JP3089522B2 - 電気用積層板用プリプレグの製造方法、そのプリプレグを用いた電気用積層板、およびその積層板を用いたプリント配線板 - Google Patents
電気用積層板用プリプレグの製造方法、そのプリプレグを用いた電気用積層板、およびその積層板を用いたプリント配線板Info
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Description
ドペーパに含浸したプリプレグの製造方法、そのプリプ
レグを用いた積層板、およびその積層板を用いたプリン
ト配線板に関するものである。
る積層板は、たとえばガラス布などの基材にエポキシ樹
脂などの樹脂ワニスを含浸して乾燥することによってプ
リプレグを作製し、このプリプレグを所要枚数重ねると
ともに、必要に応じて銅箔などの金属箔をその片側、ま
たは両側に重ね、これを加熱加圧成形することによって
製造されたものが知られている。
線板の高密度実装、高集積化等の傾向が強まるにつれ、
低誘電率、加工性等の諸特性についての改善が求められ
てきている。そこで、この課題に対応し、ガラス繊維基
材に代わりアラミドペーパを基材とした積層板が提案さ
れている。
めに内層回路間または内層回路と外層回路間にずれが生
じ、その結果、スルーホールと内、外層の回路間との導
通不良が生じたり、吸湿率が高く耐久性が悪いという問
題があった。
ラミドペーパを基材とした積層板の熱膨張を小さくし、
内層回路間または内層回路と外層回路間にずれをなく
し、その結果、スルーホールと内、外層の回路間との導
通不良が阻止し、さらに、低吸湿性で高耐熱性を得るこ
とができるプリプレグの製造方法、そのプリプレグを用
いた積層板、およびその積層板を用いたプリント配線板
を提供することにある。
プリプレグの製造方法は、1分子中にエポキシ基を2個
以上有する化合物(1)100重量部に対して、1分子
中にナフタレン環またはジシクロペンタジエンとエポキ
シ基を2個以上有する化合物(2)5〜50重量部、お
よび硬化剤を含むエポキシ樹脂ワニスをアラミドペーパ
に含浸し、乾燥して半硬化させることを特徴とする。
請求項1のプリプレグを用いて、樹脂ワニスを硬化させ
た状態の積層板であることを特徴とする。
配線板は、請求項2の積層板を用いて、作製されたプリ
ント配線板であることを特徴とする。
によると、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合
物(1)100重量部に対して、1分子中にナフタレン
環またはジシクロペンタジエンとエポキシ基を2個以上
有する化合物(2)5〜50重量部、および硬化剤を含
むエポキシ樹脂ワニスをアラミドペーパに含浸し、乾燥
して半硬化させて得られたプリプレグを用いて、積層板
の熱膨張を小さくし、内層回路間または内層回路と外層
回路間にずれをなくし、さらに、低吸湿、高耐熱性を実
現し、プリント配線板の信頼性を高めることができる。
項1のプリプレグを用いて、樹脂を半硬化状態(Bステ
ージ状態)から加熱・加圧して硬化させて得た積層板な
ので、上述の通り、積層板の熱膨張を小さくできる。
板によると、請求項2の積層板を用いて、作製されたプ
リント配線板であるので、上述の通り、プリント配線板
の内層回路間または内層回路と外層回路間にずれをなく
すことができ、その結果、スルーホールと内、外層の回
路間との導通不良が阻止でき、プリント配線板の信頼性
を高めることができる。
いて説明する。このプリプレグを構成する成分について
説明すると、まず、1分子中にエポキシ基を2個以上有
する化合物(1)については、従来より積層板の樹脂成
分として使用されてきている任意のものが使用でき、た
とえばこれらの化合物(1)としては、ビスフェノ−ル
A型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、
ビスフェノ−ルS型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノ−ルA型ノボラック型エポキシ樹脂、2,
6-キシレノールダイマーのグリシジルエーテル化樹脂、
ビスフェノ−ルF型ノボラック型エポキシ樹脂、イソシ
アヌレート型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹
脂、3官能型エポキシ樹脂や4官能型エポキシ樹脂など
の多官能型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂、ジアミノフェニルエーテルのグリシジル化エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいはそれらの臭素化
された難燃性樹脂などが例示される。これらのものは、
単独または何種類かを併用することもできる。
はジシクロペンタジエンを有し、かつ、エポキシ基を2
個以上有する化合物が用いられ、上記化合物(1)と同
タイプのエポキシ樹脂が用いられる。これらの化合物
は、単独または何種類かを併用することもできる。具体
的には、下記(化1)にから(化4)に示す化合物など
が例示され、ナフタレン環を有するものは、下記(化
1)、(化2)、(化3)であり、ジシクロペンタジエ
ンを有するものは、下記(化4)に示すものである。
配合比は、化合物(1)の100重量部(以下、部と略
す)に対して、5〜50部の範囲で用いることが必要
で、好ましくは、10〜30部である。5部未満では成
形物の熱膨張率の低減効果がなく、50部を越えると機
械特性が劣る傾向があるからである。
るジシアンジアミド(Dicy)、アミノ化合物、フェ
ノ−ルノボラック、クレゾールノボラック等を使用する
ことができ、これらのものは単独または何種類かを併用
することもできる。
以上のフェノ−ル性OH基を有する化合物を併用する
と、Tg等の耐熱性は少々低下するが、極めて低吸湿性
のプリプレグおよび、積層板を得ることができる。この
化合物としては、たとえば、ビスフェノ−ルA、ビスフ
ェノ−ルF、ビスフェノ−ルS、ポリビニルフェノ−
ル、β−ナフトール等の低分子化合物やフェノ−ルノボ
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノ−
ルA型ノボラック樹脂、アルキルフェノ−ルノボラック
樹脂、フェノ−ルとヒドロキシベンズアルデヒドから合
成させるトリフェニルメタン型の3官能型ノボラック樹
脂、さらには、それらの臭素化物等を例示することがで
き、これらのフェノ−ル性化合物または、樹脂は、何種
類かを併用することもできる。
エチルケトン(MEK)、アセトン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、メタノール、エタノール、トルエン、キシ
レン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NM
P)、メチルセロソルブ(MC)、ジオキサン等など樹
脂ワニス化に用いる溶媒を単独または混合溶媒に溶解さ
せて用いることができる。この場合、30〜150 ℃で10〜
60分間、予備加熱反応させて用いると、硬化剤の均一
化、ジシアンジアミド(Dicy)の析出防止、樹脂の
保存安定性の向上の点から好ましい。
合物、第3級アミン、3フッ化ホウ素錯塩類など公知の
ものから選択して用いてもよい。
スは、主に液状でアラミドペーパに塗布、含浸して、次
いで乾燥されるので、通常は、上記溶媒により稀釈して
用いられる。このための溶媒としてはメチルエチルケト
ン(MEK)、アセトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、ジ
メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド
(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、メチ
ルセロソルブ(MC)、ジオキサン等を用いることがで
き、これらの複数種を併用してもよい。稀釈率は固型分
濃度50〜80%程度で使用するのが好ましい。溶媒でワニ
ス化された樹脂ワニスはアラミドペーパに含浸し、乾燥
機中で120〜180 ℃の範囲で3 〜10分間程度乾燥するこ
とにより半硬化状態(Bーステージ状態)のプリプレグ
として得ることができる。
融させて得られた極細径のフィラメントを集束剤で束ね
たストランドを短繊維とし、その短繊維を乾式もしく
は、湿式で薄層状にしたものが用いられる。
0 〜200 ℃、10〜50kg/cm2 の範囲で加熱・加圧して積
層板を製造するのに、また金属箔とともに加熱・加圧し
て印刷配線用金属箔張積層板を製造するのに用いられ
る。この場合の金属箔としては、銅、アルミニウム、ス
テンレス等の適宜なものが使用され、これを用いて所要
枚数のプリプレグとともに積層成形することができる。
また、多層板を製造する際には、エポキシ樹脂系材料で
は一般的に内層銅箔の表面を化学的に処理して酸化銅と
する(黒化処理)ので、成形時の温度は150 〜180 ℃と
するのが好ましい。成形温度が150 ℃未満では、硬化が
不十分で所要の耐熱性が得られず、またプリプレグと内
層銅箔との接着強度が不十分となる。また、180 ℃を超
えると酸化銅の凹凸表面が消失しプリプレグと内層銅箔
との接着強度が不十分となるからである。
を行い、スルーホールメッキ処理を経て、パターニング
を行い、プリント配線板とすることができる。
して、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量 500g/当量、東都化成社製; 商品名YDB
−500)を用い、メチルエチルケトン(MEK)で希
釈して、固型分濃度75wt%にしたものを117g
と、東都化成社製; 商品名YDCN−220をMEKで
希釈して、固型分濃度70wt%にしたものを18g併
用し、混合した。1分子中にナフタレン環とエポキシ基
を2個以上有する化合物(2)として、ナフタレン型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量 220g/当量、大日本イ
ンキ化学工業社製; 商品名HP−4032H)を15g
用いた。硬化剤としてジシアンジアミド(Dicy)
2.8g、および硬化促進剤として2-エチル-4- メチル
イミダゾール(2E4MZ)0.10gを溶解させたも
のを混合し樹脂ワニスとし、この樹脂ワニスをアラミド
ペーパ(サーマウント:密度72g/m2、デュポン社製)に
樹脂含有率が52wt%±2wt%となるように含浸して
乾燥機にて乾燥しゲルタイムが170 ℃で330 秒となるよ
うにプリプレグを作製した。
グ8枚を重ね、その両側に35μmの銅箔を配し、さら
に、外側に離型フィルムと金属プレートを配し、温度13
0 〜135 ℃の熱盤間に挿入し、初期の加圧を10kg/cm
2 の低圧、次いで2段目の加圧を40kg/cm2 、熱盤温
度を170 ℃に上昇させ加熱加圧積層し、厚み0.8 mmの銅
張積層板を得た。
エポキシ樹脂として、臭素化3官能型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量 390g/当量、三井石油化学社製; 商品
名VF−2801)をメチルエチルケトン(MEK)で
希釈して、固型分濃度80wt%にしたものを77g
と、3官能型エポキシ樹脂(エポキシ当量210g/当
量、三井石油化学社製; 商品名VG−3101)をメチ
ルエチルケトン(MEK)で希釈して、固型分濃度80
wt%にしたものを24gと、東都化成社製; 商品名Y
DB−400を19g併用し、混合した。1分子中にナ
フタレン環とエポキシ基を2個以上有する化合物(2)
として、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量 2
20g/当量、大日本インキ化学工業社製; 商品名HP
−4032H)を15g用いた。硬化剤としてジシアン
ジアミドを2.5gと、テトラエチルジアミドジフェニ
ルメタン( 日本化薬社製; 商品名C−300)8.0g
用い、硬化促進剤として2-エチル-4- メチルイミダゾー
ル(2E4MZ)0.11gを溶解させたものを混合し
樹脂ワニスとして用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。
エポキシ樹脂として、臭素化3官能型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量 390g/当量、三井石油化学社製; 商品
名VF−2801)をメチルエチルケトン(MEK)で
希釈して、固型分濃度80wt%にしたものを77g
と、3官能型エポキシ樹脂(エポキシ当量210g/当
量、三井石油化学社製; 商品名VG−3101)をメチ
ルエチルケトン(MEK)で希釈して、固型分濃度80
wt%にしたものを24gと、臭素化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(エポキシ当量 400g/当量、東都
化成社製; 商品名YDB−400)を19g併用し、混
合した。1分子中にジシクロペンタジエンとエポキシ基
を2個以上有する化合物(2)として、ジシクロペンタ
ジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製; 商
品名EXA4750)を15g用いた。硬化剤としてジシア
ンジアミドを2.7gと、テトラエチルジアミドジフェ
ニルメタン( 日本化薬社製; 商品名C−300)8.5
g用い、硬化促進剤として2-エチル-4- メチルイミダゾ
ール(2E4MZ)0.09gを溶解させたものを混合
し樹脂ワニスとして用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。
ジエンとエポキシ基を2個以上有する化合物(2)を用
いなかった以外は実施例1と同様に行った。
ジエンとエポキシ基を2個以上有する化合物(2)を用
いなかった以外は実施例2と同様に行った。
に、ガラス布(旭シュエーベル社製、216L)に樹脂ワニ
スを含浸させた以外は実施例1と同様に行った。
〜3の樹脂ワニスの配合をまとめておいた。表1に示さ
れている記載中(MEK75%)は、MEKで希釈して
固形分が75wt%であることを表示し、(MEK80
%)は、MEKで希釈して固形分が80wt%であるこ
とを表示している。
価の結果は表2に示した。熱膨張係数は、IPC−TM
−650,2.4.24 の熱力学的解析法で、ガラス転移点ま
での熱膨張係数を求めた。
81に基づき、50mm±1mm×50mm±1mmの
積層板を試験片を作成し、各々の値を測定する。
に準拠し、テストパターンに銅スルーホールめっきをし
た試験片を作成し、−65℃〜125℃の熱衝撃を与
え、断線までのサイクル数をカウントした。ただし、測
定条件は、全穴数:200穴、穴径:0.9mmφ、ランド径:1.3
mmφ、線幅:0.2mm、ドリル加工条件:60,000rpm、50μm
/revとする。
おいてスルーホール接続部の信頼性を示す特性のサイク
ル数に格段の差があるのは主な配合成分のエポキシ樹脂
が1分子中にナフタレン環またはジシクロペンタジエン
とエポキシ基を2個以上有する化合物(2)を実施例で
は1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物(1)
100重量部に対して、1分子中にナフタレン環または
ジシクロペンタジエンとエポキシ基を2個以上有する化
合物(2)5〜50重量部の範囲で用いているのに対し
て、比較例では、用いていないことによるものである。
実施例の樹脂を用いた場合に、本発明のプリプレグを用
いて得られた積層板は、積層板の熱膨張を小さくし、こ
の積層板を用いたプリント配線板の内層回路間または内
層回路と外層回路間にずれをなくし、その結果、スルー
ホールと内、外層の回路間との導通不良を阻止させるこ
とができた。さらに、プリント配線板の吸湿性や耐熱
性、とりわけ、スルーホール信頼性の向上が見られた。
を使用したときの表2で示す一般特性は、実施例と同じ
特性を得ることができた。しかし、表3に示す如く、比
較例3に比べは、実施例1の比誘電率、誘電正接等の電
気特性は向上し、表面粗度も小さくなり外観が優れたも
のを得ることができた。
6481に基づき試験片を作成し、温度20℃、湿度6
5%で96時間放置し、その後吸水処理を温度23℃、
24時間行い測定を行った。
OM550A:東京精密(株)社製)を用いて測定し
た。
リプレグを用いた積層板、およびその積層板を用いたプ
リント配線板によると、アラミドペーパを基材とする
と、アラミドペーパの特徴を生かしつつ、積層板の熱膨
張を小さくし、内層回路間または内層回路と外層回路間
にずれをなくし、その結果、スルーホールと内、外層の
回路間との導通不良が阻止できる。さらに、低吸湿性、
高耐熱性を実現し信頼性を著しく向上させることができ
た。
Claims (3)
- 【請求項1】 1分子中にエポキシ基を2個以上有する
化合物(1)100重量部に対して、1分子中にナフタ
レン環またはジシクロペンタジエンとエポキシ基を2個
以上有する化合物(2)5〜50重量部、および硬化剤
を含むエポキシ樹脂ワニスをアラミドペーパに含浸し、
乾燥して半硬化させることを特徴とするプリプレグの製
造方法。 - 【請求項2】 請求項1のプリプレグを用いて、樹脂ワ
ニスを硬化させた状態である積層板。 - 【請求項3】 請求項2の積層板を用いて、作製したプ
リント配線板。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05267349A JP3089522B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | 電気用積層板用プリプレグの製造方法、そのプリプレグを用いた電気用積層板、およびその積層板を用いたプリント配線板 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07118413A JPH07118413A (ja) | 1995-05-09 |
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JP2002241521A (ja) * | 2001-02-16 | 2002-08-28 | Sanyu Rec Co Ltd | エポキシ樹脂プリプレグ、エポキシ樹脂銅張板、エポキシ樹脂回路基板及びエポキシ樹脂多層回路基板 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP05267349A patent/JP3089522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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