JP2000260007A - 磁気ヘッド用封着ガラスおよびこれを用いた磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッド用封着ガラスおよびこれを用いた磁気ヘッドInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 充分な耐候性を有し、フェライトあるいは金
属強磁性膜の磁気的劣化が小さく、磁気ギャップの精度
が良好であって、しかも加工時の割れや欠けが発生しに
くく、かつ良好な記録再生特性を有する磁気ヘッドを提
供する。 【解決手段】 磁気ヘッド用封着ガラスとして、モル%
表示で、SiO2:20〜30%、B2O3:10〜30
%、ZnO:15〜30%、R2O:10〜20%(た
だし、RはNa,KおよびLiから選ばれる少なくとも
1種のアルカリ金属)、MO:10〜15%(ただし、
MはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくと
も1種のアルカリ土類金属)、Al2O3:0〜5%、な
る組成を有するガラスを用いる。
属強磁性膜の磁気的劣化が小さく、磁気ギャップの精度
が良好であって、しかも加工時の割れや欠けが発生しに
くく、かつ良好な記録再生特性を有する磁気ヘッドを提
供する。 【解決手段】 磁気ヘッド用封着ガラスとして、モル%
表示で、SiO2:20〜30%、B2O3:10〜30
%、ZnO:15〜30%、R2O:10〜20%(た
だし、RはNa,KおよびLiから選ばれる少なくとも
1種のアルカリ金属)、MO:10〜15%(ただし、
MはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくと
も1種のアルカリ土類金属)、Al2O3:0〜5%、な
る組成を有するガラスを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に対
する多量の磁気情報の記録・再生に適した磁気ヘッドに
関するものである。
する多量の磁気情報の記録・再生に適した磁気ヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】本格的なマルチメディア時代が到来し、
磁気記録の高密度化に伴って磁気記録媒体の高保磁力化
や記録再生周波数の広帯域化が図られている。従来より
高密度な記録再生を行うために、磁気ヘッドにおいて
も、高性能化が要求されている。このため、磁気ヘッド
としては、狭ギャップでも十分な記録能力を有し、狭ト
ラック化された場合でも高いヘッド出力を得ることが必
要となる。
磁気記録の高密度化に伴って磁気記録媒体の高保磁力化
や記録再生周波数の広帯域化が図られている。従来より
高密度な記録再生を行うために、磁気ヘッドにおいて
も、高性能化が要求されている。このため、磁気ヘッド
としては、狭ギャップでも十分な記録能力を有し、狭ト
ラック化された場合でも高いヘッド出力を得ることが必
要となる。
【0003】このようなヘッドの高性能化の要求に対応
するため、磁気特性、耐摩耗特性、機械加工性等が優れ
ているフェライト材が、磁気ヘッド用コア材として広く
用いられている。
するため、磁気特性、耐摩耗特性、機械加工性等が優れ
ているフェライト材が、磁気ヘッド用コア材として広く
用いられている。
【0004】また、ヘッドの更なる高性能化の要求に対
応するために、高い飽和磁束密度を有するともに、同一
の磁気ヘッドで記録再生を行う場合においてはコア材料
として高い透磁率を兼ね備えている、センダスト合金や
Co系アモルファス合金等の金属強磁性膜を磁気ギャッ
プ部に配したメタル・イン・ギャップ型(MIG)ヘッ
ドの開発が盛んに行われている。
応するために、高い飽和磁束密度を有するともに、同一
の磁気ヘッドで記録再生を行う場合においてはコア材料
として高い透磁率を兼ね備えている、センダスト合金や
Co系アモルファス合金等の金属強磁性膜を磁気ギャッ
プ部に配したメタル・イン・ギャップ型(MIG)ヘッ
ドの開発が盛んに行われている。
【0005】このようなフェライトヘッドおよびMIG
ヘッド等の磁気ヘッドにおいて、封着ガラスとして最も
広く使用されているのは、PbO系、具体的には、Pb
O−B2O3系、PbO−B2O3−SiO2系、PbO−
B2O3−ZnO系、PbO−B2O3−SiO2−Al2O
3系等の低融点ガラスである。
ヘッド等の磁気ヘッドにおいて、封着ガラスとして最も
広く使用されているのは、PbO系、具体的には、Pb
O−B2O3系、PbO−B2O3−SiO2系、PbO−
B2O3−ZnO系、PbO−B2O3−SiO2−Al2O
3系等の低融点ガラスである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記低
融点ガラスは、耐水性等の耐候性が不十分である。ま
た、被接着材料、すなわち磁気ヘッドのコア材料である
フェライトまたは金属強磁性膜と反応し、これら材料を
変質させて磁気特性を劣化させたり、磁気ギャップを構
成するギャップ部材とも反応し、この部材を変質させて
磁気ギャップの精度を低下させるという問題もあった。
さらに、ガラスの硬度が低いために、他の磁気ヘッド構
成材料との摩耗性の相違により偏摩耗を起し易く、加工
時に割れ、欠け等の欠陥を発生し易いという問題も有し
ていた。
融点ガラスは、耐水性等の耐候性が不十分である。ま
た、被接着材料、すなわち磁気ヘッドのコア材料である
フェライトまたは金属強磁性膜と反応し、これら材料を
変質させて磁気特性を劣化させたり、磁気ギャップを構
成するギャップ部材とも反応し、この部材を変質させて
磁気ギャップの精度を低下させるという問題もあった。
さらに、ガラスの硬度が低いために、他の磁気ヘッド構
成材料との摩耗性の相違により偏摩耗を起し易く、加工
時に割れ、欠け等の欠陥を発生し易いという問題も有し
ていた。
【0007】そこで、本発明は、上記従来の問題点を解
決して、磁気ヘッドを封着するために適した特性を備え
た封着ガラス、およびこのガラスを用いて構成した磁気
ヘッドを提供することを目的とする。
決して、磁気ヘッドを封着するために適した特性を備え
た封着ガラス、およびこのガラスを用いて構成した磁気
ヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の磁気ヘッド用封着ガラスは、モル%
により表示して、SiO2:20〜30%、B2O3:1
0〜30%、ZnO:15〜30%、R2O:10〜2
0%(ただし、Rは、Na,KおよびLiからなる群か
ら選択される少なくとも1種のアルカリ金属;以下にお
いて同様)、MO:10〜15%(ただし、Mは、M
g,Ca,SrおよびBaからなる群から選択される少
なくとも1種のアルカリ土類金属;以下において同
様)、Al2O3:0〜5%、なる組成を有することを特
徴とする。
に、本発明の第1の磁気ヘッド用封着ガラスは、モル%
により表示して、SiO2:20〜30%、B2O3:1
0〜30%、ZnO:15〜30%、R2O:10〜2
0%(ただし、Rは、Na,KおよびLiからなる群か
ら選択される少なくとも1種のアルカリ金属;以下にお
いて同様)、MO:10〜15%(ただし、Mは、M
g,Ca,SrおよびBaからなる群から選択される少
なくとも1種のアルカリ土類金属;以下において同
様)、Al2O3:0〜5%、なる組成を有することを特
徴とする。
【0009】第1の磁気ヘッド用封着ガラスにおいて
は、30℃〜300℃の平均熱膨張係数(以下、単に
「熱膨張係数」という)が80×10-7/℃〜95×1
0-7/℃であることが好ましい。
は、30℃〜300℃の平均熱膨張係数(以下、単に
「熱膨張係数」という)が80×10-7/℃〜95×1
0-7/℃であることが好ましい。
【0010】また、本発明の第2の磁気ヘッド用封着ガ
ラスは、モル%により表示して、SiO2:20〜30
%、B2O3:10〜30%、ZnO:15〜30%、R
2O:5〜15%(ただし、Rは、Na,KおよびLi
からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金
属)、MO:5〜10%(ただし、Mは、Mg,Ca,
SrおよびBaからなる群から選択される少なくとも1
種のアルカリ土類金属)、Bi2O3:5〜15%、Al
2O3:0〜5%、なる組成を有することを特徴とする。
ラスは、モル%により表示して、SiO2:20〜30
%、B2O3:10〜30%、ZnO:15〜30%、R
2O:5〜15%(ただし、Rは、Na,KおよびLi
からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金
属)、MO:5〜10%(ただし、Mは、Mg,Ca,
SrおよびBaからなる群から選択される少なくとも1
種のアルカリ土類金属)、Bi2O3:5〜15%、Al
2O3:0〜5%、なる組成を有することを特徴とする。
【0011】第2の磁気ヘッド用封着ガラスにおいて
は、熱膨張係数が75×10-7/℃〜90×10-7/℃
であることが好ましい。
は、熱膨張係数が75×10-7/℃〜90×10-7/℃
であることが好ましい。
【0012】本発明の磁気ヘッド封着用ガラスは、従来
の低融点ガラスよりも改善された耐候性を備えている。
また、フェライトや金属強磁性膜との反応による磁気的
劣化を抑制し、ギャップ部材との反応による磁気ギャッ
プの精度劣化を抑制することもできる。さらに、硬度も
高いため、偏摩耗、および加工時の割れや欠けを抑制で
きる。
の低融点ガラスよりも改善された耐候性を備えている。
また、フェライトや金属強磁性膜との反応による磁気的
劣化を抑制し、ギャップ部材との反応による磁気ギャッ
プの精度劣化を抑制することもできる。さらに、硬度も
高いため、偏摩耗、および加工時の割れや欠けを抑制で
きる。
【0013】また、上記目的を達成するために、本発明
の磁気ヘッドは、上記封着ガラスを用いて、磁気コア半
体を接着したことを特徴とする。
の磁気ヘッドは、上記封着ガラスを用いて、磁気コア半
体を接着したことを特徴とする。
【0014】本発明の磁気ヘッドは、例えば、一対の磁
気コア半体の少なくとも一方に巻線溝を設け、前記一対
の磁気コア半体を磁気ギャップ材を介して突き合わせた
状態で封着ガラスを用いて接着した磁気ヘッドであっ
て、前記封着ガラスとして、上記第1の磁気ヘッド用封
着ガラスを用いたものである。
気コア半体の少なくとも一方に巻線溝を設け、前記一対
の磁気コア半体を磁気ギャップ材を介して突き合わせた
状態で封着ガラスを用いて接着した磁気ヘッドであっ
て、前記封着ガラスとして、上記第1の磁気ヘッド用封
着ガラスを用いたものである。
【0015】この磁気ヘッドは、いわゆるフェライト磁
気ヘッドである。この場合、封着ガラスは、熱膨張係数
が80×10-7/℃〜95×10-7/℃であることが好
ましい。
気ヘッドである。この場合、封着ガラスは、熱膨張係数
が80×10-7/℃〜95×10-7/℃であることが好
ましい。
【0016】また、本発明の磁気ヘッドは、例えば、一
対の磁気コア半体の少なくとも一方に巻線溝を設け、前
記一対の磁気コアの少なくとも一方のギャップ対向面に
金属強磁性膜を形成し、前記一対の磁気コアを磁気ギャ
ップ材を介して突き合わせた状態で封着ガラスを用いて
接着した磁気ヘッドであって、前記封着ガラスとして、
上記第2の磁気ヘッド用封着ガラスを用いたものであ
る。
対の磁気コア半体の少なくとも一方に巻線溝を設け、前
記一対の磁気コアの少なくとも一方のギャップ対向面に
金属強磁性膜を形成し、前記一対の磁気コアを磁気ギャ
ップ材を介して突き合わせた状態で封着ガラスを用いて
接着した磁気ヘッドであって、前記封着ガラスとして、
上記第2の磁気ヘッド用封着ガラスを用いたものであ
る。
【0017】この磁気ヘッドは、いわゆるMIGヘッド
である。この場合、封着ガラスは、熱膨張係数が75×
10-7/℃〜90×10-7/℃であることが好ましい。
である。この場合、封着ガラスは、熱膨張係数が75×
10-7/℃〜90×10-7/℃であることが好ましい。
【0018】上記のように、封着用ガラスの熱膨張係数
と、フェライトまたは金属強磁性膜の熱膨張係数との差
異を適切に制御することにより、良好な記録再生特性を
有する磁気ヘッドを得ることができる。
と、フェライトまたは金属強磁性膜の熱膨張係数との差
異を適切に制御することにより、良好な記録再生特性を
有する磁気ヘッドを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の封着用ガラスの各
成分およびその含有量の限定理由について説明する。な
お、以下、各成分の含有量を示す%表示はすべてモル%
である。
成分およびその含有量の限定理由について説明する。な
お、以下、各成分の含有量を示す%表示はすべてモル%
である。
【0020】SiO2は20%より少ないと熱膨張係数
が大きくなり、30%より多いと作業温度が高くなる。
B2O3は10%より少ないと作業温度が高くなり、30
%より多いと熱膨張係数が小さくなる。以上の2種類は
ガラスの網目形成酸化物であり、ガラスの信頼性を向上
させ、またガラス化範囲を広げるという役割も果たす。
が大きくなり、30%より多いと作業温度が高くなる。
B2O3は10%より少ないと作業温度が高くなり、30
%より多いと熱膨張係数が小さくなる。以上の2種類は
ガラスの網目形成酸化物であり、ガラスの信頼性を向上
させ、またガラス化範囲を広げるという役割も果たす。
【0021】なお、B2O3の好ましい含有量は19〜2
9%である。
9%である。
【0022】ZnOは15%より少ないと作業温度が低
くなり、30%より多いと作業温度が高くなる。Al2
O3は5%より多いと作業温度が高くなる。以上の2種
類はガラスの中間酸化物であり、耐水性向上の役割を果
たす。
くなり、30%より多いと作業温度が高くなる。Al2
O3は5%より多いと作業温度が高くなる。以上の2種
類はガラスの中間酸化物であり、耐水性向上の役割を果
たす。
【0023】なお、ZnOの好ましい含有量は16〜2
6%であり、Al2O3の好ましい含有量は2〜4%であ
る。
6%であり、Al2O3の好ましい含有量は2〜4%であ
る。
【0024】R2Oは少なすぎると作業温度が高くな
り、多すぎると熱膨張係数が高くなる。MOは少なすぎ
ると作業温度が高くなり、多すぎると熱膨張係数が高く
なる。以上の2種類はガラスの修飾酸化物であり、低融
点化と熱膨張係数を調整する役割を果たす。このような
理由から、R2Oは、第1の封着ガラスにおいては10
〜20%の範囲に、第2の封着ガラスにおいては5〜1
5%の範囲にそれぞれ調整される。また、MOは、第1
の封着ガラスにおいては10〜15%に、第2の封着ガ
ラスにおいては5〜10%にそれぞれ調整される。
り、多すぎると熱膨張係数が高くなる。MOは少なすぎ
ると作業温度が高くなり、多すぎると熱膨張係数が高く
なる。以上の2種類はガラスの修飾酸化物であり、低融
点化と熱膨張係数を調整する役割を果たす。このような
理由から、R2Oは、第1の封着ガラスにおいては10
〜20%の範囲に、第2の封着ガラスにおいては5〜1
5%の範囲にそれぞれ調整される。また、MOは、第1
の封着ガラスにおいては10〜15%に、第2の封着ガ
ラスにおいては5〜10%にそれぞれ調整される。
【0025】なお、第1の封着ガラスにおけるR2Oの
好ましい含有量は11〜18%であり、MOの好ましい
含有量は10〜14%である。また、第2の封着ガラス
におけるR2Oの好ましい含有量は8〜14%であり、
MOの好ましい含有量は6〜10%である。
好ましい含有量は11〜18%であり、MOの好ましい
含有量は10〜14%である。また、第2の封着ガラス
におけるR2Oの好ましい含有量は8〜14%であり、
MOの好ましい含有量は6〜10%である。
【0026】さらに、第2の封着ガラスにおいて、Bi
2O3が5%よりも少ないと作業温度が高くなり、15%
よりも多いと熱膨張係数が高くなる。
2O3が5%よりも少ないと作業温度が高くなり、15%
よりも多いと熱膨張係数が高くなる。
【0027】なお、Bi2O3の好ましい含有量は10〜
15%である。
15%である。
【0028】本発明の封着ガラスは、実質的に上記成分
から構成されるが、本発明の上記目的が達成される限
り、その他微量成分の混入が制限されるわけではない。
ただし、この場合にも、上記第1の封着ガラスにおいて
は、熱膨張係数が80×10-7〜95×10-7/℃とな
る範囲内で、第2の封着ガラスにおいては、熱膨張係数
が75×10-7〜90×10-7/℃となる範囲内に、微
量成分の添加を制限することが好ましい。
から構成されるが、本発明の上記目的が達成される限
り、その他微量成分の混入が制限されるわけではない。
ただし、この場合にも、上記第1の封着ガラスにおいて
は、熱膨張係数が80×10-7〜95×10-7/℃とな
る範囲内で、第2の封着ガラスにおいては、熱膨張係数
が75×10-7〜90×10-7/℃となる範囲内に、微
量成分の添加を制限することが好ましい。
【0029】また、本発明の第1の封着ガラスは、作業
温度が650〜750℃であることが好ましく、第2の
封着ガラスは、作業温度が500〜600℃であること
が好ましい。なお、作業温度とは、ガラスの粘度が10
4dPa・sとなる温度である。さらに、両封着ガラス
とも、ビッカース硬度が550〜650[Hv]である
ことが好ましい。
温度が650〜750℃であることが好ましく、第2の
封着ガラスは、作業温度が500〜600℃であること
が好ましい。なお、作業温度とは、ガラスの粘度が10
4dPa・sとなる温度である。さらに、両封着ガラス
とも、ビッカース硬度が550〜650[Hv]である
ことが好ましい。
【0030】次に、図面を参照しながら、本発明の磁気
ヘッドの好ましい形態について説明する。
ヘッドの好ましい形態について説明する。
【0031】図1に示したように、本発明の磁気ヘッド
であるフェライト磁気ヘッドの一形態は、基本的には従
来のヘッドと同様に、磁気コアを構成するフェライト材
1、フェライト材の磁気ギャップ対向面に配置されて磁
気ギャップを構成するギャップ部材2、およびギャップ
部材を介して突き合わされたフェライト材を封着するた
めの封着ガラス3、から構成されている。
であるフェライト磁気ヘッドの一形態は、基本的には従
来のヘッドと同様に、磁気コアを構成するフェライト材
1、フェライト材の磁気ギャップ対向面に配置されて磁
気ギャップを構成するギャップ部材2、およびギャップ
部材を介して突き合わされたフェライト材を封着するた
めの封着ガラス3、から構成されている。
【0032】また、図2に示したように、本発明の磁気
ヘッドであるMIGヘッドの一形態は、基本的には従来
のヘッドと同様に、磁気コアを構成するフェライト材
4、フェライト材の磁気ギャップ対向面上に形成された
金属強磁性膜5、フェライト材の磁気ギャップ対向面に
配置されて磁気ギャップを構成するギャップ部材6、お
よびギャップ部材を介して突き合わされたフェライト材
を封着するための封着ガラス7、から構成されている。
ヘッドであるMIGヘッドの一形態は、基本的には従来
のヘッドと同様に、磁気コアを構成するフェライト材
4、フェライト材の磁気ギャップ対向面上に形成された
金属強磁性膜5、フェライト材の磁気ギャップ対向面に
配置されて磁気ギャップを構成するギャップ部材6、お
よびギャップ部材を介して突き合わされたフェライト材
を封着するための封着ガラス7、から構成されている。
【0033】封着ガラス3,7としては、本発明の封着
ガラスが用いられるが、図1の磁気ヘッドには上記第1
の封着ガラスを、図2に磁気ヘッドには上記第2の封着
ガラスを用いることが好ましい。
ガラスが用いられるが、図1の磁気ヘッドには上記第1
の封着ガラスを、図2に磁気ヘッドには上記第2の封着
ガラスを用いることが好ましい。
【0034】なお、フェライト材1,4、ギャップ部材
2,6、および金属強磁性膜5としては、従来から用い
られてきた材料を特に制限することなく用いることがで
きる。特に制限されないが、フェライト材としては、例
えばMn−Znフェライト、Ni−Znフェライトを、
ギャップ部材としては、例えばSiO2、Al2O3、Z
rO2、Si3N4、Ta2O5、ガラス、Cr、あるいは
これらの複合体を、金属強磁性膜としては、例えば、F
eTaN系、FeTaC系、センダスト、FeGaSi
Ru、Co系アモルファスの膜を使用できる。
2,6、および金属強磁性膜5としては、従来から用い
られてきた材料を特に制限することなく用いることがで
きる。特に制限されないが、フェライト材としては、例
えばMn−Znフェライト、Ni−Znフェライトを、
ギャップ部材としては、例えばSiO2、Al2O3、Z
rO2、Si3N4、Ta2O5、ガラス、Cr、あるいは
これらの複合体を、金属強磁性膜としては、例えば、F
eTaN系、FeTaC系、センダスト、FeGaSi
Ru、Co系アモルファスの膜を使用できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
【0036】(実施例1〜6、比較例1〜3)図1に示
したと同様の構成を有するフェライト磁気ヘッドを作製
した。ここで、フェライト材としてMn−Znフェライ
トを、ギャップ部材としては石英ガラス(SiO2)を
用いた。一方、封着ガラスは、表1に示す各組成のガラ
スを用いた。なお、表1に示した組成もすべてモル%に
よる。
したと同様の構成を有するフェライト磁気ヘッドを作製
した。ここで、フェライト材としてMn−Znフェライ
トを、ギャップ部材としては石英ガラス(SiO2)を
用いた。一方、封着ガラスは、表1に示す各組成のガラ
スを用いた。なお、表1に示した組成もすべてモル%に
よる。
【0037】磁気ヘッドの主な諸元は、トラック幅20
μm、ギャップ長0.30μm、ギャップ深さ35μm
とした。
μm、ギャップ長0.30μm、ギャップ深さ35μm
とした。
【0038】こうして得た磁気ヘッドの諸特性および用
いた各ガラスの諸特性を測定した。結果を表1に示す。
いた各ガラスの諸特性を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】ここで、熱膨張係数としては、30〜30
0℃の平均熱膨張係数を採用した。ビッカース硬度は、
ビッカース微小硬度計により測定した。
0℃の平均熱膨張係数を採用した。ビッカース硬度は、
ビッカース微小硬度計により測定した。
【0041】また、耐水性は、10mm角のガラスブロ
ックを100mlの沸騰純水中に1時間浸漬し、重量減
少量および表面の侵食状況により評価した。加工歩留ま
りは、ヘッド加工時の割れ、欠けの発生率および磁気ギ
ャップの安定性により評価した。
ックを100mlの沸騰純水中に1時間浸漬し、重量減
少量および表面の侵食状況により評価した。加工歩留ま
りは、ヘッド加工時の割れ、欠けの発生率および磁気ギ
ャップの安定性により評価した。
【0042】ヘッド出力特性は、回転ドラムテスターを
用いて行い、測定はスペクトラムアナライザによる基本
波成分で評価した。このときの測定条件は、相対速度=
5.8m/s、録再周波数=0.5MHz,7MHz、
測定テープ=S−VHSテープ、とした。
用いて行い、測定はスペクトラムアナライザによる基本
波成分で評価した。このときの測定条件は、相対速度=
5.8m/s、録再周波数=0.5MHz,7MHz、
測定テープ=S−VHSテープ、とした。
【0043】実装信頼性(走行信頼性)は、磁気ヘッド
をVHS型VTRデッキに搭載し、1000時間走行後
の出力変化および磁気ヘッド摺動面の封着ガラスの面状
態により評価した。
をVHS型VTRデッキに搭載し、1000時間走行後
の出力変化および磁気ヘッド摺動面の封着ガラスの面状
態により評価した。
【0044】耐水性、加工歩留まり、ヘッド出力特性、
実装信頼性の評価基準は、○:実用上まったく問題のな
いレベル、△:実用上問題の無いレベル(条件付きで使
用可能)、×:実用上問題になるレベルとした。
実装信頼性の評価基準は、○:実用上まったく問題のな
いレベル、△:実用上問題の無いレベル(条件付きで使
用可能)、×:実用上問題になるレベルとした。
【0045】なお、測定に用いた磁気ヘッドは、加工歩
留まりについては各500個、ヘッド出力特性について
は各200個、実装信頼性評価については各40個とし
た。また、上記のようにガラスブロックを用いて測定し
た耐水性については、各5個のサンプルを用いた。
留まりについては各500個、ヘッド出力特性について
は各200個、実装信頼性評価については各40個とし
た。また、上記のようにガラスブロックを用いて測定し
た耐水性については、各5個のサンプルを用いた。
【0046】表1に示したように、実施例1〜6の封着
ガラスを用いることにより、ヘッド構成材として充分な
耐水性を有し、ヘッド加工時に割れや欠けが発生しにく
く、加工歩留まりが良好で、しかも磁気ヘッドのコア材
であるフェライトとの熱膨張差が適切な範囲であって低
周波域および高周波域において良好な記録再生特性を有
し、かつ実用的な実装信頼性も兼ね備えた磁気ヘッドを
得ることができた。
ガラスを用いることにより、ヘッド構成材として充分な
耐水性を有し、ヘッド加工時に割れや欠けが発生しにく
く、加工歩留まりが良好で、しかも磁気ヘッドのコア材
であるフェライトとの熱膨張差が適切な範囲であって低
周波域および高周波域において良好な記録再生特性を有
し、かつ実用的な実装信頼性も兼ね備えた磁気ヘッドを
得ることができた。
【0047】(実施例7〜12,比較例4〜7)次に、
図2に示したと同様の構成を有するMIGヘッドを作製
した。ここで、フェライト材としてはMn−Znフェラ
イトを、金属強磁性膜としては飽和磁束密度(Bs)が
1.6TのFeTaN膜を、ギャップ部材としては石英
ガラス(SiO2)を用いた。一方、封着ガラスは、表
2に示す各組成のガラスを用いた。なお、表2に示した
組成もすべてモル%による。また、磁気ヘッドの諸元
は、上記と同様とした。
図2に示したと同様の構成を有するMIGヘッドを作製
した。ここで、フェライト材としてはMn−Znフェラ
イトを、金属強磁性膜としては飽和磁束密度(Bs)が
1.6TのFeTaN膜を、ギャップ部材としては石英
ガラス(SiO2)を用いた。一方、封着ガラスは、表
2に示す各組成のガラスを用いた。なお、表2に示した
組成もすべてモル%による。また、磁気ヘッドの諸元
は、上記と同様とした。
【0048】こうして得た磁気ヘッドの諸特性および用
いた各ガラスの諸特性を、上記と同様にして測定した。
結果を表2に示す。
いた各ガラスの諸特性を、上記と同様にして測定した。
結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示したように、実施例7〜12の封
着ガラスを用いることにより、ヘッド構成材として充分
な耐水性を有し、ヘッド加工時に割れや欠けが発生しに
くく、加工歩留まりが良好で、しかも磁気ヘッドのコア
材であるフェライトとの熱膨張差が適切な範囲であって
低周波域および高周波域において良好な記録再生特性を
有し、かつ実用的な実装信頼性も兼ね備えた磁気ヘッド
を得ることができた。
着ガラスを用いることにより、ヘッド構成材として充分
な耐水性を有し、ヘッド加工時に割れや欠けが発生しに
くく、加工歩留まりが良好で、しかも磁気ヘッドのコア
材であるフェライトとの熱膨張差が適切な範囲であって
低周波域および高周波域において良好な記録再生特性を
有し、かつ実用的な実装信頼性も兼ね備えた磁気ヘッド
を得ることができた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐候性が良好で、加工時の割れ・欠けが発生し難く、磁
気ギャップの精度が良化であって磁気的劣化も小さく、
しかも偏摩耗を起し難く、かつ良好な記録再生特性を有
する磁気ヘッドを提供することができる。
耐候性が良好で、加工時の割れ・欠けが発生し難く、磁
気ギャップの精度が良化であって磁気的劣化も小さく、
しかも偏摩耗を起し難く、かつ良好な記録再生特性を有
する磁気ヘッドを提供することができる。
【図1】 本発明の磁気ヘッドであるフェライト磁気ヘ
ッドの一形態を示す斜視図である。
ッドの一形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の磁気ヘッドであるMIGヘッドの一
形態を示す斜視図である。
形態を示す斜視図である。
1,4 フェライト材 2,6 ギャップ部材 3,7 封着ガラス 5 金属強磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 佳久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 板津 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D093 BB05 BB18 FA21 HB15 HC09 JB03
Claims (7)
- 【請求項1】 モル%により表示して、実質的に、Si
O2:20〜30%、B2O3:10〜30%、ZnO:
15〜30%、R2O:10〜20%(ただし、Rは、
Na,KおよびLiからなる群から選択される少なくと
も1種のアルカリ金属)、MO:10〜15%(ただ
し、Mは、Mg,Ca,SrおよびBaからなる群から
選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属)、Al
2O3:0〜5%、なる組成を有することを特徴とする磁
気ヘッド用封着ガラス。 - 【請求項2】 30℃〜300℃の平均熱膨張係数が8
0×10-7/℃〜95×10-7/℃である請求項1に記
載の磁気ヘッド用封着ガラス。 - 【請求項3】 モル%により表示して、実質的に、Si
O2:20〜30%、B2O3:10〜30%、ZnO:
15〜30%、R2O:5〜15%(ただし、Rは、N
a,KおよびLiからなる群から選択される少なくとも
1種のアルカリ金属)、MO:5〜10%(ただし、M
は、Mg,Ca,SrおよびBaからなる群から選択さ
れる少なくとも1種のアルカリ土類金属)、Bi2O3:
5〜15%、Al2O3:0〜5%、なる組成を有するこ
とを特徴とする磁気ヘッド用封着ガラス。 - 【請求項4】 30℃〜300℃の平均熱膨張係数が7
5×10-7/℃〜90×10-7/℃である請求項3に記
載の磁気ヘッド用封着ガラス。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の封着ガ
ラスを用いて、磁気コア半体を接着したことを特徴とす
る磁気ヘッド。 - 【請求項6】 一対の磁気コア半体の少なくとも一方に
巻線溝を設け、前記一対の磁気コア半体を磁気ギャップ
材を介して突き合わせた状態で封着ガラスを用いて接着
した磁気ヘッドであって、前記封着ガラスとして、請求
項1または2に記載の封着ガラスを用いたことを特徴と
する磁気ヘッド。 - 【請求項7】 一対の磁気コア半体の少なくとも一方に
巻線溝を設け、前記一対の磁気コア半体の少なくとも一
方のギャップ対向面に金属強磁性膜を形成し、前記一対
の磁気コア半体を磁気ギャップ材を介して突き合わせた
状態で封着ガラスを用いて接着した磁気ヘッドであっ
て、前記封着ガラスとして、請求項3または4に記載の
封着ガラスを用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5695499A JP2000260007A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 磁気ヘッド用封着ガラスおよびこれを用いた磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5695499A JP2000260007A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 磁気ヘッド用封着ガラスおよびこれを用いた磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000260007A true JP2000260007A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13041951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5695499A Pending JP2000260007A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 磁気ヘッド用封着ガラスおよびこれを用いた磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000260007A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006512275A (ja) * | 2003-01-03 | 2006-04-13 | バッテル メモリアル インスティチュート | ガラスセラミック材料およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-03-04 JP JP5695499A patent/JP2000260007A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006512275A (ja) * | 2003-01-03 | 2006-04-13 | バッテル メモリアル インスティチュート | ガラスセラミック材料およびその製造方法 |
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