JP2000233572A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

Info

Publication number
JP2000233572A
JP2000233572A JP11038553A JP3855399A JP2000233572A JP 2000233572 A JP2000233572 A JP 2000233572A JP 11038553 A JP11038553 A JP 11038553A JP 3855399 A JP3855399 A JP 3855399A JP 2000233572 A JP2000233572 A JP 2000233572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording sheet
receiving layer
phase method
ink receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11038553A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Sugita
元 杉田
Satoshi Kaneko
智 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP11038553A priority Critical patent/JP2000233572A/ja
Publication of JP2000233572A publication Critical patent/JP2000233572A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高湿下における滲み及び白地部の変色が防止さ
れ、かつインク吸収性及び光沢が高いインクジェット記
録シートを提供することにある。 【解決手段】耐水性支持体上に、少なくとも1層のイン
ク受容層を有するインクジェット記録用シートにおい
て、該インク受容層が気相法シリカとシランカップリン
グ剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関し、特にインク吸収性及び光沢性に優れ、
かつインクの高湿滲み及び黄変が防止されたインクジェ
ット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録用シートとして、通常の紙やインクジェット記録用紙
と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニ
ルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のイ
ンク吸収層を設けてなる記録用シートが知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録シートが提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号公報には、
超微粒子の気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相
法シリカと称す)を用いることによりインク受容層がイ
ンクを吸収したり保持したりする空隙を多く有する層
(空隙層)を形成させ、記録シートのインク吸収性を高
める技術が開示されている。
【0005】上述した記録シートの支持体としては、従
来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収
層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの
記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シー
トは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺
あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性の支持体、例
えば、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム支持体、
紙の両面にポリエチレン樹脂等をラミネートした樹脂ラ
ミネート紙等が用いられるようになってきた。
【0006】しかしながら、これらの耐水性支持体上に
シリカ等の無機顔料層が塗設された記録シートは、印字
後に湿度の高い雰囲気下に放置した場合、印字部の滲み
(高湿滲み)が発生するという問題があった。
【0007】また、耐水性支持体は、紙支持体と違って
インクを吸収することができないため、支持体上に設け
られたインク受容層のインク吸収性が重要であり、従っ
て、紙支持体の記録シートに比べ、耐水性支持体の記録
シートは、多量の顔料を塗布する必要があった。顔料の
塗布量を多くすることによって、光沢の著しい低下が生
じた。
【0008】また、無機顔料を用いた記録シートを印字
後に保管するとき、ファイルホルダー等のプラスチック
製の袋等に入れて保管することが一般に行われている
が、保管中に未印字部である白地部が黄色またはオレン
ジ色に変色するという問題があった。
【0009】インクジェット記録シートにシランカップ
リング剤を用いることが、特開昭60−224580
号、同平7−314884号、同平8−2097号、同
平8−34160号、同平10−287039号、同平
10−297082号公報等に記載されている。これら
は、支持体との接着性及び印字直後の滲みを向上させる
ことを目的とするものであり、高湿下における滲み防止
及び白地部の変色を防止するというものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高湿下における滲み及び白地部の変色が防止され、
かつインク吸収性及び光沢が高いインクジェット記録シ
ートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、耐
水性支持体上に、少なくとも1層のインク受容層を有す
るインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容
層が気相法シリカとシランカップリング剤を含有するこ
とを特徴とするインクジェット記録用シートによって達
成された。
【0012】前述したように印字後の高湿滲みは、耐水
性支持体を用いた場合に発生しやすい。耐水性支持体
は、紙支持体と違ってインクを吸収しないために、イン
ク受容層中に吸収されたインクのほとんど全部が保持さ
れる。インクの構成は、染料とその溶媒を主成分とす
る。溶媒としては、水と有機溶剤が一般に用いられてい
るが、特に高沸点の有機溶剤を用いた場合に高湿滲みが
起こりやすかった。これは、蒸発せずにインク受容層中
に残存した高沸点溶剤が、高湿下で染料とともに移動し
て滲みを生じさせていると考えられる。この現象は、カ
ラムクロマトグラフィーの現象に似ている。
【0013】本発明者は、上記高湿下の滲みの防止につ
いて鋭意研究した結果、気相法シリカとシランカップリ
ング剤を組み合わせることによって改良できることを見
いだした。また、上記組み合わせは、保管後の白地部の
変色を防止するという効果も発現することが分かった。
更に、気相法シリカ含有層を耐水性支持体上に塗設する
ことによって、多量の気相法シリカを含有させても高光
沢でかつインク吸収性の高い記録シートが実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるもの
がある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す
場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウ
ムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得
られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成
して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化
させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンか
ら10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三
次元的な二次粒子となったシリカゲル、更にはシリカ
ゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加
熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする
合成ケイ酸化合物等がある。
【0015】本発明に用いられる気相法シリカは、湿式
法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解
法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及
び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。気相法シ
リカは日本アエロジル株式会社からアエロジルとして市
販されており入手することができる。
【0016】本発明に用いられる気相法シリカの一次粒
子の平均粒径は50nm以下であり、好ましくは3〜3
0nmであり、より好ましくは3〜15nmで、かつB
ET法による比表面積が200m2/g以上、好ましくは
250〜500m2/gである。更に好ましい気相法シリ
カは一次平均粒子径が3〜10nmでかつ比表面積が2
50〜500m2/gである。本発明で云うBET法と
は、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであ
り、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比
表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒
素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、また
は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられてい
る。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、
Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ば
れ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づい
て吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛
けて、表面積が得られる。
【0017】気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構
造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で
存在することであり、これによって、高いインク吸収性
が得られる。前記二次凝集の状態は50〜500nm程
度に保つことが好ましく、これによって、光沢を低下さ
せずに高いインク吸収性が得られる。
【0018】本発明において、インク受容層に含有させ
る気相法シリカの量は、8g/m2以上が好ましく、10
〜30g/m2の範囲がより好ましい。気相法シリカを含
有するインク受容層は、皮膜としての特性を維持するた
めにバインダーを有していることが好ましい。このバイ
ンダーとしては、公知の各種バインダーを用いることが
できるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得ら
れる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バ
インダーの使用に当たっては、親水性バインダーがイン
クの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないこ
とが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性
の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好
ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリ
ビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコ
ールである。
【0019】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化し
たものである。平均重合度200〜1000以下のポリ
ビニルアルコールと平均重合度2000〜5000のポ
リビニルアルコールを併用することが好ましい。この場
合、前者を後者に対して2〜50重量%の範囲で用いる
ことが、皮膜形成性及び皮膜脆弱性の観点から好まし
い。
【0020】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0021】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。気相法シリカと共に用い
られる親水性バインダーの量は、気相法シリカに対し
て、50重量%以下、好ましくは30〜1重量%の範囲
である。
【0022】以下、シランカップリング剤について詳細
に説明する。本発明に用いられるシランカップリング剤
とは、アルコキシシリル基もしくはシリルハライド基を
有する化合物である。アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、βメトキシエトキシ基等の炭素数4以
下の低級アルコキシ基が好ましい。シリルハライド基と
してはシリルクロリド基が好ましい。本発明に用いられ
るシランカップリング剤の代表的なものを下記一般式1
で表すことができる。
【0023】
【化1】
【0024】式中、Aはアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、βメトキシエトキシ基等で炭素数4
以下の低級アルコキシ基が好ましい)またはハロゲン原
子(例えば、Br、ClでClが好ましい)を表し、D
は、X−(R)n を表す。Xはアルキル基、アリール
基、アルケニル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、
メタクリル基、メルカプト基等で、これらの基は、更
に、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アミノ
基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。Rは2価
の連結基であり、例えば、アルキレン基、アリーレン
基、アルケニレン基等で、好ましくは炭素数4までのア
ルキレン基、アリーレン基である。nは0または1の整
数を表し、mは1〜3の整数を表し、lは4−mであ
る。mが2または3の場合、Aは同じであっても異なっ
ていても良く、lが2または3の場合、Dは同じであっ
ても異なっていてもよい。
【0025】以下に具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されない。
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】本発明において、上記シランカップリング
剤のインク受容層における含有量は、気相法シリカに対
して0.1〜10重量%が適当であり、好ましくは0.
3〜8重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%
である。シランカップリング剤の含有量が上記範囲より
少ないと高湿滲みの改良効果が小さく、反対に多いと高
湿滲みが生じやすくなる。また、気相法シリカとシラン
カップリング剤は、同一層中に共存させることが必要で
あり、これによって気相法シリカの表面が改質されて、
高湿滲みが改良される。
【0047】本発明において、インク受容層には更にカ
チオンポリマーを含有させるのが好ましい。これによっ
て、更に高湿滲みが改良される。カチオンポリマーとし
ては、例えば特開昭60−49990号、同昭60−8
3882号、同昭61−58788号、同昭62−17
4184号、同平10−86508号、同平10−19
3776号、同平10−217601号公報等に記載さ
れているものが使用できる。好ましいカチオンポリマー
の分子量は5000〜10万程度である。カチオンポリ
マーの使用量は気相法シリカに対して1〜10重量%が
好ましい。
【0048】本発明におけるインク受容層は、皮膜の脆
弱性を改良するために各種油滴を含有することができ
る。そのような油滴としては室温における水に対する溶
解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例
えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリク
レジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範
囲で用いることができる。
【0049】本発明において、インク受容層には、界面
活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤
はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の
いずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子
のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をイ
ンク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤
を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカ
チオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましく
ない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバ
インダー100gに対して0.001〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0050】本発明において、インク受容層には、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同2,983,611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫
酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤
等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構
成する水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10
gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0051】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0052】本発明において、塗布方法は、特に限定さ
れず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、
スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョ
ン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケ
ッドバーコーティング方式等がある。
【0053】本発明において、支持体上に1層のインク
受容層を設けた構成であるが、さらにインク吸収層、イ
ンク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【0054】本発明に用いられる耐水性支持体として
は、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレン
ナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等の樹脂フィルム、また、ポリエチレン
やポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で紙を被覆
(ラミネート)した支持体、更にガラス板等が挙げられ
る。
【0055】これらの支持体は、透明であっても不透明
であってもよい。本発明に用いられる耐水性支持体の厚
みは、約50〜200μm程度のものが好ましい。
【0056】本発明において好ましい支持体は、ポリエ
チレンテレフタレートやポリオレフィン樹脂被覆紙であ
る。以下、ポリオレフィン樹脂被覆しについて詳細に説
明する。
【0057】ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙
は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用で
きるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられ
ているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパ
ルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を
1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙に
は一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、
填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合
される。
【0058】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0059】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0060】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0061】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0062】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0063】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0064】本発明のインクジェット記録用シートは、
記録用インクとして高沸点有機溶剤を染料の溶媒として
用いた水性インクに好適であり、高湿滲みが大幅に改良
される。水溶性染料の溶媒として、水または水と溶剤の
混合溶媒が用いられているが、沸点が100℃以上の高
沸点有機溶剤(例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン、1,5−ペンタンジオー
ル、2−ピロリドン、トリメチロールプロパン等)を記
録インクに対して10重量%以上含有する場合、高湿滲
みが発生しやすかった。特に、上記インクと耐水性支持
体上に無機顔料層を設けた記録シートとの組み合わせに
おいて、高湿滲みの発生が顕著になった。従って本発明
は上記問題が解決するものであり、本発明の記録シート
を用いることのよってインクの組成に関係なく良質な印
刷物が得られる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0066】実施例1 支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50
部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成
物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0067】上記支持体に下記組成のインク受容層を塗
布乾燥して記録シートを作成した。シリカの塗布量は固
形分で15g/m2とした。尚、部とは固形分重量部を意
味する。
【0068】 <記録シート1> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積380m2/g:日本アエロジル (株)製アエロジル380) ほう酸 6部 ポリビニルアルコール 20部 ((株)クラレ製PVA235、ケン化度88%、平均重合度3500) 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)
【0069】上記記録シート1のインク受容層に、更に
シランカップリング剤として、化2、化3、化4、化
5、化9、化12、化13、化16、化18、化20を
それぞれ単独に2部加えて、記録シート2〜11を作成
した。
【0070】更に、比較として、上記記録シート1の気
相法シリカに代えて、湿式法シリカとして、株式会社ト
クヤマ製のファインシールX60(平均粒径6μm)あ
るいは塩野義製薬株式会社製のカープレックス(平均粒
径1.3μm)を用い、更にシランカップリング剤とし
て化2の化合物を2部加えた記録シート12、13を作
成した。
【0071】上記で作成した13種のインクジェット記
録シートについて下記の評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0072】<高湿滲み>赤色水溶性染料を水と高沸点
有機溶剤(ジエチレングリコールと2−ピロリドンを合
計でインク中に15重量%含有)の混合溶媒に溶解した
インクを用いて、幅100μmの細線を100μmの間隔
で印字し、1日放置した後で35℃90%(RH)の条
件下に2日間置いた後、細線の滲みを調べ、下記の基準
で評価した。 ○:ほとんど滲んでいない。 ×:細線が滲み、細線と細線の間隔がなくなっている。
【0073】<白地部の変色>印字された記録シートを
ライオン製クリアポケットファイルに収納して、常温常
湿にて2週間保管後、白地部の黄変の状態を調べ、下記
の基準で評価した。 ○:全く黄変していない。 △:黄変が認められる。 ×:かなり黄変している。
【0074】<光沢性>未プリントのインクジェット記
録シート表面の光沢を目視で判定。 ○:光沢が高い。 ×:光沢が低く、見劣りがする。
【0075】<インク吸収性>赤ベタ印字を行い、印字
直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC
用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の
基準で評価した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が著しい。
【0076】
【表1】
【0077】上記結果から明らかなように、本発明のイ
ンクジェット記録シートは、高湿滲み、白地部の変色、
光沢性及びインク吸収性の何れの性能も優れている。
【0078】実施例2 実施例1の本発明の記録シート2に、更にカチオンポリ
マーとして下記のものを、4部加えて本発明の記録シー
トを作成した。 <記録シート14>アルキルアミンエピクロルヒドリン
重縮合物:里田化工(株)製ジェットフィックス30、
平均分子量7000)
【0079】<記録シート15>ポリアリルアミン塩酸
塩:日東紡績(株)製PAA−HCl、平均分子量1万
【0080】<記録シート16>化22のカチオンポリ
マー:平均分子量3万
【0081】
【化22】
【0082】上記3種類の記録シートと実施例1の記録
シート2について、実施例1に従って、高湿滲みを評価
した。但し、印字後、35℃90%(RH)で4日間放
置した後、細線の滲みを評価した。その結果、記録シー
ト2はわずかに滲みがあったが、記録シート14、15
及び16は、ほとんど滲みがなかった。この実施例よ
り、カチオンポリマーを更に加えることによって、高湿
滲みが更に改良されることが分かった。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、高湿滲み、白地部の変
色、光沢性及びインク吸収性の何れの性能も優れている
インクジェット記録用シートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA15 BA32 BA33 BA36 BA46 BA48 4F100 AA20B AA21 AH06B AK05 AK06 AK21 AK80B AL05 AR00A BA02 DE01B DG10 EH46 GB90 JB07A JD14B JK14B JN21 YY00B 4L055 AG18 AG38 AG64 AG65 AG71 AG72 AG77 AG87 AG89 AH02 AH25 AH37 AH50 AJ04 EA14 EA16 EA17 FA11 FA15 FA17 GA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、少なくとも1層のイ
    ンク受容層を有するインクジェット記録用シートにおい
    て、該インク受容層が気相法シリカとシランカップリン
    グ剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用
    シート。
  2. 【請求項2】 気相法シリカの付着量が固形分で8g/
    m2以上である請求項1に記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記気相法シリカの平均一次粒子径が3
    〜15nmで、かつBET法による比表面積が200m2
    /g以上である請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層がカチオンポリマーを
    含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載
    のインクジェット記録用シート。
JP11038553A 1999-02-17 1999-02-17 インクジェット記録用シート Pending JP2000233572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11038553A JP2000233572A (ja) 1999-02-17 1999-02-17 インクジェット記録用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11038553A JP2000233572A (ja) 1999-02-17 1999-02-17 インクジェット記録用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000233572A true JP2000233572A (ja) 2000-08-29

Family

ID=12528493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11038553A Pending JP2000233572A (ja) 1999-02-17 1999-02-17 インクジェット記録用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000233572A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1739136A1 (en) 2005-06-29 2007-01-03 Oji Paper Co., Ltd. Composite fine particles and ink jet recording material containing these particles.
US7449217B2 (en) * 2002-03-12 2008-11-11 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Chemically-bonded porous coatings that enhance humid fastness and fade fastness performance of ink jet images
WO2008137343A1 (en) 2007-04-30 2008-11-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-layered porous ink-jet recording media
JP2009001615A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Ube Nitto Kasei Co Ltd インク受容膜形成用塗工液、インク受容膜、積層基板および配線材料
EP2106923A1 (en) 2008-03-31 2009-10-07 FUJIFILM Corporation Inkjet recording medium and method of producing the same
US7959992B2 (en) 2006-07-06 2011-06-14 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Porous inkjet recording material comprising a silane coupling agent

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7449217B2 (en) * 2002-03-12 2008-11-11 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Chemically-bonded porous coatings that enhance humid fastness and fade fastness performance of ink jet images
US7740920B2 (en) 2002-03-12 2010-06-22 Hewlett-Packard Development, L.P. Chemically-bonded porous coatings that enhance humid fastness and fade fastness performance of ink jet images
EP1739136A1 (en) 2005-06-29 2007-01-03 Oji Paper Co., Ltd. Composite fine particles and ink jet recording material containing these particles.
US7959992B2 (en) 2006-07-06 2011-06-14 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Porous inkjet recording material comprising a silane coupling agent
WO2008137343A1 (en) 2007-04-30 2008-11-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-layered porous ink-jet recording media
JP2009001615A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Ube Nitto Kasei Co Ltd インク受容膜形成用塗工液、インク受容膜、積層基板および配線材料
EP2106923A1 (en) 2008-03-31 2009-10-07 FUJIFILM Corporation Inkjet recording medium and method of producing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3798169B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP3371365B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP4068270B2 (ja) インクジェット記録材料
JP3842942B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000233572A (ja) インクジェット記録用シート
JP3807875B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000238422A (ja) インクジェット記録用シート
JP2000037944A (ja) インクジェット記録用シート
JP3842924B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP3895502B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2001001630A (ja) インクジェット記録用シート
JP2003165269A (ja) インクジェット用記録材料、およびその製造方法
JP2001071628A (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP3842956B2 (ja) インクジェット記録材料
JP4014459B2 (ja) 顔料インク用インクジェット記録材料、およびその製造方法
JP2002274018A (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP4047537B2 (ja) インクジェット記録材料
JP2003191633A (ja) インクジェット用記録材料、およびその製造方法
JP3848033B2 (ja) インクジェット記録材料
JP3901886B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP2002264481A (ja) インクジェット用記録材料
JP3831571B2 (ja) インクジェット記録材料
JP3784239B2 (ja) バックリット用インクジェット記録材料
JP2001260526A (ja) インクジェット記録シート
JP2001270220A (ja) インクジェット記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20061205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070910

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071002