JP2000273139A - キーパッド - Google Patents

キーパッド

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JP2000273139A
JP2000273139A JP11081854A JP8185499A JP2000273139A JP 2000273139 A JP2000273139 A JP 2000273139A JP 11081854 A JP11081854 A JP 11081854A JP 8185499 A JP8185499 A JP 8185499A JP 2000273139 A JP2000273139 A JP 2000273139A
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elastomer
polyester
keypad
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JP11081854A
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Akihiro Niki
章博 仁木
Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Juichi Fukaya
重一 深谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温及び高温での力学的特性、柔軟性、耐ク
リープ性、並びにリサイクル性に優れた、エステル系エ
ラストマーからなるキーパッドを提供する。 【解決手段】 短鎖ポリエステル成分及び長鎖ポリエス
テル成分の繰り返しから構成されるポリエステル系共重
合体(A)、ポリエーテル(B)並びにイソシアネート
成分(C)からなるエステル系エラストマーから形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温及び高温での
力学的特性、柔軟性、耐クリープ性に優れたエステル系
エラストマーから成形されたキーパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器分野、自動車分野、工業
分野において加硫ゴム成形品が、ゴム弾性、柔軟性、耐
クリープ性、可撓性等の優れた特性を活かした種々の用
途に用いられている。しかし、加硫ゴムは加硫工程が必
要であり、生産効率が低いという欠点を有している。一
方、一般の樹脂のように高温で押出成形や射出成形等の
熱成形が可能で、加硫工程を必要としないため生産性、
省エネルギー性、リサイクル性に優れ、常温でゴム材料
として良好な物性を示す熱可塑性エラストマー(TP
E)が注目されている。しかしながら、一般の熱可塑性
エラストマーを成形して得られた成形体は、加硫ゴム成
形体に比べて柔軟性、耐クリープ性、高温での機械的物
性に劣るという欠点を有している。
【0003】加硫ゴム成形体として押しボタン用キーパ
ッドがある。このキーパッドはテレビやビデオのリモコ
ン装置、電話機、ファクシミリの操作部、電卓用の入力
操作キー、パソコンのキーボード、自動車車内操作盤の
操作キー等のの押しボタンのスプリング部として用いら
れている。このボタン用キーパッドは、図1にその模式
断面図を示したように、中空メーサ型弾性体を備えてい
ることを特徴としている。また、キーパッド成形体は、
スカート部2と呼ばれる100〜400μmの肉薄部分
を有し、動作荷重によるこのスカート部の変形・座屈現
象によって押し圧感覚、クリック感を発現する。
【0004】上記キーパッド成形体の動作荷重測定にお
いて、図2のような応力−歪み曲線を得ることができ
る。図中の各ピーク値をそれぞれ、P1 点、P2 点、P
3 点、P4 点とすると、P1 点が動作荷重の極大値であ
り。仮にキーパッド成形体の形状を揃えてエラストマー
の素材特性と動作荷重曲線との相関をみた場合、この極
大荷重P1 は、主にキーパッド素材の柔軟性を反映する
ものであると捉えることができる。一般に、素材が柔軟
であればP1 点荷重は小さくなり、硬くなればP 1 点荷
重は大きくなる。
【0005】また、図2において、〔(P1 −P2 )/
1 〕×100(%)の値が、一般にクリック率(A)
と呼ばれるが、良好なクリック感、即ち明確な押し感覚
発現のためには、この数値が大きい方が好ましい。さら
には、適度な弾力感をもつスイッチが復元されることが
よいとされるが、それには〔(P1 −P4 )/P1 〕×
100(%)の値で示されるクリック率(B)はより小
さい方が好ましい。明確なクリック感を得るためにはス
カート部の座屈変形が急激に起こることが必要である。
【0006】軽い押し圧感を得るためには、キーパッ
ド成形体としてより柔軟な素材を用いること、キーパ
ッド成形体のスカート部と呼ばれる肉薄部分の厚さをよ
り薄い設計とすることの二つの方法が考えられる。しか
し、のスカート部を100μm以上の超薄肉にするこ
とは、エラストマー素材の材料強度の面からと、成形加
工に要求される精密さとの面から余り現実的ではなく、
のより柔軟な素材を用いることが好ましい。
【0007】押しボタン用キーパッドの素材としては、
主にシリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴムなどが使用さ
れているが、従来より最も広く採用されているものは、
加硫ゴムの1種であるシリコーンゴムである。シリコー
ンゴムは、寸法安定性、耐熱性に優れると共に安価であ
るという利点がある。しかしながら、シリコーンゴムは
押出成形や射出成形ができず、上記押しボタン用キーパ
ッドはプレス成形により加熱硬化させて製造するため、
成形に要する時間が長くなり、生産性に問題があった。
【0008】これに対して、熱可塑性エラストマーは、
前述のように押出成形や射出成形等の熱成形が可能で、
しかも加硫工程を必要としないため生産性に優れ、リサ
イクル可能な材料であり、押しボタン用キーパッドの素
材として有望である。近年、ポリエステル系の熱可塑性
エラストマー等でシリコーンゴムを代替したキーパッド
が利用されることもある。この熱可塑性エラストマー
は、例えば、テレビやビデオのリモコン装置、電話機、
ファクシミリ操作部等のの押しボタン用キーパッドに用
いられている。しかしながら、ポリエステル系熱可塑性
エラストマーは、柔軟性の向上と共に材料強度が低下す
るため、実用的にはJIS−A硬度が90程度の柔軟性
が限界であった。
【0009】従って、リモコン、電話機等の押しボタン
の中でも比較的軽いタッチが求められるものや、電卓用
の入力操作キー、パソコンのキーボードの操作キー等の
ように、より軽いタッチ、即ち小さい動作荷重が要求さ
れる用途には、従来のポリエステル系熱可塑性エラスト
マーを利用することは、素材の柔軟性に問題があり不適
当であった。
【0010】上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー
に関して、例えば特開平4−351813号公報に、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマーのキーパッド成形品
に電子線照射を行なうことによって、耐久性、耐熱性に
優れたキーパッドを製造する方法が開示されている。し
かし、この方法では材料の柔軟性が不足するために軽い
タッチ感を発現させることは困難であった。また、最終
的に架橋を行なうために成形品をリサイクルすることが
困難であった。
【0011】また、単に柔軟であるという条件を満たす
だけの熱可塑性エラストマーでは、キーパッドとしての
良好なクリック感を達成することはできなかった。例え
ば、特開平4−83619号公報や特開昭64−393
0号公報には、スチレン系熱可塑性エラストマーを成形
することにより押しボタン用キーパッドを製造する方法
が開示されている。しかし、いずれの方法もシリコーン
ゴムを用いたキーパッドに比べて、クリック感が劣って
いるという問題点があった。
【0012】これまで、キーパッドの用途に使用されて
いる熱可塑性エラストマーには、軽いタッチ感(小さい
動作荷重極大値P1 )と、明確なクリック感を発現する
ための良好なクリック率との両方の性能に優れた素材が
なく、このような条件を同時に満足する素材が強く求め
られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、室温及び高温での力学的特性、柔軟性、耐クリープ
性、並びにリサイクル性に優れた、エステル系エラスト
マーからなるキーパッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のキーパッドは、
一般式(1)で表される短鎖ポリエステル成分及び一般
式(2)で表される長鎖ポリエステル成分の繰り返しか
ら構成され、前記短鎖ポリエステル成分が50〜95重
量%であり、前記長鎖ポリエステル成分が50〜5重量
%であるポリエステル系共重合体(A)100重量部に
対して、一般式(3)で表される繰り返しから構成され
るポリエーテル(B)50〜500重量部、並びに、一
般式(4)で表されるイソシアネート化合物(C)10
〜100重量部からなるエステル系エラストマーから形
成されてなることを特徴とする。
【0015】本発明で用いられるポリエステル系共重合
体(A)は、一般式(1)で表される短鎖ポリエステル
成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成分
の繰り返しから構成される。
【0016】 −CO−R0 −CO−O−R1 −O− ・・・(1) −CO−R0 −CO−O−R2 − ・・・(2)
【0017】式(1)、(2)中、R0 は炭素数6〜1
2の2価の芳香族炭化水素基を示し、R1 は炭素数2〜
8のアルキレン基を示し、R2 は、−R−O−(式中、
Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示す)で表される繰
り返しから構成され、数平均分子量が500〜5000
である成分を示す。
【0018】上記ポリエステル系共重合体(A)として
は、例えば、テレフタル酸ジメチルエステル、低分子量
ジオール並びにポリエーテルを反応させることによって
得られる公知のポリエーテルエラストマーが使用可能で
ある。
【0019】上記低分子量ジオールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0020】上記ポリエーテルとしては、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコー
ル、ポリ1,2−プロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が
挙げられる。中でも、機械的特性、耐侯性に優れる点か
らポリテトラメチレングリコールが好ましく、ポリテト
ラメチレングリコールの市販品としては、例えば、BA
SF社製「PTHF」、三菱化成社製「PTMG」等が
挙げられる。
【0021】上記ポリエーテルは、数平均分子量500
〜5000のものを用いることが好ましく、より好まし
くは、数平均分子量500〜2000のものである。数
平均分子量が500未満では、得られるポリエステル系
共重合体(A)のブロック性が低下して融点が低くな
り、エステル系エラストマーの高温での機械強度が低く
なる。また、数平均分子量が5000を超える場合は、
ポリエーテル(B)との相溶性が低いためエステル系エ
ラストマーの重合度が上がらず、十分な強度のエステル
系エラストマーが得られない。
【0022】上記ポリエステル系共重合体(A)は公知
の方法によって重合することが可能である。具体的に
は、テレフタル酸ジメチルエステルを、ポリエーテル及
び過剰の低分子量ジオールと共に触媒の存在下で200
℃に加熱してエステル交換反応を行い、引き続いて、減
圧下240℃で重縮合反応を行うことにより、ポリエス
テル系共重合体(A)を得ることができる。
【0023】上記ポリエステル系共重合体(A)の構成
成分中、短鎖ポリエステル成分の占める割合は50〜9
5重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。
短鎖ポリエステル成分が50重量%未満の場合は、ポリ
エステル系共重合体(A)の融点が低く、エステル系エ
ラストマーの高温での機械強度に悪影響を与える。ま
た、95重量%を超える場合は、後述のポリエーテル
(B)との相溶性が低いため、得られるエステル系エラ
ストマーの重合度が上がらず、十分な強度のエステル系
エラストマーが得られない。
【0024】本発明で用いられるポリエーテル(B)
は、一般式(3)で表される繰り返しから構成される。
このようなポリエーテル(B)としては、例えば、上記
ポリエステル系共重合体(A)を構成するものと同様の
ポリエーテルが好適に用いられる。
【0025】−R3 −O− ・・・(3) 式(3)中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン基を示
す。
【0026】本発明で用いられるエステル系エラストマ
ーは、上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリエー
テル(B)が、一般式(4)又は(5)で表される化合
物(C)によって結合されている。
【0027】 −O−CO−NH−R4 −NH−CO−O−・・・(4) −CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・・(5) 式(4)、(5)中、R4 は炭素数2〜15のアルキレ
ン基、フェニレン基、又は、フェニレン基とメチレン基
もしくはアルキレン基との結合を示す。
【0028】上記イソシアネート化合物(C)によって
結合されたエステル系エラストマーは、上記ポリエステ
ル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)と、ジイソ
シアネート化合物とを反応させることによって得られ
る。上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリエーテ
ル(B)は、通常、両末端に水酸基を有するが、一部カ
ルボキシル基を有するものであってもよい。このとき、
ジイソシアネート化合物と反応する両末端の官能基が水
酸基の場合は一般式(4)で表されるイソシアネート化
合物(C)によって結合され、末端の官能基の一方が水
酸基で他方がカルボキシル基の場合は一般式(5)で表
されるイソシアネート化合物(C)によって結合され
る。
【0029】上記ジイソシアネート化合物は、同一分子
内に2個のイソシアネート基を有する化合物であればそ
の構造は特に限定されず、生成したエステル系エラスト
マーの流動性を保つ範囲で3個以上のイソシアネート基
を有する化合物を用いてもよい。
【0030】上記ジイソシアネート化合物としては、例
えば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート;1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−
プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シ
クロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加した4,4'-ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられ
る。
【0031】本発明で用いられるエステル系エラストマ
ーは、ポリエステル系共重合体(A)100重量部に対
して、ポリエーテル(B)50〜500重量部、及び、
イソシアネート化合物(C)10〜100重量部を反応
させることによって得られる。
【0032】上記ポリエーテル(B)の量が、50重量
部未満では十分な耐クリープ性を有するエステル系エラ
ストマーが得られず、500重量部を超えると十分な機
械的強度を有するエステル系エラストマーが得られな
い。好ましくは、100〜300重量部である。
【0033】上記イソシアネート化合物(C)の量が、
10重量部未満ではエステル系エラストマーは高分子量
体にならないため機械的強度が低くなり、100重量部
を超えるとエステル系エラストマーは耐クリープ性に劣
ったものとなる。好ましくは、30〜70重量部であ
る。
【0034】上記ポリエステル系共重合体(A)及びポ
リエーテル(B)と、上記イソシアネート化合物(C)
との反応において押出機を用いることができる。押出温
度は180〜260℃が好ましく、より好ましくは20
0〜240℃である。押出温度が、180℃未満ではポ
リエステル系共重合体(A)が溶融しないため反応が困
難であり、高分子量のポリマーを得ることができず、2
60℃を超えるとポリエステル系共重合体(A)及びジ
イソシアネート化合物が分解し、十分な強度を有するポ
リマーを得ることができない。
【0035】上記ポリエステル系共重合体(A)及びポ
リエーテル(B)と、ジイソシアネート化合物との混合
時に触媒を用いることができる。上記触媒としては、例
えば、ジアシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル
錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マ
レート、錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、ト
リエチレンアミン、ジエチレンアミン、トリエチルアミ
ン、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属塩、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、酢酸カル
シウム、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン等が挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が
併用されてもよい。
【0036】上記エステル系エラストマーには、安定剤
が使用されてよく、安定剤としては、例えば、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9
−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1
−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸
化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブ
チル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ジミリスチル3,3'-チオジプロピオネート、
ジステアリル3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエ
リスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ジトリデシル3,3'-チオジプロピオネート等の
熱安定剤などが挙げられる。
【0037】本発明のエステル系エラストマーには、必
要に応じて、気泡核形成剤、繊維、無機充填剤、難燃
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩
等の添加剤を添加してもよい。
【0038】上記気泡核形成剤としては、一般にその粒
径が500μm以下のものが好ましく、例えば、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、カーボンブラック、二酸化珪素、酸化チタン、クエ
ン酸、重曹、オルトホウ酸、脂肪族のアルカリ土類金属
塩等が挙げられる。
【0039】上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維
等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ
る。
【0040】上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられ
る。上記難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロ
ドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホス
フェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙
げられる。
【0041】上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−
tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2'-カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−
トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
【0042】上記帯電防止剤としては、例えば、N,N
−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げ
られる。上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩
としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0043】上記エステル系エラストマーには、その他
の熱可塑性樹脂、ゴム成分を混合してその性質を改質し
て使用してもよい。上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
【0044】上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPD
M)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性
エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ
系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラスト
マー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0045】上記エステル系エラストマーは、一般に用
いられるプレス成形、押出成形、射出成形、ブロー成形
等の成形法によって成形体を得ることができる。成形温
度はエステル系エラストマーの融点、成形方法によって
異なるが160〜260℃が好ましい。成形温度が、1
60℃未満であると、エステル系エラストマーの流動性
が低いので均一な成形体が得られず、260℃を超える
と、エステル系エラストマーが分解し、強度が充分な成
形体を得ることができない。
【0046】本発明のキーパッドは、例えば、上記エス
テル系エラストマー及びその他の成分からなる樹脂組成
物を、プレス成形又は射出成形することによって得るこ
とができる。また、上記樹脂組成物を、押出成形で一旦
シート状に成形した後、シート状物を真空成形、圧縮成
形等によってキーパッドに成形してもよい。また、キー
パッドの用途に応じて2色成形法が採用されてもよい。
【0047】
【作用】通常、異なったポリマー成分は相溶性が不十分
なため、お互いに反応させることは困難であった。本発
明では、ハードセグメントである短鎖ポリエステル成分
に、ソフトセグメント成分である短鎖ポリエーテル成分
を共重合させて得られるポリエステル共重合体(A)
と、ソフトセグメント成分であるポリエーテル(B)と
を用いることによって、相溶性が向上し、お互いの反応
性が大幅に向上することが明らかとなった。この結果、
ハードセグメント成分とソフトセグメント成分のブロッ
ク性の高いエステル系エラストマーが生成する。得られ
たエステル系エラストマーにおいて、短鎖ポリエステル
成分によって形成される結晶が架橋点を形成することに
より、エラストマーの特性を示す。
【0048】上記エステル系エラストマー分子は、短鎖
ポリエステル成分リッチな部分とポリエーテル成分リッ
チな部分とから構成されており、従来の同程度の耐クリ
ープ性を示すエステル系エラストマーよりも短鎖ポリエ
ステル成分が結晶し易くなる結果、強固な架橋点が形成
され、高温での機械的特性に優れたエラストマー材料と
なる。さらに、ポリエーテル成分リッチな部分が存在す
ることにより架橋点間分子量が増大する結果、耐クリー
プ性に富んだエラストマー材料となる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明する。
【0050】(実施例1)テレフタル酸ジメチル100
重量部、1,4−ブタンジオール102重量部、数平均
分子量が約1000のポリテトラメチレングリコール
(BASF社製「PTFH1000」)48重量部、触
媒としてテトラブチルチタネート0.3重量部、安定剤
として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.3重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト0.3重量部を加え、
反応系を窒素下、200℃で3時間保ち、エステル交換
反応を行った。上記エステル交換反応の進行は留出する
メタノール分量を計量することにより確認した。エステ
ル交換反応進行後、20分間で240℃まで昇温し、減
圧操作を行った。重合系は20分で2mmHg以下の減
圧度に達した。この状態で20分間重縮合反応を行った
結果、白色のポリエステル系共重合体(A)160重量
部が得られた。
【0051】このポリエステル系共重合体(A)100
重量部、数平均分子量が約1000のポリテトラメチレ
ングリコール(B)(BASF社製「PTFH100
0」)137重量部、及び、4,4'-ジフェニルメタン
ジイソシアネート(C)38重量部を、二軸押出機(ベ
ルストルフ社製 L/D=25)を用いて220℃で溶
融混練(滞留時間200秒)し、エステル系エラストマ
ーのペレットを得た。
【0052】このペレットを射出成形することによっ
て、図1に示すキーパッド成形体を得た。上記射出成形
は、射出成形機(東芝機械製作所製「EPN−IS3
0」、型締圧30トン)を使用して、シリンダー温度2
00℃、ノズル温度200℃、金型温度25℃にそれぞ
れ設定して行なった。
【0053】(実施例2)数平均分子量が約1000の
ポリテトラメチレングリコール(BASF社製「PTF
H1000」)を12重量部用いたこと以外は、実施例
1と同様にして白色のポリエステル系共重合体(A)1
20重量部を得た。このポリエステル系共重合体(A)
100重量部、数平均分子量が約1000のポリテトラ
メチレングリコール(B)(BASF社製「PTFH1
000」)99重量部、及び、4,4'-ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(C)29重量部を、二軸押出機
(ベルストルフ社製 L/D=25)を用いて220℃
で溶融混練(滞留時間200秒)し、エステル系エラス
トマーのペレットを得た。このペレットを射出成形する
ことによって、図1に示すキーパッド成形体を得た。上
記射出成形は、射出成形機(東芝機械製作所製「EPN
−IS30」、型締圧30トン)を使用して、シリンダ
ー温度180℃、ノズル温度180℃、金型温度25℃
にそれぞれ設定して行なった。
【0054】(比較例1)テレフタル酸ジメチル100
重量部、1,4−ブタンジオール102重量部、数平均
分子量が約1000のポリテトラメチレングリコール
(BASF社製「PTFH1000」)170重量部、
触媒としてテトラブチルチタネート0.3重量部、安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.3重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト0.3重量部を加え、
反応系を窒素下、200℃で3時間保ち、エステル交換
反応を行った。上記エステル交換反応の進行は留出する
メタノール分量を計量することにより確認した。エステ
ル交換反応進行後、20分間で240℃まで昇温し、減
圧操作を行った。重合系は20分で2mmHg以下の減
圧度に達した。この状態で6時間重縮合反応を行った結
果、白色のポリエステル系共重合体(A)283重量部
が得られた。
【0055】上記ポリエステル系共重合体(A)を射出
成形することによって、図1に示すキーパッド成形体を
得た。上記射出成形は、射出成形機(東芝機械製作所製
「EPN−IS30」、型締圧30トン)を使用して、
シリンダー温度180℃、ノズル温度180℃、金型温
度25℃にそれぞれ設定して行なった。
【0056】上記実施例及び比較例で得られたキーパッ
ド成形体について下記項目の評価を行い、その結果を表
1に示した。 (1)動作荷重の測定 微小荷重測定機(アイコーエンジニアリング社製「MO
DEL 1305D」)を用いて動作荷重(P1
2 、P3 、P4 )を測定した。 (2)保持率 打鍵耐久性の評価として、60℃の恒温槽内で上記微小
荷重測定機を用いて、キーパッド成形体の押しボタン部
に1回当たり1kgfの力を、3mmのストロークで作
用させ、作用速度20rpm(押圧時1秒間停止)の条
件で耐久テストを2万回行なったときのP1 の保持率を
求めた。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のキーパッドは、上述の構成の熱
可塑性エステル系エラストマーを成形して得られるの
で、該エラストマーの柔軟性による軽い押圧感(動作荷
重P1 が小さい)、該エラストマーの耐クリープ性によ
る良好なクリック感覚(クリック率(B)が小さい)及
び優れた打鍵耐久性(保持率が大きい)を有する。本発
明のキーパッドは、上記エステル系エラストマーを用い
ることによって、耐熱性、柔軟性、打鍵耐久性及びリサ
イクル性に優れるので、実用上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キーパッド成形体を示す模式断面図である。
【図2】キーパッド成形体の応力−歪み曲線を示す。
【符号の説明】
1 キーパッド成形体 2 スカート部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深谷 重一 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J034 DG03 DG04 DG06 DH02 DH06 HA01 HA06 HA07 HC01 HC02 HC03 HC11 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC66 HC67 HC71 HC73 QC08 RA11 RA14 5B020 DD02 DD51

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される短鎖ポリエステ
    ル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成
    分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分
    が50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエステル成分
    が50〜5重量%であるポリエステル系共重合体(A)
    100重量部に対して、一般式(3)で表される繰り返
    しから構成されるポリエーテル(B)50〜500重量
    部、並びに、一般式(4)で表されるイソシアネート化
    合物(C)10〜100重量部からなるエステル系エラ
    ストマーより形成されてなることを特徴とするキーパッ
    ド。 −CO−R0 −CO−O−R1 −O− ・・・(1) −CO−R0 −CO−O−R2 − ・・・(2) −R3 −O− ・・・(3) −O−CO−NH−R4 −NH−CO−O−・・・(4) −CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・・(5) 〔式中、R0 は炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素
    基を示し、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、
    2 は、−R−O−(式中、Rは炭素数2〜8のアルキ
    レン基を示す)で表される繰り返しから構成され、数平
    均分子量が500〜5000である成分を示し、R3
    炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R4は炭素数2〜
    15のアルキレン基、フェニレン基、又は、フェニレン
    基とメチレン基もしくはアルキレン基との結合を示す〕
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