JP2000272224A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

Info

Publication number
JP2000272224A
JP2000272224A JP11080645A JP8064599A JP2000272224A JP 2000272224 A JP2000272224 A JP 2000272224A JP 11080645 A JP11080645 A JP 11080645A JP 8064599 A JP8064599 A JP 8064599A JP 2000272224 A JP2000272224 A JP 2000272224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording sheet
atom
group
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11080645A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Sugita
元 杉田
Satoshi Kaneko
智 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP11080645A priority Critical patent/JP2000272224A/ja
Publication of JP2000272224A publication Critical patent/JP2000272224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】環境上問題のあるホウ素を含有しない膜物性改
良剤を使用し、インク吸収性、ひび割れ、光沢性に優れ
たインクジェット記録シートを提供すること。 【解決手段】支持体上に、少なくとも1層の無機固体微
粒子及び親水性バインダーを含有するインク受容層を設
けたインクジェット記録用シートにおいて、該インク受
容層が少なくとも1種類の下記化1で表される化合物を
含有することを特徴とするインクジェット記録用シー
ト。 【化1】 式中Aは、ヒドロキシ基、アミノ基を表す。R1、R2
3は水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素
原子、窒素原子、硫黄原子の中の一つの原子で結合する
置換基を表し、R2、R3は互いに連結して環構造を形成
してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、更に詳しくは、インク受容層表面の
ひび割れがなく、高い光沢を有し、インク吸収性に優れ
たインクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式によるプリンター
は、多色化が容易なことや印字騒音が低いこと等から近
年急速に普及した。この方式では記録用シートに向けて
インク液滴をノズルから高速で射出するものであり、該
記録シートは印字性を高めるために高いインク吸収性を
有することが要求される。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
用シートとしては、通常の紙やインクジェット記録用紙
と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニ
ルアルコール等の親水性バインダーからなる多孔質のイ
ンク吸収層を設けてなる記録用シートが使用されてき
た。
【0004】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、同64−11877号、特開平3−21508
2号、同4−67986号、同5−32037号、同1
0−81064号及び特公平3−56552号公報等に
開示のごとく、シリカ微粒子やアルミナゾルを親水性バ
インダーと共に支持体表面に塗布した記録シートが記載
されている。
【0005】このように支持体上に無機固体微粒子で形
成される空隙層を持つインク受容層を形成させること
は、記録用シートのインク吸収性を高めるための有効な
手段の一つではあるが、固体微粒子と併用する親水性バ
インダーが空隙層を塞いでせっかくのインク吸収性を低
下させてしまわないよう、その使用量が限定される。
【0006】このように、空隙容量の効率的増加を図る
ため固体微粒子に対して必要最少量の親水性バインダー
を用いて塗布乾燥されたインク受容層皮膜は皮膜強度が
低く、インク受容層塗布乾燥後に膜面に微細なヒビ割れ
が発生し、光沢が減少したり、画像のにじみが発生する
等著しく画質が低下する。特に平均粒径が0.1μm以
下の固体微粒子を含有するインク受容層を設けた場合に
ひび割れが生じやすい。この皮膜の脆弱性を改良し、ひ
び割れを防止するための化合物を前記親水性バインダー
と併用することが知られている。
【0007】このような化合物は、一般的には前記親水
性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親
水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進する
ような化合物であり、親水性バインダーの種類に応じて
適宜選択して用いられる。
【0008】このような化合物の具体例としては従来、
例えば、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、活性
ハロゲン系化合物、ほう酸およびその塩、ほう砂、アル
ミ明礬等が知られている。
【0009】特に親水性バインダーとして完全または部
分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポ
リビニルアルコールを使用する場合は、これらの化合物
を塗液に添加した場合の液粘度の上昇、凝集等の塗液安
定性、塗液を塗布乾燥した後の皮膜のひび割れ、脆弱性
の改良効果を勘案すれば、特開平10−119423号
明細書に記載の如く、ほう酸およびその塩、エポキシ系
化合物に限られてくる。
【0010】しかし、エポキシ系化合物はひび割れ防止
効果がやや低く、ほう酸およびその塩はひび割れ防止に
は効果的ではあるが、分子内に排水規制物質であるほう
素(B)を含有するため、環境問題を勘案すれば代替品
の使用が望まれてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、インク吸収容量が高く、ひび割れしにくく、光沢性
に優れたインクジェット記録用シートを提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に、少なくとも1層の無機固体微粒子及び親水性
バインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェ
ット記録用シートにおいて、該インク受容層が少なくと
も1種類の前記化1で表される化合物を含有することを
特徴とするインクジェット記録用シートによって達成で
きた。
【0013】本発明において、好ましくは前記無機固体
微粒子が、一次粒子の平均粒径が50nm以下の気相法
による合成シリカである。また、前記親水性バインダー
がポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニル
アルコールである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
化1において、Aはヒドロキシ基またはアミノ基を表
す。アミノ基は、置換もしくは無置換のアミノ基であ
る。置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ア
ミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基等が挙げられる。R1、R2、R
3は水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原
子、窒素原子及び硫黄原子の中の一つの原子で結合する
置換基を表し、R2、R3は互いに連結して環構造を形成
してもよい。
【0015】上記の炭素原子で結合する置換基として
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、カルバモイル基、カルボキシアルキル基、カルボ
キシアリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アシル基、アシルカルバモイル基、
スルホニルカルバモイル基、カルボキシル基又はその
塩、シアノ基、ヘテロ環基等が挙げられ、酸素原子で結
合する置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が挙げ
られ、窒素原子で結合する置換基としては、アシルアミ
ノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、
ヘテロ環基が挙げられ、硫黄原子で結合する置換基とし
ては、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、アル
コキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、ス
ルホニル基、スルホ基又はその塩、スルフィニル基等が
挙げられる。これらの置換基は、更に上記したような置
換基でさらに置換されていてもよい。
【0016】上記化1で表される化合物の中でも特に好
ましく用いられる化合物は下記化2の一般式で表される
化合物である。
【0017】
【化2】
【0018】式中Zは、ベンゼン環、ナフタレン環、ア
ントラセン環等の芳香族環、ピリジン環等の不飽和ヘテ
ロ環を表し、R21は前記化1のAと同義である。R22
ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子及
び硫黄原子の中の一つの原子で結合する置換基を表す。
これらの置換基は、前記化1の説明と同じである。mは
1から3の整数を表し、nは1から2の整数を表す。
【0019】以下に本発明に好ましく用いられる化合物
の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
【化24】
【0042】
【化25】
【0043】
【化26】
【0044】
【化27】
【0045】
【化28】
【0046】
【化29】
【0047】
【化30】
【0048】
【化31】
【0049】上記の本発明に用いられる化合物のうち特
に好ましいものは、芳香族環もしくは不飽和ヘテロ環に
カルボキシル基および2個以上のヒドロキシ基を持つ化
合物である。カルボキシル基はアルキル基等の他の基を
介して前記環に結合してもよい。
【0050】上記化1、化2で表される化合物の使用量
は親水性バインダーの種類、化合物の種類、無機固体微
粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変
化するが、概ね親水性バインダー1g当たり1〜500
mg、好ましくは5〜300mgである。該化合物の使
用量は、少なすぎると塗膜がひび割れしやすくなり、あ
まり多いとインク吸収性を阻害する。
【0051】該化合物はインク受容層を塗布する際にそ
の塗液またはこれに隣接する層の塗液中に添加して、イ
ンク受容層を形成すると同時に該化合物を供給するのが
好ましい。
【0052】本発明の上記化合物を含有するインク受容
層は、一般に無機固体微粒子によって皮膜中に形成され
る空隙にインクを吸収させるものであり、高いインク吸
収容量を発現させるためには高い空隙容量を達成する必
要がある。
【0053】これを達成するためには塗布膜厚を増大さ
せるのが単位面積当たりのインク吸収容量を高めるのに
効果的ではあるが、製造コストの増大や、皮膜の単位面
積当たりの固形分増加によるカール、皮膜の脆弱性等記
録シートの物性が低下する。
【0054】このために、出来るだけ効率よく空隙容量
を高めるために必要最小量のバインダーを使用して、乾
燥膜厚を極力低減することが好ましい。言い換えれば親
水性バインダーに対する無機固体微粒子の割合を増加さ
せることである。一般的に無機固体微粒子に対して50
重量%以下の親水性バインダー量が好ましいとされてい
る。
【0055】バインダーとしては、公知の各種バインダ
ーを用いることができるが、インクのより高い浸透性が
得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水
性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーが
インクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわな
いことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨
潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特
に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化の
ポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルア
ルコールである。
【0056】本発明に用いられる無機固体微粒子として
は、平均粒径0.1μm以下のアルミナゾルや合成シリ
カ微粒子が挙げられるが、本発明で最も好ましく用いら
れるのは平均粒径50nm以下の気相法による合成シリ
カである。
【0057】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法
シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、ケ
イ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂
層を通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾ
ルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカ
ゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって
数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン
結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更
にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナト
リウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸
を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0058】本発明に好ましく用いられる気相法シリカ
は、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎
加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素
を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知ら
れているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロ
シランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または
四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジル
として市販されており入手することができる。
【0059】本発明のインク受容層において、上記固体
微粒子は5〜50g/m2程度、好ましくは8〜30g/
m2程度含有させる。またインク受容層の皮膜としての特
性を維持するためにバインダーを有していることが好ま
しい。
【0060】好ましい親水性バインダーは前述の如く完
全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチ
オン変性ポリビニルアルコールである。
【0061】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化し
たもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点か
ら平均重合度200〜5000、好ましくは500〜4
000のものが用いられる。
【0062】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0063】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。
【0064】これらのバインダーの使用量としては固体
微粒子の固形分に対して、50重量%以下、好ましくは
30〜1重量%の範囲である。
【0065】インク受容層にはインク中の色材の定着性
を上げ、発色性を更に向上させるために、カチオン性物
質を含有させることが好ましい。カチオン性物質として
は、例えば特開平10−52908号に記載されている
ような、1級〜3級アミン塩型の化合物、第4級アンモ
ニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の化合物、イミ
ダゾリン型カチオン性化合物、第2級アルキルアミンの
エチレンオキシド付加物等の低分子カチオン性物質、更
にはポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニ
ルアミン、キトサン及びこれらの塩酸、酢酸等の酸によ
る中和物または部分中和物等のカチオン性ポリマーが挙
げられる。これらカチオン性物質の添加量は0.05〜
1.5g/m2程度、好ましくは0.15〜1.0g/m2
程度である。
【0066】更に、皮膜の脆弱性を改良するために各種
油滴を含有することが好ましいが、そのような油滴とし
ては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以
下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、
ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シ
リコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブ
チルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モ
ノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることが
できる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダー
に対して10〜50重量%の範囲で用いることができ
る。
【0067】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、
より好ましくは0.01〜3gである。
【0068】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0069】本発明に用いられる支持体としては防水性
支持体が好ましい。防水性支持体としては、透明な支持
体も不透明な支持体も用いることができる。透明な支持
体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例え
ばポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等の
フィルムもしくは板及びガラス板等が挙げられ、これら
の中でもポリエチレンテレフタレートからなるフィルム
が最も好ましく用いられる。
【0070】このような透明な防水性支持体はその厚さ
が約10〜200μm程度のものであることが好まし
い。
【0071】不透明な防水性支持体としては、合成紙、
樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等
の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、平滑性
の点から樹脂被覆紙、各種フィルムがより好ましいが、
手触り感、高級感から写真用支持体に類似の樹脂被覆紙
と白色度と強度が高い顔料入りのポリエチレンテレフタ
レートからなるフィルムがさらに好ましく用いられる。
【0072】本発明において好ましく用いられる防水性
支持体としての樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限
はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より
好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような
平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては
天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは
2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙
で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防
止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0073】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0074】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0075】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0076】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0077】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0078】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0079】本発明において、インク受容層の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0080】本発明において、インク記録シートは固体
微粒子を含有する層に加え、さらにインク吸収層、イン
ク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、
固体微粒子を含有する層の下層に水溶性ポリマー層を塗
設したり、固体微粒子を含有する層の上層に膨潤層を塗
設しても良い。
【0081】本発明のインク記録シートには、帯電防止
性、搬送性、カール防止性などのために、インク受容層
と反対側の支持体面に各種のバックコート層を塗設する
ことができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有
機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化
剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せし
めることができる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0083】実施例1 支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50
部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成
物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0084】上記支持体上に、下記組成のインク受容層
塗液を調整し、塗布量が固形分で20g/m2となるよう
に塗布し、乾燥してインクジェット記録シートを作成し
た。なお、部とは固形分重量部を意味する。
【0085】 <記録シート1> 気相法シリカ(商品名:アエロジル380、日本アエロジル(株)製、平均一 次粒径7nm) 100部 アルキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物 4部 ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度8 8%、平均重合度3500) 20部 両性界面活性剤(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント 製) 0.3部
【0086】<記録シート2>記録シート1の組成にエ
チレングリコールジグリシジルエーテルを6部添加した
以外は記録シート1と同様にして塗布して得られたイン
クジェット記録シート。
【0087】<記録シート3>記録シート1の組成に3
5%ホルマリン水溶液6部添加した以外は記録シート1
と同様にして塗布して得られたインクジェット記録シー
ト。
【0088】<記録シート4>記録シート1の組成にグ
リオキザールを6部添加した以外は記録シート1と同様
にして塗布して得られたインクジェット記録シート。
【0089】<記録シート5>記録シート1の組成に化
8の化合物(フロログルシノール)を6部添加した以外
は記録シート1と同様にして塗布して得られたインクジ
ェット記録シート。
【0090】<記録シート6>記録シート1の組成に化
10の化合物(没食子酸)を6部添加した以外は記録シ
ート1と同様にして塗布して得られたインクジェット記
録シート。
【0091】<記録シート7>記録シート1の組成に化
13の化合物(2,4−ジヒドロキシ−ベンゾイックア
シド)を6部添加した以外は記録シート1と同様にして
塗布して得られたインクジェット記録シート。
【0092】得られた各々のインクジェット記録シート
について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0093】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(エプソン社製PM750C)を用いて赤ベタ印字を
行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着
し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察
し、下記の基準で評価した。 ◎:全く転写しない。 ○:僅かに転写するが、実用上問題ない。 △:やや転写する。 ×:転写が著しい。
【0094】<ひび割れ>未プリントのインクジェット
記録シート表面のひび割れを目視で判定。 ◎:ひび割れは全く認められない。 ○:僅かにひび割れが認められるが、実用上問題ない。 △:ややひび割れが認められる。 ×:全面に微小なひび割れが発生している。 ××:塗布面を保持できないほどひび割れが発生し、剥
がれ落ちる。
【0095】<光沢性>未プリントのインクジェット記
録シート表面の光沢を目視で判定。 ◎:優れた光沢を有している。 ○:高い光沢を有している。 △:やや光沢が低い。 ×:光沢低く劣る。
【0096】
【表1】
【0097】上記結果から明らかなように、インク受容
層に本発明の化合物を含有させることにより、良好なイ
ンク吸収性を保持しつつ膜面のひび割れがなく良好な光
沢を有するインクジェット記録シートを提供できる。
【0098】
【発明の効果】本発明により環境保全の面で排水規制物
質であるホウ素化合物を使用することなく、インク吸収
性、ひび割れ、光沢性に優れたインクジェット記録シー
トを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA32 BA33 BA35 BA46 4J100 AD02P AG04P CA01 CA04 DA47 DA64 HA09 HA61 HD00 4L055 AG18 AG34 AG35 AG36 AG37 AG39 AG64 AG77 AG87 AG94 AH02 AH37 AJ04 EA16 FA11 FA12 FA13 FA15 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1層の無機固体
    微粒子及び親水性バインダーを含有するインク受容層を
    設けたインクジェット記録用シートにおいて、該インク
    受容層が少なくとも1種類の下記化1で表される化合物
    を含有することを特徴とするインクジェット記録用シー
    ト。 【化1】 式中Aは、ヒドロキシ基、アミノ基を表す。R1、R2
    3は水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素
    原子、窒素原子及び硫黄原子の中の一つの原子で結合す
    る置換基を表し、R2、R3は互いに連結して環構造を形
    成してもよい。
  2. 【請求項2】 前記無機固体微粒子が、一次粒子の平均
    粒径が50nm以下の気相法による合成シリカであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用
    シート。
  3. 【請求項3】 前記親水性バインダーがポリビニルアル
    コールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである
    ことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェッ
    ト記録用シート。
JP11080645A 1999-03-25 1999-03-25 インクジェット記録用シート Pending JP2000272224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11080645A JP2000272224A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 インクジェット記録用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11080645A JP2000272224A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 インクジェット記録用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000272224A true JP2000272224A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13724117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11080645A Pending JP2000272224A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 インクジェット記録用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000272224A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008519177A (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 アクゾ ノーベル エヌ.ブイ. 水性分散液の形態の顔料組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008519177A (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 アクゾ ノーベル エヌ.ブイ. 水性分散液の形態の顔料組成物
JP4897694B2 (ja) * 2004-11-08 2012-03-14 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 水性分散液の形態の顔料組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3798169B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000309157A (ja) インクジェット記録用シート
JP3842942B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000037944A (ja) インクジェット記録用シート
JP3807875B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000233572A (ja) インクジェット記録用シート
JP2000272224A (ja) インクジェット記録用シート
JP2000238422A (ja) インクジェット記録用シート
JP2003285535A (ja) インクジェット用記録材料
JP3842924B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2001001630A (ja) インクジェット記録用シート
JP3895502B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2002274018A (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP2007152807A (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP4030244B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP4030423B2 (ja) はがき用インクジェット記録材料
JP2002320842A (ja) 無機微粒子分散液の製造方法及びインクジェット記録材料
JP2000071605A (ja) インクジェット記録用シート
JP2003025711A (ja) インクジェット用記録材料
JP2003191633A (ja) インクジェット用記録材料、およびその製造方法
JP2001054976A (ja) インクジェット記録用シート
JP4047537B2 (ja) インクジェット記録材料
JP2002264481A (ja) インクジェット用記録材料
JP2002178626A (ja) インクジェット記録材料
JP2002283703A (ja) インクジェット記録用シート