JP2001352924A - 油揚げ即席麺用粉およびそれを用いた油揚げ即席麺の製造法 - Google Patents
油揚げ即席麺用粉およびそれを用いた油揚げ即席麺の製造法Info
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Abstract
その上良好な食感、食味を保持した油揚げ即席麺用粉お
よびそれを用いた油揚げ即席麺の製造法。 【解決手段】 穀粉類100重量部に対して乳酸ナトリ
ウム0.5〜5重量部および少糖類0.5〜8重量部を
含有する油揚げ即席麺粉およびそれを用いた油揚げ即席
麺の製造法。
Description
およびそれを用いた油揚げ即席麺の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明は吸油量が少なく低カロリーであ
り且つ食感および食味に優れた油揚げ即席麺用粉および
短時間で喫食状態に復元可能な油揚げ即席麺の製造方法
に関する。
調理するだけで簡単に喫食できる即席性、良好な保存性
等の特徴から生活者の幅広い支持を得ている。乾燥方法
から即席麺類(生タイプを除く)を分類すると、油揚げ
即席麺(フライ麺)、熱風乾燥麺(ノンフライ麺)、凍
結乾燥麺(フリーズドライ麺)等に分類できる。その中
でも油揚げ即席麺は即席性、独得の風味等の点で特徴が
あり即席麺の主流をなしている。しかしながら、油揚げ
即席麺は、油で揚げる際に麺が多量の油分を吸収するた
めに熱風乾燥麺や凍結乾燥麺に比べ高カロリーである場
合が多い。近年生活習慣病や肥満などの観点から、生活
者の低カロリー志向が高まっており、吸油量の少ない油
揚げ即席麺の開発が切望されていた。また油揚げ即席麺
の風味のバラエティーの点から油っぽくないアッサリし
たものも望まれており、このような点からも、吸油量の
少ない油揚げ即席麺が望まれている。
い時間で簡便に喫食でき、従来の油揚げ即席麺に比べて
吸油量が少なく、その上良好な食感、食味を保持した油
揚げ即席麺用粉およびそれを用いた油揚げ即席麺の製造
方法を提供することである。
本発明者らは、多くの検討を重ねてきた。その結果、油
揚げ即席麺を製造するにあたって、乳酸ナトリウムと共
に少糖類を用いて麺線を製造し、この麺線を蒸熱処理し
た後、油揚げすると従来の油揚げ即席麺に比較し吸油量
が少なく、且つ食感に優れる油揚げ即席麺が得られるこ
と、そして、その油揚げ即席麺は従来の即席油揚げ麺と
同様に短時間で喫食状態に復元できることを見いだして
本発明を完成した。
する。本発明の油揚げ即席麺の製造にあたっては、麺線
を蒸熱処理した後油揚げするという油揚げ即席麺で通常
採用されている製造工程を採用するが、本発明では、そ
の際に、麺線中に乳酸ナトリウムと共に少糖類を含有さ
せることが必要である。
れず、従来から麺の製造に用いられている穀粉類の何れ
もが使用できる。例えば、小麦粉、デュラム小麦粉、デ
ュラムセモリナ、ライ麦粉、大麦粉、オーツ小麦粉、そ
ば粉、米粉、餅米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、トウ
モロコシ澱粉などの澱粉類やその化工処理物、またはこ
れら穀粉類のα化物等を挙げることができる。これらの
穀粉類は単独で使用してもまたは2種類以上を併用して
も良く、製造する麺の種類に応じ、穀粉類を選択し、必
要に応じ組み合わせて用いるのがよい。
じて、上記した穀粉類、乳酸ナトリウム、少糖類と共
に、従来から使用されている種々の副材料や添加物の1
種または2種以上を組み合わせて使用しても良い。その
ような添加物としては、かん粉、食塩、小麦蛋白質類、
卵白粉末、全卵粉末、卵黄粉末、乳化剤、増粘多糖類、
有機酸類、カルシウム製剤、脱脂粉乳、抗酸化剤等を例
示することができる。
のものであればその種類を問わない。この乳酸ナトリウ
ムは50〜80%濃度の水溶液の状態で用いられるのが
一般的であり、使用に際しては例えば澱粉と混合した後
他の原料と混合する等の方法を採用することが好まし
い。吸油量が少なく且つ食感及び食味に優れる油揚げ即
席麺を製造するためには、使用する乳酸ナトリウムは穀
粉類100重量部に対して、0.5〜5重量部の割合で
添加するのが好ましく、1〜3重量部がより好ましい。
乳酸ナトリウム添加量が0.5重量部よりも少ないと吸
油量の低減効果が発現されにくくなり、一方5重量部を
越えて使用しても油揚げ即席麺の吸油量がそれほど低下
せず経済的に無駄である。
類(disaccharide)、三糖類(trisaccharide)、四糖
類(tetrasaccharide)、五糖類(pentasaccharide)等
の単糖類2〜数個がグリコシド結合で繋がったもので、
グリコシド結合のα、βの別、単糖類の種類と数は問わ
ず、食用として供されるもので有れば何れでも良い。こ
れらの化合物としては、マルトース、トレハロース、イ
ソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクト
ース、シュークロース、マルトトリオース、ラフィノー
ス、スタキオース等を例示することができる。この中で
も吸油低減効果と、入手の容易さからマルトース、トレ
ハロース、ラクトース、シュークロースが好ましく用い
られる。また吸油量は少なく且つ食感および食味に優れ
る油揚げ即席麺を製造するためには使用する少糖類は穀
粉類100重量部に対して、0.5〜8重量部の割合で
添加して製麺するのが好ましく、2〜5重量部がより好
ましい。少糖類の添加量が0.5重量部よりも少ないと
吸油量の低減効果が発現されにくくなり、一方8重量部
を越えて使用しても油揚げ即席麺の吸油量がそれほど低
下せず、また、糖類の甘味が感じられるようになり好ま
しくない。
造方法は特に限定されず、ロール製麺法、押し出し製麺
法、手延べ製麺法、手打ち製麺法等何れの方法を用いて
も良い。また麺線を製造する際の混捏方法や条件、麺線
への切り出し方法や条件、押し出し方法や条件またはそ
れらの工程で用いる装置の種類なども特に制限されな
い。本発明では、麺線中に乳酸ナトリウムと少糖類が均
一に分散混合されている限り、これらの添加方法などは
特に制限されない。
類を含有する麺線を蒸熱処理する際には、蒸気温度は9
5〜100℃の範囲であるのが好ましく、従来から採用
されている蒸熱方法や装置の何れもが採用できる。例え
ば、麺線をネットコンベヤー等に載せて連続的に移送し
ながら、または麺線を籠等に充填してバッチ式の蒸気室
に入れて、95〜100℃の蒸気で蒸熱処理する。次い
で、上記の蒸熱処理された麺線を解しながら、従来の方
法と同様にして油揚げを行う。例えば1食分または数食
分ずつ型や枠等に詰めて型詰めした麺線を油ちょう脱水
して油揚げ即席麺を製造する。その際に油揚げに用いる
揚げ油は、従来から用いられているものと同様の油を用
い、従来と同様の方法および装置を用いて油揚げを行え
ば良く、特に制限されるものではない。一般的には、パ
ーム油、部分水添パーム油、純製ラード、調整ラード、
それらの混合油などからなる食用油を用いて、約130
〜160℃の温度で1〜3分間程度油揚げすると良い。
特に限定されず、例えば即席中華麺、即席うどん、即席
そば、即席欧風麺類などを挙げることができる。また本
発明の油揚げ即席麺は麺線自体に味付けをした味付け油
揚げ即席麺であっても、またはスープなどを別の形で添
付したスープ別添油揚げ即席麺であっても良い。
明するが、本発明はそれらに何ら限定されない。以下の
例中の%は特に断りのない限り重量%を表す。
名)90重量部、馬鈴薯澱粉10重量部、乳酸ナトリウ
ム3重量部およびマルトース2重量部を均一に混合して
油揚げ即席中華麺用粉を調製した。
名)80重量部、タピオカ澱粉20重量部、乳酸ナトリ
ウム3重量部およびマルトース4重量部を均一に混合し
て油揚げ即席うどん用粉を調製した。
力小麦粉(「オーション」日清製粉株式会社製商品名)
55重量部、馬鈴薯澱粉15重量部、乳酸ナトリウム3
重量部およびトレハロース4重量部を均一に混合して油
揚げ即席そば用粉を調製した。
商品名)95重量部、馬鈴薯澱粉5重量部、乳酸ナトリ
ウム3重量部およびマルトース4重量部を均一に混合し
て油揚げ即席欧風麺用粉を調製した。
澱粉とを混合して油揚げ即席中華麺用の穀粉原料を調製
した。 (2)上記(1)で調製したそれぞれの穀粉原料100
重量部に対して、かんすい0.2重量部、食塩1重量部
および乳酸ナトリウムと少糖類の所定量を水32重量部
に溶解した水溶液を加えて、横型ミキサーを用いて10
分間混練してそれぞれの生地を製造した。これらの生地
を製麺ロールで複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯を製
造した後、No.20丸切刃を用いて麺線に切り出し
た。なお、実施例13は乳酸ナトリウムを予め澱粉と混
合して用いた。 (3)上記(2)で得られたそれぞれの麺線を蒸し籠に
入れて温度100℃の蒸気で3分間蒸熱処理してα化し
た後、蒸し籠から取り出して、温度135〜140℃の
精製パーム油中で80秒間油揚げを行って、油揚げ即席
麺をそれぞれ製造した。 (4)上記(3)で得られた蒸熱処理麺および油揚げ即
席中華麺の一部を用いて、下記のようにして油揚げ即席
中華麺の吸油率および吸油減少率を測定したところ、下
記の表2〜4に示す通りであった。
より油揚げ即席麺の油の含有量(%)を測定し、それを
吸油率(%)とした。
即席麺の油の含有量(%)を測定した。対照例の油揚げ
即席麺の吸油率を基準として、この対照例の油揚げ即席
麺の吸油率に対する各実施例および比較例で得られた油
揚げ即席麺の吸油率減少率を下記の数式により求めた。
率(%)、B=各実施例および比較例の油揚げ即席麺の
吸油率(%)] (5)更に、上記(3)で得られたそれぞれの油揚げ中
華麺100gを沸騰水500mlで3分間調理して復元
し、それを10名のパネラーに食してもらい下記の表1
に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均
値を採ったところ、下記の表2〜4に示す通りであっ
た。なお、官能試験は、対照例を基準(3点が標準)と
して行った。
よびマルトースを両方含有する麺線を用いて得られた実
施例5〜7は、対照例および比較例1に比べ油臭・油っ
ぽさがない。特に実施例6の場合は吸油減少効果が顕著
である。
は対照例より油臭・油っぽさがない。
対照例に比べてより吸油減少効果があることがわかる。
された油揚げ即席麺は従来の油揚げ即席麺に比べて吸油
量が少なく、かつ短い時間で簡便に喫食でき、しかも優
れた食感、食味を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 穀粉類、乳酸ナトリウムおよび少糖類を
含有することを特徴とする油揚げ即席麺用粉。 - 【請求項2】 穀粉類100重量部に対して乳酸ナトリ
ウム0.5〜5重量部および少糖類0.5〜8重量部含
有する請求項1に記載の油揚げ即席麺用粉。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の油揚げ即席麺
用粉を用いて製麺し、次いで得られた麺線を蒸熱処理し
た後油揚げすることを特徴とする油揚げ即席麺の製造
法。
Priority Applications (1)
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2001
- 2001-04-05 JP JP2001106791A patent/JP4139573B2/ja not_active Expired - Lifetime
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