JP2000265001A - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物Info
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Abstract
ック性及び寸法安定性に極めて優れたポリブチレンテレ
フタレート樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリブチレンテレフタレート樹脂に
対し、(B) ゴム状のコアをガラス状の樹脂が包含した多
層構造からなるコアシェル型化合物1〜30重量%(全組
成物中)と(C) 断面が長手形状である非円形断面を有す
る繊維状充填材5〜50重量%(全組成物中)を配合す
る。
Description
フタレート樹脂組成物に関するものである。詳しくは、
耐ヒートショック性及び寸法安定性に優れた、自動車部
品、電気・電子部品等に用いて有用なポリブチレンテレ
フタレート樹脂組成物に関するものである。
チレンテレフタレート樹脂は機械的性質、電気的性質、
その他物理的、化学的性質に優れ、かつ、加工性が良好
であるがゆえにエンジニアリングプラスチックとして自
動車、電気・電子部品等の広範な用途に使用されてい
る。これらの部品の中にはその機能・機構の点から、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂でケースを作成し、部品
を内部に搭載し、その後エポキシ樹脂あるいはシリコン
樹脂のような熱硬化性樹脂にて封止して製造されるもの
や、インサート成形が必要となるものが数多く存在す
る。インサート成形法は、樹脂の特性と金属または無機
固体(以下、金属等と略記する)の素材の特性を生かし
て使用するため、金属等を樹脂に埋め込む成形法であ
り、今では一般的な成形法の一つとなっている。しかし
ながら、ポリブチレンテレフタレート樹脂と熱硬化性樹
脂、あるいは金属等では温度変化による膨張や収縮率
(いわゆる線膨張係数)が極端に異なることから、成形
品の樹脂部が肉薄であったり、肉厚の変化の大きい部分
があるもの及び成形品がシャープコーナーを有していた
りするものは、成形直後に割れたり、使用中の温度変化
で割れたりするトラブルが多い。このため、用途や成形
品の形状等がかなり制限されたものとなっているのが現
状である。更にこれらの部品は、年々構造が複雑になっ
て来ており、樹脂のそり変形が大きいと部品の嵌合、組
み付け、気密性の保持等に支障をきたす場合があるた
め、耐ヒートショック性の更なる改善と、高度な寸法安
定性を有した材料が強く求められるようになってきた。
耐ヒートショック性に優れた樹脂組成物としては、特公
平5−25260号公報、特開平8−183896号公
報に記載されているように熱可塑性ポリエステル樹脂に
対し特定のアクリル系ゴムを配合したものが提案されて
いるが、当該組成物は耐ヒートショック特性並びに寸法
安定性が十分ではなく、自動車部品等への応用に際し、
更なる改善が求められていた。
に鑑み、耐ヒートショック性及び寸法安定性に優れた樹
脂組成物を得るべく鋭意検討した。その結果、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂を主体とし、これに特定の共重
合体及び特定の繊維状無機充填材、さらにポリエチレン
テレフタレート樹脂を配合した組成物は、熱安定性がよ
く、ポリエステルの押出、成形温度では分解ガスあるい
は蒸発ガスがほとんど出ない上に、機械的物性の大きな
低下なしに耐ヒートショック性及び寸法安定性に極めて
優れていることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、(A) ポリブチレンテレフタレート樹脂に
対し(B) ゴム状のコアをガラス状の樹脂が包含した多層
構造からなるコアシェル型化合物1〜30重量%(全組成
物中)、(C) 断面が長手形状である非円形断面を有する
繊維状充填剤5〜50重量%(全組成物中)、を配合して
なるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関するも
のである。
成成分について詳しく説明する。まず本発明の樹脂組成
物の基礎樹脂である(A) ポリブチレンテレフタレート樹
脂(PBT樹脂)とは、少なくともテレフタル酸または
そのエステル形成誘導体(低級アルコールエステルな
ど)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素数4の
アルキレングリコール(1,4 −ブタンジオール)又はそ
のエステル形成誘導体を含むグリコール成分とを重縮合
して得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂であ
る。PBT樹脂はホモPBT樹脂に限らず、ブチレンテ
レフタレート単位を60モル%以上(特に75〜95モル%程
度)含有する共重合体(共重合PBT樹脂)であっても
よい。共重合PBT樹脂において、テレフタル酸及びそ
のエステル形成誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノ
マー成分)としては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分
(イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸などの、C6〜C12 アリ
ールジカルボン酸など)、脂肪族ジカルボン酸成分(コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの
C4〜C16 アルキルジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸などのC5〜C10 シクロアルキルジカルボン酸な
ど)、またはそれらのエステル形成誘導体などが例示で
きる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以
上組み合わせて使用できる。好ましいジカルボン酸成分
(コモノマー成分)には、芳香族ジカルボン酸成分(特
にイソフタル酸などのC6〜C10 アリールジカルボン
酸)、脂肪族ジカルボン酸成分(特にアジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸などのC6〜C12 アルキルジカルボ
ン酸)が含まれる。1,4 −ブタンジオール以外のグリコ
ール成分(コモノマー成分)としては、例えば、脂肪族
ジオール成分〔例えば、アルキレングリコール(エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、1,3 −ブチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,3 −オクタン
ジオールなどのC2〜C10 アルキレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコールなどのポリオキシC2〜C4アルキレングリコ
ールなど)、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビス
フェノールAなどの脂環式ジオールなど〕、芳香族ジオ
ール成分〔ビスフェノールA、4,4 −ジヒドロキシビフ
ェニルなどの芳香族アルコール、ビスフェノールAのC2
〜C4アルキレンオキサイド付加体(例えば、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド3モル付加体など)な
ど〕、またはそれらのエステル形成誘導体などが挙げら
れる。これらのグリコール成分も単独でまたは2種以上
組み合わせて使用できる。好ましいグリコール成分(コ
モノマー成分)には、脂肪族ジオール成分(特に、C2〜
C6アルキレングリコール、ジエチレングリコールなどの
ポリオキシC2〜C3アルキレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環式ジオール)が含まれる。前
記化合物をモノマー成分とする重縮合により生成するホ
モPBT樹脂又は共重合PBT樹脂は、いずれも本発明
の(A) 成分として使用できる。ホモPBT樹脂及び共重
合PBT樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上混合し
て使用できる。また未変性PBT樹脂(ホモPBT樹
脂)と共重合PBT樹脂との併用も有用である。PBT
樹脂としては、共重合PBT樹脂の範疇に属する熱可塑
性分岐PBT樹脂も使用できる。いわゆるポリブチレン
テレフタレート又はブチレンテレフタレート単量体を主
体とし、多官能性化合物との反応により分岐構造を有す
るポリエステル樹脂である。多官能性化合物としては、
芳香族多価カルボン酸成分(トリメシン酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸およびこれらのアルコールエステ
ルなど)、ポリオール成分(グリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールなど)が例示できる。
シェル型化合物について説明する。(B) 成分は多層構造
からなり、好ましくは平均粒径1.0 μm以下のゴム層を
ガラス状の樹脂が包含したコアシェル型化合物である。
本発明には、コアシェル型化合物のゴム層は、平均粒径
1.0 μm以下のものが使用でき、好ましい範囲は0.2〜
0.6 μmである。平均粒径が1.0 μmを越えると耐ヒー
トショック性の改善効果が不十分な場合がある。かかる
コアシェル型化合物の、ゴム層としてはアクリル系、ジ
エン系、珪素系エラストマー単独または、この中から選
ばれる2種以上のエラストマー成分系を共重合/グラフ
ト重合させたものを用いることができる。アクリル系ゴ
ムとしては、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エ
ステルと少量のブチレンジアクリレートのような架橋性
モノマーを重合させて得られる。上記アクリル酸エステ
ルとしては、ブチルアクリレートの他に、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
トが挙げられる。また、架橋性モノマーとしては、ブチ
レンジアクリレートの他に、ブチレンジメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタアクリレート、ブチレングリコールジアク
リレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、オ
リゴエチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールプロパンジアクリレート、
トリメチロールプロパンジメタアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタアクリレートのようなビニル化
合物、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジ
アリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタニ
レート、モノアリルマレート、モノアリルフマレート、
トリアリルシアヌレートのようなアリル化合物が挙げら
れる。ジエン系ゴムとは、例としてブタジエン単量体を
重合して得られるポリブタジエンが挙げられる。珪素系
エラストマーとしては、オルガノシロキサン単量体を重
合させて製造されるもので、オルガノシロキサンとして
は、例えばヘキサメチルトリシクロシロキサン、オクタ
メチルシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロ
キサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン、トリメ
チルトリフェニルシロキサン、テトラメチルフェニルシ
クロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシ
ロキサン等が用いられる。
で形成されるシェル層は、ビニル系共重合体で形成され
る。ビニル系共重合体とは、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体、メタクリル酸エステル系単量体、及
びアクリル酸エステル単量体の中から選ばれた少なくと
も1種の単量体を重合あるいは、共重合させて得られ
る。かかるコアシェル型化合物のゴム層とシェル層は、
通常グラフト結合によって結合されている。このグラフ
ト共重合化は、必要な場合には、ゴム層の重合時にシェ
ル層と反応するグラフト交差剤を添加し、ゴム層に反応
基を与えた後、シェル層を形成させることによって得ら
れる。グラフト交差剤としては、シリコン系ゴムでは、
ビニル結合を有したオルガノシロキサンあるいは、チオ
ールを有したオルガノシロキサンが用いられ、好ましく
はアクロキシシロキサン、メタクリロキシシロキサン、
ビニルシロキサンが使用される。(B) 成分は、1〜30重
量%(全組成物中)の範囲で配合される。(B) 成分が少
なすぎると本発明の目的とする耐ヒートショック性の改
良効果が得られず、多すぎると熱変形温度の低下を生じ
且つ剛性等の機械的性質を阻害するため好ましくない。
が長手形状である非円形断面を有する繊維状充填剤は、
成形品の成形収縮率及び線膨張係数を低下させることに
より、耐ヒートショック性、寸法安定性を向上させるた
めに必須とされる成分である。この断面が長手形状を有
する非円形断面である繊維状充填剤としては、図1〜図
3に示すような長円形、楕円形、繭形等の断面のものが
使用される。これらの断面の細長比(図1〜図3のa:
b)は 1.5:1〜6:1に選定され、好ましくは 2.5:
1〜4:1に選定される。この細長比が 1.5より小さい
と、即ち円形に近づくと断面を扁平にした効果が少なく
なり、逆に6よりも大きくすると繊維が扁平になりすぎ
割れやすくなって強度が低下する。かかる繊維状充填剤
としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊
維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊
維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸
カリ繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、
銅、真鍮等の金属繊維状物質が挙げられる。特に代表的
な繊維状充填剤は、ガラス繊維またはカーボン繊維であ
る。これらの充填剤の使用に当たっては、必要ならば収
束剤又は表面処理剤を使用することが望ましい。無機充
填材(C) の使用量は、全組成物中5〜50重量%、好まし
くは15〜35重量%である。使用量が過小であると耐ヒー
トショック性の向上効果が少なく、過大であると成形作
業が困難になる。
レート樹脂(PET樹脂)を添加することにより、耐ヒ
ートショック性、寸法安定性に優れたポリブチレンテレ
フタレート樹脂組成物を得ることが出来る。PET樹脂
は、少なくともテレフタル酸またはそのエステル形成誘
導体を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素数2の
アルキレングリコール(エチレングリコール)またはそ
のエステル形成誘導体を含むグリコール成分とを重縮合
反応して得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂で
あり、ホモPET樹脂に限らず、エチレンテレフタレー
ト単位を60モル%以上(特に75〜95モル%程度)含有す
る共重合体(共重合PET)樹脂であってよい。共重合
PET樹脂において、テレフタル酸及びそのエステル形
成誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)と
しては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分(イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸などのC6〜C12 アリールジカルボン
酸など)、脂肪族ジカルボン酸成分(コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC5〜C10 シクロ
アルキルジカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸(ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸な
ど)、またそれらのエステル形成誘導体などが例示でき
る。好ましいジカルボン酸成分(コモノマー成分)に
は、芳香族ジカルボン酸成分(特にイソフタル酸などの
C6〜C10 アリールジカルボン酸)、脂肪族ジカルボン酸
成分(特にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など
のC6〜C12 アルキルジカルボン酸が含まれる。エチレン
グリコール以外のグリコール成分(コモノマー成分)と
しては、脂肪族ジオール成分〔例えば、アルキレングリ
コール(プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,3 −ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,3 −オクタンジオー
ルなどのC3〜C10 アルキレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コールなどのポリオキシC2〜C4アルキレングリコールな
ど)、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノ
ールAなどの脂環式ジオールなど〕、芳香族ジオール成
分〔ビスフェノールA、4,4'−ジヒドロキシビフェニル
などの芳香族アルコール、ビスフェノールAのC2〜C4ア
ルキレンオキサイド付加体(例えば、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールA
のプロピレンオキサイド3モル付加体など)など〕、ま
たはそれらのエステル形成誘導体などが挙げられる。こ
れらのグリコール成分も単独でまたは2種以上組み合わ
せて使用できる。好ましいグリコール成分(コモノマー
成分)には、脂肪族ジオール成分(特にC3〜C6アルキレ
ングリコール、ジエチレングリコールなどのポリオキシ
C2〜C3アルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環式ジオール)が含まれる。ホモPET樹
脂及び共重合PET樹脂は、それぞれ単独でまたは2種
以上混合して使用できる。更に共重合PET樹脂のコモ
ノマーユニットは、芳香族ジカルボン酸残基(特に少な
くともC3〜C10 アルキレングリコール残基、ポリオキシ
C2〜C3アルキレングリコール残基)から選択された少な
くとも1種である。共重合PET樹脂には、イソフタル
酸共重合PET樹脂(イソフタル酸変性PET樹脂)な
どが含まれる。なお、PET樹脂としては、分岐PBT
樹脂と同様に、芳香族多価カルボン酸成分及び/または
ポリオール成分を用いて得られる分岐構造の熱可塑性P
ET樹脂も使用可能である。ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂(D) の使用量は、全組成物中1〜30重量%、好ま
しくは10〜20重量%である。使用量が過小であると耐ヒ
ートショック性、寸法安定性の向上効果が少なく、過大
であると成形サイクルの増大を招き好ましくない。
の目的に応じた所望の特性を付与するために、一般に熱
可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、
即ち酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、及び結晶
化促進剤、結晶核剤等を配合することが可能である。
の樹脂組成物調製法として一般に用いられる設備と方法
を用いて容易に調製できる。例えば、1)各成分を混合し
た後、1軸又は2軸の押出機により練り混み押出してペ
レットを調製し、しかる後成形する方法、2)一旦組成の
異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合し
て成形に供し成形後に目的組成の成形品を得る方法、3)
成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等、何
れも使用できる。また、樹脂成分の一部を細かい粉体と
して、これ以外の成分と混合して添加する方法は、これ
らの成分の均一配合を図る上で好ましい方法である。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、以下の例に示した物性評価の測定法は次の通りであ
る。 引張強伸度 ASTM D-638に準拠して測定を行った。 耐ヒートショック性 ペレットを用いて樹脂温度 260℃、金型温度65℃、射出
時間25秒、冷却時間10秒で、試験片成形用金型(縦22m
m、横22mm、高さ51mmの角柱内部に、縦18mm、横18mm、
高さ30mmの鉄芯をインサートする金型)に、一部の樹脂
部の最小肉厚が1mmとなるようにインサート射出成形
し、インサート成形品を製造した。得られたインサート
成形品について、冷熱衝撃試験機を用いて 140℃にて1
時間30分加熱後、−40℃に降温して1時間30分冷却後、
さらに 140℃に昇温する過程を1サイクルとする耐ヒー
トショック試験を行い、成形品にクラックが入るまでの
サイクル数を測定し、耐ヒートショック性を評価した。 そり変形量 ペレットを用いて、樹脂温度 270℃、金型温度65℃、射
出時間20秒、冷却時間10秒で、縦80mm、横80mm、厚み2
mmの平板を成形した。その後、三次元測定機マイクロコ
ードA121 ((株)ミツトヨ製)を使用して、そり変形
量を測定した。 成形収縮率 そり変形量を測定したものと同一の平板を使用し、3次
元測定機を使用して、流動方向、直角方向各々の寸法を
測定し、金型寸法との比を成形収縮率とした。
タレート(PBT)、(B) 成分としてコアシェル型化合
物、(C) 成分として断面が長手形状である非円形断面を
有するガラス繊維(CSH3PA860S:日東紡績製)とを表1
に示す割合で混合した混合物を調製し、30mmφ押出機を
用いて260 ℃で溶融混練して押出し、ペレット化した。
次いで射出成形により各種試験片を作成し、上記物性の
評価を行った。結果を表1に示す。尚、(B) 成分として
使用したコアシェル型化合物は以下のものである。 (B−1):アクリルゴム系コアシェル型化合物;パラ
ロイドEXL-2311 、呉羽化学製 (B−2):アクリルゴム系コアシェル型化合物;スタ
フィロイドPO-3267、武田薬品製 (B−3):シリコンゴム系コアシェル型化合物;メタ
ブレンS-2001 、三菱レイヨン製 実施例5〜6 実施例2の組成物に、更に(D) 成分としてポリエチレン
テレフタレート(ベルペットIFG8L:鐘紡製)を表
1に示す割合で混合した後、押出機を用いてペレット状
組成物を調製し、上記物性の評価を行った。結果を表1
に示す。 比較例1〜4 比較のため、表1に示すように、コアシェル型化合物を
配合しない場合(比較例1)、本発明のコアシェル型化
合物に代えてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)を用いた場合(比較例2)、本発明の非円形断面
を有するガラス繊維に代えて円形断面を有するガラス繊
維を用いた場合(比較例3〜4)について上記実施例と
同様にしてペレット状組成物を調製し、上記物性の評価
を行った。結果を表1に示す。
定のコアシェル型化合物及び、非円形断面を有する繊維
状充填剤、オレフィン系グラフト共重合体を添加するこ
とにより極めて耐ヒートショック性の良好なポリブチレ
ンテレフタレート組成物が得られることがわかる。
成形品は、極めて耐ヒートショック性に優れ、特に自動
車工業の分野、例えばイグニッションシステムやディス
トリビューターの部品等に好適に使用される。
る非円形断面を有する繊維状充填材の1例を示す図であ
る。
る非円形断面を有する繊維状充填材の別の1例を示す図
である。
る非円形断面を有する繊維状充填材の更に別の1例を示
す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】(A) ポリブチレンテレフタレート樹脂に対
し (B) ゴム状のコアをガラス状の樹脂が包含した多層構造
からなるコアシェル型化合物1〜30重量%(全組成物
中)、 (C) 断面が長手形状である非円形断面を有する繊維状充
填剤5〜50重量%(全組成物中)、を配合してなるポリ
ブチレンテレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項2】更に、(D) ポリエチレンテレフタレート樹
脂1〜30重量%(全組成物中)を含有するものである請
求項1記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項3】(B) コアシェル型化合物のゴム成分がアク
リル酸エステル系エラストマーであり、外層がビニル系
共重合体である請求項1又は2記載のポリブチレンテレ
フタレート樹脂組成物。 - 【請求項4】(B) コアシェル型化合物のゴム成分がポリ
オルガノシロキサン系エラストマーであり、外層がビニ
ル系共重合体である請求項1又は2記載のポリブチレン
テレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項5】(B) コアシェル型化合物のゴム成分がアク
リル酸エステル系エラストマー、ポリオルガノシロキサ
ン系エラストマーから選択される2種以上の化合物の混
合物からなる請求項1又は2記載のポリブチレンテレフ
タレート樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項記載の樹脂組成
物を成形してなる成形品。 - 【請求項7】請求項1〜5の何れか1項記載の樹脂組成
物と金属又は無機固体とをインサート成形してなるイン
サート成形品。
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---|---|---|---|
JP7156199A JP3847482B2 (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
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