JP2000273206A - 樹脂シート、金属はく張り積層板及び多層プリント配線板 - Google Patents

樹脂シート、金属はく張り積層板及び多層プリント配線板

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JP2000273206A
JP2000273206A JP7868299A JP7868299A JP2000273206A JP 2000273206 A JP2000273206 A JP 2000273206A JP 7868299 A JP7868299 A JP 7868299A JP 7868299 A JP7868299 A JP 7868299A JP 2000273206 A JP2000273206 A JP 2000273206A
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epoxy resin
resin
wiring board
resin sheet
metal foil
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JP7868299A
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Hiroshi Sakai
広志 酒井
Akira Murai
曜 村井
Yoshiyuki Takeda
良幸 武田
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性に優れ、耐熱性及び高温での弾性
特性に優れた金属はく張り積層板及び多層プリント配線
板を製造することができる樹脂シート、並びにこの樹脂
シートを用いた金属はく張り積層板及び多層プリント配
線板を提供する。 【解決手段】 無機繊維の間に、(a)フェノール類と
ヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化し
て得られるエポキシ樹脂及び(b)ビスフェノールAと
ホルムアルデヒドとの縮合物を必須成分とするエポキシ
樹脂組成物粒子が分散されかつシート状に形成され、前
記無機繊維及びエポキシ樹脂組成物粒子が硬化性バイン
ダー樹脂により接着されてなる樹脂シート。この樹脂シ
ートを所定枚数重ねあわせ、その片側又は両側に金属は
くを重ね加熱加圧してなる金属はく張り積層板とし、又
はこの樹脂シートを用いて内層回路板などの構成材を積
層一体化して多層プリント配線板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂シート、金属
はく張り積層板及び多層プリント配線板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、産業用電子機器など高度の特性を
必要とするプリント配線板は、ガラス織布にエポキシ樹
脂を含浸乾燥して得られるプリプレグと金属はくとを重
ねて加熱加圧することにより積層一体化してなる金属は
く張り積層板に回路加工を施して製造されていた。ま
た、多層プリント配線板は、内層回路板及び金属はくな
どを構成材とし、構成材相互間をガラス織布にエポキシ
樹脂を含浸乾燥して得られるプリプレグを介して加熱加
圧することにより積層一体化して製造されていた。
【0003】配線板技術の向上と軽量化傾向により、多
層プリント配線板の高多層化、高密度化が進んでいる。
近年では、半導体チップをプリント配線板上に直接搭載
し樹脂封止した、プラスチックビングリッドアレイやプ
ラスチックボールグリッドアレイ等の半導体パッケージ
に、プリント配線板が用いられるようになっている。半
導体パッケージに用いられるプリント配線板は、その製
造工程において175℃以上に高温でワイヤーボンディ
ングや樹脂封止といった工程を経ることになる。その際
にプリント配線板の強度や弾性率が不足するとボンディ
ングワイヤの接続不良や樹脂封止後のそり、ねじれ等の
問題が発生する。175℃以上の高温域での強度や弾性
率等の高温特性を向上させるためには、従来以上の高い
ガラス転移温度(Tg)が必要とされる。また、半導体
パッケージ用のプリント配線板はこれまで以上の細線パ
ターンによる高密度化が要求されており、表面が平滑で
あることがより重要である。
【0004】そこで、高密度化、薄型化、細線パターン
化に対応したプリント配線板用材料を製造する方法とし
て、無機繊維の間に、常温で固体で未硬化のエポキシ樹
脂組成物粒子が分散され、かつシート状に形成され、前
記無機繊維及びエポキシ樹脂が硬化性バインダー樹脂に
より接着されてなる樹脂シートを用いて金属はく張り積
層板を製造する方法が提案された(特開平9−7092
1号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
樹脂シートを用いて製造された金属はく張り積層板は、
表面平滑性に優れるものの、耐熱性及び高温における弾
性特性に改良すべき点があり、その改善が待たれてい
た。本発明は、表面平滑性に優れ、耐熱性及び高温での
弾性特性に優れた金属はく張り積層板及び多層プリント
配線板を製造することができる樹脂シート、並びにこの
樹脂シートを用いた金属はく張り積層板及び多層プリン
ト配線板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、無機繊維の間に、(a)フェノール類とヒドロキシ
ベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化して得られる
エポキシ樹脂及び(b)ビスフェノールAとホルムアル
デヒドとの縮合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物
粒子が分散されかつシート状に形成され、前記無機繊維
及びエポキシ樹脂組成物粒子が硬化性バインダー樹脂に
より接着されてなる樹脂シートである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の樹脂シートを所定枚数重ねあわせ、その片側又
は両側に金属はくを重ね加熱加圧してなる金属はく張り
積層板である。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の樹脂シートを用いて構成材を積層一体化して
なる多層プリント配線板である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂シートは、無機繊
維、(a)フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド
類との縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂及
び(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドとの縮合
物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物粒子を含むスラ
リーを抄造し、抄造して得られたシートに硬化性バイン
ダ樹脂を塗布し、次いで加熱乾燥して製造される。
【0010】無機繊維の材質としては、例えば、セラミ
ック繊維、ガラス繊維、岩石繊維などが挙げられる。セ
ラミック繊維としては、具体的には、マグネシア繊維、
炭化ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、シリカ繊維、ボロン
繊維、ボロンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化タ
ングステン繊維、炭化チタン繊維、酸化ジルコニウム繊
維などが挙げられる。ガラス繊維としては、一般的に電
気絶縁材料用に使用されるEガラスが好ましいが、その
他のガラス、例えば、Sガラス、無アルカリのホウケイ
酸ガラス、アルカリを含むホウケイ酸ガラス等の繊維も
使用することができる。これら無機繊維は2種類以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0011】スラリーを抄造することから、無機繊維と
しては、スラリー化できるものであれば、長繊維、短繊
維いずれでもよい。シート形成の観点から1〜20μm
の繊維径のものが好ましく、1〜10μmの繊維径のも
のがより好ましい。繊維径が1μm未満、又は、20μ
mを超えるのいずれにおいてもシート形成が困難となる
傾向にある。この範囲内であれば、繊維径の異なる無機
繊維を組み合わせてもよい。
【0012】フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒ
ド類との縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂
の合成材料として用いられるフェノール類としては、フ
ェノール、クレゾールをはじめ、プロピル基、tert
−ブチル基などのアルキル基を有する一価フェノール類
などが挙げられる。フェノール類とヒドロキシベンズア
ルデヒド類との縮合物をエポキシ化して得られるエポキ
シ樹脂の合成材料として用いられるヒドロキシベンズア
ルデヒド類としては、サリチルアルデヒド、m−ヒドロ
キシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、バニリン、シリンガアルデヒド、β−レゾルシアル
デヒド、プロトカテキュアルデヒドなどが挙げられる。
フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類とは、酸
触媒の存在下に縮合させることができる。得られた縮合
物を原料として、エピクロルヒドリンなどにより常法に
よりエポキシ化してエポキシ樹脂とすることができる。
代表的なフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類
との縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂とし
てはフェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキ
シ樹脂を挙げることができる。
【0013】フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒ
ド類との縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂
以外のエポキシ樹脂を併用してもよい。併用することが
できるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック
型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポ
キシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹
脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、その他二官能フ
ェノール類のグリシジルエーテル化物、二官能アルコー
ル類のグリシジルエーテル化物、及びそれらの水素添加
物などが挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせ
てもよい。フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド
類との縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂以
外のエポキシ樹脂として、これらエポキシ樹脂のハロゲ
ン化物を併用すると、難燃性を付与できることから好ま
しい。特に、フェノール類とホルムアルデヒドとの縮合
物をグリシジルエーテル化した、ノボラック型エホ゜キ
シ樹脂のハロゲン化物を併用すると高Tgとなり好まし
い。フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類との
縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂以外のエ
ポキシ樹脂を併用するときには耐熱性及び高Tg化の観
点から、全エポキシ樹脂のうち70重量%以下の範囲内
とすることが好ましい。
【0014】ビスフェノールAとホルムアルデヒドとの
縮合物については特に制限はない。代表的なビスフェノ
ールAとホルムアルデヒドとの縮合物としては、例え
ば、ビスフェノールAノボラック樹脂を挙げることがで
きる。フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類と
の縮合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂とビス
フェノールAとホルムアルデヒドとの縮合物とは、前者
のエポキシ基と後者のフェノール性水酸基との反応率が
高く、硬化物の架橋密度を高くすることができる。この
ため硬化物の耐熱性と高温における弾性特性が良好にな
るものと考えられる。ビスフェノールAとホルムアルデ
ヒドとの縮合物と、ビスフェノールAとホルムアルデヒ
ドとの縮合物以外のフェノール性水酸基を含有する化合
物を併用してもよい。併用することができる化合物とし
ては、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、
カテコール、ビスフェノールF等のノボラック樹脂、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ポリビニルフェノ
ールなどが挙げられる。これらは単独で併用してもよ
く、2種類以上を組み合わせて併用してもよい。また、
上記フェノール性水酸基を含有する化合物のハロゲン化
物を併用すると、難燃性を付与できることから好まし
い。これらの配合量は、エポキシ樹脂が含有するエポキ
シ基1当量に対してフェノール性水酸基が0.5〜1.
5当量の範囲で配合するのが好ましく、0.8〜1.2
当量の範囲で配合するのがより好ましい。フェノール性
水酸基の量が0.5当量未満であるか、又は、1.5当
量を超えると。耐熱性及びTgが低下したり硬化物の誘
電特性が悪化する傾向にある。
【0015】ヒドロキシル基とエポキシ基とのエーテル
化反応を促進するため、硬化促進剤を配合するのが好ま
しい。硬化促進剤としては、エーテル化反応を促進させ
るような触媒機能を持つ化合物であればよく、例えば、
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イミダ
ゾール化合物、有機りん化合物、第二級アミン、第三級
アミン、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0016】なかでも、イミノ基がアクリロニトリル、
イソシアネート、メラミンアクリレートなどでマスク化
されたイミダゾール化合物を用いるとプリプレグとした
ときの保存安定性が良好となるので好ましい。ここで用
いられるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニ
ルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニ
ルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘ
プタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリ
ン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4
−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾ
ール、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあり、マ
スク化剤としては、アクリロニトリル、フェニレンジイ
ソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレジ
ンイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネー
ト、メラミンアクリレートなどがある。これらは2種類
以上を併用してもよい。
【0017】硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部
に対して0.01〜5重量部を配合するのが好ましく、
0.1〜3重量部を配合するのがより好ましい。0.0
1重量部より少ないと促進効果が小さく、5重量部より
多いと保存安定性が悪くなる傾向にある。
【0018】エポキシ樹脂組成物粒子は、粒子状に合成
され、又は、粉砕により粒子化されたものいずれも使用
できる。エポキシ樹脂組成物粒子は加熱により流動化可
能な状態、すなわち、完全に硬化していないAステージ
からCステージの前半の状態で用いられる。エポキシ樹
脂組成物粒子の粒径は、分散性及び樹脂シートの成形性
の観点から、0.01〜300μmであるのが好まし
く、1〜150μmであるのがより好ましい。粒径が
0.01μm未満であると、シート化そのものが困難と
なる傾向にあり、また、粒径が300μmを超えると、
分散性が悪くなりシートの厚さが不均一となる傾向にあ
る。シートの厚さが不均一であると、絶縁層の厚さが均
一でなくなり、表面が平滑とならないので好ましくな
い。
【0019】樹脂シートの成形性を向上させたり、成形
後の絶縁層の誘電率を低下させる等の電気特性や機械特
性等を付与させるため、必要に応じて難燃剤、熱可塑性
樹脂粒子、着色材、紫外線不透過剤、酸化防止剤、還元
剤、エンジニアリングプラスチック材料の粒子や充填剤
を単独で又は組み合わせてスラリーに加えて抄造するこ
とができる。かかる材料は、エポキシ樹脂組成物粒子1
00重量部に対し80重量部以下の範囲で用いるのが好
ましい。これらを多量に配合すると、強度を低下させる
傾向にあることから、配合する目的に応じて配合量の範
囲を定める。また、エポキシ樹脂組成物粒子と同様に、
粒径が0.01〜300μmの範囲の粒子として配合す
るのが好ましく、粒径が1〜150μmの範囲の粒子と
して配合するのがより好ましい。
【0020】無機繊維とエポキシ樹脂組成物粒子との割
合は、成形性の観点から、無機繊維10〜40重量%、
エポキシ樹脂組成物粒子60〜90重量%とするのが好
ましく、無機繊維10〜30重量%、エポキシ樹脂組成
物粒子70〜90重量%とするがより好ましい。
【0021】次に樹脂シートの製造について説明する。
無機繊維及びエポキシ樹脂組成物粒子に必要によりカッ
プリング剤及び/又は分散剤を加えて水中で混合し、撹
拌機で分散させてスラリー状態とする。このスラリーを
用いて抄造してシートとする。このシートに硬化性バイ
ンダー樹脂をスプレー法、含浸法等適宜の手段により塗
布し、乾燥機で加熱乾燥して樹脂シートとする。この加
熱では硬化性バインダー樹脂は硬化するが、エポキシ樹
脂組成物粒子は硬化しないか又は硬化の程度が低いよう
にするのが好ましい。このようにして得られた樹脂シー
トは、例えば巻取り機で巻取られる。樹脂シートの厚み
は任意に設定することができる。特に従来より薄いシー
トとすることも容易である。抄造条件を適宜設定するこ
とで、例えば10〜100μmの範囲の樹脂シートを得
ることができる。加熱成形後の厚さが100μm以下に
なる樹脂シートであると薄い絶縁層を形成することがで
き、プリント配線板を高密度化、軽量化できることから
好ましい。
【0022】硬化性バインダー樹脂としては、エポキシ
樹脂組成物粒子が完全硬化に至らない温度(通常100
〜180℃の範囲で適宜選択される)でBステージ又は
Cステージに硬化可能な樹脂であるのが好ましい。この
ような硬化性バインダー樹脂としては、例えば、熱硬化
性アクリルエマルション、フェノール樹脂エマルショ
ン、水溶性シリコーン樹脂エマルション等が挙げられ
る。硬化性バインダー樹脂は、樹脂シートの強度及び取
り扱い性の観点から、乾燥状態で樹脂シート全体のう
ち、1〜20重量%の範囲となるように塗布されるのが
好ましく、5〜10重量%の範囲となるように塗布され
るのがより好ましい。硬化性バインダー樹脂が1重量%
未満であると樹脂シートの強度が脆弱となる傾向にあ
り、20重量%を超えると、耐熱性が低下する傾向にあ
る。
【0023】本発明になる樹脂シートを、目的とする絶
縁層の厚みに合わせて所定枚数重ねあわせ、その片側又
は両側に金属はくを配し、加熱加圧することにより積層
一体化して金属はく張り積層板を製造する。加熱加圧条
件としては、公知のエポキシ樹脂金属はく張り積層板の
場合と変りなく、例えば温度130〜300℃、より好
ましくは160〜200℃、圧力0.5〜10MPa、
より好ましくは1〜4MPaの条件によることができ
る。金属はくとしては、銅はくがひろく用いられるが、
用途によりアルミニウムはくなどを用いることもでき
る。金属はくの厚みは通常5〜200μmである。
【0024】また、多層プリント配線板は、内層回路板
及び金属はくなどを構成材とし、構成材相互間を本発明
になる樹脂シートを介して加熱加圧することにより積層
一体化して製造することができる。このときの加熱加圧
条件としては、前記金属はく張り積層板の製造と同様と
することができる。
【0025】
【実施例】実施例1 樹脂シートの作製 平均繊維径6μm、繊維長6mmのガラス繊維(ガラス
チョップドストランド)を水に分散し、濃度0.4重量
%のスラリーとした。フェノールサリチルアルデヒドノ
ボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、油化シ
ェルエエポキシ株式会社製、エピコート1032(商品
名)を使用)100重量部、ビスフェノールAノボラッ
ク樹脂(水酸基当量121、大日本インキ化学工業株式
会社製、フェノライトvH−4170(商品名)を使
用)48重量部、テトラブロモビスフェノールA(臭素
含有率58%、水酸基当量272)51重量部及び1−
シアノエチル−2−メチルイミダゾール0.3重量部の
混合物を粉砕し、10〜150μmの粉末としてエポキ
シ樹脂組成物粒子を調製した。このエポキシ樹脂組成物
粒子を前記スラリーに混合し、米坪75g/mになる
ように抄造した。ガラス繊維とエポキシ樹脂組成物粒子
との比率は、重量比で、ガラス繊維が25、エポキシ樹
脂組成物粒子が75とした。
【0026】抄造して得られたシートに熱硬化性アクリ
ル樹脂エマルション(帝国化学産業株式会社製、HTR
−600LB(商品名)を使用)100重量部に、メラ
ミン樹脂(日立化成工業株式会社製、メランX66(商
品名)を使用)10重量部及びp−トルエンスルホン酸
0.3重量部を分散し、シートに対して5重量%となる
ようスプレー法で塗布し、温度140℃で3〜5分間加
熱乾燥して樹脂シートを作製した。
【0027】金属はく張り積層板の製造 作製した樹脂シートを6枚重ね、その両外側に厚さ18
μmの銅はくを配し、温度175℃、圧力2.0MPa
で90分間加熱加圧して両面銅はく張り積層板を作製し
た。
【0028】4層プリント配線板の製造 厚さ0.8mmのガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張り
積層板(日立化成工業株式会社製、MCL−E−67
(商品名)を使用)に内層導体パターンを形成し、得ら
れた配線板基材の両面に前記で作製した樹脂シートを重
ね、さらにその外側に厚さ18μmの銅はくを配し、温
度175℃、圧力3.0MPaで90分間加熱加圧して
4層プリント配線板を作製した。
【0029】実施例2 フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹
脂を54重量部に変更し、これに臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂(臭素含有率49%、エポキシ当量4
00、住友化学工業株式会社製、スミエポキシESB4
00T(商品名)を使用)46重量部を加え、ビスフェ
ノールAノボラック樹脂を50重量部としたほかは実施
例1と同様にして樹脂シートを作製し、さらに両面銅は
く張り積層板及び4層プリント配線板を作製した。
【0030】実施例3 フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹
脂を36重量部に変更し、これに臭素化フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂(臭素含有率35.3%、エポキ
シ当量284、日本化薬株式会社製、BREN(商品
名)を使用)64重量部を加えたほかは実施例2と同様
にして樹脂シートを作製し、さらに両面銅はく張り積層
板及び4層プリント配線板を作製した。
【0031】実施例4 1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールに代えて、
イソシアネートマスクイミダゾール0.5重量部を配合
したほかは実施例1と同様にして樹脂シートを作製し、
さらに両面銅はく張り積層板及び4層プリント配線板を
作製した。
【0032】比較例1 o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当
量213、大日本インキ化学工業株式会社製、エピクロ
ンN−673(商品名)を使用)100重量部、ビスフ
ェノールAノボラック樹脂35重量部、テトラブロモビ
スフェノールA46重量部及び1−シアノエチル−2−
メチルイミダゾール0.3重量部としたほかは実施例1
と同様にして樹脂シートを作製し、さらに両面銅はく張
り積層板及び4層プリント配線板を作製した。
【0033】比較例2 フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹
脂100重量部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量108、日立化成工業株式会社製、HP−850N
(商品名)を使用)43重量部、テトラブロモビスフェ
ノールA50重量部及び1−シアノエチル−2−メチル
イミダゾール0.3重量部としたほかは実施例1と同様
にして樹脂シートを作製し、さらに両面銅はく張り積層
板及び4層プリント配線板を作製した。
【0034】比較例3 実施例1で調製したエポキシ樹脂組成物粒子を、メチル
エチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテル
の混合溶剤(重量比で10:1)に溶解して樹脂固形分
65重量%のワニスを作成した。このワニスを厚さ30
μmのガラスクロス(MIL品番106タイプ)に含浸
し、170℃の乾燥器中で2〜4分間乾燥して樹脂分7
2重量%のプリプレグを作製した。作製したプリプレグ
を樹脂シートに代えて用いたほかは実施例1と同様にし
て両面銅はく張り積層板及び4層プリント配線板を作製
した。
【0035】実施例1〜4及び比較例1〜3で作製した
樹脂シート及びプリプレグについて、製造直後、及び、
25℃、50%RHで60日保存した後のゲルタイムを
それぞれ測定することにより保存安定性を評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 注)単位:秒
【0037】また、実施例1〜4及び比較例1〜3で作
製した両面銅はく張り積層板から銅はくをエッチング除
去後、表面粗さ計を用いて平均粗さ、最大高さ及び最大
うねりを測定した。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】 注)単位:μm
【0039】また、銅はくをエッチング除去後、Tg、
耐熱性、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。これらの
結果を表3に示す。なお、各測定法は以下の通りとし
た。 Tg:デュポン社製熱機械分析装置(TMA)により熱
膨張率を測定し、熱膨張曲線の変曲点の温度をTgとし
た。 耐熱性:飽和蒸気圧、120℃、2027hPaのプレ
ッシャークッカー中にて2時間処理した後に、260℃
のはんだ槽に20秒間浸漬した後の外観の変化を目視に
て観察した。表中のOKとは異常なし、NGとはミーズ
リング又は膨れありを意味する。 曲げ強さ及び曲げ弾性率:JIS C6481に準拠
し、常温及び200℃にて測定した。
【0040】
【表3】 注)Tgの単位:℃ 曲げ強さの単位:MPa 曲げ弾性率の単位:GPa
【0041】実施例1〜4並びに比較例1〜3で作製し
た4層プリント配線板を切断し、断面を研磨して絶縁層
厚さを測定した。その結果を表4に示す。
【表4】 単位:μm
【0042】表1から、本発明の樹脂シートは保存安定
性において通常のエポキシ樹脂を用いた樹脂シートと同
等であり、ガラスクロスに樹脂を含浸したプリプレグよ
り保存安定性に優れていることが示される。表2から、
本発明の樹脂シートを用いて製造した金属はく張り積層
板は、金属はくをエッチング除去した後の表面平滑性が
優れていることが示される。さらに、表3から、本発明
の樹脂シートを用いて製造した金属はく張り積層板は、
Tg、耐熱性、並びに、高温における曲げ強さ及び曲げ
弾性率に優れていることが示される。さらに、表4か
ら、絶縁層が薄く形成でき、多層プリント配線板の薄型
化に対応可能であることが示される。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、金属はく張り積層板と
したときに表面平滑性、耐熱性及び高温における弾性特
性に優れた樹脂シートを提供でき、かかる樹脂シートを
用いて表面平滑性、耐熱性及び高温における弾性特性に
優れた金属はく張り積層板又は多層プリント配線板を提
供することができる。また、本発明の樹脂シートを用い
て成形したものは、基材としてガラスクロスを使用した
プリプレグを用いたものよりも薄型化が可能であり、高
温での弾性率が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 良幸 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 Fターム(参考) 4F071 AA41 AA42 AB28 AB29 AB30 AF45 AH13 BC01 BC03 4F072 AA02 AA07 AB09 AD27 AD28 AD29 AE04 AF28 AF30 AF31 AG03 AG17 AG19 AH03 AH23 AK05 AK14 AL13 4F100 AA00A AB01B AB17B AB33B AG00A AK01A AK25C AK33A AK36C AK53A AL05A AL05C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B DE01A DG01A EH41A EH46C GB43 JB12A JJ03 JK07 JK15 JM01C 5E346 AA05 AA06 CC02 CC09 EE02 EE06 EE08 EE13 GG02 GG28 HH11 HH18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維の間に、(a)フェノール類と
    ヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化し
    て得られるエポキシ樹脂及び(b)ビスフェノールAと
    ホルムアルデヒドとの縮合物を必須成分とするエポキシ
    樹脂組成物粒子が分散されかつシート状に形成され、前
    記無機繊維及びエポキシ樹脂組成物粒子が硬化性バイン
    ダー樹脂により接着されてなる樹脂シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂シートを所定枚数
    重ねあわせ、その片側又は両側に金属はくを重ね加熱加
    圧してなる金属はく張り積層板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の樹脂シートを用いて構
    成材を積層一体化してなる多層プリント配線板。
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JP2013094880A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 被研磨物保持キャリア材用基材、および製造方法
WO2014054363A1 (ja) * 2012-10-02 2014-04-10 住友ベークライト株式会社 積層体および複合体
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