JP2000264655A - レンズの製造方法及びレンズ成形用型組立体 - Google Patents

レンズの製造方法及びレンズ成形用型組立体

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JP2000264655A
JP2000264655A JP11191319A JP19131999A JP2000264655A JP 2000264655 A JP2000264655 A JP 2000264655A JP 11191319 A JP11191319 A JP 11191319A JP 19131999 A JP19131999 A JP 19131999A JP 2000264655 A JP2000264655 A JP 2000264655A
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lens
mold
glass material
molding
molding surface
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Takashi Kobayashi
高志 小林
Eiji Kawamura
英司 川村
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Olympus Optical Co Ltd
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    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/122Heating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス素材からレンズを成形する際に、低い
型温度での成形を可能とすると共に、型の全面の転写を
可能とする。 【解決手段】 製品であるレンズより大きな容積のガラ
ス素材1を、上型2及び下型3と上型及び下型をガイド
するガイド部材とを具備した型組立体8に設置し、型組
立体8及びガラス素材1を非酸化性ガスで満たされたチ
ャンバー10内に設置してガラス素材等を1010ポア
ズ以上で1013.3ポアズ以下に相当する温度範囲に
まで加熱する。そして、ガラス素材1に押圧力を加え
て、製品であるレンズの容積より余剰の部分が成形面の
外側にはみ出した駄肉部分を有するレンズを押圧成形
し、その後、室温まで継続的に冷却し、型組立体から成
形されたレンズを取り出した後に、駄肉部分を芯取り加
工により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズの製造方法及
びレンズの製造に用いられるレンズ成形用型組立体に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガラス素材を加熱軟化した後、所望の成
形面を具備した一体の成形型で押圧成形することによ
り、研磨等の後加工を施すことなく、所望の成形面を有
したレンズを成形する従来の方法が特開昭58−841
34号に開示されている。
【0003】このレンズの成形は、所定の形状に成形さ
れたガラス素材(プリフォーム)と型とを用意し、プリ
フォームと型とを予備加熱した後、プリフォームを型の
キャビティ内に設置する工程と、プリフォームの粘度が
10ポアズから1012ポアズに相当する温度になる
ようにプリフォームを加熱する工程と、プリフォームが
この温度範囲にあるとき、型に荷重をかけてレンズを成
形する工程と、この状態を型とレンズとが十分に等温状
態になる時間保持してから、レンズの粘度が1013
アズよりも小さくなる温度になったとき、レンズを型か
ら取り出す工程と、その後、レンズを焼きなましして精
密ガラス製品としてのレンズを成形する工程とを備えて
いる。
【0004】また、この公報には、プリフォームをその
粘度が10ポアズから1012ポアズに相当する範囲
の温度に曝す工程と、型をプリフォームと同じかそれに
近い温度に曝す工程と、プリフォームが10ポアズか
ら5×1010ポアズの粘度を有するとき、型に十分な
時間にわたって荷重を加え、プリフォームと型とを実質
的に同じ温度にし、且つ型によってレンズをプレス成形
する工程と、型と成形されたレンズとを粘度が1011
ポアズから1012ポアズに相当する温度にまで冷却
し、レンズがこの温度にあるときに型からレンズを取り
出す工程と、取り出されたレンズを焼きなましする工程
とからなる製造方法も開示されている。
【0005】さらに、この公報には、第1の成形面部を
備えたリング状の部材と、固定容積の閉じられた成形キ
ャビティを形成するため、リング状の部材の第1の成形
面部と協動可能な成形面部を有する第1及び第2の型手
段とを具備した構造のレンズ成形装置が記載されてい
る。この成形装置を使用して、光学素子を成形すること
により、成形キャビティのいずれの面にも拘束されない
自由面を有した光学素子を成形することができるもので
ある。
【0006】上述した成形方法では、所望の光学特性を
有する高精度のレンズ等の光学素子を成形でき、上述し
た成形装置では、成形されたレンズ等の光学素子が自由
面を有するため、型の合わせ面に発生するバリを防止で
き、型の加圧成形中に発生する亀裂、磨耗、汚染等をな
くし、レンズ等の光学素子の外観を良好に保持すること
可能となるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、キャビティ内にガラス素材を充満させるため
に、ガラス素材の粘度が10ポアズに相当する温度近
くまで成形時の型温を上げている。この温度では一般的
に使用される超硬材料等の型では型素材の酸化が激し
く、数少ない成形数でも成形面が荒れる問題と、光学素
子の成形面と素材との融着が起こる問題がある。
【0008】また、初期プレス後、所定の温度まで冷却
した後、型とレンズとを等温状態にするため、長時間そ
の状態を保持したり、比較的高温でレンズを取り出した
後、長時間焼きなましするなど多くの工程と長い時間と
を必要とする問題がある。さらに、成形されたレンズを
比較的高温で取り出すため、その取り扱いが不便である
問題を有している。
【0009】さらに、従来の成形装置では、成形された
レンズ等の光学素子上に成形キャビティの面に拘束され
ない自由面を残すため、光学的に必要な有効径を型外径
よりも十分に小さくしなければならない問題を有してい
る。
【0010】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、ガラス素子が高粘度の状態、す
なわち型温度が低い状態で成形を行うことができ、しか
も型外径まで正確に転写することができるレンズの製造
方法及びこの方法に用いられるレンズ成形用型組立体を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明のレンズの製造方法は、製品となる
レンズより大きな容積のガラス素材を、成形面をそれぞ
れ有する上型および下型とこれらの上型及び下型をガイ
ドするガイド部材とを具備した型組立体の間に配置し、
ガラス素材と、上型及び下型の少なくともガラス素材に
接触する部分とを、ガラス素材の粘度で1010ポアズ
以上で1013.3ポアズ以下に相当する温度範囲にま
で加熱し、ガラス素材が前記温度範囲にあるときに上型
又は下型の少なくとも一方を移動してガラス素材を押圧
すると共に、上型及び下型の各成形面の外側に製品とな
るレンズの容積よりも余剰となる余剰部分をはみ出させ
て成形面を転写したレンズと余剰部分とを形成し、レン
ズを冷却して上型及び下型の間から取り出し、その後、
少なくとも成形面の外側に形成された余剰部分を除去し
て製品となるレンズを得ることを特徴とする。
【0012】この発明では、製品であるレンズより大き
な容積のガラス素材を使用することにより、成形時にお
いて、加熱したガラス素材に上型の成形面と下型の成形
面の全面が確実に接触する。このため、成形面の全面の
形状が正確にガラス素材に転写される。このとき、ガラ
ス素材の余剰部分が成形面の外側にはみ出して、レンズ
が成形される。したがって、上型および下型の成形面の
全面が光学有効面となるため、成形面の外形を特に大き
くする必要はない。
【0013】ガラス素材を、ガラス粘度で1010ポア
ズ以上1013.3ポアズ以下の範囲に相当する温度に
加熱する目的は、この粘度の範囲が押圧力によりガラス
素材を変形できる範囲であり、1010ポアズ未満の粘
度に比べ押圧時間が長く、押圧力が大きくなるものの、
押圧時のガラス素材の反力により成形面に面圧を発生し
ながら成形するため閉じられたキャビティを形成するこ
となく、高精度な成形面の転写を行うことができる。な
お、この粘度範囲に対応した温度範囲での成形は、ガラ
ス成形としては従来より低温域での成形であり、このた
め、成形後の冷却時間が短縮でき、結果としてレンズの
製造時間を短縮できる。また、この粘度範囲では、ガラ
スの流動性が高くなるので、閉じられたキャビティを構
成するような型構造が必要ない。
【0014】請求項2の発明は、製品であるレンズより
大きな容積のガラス素材を、成形面をそれぞれ有した上
型及び下型とこれらの上型及び下型をガイドするガイド
部材とを具備した型組立体に設置する第1の工程と、前
記型組立体及びガラス素材を非酸化性ガスで満たされた
チャンバー内に設置する第2の工程と、前記ガラス素材
と、上型及び下型のガラス素材に隣接する部分とをガラ
ス素材の粘度で10 1.5ポアズ以上で1013.3
ポアズ以下に相当する温度範囲にまで加熱する第3の工
程と、前記ガラス素材が第3の工程の温度範囲にあると
き、押圧手段により上型及び下型のみをガラス素材に接
触させて押圧力を加え、製品であるレンズの容積より余
剰の部分が前記成形面の外側にはみ出した駄肉部分を有
するレンズを押圧成形する第4の工程と、第4の工程終
了後に型組立体と成形されたレンズとを室温まで継続的
に冷却する第5の工程と、通常の室温で、型組立体から
成形されたレンズを取り出した後に、成形面の外周には
み出した駄肉部分を芯取り加工により除去する第6の工
程と、を有することを特徴とする。
【0015】この発明では、製品であるレンズより大き
な容積のガラス素材を使用することにより、成形時にお
いて、加熱したガラス素材に上型の成形面と下型の成形
面の全面が確実に接触する。このため、成形面の全面の
形状が正確にガラス素材に転写される。このとき、ガラ
ス素材の余剰部分が成形面の外側にはみ出して、レンズ
が成形される。従って、上型及び下型の成形面の全面が
光学有効面となるため、成形面の外径を特に大きくする
必要はなくなる。
【0016】ガラス素材と型組立体をガラス粘度で10
11.5ポアズ以上1013.3ポアズ以下の範囲に相
当する温度に加熱する目的は、この粘度の範囲がガラス
素材を変形できる範囲のためである。このような粘度の
範囲では、1011.5ポアズ未満の粘度に比べて押圧
時間が長く、押圧力がやや大きくなる反面、押圧時のガ
ラス素材の反力により成形面に面圧を発生させながら成
形することができるため、閉じられたキャビティを形成
することなく高精度な成形面の転写を行うことができ
る。なお、この粘度範囲に対応した温度範囲での成形
は、ガラス成形としては従来より低温域での成形であ
り、このため、成形後の冷却時間が短縮でき、従って、
レンズの製造時間を短縮することができる。
【0017】ガラス素材の加熱温度をガラス粘度で10
11.5ポアズ以上で1013.3ポアズ以下とする理
由は、1011.5ポアズ未満であると、ガラス素材の
温度が高すぎて、ガラス素材の影響による型の酸化や、
ガラス素材と型の融着等が発生し、型の寿命が短くなる
ためである。また、ガラスの流動性が高くなるので、閉
じられたキャビティを構成する必要となる。これに対
し、本発明のように10 11.5ポアズからポアズ10
13.3ポアズのガラス粘度に相当する温度範囲でのガ
ラス素材の成形においては、ガラス素材の型への融着は
発生せず、型の成形面が荒れることもないので型の寿命
を長くすることができるばかりでなく、型の表面に特別
の表面処理を必要としないので、低コストの型を用いた
成形が可能となる。一方、ガラス素材の粘度が10
13.3ポアズを超えると、ガラス素材の粘度が高すぎ
て、事実上成形ができなくなるものである。なお、効率
が良く且つ大きな変形量を得るためには、上述した粘度
範囲は1011.5ポアズ以上であって1012ポアズ
以下の範囲がさらに好ましい。
【0018】レンズを押圧成形後、成形されたレンズ及
び型組立体を室温(例えば、30℃以下)まで継続して
冷却することにより、冷却時間を短くするができ、しか
も室温でレンズを取り出すためレンズの取り扱いが容易
になる。又、レンズの成形を型組立体を用いて行うこと
により、加熱された高温においても、上型と下型とが同
軸上に位置出しでき、これにより精度の良い成形が可能
となる。
【0019】請求項3の発明は、請求項2記載の発明で
あって、前記継続的な冷却が、非酸化雰囲気のチャンバ
ー内でなされる型組立体への非酸化性ガスの吹き付けに
よる強制冷却と、大気中でなされる型組立体への大気エ
アの吹き付けによる強制冷却との組み合わせであること
を特徴とする。
【0020】この発明では、型組立体が大気中で酸化す
る温度範囲においては、非酸化雰囲気の中で且つ非酸化
性ガスを型組立体及びレンズに噴射して強制冷却し、型
組立体が大気中で酸化しない温度範囲においては、大気
中で型組立体及びレンズに大気エアーを吹き付けて強制
冷却する。このように成形可能な温度から通常の室温ま
でレンズの温度が一定の温度に留まることなく強制冷却
を継続して行うことにより、冷却時間を格段に短縮する
ことができる。
【0021】請求項4の発明は、製品となるレンズより
大きな容積のガラス素材を、レンズの光軸と同軸になる
ように配置した成形面をそれぞれ有する上型及び下型の
間に配置し、ガラス素材と、上型及び下型のガラス素材
に隣接する部分とを、ガラス素材の粘度で1011.5
ポアズ以上で1013.3ポアズ以下に相当する温度範
囲にまで加熱し、ガラス素材が前記温度範囲にあるとき
に上型又は下型の少なくとも一方を移動してガラス素材
を押圧するとともに、上型及び下型の各成形面の外側に
製品となるレンズの容積よりも余剰となる余剰部分をは
み出させて成形面を転写したレンズと余剰部分とを形成
し、レンズを冷却して上型及び下型の間から取り出し、
その後、少なくとも成形面の外側に形成された余剰部分
を除去して製品となるレンズを得ることを特徴とする。
【0022】この発明では、請求項2の発明と同様に作
用することができる。また、この発明では、レンズの成
形によって上下型の成形面の外側にはみ出した余剰部分
だけでなく、レンズの一部であっても不要な場合には、
その一部を除去する。これにより目的の寸法に合わせた
レンズを製造することができる。
【0023】請求項5の発明のレンズ成形用型組立体
は、請求項1〜4のいずれかに記載のレンズの製造方法
に用いられものであって、レンズの余剰部分が前記ガイ
ド部材に接触しないことを特徴とする。
【0024】この発明によれば、上型及び下型の成形面
の外側にはみ出した駄肉部分がガイド部材に接触するこ
となく、上下型の周囲をオープンスペースとすることが
でき、成形面の全面がガラス素材に接触した状態で押圧
することによって、レンズを成形することができる。
【0025】請求項6の発明のレンズ成形用組立体は、
端面にそれぞれ成形面を有する上型及び下型と、上型の
上部側面と摺動して上型をガイドする上型ガイド部材
と、下型の下部側面と摺動して下型をガイドする下型ガ
イド部材と、上型ガイド部材と下型ガイド部材とを連結
する複数の支柱により構成され、上型と下型とを同軸上
にガイドするガイド部材とを備え、前記支柱はレンズが
上型と下型により押圧成形された際に、上型と下型の成
形面の外側にはみ出したレンズの駄肉部分に接しないよ
うに離れた位置に設置されていることを特徴とする。
【0026】この発明では、上型と摺動して位置出しす
る上型ガイド部材と、下型と摺動して位置出しする下型
ガイド部材とを、複数の支柱で連結することにより、上
型及び下型が同軸上に位置出しされる。
【0027】又、上型はその上部側面のみで上型ガイド
部材に接触し、下型はその下部側面のみで下型ガイド部
材に接触するため、上型及び下型の成形面付近がこれら
のガイド部材に接触しない。しかも、複数の支柱はレン
ズが成形されたときに、上型及び下型の成形面の外側に
はみ出した駄肉に接触しないように離れた位置に配置さ
れている。これらにより、上型及び下型の成形面と支柱
とは、閉じられたキャビティを形成することなく、上下
型の周囲はオープンスペースとなる。従って、上型及び
下型の成形面の全面がガラス素材に接した状態で押圧し
てレンズを成形するため、高精度な成形が可能となる。
【0028】さらに、上型及び下型の成形面付近とガラ
ス素材はその周辺に遮るものがないため、型組立体の外
側に設けられたヒーターの輻射熱に直接曝される。従っ
て、加熱効率が良く、しかも加熱を一様に行うことがで
きる。
【0029】なお、この発明では、支柱を除いた型組立
体の他の部材を同じ熱膨張係数を有した材質で構成する
こともでき、これにより高温においても、上型及び下型
を同軸上に位置出しできるため、精度の良いレンズの成
形が可能となる。
【0030】請求項7の発明は、請求項6記載の発明で
あって、前記支柱が赤外線を透過させる部材によって形
成されていることを特徴とする。
【0031】この発明では、支柱が赤外線を透過させる
ため、上型、下型及びガラス素材を加熱する赤外線が遮
られることがなくなる。このため、効率良く、且つ均一
に上型、下型及びガラス素材を加熱することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態により具体的に説明する。なお、各実施の形態におい
て、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0033】(実施の形態1)図13及び図14は本発
明の実施の形態1であり、図13(a)は上型2及び下
型3とガイド部材4及び成形されるガラス素材1を示す
斜視図、同図(b)はその組立図を示す。図14(a)
は加熱状態を、同図(b)は押圧完了状態を、同図
(c)および(d)は余剰部を除去する状態を示してい
る。
【0034】図13(a)に示すように、上型2はガイ
ド部2eと成形部2fを有する二段状の円柱形状となっ
ており、下型3もガイド部3eと成形部3fを有する二
段状の円柱形状となっている。上型2の成形面2aは半
径R1.5mmの凹形状、下型3の成形面3aは半径R
2.5mmの凹形状である。これらの成形面2a、3a
のいずれもが鏡面に加工されている。上下型2、3の成
形部2f及び3fの外径はガラス素材1の外径よりも小
さい1.8mmの直径(φ)である。またガイド部2e
および3eはガイド部材4の内径に軸方向に摺動自在に
挿入される。
【0035】図13(b)に示すように、上型2と下型
3とはガイド部材4によりレンズの光軸と同軸になるよ
うに配置される。このとき、成形面2aと成形面3aの
間にガラス素材1を挟むよう配置される。ガラス素材1
は1010ポアズの粘度に相当する温度が560℃であ
る温粘度特性を有する重フリント系の硝材、例えば、S
F11などが使用される。
【0036】その後、図14(a)で示すように、ガラ
ス素材1と上型2の成形面2aと下型3の成形面3aの
近傍を加熱手段40により、ガラス素材1の粘度で10
10ポアズ相当にする560℃まで加熱する。加熱手段
40としては、赤外線ヒーターや電熱線ヒーターなどを
使用することができる。
【0037】次に、図14(b)で示すように、ガラス
素材1が上述した温度にあるときに、図示されていない
押圧機構により上型2または下型3の少なくとも一方を
移動させて、ガラス素材1を一定の圧力で押圧する。こ
のときの押圧力は約10Kgf程度である。押圧成形後
のガラス素材は上記成形面2aと成形面3aの間のレン
ズ14と、レンズ14から成形面2a及び3aの外側に
はみ出した余剰となる余剰部分106とを備えている。
【0038】この押圧成形後においては、成形後のレン
ズ14及び上型2、下型3を冷却し、その後、上型2と
下型3の間から成形後のレンズ14を取り出す。そし
て、図14(c)で示すように、芯取り装置のスピンド
ル19の回転軸軸線にレンズ光軸芯を合わせながら接着
剤により貼り付ける。この状態で図14(d)で示すよ
うに、少なくとも成形面の外側に形成された余剰部分1
4aを研削砥石17により除去し、製品としてのレンズ
18を得る。
【0039】このような実施の形態では、上下型2,3
の周辺をオープンスペースにしてガラス素材の余剰部分
14aを上下型1,2の周りに形成するため、型2,3
の成形面2a、3aの全面をガラス素材に転写すること
ができる。
【0040】(実施の形態2)図1は本発明の実施の形
態2におけるレンズの成形を行うレンズ成形装置であ
る。このレンズ成形装置はべ一ス19上に設けられた型
組立体8を移動させる移動手段20と、ガラス素材から
レンズを成形するレンズ成形部21とを有している。
【0041】移動手段20は、その上に型組立体8を載
置する軸部9と、軸部9を上下に駆動する図示しない駆
動手段から構成されている。移動手段20には上下方向
に延びる複数本のガイドロッド19aが貫通しており、
移動手段20はこのガイドロッド19aに沿って上下方
向に移動する。この移動手段20に対し型組立体8が軸
部9上に載置され、この載置状態で鎖線で示す位置から
実線で示す位置まで移動手段20が移動することによ
り、型組立体8は成形チャンバー10内の所定位置に移
動する。そして、レンズの成形の後は、移動手段20が
鎖線で示す位置まで戻ることによって型組立体8が軸部
9上から取り出される。
【0042】レンズ成形部21は成形チャンバー10
と、成形チャンバー10の周囲に設けられた加熱手段1
1と、成形チャンバー10の上方に設けられた加圧手段
22と、成形チャンバー10内に設けられ非酸化ガスで
ある窒素ガスの吹き出しリング15とを具備する。この
場合、成形チャンバー10と、加熱手段11と、加圧手
段22とは軸部9の中心軸30を中心にした同軸上に配
置されている。
【0043】成形チャンバー10は下プレート23と、
その上に設けられた石英ガラス製の透明な円筒状の側壁
24と、側壁24上に設けられた上プレート25とによ
り構成される。型組立体8はレンズの成形時に成形チャ
ンバー10内に密閉される。上プレート25にはガス導
入口26が貫通状に設けられており、ガス導入口26か
ら導入される非酸化ガスである窒素ガスによって成形チ
ャンバー10内が満たされる。
【0044】加熱手段11は4本の円形状の赤外線ヒー
ター27と、赤外線ヒーター27の外側に設けられた赤
外線反射板28とから構成される。赤外線ヒーター27
は4本に限定するものではなく、1本であっても加熱は
可能であるが、成形を行う上型2及び下型3に対して相
対的に偶数本設けることが好ましい。この赤外線ヒータ
ー27は成形チャンバー10内の型組立体8及びガラス
素材1を加熱する。
【0045】加圧手段22はシリンダー12と、シリン
ダー12の先端に直結された押し棒13とを有してい
る。ガラス素材1の押圧成形時にシリンダー12は押し
棒13を介して型組立体8の上型2を押下げて、加熱さ
れたガラス素材1を押圧成形する。
【0046】非酸化性ガスの吹き出しリング15は、成
形されたレンズ14の外側を囲む位置に設けられ、その
内側々壁に形成された図示を省略した複数個の穴から非
酸化性ガスである窒素ガスを吹き出し、これにより型組
立体8及び成形されたレンズ14を冷却する。また、成
形チャンバー10から取り出された鎖線の位置にある型
組立体8及び成形されたレンズ14を大気エアの吹き付
けによって冷却するファン16がレンズ成形部21の下
方に設けられている。
【0047】図2及び図3は型組立体8を示す。型組立
体8は上型2と、下型3と、ガイド部材4から構成され
る。図2は上型2と下型3の間にガラス素材1を挟んで
型組立体8が組立てられた状態を示し、図3は型組立体
8が開かれ、ガラス素材1が型組立体8に搬入される状
態及び成形されたレンズ14が型組立体8から取り出さ
れる状態を示す。
【0048】図2及び図3に示すように、ガイド部材4
は上型ガイド部材4aと、下型ガイド部材4bと、これ
らを連結する3本の支柱4cとより構成される。上型ガ
イド部材4aは、その内面に上型2の上部側面2bが摺
動し、この摺動によって上型2をガイドする。下型ガイ
ド部材4bは、その内面に下型3の下部側面3bが摺動
し、この摺動によって下型3をガイドする。そして、こ
れらのガイドによって、上型2及び下型3は同軸上に位
置決めされる。
【0049】上型2及び下型3は円柱形状となってお
り、対向している端面にそれぞれ成形面2a,3aが形
成されている。ガイド部材4は上型2及び下型3を同軸
上にガイドする目的のみに使用されるものであり、上型
2の成形面2a及び下型3の成形面3aと共に閉じられ
た成形キャビティを形成することがない。なお、上型
2、下型3と、ガイド部材4の上型ガイド部材4aと下
型ガイド部材4bとは、同じ熱膨張係数を有する超硬材
料であるタングステンカーバイトで形成されている。こ
れらの部材を同じ熱膨張係数を有する材質で形成するこ
とにより、高温となっても上型2及び下型3を正確に同
軸上に位置出しすることができる。
【0050】ガイド部材4の複数の支柱4cは、上型2
の成形面2a及び下型3の成形面3aとそれらの成形面
に挟まれたガラス素材1とは離れた位置に設けられてい
る。これにより成形されたレンズ14も支柱4cと接触
することがなく、成形面2aと成形面3aとガラス素材
1の周囲は常にオープンスペースとなっている。
【0051】図4〜図12はこの実施の形態によってレ
ンズを成形する工程を順に示しており、図4は成形され
るガラス素材1を示しており、ガラス素材1は成形され
るレンズの寸法よりも大きい円柱状となっている。この
実施の形態では、外径φ1.9mm、厚さO.7mmに
成形されている。ガラス素材1としては、1012ポア
ズに相当する温度が530℃の温粘度特性を有している
重フリント系の硝材、例えばSF11などが使用されて
いる。ガラス素材1の上下両端面は鏡面に研磨加工さ
れ、側面は研削加工されている。なお、ガラス素材1と
しては、円柱形状に限定することなく、成形されるレン
ズ14の形状に応じて、両凸レンズ形状や両凹レンズ形
状、メニスカス・レンズ形状であっても良い。また、硝
材も重フリント系硝材に限定するものではなく、例え
ば、ランタン・フリント系硝材やランタン・クラウン系
の硝材を使用することも可能である。
【0052】第1の工程では、図5(a)で示すように
ガラス素材1と型組立体8とを準備し、同図(b)で示
すように、上下の型2,3の成形面2aと成形面3aと
の間にガラス素材1を通常の室温(30℃以下)で挟み
込む。この作業は作業者の人手により実施される。上型
2の成形面2aは半径R0.6mmの凸形状、下型3の
成形面3aは半径R5.5mmの凹形状で、R部以外は
平面である。これらの成形面2a,3aのいずれもが鏡
面に加工されている。上下型2,3の外径はガラス素材
1の外径よりも小さいφ1.8mmの直径である。ま
た、成形面2a,3aは特別な表面処理は施されていな
い。
【0053】第2の工程では、図6で示すように、ガラ
ス素材1が組み込まれた型組立体8を成形機の軸部9上
に載置し、図示しない駆動手段により、成形チャンバー
10内の所定の位置に配置する。成形チャンバー10に
は毎分20リットルの非酸化ガスである窒素ガス(濃度
100%)が供給され、約10秒程度で非酸化ガスで充
満される。チャンバー10内の酸素濃度は100ppm
以下が理想であるが、100ppm以上の場合であって
も製造は可能である。この場合は、型の酸化が促進され
型の劣化が早くなる。また、非酸化ガスは窒素ガスの他
に窒素90%、水素10%の混合ガスやアルゴン100
%、炭酸ガス100%等のガスを使用することができ
る。
【0054】第3の工程では、図7に示すように、加熱
手段11によりガラス素材1と、上型2と及び下型3の
ガラス素材1に隣接する部分(成形面2a,3a及び成
形面2a,3aから数mm(例えば2〜3mm)の範囲
まで)をガラス粘度で10 ポアズに相当する温度5
30℃に加熱する。この加熱に約180秒の加熱時間を
要し、ガラス素材1及び上型2、下型3のガラス素材1
周辺は530℃の均一な温度となる。
【0055】第4の工程では、第3の工程の温度範囲に
あるときに、図8(a)及び(b)で示すように、押し
棒13を介して上型2に対してシリンダー12から押圧
力を加え、ガラス素材1を上型2と下型3とで成形す
る。押圧力は35kgfである。この押圧によって上型
2の成形面2aと下型3の成形面3aの全面がガラス素
材1に接触する。加熱されたガラス素材が上型2と下型
3により押圧されることにより、図8(b)で示すよう
に成形されたレンズ14の駄肉(余剰部分)14aが上
型2の成形面2aと下型3の成形面3aの外側に溢れ出
る。この工程では、上述したように成形されたレンズ1
4及び駄肉14aはガイド部材4のどの部分にも接触す
ることがない。
【0056】第5の工程では、図9で示すように、押圧
開始から210秒後に、押圧と加熱とを停止し、窒素ガ
スの吹き出しリング15から通常の室温(約30℃以
下)と同じ温度の窒素ガスを型組立体8とレンズ14に
吹き付け、これらを強制冷却する。なお、吹き出しリン
グ15は、型組立体8とガラス素材1が加熱されている
間は、図示しない駆動装置により成形チャンバー10の
上部又は底部に退避しており、ガラス素材1が押圧され
てレンズ14が成形された時点で、成形されたレンズ1
4の周囲に位置するように位置決めされて強制冷却を行
う。
【0057】型組立体8の温度が上下型2,3の型材の
酸化に影響のない約350℃の温度になった時点で、型
組立体8は成形チャンバー10の外に瞬時(約2秒間
で)に移動される。さらに、図10に示すようにファン
16により通常の室温(約30℃以下)の大気エアが型
組立体8に吹き付けられ常温まで継続的に冷却する。強
制冷却は約15分間連続的に行われ、冷却中には型組立
体8の温度が一定温度に保たれることはない。
【0058】第6の工程では、図11に示すように、成
形されたレンズ14が型組立体8から取り出され、成形
されたレンズ14の駄肉部分14aを砥石17により研
削除去し、これにより製品としてのレンズ18が形成さ
れる。
【0059】駄肉部分14aの除去は、図12に示すよ
うに、成形されたレンズ14を芯取り装置のスピンドル
19の回転軸線にレンズ光軸芯合わせした状態で接着剤
により貼り付け、この貼り付け状態で研削砥石17によ
って駄肉部分14aを芯取り加工により除去する。な
お、駄肉部分14aの除去の際に、上下型2,3の成形
面2a,3aの外周付近も芯取り加工により除去して所
望のレンズ外径寸法にすることにより、駄肉部分14a
を完全に除去することができる。そして芯取り加工の際
に、レンズ外周面と各成形面のエッジ部を面取り加工す
ることにより、成形されたレンズ18の外周部分の欠け
を防止できる。その後、芯取りされたレンズ1をスピン
ドル19から剥し、接着剤を洗浄除去することにより製
品であるレンズ18を得る。
【0060】以上のようにして製造されたレンズ18
は、干渉計の計測による基準Rとの差がニュートン縞N
R0.2本以下(基準波長588nm,NR1本=λ/
2)の高精度な面形状となっていることが確認された。
また、同一の金型で約500ショットの成形が可能ある
ことも確認された。
【0061】このような実施の形態では、従来のように
ガラス素材を10ポアズに相当する温度約620℃で
成形するのに比べ約90℃も低い温度であっても高精度
なレンズの成形が可能である。このように従来よりも9
0℃低い温度環境では、上下型の型表面の酸化が遅くな
るため、特別な表面処理を施さない超硬材料の型であっ
てもレンズの製造が十分に可能な耐久性を得ることがで
きる。
【0062】(実施の形態3)この実施の形態では、上
型2の成形面2a、下型3の成形面3aの面形状以外の
成形装置及び成形工程は実施の形態2で述べたものと同
じであり、その説明を省略する。
【0063】この実施の形態における上型2の成形面2
aは外径1.8mmの非球面形状(近似半径5.5m
m、非球面量10μm)の凹形状である。下型3の成形
面3aは外径1.8mm、半径5.5の凹形状の球面で
ある。ガラス素材1は実施の形態1と同じ硝材であり、
外径φ1.9mmで、成形面となる両レンズ面の半径が
5.4mm、肉厚1.5mmの凸レンズである。成形さ
れるガラス素材1の両面は研磨加工により鏡面に仕上げ
られている。
【0064】第1の工程では、実施の形態2と同様に、
成形面2aと成形面3aの間にガラス素材1を通常の室
温で挟み込む。第2の工程では、実施の形態2と同様
に、ガラス素材1が組み込まれた型組立体8を成形装置
の軸部9上に載置し、成形チャンバー10内における所
定の位置に配置する。成形チャンバー10には非酸化ガ
スである窒素ガス(窒素100%)が供給される。
【0065】第3の工程では、型組立体8が加熱手段1
1によりガラス素材1と上型2と下型3のガラス素材1
に隣接する部分を、ガラス粘度で1013ポアズに相当
する温度である510℃に加熱する。この加熱に約18
0秒の加熱時間を要し、ガラス素材1及び上型2、下型
3におけるガラス素材1周辺は510℃の均一な温度と
なる。
【0066】第4の工程では、シリンダ12を段階的に
増圧してガラス素材1を上型2と下型3とで押圧する。
押圧は5分間隔に4段階に行う。第1段階で35kg
f、第2段階で70kgf、第3段階で120kgf、
第4段階では210kgfまで増圧する。これはガラス
素材1と成形面2a,3aの接触面積に応じて増圧する
もので、押圧時のガラス素材1の割れを防止することが
できる。この増圧の段階は4段階に限定する必要はな
く、各段階の圧力も上述した数値に限定するものではな
い。この工程により上型2の成形面2aと下型3の成形
面3aの全面が加熱したガラス素材1に接触し、成形さ
れたレンズ14を得る。成形されたレンズ14の駄肉部
分(余剰部分)14aは、上型2の成形面2aと下型3
の成形面3aの外側に溢れ出るが、ガイド部材4のどの
部分にも接触することがない。そして、約30分間の押
圧で成形面の全面が転写される。
【0067】第5の工程では、実施の形態1と同様に、
押圧と加熱を停止した後、窒素ガスを型組立体8と成形
されたレンズ14に吹き付ける強制冷却と、成形チャン
バー10の外でのファン16による連続的な強制冷却と
によって約15分間で通常の通常の室温まで冷却する。
【0068】第6の工程では、実施の形態1と同様に、
成形されたレンズ14を型組立体8から取り出し、駄肉
部分14aを研削除去して製品であるレンズ18を成形
する。この工程により、片面が非球面な高精度なレンズ
を成形することができた。非球面の面形状精度は非球面
の設計形状に対して0.2μm程度の誤差であった。ま
た、同一の金型で1000ショットの成形が可能である
ことが確認された。
【0069】このような実施の形態では、成形されるレ
ンズ14に極めて近い形状のガラス素材1を用いること
により、より低い温度での成形が可能となる。
【0070】(実施の形態4)この実施の形態では、実
施の形態2及び3での第5の工程で行われる冷却におい
て、成形チャンバー10内に設置された吹き出しリング
15から温度管理された非酸化ガスである窒素ガスを、
成形されたレンズ14と型組立体8に噴射する。この窒
素ガスはクーラーを介することにより室温よりも低い温
度とし、15℃程度が好ましい。そして、この冷却によ
って成形チャンバー10内で成形されたレンズ14と型
組立体8を通常の室温(30℃以下)にした後、成形チ
ャンバー10外に取り出し、実施の形態2及び3の第6
の工程に移行する。
【0071】このような実施の形態では、冷却時間を短
縮できるとともに、実施の形態2,3で使用したファン
16が不要となるため設備の簡素化が可能となる。
【0072】(実施の形態5)この実施の形態では、型
組立体8における上型ガイド部材4aと下型ガイド部材
4bとを連結する3本の支柱4cの材質を、赤外線を透
過する石英ガラスとするものである。また、上型2、下
型3、上型ガイド部材4a、下型ガイド部材4bは同一
の超硬材料を用いる。
【0073】この実施の形態では、第4の工程での赤外
線による加熱の際に、赤外線ヒーター27から照射され
た赤外光が赤外線反射板28により型組立体8に集光さ
れる。この赤外光は支柱4cを透過してガラス素材1及
び上型2下型3に照射される。このように赤外光が支柱
4cを透過することにより、ガラス素材1及び上型2下
型3に均一に照射されるため、加熱時の温度ムラを減ら
すことができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、上下型の周辺をオープンスペースにしてガラス
素材の駄肉部分を上下型の周りに形成するため、型の成
形面の全面をガラス素材に転写することができる。
【0075】請求項2の発明によれば、従来より低い温
度でレンズを成形することができるため、特別な表面処
理を施さない金型でも高精度な成形ができるとともに、
金型の劣化速度が小さくなり、その寿命を長くすること
ができる。又、ヒーターからの輻射熱を直接に、ガラス
素材や金型に触れさせることができるため、高効率で、
しかもムラの少ない加熱ができる。さらには、従来より
低い温度で成形した後、レンズを継続して冷却するた
め、冷却時間を短縮でき、これらによりレンズの製造時
間を短縮できる。
【0076】請求項3の発明によれば、成形形可能な温
度から通常の室温までレンズの温度が一定の温度に留ま
ることなく強制冷却を継続して行うため、冷却時間を格
段に短縮することができる。
【0077】請求項4の発明によれば、レンズの成形に
よって上下型の成形面の外側にはみ出した余剰部分だけ
でなく、不要な場合にはレンズの一部であっても除去す
るため、目的の寸法に合わせたレンズを製造することが
できる。
【0078】請求項5の発明によれば、成形されたレン
ズの余剰部分がガイド部材に接触しない型組立体とする
ため、上下の型の成形面の全面をガラス素材に転写する
ことができる。
【0079】請求項6の発明によれば、上型を位置出し
する上型ガイド部材と、下型を位置出しする下型ガイド
部材とを複数の支柱で連結するため、上型及び下型を同
軸上に高精度に位置出しすることができる。又、上下型
の周囲がオープンスペースとなるため、上型及び下型の
成形面の全面がガラス素材に接した状態で押圧してレン
ズを成形でき、高精度な成形が可能となると共に、加熱
効率が良く、加熱を一様に行うことができる。
【0080】請求項7の発明によれば、上型、下型及び
ガラス素材を加熱する赤外線が遮られることがなく、効
率良く、且つ均一に上型、下型及びガラス素材を加熱す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するレンズ成形装置の部分破断正
面図である。
【図2】型組立体の斜視図である。
【図3】型組立体の分解斜視図である。
【図4】ガラス素材の斜視図である。
【図5】(a)は型組立体にガラス素材をセットする工
程の斜視図、(b)はセットした状態の正面図である。
【図6】型組立体を成形装置にセットした状態の正面図
である。
【図7】型組立体を過熱する工程の正面図である。
【図8】(a)はガラス素材を押圧成形する工程の正面
図、(b)はそのA部の拡大正面図である。
【図9】レンズを成形した後に冷却する工程の正面図で
ある。
【図10】大気エアーによって型組立体を冷却する工程
の正面図である。
【図11】成形したレンズを型組立体から取り出す工程
の斜視図である。
【図12】(a)〜(c)は成形したレンズから駄肉部
分を除去する場合を工程順に示す正面図である。
【図13】本発明の実施の形態1を示し、(a)は成形
前の分解斜視図、(b)は成形前の組立状態の断面図で
ある。
【図14】実施の形態1の成形を示し、(a)は加熱時
の断面図、(b)は押圧成形時の断面図、(c)は型か
ら取り出した状態の側面図、(d)は余剰部分の除去を
示す側面図である、
【符号の説明】
1 ガラス素材 2 上型 3 下型 4 ガイド部材 4a 上型ガイド部材 4b 下型ガイド部材 4c 支柱 8 型組立体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品となるレンズより大きな容積のガラ
    ス素材を、成形面をそれぞれ有する上型および下型とこ
    れらの上型及び下型をガイドするガイド部材とを具備し
    た型組立体の間に配置し、 ガラス素材と、上型及び下型の少なくともガラス素材に
    接触する部分とを、ガラス素材の粘度で1010ポアズ
    以上で1013.3ポアズ以下に相当する温度範囲にま
    で加熱し、 ガラス素材が前記温度範囲にあるときに上型又は下型の
    少なくとも一方を移動してガラス素材を押圧すると共
    に、上型及び下型の各成形面の外側に製品となるレンズ
    の容積よりも余剰となる余剰部分をはみ出させて成形面
    を転写したレンズと余剰部分とを形成し、 レンズを冷却して上型及び下型の間から取り出し、その
    後、少なくとも成形面の外側に形成された余剰部分を除
    去して製品となるレンズを得ることを特徴とするレンズ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 製品であるレンズより大きな容積のガラ
    ス素材を、成形面をそれぞれ有した上型及び下型とこれ
    らの上型及び下型をガイドするガイド部材とを具備した
    型組立体に設置する第1の工程と、 前記型組立体及びガラス素材を非酸化性ガスで満たされ
    たチャンバー内に設置する第2の工程と、 前記ガラス素材と、上型及び下型のガラス素材に隣接す
    る部分とをガラス素材の粘度で1011.5ポアズ以上
    で1013.3ポアズ以下に相当する温度範囲にまで加
    熱する第3の工程と、 前記ガラス素材が第3の工程の温度範囲にあるとき、押
    圧手段により上型及び下型のみをガラス素材に接触させ
    て押圧力を加え、製品であるレンズの容積より余剰の部
    分が前記成形面の外側にはみ出した駄肉部分を有するレ
    ンズを押圧成形する第4の工程と、 第4の工程終了後に型組立体と成形されたレンズとを室
    温まで継続的に冷却する第5の工程と、 通常の室温で、型組立体から成形されたレンズを取り出
    した後に、成形面の外周にはみ出した駄肉部分を芯取り
    加工により除去する第6の工程と、を有することを特徴
    とするレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記継続的な冷却が、非酸化雰囲気のチ
    ャンバー内でなされる型組立体への非酸化性ガスの吹き
    付けによる強制冷却と、大気中でなされる型組立体への
    大気エアの吹き付けによる強制冷却との組み合わせであ
    ることを特徴とする請求項2記載のレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 製品となるレンズより大きな容積のガラ
    ス素材を、レンズの光軸と同軸になるように配置した成
    形面をそれぞれ有する上型及び下型の間に配置し、 ガラス素材と、上型及び下型のガラス素材に隣接する部
    分とを、ガラス素材の粘度で1011.5ポアズ以上で
    1013.3ポアズ以下に相当する温度範囲にまで加熱
    し、 ガラス素材が前記温度範囲にあるときに上型又は下型の
    少なくとも一方を移動してガラス素材を押圧するととも
    に、上型及び下型の各成形面の外側に製品となるレンズ
    の容積よりも余剰となる余剰部分をはみ出させて成形面
    を転写したレンズと余剰部分とを形成し、 レンズを冷却して上型及び下型の間から取り出し、その
    後、少なくとも成形面の外側に形成された余剰部分を除
    去して製品となるレンズを得ることを特徴とするレンズ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形されたレンズの余剰部分が前記ガイ
    ド部材に接触しないことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のレンズの製造方法に用いられるレンズ成
    形用型組立体。
  6. 【請求項6】 端面にそれぞれ成形面を有する上型及び
    下型と、 上型の上部側面と摺動して上型をガイドする上型ガイド
    部材と、下型の下部側面と摺動して下型をガイドする下
    型ガイド部材と、上型ガイド部材と下型ガイド部材とを
    連結する複数の支柱により構成され、上型と下型とを同
    軸上にガイドするガイド部材とを備え、 前記支柱はレンズが上型と下型により押圧成形された際
    に、上型と下型の成形面の外側にはみ出したレンズの駄
    肉部分に接しないように離れた位置に設置されているこ
    とを特徴とするレンズ成形用型組立体。
  7. 【請求項7】 前記支柱が赤外線を透過させる部材によ
    って形成されていることを特徴とする請求項6記載のレ
    ンズ成形用型組立体。
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