JP2000270725A - ロータ取付用ナットの回り止め構造 - Google Patents

ロータ取付用ナットの回り止め構造

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JP2000270725A
JP2000270725A JP8518099A JP8518099A JP2000270725A JP 2000270725 A JP2000270725 A JP 2000270725A JP 8518099 A JP8518099 A JP 8518099A JP 8518099 A JP8518099 A JP 8518099A JP 2000270725 A JP2000270725 A JP 2000270725A
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nut
rotor
screw
retainer
central angle
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JP8518099A
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English (en)
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Kouji Takikura
恒治 滝倉
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Original Assignee
Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 締め込んだナットの回転位相が許容以上にず
れても、リテーナの装着作業を容易に行えるようにす
る。 【解決手段】 回り止め構造19は、スピニングリール
のロータ3を取り付けるためのナット15を回り止めす
るための構造であって、リテーナ16と、小ネジ17
と、ネジ固定部18a〜18fとを備えている。リテー
ナは、ナットの複数の外周角部を係止可能な複数の内周
角部16dを有しナットを回転不能に係止するためのナ
ット係止部16cと、ナット係止部と間隔を隔てて形成
されたネジ挿通孔16eとを有している。ネジ固定部
は、ロータの前壁3dにピニオンギアの軸芯回りに間隔
を隔てて形成され小ネジをねじ込み可能なものである。
この3つのネジ固定部の隣り合うネジ固定部とのなす第
1中心角αが、ナット係止部の第2中心角βと異なりか
つ近い角度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回り止め構造、特
に、スピニングリールのロータをピニオンギアに取り付
けるためにピニオンギアに螺合されるナットを回り止め
するためのロータ取付用ナットの回り止め構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スピニングリールでは、ピニオンギアに
ロータをナットにより締結することが行われている。こ
のナットは、ピニオンギアとともに回転するため、ロー
タに作用する慣性力や振動により緩みやすい。そこでナ
ットのゆるみを防止するために、固定用のナットに薄板
金属製のリテーナが装着されている。リテーナは、その
一端に大径部が他端に小径部が形成された薄板金属製の
略雨滴状の部材である。この大径部には、ナットがたと
えば6つの外周角部を有する六角ナットの場合、6つの
内周角部を有する六角形のナット係止孔が形成されてお
り、ナット係止孔にナットの外周部が60度毎に回転不
能に係止可能である。小径部には小ネジを挿通可能なネ
ジ挿通孔が形成されている。一方、ロータの前側面に
は、小ネジを螺合可能なネジ固定部がたとえば90度間
隔で2カ所形成されている。
【0003】そして、ネジ挿通孔とネジ固定部との位相
が合うようにナットを締め込み、小ネジをネジ固定部に
ねじ込むことでリテーナがロータに回転不能に固定さ
れ、ナットが回り止めされる。ここで、ネジ固定部を9
0度間隔で2カ所設けているので、一方のネジ固定部に
対してネジ挿通孔の位相が30度ずれている場合には、
リテーナを装着し直すだけで、他方のネジ固定部にネジ
挿通孔が対向して配置される。つまり30度毎の回転位
相でネジ固定部にネジ挿通孔が対向することになる。し
たがって、ナットとネジ固定部との回転位相をそれに合
うようにナットを締め込めば、ネジ固定部にネジ挿通孔
が合致することになる。
【0004】なお、リテーナとナットとの間のガタやネ
ジ挿通孔と小ネジとの間の隙間を考慮すれば、リテーナ
のネジ挿通孔とロータのネジ固定部との間の1〜2度程
度の誤差は許容できる。つまり、1〜2度程度の誤差が
生じても小ネジをネジ固定部にねじ込むことができ、リ
テーナによりナットを回り止めできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の回り止め構
造では、ナット係止部に六角形のナット係止孔を設けか
つ90度離反した位置に2つのネジ固定部を設けている
ので、この間の30度毎の回転位相でネジ挿通孔とネジ
固定部とが対向する。しかし、ナットを両者の回転位相
が許容以上にずれた位置に締め込むと、小ネジをネジ固
定部にねじ込むことができず、ナットの回り止めを行え
ない。このため、ナットを工具により回転させてロータ
を固定する際に、作業者は、ナットの締め付けトルクと
回転位相との両方に注意を払いながらナットを締め込む
必要がある。しかし、回転位相に注意してネジ挿通孔が
ネジ固定部に合うようにナットを締め込んでも実際にリ
テーナをナットに装着すると、ネジ挿通孔とネジ固定部
とが許容以上にずれている場合がある。このような場
合、リテーナを外してさらにナットをきつく締め込むか
逆に緩めてリテーナのネジ挿通孔がネジ固定部に合うよ
うにする必要がある。したがって、締め込んだナットの
回転位相が許容以上にずれると、リテーナの装着作業が
繁雑で手間がかかる作業になる。
【0006】本発明の課題は、締め込んだナットの回転
位相が許容以上にずれても、リテーナの装着作業を容易
に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係るロータ取付
用ナットの回り止め構造は、スピニングリールのロータ
をピニオンギアに取り付けるためにピニオンギアに螺合
される複数の外周角部を有するナットを回り止めするた
めの構造であって、リテーナと、ネジ部材と、少なくと
も3つのネジ固定部とを備えている。リテーナは、ナッ
トの複数の外周角部の少なくともいずれかを係止可能な
複数の内周角部を有しナットを回転不能に係止するため
のナット係止部と、ナット係止部と間隔を隔ててロータ
の前面と対向する位置に形成されたネジ挿通部とを有し
ている。ネジ部材は、ネジ挿通部に挿通されてリテーナ
をロータの前面に固定するための部材である。ネジ固定
部は、ロータの前面にピニオンギアの軸芯回りに間隔を
隔てて形成されネジ部材をねじ込み可能なものである。
この3つのネジ固定部のうち中央に配置されたネジ固定
部とその両側に隣り合うネジ固定部とがなす第1中心角
が、ナット係止部の隣り合う内周角部の第2中心角と異
なる角度である。
【0008】この回り止め構造では、ロータをピニオン
ギアに装着した後にナットをピニオンギアに装着して締
め込んでロータをピニオンギアに固定する。このとき、
締め込んだ時のナットの回転位相が3つのネジ固定部の
うち中央のネジ固定部の許容範囲内に収まりかつ締め付
けトルクが許容範囲となるように考慮しながらナットを
締め込む。ナットを締め込むと、リテーナをナットに装
着する。このとき、ナットの回転位相が許容範囲に収ま
っていれば、リテーナのネジ挿通部から挿通したネジ部
材を中央のネジ固定部にねじ込むことができリテーナを
固定できる。しかし、ナットの回転位相が許容範囲から
ずれると、ネジ部材を中央のネジ固定部にねじ込むこと
ができない。そこでリテーナを別の位置に装着し直す。
すると、隣り合うネジ固定部とがなす第1中心角が、ナ
ット係止部の隣り合う内周角部の第2中心角と異なる角
度であるので、リテーナを装着し直すだけで、両隣のう
ちいずれかのネジ固定部の許容範囲内にナットとネジ固
定部とのずれが収まる確率が高くなる。このため、リテ
ーナを外してナットを締め直す頻度が低くなり、締め込
んだナットの回転位相が許容以上にずれても、ナットへ
のリテーナの装着作業を容易に行えるようになる。
【0009】発明2に係るロータ取付用ナットの回り止
め構造は、発明1に記載の構造において、第1中心角は
第2中心角と異なりかつ第2中心角±5の範囲の角度で
ある。この場合には、回転位相を考慮してナットを締め
込むと、中央のネジ固定部に対して±5度程度の範囲に
ナットの回転位相を収めることは容易である。このため
両隣のネジ固定部でのガタや隙間等により生じる許容範
囲を考慮すれば中央のネジ固定部にナットの回転位相が
合わなくても、その両隣のいずれかのネジ固定部にナッ
トの回転位相が合う確率がさらに高くなる。このため、
リテーナを装着し直すだけでナットを回り止めできる確
率がさらに高くなり、ナットへのリテーナの装着作業を
さらに容易にできるようになる。
【0010】発明3に係るロータ取付用ナットの回り止
め構造は、発明1又は2に記載の構造において、ナット
は六角ナットである。この場合には、市販されている六
角ナットでロータを取り付けできるので、コストを低減
できる。発明4に係るロータ取付用ナットの回り止め構
造は、発明3に記載の構造において、第2中心角は60
度であり、第1中心角は60度を除いた55度から65
度の範囲である。この場合には、リテーナのナット係止
部の形状が六角形状で簡素になり、リテーナの形成が容
易である。
【0011】発明5に係るロータ取付用ナットの回り止
め構造は、発明3に記載の構造において、第2中心角は
30度であり、第1中心角は30度を除いた25度から
35度の範囲の角度である。この場合には、30度毎に
回転位相を合わせればリテーナを固定できるので、リテ
ーナを固定できる位相が増加し、回転位相を考慮してナ
ットを締め込む作業が楽になる。
【0012】発明6に係るロータ取付用ナットの回り止
め構造は、発明1から5のいずれかに記載の構造におい
て、ネジ固定部は、線対称の位置に形成されている。こ
の場合には、ネジ固定部が線対称の位置に配置されてい
るので、ネジ固定部を形成するための加工が容易であ
る。発明7に係るロータ取付用ナットの回り止め構造
は、発明1から6のいずれかに記載の構造において、ナ
ット係止部はその一部が切り欠かれている。この場合に
は、ナット係止部の一部が切り欠かれているので、ナッ
ト係止部の加工が容易になるとともに、リテーナの大き
さが小さくなり狭いスペースにもリテーナを装着でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に示す本発明の一実施形態を
採用したスピニングリールは、レバーブレーキ型のスピ
ニングリールであり、ハンドル1及びブレーキレバー3
0が装着されたリール本体2と、リール本体2の前部に
回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配
置され釣り糸を巻き取るスプール4とを備えている。
【0014】リール本体2は、図1に示すように、釣り
竿に装着される竿装着部2aと、竿装着部2aと一体で
形成されたリールボディ2bとを有している。竿装着部
2aは、釣り竿に沿って配置される竿取付部2cと、釣
り竿から離反する方向に竿取付部2cから延びる脚部2
dとを有している。リールボディ2bは、図2に示すよ
うに、内部に形成された機構収納空間14を有してい
る。リールボディ2bの内部の機構収納空間14には、
ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、ロー
タ3を制動するためのレバーブレーキ機構6の一部と、
スプール4を回転軸芯Xに沿って前後方向に移動させて
スプール4に釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーテ
ィング機構7とが設けられている。
【0015】ロータ3は合成樹脂製であり、リール本体
2に回転自在に支持されている。ロータ3は、図2に示
すように、円筒部3aと、円筒部3aの側方に互いに対
向して設けられた第1アーム部3b及び第2アーム部3
cとを有している。円筒部3aの前壁3dの中央部には
貫通孔3eを有するボス部3fが形成されている。この
貫通孔3eにスプール軸8及びピニオンギア12(後
述)が貫通している。貫通孔3eは略矩形形状であり、
この貫通孔3eにピニオンギア12が回転不能に係止さ
れる。第1アーム部3bの先端と第2アーム部3cの先
端部との間には、揺動自在にベールアーム9(図1)が
設けられている。
【0016】スプール4は合成樹脂製であり、ロータ3
の第1アーム部3bと第2アーム部3cとの間に配置さ
れている。スプール4はスプール軸8の先端に着脱自在
かつ回転不能に装着されている。スプール4は、外周に
釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの
後部に一体成形されたスカート部4bと、糸巻き胴部4
aの前端に固定されたフランジ部4cとを有している。
スプール軸8は、オシレーティング機構7により前後方
向に移動可能である。
【0017】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定さ
れたハンドル軸10とともに回転するフェースギア11
と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12
とを有している。ハンドル軸10は、リール本体2に回
転自在に支持されている。ピニオンギア12は筒状に形
成されており、その前部12aはロータ3の貫通孔3e
を貫通してスプール4側に延びている。ピニオンギア1
2は、中間部及び後部をそれぞれ軸受25,26により
リールボディ2bに支持されている。
【0018】ピニオンギア12の前部12aには、図2
及び図3に示すように、ロータ3を回転不能に締結する
ための雄ネジ部12b及び貫通孔3eに係合する面取り
部12cが形成されている。雄ネジ部12bには、六角
形状のナット15が螺合しており、ナット15により押
圧されたロータ3のボス部3fがピニオンギア12に回
転不能に装着される。ナット15には、緩み止めのため
の回り止め構造19が設けられている。
【0019】回り止め構造19は、ナット15に装着さ
れるリテーナ16と、リテーナ16をロータ3の前壁3
dに固定するための小ネジ17と、小ネジ17がねじ込
まれる6つのネジ固定部18a〜18fとを備えてい
る。リテーナ16は、図3及び図4に示すように、一端
に形成された大径部16aと他端に形成された小径部1
6bとを有する略雨滴状の薄板金属製の部材である。大
径部16aには、ナット15の外周角部を回転不能に係
止可能な5つの内周角部16dを有するナット係止部1
6cが形成されている。ナット係止部16cは、図3下
側が切り欠かれた六角孔状である。したがって、ナット
係止部16cの内周角部16dは、60度毎にナット1
5の6つの外周角部のうち5つを係止可能であり、各内
周角部16dと隣り合う内周角部とがなす第2中心角β
(図4)は60度である。
【0020】小径部16bには、ナット係止部16cと
間隔を隔ててロータの先端面と対向する位置に形成され
たネジ挿通孔16eが形成されている。ネジ挿通孔16
eには、リテーナ16をロータの先端面に固定するため
の小ネジ17が挿通可能である。小ネジ17は、たとえ
ば丸頭ネジであり、ロータ3の前壁3dにロータ3と同
芯の円弧上に間隔を隔てて形成された雌ネジ穴からなる
6つのネジ固定部18a〜18fのいずれかにねじ込ま
れる。
【0021】ここで、小ネジ17の直径はネジ挿通孔1
6eの直径より小さい。このため、小ネジ17をネジ固
定部18a〜18fのいずれかにねじ込むと、小ネジ1
7とネジ固定部18a〜18fとの間には僅かな隙間か
生じる。また、リテーナ16のナット係止部16cとナ
ット15の外周面との間には僅かなガタがある。これら
の隙間やガタがあるため、リテーナ16はナット15に
対して1〜2度程度のがたつきを持って装着される。し
たがって、リテーナ16によりナット15を回り止めす
るとき、ナット15の回転位相に対してリテーナ16は
1〜2度程度の許容範囲を持っている。つまり、ナット
15の回転位相がネジ固定部18a〜18fに対して1
〜2度程度ずれても、リテーナ16のネジ挿通孔16e
に小ネジ17を挿通すれば、小ネジをネジ固定部18a
〜18fにねじ込むことができ、リテーナ16をロータ
3に固定できる。
【0022】ネジ固定部18a〜18fは、図4の上下
に分かれた2組のネジ固定部18a〜18c,18d〜
18fに分けられる。ここで一方の組のネジ固定部は、
他方の組に対して回転バランスを維持するために設けら
れたダミーである。各組の中央のネジ固定部18b,1
8eとその両側に隣り合うネジ固定部18a,18c、
18d,18fとがなす第1中心角αは、前述した内周
角部16dの第2中心角β(たとえば60度)と相異さ
せてあり、この実施形態では、たとえは64度である。
この第1中心角αは、第2中心角βに対して±5度の範
囲にあるのが好ましい。これは、第2中心角βに対して
±5度の範囲に第1中心角αを設定すると、回転位相を
考えながらナット15を締め込んでいけば、締め込まれ
たナット15の回転位相が±5度の範囲内に位置する確
率が高いからである。そしてリテーナ16がナット15
の回転位相に対して1〜2度程度の許容範囲を持ってい
るので、この許容範囲も考慮すれば、この範囲にネジ固
定部18a〜18fを位置させると、ネジ挿通孔16e
がいずれかのネジ固定部18a〜18fに合致する確率
が高くなるのである。
【0023】なお、ナット係止部16cの内周角部16
dの一つは、ナット係止部16cの中心とネジ挿通孔1
6eとを結ぶ直線上に位置している。このため、ナット
15を締め込む際には、図4(a)に示すように、3つ
のネジ固定部18a〜18cのうち、中央のネジ固定部
18bの近傍にナット15の外周角部が向くように回転
位相を考えながら締め込めばよい。
【0024】このような、第2中心角βと異なる第1中
心角αのネジ固定部18a〜18fを設けることで、回
転位相を考慮しながらナット15を締め込んだとき、回
転位相がずれても、リテーナ16を装着し直すだけで、
小ネジ17をネジ固定部18a〜18fのいずれかにね
じ込み可能な確率が高くなる。たとえば、締め付けトル
クと回転位相とを考慮して、図4(a)に示すように回
転位相が角度γ(たとえば5度)だけネジ固定部18b
から図4(a)右側にずれた状態でナット15が締め付
けを完了したとする。この場合、リテーナ16をネジ固
定部18aに向けて装着すると、許容範囲を考慮しても
ネジ挿通孔16eが小ネジ17をねじ込み可能な範囲で
ネジ固定部18bに対向しない。しかし、リテーナ16
を図4(b)に示すようにネジ固定部18cに向けて装
着すれば、許容範囲を考慮すればネジ挿通孔16eがネ
ジ固定部18cに対向し小ネジ17をネジ固定部18c
にねじ込むことができる。したがって、リテーナ16を
外してナット15を再度締め付け直すことなくリテーナ
16をロータ3に固定でき、ナット15の回転位相がず
れてもナット15の回り止めを容易に行える。しかも、
ナット15を締め直す必要がないので、締め付けトルク
の変動を抑えることもできる。
【0025】レバーブレーキ機構6は、図1に示すよう
に、ロータ3の円筒部3aの内部に配置された制動部2
0と、制動部20を制動状態に保持するための制動保持
部21とを有している。制動部20は、図2に示すよう
に、リールボディ2bに揺動自在に支持されたブレーキ
レバー30と、ブレーキレバー30により制動される制
動部本体31と、制動部本体31をロータ3の糸繰り出
し方向の回転にのみ連動して回転させるワンウェイクラ
ッチ32とを有している。
【0026】ブレーキレバー30は、図1に示すよう
に、リールボディ2bと竿装着部2aとの境界部分にお
いてリールボディ2bに揺動軸33により揺動自在に支
持されており、かつコイルばね34により図1反時計回
りに付勢されている。ブレーキレバー30は、揺動軸3
3から湾曲して竿取付部2cに沿って延びる操作レバー
部30aと、揺動軸33から湾曲して斜め下方に延びる
制動作用部30bと、操作レバー部30aの途中から前
方に延びるカバー部30cとを有している。カバー部3
0cは、合成樹脂製であり、その先端は、ベールアーム
9より先端側に延びている。ブレーキレバー30の操作
レバー部30aと制動作用部30bとはそれぞれ金属製
である。制動作用部30bの先端には、圧接部30dが
着脱自在に装着されている。圧接部30dは合成樹脂製
であり、ブレーキレバー30の揺動により制動部本体3
1を押圧する。
【0027】制動部本体31は、図2に示すように、ロ
ータ3の内周側にロータ3と同芯に配置された制動円筒
40と、制動円筒40を傾動自在かつ回転不能に支持す
る回転円筒41と、リールボディ2bに設けられたドラ
ム部42とを有している。制動円筒40は薄肉の有底円
筒形状の金属製円筒であり、その周部の先端の摺接部4
0aがドラム部42とブレーキレバー30の圧接部30
dとの間に配置される。
【0028】回転円筒41は、大径部41aと小径部4
1bとを有する段付きの金属製円筒部材であり、大径部
41aに制動円筒40の内周部に噛み合う外歯部41c
が形成されている。この外歯部41cにワンウェイクラ
ッチ32及び制動円筒40が回転不能に係止されてい
る。大径部41aの内側には、ピニオンギア12との間
に軸受43が配置されている。小径部の外側にはリール
ボディ2bとの間に軸受44が配置されている。このた
め、回転円筒41は、前部が軸受43によりピニオンギ
ア12に回転自在に支持され、後部が軸受44によりリ
ールボディ2bに回転自在に支持されている。また、回
転円筒41は、ワンウェイクラッチ32によりロータ3
の糸繰り出し方向の回転には一体で回転し、巻き取り時
にはロータ3の回転力が作用しないようにロータ3に連
結されている。
【0029】制動円筒40とワンウェイクラッチ32と
の間には傾動した制動円筒40を元の姿勢に戻すための
円錐コイルばね45が配置されている。また、制動円筒
40と軸受44との間には制動円筒40を位置決めする
ためのフランジ46が嵌め込まれている。ドラム部42
は制動円筒40を外側から覆うようにリールボディ2b
と一体で形成された円筒形状の部材である。ドラム部4
2のブレーキレバー30の圧接部30dに対向する位置
には、ブレーキライナー42aが装着されている。
【0030】ワンウェイクラッチ32は外輪遊転型のも
のであり、ロータ3の円筒部3aの内周面に回転不能に
外輪が連結され、内輪が回転円筒41に回転不能に連結
されている。制動保持部21は、保持位置と解除位置と
に揺動自在なレバー部51と、レバー部51の揺動によ
り進退する操作軸52と、レバー部51を2つの位置で
保持するためのトグルばね機構53とを有している。操
作軸52は押圧ばね54により前進側に付勢されてお
り、リールボディ2bとの係合によりレバー51が保持
位置に揺動すると前進し解除位置に揺動すると後退す
る。
【0031】〔ロータの組み付け手順〕ロータ3をピニ
オンギア12に組み込む際には、制動部20をリール本
体2に予め装着する。制動部20がリール本体に装着さ
れた状態で、ロータ3の円筒部3aをピニオンギア12
の前部12aに装着する。すると、ピニオンギア12の
前部12aに形成された面取り部12cにより、ロータ
3はピニオンギア12に回転不能に装着される。続い
て、ナット15をピニオンギア12の雄ネジ部12bに
ねじ込み、ロータ3をピニオンギア12に締結する。こ
のナット15装着時に、締め付けトルクと回転位相とを
考慮してナット15をピニオンギア12に締め込む。具
体的には、図4(a)に示すように、ナット15の外周
角部のいずれかがネジ固定部18bを向くようにする。
【0032】ナット15を装着すると、ナット15にリ
テーナ16を装着する。このとき、リテーナのネジ挿通
孔16eがネジ固定部18bの近傍に配置されるように
装着する。そこで、図4(a)に示すようにナット15
の回転位相が小ネジ17をねじ込みできない程度にずれ
ている場合には、リテーナ16をネジ固定部18a又は
ネジ固定部18cに向けて再度装着する。具体的には、
図4(b)に示すように、ナット15の外周角部が向い
ている方向のネジ固定部18cに向けてリテーナ16を
装着し直す。これにより、ネジ挿通孔16eがネジ固定
部18a,18cのいずれかに対向することが多い。
【0033】いずれかのネジ固定部にネジ挿通孔16e
を位置させると、小ネジ17をネジ挿通孔16eに挿通
し、ドライバで小ネジ17を締め込む。この結果、ナッ
ト15を再度締め付け直すことなくナット15を回り止
めできる。ここでは、ネジ固定部18a〜18fの第1
中心角αを、ナット係止部16cの内周角部16dの第
2中心角βと許容範囲を考慮して相異させたため、ナッ
ト15を回転位相と締め付けトルクとを考慮して締め付
ければ、ナット15を締め付け直すことなく、リテーナ
16をロータ3に固定しやすい。このため、ナット15
の回転位相がずれてもリテーナ16の装着作業を容易に
行える。
【0034】〔リールの操作及び動作〕キャスティング
時には、ベールアーム9を糸開放姿勢側に倒し釣り竿を
振り出すことにより、スプール4の外周から釣り糸が繰
り出される。釣り糸巻き上げ時には、ハンドル1を糸巻
き取り方向に回転させると、ベールアーム9が図示しな
い戻し機構により糸巻き取り姿勢に戻る。ハンドルの回
転力は、ハンドル軸10、フェースギア11を介してピ
ニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達
された回転力は、ピニオンギアの前部12aを介してロ
ータ3に伝達される。このときロータ3は、糸巻き取り
方向に回転するので、この回転力は回転円筒41には伝
達されない。ピニオンギア12が回転すると図示しない
中間ギアによりその回転がオシレーティング機構7に伝
達され、スプール軸8が前後方向に往復移動する。
【0035】ロータ3を逆転させて魚とやりとりすると
きには、レバー部51を解除位置に揺動させる。これに
より、操作軸52が後退する。そしてブレーキレバー3
0がコイルばね34により制動解除位置まで揺動する。
この状態でブレーキレバー30を操作し魚とのやりとり
を行う。釣り糸が魚により引かれてロータ3が糸繰り出
し方向に逆転すると、前述したようにその回転力がワン
ウェイクラッチ32を介して回転円筒41に伝達され、
さらに制動円筒40に伝達される。この結果、制動円筒
40がロータ3と一体で回転する。
【0036】そして、釣り竿を持つ手の中指と薬指との
間で脚部2dを挟んでをブレーキレバー30の操作レバ
ー部30aを釣り竿を握る握持動作によって中指で握っ
てブレーキレバー30を図1の時計方向に揺動させる
と、ブレーキレバー30の圧接部30dが制動円筒40
の摺接部40aを径方向外方に押圧し、制動円筒40を
図2に二点鎖線で示す位置に傾け、摺接部40aの外面
がブレーキライナー42bに圧接する。この結果、逆転
するロータ3に制動力が作用する。この制動力は、ブレ
ーキレバー30に加える力を加減することで調整でき、
ロータ3の逆転量を任意に調整できる。この調整時に、
中指で操作レバー部30aを細かく操作できるので、制
動力を微妙に調整することができる。
【0037】このような巻取時や糸繰り出し時にロータ
が回転すると、振動や回転によりナット15が緩みやす
い。また、ナット15の締め付けトルクが変動すると、
ロータの回転が重くなったり、がたが生じたりしやす
い。しかし、本実施形態では、所定範囲のトルクでナッ
ト15を締め付けたときにナット15のいずれかの外周
角部がネジ固定部18a〜18fのいずれかの近傍に位
置していれば、ナット15を回り止めできる。このた
め、ナット15の締め付けトルクを変動しにくくするこ
とができ、ロータ3の回転が軽くなり、かつロータ3の
がたつきが生じにくくなる。
【0038】釣り場を移動するときやリールを収納する
ときには、レバー部51を保持位置側に揺動させる。こ
の結果、操作軸52が前進し、ブレーキレバー30が制
動位置に揺動する。ブレーキレバー30が制動位置にな
ると、制動時と同様にして制動円筒40が制動される。
この結果、釣り糸が仕掛けの自重等により繰り出される
ことはない。
【0039】〔他の実施形態〕 (a) 図5に示すように、リテーナ16のナット係止
部16cの形状を30度位相をずらせて2つの六角形を
配置したような星形の形状にしてもよい。この場合、内
周角部16dの第2中心角βは30度になる。このた
め、ネジ固定部18a〜18cの第1中心角αは、たと
えば33度である。このように、リテーナ16を構成す
ると、ナット15をピニオンギア12に締め込む際に、
ナット15の外周角部だけではなく、外周角部と外周角
部との中間部をネジ固定部18bに向けても、ネジ挿通
孔16eがネジ固定部18bの近傍に配置される。した
がって、ナット15の回転位相を30度毎にネジ固定部
18bに合わせることができる。このため、リテーナ1
6の装着作業がさらに容易になり、ナット15の回り止
めをさらに容易に行える。また,締め付けトルクの変動
をさらに抑えることができる。
【0040】(b) 前記実施形態では、ネジ固定部1
8a〜18fを雌ネジ穴で構成したが、小ネジ17がタ
ッピング可能なタッピングビスの場合には、丸穴で構成
してもよい。 (c) 前記実施形態では、中央のネジ固定部に対して
両隣のネジ固定部を同じ値の第1中心角αで形成した
が、異なる値の第1中心角αで形成してもよい。また、
ネジ固定部の数は3以上であればどのような数でもよ
い。
【0041】(d) 前記実施形態では、六角形状のナ
ットを回り止めしているが、本発明の回り止め構造が適
用されるナットの形状はこれに限定されるものではな
く、平行な面取り部を有するナットなどの外周角部を有
する全ての形状のナットを回り止めする構造に適用でき
る。 (e) 前記実施形態ではリテーナ16のナット係止部
16cの一部を切り欠いたが、切り欠かなくてもよい。
また、リテーナ16を薄板金属製にしたが、合成樹脂等
の金属以外の材質でもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、隣り合うネジ固定部と
がなす第1中心角が、ナット係止部の隣り合う内周角部
の第2中心角と異なる角度であるので、リテーナを装着
し直すだけで、両隣のうちいずれかのネジ固定部の許容
範囲内にナットとネジ固定部とのずれが収まる確率が高
くなる。このため、リテーナを外してナットを締め直す
頻度が低くなり、締め込んだナットの回転位相が許容以
上にずれても、ナットへのリテーナの装着作業を容易に
行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの側面断面図。
【図2】その要部断面拡大図。
【図3】ロータの正面部分図。
【図4】回り止め構造の正面拡大図。
【図5】他の実施形態の図4に相当する図。
【符号の説明】
3 ロータ 3d 前壁 12 ピニオンギア 15 ナット 16 リテーナ 16c ナット係止部 16d 内周角部 16e ネジ挿通部 17 小ネジ 18 ネジ固定部 19 回り止め構造 α 第1中心角 β 第2中心角

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピニングリールのロータをピニオンギア
    に取り付けるために前記ピニオンギアに螺合される複数
    の外周角部を有するナットを回り止めするためのロータ
    取付用ナットの回り止め構造であって、 前記ナットの複数の外周角部の少なくともいずれかを係
    止可能な複数の内周角部を有し前記ナットを回転不能に
    係止するためのナット係止部と、前記ナット係止部と間
    隔を隔てて前記ロータの前面と対向する位置に形成され
    たネジ挿通部とを有するリテーナと、 前記ネジ挿通部に挿通されて前記リテーナを前記ロータ
    の前面に固定するためのネジ部材と、 前記ロータの前面に前記ピニオンギアの軸芯回りに間隔
    を隔てて形成され前記ネジ部材をねじ込み可能な少なく
    とも3つのネジ固定部とを備え、 前記3つのネジ固定部のうち中央に配置されたネジ固定
    部とその両側に隣り合うネジ固定部とがなす第1中心角
    が、前記ナット係止部の隣り合う内周角部の第2中心角
    と異なる角度である、ロータ取付用ナットの回り止め構
    造。
  2. 【請求項2】前記第1中心角は前記第2中心角と異なり
    かつ第2中心角±5度の範囲である、請求項1に記載の
    ロータ取付用ナットの回り止め構造。
  3. 【請求項3】前記ナットは六角ナットである、請求項1
    又は2に記載のロータ取付用ナットの回り止め構造。
  4. 【請求項4】前記第2中心角は60度であり、前記第1
    中心角は60度を除いた55度から65度の範囲であ
    る、請求項3に記載のロータ取付用ナットの回り止め構
    造。
  5. 【請求項5】前記第2中心角は30度であり、前記第1
    中心角は30度を除いた25度から35度の範囲の角度
    である、請求項3に記載のロータ取付用ナットの回り止
    め構造。
  6. 【請求項6】前記ネジ固定部は、線対称の位置に形成さ
    れている、請求項1から5のいずれかに記載のロータ取
    付用ナットの回り止め構造。
  7. 【請求項7】前記ナット係止部はその一部が切り欠かれ
    ている、請求項1から6のいずれかに記載のロータ取付
    用ナットの回り止め構造。
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