JP2000270876A - B型肝炎ウイルス遺伝子の変異検出方法および検出キット - Google Patents

B型肝炎ウイルス遺伝子の変異検出方法および検出キット

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JP2000270876A
JP2000270876A JP11083930A JP8393099A JP2000270876A JP 2000270876 A JP2000270876 A JP 2000270876A JP 11083930 A JP11083930 A JP 11083930A JP 8393099 A JP8393099 A JP 8393099A JP 2000270876 A JP2000270876 A JP 2000270876A
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hepatitis
virus
mutation
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JP11083930A
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Satsuki Kobayashi
五月 小林
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GENOME SCIENCE LABORATORIES CO Ltd
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GENOME SCIENCE LAB CO Ltd
GENOME SCIENCE LABORATORIES CO Ltd
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • C12Q1/706Specific hybridization probes for hepatitis

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコ
ードする遺伝子の変異、特にYMDDモチーフ中の変異を検
出するための方法。 【解決手段】 5'-AGTGGGCCTC AGICCGTTTC-3'及び5'-AG
ACTTGGCC CCCAATACCA-3'のプライマーセットを用いて、
変異が予想されるB型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中
心をコードする遺伝子配列の一部をPCR法により増幅
し、その増幅産物を、5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTA
TACGG-3'のプローブ等を含むプローブ混合物からなる各
プローブ又はプローブセットセットにハイブリダイゼー
ションさせた後、ミニシークエンス法により標識基質を
取り込み、その標識基質を検出することからなる、B型
肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子
の変異の有無を検出する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医学、臨床検査分
野において、ラミブジン等のB型肝炎治療薬耐性B型肝炎
ウイルスの検出及び、投薬モニタリングに有用な、B型
肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子
の変異の検出に関する。
【0002】
【従来の技術】我国のB型肝炎ウイルス(hepatitis B v
irus:以下HBVと略する)の持続感染者は、無症候性キ
ャリアを含めると150万人に達すると言われている。現
在、抗ウイルス療法としてはインターフェロンが用いら
れているが、十分な効果が得られていない例も存在し、
有効な抗ウイルス薬が待望されている。
【0003】ラミブジン(Lamivudine)は英国グラクソ
・ウエルカム社で開発された抗ウイルス薬で、当初はHI
V治療薬として開発が進められたが、HBVにも有効である
ことが明らかになり、B型慢性肝炎治療薬としての開発
が進められている(谷川ら、肝胆膵 35:529−547, 199
7;日本グラクソ株式会社、BIO Clinica 13:415−41
8,1998)。ラミブジンの作用機序はラミブジンが細胞
内で三リン酸誘導体にリン酸化されHBVの逆転写酵素を
阻害すると共にウイルスゲノムに取り込まれてその核酸
伸長合成(複製)反応を阻害することにより、抗ウイル
ス活性を示すと考えられている。ラミブジンは、天然の
核酸には存在しない光学異性体(立体配置)であるた
め、哺乳類のDNA複製には悪影響を及ぼさないという特
徴がある。
【0004】しかし最近になって、ラミブジンの長期投
与により、ラミブジン耐性のHBVが出現する例があるこ
とが問題となりつつあり、この耐性を獲得したHBVは、
そのゲノム中の共通した遺伝子に変異が生じていること
が報告されている(Karl P.Fischerら、ANTIMICROB.AG
ENTS CHEMOTHER 40:1957−1960, 1996;Roger Ling
ら、HEPATOLOGY 24:714−717, 1996)。この変異が生
ずる部位は、HBVのポリメラーゼの逆転写酵素の活性中
心部位であり、逆転写酵素に特有なアミノ酸配列、すな
わち、チロシン(Y)・メチオニン(M)・アスパラギン
酸(D)・アスパラギン酸(D)からなるアミノ酸配列を有
することから、YMDDモチーフ(第736〜747ヌクレオチ
ド)と呼ばれている(L. A. Kohlstaedtら、SCIENCE 25
6:1783−1790,1992)。ラミブジンの長期投与において
は、このYMDDモチーフのM(メチオニン)がV(バリ
ン)、I(イソロイシン)に置換され、HBVはラミブジン
耐性を獲得すると言われている。遺伝子レベルでは、メ
チオニンのコドンであるATGのAがGに変異することによ
りバリンへ、またはATGのGがT、C、もしくはAに置換さ
れることによりイソロイシンに置換されることになる。
【0005】従って、ラミブジン投薬時のラミブジン耐
性ウイルス、つまりYMDDモチーフをコードする遺伝子に
上記のような変異を持ったウイルスが出現することのモ
ニタリングは、ラミブジンの効果判定及び投薬計画の一
助となり、大変有用であると考えられる。
【0006】現在行われているHBVの上記のような変異
の検出及び変異型ウイルス自体の検出は、アミノ酸レベ
ルでの検出が大変困難であるため、核酸レベルで行われ
ている。その一例としては、患者から採取された血清中
よりHBVウイルス遺伝子を抽出、精製し、次に変異が存
在すると考えられる遺伝子配列周辺をPCR法により増幅
し、増幅産物を直接(ダイレクトシークエンス法)もし
くはサブクローニング後、ダイデオキシ法により配列決
定検査を行う方法が挙げられる。
【0007】その他には、点変異に対応する塩基を3’
末端に有する遺伝子増幅用プライマーを用い、変異遺伝
子のみをPCR法により増幅することにより点変異を検出
するPCR-SSP法が用いられている(茶山ら、HEPATOLOGY
27:1711−1716, 1998)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなHBV遺伝
子の配列決定による検査は、オートシークエンサー等の
出現により現在ではかなりの部分で自動化されてはいる
ものの、検体入手から検出まで数日を要し、時間がかか
る上、大変繁雑かつ熟練を要する作業が含まれている。
また、経済的負担も大きく多数検体の処理には向いてい
ない。さらに、遺伝子配列検査では、野生型と変異型の
ウイルスが共存する状態ではその存在比率を反映した結
果が出ない可能性がある等の欠点を有する。
【0009】またPCR-SSP法は、点変異の種類毎にプラ
イマーセットの設計、PCR条件等の設定が必要であり、
検出系が複雑である等の欠点を有している。そこで、本
発明は、(i)検体入手から検出までが1日で終了し、
(ii)オートシークエンサー等特別かつ高価な装置、及
び熟練を要する技術なしに実施可能であり、(iii)感
度及び特異性が高く、そして(iv)野生型と変異型の存
在比率が互いに10倍程度であれば両者ともに検出が可
能である、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコ
ードする遺伝子の変異検出方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、B型肝炎
ウイルスの逆転写酵素活性中心(YMDDモチーフ)をコー
ドする遺伝子の変異を検出する方法において、HBVゲノ
ム遺伝子の一定領域、即ち、YMDDモチーフをコードする
遺伝子の周辺領域の増幅に際し、特定のプライマーセッ
トを用いること、さらには、増幅産物のハイブリダイゼ
ーションに3’末端近傍をラミブジン長期投与時にYMDD
モチーフをコードする遺伝子上で生ずる可能性のある遺
伝子変異に応じて変化させ、さらには非特異的反応が生
じないような人為的な変異の導入及びプローブ長の適正
化などの工夫を施した特定のプローブを用いること、次
いで、DNAポリメラーゼにより、プローブの3’末端側
に標識基質の取り込みを行わせ、取り込み反応を分析す
ることにより、簡易で、短時間で操作でき、かつ遺伝子
上の変異を正確に判定する方法を見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0011】即ち、本発明の方法は、検体に含まれる対
立遺伝子とプローブが相補性を有するかどうか、及びそ
の相補性の程度により、次いで行うDNAポリメラーゼに
よる標識基質の取り込み反応が影響されることを利用す
る。
【0012】以下に、本発明を更に詳しく、ラミブジン
長期投与時に生ずるラミブジン耐性HBVの検出及びHBV遺
伝子上のYMDDモチーフをコードする遺伝子の変異検出を
例にとって説明する。しかしながら、ラミブジン以外の
薬剤投与によりHBVのYMDDモチーフ上に同様な変異を起
こす場合があれば、それについても検出できることは言
うまでもない。
【0013】尚、配列表においては、配列の小文字表記
が義務付けられており、また、i(イノシン)はnとし
て記載して、別途にiとして特定しなければならない
が、配列表を除く本明細書においては、便宜上、特に断
らない限り、配列は大文字表記を原則とし、イノシンは
Iとして記載する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の目的のためには、まず、
予めHBVの逆転転写素の活性中心であるYMDDモチーフを
コードする遺伝子領域を含むように検体中のDNAを増幅
しておくことが望ましい。
【0015】分析される鋳型HBV遺伝子は、HBV感染者か
らの血清、組織等より抽出、精製するのが好ましい。本
方法で使用する増幅産物は、50bp以上300bp以下が好ま
しく、80bp以上130bp以下が更に好ましい。
【0016】増幅した産物はアルカリ変性させて1本鎖
としたのち、変異に応じた各プローブとハイブリダイゼ
ーションさせる。
【0017】プライマー配列の選択 HBVは比較的変異しやすいウイルスであることから、プ
ライマー設定位置は各クローン間で保存性が高い部位を
使用することが望ましい。
【0018】また、PCRの増幅効率やプライマーと標的
核酸のハイブリダイゼーション特異性は、プライマー設
定位置やプライマーの配列にも依存することから、PCR
増幅効率が良く、且つ特異性の高い部分にプライマーを
設定する必要がある。
【0019】以上のことを総て考慮した結果、本発明で
は、以下のプライマーセット: センスプライマー:5'-AGTGGGCCTC AGNCCGTTTC-3'(配列
番号:1)、及び アンチセンスプライマー:5'-AGACTTGGCC CCCAATACCA-
3'(配列番号:2) を用いる(但し、NはA,T,C又はGの何れかもしくはイ
ノシンもしくはユニバーサル塩基である)。配列番号:
1及び2は、図1に示すとおり、YMDDモチーフの前後に
位置する。HBV-DNAは3215ヌクレオチドからなるが、配
列番号:1は第645〜664ヌクレオチドに、そして配列番
号:2は第749〜768ヌクレオチドに相当する。
【0020】但し、該配列プライマーセットでPCR法に
より増幅される部位の内側もしくは近傍外側であり、設
定した遺伝子プローブ配列と完全に重複しない部位であ
れば、該増幅産物の内側もしくは近傍外側にプライマー
セットを設定することができることは言うまでもない。
【0021】プローブのデザイン 一般に、プローブのデザインにおいてハイブリダイゼー
ション特異性に影響する因子として考慮しなければなら
ないのは、標的との配列の相同性とヌクレオチドの長さ
である。
【0022】単一の配列のみを標的とするのならば、標
的配列と全く同一な配列を有するプローブを用いればよ
い。長さに関しては、ヌクレオチドの合成コストを考え
れば10〜40bp程度が一般的である。
【0023】しかしながら、変異及び/又は縮重により
生じ得る複数の対立遺伝子同志を識別する場合や、複数
の対立遺伝子群をまとめて識別したい場合であって、し
かも検体数が多い場合には、可能な限りプローブの数を
減らすのが普通である。即ち、複数の対立遺伝子群を識
別する際、最も一般的には、各群に対するプローブを1
種類のみ用いる。よって、各群において縮重が複数存在
する場合には、各々のプローブに関してひとつまたは複
数のミスマッチ塩基が存在せざるを得なくなる。即ち、
より少ない数のプローブを用いて一度に多くの遺伝子群
を識別するためには、目的の群と目的としない群との間
のハイブリダイゼーション強度に偏りを生じさせるよう
にプローブをデザインしなくてはならず、プローブ中の
ミスマッチ塩基の数及び導入位置の選択はより困難にな
る。
【0024】ミスマッチ導入の選択において、例えば、
2つの連続するミスマッチと2つの連続しないミスマッ
チとでは、同じミスマッチ含有率でもプローブ全体のハ
イブリダイゼーション強度に対する影響は違うし、ま
た、ミスマッチの位置によってもプローブ全体のハイブ
リダイゼーション効率に対する影響があると考えられ
る。
【0025】特定の対立遺伝子群のみのミスマッチ塩基
の数を加減するためには、ユニバーサルな塩基(ニュー
トラルな塩基)を用いることもできる。ユニバーサルな
塩基としてはイノシン(I)が最も一般的であるが、隣
接塩基の種類やハイブリダイゼーション条件等により、
イノシンの特定の塩基に対する水素結合強度は影響を受
けるとの報告もある。また、場合によっては、I:G結
合よりも、ミスマッチ結合であるT:G結合の方が安定
であるとの報告もある。
【0026】また、標的配列とプローブの結合において
は、ハイブリダイゼーション条件におけるストリンジェ
ンシーが影響する。ストリンジェンシーが高くなれば、
一般に、ミスマッチな塩基対合は生じにくくなる。しか
しながら、プローブの長さを変更したり、ミスマッチの
導入位置や数を調節することにより、ストリンジェンシ
ーによる影響は加減することができる。即ち、何らかの
理由により、プローブの長さを長くできない場合や、ミ
スマッチ導入部位に制限がある場合などは、ストリンジ
ェンシーにより対立遺伝子群間のハイブリダイゼーショ
ン強度を調節することもできる。
【0027】生検中のウイルスの変異遺伝子の識別に用
いるためのプローブのデザインにおいては、変異型遺伝
子の縮重を全てカバーすることに加えて、複合感染ある
いは変異型の復帰による野生型と変異型の共存の可能性
を考慮しなければならない。なお、復帰変異に関して
は、完全に野生型の遺伝子型に戻る真正復帰と、新たな
変異により表現型上復帰させる抑圧復帰があるので、後
者の可能性がある場合には、新たな対立遺伝子の可能性
を考慮しなければならない。
【0028】また、一般に、プローブの長さは、20bp以
上40bpが好ましく、25bp以上35bp以下が更に好ましい。
本発明のプローブは、3’末端から数塩基上流側にミス
マッチ変異部位が位置するようにデザインすると好適な
結果が得られることを見いだしたうえで、デザインした
ものである。
【0029】ラミブジン長期投与時に生ずるラミブジン
耐性HBVのYMDDモチーフの変異は、アミノ酸レベルでは
2種類が存在する。即ち、YMDDモチーフのYVDD(変異型
V)もしくはYIDD(変異型I)への変異が確認されてい
る。対応するコドンの塩基配列は、理論上、野生型M(A
TG)から変異型V(GTA、GTT、GTC及びGTG)及び変異型I
(ATA、ATT及びATC)を含めて、8種類の対立遺伝子が
存在することになる。以下の表1において、各変異アミ
ノ酸配列の塩基配列を比較する。
【0030】
【表1】
【0031】但し、現在まで、ヒト由来のHBVについて
ラミブジン投与により生ずる変異型は、変異型Vの場
合、野生型M(ATG)からみて2ポイントの変異型となるG
TA、GTT及びGTCなる変異型は報告されていない。また、
変異型Iの場合はATTへの変異のみが報告されているが、
自然界にはATAへの変異例がラミブジン投与と関係無く
存在するとの報告がある(Stephan Guntherら、VIROLOG
Y 235:104−108, 1997)。
【0032】野生型(YMDD)の検出用プローブ 野生型(YMDD型)を検出する為のプローブには、野生型
YMDDモチーフの塩基配列であるTAT ATG GAT GATの下線
部を末端に含む、 5'-TCCCCCACTG TCTGGCTTTC AGTTATATGG-3'(配列番号:
3) を有するプローブを使用することができる。これで十分
に野生型(YMDD)を検出できるが、本プローブは、下線
部のメチオニンのコドンATGにおいて、変異型の配列で
あるYVDD型:TAT gTG GAT GATもしくはYIDD型:TAT ATa
GAT GAT、TAT AT t GAT GAT及びTAT ATc GAT GATと1塩
基しか違いがなく(小文字部分)、検体中にこれら変異
型が混在すると、時に変異型の増幅産物も弱いながらハ
イブリダイゼーションしてしまう可能性も考えられる。
【0033】この点を考慮すると、 5'-TCCCCCACTG TCTGGCTTTC AGTTATAVGG-3'(配列番号:
4) を有するプローブが好ましい(Vは、A又はG又はCであ
る)。このプローブは下線で示した部位に人為的に新た
な変異を導入し、各変異型の遺伝子配列から見て2〜3
塩基のミスマッチになるようにすることにより、野生型
での反応特異性を低下させることなく、変異型との非特
異反応を抑えることができる。VはA、Gでもよいが、Cへ
の変異を導入した、 5'-TCCCCCACTG TCTGGCTTTC AGTTATACGG-3'(配列番号:
5) を有するプローブを使用することがより好ましい。即
ち、配列番号:5のプローブの末端7塩基(TATAc
G)は、(i)野生型とのミスマッチが小文字の1塩
基であり、そして(ii)7種の変異型とのミスマッチが
下線部中のいずれか2〜3塩基である。
【0034】この工夫は、ラミブジン投与により、いっ
たんほぼ完全にラミブジン耐性(変異型)となったHBV
が、ラミブジン投与停止後、野生型に復帰変異を起こす
という臨床上重要な所見をフォローする上で重要であ
る。
【0035】YVDD変異の検出用プローブ 変異型(YVDD型)の検出には、その塩基配列として、TA
T GTa GAT GAT、TAT GTt GAT GAT、TAT GTc GAT GAT及
びTAT GTg GAT GATの4種類が考えられる為、これら4
種類を同時に検出する場合は、これらの最初の7塩基を
3’末端に含む以下の4配列: 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTAG-3'(配列番号:
6)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTTG-3'(配列番号:
7)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTCG-3'(配列番号:
8)、及び 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTGG-3'(配列番号:
9) を有する4種類のプローブの混合物、ないしは、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTIG-3'(配列番号:
10) を有するプローブを使用することが好ましい。これで十
分に変異型(YVDD型)を検出できるが、野生型が混在す
る場合、配列番号:9又は配列番号:10のプローブは野
生型遺伝子と1塩基しか違いがなく(I:イノシンはど
の塩基とも結合するユニバーサル塩基)、検体中に野生
型が存在すれば、野生型の増幅産物も弱いながらハイブ
リダイゼーションしてしまう可能性がある。
【0036】この点を考慮すると、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTAG-3'(配列番号:
11)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTTG-3'(配列番号:
12)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTCG-3'(配列番号:
13)及び 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTGG-3'(配列番号:
14) の各々の配列を含むプローブの混合物、ないしは、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTIG-3'(配列番号:
15) を有するプローブが好ましい。配列番号:11〜14のプロ
ーブは、下線で示した部位に人為的に新たな変異を導入
し(Vは、A又はG又はCである)、野生型及び変異型(YI
DD型)の遺伝子配列から見て2塩基のミスマッチになる
ようにすることにより、変異型(YVDD型)での反応特異
性を低下させることなく、野生型もしくは変異型YIDDと
の非特異反応を抑えることができる。あるいは、総ての
YVDD型を検出できる配列番号:15のプローブを使用して
もよい。VはA、Gでもよいが、Cへの変異を導入した、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTAG-3'(配列番号:
16)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTTG-3'(配列番号:
17)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTCG-3'(配列番号:
18)及び 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTGG-3'(配列番号:
19) の各々の配列を含むプローブの混合物、ないしは、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTIG-3'(配列番号:
20) を有するプローブを使用することがより好ましい。以下
の表2に、配列番号:5〜10及び16〜20の末端7塩基の
変異部位周辺の塩基配列を比較する。
【0037】
【表2】 野生型とのミス YIDD型とのミス YVDD型との マッチ(小文字) マッチ(下線) ミスマッチ 配列番号:6 TATTaG 2 1 0 配列番号:7 TATTtG 2 1 0 配列番号:8 TATTcG 2 1 0 配列番号:9 TATG 1 2 0 配列番号:10 TATTIG 1 1 0 配列番号:16 TAcgTaG 3 2 1 配列番号:17 TAcgTtG 3 2 1 配列番号:18 TAcgTcG 3 2 1 配列番号:19 TAcgG 2 3 1 配列番号:20 TAcgTIG 2 2 1 (注:ミスマッチの数に関して、配列番号:11〜15はそれぞれ配列番号:16〜20 と同じであるため、記載を省略する)
【0038】YIDD変異の検出用プローブ 変異型(YIDD型)の検出には、その塩基配列として、TA
T ATa GAT GAT、TAT ATc GAT GAT及びTAT ATt GAT GAT
の3種類が考えられる為、これら3種類を同時に検出す
る場合は、これらの最初の7塩基を3’末端に含む以下
の3配列: 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATaG-3'(配列番号:2
1)、 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATcG-3'(配列番号:22)
及び 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATtG-3'(配列番号:23) を有する3種類のプローブの混合物を使用する。これら
のプローブは、変異型(YVDD型)に関して現在までに報
告されている配列がTAT GTG G.....のみであり、下線部
において配列番号:21〜23と2塩基の違いが生じるた
め、変異型(YVDD型)による非特異反応が生じず、実際
の検出上問題とならない。また野生型(YMDD型)の塩基
配列とは1塩基のみの違いであるが(小文字)、他のプ
ローブ(30bp)と同温度でのハイブリダイゼーション反
応において、プローブ長を5bp短くすることにより、
3’末端部の変異導入部位の影響を大きくし、ハイブリ
ダイゼーションの特異性を向上させ、非特異的反応を防
ぐことができる。従って、変異型(YIDD型)における遺
伝子変異検出には、配列番号:21、22及び23を有するプ
ローブを使用する。
【0039】アミノ酸置換は生じないが、遺伝子置換が
生ずるコドンの3番目の塩基についての変異をも確認し
たい場合は、YVDD型変異の場合は、配列番号:6、7、
8及び9のプローブ、もしくは16、17、18及び19のプロ
ーブを使用し、また、YIDD型変異の場合は配列番号:2
1、22及び23のプローブを分けて使用することが好まし
い。
【0040】プローブの組み合わせ したがって、本発明の一つの態様において、B型肝炎ウ
イルスの逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子の変異
の有無の検出に用いるプローブセットは、(i)配列番
号:3を有するプローブ、配列番号:4を有するプロー
ブ及び配列番号:5を有するプローブのうち少なくとも
1種からなるプローブセット;及び(ii)(a)配列番
号:6を有するプローブ、配列番号:7を有するプロー
ブ、配列番号:8を有するプローブ及び配列番号:9を
有するプローブを含むプローブ混合物、(b)配列番
号:10を有するプローブ、(c)配列番号:11を有する
プローブ、配列番号:12を有するプローブ、配列番号:
13を有するプローブ及び配列番号:14を有するプローブ
を含むプローブ混合物、及び(d)配列番号:15を有す
るプローブのうち少なくとも1種からなるプローブセッ
ト;及び/又は(iii)配列番号:21を有するプロー
ブ、配列番号:22を有するプローブ及び配列番号:23を
有するプローブを含むプローブ混合物からなる。
【0041】本発明のもう一つの態様において、B型肝
炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子の
変異の有無の検出に用いるプローブセットは、(i)配列
番号:5を有するプローブ;(ii)(a)配列番号:16
を有するプローブ、配列番号:17を有するプローブ、配
列番号:18を有するプローブ及び配列番号:19を有する
プローブを含むプローブ混合物、及び(b)配列番号:
20を有するプローブのうち少なくとも1種からなるプロ
ーブセット;及び(iii)配列番号:21を有するプロー
ブ、配列番号:22を有するプローブ及び配列番号:23を
有するプローブを含むプローブ混合物からなる。
【0042】また、本発明のさらなる態様において、B
型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコードする遺伝
子の変異の有無の検出に用いるプローブセットは、(i)
配列番号:5を有するプローブ;(ii)配列番号:20を
有するプローブ;及び(iii)配列番号:21を有するプロ
ーブ、配列番号:22を有するプローブ及び配列番号:23
を有するプローブを含むプローブ混合物からなる。
【0043】使用する遺伝子プローブは、予め変異の種
類別に担体に固相化しておくことが望ましい。例えば、
上記のプローブ3セット5種類(配列番号:5、配列番
号:20及び配列番号:21、22及び23の混合物)を用いる
態様であれば、固相化担体として操作が容易なマイクロ
プレートのウェルに3ウェル/1検体となるように固相
化しておくことが好ましく、このプローブが固相化され
たウェル内でハイブリダイゼーション反応を行う。
【0044】ハイブリダイゼーション反応 ハイブリダイゼーション反応は、増幅時の副産物を選択
的に除去する反応でもある。更にハイブリダイゼーショ
ンの際に選択性を追求するのであれば、ハイブリダイゼ
ーションの際の温度を適正化することが必要である。本
発明のハイブリダイゼーション時の温度は好ましくは25
℃〜65℃であり、より好ましくは37℃〜60℃である。
【0045】検体中の標的遺伝子とプローブをハイブリ
ダイゼーションさせた後、標識基質とDNAポリメラーゼ
を加えて取り込み反応(ミニシークエンス反応)を実施
する。
【0046】この時、温度、反応緩衝液組成などの反応
条件の調整を行い、プローブがハイブリダイゼーション
した時のみ標識基質の取り込みが起こるようにする。
【0047】取り込み反応 DNAの取り込み反応(ミニシークエンス反応)におい
て、分子運動を高めて特異性を上げる必要がある場合
は、耐熱性のDNAポリメラーゼを用いて高い反応温度で
行うことが望ましい。Taq DNA ポリメラーゼ(パーキン
エルマー社製)をミニシークエンス反応のDNAポリメラ
ーゼとして使用する場合、反応温度は好ましくは37℃〜
80℃であり、より好ましくは50℃〜75℃である。
【0048】伸長合成反応を行う際に用いる反応緩衝液
は、通常、使用するDNAポリメラーゼの酵素活性が発揮
されるように条件を整えた緩衝液を用いれば良い。しか
しDNAポリメラーゼの酵素活性が強すぎて非特異的取り
込み反応が出る場合は、本測定法においては最終濃度が
0.1〜1.5M程度になるよう尿素を加えることによりDNAポ
リメラーゼの酵素活性を微妙に抑制的にコントロールす
ることが可能である。
【0049】Taq DNA ポリメラーゼを伸長合成反応時の
DNAポリメラーゼとして使用する場合は、酵素購入時に
添付されてくる反応緩衝液に対して、最終濃度が0.5M〜
0.75Mになるよう尿素を添加して使用することができ
る。
【0050】本発明においては、ハイブリダイゼーショ
ンしたプローブ群の3’末端から伸長合成反応(取り込
み反応)を行うので、変異しないアミノ酸に対応する塩
基部分が全プローブの末端部分に来るように選択して、
第1に取り込まれる塩基が共通になるようにすることが
好ましい。本発明の好ましい態様において使用される配
列番号:3〜23は、YMDDモチーフ中の変異するアミノ酸
Mのすぐ次の、変異しないアミノ酸Dのコドン(GAT)
の第1ヌクレオチドのGで終わっているので、全てのプ
ローブの3’末端に最初に付加される塩基は、第2ヌク
レオチドのAである。従って、標識基質はdATPを用い、
標的遺伝子とプローブの3’末端部分が2本鎖を形成し
ていれば、標識基質である塩基「A」がDNAポリメラーゼ
により取り込まれ、2本鎖になっていなければ、取り込
み反応は理論上起こらない。
【0051】標識の検出 この標識体を特異的に検出する方法としては、標識体と
特異的に結合できる酵素標識を施した物質を使用して発
色法、発光法、蛍光法など使用して行う。但し、蛍光法
の場合、蛍光物質の多くは比較的低分子量であるため塩
基に直接標識させて、伸長合成反応において直接取り込
ませることも可能である。
【0052】標識自体を酵素にする方法も考えられる
が、蛋白質酵素は一般的に高分子であり、標識塩基の取
り込みの際に立体障害を起こす可能性が高く、取り込み
時の加熱に際して酵素が失活する可能性も高い為、標識
体は、分子量が小さく、比較的安定且つ、特異的検出が
可能な物質である、ビオチン、ジニトロフェニル(DN
P)、ジゴキシゲニン(DIG)などを用いることが望まし
い。
【0053】標識体の検出には、ビオチンであればアビ
ジンもしくはストレプトアビジン、DNP、DIGに対しては
各々を認識する抗体に酵素を標識したものを結合させ
て、その酵素活性を発色法、発光法、蛍光法などによ
り、吸光度計、ルミノメーター、蛍光光度計にて検出す
る。
【0054】標識体の検出を行った結果、標識体が検出
されたウェルでは、そのウェルに固相化されたプローブ
の3’末端付近の配列に対して、ほぼ相補的な配列を持
つ遺伝子が存在していたと判定される。標識体が検出さ
れなかったウェルでは、そのウェルに固相化されたプロ
ーブとほぼ相補的な配列を持った遺伝子が存在しない
か、もしくは検出感度以下であると判定される。また複
数の遺伝子型が混在している場合は、複数のウェルで標
識体が検出されることになる。各型の遺伝子の増幅前の
存在比率は、増幅後の増幅産物の存在比率に反映される
ため、各ウェルの検出の強度により対立遺伝子の存在比
率の概算も可能である。
【0055】キット 更に、本発明は、HBVゲノム遺伝子におけるYMDDモチー
フをコードする遺伝子上の点変異を検出する方法を使用
したキットにも関し、キットの好適例としては、(1)
HBVゲノム遺伝子のYMDDモチーフをコードする遺伝子の
周辺領域の増幅産物を得るための配列番号:1のプライ
マー及び配列番号:2のプライマーからなるPCR用プラ
イマーセット、(2)HBVのYMDDモチーフをコードする
遺伝子上の点変異部位に対応する塩基を3’末端近傍に
有する遺伝子プローブ、好ましくは配列番号:5、配列
番号:20、及び配列番号:21〜23の混合プローブ、もし
くはその各プローブの固相化物、(3)二本鎖の増幅産
物を一本鎖にするためのアルカリ変性液、(4)ハイブ
リダイゼーション反応時に用いるハイブリダイゼーショ
ン緩衝液、(5)DNAポリメラーゼ、(6)標識基質を
含有するミニシークエンス用緩衝液が挙げられる。
【0056】本発明の方法の目的とする遺伝子に対する
特異性を評価するため、本発明でPCR増幅を行う領域を
含み且つ、野生型、変異型に対応する配列を含む8種類
の特異性評価用プラスミドを作製し、これを鋳型にPCR
増幅を行い、変性後、プレートに固相化したプローブに
ハイブリダイゼーションさせ、標識基質の取り込みを検
出した。その結果、野生型の配列を持つ評価用プラスミ
ドは野生型用のプローブを固相化したウェルについて、
バリン型、イソロイシン型の変異型の配列を持つ評価用
プラスミドは各々の変異型のプローブを固相化したウェ
ルについてのみ標識体の取り込みが検出され、互いに違
う型のプローブが固相されたウェルについては検出され
なかった。
【0057】更に、各変異型用プラスミドを野生型用プ
ラスミドに対して「1/10または10倍」混合させて同様
に検出を行った場合、「1/10または10倍」までについ
ては両型の検出が可能であった。
【0058】これらの結果から、本発明方法により非常
に特異性高く、目的とする点変異を検出できることがわ
かる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0060】〈鋳型遺伝子の準備〉「野生型HBVのみを
含む」と従来法により確認された血清10例(検体番号1
〜10)及び、「逆転写酵素活性中心コード遺伝子に変異
を有する変異型HBVを含む」と従来法により確認された
血清9例(検体番号11〜19)の計19検体より、HBV遺伝
子を抽出及び精製した。
【0061】なお、本明細書における従来法とは、血清
中よりHBV遺伝子を抽出,精製し、逆転写酵素活性中心
コード遺伝子配列周辺をPCR法により増幅後、その増幅
産物についてダイデオキシ法により塩基配列を決定する
方法である。この方法では、変異有無の検出までに2〜
3日要する。
【0062】〈PCR法による遺伝子増幅〉プライマー
は、以下の2種類: センスプライマー:5'-AGTGGGCCTC AGNCCGTTTC-3'(配
列番号:1)及び アンチセンスプライマー:5'-AGACTTGGCC CCCAATACCA-
3'(配列番号:2) を用いた。但し、配列番号:1のNはI(イノシン)にて
使用することとした。
【0063】上記プライマーを使用して下記組成の遺伝
子増幅液50μlを調製し、PCR法により遺伝子増幅を行っ
た。 10mM トリス塩酸緩衝液(pH8.3) 50mM 塩化カリウム 1.25mM 塩化マグネシウム 12.5% グリセロール 200μM dNTP(dATP, dTTP, dCTP及びdGTP) 0.6μM センスプライマー 0.6μM アンチセンスプライマー 25U/ml Taq DNAポリメラーゼ(パーキンエルマー
社製)鋳型遺伝子 上記溶液をサーマルサイクラーPJ-9600(パーキンエル
マー社製)にセットした。
【0064】PCRの温度条件は95℃で2分間の後、95℃
で15秒→60℃で20秒のサイクルを5回、続いて90℃で15
秒→60℃で20秒のサイクルを65回繰り返して遺伝子増幅
を行った。その結果、HBVが陽性の場合は、124bpの増幅
産物が得られた。
【0065】〈増幅産物の変性〉得られた増幅産物50μ
lに対して0.3Mの水酸化ナトリウム溶液100μlを加
え、5分間室温で放置し、増幅産物のアルカリ変性(2
本鎖DNAを1本鎖にする)を行った。
【0066】〈ハイブリダイゼーション〉次に、予め、
第1ウェルには、5'-TCCCCCACTG TCTGGCTTTC AGTTATACG
G-3'(配列番号:5)のプローブを、第2ウェルには、
5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTIG-3'(配列番号:
20)のプローブを、そして第3ウェルには、5'-CACTGTT
TGG CTTTCAGTTA TATAG-3'(配列番号:21)、5'-CACTGT
TTGG CTTTCAGTTA TATCG-3'(配列番号:22)及び5'-CAC
TGTTTGG CTTTCAGTTA TATTG-3'(配列番号:23)の3種
類のプローブの混合物をそれぞれ固相化した。即ち、野
生型(YMDD型)検出用ウェル、変異型(YVDD型)検出用
ウェル、及び変異型(YIDD型)検出用ウェルの3ウェル
で1セット(1検体)のプローブ固相化ウェルを用意し
た。各ウェルに、以下に示す組成のハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液を100μlずつ分注した。
【0067】 7.5× SSPE 1.2% ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート(Tween20) 0.07N 塩酸 次に、アルカリ変性を行った増幅産物を25μlずつ、上
記ハイブリダイゼーション緩衝液を分注した各ウェルに
添加し、よく混合した。
【0068】混合物を55℃で30分間放置し、ハイブリダ
イゼーションを行った。この反応によりPCR法の段階に
おいて仮に非特異の増幅産物として増幅された遺伝子断
片が存在したとしても、目的とする増幅産物以外は選択
的に除かれる。但し、目的とする各型の増幅産物は型別
各プローブに対して末端が1から2塩基程度の違いであ
るため、程度の差はあれ、総てのプローブに対してハイ
ブリダイゼーションしていると考えられる。
【0069】ハイブリダイゼーション反応終了後、下記
組成の洗浄溶液を使用して1ウェルあたり350μlずつ
5回洗浄を行った。 0.4% 塩化ナトリウム 0.01% 塩化カリウム 0.145% リン酸一水素二ナトリウム 0.01% リン酸二水素一カリウム 0.1% Tween20 0.005% アジ化ナトリウム
【0070】〈ミニシークエンス反応〉洗浄操作終了
後、下記組成のように塩基Aの標識体であるビオチンを
結合させたビオチン−dATPとTaq DNA ポリメラーゼを添
加した溶液100μlを各ウェルに加え、55℃で30分間、
反応させた。
【0071】 10mM トリス塩酸緩衝液(pH8.3) 50mM 塩化カリウム 1.5mM 塩化マグネシウム 0.001% ゼラチン 0.6M 尿素 0.04μM ビオチン−dATP 1U/ml Taq DNAポリメラーゼ
【0072】〈変性〉反応終了後、0.3Mの水酸化ナトリ
ウム溶液100μlを加え、5分間室温で放置し、前述の
洗浄溶液と洗浄条件で洗浄を行った。この処理により、
固相化プローブにハイブリダイゼーションした増幅産物
は、プローブより除去され、固相面には1本鎖のプロー
ブのみが残り、増幅産物の副反応などにより非特異的に
取り込まれたビオチン標識基質が除去される。
【0073】〈アビジン−ビオチン複合体の形成〉次
に、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを20mMト
リス−塩酸緩衝液(pH7.5)に0.2U/mlの濃度になるよう
に加え、各ウェルに100μlずつ加えて55℃で30分間反
応させた。ビオチンとストレプトアビジンの特異反応を
利用したこの反応により、前述の反応でビオチン標識基
質が取り込まれた固相化プローブにペルオキシダーゼが
標識される。反応終了後、前述の洗浄溶液と洗浄条件で
洗浄を行った。
【0074】〈発色反応〉洗浄後、ペルオキシダーゼの
発色基質であるH2O2(過酸化水素)と3,3',5,5'-テトラ
メチルベンジジンを各ウェルに100μlずつ加え、室温
で15分間発色させた。この工程で、ペルオキシダーゼ標
識された固相化プローブが存在するウェル、つまり固相
化プローブと目的とするPCR増幅産物がハイブリダイゼ
ーションし、且つ、前述の反応でビオチン標識基質が取
り込み反応が起こったウェルは、青色に発色する。反応
終了後、反応停止液を100μlずつ加えて発色反応を停
止した。この操作により、青色に発色したウェルは黄色
に変色する。最後に各ウェルを吸光度計にて波長450nm
における吸光度を測定し検出を行った。
【0075】〈結果〉 1.検体番号1〜10 「野生型のみを含む」と従来法で確認されている検体番
号1〜10については、本実施例での変異検出の結果にお
いても、全ての検体でメチオニン型(ATG)を検出する
第1ウェルにのみ発色が観察され、野生型のみを含むと
判定された。
【0076】測定された吸光度は以下に示す通りであ
る。なお、吸光度値のカットオフ値は第1ウェルは0.
1、第2ウェルは0.3、第3ウェルは0.3とした。括弧内
に示す「+」は陽性を、そして「−」は陰性を示す。
【0077】
【表3】 検体 吸光度(判定) 型判定 番号 第1ウェル 第2ウェル 第3ウェル 1 3.694(+) 0.113(-) 0.074(-) 野生型 2 3.257(+) 0.119(-) 0.145(-) 野生型 3 3.073(+) 0.116(-) 0.075(-) 野生型 4 3.098(+) 0.167(-) 0.145(-) 野生型 5 2.358(+) 0.136(-) 0.059(-) 野生型 6 3.141(+) 0.110(-) 0.068(-) 野生型 7 2.750(+) 0.099(-) 0.146(-) 野生型 8 3.208(+) 0.117(-) 0.060(-) 野生型 9 3.312(+) 0.155(-) 0.121(-) 野生型 10 3.479(+) 0.137(-) 0.066(-) 野生型
【0078】2.検体番号11〜19 「変異型HBVを含む」と従来法で確認されている検体番
号11〜19については、本実施例での変異検出の結果にお
いても、下表の通り全ての検体で従来法で得られた結果
と同一の型判定結果が得られた。即ち、検体がバリン型
の変異型遺伝子を有する場合は第2ウェルに発色が観察
され、検体がイソロイシン型の変異型遺伝子を有する場
合は、第3ウェルに発色が観察された。検体が野生型遺
伝子も含む場合は、第1ウェルにも発色が認められた。
【0079】測定された吸光度は下表に示すとおりであ
る。なお、吸光度値のカットオフ値は第1ウェルは0.
1、第2ウェルは0.3、第3ウェルは0.3とした。括弧内
に示す「+」は陽性を、そして「−」は陰性を示す。
【0080】
【表4】 検体 吸光度(判定) 本発明による 従来法による番号 第1ウェル第2ウェル第3ウェル 判定 判定 11 2.082(+) 0.460(+) 0.182(-) 野生型+変異型(V) 同左 12 1.521(+) 2.880(+) 1.166(+) 野生型+変異型(V+I) 同左 13 0.059(-) 3.570(+) 1.122(+) 変異型(V+I) 同左 14 3.149(+) 0.301(+) 0.097(-) 野生型+変異型(V) 同左 15 3.318(+) 0.750(+) 0.174(-) 野生型+変異型(V) 同左 16 3.144(+) 1.457(+) 0.188(-) 野生型+変異型(V) 同左 17 2.453(+) 1.488(+) 0.177(-) 野生型+変異型(V) 同左 18 0.089(-) 3.439(+) 2.230(+) 変異型(V+I) 同左 19 1.139(+) 3.749(+) 0.643(+) 野生型+変異型(V+I) 同左
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、特定のプライマー及
び、遺伝子プローブを用いることにより、また特定のプ
ライマー及び、固相支持体に固相化した特定の遺伝子プ
ローブ、成分調製を行い適正化したアルカリ変性液、ハ
イブリダイゼーション用緩衝液、DNAポリメラーゼ、標
識基質を含有するミニシークエンス用緩衝液を含有した
キットを用いることにより、HBV遺伝子上のYMDDモチー
フをコードしている遺伝子の点変異を簡便且つ、正確
に、また短時間で判定することができる。このことは、
投薬時、特にラミブジン長期継続投与時の投薬効果の判
定(モニタリング)、投与計画を立てる上で有用であ
る。
【0082】
【配列表】 <110> 住友金属工業株式会社 <120> B型肝炎ウイルス遺伝子の変異検出方法および検出キット <130> 982324 <160> 23 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> gene <222> 13 <223> Designed primer wherein, at position 13, n may be a, g, c,t, or any universal base such as i. <400> agtgggcctc agnccgtttc 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed primer <400> agacttggcc cccaatacca 20 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatatgg 30 <210> 4 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatavgg 30 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatacgg 30 <210> 6 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatgtag 30 <210> 7 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatgttg 30 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatgtcg 30 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttatgtgg 30 <210> 10 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> gene <222> 29 <223> Designed probe wherein n at position 29 is i. <400> tcccccactg tttggctttc agttatgtng 30 <210> 11 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttavgtag 30 <210> 12 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttavgttg 30 <210> 13 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttavgtcg 30 <210> 14 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttavgtgg 30 <210> 15 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> gene <222> 29 <223> Designed probe wherein n at position 29 is i. <400> tcccccactg tttggctttc agttavgtng 30 <210> 16 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttacgtag 30 <210> 17 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttacgttg 30 <210> 18 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttacgtcg 30 <210> 19 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe <400> tcccccactg tttggctttc agttacgtgg 30 <210> 20 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> gene <222> 29 <223> Designed probe wherein n at position 29 is i. <400> tcccccactg tttggctttc agttacgtng 30 <210> 21 <211> 25 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> cactgtttgg ctttcagtta tatag 25 <210> 22 <211> 25 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> cactgtttgg ctttcagtta tatcg 25 <210> 23 <211> 25 <212> DNA <213> Hepatitis B Virus <220> <223> Designed probe <400> cactgtttgg ctttcagtta tattg 25
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、HBV-DNA中の、YMDDモチーフの位置及
び配列番号:1及び配列番号:2のプライマー配列の位
置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA14 AA20 CA09 GA25 HA12 4B050 DD01 LL03 4B063 QA01 QA07 QA17 QQ03 QQ10 QQ12 QQ44 QR39 QR55 QR56 QR62 QR63 QR82 QS03 QS15 QS25 QS34 QS36 QS38 QX01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5'-AGTGGGCCTC AGNCCGTTTC-3'(配列番
    号:1)又は 5'-AGACTTGGCC CCCAATACCA-3'(配列番号:2) に記載の塩基配列を有する(但し、NはA,T,C又はGの
    何れかもしくはイノシンもしくはユニバーサル塩基であ
    る)、B型肝炎ウイルスDNAに特異的なオリゴヌクレオ
    チドプライマー。
  2. 【請求項2】 5'-AGTGGGCCTC AGNCCGTTTC-3'(配列番
    号:1)及び 5'-AGACTTGGCC CCCAATACCA-3'(配列番号:2) に記載の塩基配列を有する(但し、NはA,T,C又はGの
    何れかもしくはイノシンもしくはユニバーサル塩基であ
    る)、B型肝炎ウイルスDNAに特異的なオリゴヌクレオ
    チドプライマーを備えた、PCR法によるB型肝炎ウイル
    スDNAの増幅に用いるプライマーセット。
  3. 【請求項3】 B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心
    をコードする遺伝子の変異の有無の検出に用いる、配列
    番号3乃至23: 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATATGG-3'(配列番号:
    3)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATAVGG-3'(配列番号:
    4)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATACGG-3'(配列番号:
    5)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTAG-3'(配列番号:
    6)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTTG-3'(配列番号:
    7)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTCG-3'(配列番号:
    8)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTGG-3'(配列番号:
    9)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTATGTIG-3'(配列番号:
    10)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTAG-3'(配列番号:
    11)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTTG-3'(配列番号:
    12)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTCG-3'(配列番号:
    13)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTGG-3'(配列番号:
    14)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTAVGTIG-3'(配列番号:
    15)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTAG-3'(配列番号:
    16)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTTG-3'(配列番号:
    17)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTCG-3'(配列番号:
    18)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTGG-3'(配列番号:
    19)、 5'-TCCCCCACTG TTTGGCTTTC AGTTACGTIG-3'(配列番号:
    20)、 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATAG-3'(配列番号:2
    1)、 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATCG-3'(配列番号:22)
    及び 5'-CACTGTTTGG CTTTCAGTTA TATTG-3'(配列番号:23) のいずれかの塩基配列を有する(但し、Iはイノシンで
    あり、そしてVはA又はG又はCである)、オリゴヌク
    レオチドプローブ。
  4. 【請求項4】 B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心
    をコードする遺伝子の変異の有無の検出に用いる、 (i)配列番号:3を有するプローブ、配列番号:4を有
    するプローブ及び配列番号:5を有するプローブのうち
    少なくとも1種からなるプローブセット;及び (ii)(a)配列番号:6を有するプローブ、配列番
    号:7を有するプローブ、配列番号:8を有するプロー
    ブ及び配列番号:9を有するプローブを含むプローブ混
    合物、 (b)配列番号:10を有するプローブ、 (c)配列番号:11を有するプローブ、配列番号:12を
    有するプローブ、配列番号:13を有するプローブ及び配
    列番号:14を有するプローブを含むプローブ混合物、及
    び (d)配列番号:15を有するプローブ のうち少なくとも1種からなるプローブセット;及び/
    又は (iii)配列番号:21を有するプローブ、配列番号:22
    を有するプローブ及び配列番号:23を有するプローブを
    含むプローブ混合物からなるプローブセット。
  5. 【請求項5】 B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心
    をコードする遺伝子の変異の有無の検出に用いる、 (i)配列番号:5を有するプローブ; (ii)(a)配列番号:16を有するプローブ、配列番
    号:17を有するプローブ、配列番号:18を有するプロー
    ブ及び配列番号:19を有するプローブを含むプローブ混
    合物、及び (b)配列番号:20を有するプローブのうち少なくとも
    1種からなるプローブセット;及び (iii)配列番号:21を有するプローブ、配列番号:22
    を有するプローブ及び配列番号:23を有するプローブを
    含むプローブ混合物からなるプローブセット。
  6. 【請求項6】 以下の工程:請求項2記載のプライマー
    セットを用いて、変異が予想されるB型肝炎ウイルスの
    逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子配列の一部をPC
    R法により増幅し、そしてその増幅産物を請求項4記載
    の(i)及び(ii)及び/又は(iii)の各プローブセ
    ットにハイブリダイゼーションさせた後、ミニシークエ
    ンス法により標識基質を取り込み、その標識基質を検出
    することを有する、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性
    中心をコードする遺伝子の変異の有無を検出する方法。
  7. 【請求項7】 以下の工程:請求項2記載のプライマー
    セットを用いて、変異が予想されるB型肝炎ウイルスの
    逆転写酵素活性中心をコードする遺伝子配列の一部をPC
    R法により増幅し、そしてその増幅産物を請求項5記載
    の(i)、(ii)及び(iii)の各プローブセットにハ
    イブリダイゼーションさせた後、ミニシークエンス法に
    より標識基質を取り込み、その標識基質を検出すること
    を有する、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコ
    ードする遺伝子の変異の有無を検出する方法。
  8. 【請求項8】(a)請求項2記載のプライマーセットを含
    むPCR反応用試薬、 (b)請求項4記載の各プローブセットが固相化された固
    相支持体、 (c)DNAポリメラーゼ、及び (d)標識基質を含有するミニシークエンス用緩衝液 を含む、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコー
    ドする遺伝子の変異の有無を検出するためのキット。
  9. 【請求項9】(a)請求項2記載のプライマーセットを含
    むPCR反応用試薬、 (b)請求項5記載の各プローブセットが固相化された固
    相支持体、 (c)DNAポリメラーゼ、及び (d)標識基質を含有するミニシークエンス用緩衝液 を含む、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素活性中心をコー
    ドする遺伝子の変異の有無を検出するためのキット。
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