JP2000272541A - 車体部材の接合構造 - Google Patents
車体部材の接合構造Info
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Abstract
の接合強度を確保しつつ、電食の発生を有効に阻止する
こと 【解決手段】接合面7を有するスチールサイドレール1
と、アルミルーフパネル2と、接合面7に、アルミルー
フパネル2を接合する非貫通型リベット10と、サイド
レール1とルーフパネル2との間に存在し、シール材よ
りなるシール部11とを有し、このシール部11は接合
面7とは異なる位置に存在している。
Description
の金属で形成された車体部材の接合構造に関する。
ムやアルミニウム合金などで形成された車体部材(例え
ばアルミルーフパネル等)の利用が注目されている。し
かしながら、アルミ製の車体部材とスチール製の車体部
材とを接合しようとする場合、すなわち異種金属同士を
接合しようとする場合、これらの融点や線膨張係数が異
なるため、スポット溶接等のように溶融接合する手法は
実用的ではない。従って、異種金属同士の接合にあたっ
ては、このような治金的接合ではなく、リベット、ボル
ト等のファスナー、或いはかしめ等を用いた機械的接合
が採用されている。
両者が当接した箇所において、いわゆる電食が発生し得
ることが知られている。電食とは、異種金属間の微少な
隙間に浸入した電解質(例えば雨水)により引き起こさ
れる金属腐食をいう。この電食が発生すると、車体の外
観錆となって美感を損ねるばかりか、腐食部から雨水が
車室内へ浸入する原因にもなりかねない。このような電
食の発生を防止する手法の一つとして、電食環境下にお
いて、異種金属が直接接触しないように絶縁性のシール
材を介在させた上で、両者の接合を行うといった手法が
考えられる。
うな手法では、車体部材の接合強度の確保と電食の防止
とを両立させることは困難である。例えば、シール材を
介して、接着により一対の車体部材を接合しようとした
場合、シール材自体十分な強度を有していないため、要
求される車体剛性を満足することは容易ではない。一
方、接着以外の手法、例えばファスナーによる機械的接
合を行った場合、車体剛性は確保できるものの、シール
材の経年劣化により電食が生じる可能性がある。なぜな
ら、車体のねじれ等が生じると、その応力が接合箇所に
集中して、そこに設けられたシール材の経年劣化を早め
てしまうからである。従って、応力が集中する接合箇所
にシール材を配置することは、その浸水防止性能(シー
ル性能)の低下を早めるため好ましくない。
明の目的は、車体部材の接合強度を確保しつつ、電食の
発生を有効に阻止し得る車体部材の接合構造を提供する
ことである。
めに、本発明は、車体部材の接合構造において、接合面
を有する金属製の第1の車体部材と、第1の車体部材と
は異なる種類の金属で形成された第2の車体部材と、第
1の車体部材の接合面に、第2の車体部材を接合する接
合手段と、第1の車体部材と第2の車体部材との間に存
在し、シール材よりなるシール部とを有し、このシール
部は接合面とは異なる位置に存在する車体部材の接合構
造を提供する。
材と第2の車体部材とが接合された状態において、車体
の外側に露出していないことが好ましい。この接合手段
の好ましい一例は、非貫通型のリベット、或いは第2の
車体部材と同じ種類の金属で形成された補強部材が挙げ
られる。この補強部材は、ファスナーにより第1の車体
部材と接合され、第2の車体部材には溶融接合されてい
る。
ル材を用いることが好ましい。
おいて応力が集中する接合面から離れた位置にシール部
を設けているため、シール材に加わる応力を接合面に設
けた場合よりも小さくすることができる。従って、シー
ル材を接合面に設けた場合と比べて、経年劣化によるシ
ール性能の低下を抑制することができる。また、接合手
段が車体の外側へ露出しない構造にしておけば、その部
分からの雨水等の浸入を阻止することができる。さら
に、絶縁性のシール材を用いることにより、シール材と
当接した金属部分(第1または第2の車体部材の一部)
の電食を阻止することができる。
例における自動車車体のサイドレールとルーフパネルと
の接合部近傍を示した車体断面図である。同図におい
て、符号1はスチール製のサイドレールであり、符号2
はアルミやその合金で形成されたアルミルーフパネルで
ある。また、符号3は、サイドレール1とルーフパネル
2とを接合した際に形成されるルーフサイド溝であり、
この溝3は雨水ガイドとして機能する。
は、スチール製のフレームアウタパネル4とスチール製
のフレームインナパネル5とを一体化して形成される。
すなわち、ドア開口縁となる下端とルーフサイド溝3の
一部とにおいて、アウタパネル4とインナパネル5とを
スポット溶接して形成される。また、サイドレール1に
は、段差部6が形成されていると共に、水平方向に延在
する平坦面が形成されている。この平坦面は、ルーフパ
ネル2と接合する際の接合面7となる。
量化を図るために、スチールよりも軽量なアルミもしく
はアルミ合金で構成されている。また、このルーフパネ
ル2の縁部に多段の曲げ加工を施こすことにより、水平
方向に延在する平坦面と、そこからさらに屈曲して延在
する段差部9とが形成されている。この平坦面は、サイ
ドレール1と接合する際の接合面8となる。また、段差
部9は、サイドレール1にルーフパネル2を接合した状
態において、レール側の段差部6とルーフ側の段差部9
との間に所定の隙間が形成されるような段差形状を有し
ている。
フパネル2は、非貫通型リベット10により接合されて
いる。具体的には、この機械的な接合は以下のようにし
て行う。まず、サイドレールの接合面7における所定位
置に、リベット10の径にほぼ相当する貫通孔を形成し
ておく(ルーフパネル2側の貫通孔は形成しない)。次
に、ルーフパネル2の取り付けに関する位置決めを行っ
た上で、リベット10を貫通孔に挿入する。リベット
は、管状(チューブラ)構造を有するリベットまたは部
分的な管状リベットを用いる。そして、ダイス型と対向
したプランジャによって、リベット10およびルーフパ
ネル2を変形させて接合する(ルーフパネル2はダイス
型のキャビティに沿って変形)。従って、非貫通型リベ
ット10が車体の外側へ露出することなく、サイドレー
ル1とルーフパネル2とが接合される。
周に渡って絶縁シール部11が設けられている。このシ
ール部11は、サイドレール1とルーフパネル2とを接
合した状態において、段差部6と段差部9との間に形成
される所定間隔の隙間に絶縁物とシール材とを挿入する
ことにより形成され、接合面7とは異なる位置に存在し
ている。
能に関する経年劣化を抑えることができるため、シール
部11からの水等の浸入を有効に阻止することができ
る。上述したように、ねじれ等の車体変形による応力は
車体部材の接合部に集中する傾向にある。従って、応力
が集中する箇所にシール材を設けると、そのシール性能
の経年劣化を早めてしまう。そこで、本実施例では、応
力が集中しないシール部11でシールを行うことによ
り、その耐久性の低下、或いはシール性能の経年劣化を
抑えている。
10を用いれば、車体外側にリベット10が露出しない
ため、その部分から雨水等が浸入することを阻止するこ
とができる。なお、このような観点でいえば、非貫通型
リベット10の代わりに、非貫通のかしめ手法(接合部
が車体の外側に露出しない)を用いて接合を行ってもよ
い。
がないため、サイドレール1とルーフパネル2との接合
強度を確保することができる。以上の理由により、本実
施例の効果として、接合強度の確保と電食の発生阻止と
を両立させることが可能となる。それとともに、接合面
7に設けた場合と比べて、シール材の厚さや材質等の選
択範囲が広がるため、構造設計における自由度の向上が
期待できる。さらに、本実施例のシール部11は絶縁性
を有しているので、シール材と当接した領域(すなわち
レール側の段差部6またはルーフ側の段差部)における
電食の発生を有効に阻止することができる。
行うことができるという効果も期待できる。もし、接合
面7の全面に絶縁シール材を挿入して、ルーフパネル2
をサイドレール1と電気的に絶縁してしまったならば、
同一工程で、ルーフパネル2を含めた車体全体に電着塗
装を施すことができない。一般に、電着塗装は床下フレ
ーム側から電流を流すため、ルーフパネル2が絶縁状態
になってしまうからである。これに対して、本実施例で
は、接合面7と接合面8とが導通しているため、このよ
うな問題は生じない。
おけるルーフパネルの取り付けを説明するための図であ
る。また、図3は、その車体断面図である。これらの図
において、第1の実施例と同一の部材については、図1
と同一の符号を付して説明を省略する。本実施例は、非
貫通型リベット10の代わりに補強部材20を用いた接
合構造に関するものである。補強部材20は、ルーフパ
ネル2の下面にその周囲に沿って取り付けられ、ルーフ
パネル2の剛性確保というリブとしての機能と、サイド
レール1への接合というブラケットとしての機能とを兼
ねている。
ものと相違している点は、非貫通型リベット10の貫通
孔がなく、その代わりにリベットボルト22挿入用の貫
通孔が形成されいる点である。また、ルーフパネル2
は、補強部材20の高さに相当する分だけ段差が低くな
っている点以外は第1の実施例のものと同様の構造を有
している。さらに、補強部材20は、ルーフパネル2と
同じ金属であるアルミで形成されていて、接合面21と
ボルト22の径に相当する貫通孔とが設けられている。
イドレール1に接合されている。すなわち、ルーフパネ
ル2とそれと同種の金属で形成された補強部材20と
は、接合面8,21においてスポット溶接されている。
また、補強部材20とサイドレール1とは、接合面7の
一部に形成された貫通孔と補強部材20の貫通孔にボル
ト22を挿入して、ナット23で締結することで機械的
に接合されている。なお、機械的接合は、ボルト22以
外にも、リベット等の他のファスナーを用いてもよい。
周に渡って絶縁シール部11が設けられている。このシ
ール部11は、サイドレール1とルーフパネル2とを接
合した状態において、段差部6と段差部9との間に形成
される所定間隔の隙間に絶縁物とシール材とを挿入する
ことにより形成され、接合面7とは異なる位置に存在し
ている。
て、サイドレール1とルーフパネル2とを接合してい
る。その際、補強部材20とルーフレール2とは溶融接
合されているため、車体の外側に露出するような貫通孔
を設ける必要がない。また、絶縁シール部11は接合面
7と異なる位置に形成されているため、シール性能の経
年劣化を抑えることができる。従って、接合強度の確保
と電食の発生阻止とを両立させることが可能となる。ま
た、その他にも第1の実施例と同様の効果がある。さら
に、本実施例では、ルーフパネル2および補強部材20
のスポット溶接が可能となるので、溶接接合による強度
の確保が可能となるという効果もある。
は、異種金属からなる車体部材同士の接合に広く適用す
ることが可能であるから、上記実施例で述べた車体部材
または金属の組み合わせ(アルミとスチール)には限定
されない。
によって形成された車体部材同士を接合した際に、十分
な接合強度を確保できると共に、異種金属接触部におけ
る電食の発生を有効に阻止することが可能となる。
を説明した図
パネル、3 ルーフサイド溝、 4 フレ
ームアウタパネル、5 フレームインナパネル、
6 レール側の段差部、7 レール側の接合面、
8 ルーフ側の接合面、9 ルーフ側の段差
部、 10 非貫通型リベット11 絶縁シー
ル部、 20 補強部材、21 補強部材
の接合面、 22 ボルト、23 ナット
Claims (5)
- 【請求項1】車体部材の接合構造において、 接合面を有する金属製の第1の車体部材と、 前記第1の車体部材とは異なる種類の金属で形成された
第2の車体部材と、 前記第1の車体部材の前記接合面に、前記第2の車体部
材を接合する接合手段と、 前記第1の車体部材と前記第2の車体部材との間に存在
し、シール材よりなるシール部とを有し、 前記シール部は前記接合面とは異なる位置に存在するこ
とを特徴とする車体部材の接合構造。 - 【請求項2】前記接合手段は、前記第1の車体部材と前
記第2の車体部材とが接合された状態において、車体の
外側に露出していないことを特徴とする請求項1に記載
された車体部材の接合構造。 - 【請求項3】前記接合手段は、非貫通型のリベットであ
ることを特徴とする請求項2に記載された車体部材の接
合構造。 - 【請求項4】前記接合手段は、前記第2の車体部材と同
じ種類の金属で形成された補強部材であって、前記補強
部材は、第1の車体部材とファスナーにより接合されて
いると共に、前記第2の車体部材と溶融接合されている
ことを特徴とする請求項2に記載された車体部材の接合
構造。 - 【請求項5】前記シール材は、絶縁性のシール材である
ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載され
た車体部材の接合構造。
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