JP2000262232A - ゼラチン含有麺類 - Google Patents

ゼラチン含有麺類

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JP2000262232A JP11068895A JP6889599A JP2000262232A JP 2000262232 A JP2000262232 A JP 2000262232A JP 11068895 A JP11068895 A JP 11068895A JP 6889599 A JP6889599 A JP 6889599A JP 2000262232 A JP2000262232 A JP 2000262232A
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康将 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製麺性および食味食感に悪影響を与えること
無く、従来より高濃度でゼラチンを含有する麺類を提供
する。 【解決手段】 ゼラチン、サイリウム、アルカリ剤およ
び食塩を含有する麺生地より調製されることを特徴とす
るゼラチン含有麺類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼラチンを高濃度
で含有する麺類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりコラーゲンまたはその熱変性物
であるゼラチンもしくは加水分解物であるコラーゲンペ
プチドは、麺質の改良剤として使用されている。例えば
以下の公知文献に、これら改良剤の利用に係る発明が記
載されている。
【0003】特開昭56−15659号公報には、ゼラ
チンを小麦粉に対して0.1〜1%添加することによ
り、麺にこしを付与し食感を改良した麺類の製造方法が
開示されている。また、特開昭56−32965号公報
には、ゲル化力を有しない程度にまで分解したコラーゲ
ン分解物(ペプチド)を、小麦粉に対して0.1〜1%
添加することにより、麺にこしを付与し食感を改良した
麺類の製造方法が開示されている。さらに特公昭54−
10619号公報の実施例2には、平均分子量1000
〜10000のコラーゲンペプチドを原料粉に対して
0.5%添加し、そうめん等麺類の食味食感を改良する
方法が開示されている。そして、特公昭59−1676
4号公報には、原料粉に対して0.06〜0.2%の分
子量25万〜30万の可溶化コラーゲンの水溶液を混和
した練り水により製麺して、優れた食味の麺類を製造す
る方法が開示されている。
【0004】以上の発明は、コラーゲン等を麺質改良剤
として使用したものであり、その添加量は原料粉に対し
て1%を下回る程度に抑えられている。また、特開平3
−228256号公報における冷凍茹麺の製造方法に
は、原料混合物に対してゼラチンを1〜4%、カラギー
ナンを0.3〜2.5%、ゲル化剤として麺類に添加し
て解凍後の茹で伸びを遅延する技術が開示されている
が、食感の点で満足できるものではなかった。
【0005】ところで、ゼラチンはコラーゲンの熱変性
物である蛋白質であり、近年の健康志向の向上に伴な
い、美容および薬理効果を持つ栄養素材として注目され
ている。即ち、ゼラチンは、経口摂取によって皮膚の新
陳代謝の促進や保水力の向上による皺およびシミの防
止、毛髪の質および強度の向上、創傷治癒の促進、胃粘
膜保護による抗潰瘍性作用、関節の炎症緩和、骨組織の
強化、血圧上昇の抑制、アミノ酸の栄養補充などに対し
て有益な効果を奏することができるものである。
【0006】そこで、このような優れた特性を有するゼ
ラチンを、多量に(高濃度で)麺類へ添加しようとする
と、その特有の物性に起因して、製麺性が悪化し、特に
蒸煮後の麺線強度が著しく低下して麺線が切れ易くなっ
たり、食感が著しく低下するなどという問題が生じた。
従って、原料粉に対して前記先願発明の如く、多くても
1%程度しかゼラチンを含有させることができず、その
生理作用を期待して多量に配合することは困難な状況に
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記問題
点について検討した結果、ゼラチンを麺類に1重量%以
上添加しようとすると、製麺時にはゼラチンの粘性より
製麺性が比較的良好になるものの、製麺後の蒸煮時の加
熱によりゼラチンの離水が発生することが明らかになっ
た。従って、このようにゼラチンを比較的多量に含有す
る麺類は、加熱後には麺線が切れ易くなり、後工程での
製造適性が悪く、しかも喫食時の食感自体もぶつぶつ切
れて好ましくないものとなってしまうとの知見を得た。
【0008】そこで、本発明者等は上記知見に基づき、
ゼラチンの物性を補う方法について鋭意研究した結果、
ゼラチンと、サイリウム、アルカリ剤および食塩を製麺
原料に併用することにより、製麺性および食味食感に悪
影響を及ぼすこと無くゼラチンを高濃度で含有させるこ
とができるとの知見に至り、本発明を完成させたのであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ゼラチ
ン、サイリウム、アルカリ剤および食塩を含有する麺生
地より調製されることを特徴とするゼラチン含有麺類で
ある。係る本発明によれば、製麺の後の蒸しおよび/ま
たは茹で工程等の加熱時にゼラチンから離水した水分
を、サイリウムがその高粘性と高ゲル化能を発現して保
水すると共に、アルカリ剤と食塩の作用効果が相俟っ
て、原料粉に対して1重量%以上の高濃度でゼラチンが
含有され、且つ良好な食感を維持した麺類を提供するこ
とができる。更に、サイリウムの添加により茹で工程に
おける栄養成分としてのゼラチンの溶出を極めて有効に
抑えることができ、本発明による麺類をうどん、そば、
中華麺等とする場合には、喫食時のスープへのゼラチン
とサイリウムの溶出を抑えることができるので、栄養成
分としてのゼラチン、サイリウムを有効に摂取できると
共に、スープの粘性等の食味食感に影響を与えることが
無い。
【0010】また、本発明によれば、ゼラチン、サイリ
ウム、アルカリ剤および食塩を含有する前記麺生地を内
層に含むゼラチン含有麺類が提供される。この麺類は、
蒸しおよび/または茹での加熱工程および喫食時のゼラ
チンおよびサイリウムの溶出をより効果的に抑えること
ができるものである。その上、製麺後の麺類のこし、表
面の食感、外観、強度などを所望に応じて調整すること
が容易である。
【0011】前記ゼラチンとしては、分子量が8〜15
万のものが好ましい。係る物性を有するゼラチンを用い
れば、特に製造適性および食感に優れ、ゼラチンおよび
サイリウムを美味しく摂食するために好ましい麺類とす
ることができる。
【0012】前記ゼラチンを冷水可溶性とすると、より
製麺時等の製造適性に優れたものとすることができる。
【0013】前記ゼラチンは、好ましくは原料粉総重量
の1〜7重量%を添加することができる。このような量
のゼラチンを配合することで、麺類の特性や食味を損な
うことなく、優れた美容および薬理効果を付与すること
が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0015】本発明における麺類とは、その種類および
製品形態に特に限定されず、例えば、うどん、そば、中
華麺、スパゲティー等の生麺、茹で麺、乾燥麺、チルド
麺、冷凍麺等である。更に本発明では、これら麺類のう
ち即席熱風乾燥麺において、その製造適性、熱湯による
復元性、食味食感、ゼラチンの安定供給の点で特に有効
である。
【0016】<配合成分> (1)ゼラチン ゼラチンは、コラーゲンを熱変性することにより得られ
るコラーゲン熱変性物であり、コラーゲン材料の由来や
処理条件に応じて、水に対する溶解性、分子量等の物性
は変化する。本来ゼラチンは、水に膨潤させた後加温し
て初めて溶解する「温水可溶性」であるが、これに加工
処理を施して「冷水可溶性」にしたものがある(例え
ば、特開昭58−142936号、特開昭61−211
385号、特開平7−1557718号公報などを参照
されたい)。
【0017】本発明において使用するゼラチンは、前記
温水可溶性または冷水可溶性の、いずれであってもよ
い。しかし、温水可溶性のものは水とともに加温して溶
解させてから添加しなければならず製造工程上煩雑にな
るので、配合するゼラチンとしては、冷水可溶性のもの
がより好ましいといえる。
【0018】冷水可溶性ゼラチンとしては、例えば、ゼ
ラチン溶液をスプレードライ、凍結乾燥法等により乾燥
することによって得られるものであるが、本発明におい
てその製造方法は特に限定されない。
【0019】また、ゼラチンの分子量は8万以上、好ま
しくは8〜15万のものが、製麺性および食感の点で好
ましい。分子量が低すぎる場合には麺生地の圧延時に表
面が荒れたり裂け目が発生する等の問題が発生し、食感
も不良となる。一方、分子量が約30万のコラーゲンの
場合には特に麺帯圧延が困難となり、蒸煮後の麺線の強
度も若干劣り、また、特有の獣臭が食味に悪影響を及ぼ
すことがある[実施例1・表1参照]。
【0020】ここで分子量は、重量平均分子量であり、
カラム(例えば、昭和電工社製、Shodex Asahipak GS-6
20 7G)を備えた高速液体クロマトグラフィーにて、標
準物質から得られる検量線を基に算出されるものであ
る。
【0021】ゼラチンの添加量は、好ましくは麺類の原
料粉(小麦粉等の粉体材料と、ゼラチンおよびサイリウ
ムの混合粉体)重量の1〜7重量%、特に好ましくは6
重量%とするとよい。ゼラチンの添加量が少ない場合に
は、ゼラチンが有する美容および薬理効果をわずかしか
保持しないものになってしまう。そしてゼラチンの添加
量が多すぎると、製麺性、麺線の強度が低下し、食味・
食感も不良となる傾向があり好ましくない[実施例8・
表8参照]。
【0022】(2)サイリウム サイリウムは、インドのラジャスタン州やグジャラート
州で栽培されるオオバコの一種であるPlantago種Planta
ginaceae植物のPlantago Ovata Forskal等の種子から採
った天然植物ガムである。本発明において使用可能なサ
イリウムの精製方法および粒度は、特に限定されない。
【0023】サイリウムの添加量は、配合したゼラチン
の1重量部に対しておよそ0.15〜0.8重量部、よ
り好ましくは0.15〜0.5重量部であるとよく、例
えばゼラチンを製麺原料粉重量の6重量%添加した場
合、サイリウムは原料粉の1〜5重量%とするのが、製
麺性および食感等の点で好ましい。添加量が少ないと、
麺線の強度が低下し、湯伸びしやすくなり、また麺の食
味が劣化するうえ、茹で、調理時のゼラチンの溶出量が
増大することがある。また添加量が多すぎると、麺帯の
形成および圧延が困難になり、麺線強度の低下を招き、
しかも食味・食感に劣ったものとなってしまう[実施例
5・表5参照]。
【0024】(3)アルカリ剤 アルカリ剤としては、炭酸塩および/またはリン酸塩が
挙げられる。特に1%水溶液でpH11〜12.5を示
す、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウ
ム、リン酸カリウム等が、製麺性および食感の点で好ま
しい。
【0025】アルカリ剤の添加量は、例えば中華麺でゼ
ラチンを原料粉重量の6重量%添加した場合には、炭酸
ナトリウムで、原料粉100重量部に対して0.4〜
0.8重量部とするのが、製麺性および食感等の点で好
ましい。添加量が少なすぎると、製麺性、麺線強度およ
び食味が悪くなり、また添加量が多すぎても麺の食感や
製麺性に悪影響を及ぼすことがある[実施例3・表3お
よび実施例6・表6参照]。
【0026】(4)食塩 食塩の添加量は、上記ゼラチンの添加量に応じて適宜に
調整するとよい。例えばゼラチンを原料粉重量の6重量
%添加した場合、食塩の添加量は原料粉100重量部に
対して1〜5重量部とするのが、製麺性および食感等の
点で好ましい[実施例7・表7参照]。
【0027】<製法>本発明では前述の如く、製麺原料
に、ゼラチン、サイリウム、アルカリ剤および食塩を配
合することを特徴とするものであり、麺生地および当該
麺生地より調製される麺類の製造方法自体は特に限定さ
れるものではなく、目的とする麺の種類・形態に応じて
適宜常法が採用可能である。通常、小麦粉を主成分とす
る原料粉に、前記ゼラチンとサイリウムを粉体で混合
し、該混合粉に食塩およびアルカリ剤と、所望に応じて
添加剤を加えた混練水を加え、ミキサーで混練して麺生
地とする。次いで、複合ロールにて麺帯を形成し、熟成
後圧延して切出し、麺線とし、生麺が調製される。その
後、必要に応じ、蒸煮処理、乾燥処理、冷凍処理等によ
り目的とする茹で麺、乾麺、即席乾燥麺、冷凍麺等が得
られる。
【0028】また、上記の通りに調製した生麺を内層と
し、その外周に別途常法によって調製した麺生地の外層
を積層、または被覆・周設することによって多層構造と
し、加熱工程および喫食時のゼラチンおよびサイリウム
の溶出を充分に抑制し、さらには製麺後の麺類のこし、
表面の食感、外観、強度などを調整することができる。
【0029】本発明が特に有効な実施態様である即席熱
風乾燥麺は、前記麺線を、常法により蒸煮および/また
は茹で処理した後、熱風乾燥することにより製造され
る。例えば、熱湯注加のみにより復元するタイプのスナ
ック麺類の場合、2分間程度蒸煮し、98〜100℃に
て15〜75秒間茹で処理した後、水で約30秒間程度
洗浄し、着味を施し、次に80〜110℃、好ましくは
90℃の熱風にて30〜110分間乾燥することによっ
て製造されるとよい。
【0030】尚、本発明では、蒸煮前の製麺時における
ゼラチンのゲル化能をできるだけ抑制して製麺性の低下
を防止するため、蒸煮前の麺生地の品温は25℃以上に
保っておくことが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説
明するが、これらにより本発明が限定的に解釈されるべ
きではない。
【0032】尚、実施例における分子量は重量平均分子
量であり、カラム(昭和電工社製、Shodex Asahipak GS
-620 7G、径7.6mm×長さ500mm 2本)を備えた高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)にて、溶離液に0.1mol
/lリン酸2水素カリウム溶液および0.1mol/lリン酸水素
2ナトリウム溶液の混合液を用い、検出はUV検出器に
より測定した。ゼラチン等の試料は、0.2重量%の濃度
となるように溶離液に溶解して検液とし、流速1.0ml/mi
n、カラム温度50℃、注入量100μl、230nm
吸光度の条件下で測定して得られた分子量分布曲線から
重量平均分子量を計算した。
【0033】[実施例1:ゼラチンの種類]種々のゼラ
チンまたはコラーゲン誘導体を添加して製造した麺類の
特性を調べるため、以下のAからGの各ゼラチンまたは
コラーゲン誘導体、すなわち、A:コラーゲンペプチド
(分子量:約3000)、B:コラーゲンペプチド(分
子量:約5000)、C:コラーゲンペプチド(分子
量:約10,000)、D:冷水可溶性ゼラチン(分子
量:約8万)、E:温水可溶性ゼラチン(分子量:約1
0万)、F:冷水可溶性ゼラチン:(分子量:約15
万)、またはG:コラーゲン(分子量:約30万)を用
いた。
【0034】準強力小麦粉910gに、上記AからGの
各ゼラチン、コラーゲンまたはコラーゲンペプチドを、
それぞれ60g、そしてサイリウム30gを加えた混合
粉1000gを調製した。次に、食塩30gおよび炭酸
ナトリウム6gを加えて340mlになるように溶解・
調製した混練水を前記各混合粉に加え、常圧ミキサーで
15分間混練して麺生地を得た。尚、E(試料5)の温
水可溶性ゼラチンは、混練水に添加し加温して溶解させ
て使用した。
【0035】次いで、麺帯を形成し、15分間熟成した
後、麺帯を圧延し、麺線を切り出した。前記麺線を2分
間蒸煮処理し、98〜100℃にて30秒茹で処理した
後、水道水にて30秒水洗し、着味液に浸漬し、次いで
90℃の熱風にて70分間乾燥し、即席熱風乾燥スナッ
ク麺を得た。この際、製麺性すなわち、麺帯の形成およ
び圧延の容易さ、蒸煮後の麺線の強さについての5段階
評価を行った。その後、これら各乾燥麺を常法により調
理して、湯伸びのしにくさ、食味および食感について5
段階評価した。この結果を、製麺性についての5段階評
価と併せて表1に示す。各評価の基準は、後掲の表9に
記載の通りである。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果より、試料4、5および6のゼ
ラチンを配合したものは、冷水・温水可溶性のいずれも
製麺適性、食味食感に優れるが、試料1から3のコラー
ゲンペプチドを配合したものや、試料7のコラーゲンを
配合したものでは、製麺適性、食味食感に劣っていた。
従って、分子量が8万〜15万のゼラチンを用いた場合
に、良好な麺類を製造できることが判った。
【0038】[実施例2:必須成分]本発明の麺類に配
合すべきサイリウム、アルカリ剤および食塩の成分それ
ぞれの必要性を確認するため、表2に示すように3種の
うちのいずれか1種以上を配合しない麺について検討し
た。
【0039】ゼラチンには実施例1の試料4で用いたD
(冷水可溶性ゼラチン、分子量:約8万)を、アルカリ
剤には炭酸ナトリウムを使用し、表2記載の配合率にて
前記実施例1と同様の方法により即席熱風乾燥スナック
麺を得て、評価を行った。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果より、サイリウム、アルカリ剤
および食塩のいずれが欠けても、製麺性および/または
食味食感に悪影響が出た。従って、いずれの成分も本発
明の効果を得る上で必須であることが判った。
【0042】[実施例3:アルカリ剤の種類]アルカリ
剤として好ましいものを検討するために、種々のアルカ
リ剤すなわち、a:炭酸ナトリウム(pH11.2)、
b:炭酸カリウム(pH11.1)、c:リン酸3ナト
リウム(pH12.1)、d:リン酸2ナトリウム(p
H9.2)またはe:リン酸1ナトリウム(pH4.
6)を配合した麺を調製した。尚これらのpHは、それ
ぞれのアルカリ剤の1%水溶液についての値である。
【0043】ゼラチンには実施例1で用いたD(冷水可
溶性ゼラチン)を使用し、表3記載の配合率にて前記実
施例1と同様の方法により即席熱風乾燥スナック麺を得
て、評価を行った。その評価結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3の結果より、アルカリ剤a、bまたは
cを使用した試料1、2または3では、製麺性および食
味食感において良好な効果が示された。従って、アルカ
リ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸
3ナトリウム等の、1%水溶液でpH11〜12.5の
ものが好適であることが判った。
【0046】[実施例4:増粘多糖類の種類]サイリウ
ム以外の増粘多糖類を添加した場合にも同様に優れた麺
類を製造することができるか否かについて検討した。増
粘多糖類として、サイリウム、アラビアガム、グ
アガム、アルギン酸、キサンタンガム、ペクチ
ン、ローカストビーンガムまたはカラギーナンを用
いた。
【0047】ゼラチンには実施例1のD(冷水可溶性ゼ
ラチン)を、アルカリ剤には炭酸ナトリウムを使用し、
表4記載の配合率にて前記実施例1と同様の方法により
即席熱風乾燥麺を得て、評価を行った。その結果を表4
に示す。
【0048】
【表4】
【0049】表4の結果より、増粘多糖類としてサイリ
ウムを配合した試料1のみに、製麺性および食味食感に
おける良好な効果が顕著に見られた。
【0050】[実施例5:サイリウムの添加量]ゼラチ
ンに対するサイリウムの添加量を検討した。小麦粉、ゼ
ラチンおよびサイリウムを混合した原料粉中のゼラチン
の添加量を6重量%添加とし、サイリウムの添加量を0
から6重量%までに変化させ、ゼラチンには実施例1の
D(冷水可溶性ゼラチン)を、アルカリ剤には炭酸ナト
リウムを使用して、表5記載の配合率にて前記実施例1
と同様の方法により即席熱風乾燥スナック麺を得て、評
価を行った。その結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】表5の結果より、原料粉のゼラチンの添加
量が6重量%の場合、サイリウムを3重量%(試料1)
および1重量%(試料3)添加した場合に製麺性および
食味食感に良好な効果が見られ、ゼラチン1重量部に対
しては0.15〜0.5重量部のサイリウム添加量とす
ることが好ましいことが判った。
【0053】[実施例6:アルカリ剤添加量]アルカリ
剤として炭酸ナトリウムを使用し、その添加量を原料粉
100重量部に対して0から1.0重量部までに変化さ
せた。ゼラチンには実施例1のD(冷水可溶性ゼラチ
ン)を用いて、表6記載の配合率にて前記実施例1と同
様の方法により即席熱風乾燥スナック麺を得て、評価を
行った。その結果を、表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】表6の結果より、試料1、3および4で、
製麺性および食味食感に良好な効果が見られ、従って、
原料粉のゼラチンの添加量が6重量%の場合、アルカリ
剤の添加量は原料粉100重量部に対して0.4〜0.
8重量部が好適であることが判った。
【0056】[実施例7:食塩添加量]食塩の添加量を
原料粉100重量部に対して0から5重量部までに変化
させ、ゼラチンには実施例1のD(冷水可溶性ゼラチ
ン)を、アルカリ剤には炭酸ナトリウムを使用し、表7
記載の配合率にて前記実施例1と同様の方法により即席
熱風乾燥スナック麺を得て、評価を行った。その結果を
表7に示す。
【0057】
【表7】
【0058】表7の結果より、試料1、2および3に製
麺性・食味食感に良好な効果が見られ、原料粉のゼラチ
ンの添加量が6重量%の場合、食塩の添加量としては原
料粉100重量部に対して1〜5重量部が好適であるこ
とが判った。
【0059】[実施例8:ゼラチン添加可能量]ゼラチ
ンは実施例1のD(冷水可溶性ゼラチン)を原料粉の6
から12重量%までの範囲で用い、アルカリ剤として炭
酸ナトリウムを使用し、表8記載の配合率にて前記実施
例1と同様の方法により即席熱風乾燥スナック麺を得
て、評価を行った。その結果を表8に示す。
【0060】
【表8】
【0061】表8の結果より、試料1および2に製麺性
および食味食感に良好な効果が見られ、少なくとも原料
粉の7重量%までは、製麺性・食味食感に影響を与える
こと無く良好にゼラチンを添加できることが判った。
【0062】
【表9】
【0063】[製造例]中力小麦粉950gにタピオカ
澱粉50gを加えた混合粉1000gを調製した。次い
で食塩20g、炭酸ナトリウム4gを加えて340ml
になるように溶解・調製した混練水を前記混合粉に加
え、常圧ミキサーで15分間混練して外層用麺生地を得
た。一方、準強力小麦粉910gにゼラチン60gおよ
びサイリウム30gを加えた混合粉1000gを調製し
た。次に食塩30gおよび炭酸ナトリウム6gを加えて
340mlになるように溶解・調製した混練水を前記混
合粉に加え、常圧ミキサーで15分間混練して内層用麺
生地を得た。双方の麺生地をそれぞれ圧延して外層用麺
帯と内層用麺帯とした後、麺帯厚が外層:内層:外層=
1:2:1となるように内層用麺帯を外層用麺帯で挟み
込み三層麺帯を得た。次いで15分間熟成した後、係る
三層麺帯を圧延して切り出し、三層麺を得た。前記三層
麺を100℃にて2分間蒸煮し、98〜100℃にて3
0秒間茹で処理した後、水道水にて30秒間水洗し、着
味液に浸漬し、次いで90℃の熱風にて70分間乾燥
し、即席熱風乾燥スナック麺を得た。当該製造方法によ
れば、製造適性に優れ、復元性、食味食感良好な即席熱
風乾燥スナック麺を得ることができた。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、製麺性および食味食感
に悪影響を与えること無く、従来より高濃度でゼラチン
を麺類に含有させることができる。
【0065】しかも、配合したゼラチンが、茹で、調理
等の際に溶出してしまうことが少なく、従って、有効に
ゼラチンを摂取することが可能となる上、スープへの溶
出分に起因した食味の変化を起こすこともない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチン、サイリウム、アルカリ剤およ
    び食塩を含有する麺生地より調製されることを特徴とす
    るゼラチン含有麺類。
  2. 【請求項2】 前記麺生地を内層に含む請求項1記載の
    ゼラチン含有麺類。
  3. 【請求項3】 前記ゼラチンの分子量が、8〜15万で
    ある請求項1または2記載のゼラチン含有麺類。
  4. 【請求項4】 前記ゼラチンが冷水可溶性である請求項
    1乃至3のいずれかに記載のゼラチン含有麺類。
  5. 【請求項5】 前記ゼラチンの添加量が、麺類の原料粉
    重量の1〜7重量%である請求項1乃至4のいずれかに
    記載のゼラチン含有麺類。
  6. 【請求項6】 前記麺類が、即席熱風乾燥麺である請求
    項1乃至5のいずれかに記載のゼラチン含有麺類。
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