぼ全体に水膜
を形成して洗浄していた。そのため、便器面には目立っ
た汚れの堆積は見られなかった。
板状試験片を用意した。小便器は、淀掛け部に設けられ
た水洗用吐水口の直下3.0cmの所から、左下向きに
45゜の角度をつけて幅1.8cm×長さ5.0cmの
帯状に、積水化学製セロハンテープを貼り付けた。さら
にこの下側3.0cmの所にも、右下向きに45゜の角
度をつけて幅1.8cm×長さ5.0cmの帯状にセロ
ハンテープを貼り付けた。また、板状試験片は、釉薬面
全体に上記セロハンテープ(セルロースフィルム)を貼
り付けた。なお、上記セロハンテープの厚みは46μm
である。得られた板状試験片について、比較例1と同様
に水との接触角を測定したところ、サンプル作製直後か
ら61゜という疎水性を示し、約1ヶ月放置後も65゜
でとほとんど変わらなかった。また、得られた小便器に
ついて、比較例1と同様に水流の状態及び便器面の水の
濡れ方を観察した。その結果、設置直後は比較例1と同
じく便器面が親水性であるため水洗用吐水口からの流水
が水平方向に広がり、便器面はほぼ完全に水膜が形成さ
れて洗浄されていた。約1ヶ月経過後は、水洗用吐水口
付近及び便器面が若干疎水化しているものの、水洗用吐
水口直下に設けられた一段目のセロハンテープによる突
起によって左側に流水が広がり、さらに、二段目のセロ
ハンテープによる突起によって右側に流水が広がること
により、これよりも下側の便器面のほぼ全体に水膜を形
成して洗浄していた。そのため、便器面には目立った汚
れの堆積は見られなかった。
板状試験片を用意した。小便器は、淀掛け部に設けられ
た水洗用吐水口の直下3.0cmの所から、左下向きに
45゜の角度をつけて幅1.8cm×長さ5.0cmの
帯状に、東洋化学工業製ビニルテープを貼り付けた。さ
らにこの下側3.0cmの所にも、右下向きに45゜の
角度をつけて幅1.8cm×長さ5.0cmの帯状にビ
ニルテープを貼り付けた。また、板状試験片は、釉薬面
全体に上記ビニルテープを貼り付けた。なお、上記ビニ
ルテープの厚みは180μmである。得られた板状試験
片について、比較例1と同様に水との接触角を測定した
ところ、サンプル作製直後から78゜という疎水性を示
し、約1ヶ月放置後も75゜でとほとんど変わらなかっ
た。また、得られた小便器について、比較例1と同様に
水流の状態及び便器面の水の濡れ方を観察した。その結
果、設置直後は比較例1と同じく便器面が親水性である
ため水洗用吐水口からの流水が水平方向に広がり、便器
面はほぼ完全に水膜が形成されて洗浄されていた。約1
ヶ月経過後は、水洗用吐水口付近及び便器面が若干疎水
化しているものの、水洗用吐水口直下に設けられた一段
目のビニルテープによる突起によって左側に流水が広が
り、さらに、二段目のビニルテープによる突起によって
右側に流水が広がることにより、これよりも下側の便器
面のほぼ全体に水膜を形成して洗浄していた。そのた
め、便器面には目立った汚れの堆積は見られなかった。
ル小便器成形体を用意した。この小便器成形体の淀掛け
部に設けられた吐水口の直下3.5cmの所から、左下
向きに45゜の角度をつけて幅2.0cm×長さ5.0
cmの帯状に小便器と同一組成の素地成形体を接着し、
突起部を形成した。さらにこの下側3.5cmの所に
も、右下向きに45゜の角度をつけて幅2.0cm×長
さ5.0cmの帯状に素地成形体を接着し、突起部を形
成した。その後、比較例1の小便器と同一の釉薬を上記
成形体に施釉し、1100〜1200℃で焼成すること
により小便器サンプルを得た。なお、焼成後の上記突起
の高さは約2mmである。また、本小便器と同一の素
地、釉薬から焼成して作製した70×150mmの板状
試験片を用意した。得られた板状試験片について、比較
例1と同様に水との接触角を測定したところ、サンプル
作製直後の水との接触角は30゜であったが、約1ヶ月
間放置した後の水との接触角は50゜〜55゜まで上昇
していた。また、得られた小便器について、比較例1と
同様に水流の状態及び便器面の水の濡れ方を観察した。
その結果、設置直後は比較例1と同じく便器面が親水性
であるため水洗用吐水口からの流水が水平方向に広が
り、便器面はほぼ完全に水膜が形成されて洗浄されてい
た。約1ヶ月経過後は、水洗用吐水口付近及び便器面が
若干疎水化しているものの、水洗用吐水口直下に設けら
れた一段目の突起により左側に流水が広がり、さらに、
二段目の突起により右側に流水が広がることによって、
これよりも下側の便器面のほぼ全体に水膜を形成して洗
浄していた。そのため、便器面には目立った汚れの堆積
は見られなかった。
口直下に設けられた突起の効果により、長期にわたり水
洗用吐水口より吐水される流水が万遍なく便器表面を濡
らし、そのため、汚れが堆積しにくくなっていると推定
される。
される流水が万遍なく便器表面を濡らし、以って汚れが
堆積しにくい水洗式便器を提供することが可能となる。
であり、角度、突起の段の高さを説明するための図
掛け部、 26…水洗用吐水口、 28,30…突起、
32…便器面
Claims (21)
- 【請求項1】 水洗用吐水口及び/又は前記水洗用吐水
口の直下の便器洗浄面に複数の突起が設けられている水
洗式便器において、前記突起は、前記便器洗浄面に対し
て突起した部分を前記水洗用吐水口及び/又は前記水洗
用吐水口の直下の便器洗浄面に形成することにより設け
られることを特徴とする水洗式便器。 - 【請求項2】 前記突起の長手方向の水平面に対する角
度(θ)は、90度未満の角度を有するように傾いてい
ることを特徴とする請求項1に記載の水洗式便器。 - 【請求項3】 前記突起の長手方向が水平面方向と平行
するように配置していることを特徴する請求項1に記載
の水洗式便器。 - 【請求項4】 前記複数の突起は、隣合う2つの突起の
少なくとも一部は、長手方向の水平面からの傾きが逆向
きであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水洗
式便器。 - 【請求項5】 前記突起は、前記水洗用吐水口及び/又
は前記水洗用吐水口の直下の便器洗浄面にフィルムを貼
着することにより設けられていることを特徴とする請求
項1乃至4のいずれか1項に記載の水洗式便器。 - 【請求項6】 前記水洗式便器は金属製又は樹脂製であ
り、前記突起は、前記水洗用吐水口及び/又は前記水洗
用吐水口の直下の便器洗浄面の前記金属又は樹脂の変形
加工により形成されていることを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の水洗式便器。 - 【請求項7】 前記水洗式便器は陶器素地上に釉薬層が
形成された便器洗浄面を有しており、前記突起は、前記
水洗用吐水口及び/又は前記水洗用吐水口の直下の便器
洗浄面の陶器成形素地の加工処理に基づいて形成されて
いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に
記載の水洗式便器。 - 【請求項8】 前記突起は、10μm以上の段の高さを
有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項
に記載の水洗式便器。 - 【請求項9】 前記突起は、40μm以上の段の高さを
有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項
に記載の水洗式便器。 - 【請求項10】 前記突起は、突起の上方の便器洗浄面
に対する角度(α)が水平面に対して−60度以上60
度未満であるようにされていることを特徴とする請求項
1乃至9のいずれか1項に記載の水洗式便器。 - 【請求項11】 前記突起は、突起の上方の便器洗浄面
に対して、略ステップ状に設けられていることを特徴と
する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の水洗式便
器。 - 【請求項12】 前記突起には、さらに原子価が一価の
金属成分及び/又はポーリングの電気陰性度の尺度が
1.0未満の金属成分が含有されていることを特徴とす
る請求項1乃至11のいずれか1項に記載の水洗式便
器。 - 【請求項13】 前記突起、前記水洗用吐水口、前記便
器洗浄面のいずれかには、さらに抗菌剤が含有されてい
ることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に
記載の水洗式便器。 - 【請求項14】 前記水洗式便器は大便器であることを
特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の水
洗式便器。 - 【請求項15】 前記水洗式便器は小便器であることを
特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の水
洗式便器。 - 【請求項16】 離型シートと、前記離型シート上に配
置された接着剤層と、前記接着剤層上に配置された可撓
性フィルムからなり、前記離型シートを剥がして水洗式
便器の水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に前記接着剤層
を接触せしめることにより前記水洗用吐水口の直下の便
器洗浄面に、下方の便器洗浄面が高くなる突起を形成す
るための水洗式便器用貼着フィルム。 - 【請求項17】 離型シートと、前記離型シート上に配
置された接着剤層と、前記接着剤層上に配置された可撓
性フィルムからなり、前記離型シートを剥がして水洗式
便器の水洗用吐水口の直下の便器洗浄面に前記接着剤層
を接触せしめることにより前記水洗用吐水口の直下の便
器洗浄面に、便器洗浄面に対して突起した部分を形成す
るための水洗式便器用貼着フィルム。 - 【請求項18】 前記可撓性フィルムの厚さは、10μ
m以上であることを特徴とする請求項16または17に
記載の水洗式便器用貼着フィルム。 - 【請求項19】 前記可撓性フィルムの厚さは、40μ
m以上であることを特徴とする請求項16または17に
記載の水洗式便器用貼着フィルム。 - 【請求項20】 前記可撓性フィルムには、さらに原子
価が一価の金属成分及び/又はポーリングの電気陰性度
の尺度が1.0未満の金属成分が含有されていることを
特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の
水洗式便器用貼着フィルム。 - 【請求項21】 前記可撓性フィルムには、さらに抗菌
剤が含有されていることを特徴とする請求項16乃至2
0のいずれか1項に記載の水洗式便器用貼着フィルム。
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---|---|---|---|
JP14404599A JP3360651B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 水洗式便器及び水洗式便器用貼着フィルム |
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