JPH09262863A - インサート成形品 - Google Patents

インサート成形品

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JPH09262863A
JPH09262863A JP7371796A JP7371796A JPH09262863A JP H09262863 A JPH09262863 A JP H09262863A JP 7371796 A JP7371796 A JP 7371796A JP 7371796 A JP7371796 A JP 7371796A JP H09262863 A JPH09262863 A JP H09262863A
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JP
Japan
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insert
metal
molding
acid
mixture
Prior art date
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JP7371796A
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English (en)
Inventor
Kazuto Hanabusa
和人 花房
Kenji Hibi
賢治 日比
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高低温衝撃性が改良されたインサート成形品
を提供する。 【解決手段】 (A-1) 曲げ弾性率10000kgf/cm2以下の熱
可塑性ポリエステルエラストマー 100〜20重量%と(A-
2) 芳香族熱可塑性ポリエステル0〜80重量%からなる
ポリエステル(混合物)(A)100重量部に (B)充填剤5〜
200 重量部を配合した樹脂組成物と、金属等からなる部
品とをインサート成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の樹脂組成物
と、金属、無機固体又はそれらからなる部品とをインサ
ート成形してなるインサート成形品に関し、詳しくは高
低温衝撃性が改良されたインサート成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インサ
ート成形法は樹脂の特性と金属又は無機固体(以下、金
属等と略すことがある)の素材の特性を生かして使用す
るため、金属等を樹脂に埋め込む成形法であり、自動車
部品や電気電子部品、OA機器部品などの広い分野に応
用され、今では一般的な成形法の一つとなっている。し
かしながら、樹脂と金属等では温度変化による膨張や収
縮率(いわゆる線膨張係数)が極端に異なることから、
成形品の樹脂部が肉薄であったり、肉厚変化の大きい部
分があるもの及び金属等がシャープコーナーを有してい
たりするものは、成形直後に割れたり、使用中の温度変
化で割れたりするトラブルが多い。このため用途や成形
品の形状等かなり制限されたものとなっているのが現状
である。また、最近は、自動車分野でもエンジン回りの
樹脂化が進み、インサート成形品も重要な部品となって
きている。特にイグニッションシステムやディストリビ
ューターの部品ではアルミや銅、鉄、真鍮などの金属部
品とともに熱可塑性ポリエステル樹脂で包むインサート
成形品が検討されているが、このものはインサート部品
の構造が複雑なこと、樹脂の肉厚変化部分が多いことの
他に使用する場所がエンジン付近であるため高低温度変
化が大きい。従ってこれらのことからも最近では長期間
の高低温変化に耐え得る樹脂、即ち高低温衝撃特性の優
れた樹脂が強く求められるようになってきた。このよう
な用途に対しては、種々のオレフィン系コアシェルエラ
ストマー、オレフィン系エラストマー等を添加したポリ
エステル樹脂が提案され、ある程度の効果が認められて
いる。しかしながら、これらのエラストマーを添加した
材料は、目的とする高低温衝撃特性の改善に対しては有
効なものの充分ではなく、又、溶融時の粘度が上昇し、
射出成形性を悪化させるという欠点があった。特に、樹
脂によって包まれる部品が壊れやすい電子部品の場合、
成形時の圧力によって、致命的なダメージを受ける場合
があり、流動性、高低温衝撃特性ともに優れた樹脂が強
く求められるようになってきた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、流動性が良好で、高低温衝撃特性に優れた素材を
得るべく鋭意検討した。その結果、熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー、又は熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーと熱可塑性ポリエステルの混合物に無機充填剤を配合
した組成物は、流動性が良好で、高低温衝撃性(特に樹
脂が肉薄であったり、金属等がシャープコーナーを有し
ている場合)を著しく良好になし得ることを見い出し、
本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A-1) 曲げ
弾性率10000kgf/cm2以下の熱可塑性ポリエステルエラス
トマー 100〜20重量%と(A-2) 芳香族熱可塑性ポリエス
テル0〜80重量%からなるポリエステル(混合物)(A)1
00重量部に (B)繊維状充填剤、非繊維状無機充填剤又は
両者の混合物5〜200 重量部を配合した樹脂組成物と、
金属、無機固体又はそれらからなる部品とをインサート
成形して成るインサート成形品に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、順次本発明の樹脂材料の構
成成分について詳しく説明する。本発明に用いられる熱
可塑性ポリエステルエラストマー(A-1) は、柔軟成分単
位と芳香族ポリエステル単位とがエステル結合により結
合した構造を有する。この熱可塑性エラストマーは、柔
軟成分の種類によってポリエーテル型とポリエステル型
に分類できるが、その曲げ弾性率が10000kgf/cm2以下、
好ましくは7000kgf/cm2 以下であれば、何れも用いるこ
とができる。曲げ弾性率が10000kgf/cm2を越えては、充
分な高低温衝撃特性が得られなくなる。ポリエーテル型
とは、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、オ
キシアルキレングリコールの重合体とジカルボン酸から
なるポリエステルをソフトセグメントとするポリエステ
ルエラストマーである。ハードセグメント中の芳香族ポ
リエステル単位とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキ
シ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あ
るいはこれら三成分化合物の重縮合物である。ジカルボ
ン酸化合物の例を示せば、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタ
ンジカルボン酸のごとき公知のジカルボン酸及びこれら
のアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等である。
次にジヒドロキシ化合物の例を示せば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒ
ドロキシフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2 −
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ
化ビスフェノールAのごときジヒドロキシ化合物、ポリ
オキシアルキレングリコールおよびこれらのアルキル、
アルコキシ又はハロゲン置換体等であり、一種又は二種
以上を混合使用することができる。ソフトセグメントと
は、ポリアルキレンエーテルとジカルボン酸の重縮合に
よる化合物である。ジカルボン酸化合物の例を示せば、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸の如き公知の
ジカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハ
ロゲン置換体等である。次にポリアルキレンエーテルの
例を示せば、炭素鎖2〜4のポリオキシエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、及びポリオキシテト
ラメチレングリコールがあげられる。好ましいものとし
ては、テトラヒドロフランから誘導されるポリオキシテ
トラメチレングリコールである。上記したポリエーテル
エラストマーは、例えば東洋紡績(株)製ペルプレンP-
30B 、P-70B 、P-90B 、P-280B、東レデュポン(株)製
ハイトレル4057、4767、6347、7247、ヘキストセラニー
ズコーポレーション製ライトフレックス632 、655 など
としても市販されている。
【0005】ポリエステル型とは、芳香族ポリエステル
をハードセグメントとし、非晶製ポリエステルをソフト
セグメントとするポリエステルエラストマーである。ハ
ードセグメント中の芳香族ポリエステル単位とは、ジカ
ルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシ
カルボン酸化合物の重縮合あるいはこれら三成分化合物
の重縮合等によるポリエステル単位である。ジカルボン
酸化合物の例を示せば、テレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカ
ルボン酸の如き公知のジカルボン酸及びこれらのアルキ
ル、アルコキシ又はハロゲン置換体等である。次にジヒ
ドロキシ化合物の例を示せば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシ
フェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフ
ェノールAのごときジヒドロキシ化合物、ポリオキシア
ルキレングリコールおよびこれらのアルキル、アルコキ
シ又はハロゲン置換体等であり、一種又は二種以上を混
合使用することができる。一方、ソフトセグメントは、
ラクトンの開環重合体、即ちポリラクトンか、又は脂肪
族ジカルボン酸と脂肪族ジオールより誘導される脂肪族
ポリエステルである。ポリラクトンとしては、一般式
(I) で表されるラクトンの開環重合体が使用される。n
は、2〜20の整数であるが、特にn =4のε−カプロラ
クタムが好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエ
ステルを構成する、脂肪族ジカルボン酸としては、シュ
ウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸であ
り、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、1,6 −ヘキサンジオール、1,10−デカン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,4 −シクロヘキ
サンジメタノールあるいは、これらの混合物が使用され
るが、特にエチレングリコール、1,4 −ブタンジオール
が好ましい。上記したポリエステルエラストマーは、例
えば東洋紡績(株)製ペルプレンS-1001、S-2001、S-60
01、S-9001などとしても市販されている。
【0008】本発明で用いられる(A-1) の熱可塑性ポリ
エステルエラストマーに対しては、その成形性を改善す
る等の目的で(A-2) 芳香族熱可塑性ポリエステルを混合
することが好ましい。この芳香族系ポリエステル(A-2)
の配合量は、(A-1) と(A-2)の合計に対し、好ましくは8
0重量%以下、より好ましくは10〜50重量%以下であ
る。かかる目的で用いられる芳香族熱可塑性ポリエステ
ル(A-2) とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合
物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいは
これら三成分化合物の重縮合等によって得られるポリエ
ステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何
れでも本発明の効果がある。ここで用いられる芳香族熱
可塑性ポリエステルを構成するジカルボン酸化合物の例
を示せば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の
如き公知のジカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコ
キシ又はハロゲン置換体等である。また、これらのジカ
ルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、たとえ
ばジメチルエステルのごとき低級アルコールエステルの
形で重合に使用することも可能である。次に本発明の芳
香族熱可塑性ポリエステル(A-2) を構成するジヒドロキ
シ化合物の例を示せば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニ
ル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエー
テル、シクロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノー
ルAの如きジヒドロキシ化合物、ポリオキシアルキレン
グリコールおよびこれらのアルキル、アルコキシ又はハ
ロゲン置換体等であり、一種又は二種以上を混合使用す
ることができる。また、オキシカルボン酸の例を示せ
ば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレン
オキシカルボン酸等のオキシカルボン酸及びこれらのア
ルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体が挙げられる。
また、これら化合物のエステル形成可能な誘導体も使用
できる。本発明においてはこれら化合物の一種又は二種
以上が用いられる。また、これらの他に三官能性モノマ
ー、即ちトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等
を少量併用した分岐又は架橋構造を有するポリエステル
であっても良い。本発明では、上記の如き化合物をモノ
マー成分として、重縮合により生成する芳香族系ポリエ
ステルは何れも本発明の(A-2) 成分として使用すること
ができ、単独で、又、二種以上混合して使用されるが、
好ましくはポリアルキレンテレフタレート、さらに好ま
しくはポリブチレンテレフタレート及びこれを主体とす
る共重合体が使用される。また本発明においては、芳香
族系ポリエステルを公知の架橋、グラフト重合等の方法
により変性したものであっても良い。
【0009】次に本発明で用いられる(B) 成分の充填剤
は成形収縮率及び線膨張係数を低下させ、高低温衝撃性
を向上させるために必須とされる成分である。これに
は、目的に応じて繊維状、非繊維状(粉粒状、板状)の
充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊
維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリ
カ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒
化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、さらにステ
ンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊
維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表
的な繊維状充填剤はガラス繊維、又はカーボン繊維であ
る。なおポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高
融点有機質繊維状物質も無機繊維状充填剤と同様に使用
することができる。一方、粉粒状充填物としてはカーボ
ンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス
粉、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻
土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭
化珪素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げら
れる。また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレー
ク、各種の金属箔等が挙げられる。これらの無機充填剤
は一種又は二種以上併用することができる。繊維状充填
剤、特にガラス繊維又は炭素繊維と粒状及び/又は板状
充填剤の併用は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質
等を兼備する上で好ましい組み合わせである。しかしな
がら、高低温衝撃性改善効果が最も高いのは、ガラス繊
維の単独使用である。これらの充填剤の使用に当たって
は必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することが望
ましい。かかる収束剤又は表面処理剤として、例えば、
エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系
化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物である。
これらの化合物はあらかじめ表面処理又は収束処理を施
しているか、又は材料調製の際同時に添加しても良い。
【0010】無機充填剤(B) の使用量は(A) 成分のポリ
エステル(混合物) 100重量部あたり5〜200 重量部で
あり、好ましくは10〜90重量部である。過小の場合は高
低温衝撃性向上の効果が小さく、過大の場合は成形作業
が困難になる。また、併用される官能性表面処理剤の使
用量は、充填剤に対し10重量%以下、好ましくは0.05〜
5重量%である。
【0011】また、本発明の金属等をインサートする樹
脂材料には、その目的に応じ前記成分の他に、他の熱可
塑性樹脂を補助的に少量併用することも可能である。こ
こで用いられる他の熱可塑性樹脂としては、高温におい
て安定な樹脂であれば、何れのものでも良い。例えば、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂などを挙げるこ
とができる。またこれらの熱可塑性樹脂は二種以上混合
して使用することもできる。
【0012】さらに本発明のインサート用樹脂材料に
は、その目的に応じ所望の特性を付与するために、一般
に熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂に添加される公知の
物質、即ち酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、難燃
剤、帯電防止剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤及び結
晶化促進剤、結晶核剤、エポキシ系化合物、イソシアネ
ート化合物、カルボン酸二無水物を配合することが可能
である。
【0013】本発明のインサート用樹脂材料の調製は、
従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる設備と
方法により容易に調製される。例えば、1)各成分を混
合した後、1軸又は2軸の押出機により練り込み押出し
てペレットを調製し、しかる後調製する方法、2)いっ
たん組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所
定量混合して成形に供し成形後に目的組成の成形品を得
る方法、3)成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込
む方法等、何れも使用できる。また、樹脂成分の一部を
細かい粉体としてこれ以外の成分と混合し添加すること
は、これらの成分の均一配合を行う上で好ましい方法で
ある。
【0014】インサート成形品は成形用金型に金属等を
あらかじめ装着し、その外側に上記の配合樹脂組成物を
充填して複合成形品としたものである。樹脂を金型に充
填するための成形法としては射出、押出圧縮成形法など
があるが、射出成形法が一般的である。また樹脂にイン
サートする素材はその特性を生かし且つ樹脂の欠点を補
う目的で使用されるため、成形時に樹脂と接触したと
き、形が変化したり溶融しないものが使用される。この
ため主としてアルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、真
鍮及びそれらの合金などの金属類やガラス、セラミック
スのような無機固体類であらかじめ棒、ピン、ネジ等に
成形されているものが使用される。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (A-1) 成分としてハイトレル7247を 100重量部と、 (B)
成分としてガラス繊維(径10μ)とを表1に示す割合で
混合した混合物を調製し、30mmφ押出機を用いて 250℃
で溶融混練して押出しペレット化した。次に、このペレ
ットを樹脂温 250℃、金型温度65℃、射出時間25秒、冷
却時間10秒で試験片成型用金型(縦22mm、横22mm、高さ
51mmの角柱内部に、縦18mm、横18mm、高さ30mmの鉄芯を
インサートする金型)に一部の樹脂部の最小肉厚が1mm
となるようにインサート射出成形し、インサート成形品
を製造した。得られた成形品10個を冷熱衝撃試験機を用
いて 140℃にて1時間30分加熱後、−40℃に降温して1
時間30分後、更に 140℃に昇温する過程を1サイクルと
する高低温衝撃試験を行い、成形品にクラックが入るま
での平均サイクル数を測定し、高低温衝撃特性を評価し
た。又、樹脂材料のメルトフローレートを測定した。結
果を表1に示す。 実施例2 (A-1) 成分をライトフレックス655 とした以外は、実施
例1と同様にしてインサート成形品を作成し、評価し
た。結果を表1に示す。 実施例3 (A-1) 成分をペルプレンS-6001とした以外は、実施例1
と同様にしてインサート成形品を作製し、評価した。結
果を表1に示す。 実施例4 (A-1) 成分のライトフレックス655 を80重量部、(A-2)
成分のPBT樹脂を20重量部とした以外は、実施例2と
同様にしてインサート成形品を作製し、評価した。結果
を表1に示す。 実施例5 (A-1) 成分のライトフレックス655 を60重量部、(A-2)
成分のPBT樹脂を40重量部とした以外は、実施例2と
同様にしてインサート成形品を作製し、評価した。結果
を表1に示す。 実施例6 (B) 成分のガラスファイバーを20重量部とした以外、実
施例2と同様にしてインサート成形品を作製し、評価し
た。結果を表1に示す。 比較例1〜5 比較のため表1に示すように、(A-1) ポリエステルエラ
ストマーを配合しない場合(比較例1)、熱可塑性エラ
ストマーの弾性率の範囲が本発明の範囲を超えるペルプ
レンE450B を用いた場合(比較例2)、コアシェル系エ
ラストマーとしてMBSを用いた場合(比較例3)、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーとしてエチレングリシ
ジルメタクリレートを用いた場合(比較例4)、(B) 成
分を配合しない場合(比較例5)について上記実施例と
同様にしてインサート成形品を作製し、評価した。結果
を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から明らかなように特定の熱可
塑性ポリエステルエラストマー(混合物)を添加する事
により、極めて高低温衝撃性の良好なインサート成形品
が得られることがわかる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によるインサート成
形品は高低温衝撃性に非常に優れ、自動車分野でいえ
ば、イグニッションシステムやディストリビューターの
部品、電気分野でいえば、モールドモーター、封止トラ
ンス、その他ソレノイド部品等に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPD C08L 67/02 LPD // B29K 67:00 105:06 105:20 105:22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A-1) 曲げ弾性率10000kgf/cm2以下の熱
    可塑性ポリエステルエラストマー 100〜20重量%と(A-
    2) 芳香族熱可塑性ポリエステル0〜80重量%からなる
    ポリエステル(混合物)(A)100重量部に (B)繊維状充填
    剤、非繊維状無機充填剤又は両者の混合物5〜200 重量
    部を配合した樹脂組成物と、金属、無機固体又はそれら
    からなる部品とをインサート成形して成るインサート成
    形品。
  2. 【請求項2】 (A-2) 芳香族熱可塑性ポリエステルが樹
    脂成分全体の10〜50重量%である請求項1記載のインサ
    ート成形品。
  3. 【請求項3】 (A-2) 芳香族熱可塑性ポリエステルがポ
    リブチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレ
    ートである請求項1又は2記載のインサート成形品。
  4. 【請求項4】 (B) 成分を構成する充填剤がガラス繊維
    である請求項1〜3の何れか1項記載のインサート成形
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006181936A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Kyowa Seikei Kk ガラス棚の枠体成形方法
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