JP2001023110A - コンポジット型磁気ヘッド用封着ガラス組成物 - Google Patents
コンポジット型磁気ヘッド用封着ガラス組成物Info
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Landscapes
- Glass Compositions (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 組立工程でギャップ内合金と封着ガラスが反
応することを抑制する。 【解決手段】 磁気コアと、非磁性材料から形成された
スライダと、磁気コアをスライダに結合する封着ガラス
とを備えたコンポジット型磁気ヘッドアセンブリであ
る。磁気コアのギャップ内には軟磁性合金薄膜が設けら
れており、封着ガラスは、その合金薄膜と接触し、か
つ、3〜9wt%のSiO2、60〜70wt%のPb
O、3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%のAl2O3、
5〜15wt%のBi2O3、0〜3wt%のCuO、お
よび3〜9wt%のTe2Oを含有している。封着ガラ
スには、更に0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3
が添加されており、その結果、封着ガラスとギャップ内
合金薄膜との間で相互反応が生じにくく、実効トラック
幅の減少が抑制される。また、洗浄工程でガラスが浸食
されにくい。
応することを抑制する。 【解決手段】 磁気コアと、非磁性材料から形成された
スライダと、磁気コアをスライダに結合する封着ガラス
とを備えたコンポジット型磁気ヘッドアセンブリであ
る。磁気コアのギャップ内には軟磁性合金薄膜が設けら
れており、封着ガラスは、その合金薄膜と接触し、か
つ、3〜9wt%のSiO2、60〜70wt%のPb
O、3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%のAl2O3、
5〜15wt%のBi2O3、0〜3wt%のCuO、お
よび3〜9wt%のTe2Oを含有している。封着ガラ
スには、更に0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3
が添加されており、その結果、封着ガラスとギャップ内
合金薄膜との間で相互反応が生じにくく、実効トラック
幅の減少が抑制される。また、洗浄工程でガラスが浸食
されにくい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンポジット型磁
気ヘッドアセンブリ、および当該磁気ヘッドアセンブリ
を備えた磁気記録媒体駆動装置、ならびに磁気ヘッドア
センブリ内で磁気コアを非磁性スライダに封着するため
のガラス組成物に関する。
気ヘッドアセンブリ、および当該磁気ヘッドアセンブリ
を備えた磁気記録媒体駆動装置、ならびに磁気ヘッドア
センブリ内で磁気コアを非磁性スライダに封着するため
のガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】FDD(フロッピ・ディスク・ドライ
ブ)やHDD(ハード・ディスク・ドライブ)等の磁気
ディスク駆動装置では、情報またはデータが磁気ディス
クの表面の磁気記録層に記録され、また、磁気記録層か
ら再生される。通常、情報はディスク表面上のデータト
ラック内に磁化方向の反転という形態で記録される。磁
気ディスクへの情報の記録と磁気ディスクからの情報の
再生は、スライダ上に搭載された磁気トランスドューサ
によって実行される。この磁気トランスドューサとスラ
イダの組み合わせによって「磁気ヘッドアセンブリ」が
構成される。
ブ)やHDD(ハード・ディスク・ドライブ)等の磁気
ディスク駆動装置では、情報またはデータが磁気ディス
クの表面の磁気記録層に記録され、また、磁気記録層か
ら再生される。通常、情報はディスク表面上のデータト
ラック内に磁化方向の反転という形態で記録される。磁
気ディスクへの情報の記録と磁気ディスクからの情報の
再生は、スライダ上に搭載された磁気トランスドューサ
によって実行される。この磁気トランスドューサとスラ
イダの組み合わせによって「磁気ヘッドアセンブリ」が
構成される。
【0003】スライダは、典型的には、磁気ディスクの
表面に対向する2本のサイドレールを有しており、これ
らのサイドレールが形成されている面は「エア・ベアリ
ング面(ABS)」と称されることがある。ヘッドサス
ペンションによって磁気ヘッドアセンブリのサイドレー
ルが磁気ディスク表面を軽く押す状態で磁気ディスクを
高速で回転させると、磁気ディスク表面にできる空気の
層がスライダのエア・ベアリング面直下に入り込み、磁
気ヘッドアセンブリを僅かに持ち上げることになる。こ
うして、磁気ヘッドアセンブリは磁気ディスクの表面近
くを「飛行」するようにして記録/再生動作を行うこと
ができる。このため、このタイプの磁気ヘッドアセンブ
リは、「非接触型磁気ヘッド」とも称されている。
表面に対向する2本のサイドレールを有しており、これ
らのサイドレールが形成されている面は「エア・ベアリ
ング面(ABS)」と称されることがある。ヘッドサス
ペンションによって磁気ヘッドアセンブリのサイドレー
ルが磁気ディスク表面を軽く押す状態で磁気ディスクを
高速で回転させると、磁気ディスク表面にできる空気の
層がスライダのエア・ベアリング面直下に入り込み、磁
気ヘッドアセンブリを僅かに持ち上げることになる。こ
うして、磁気ヘッドアセンブリは磁気ディスクの表面近
くを「飛行」するようにして記録/再生動作を行うこと
ができる。このため、このタイプの磁気ヘッドアセンブ
リは、「非接触型磁気ヘッド」とも称されている。
【0004】コンポジット型のヘッドアセンブリにおい
ては、磁気トランスドューサが非磁性体のスライダまた
はハウジングに取り付けられて使用される。磁気トラン
スドューサは磁気コアとコイルとから構成される。磁気
コアは、通常、直線状に延びた「I型コア部分」と「角
張ったC型コア部分」とを製造工程段階で組み合わせた
ものであり、中央に穴のあいた矩形リング形状を有して
いる。磁気コアは、封着ガラス(bonding glass)など
によってスライダに固着される。封着のために用いられ
るガラスの組成は、磁気コアやスライダの熱膨張係数に
適合するようにして決定される。スライダの材料として
CaTiO3等のセラミックスを用いる場合、従来か
ら、SiO2、PbO、B2O3、Al2O3、Bi2O3、
CuO、およびTe2Oを含有する低融点ガラス組成物
が使用されている。この種のガラス組成物は、例えば特
開平5−4836号公報に開示されている。
ては、磁気トランスドューサが非磁性体のスライダまた
はハウジングに取り付けられて使用される。磁気トラン
スドューサは磁気コアとコイルとから構成される。磁気
コアは、通常、直線状に延びた「I型コア部分」と「角
張ったC型コア部分」とを製造工程段階で組み合わせた
ものであり、中央に穴のあいた矩形リング形状を有して
いる。磁気コアは、封着ガラス(bonding glass)など
によってスライダに固着される。封着のために用いられ
るガラスの組成は、磁気コアやスライダの熱膨張係数に
適合するようにして決定される。スライダの材料として
CaTiO3等のセラミックスを用いる場合、従来か
ら、SiO2、PbO、B2O3、Al2O3、Bi2O3、
CuO、およびTe2Oを含有する低融点ガラス組成物
が使用されている。この種のガラス組成物は、例えば特
開平5−4836号公報に開示されている。
【0005】磁気コアのうち、記録媒体の表面に対向す
る側(すなわちトラック側)においては、「I型コア部
分」と「C型コア部分」との間にギャップが設けられ
る。このギャップ内において、「I型コア部分」の表面
と「C型コア部分」の表面とが対向し、その間で漏れ磁
界を形成することができる。近年、ギャップ内の上記対
向面の一方または両方に磁性合金薄膜を堆積した構成が
広く用いられている。この構成はMIG(Metal−
In−Gap)構造と呼ばれており、MIG構造を有す
る磁気ヘッドは「MIGヘッド」と称されている。ギャ
ップ内の対向面上に形成される磁性合金薄膜として、従
来は、センダスト(Fe−Al−Si)膜などが用いら
れていた。センダスト膜は、1T程度の飽和磁束密度
(Bs)と0.5Oe程度の保磁力(Hc)とを示して
いたが、最近、これを更に向上させた磁性合金材料の開
発が積極的に進められている。中でも、Fe−Ta−N
系合金薄膜は、1.5T程度の飽和磁束密度と0.3O
e程度の保磁力とを示し、ギャップ内の合金膜材料とし
て有望である。
る側(すなわちトラック側)においては、「I型コア部
分」と「C型コア部分」との間にギャップが設けられ
る。このギャップ内において、「I型コア部分」の表面
と「C型コア部分」の表面とが対向し、その間で漏れ磁
界を形成することができる。近年、ギャップ内の上記対
向面の一方または両方に磁性合金薄膜を堆積した構成が
広く用いられている。この構成はMIG(Metal−
In−Gap)構造と呼ばれており、MIG構造を有す
る磁気ヘッドは「MIGヘッド」と称されている。ギャ
ップ内の対向面上に形成される磁性合金薄膜として、従
来は、センダスト(Fe−Al−Si)膜などが用いら
れていた。センダスト膜は、1T程度の飽和磁束密度
(Bs)と0.5Oe程度の保磁力(Hc)とを示して
いたが、最近、これを更に向上させた磁性合金材料の開
発が積極的に進められている。中でも、Fe−Ta−N
系合金薄膜は、1.5T程度の飽和磁束密度と0.3O
e程度の保磁力とを示し、ギャップ内の合金膜材料とし
て有望である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スライダと磁気コアの
トラック側部分とは、上述のような低融点ガラス組成物
によって固着される。このようなガラスは、組立工程に
おいて、磁気コアとスライダとの間の空隙近傍で軟化温
度以上に加熱され、溶融する。溶融したガラスは上記空
隙を埋めた後、冷却によって固化され、それによって磁
気コアとスライダとを結合する。
トラック側部分とは、上述のような低融点ガラス組成物
によって固着される。このようなガラスは、組立工程に
おいて、磁気コアとスライダとの間の空隙近傍で軟化温
度以上に加熱され、溶融する。溶融したガラスは上記空
隙を埋めた後、冷却によって固化され、それによって磁
気コアとスライダとを結合する。
【0007】ガラスを溶融するする際、ギャップ内の磁
性合金薄膜も加熱されるため、融点の低いガラスを用い
て封着のための熱処理温度をできるだけ低くすることが
好ましい。しかしながら、ガラスを軟化させるための加
熱処理時、ギャップ内の磁性合金薄膜とガラスとの間で
相互反応が生じてしまうことは避けられず、このような
相互反応がガラス組成物を磁性合金薄膜中に拡散させ、
磁性合金薄膜の磁気特性を部分的に劣化させてしまうこ
とがわかっている。
性合金薄膜も加熱されるため、融点の低いガラスを用い
て封着のための熱処理温度をできるだけ低くすることが
好ましい。しかしながら、ガラスを軟化させるための加
熱処理時、ギャップ内の磁性合金薄膜とガラスとの間で
相互反応が生じてしまうことは避けられず、このような
相互反応がガラス組成物を磁性合金薄膜中に拡散させ、
磁性合金薄膜の磁気特性を部分的に劣化させてしまうこ
とがわかっている。
【0008】このような相互反応・拡散の生じやすさ
は、封着に用いるガラス組成物やギャップ内合金の種類
によっても大きく異なると考えられる。本発明者の実験
では、SiO2、PbO、B2O3、Al2O3、Bi
2O3、CuO、およびTe2Oを含有する公知のガラス
組成物を封着に用いた場合、Fe−Ta−N系合金薄膜
との間で顕著な化学反応が生じた。このような反応を抑
制しないかぎり、大容量記録に適した高性能磁気ヘッド
アセンブリを提供することは困難である。
は、封着に用いるガラス組成物やギャップ内合金の種類
によっても大きく異なると考えられる。本発明者の実験
では、SiO2、PbO、B2O3、Al2O3、Bi
2O3、CuO、およびTe2Oを含有する公知のガラス
組成物を封着に用いた場合、Fe−Ta−N系合金薄膜
との間で顕著な化学反応が生じた。このような反応を抑
制しないかぎり、大容量記録に適した高性能磁気ヘッド
アセンブリを提供することは困難である。
【0009】上記課題の他に、磁気ディスクが駆動装置
から取り外し可能な「リムーバブル型メディア」の場
合、磁気ディスクが大気中のダストを取りこみやすく、
その結果、記録/再生のエラーを招きやすいという問題
もある。この問題は、記憶密度の向上に伴って重要にな
ってきている。
から取り外し可能な「リムーバブル型メディア」の場
合、磁気ディスクが大気中のダストを取りこみやすく、
その結果、記録/再生のエラーを招きやすいという問題
もある。この問題は、記憶密度の向上に伴って重要にな
ってきている。
【0010】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、MIGコンポジット型磁気ヘ
ッドアセンブリの製造に適した熱膨張係数および低い融
点を有しながら、ギャップ内の磁性合金膜と反応しにく
いガラス組成物を提供することにある。
であり、その主な目的は、MIGコンポジット型磁気ヘ
ッドアセンブリの製造に適した熱膨張係数および低い融
点を有しながら、ギャップ内の磁性合金膜と反応しにく
いガラス組成物を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、上記ガラス組
成物を用いて組み立てたMIGコンポジット型磁気ヘッ
ドアセンブリを提供することにある。
成物を用いて組み立てたMIGコンポジット型磁気ヘッ
ドアセンブリを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるコンポジッ
ト型磁気ヘッドアセンブリは、磁気コアと、非磁性材料
から形成されたスライダと、前記磁気コアを前記スライ
ダに結合する封着ガラスとを備えたコンポジット型磁気
ヘッドアセンブリであって、前記磁気コアのギャップ内
には軟磁性合金薄膜が設けられており、前記封着ガラス
は、前記合金薄膜と接触し、かつ、3〜9wt%のSi
O2、60〜70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O
3、3〜9wt%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O
3、および3〜9wt%のTe2Oを含有し、前記封着ガ
ラスには0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3が添
加されていることを特徴する。
ト型磁気ヘッドアセンブリは、磁気コアと、非磁性材料
から形成されたスライダと、前記磁気コアを前記スライ
ダに結合する封着ガラスとを備えたコンポジット型磁気
ヘッドアセンブリであって、前記磁気コアのギャップ内
には軟磁性合金薄膜が設けられており、前記封着ガラス
は、前記合金薄膜と接触し、かつ、3〜9wt%のSi
O2、60〜70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O
3、3〜9wt%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O
3、および3〜9wt%のTe2Oを含有し、前記封着ガ
ラスには0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3が添
加されていることを特徴する。
【0013】前記封着ガラスには3wt%以下のCuO
が添加されていてもよい。
が添加されていてもよい。
【0014】前記封着ガラスの熱膨張係数は、50〜2
50℃において85〜120×10 7/℃の範囲内にあ
ることが好ましい。
50℃において85〜120×10 7/℃の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0015】取り外し可能な磁気記録媒体に対して情報
を記録し、または前記記録媒体から情報を読み出すこと
が好ましい。
を記録し、または前記記録媒体から情報を読み出すこと
が好ましい。
【0016】本発明によるコンポジット型磁気ヘッドア
センブリの製造方法は、ギャップ内に軟磁性合金薄膜が
設けられた磁気コア、および非磁性材料から形成された
スライダを用意する工程と、3〜9wt%のSiO2、
60〜70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3
〜9wt%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O3、お
よび3〜9wt%のTe2Oを含有し、0.5wt%以
上4wt%未満のFe2O3が添加されている封着ガラス
で、前記磁気コアを前記スライダに固定する工程とを包
含する。
センブリの製造方法は、ギャップ内に軟磁性合金薄膜が
設けられた磁気コア、および非磁性材料から形成された
スライダを用意する工程と、3〜9wt%のSiO2、
60〜70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3
〜9wt%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O3、お
よび3〜9wt%のTe2Oを含有し、0.5wt%以
上4wt%未満のFe2O3が添加されている封着ガラス
で、前記磁気コアを前記スライダに固定する工程とを包
含する。
【0017】本発明による磁気記録媒体駆動装置は、上
記何れかに記載のコンポジット型磁気ヘッドアセンブリ
と、取り外し可能な磁気記録媒体を回転させる駆動手段
とを備えている。
記何れかに記載のコンポジット型磁気ヘッドアセンブリ
と、取り外し可能な磁気記録媒体を回転させる駆動手段
とを備えている。
【0018】本発明によるコンポジット型磁気ヘッド封
着用ガラス組成物は、3〜9wt%のSiO2、60〜
70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3〜9w
t%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O3、および3
〜9wt%のTe2Oを含有するコンポジット型磁気ヘ
ッド封着用ガラス組成物であって、前記封着ガラスには
0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3が添加されて
いることを特徴する。
着用ガラス組成物は、3〜9wt%のSiO2、60〜
70wt%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3〜9w
t%のAl2O3、5〜15wt%のBi2O3、および3
〜9wt%のTe2Oを含有するコンポジット型磁気ヘ
ッド封着用ガラス組成物であって、前記封着ガラスには
0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3が添加されて
いることを特徴する。
【0019】3wt%以下のCuOが添加されていても
よい。
よい。
【0020】前記封着ガラスの熱膨張係数は、50〜2
50℃において85〜120×10 7/℃の範囲内にあ
ることが好ましい。
50℃において85〜120×10 7/℃の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
の実施形態を説明する。
【0022】図1は、MIGコンポジット型磁気ヘッド
アセンブリの斜視図である。この磁気ヘッドアセンブリ
は、非磁性材料から形成されたスライダ(ハウジング)
10と、スライダ10に固定された磁気コア20とを備
えている。
アセンブリの斜視図である。この磁気ヘッドアセンブリ
は、非磁性材料から形成されたスライダ(ハウジング)
10と、スライダ10に固定された磁気コア20とを備
えている。
【0023】スライダ10は、例えば、熱膨張係数が1
10〜120×10-7/℃のCaTiO3等のセラミッ
クスから形成されており、エア・ベアリング面側(トラ
ック側)に一対のサイドレール11を有している。スラ
イダ10には、エア・ベアリング面に垂直なスロット1
2が設けられており、そのスロット12内に磁気コア2
0が挿入されている。サイドレール11の幅は、典型的
には、0.25〜0.35mm、その長さは1.5〜
2.5mmである。2つのサイドレール11の間隔は、
典型的には、0.75〜0.85mmである。
10〜120×10-7/℃のCaTiO3等のセラミッ
クスから形成されており、エア・ベアリング面側(トラ
ック側)に一対のサイドレール11を有している。スラ
イダ10には、エア・ベアリング面に垂直なスロット1
2が設けられており、そのスロット12内に磁気コア2
0が挿入されている。サイドレール11の幅は、典型的
には、0.25〜0.35mm、その長さは1.5〜
2.5mmである。2つのサイドレール11の間隔は、
典型的には、0.75〜0.85mmである。
【0024】磁気コア20は、例えば、熱膨張係数が1
10〜120×10-7/℃のMn−Zn単結晶フェライ
トから形成される。磁気コア20のI型コア部分には導
線21が巻かれてコイルが形成されている。磁気コア2
0のトラック側には、ギャップ22が形成されている。
トラック幅に対応するギャップ22の幅は、例えば、
0.2〜0.3μmである。
10〜120×10-7/℃のMn−Zn単結晶フェライ
トから形成される。磁気コア20のI型コア部分には導
線21が巻かれてコイルが形成されている。磁気コア2
0のトラック側には、ギャップ22が形成されている。
トラック幅に対応するギャップ22の幅は、例えば、
0.2〜0.3μmである。
【0025】図2は、スライダ10に固定された状態の
コア20およびその近傍の断面を示している。図2に示
されるように、本実施形態では、磁気コア20のうちト
ラック側に近い部分が封着ガラス30によってスライダ
10に固着されている。一方、磁気コア20のうちトラ
ックの反対側に位置する部分は樹脂40によってスライ
ダ10に固着されている。磁気コア20のトラック側に
おける幅は、トラック幅を規定する。図示されている例
では、磁気コア20のトラック側における幅が他の部分
における幅よりも狭く加工されている。
コア20およびその近傍の断面を示している。図2に示
されるように、本実施形態では、磁気コア20のうちト
ラック側に近い部分が封着ガラス30によってスライダ
10に固着されている。一方、磁気コア20のうちトラ
ックの反対側に位置する部分は樹脂40によってスライ
ダ10に固着されている。磁気コア20のトラック側に
おける幅は、トラック幅を規定する。図示されている例
では、磁気コア20のトラック側における幅が他の部分
における幅よりも狭く加工されている。
【0026】封着ガラス30の材料としては、その熱膨
張率が上記のスライダ10やコア20の熱膨張率に近く
なるように、3〜9wt%のSiO2、60〜70wt
%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%のA
l2O3、5〜15wt%のBi2O3、0〜3wt%のC
uO、および3〜9wt%のTe2Oを含有するガラス
組成物が用いられる。このガラス組成物の熱膨張係数
は、50〜250℃において85〜120×107/℃
の範囲内に設定されている。本発明によるガラス組成物
に特徴的な点は、0.5wt%以上4wt%未満のFe
2O3が添加されていることにある。Fe2O3の添加によ
って得られる効果については、のちに詳述する。
張率が上記のスライダ10やコア20の熱膨張率に近く
なるように、3〜9wt%のSiO2、60〜70wt
%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%のA
l2O3、5〜15wt%のBi2O3、0〜3wt%のC
uO、および3〜9wt%のTe2Oを含有するガラス
組成物が用いられる。このガラス組成物の熱膨張係数
は、50〜250℃において85〜120×107/℃
の範囲内に設定されている。本発明によるガラス組成物
に特徴的な点は、0.5wt%以上4wt%未満のFe
2O3が添加されていることにある。Fe2O3の添加によ
って得られる効果については、のちに詳述する。
【0027】次に、図3のフローチャートを参照しなが
ら、上記磁気ヘッドアセンブリの製造方法を説明する。
ら、上記磁気ヘッドアセンブリの製造方法を説明する。
【0028】まず、フェライトコアの製造工程(ステッ
プS1〜S6)を説明する。
プS1〜S6)を説明する。
【0029】ステップS1において、Mn−Zn単結晶
フェライト素材を加工し、I型コア部分およびC型コア
部分を形成する。ステップS2で、各コア部分の表面の
うち、磁気ギャップを挟んで対向する面にFe−Ta−
N系合金薄膜を堆積した後、ステップS3で、他のGa
p膜を形成する。これらの膜の好ましい堆積方法は、例
えばスパッタ法である。次に、ステップS4で、I型コ
ア部分とC型コア部分とをガラス融着によって連結し、
フェライト製の矩形ブロックを形成する。ステップS5
で、矩形ブロックの表面のうち磁気記録媒体のトラック
に対向する面を加工して、トラック面を形成する。その
後、ステップS6にて、フェライト製矩形ブロックをス
ライスし、複数枚のフェライトコア20を切り出す。
フェライト素材を加工し、I型コア部分およびC型コア
部分を形成する。ステップS2で、各コア部分の表面の
うち、磁気ギャップを挟んで対向する面にFe−Ta−
N系合金薄膜を堆積した後、ステップS3で、他のGa
p膜を形成する。これらの膜の好ましい堆積方法は、例
えばスパッタ法である。次に、ステップS4で、I型コ
ア部分とC型コア部分とをガラス融着によって連結し、
フェライト製の矩形ブロックを形成する。ステップS5
で、矩形ブロックの表面のうち磁気記録媒体のトラック
に対向する面を加工して、トラック面を形成する。その
後、ステップS6にて、フェライト製矩形ブロックをス
ライスし、複数枚のフェライトコア20を切り出す。
【0030】次に、図4に示すように、コア20を別途
作製したスライダ(ハウジング)10のスロット12に
挿入して配置する(ステップS7)。このとき、コア2
0の下部をスライダ10に対して仮止めする。なお、コ
ア20およびスライダ10の製造方法は上述のものに限
定されず、その形状も図示されるものに限定されない。
作製したスライダ(ハウジング)10のスロット12に
挿入して配置する(ステップS7)。このとき、コア2
0の下部をスライダ10に対して仮止めする。なお、コ
ア20およびスライダ10の製造方法は上述のものに限
定されず、その形状も図示されるものに限定されない。
【0031】次に、図4に示すようにして、コア20の
上方に棒状の封着ガラス(長さ:約2mm、直径:約
0.2mm)30を置く(ステップS8)。その後、ス
テップS9にて、棒状ガラス30を窒素雰囲気で400
〜500℃程度の温度にまで加熱し、その状態で30〜
60分間程度保持して軟化させる。すると、溶融したガ
ラス30は、図5に示されるように、コア20とスライ
ダ10との隙間を埋める。ガラス30は冷却によって固
化し、スライダ10とコア20とが固着される。
上方に棒状の封着ガラス(長さ:約2mm、直径:約
0.2mm)30を置く(ステップS8)。その後、ス
テップS9にて、棒状ガラス30を窒素雰囲気で400
〜500℃程度の温度にまで加熱し、その状態で30〜
60分間程度保持して軟化させる。すると、溶融したガ
ラス30は、図5に示されるように、コア20とスライ
ダ10との隙間を埋める。ガラス30は冷却によって固
化し、スライダ10とコア20とが固着される。
【0032】封着ガラス30として従来のガラス組成物
を用いる場合、封着ガラス30を加熱し、軟化させてい
るとき、ギャップ22内のFe−Ta−N合金と封着ガ
ラス30との間で相互反応が進行する。この相互反応が
進行した状態を観察すると、図6(a)に示すように、
ギャップ22内の合金膜端部(反応部分)の磁気特性が
劣化するため(磁気劣化層23の形成)、ギャップ22
の実効的な幅(「実効トラック幅」に対応)が設計値t
よりも減少してしまう。しかし、本実施形態のガラス組
成物を用いると、図6(b)に示すように、合金膜の端
部の磁気特性が劣化せず、実効トラック幅の減少を抑制
することができる。これは、ガラスにFe2O3を添加す
ることによってFeを含有する軟質磁性合金とガラスと
の反応が生じにくくなることに起因すると考えられる。
を用いる場合、封着ガラス30を加熱し、軟化させてい
るとき、ギャップ22内のFe−Ta−N合金と封着ガ
ラス30との間で相互反応が進行する。この相互反応が
進行した状態を観察すると、図6(a)に示すように、
ギャップ22内の合金膜端部(反応部分)の磁気特性が
劣化するため(磁気劣化層23の形成)、ギャップ22
の実効的な幅(「実効トラック幅」に対応)が設計値t
よりも減少してしまう。しかし、本実施形態のガラス組
成物を用いると、図6(b)に示すように、合金膜の端
部の磁気特性が劣化せず、実効トラック幅の減少を抑制
することができる。これは、ガラスにFe2O3を添加す
ることによってFeを含有する軟質磁性合金とガラスと
の反応が生じにくくなることに起因すると考えられる。
【0033】このように本実施形態によれば、Fe−T
a−N系合金等のギャップ内合金と封着ガラス30との
反応が抑制される結果、磁気コア20のギャップ22内
に設けられた合金薄膜が封着ガラス30によって侵され
るという問題を解決できる。
a−N系合金等のギャップ内合金と封着ガラス30との
反応が抑制される結果、磁気コア20のギャップ22内
に設けられた合金薄膜が封着ガラス30によって侵され
るという問題を解決できる。
【0034】ガラス封着工程が終了した後、図5に示す
ように、コア20の下部とスライダ10との間を樹脂4
0によって固着する。その後、固化したガラス30の不
要部分をラッピング工程で削り取る(ステップS1
0)。ラッピング工程の後、図3のフローチャートに示
されるように、洗浄工程、研磨(ポリッシング)工程、
および洗浄工程の各工程(ステップS11〜13)を繰
り返して行い、コア20およびその近傍のトラック側面
を平坦化する。研磨工程および洗浄工程の繰り返し数は
1〜5回程度である。こうして、コア20およびその近
傍に対する加工処理が終了すると、コアアッシィが完成
する(ステップS14)。このコアアッシィに導線を巻
いてコイルを形成すると、図1に示すような磁気ヘッド
アセンブリが完成する。磁気ヘッドアセンブリは、磁気
記録媒体を回転させる駆動機構や他の公知部品とともに
組み立てられて、磁気記録媒体駆動装置を構成する。
ように、コア20の下部とスライダ10との間を樹脂4
0によって固着する。その後、固化したガラス30の不
要部分をラッピング工程で削り取る(ステップS1
0)。ラッピング工程の後、図3のフローチャートに示
されるように、洗浄工程、研磨(ポリッシング)工程、
および洗浄工程の各工程(ステップS11〜13)を繰
り返して行い、コア20およびその近傍のトラック側面
を平坦化する。研磨工程および洗浄工程の繰り返し数は
1〜5回程度である。こうして、コア20およびその近
傍に対する加工処理が終了すると、コアアッシィが完成
する(ステップS14)。このコアアッシィに導線を巻
いてコイルを形成すると、図1に示すような磁気ヘッド
アセンブリが完成する。磁気ヘッドアセンブリは、磁気
記録媒体を回転させる駆動機構や他の公知部品とともに
組み立てられて、磁気記録媒体駆動装置を構成する。
【0035】なお、ヘッドアセンブリの製造段階で行う
上記の各洗浄工程では、何れもアルカリ洗浄とアルコー
ル洗浄とを行うため、従来のガラス組成物を用いると、
ガラス30の表面がアルカリによって浸食され、コア2
0の表面とガラス30の表面との間に段差が形成される
ことがわかった。図7(a)は、研磨工程および洗浄工
程を繰り返した結果、ガラス30の表面がエッチングさ
れ、コア20の両側に段差(溝)が形成された構造を示
している。このような段差がコア20の両側に形成され
ると、研磨工程の最終段階でコア20の上端エッジが丸
くなり、実効トラック幅が狭くなるおそれがある。ま
た、実際の使用時に、コア20の両側に形成された溝に
ダストが付着すると、記録/再生エラーの発生確率が著
しく増大する。しかしながら、本発明による封着ガラス
30を用いると、Fe2O3添加によってガラスの浸食が
抑制されるため、図7(b)に示すように、段差または
溝がほとんど形成されず、コアおよびその近傍の平坦性
が確保される。従来、図7(a)に示す溝の存在は大き
な問題ではなかったかもしれないが、今後、記録密度が
向上して行くに伴い、段差の少ない平坦な表面構造が必
須になってくる。
上記の各洗浄工程では、何れもアルカリ洗浄とアルコー
ル洗浄とを行うため、従来のガラス組成物を用いると、
ガラス30の表面がアルカリによって浸食され、コア2
0の表面とガラス30の表面との間に段差が形成される
ことがわかった。図7(a)は、研磨工程および洗浄工
程を繰り返した結果、ガラス30の表面がエッチングさ
れ、コア20の両側に段差(溝)が形成された構造を示
している。このような段差がコア20の両側に形成され
ると、研磨工程の最終段階でコア20の上端エッジが丸
くなり、実効トラック幅が狭くなるおそれがある。ま
た、実際の使用時に、コア20の両側に形成された溝に
ダストが付着すると、記録/再生エラーの発生確率が著
しく増大する。しかしながら、本発明による封着ガラス
30を用いると、Fe2O3添加によってガラスの浸食が
抑制されるため、図7(b)に示すように、段差または
溝がほとんど形成されず、コアおよびその近傍の平坦性
が確保される。従来、図7(a)に示す溝の存在は大き
な問題ではなかったかもしれないが、今後、記録密度が
向上して行くに伴い、段差の少ない平坦な表面構造が必
須になってくる。
【0036】以下、本発明の実施例を説明する。
【0037】(実施例1)表1に示す量のFe2O3を添
加した4種類の封着ガラス(サンプルA、B、Cおよび
D)を用いて、複数のMIGコンポジット型磁気ヘッド
アセンブリを試作した。Fe2O3以外については、4種
類のガラスとも前述の組成を有している。
加した4種類の封着ガラス(サンプルA、B、Cおよび
D)を用いて、複数のMIGコンポジット型磁気ヘッド
アセンブリを試作した。Fe2O3以外については、4種
類のガラスとも前述の組成を有している。
【0038】試作した磁気ヘッドアセンブリについて、
そのヘッド特性、および、ガラスとFe−Ta−N合金
との反応状況を評価した。評価結果を表2に示す。
そのヘッド特性、および、ガラスとFe−Ta−N合金
との反応状況を評価した。評価結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】ヘッド特性として評価した項目は、再生時
のS/N比(dB)と再生出力(mV)である。S/N
比および再生出力の規格値としては、例えば、それぞ
れ、−25dB以下および150mV以上などの数値が
与えられる。この場合、ガラスBおよびCを用いたヘッ
ドアセンブリが両規格を満足する。ここで、S/N比
は、ガラスに含まれるFe2O3が多くなるにつれて低下
する傾向がある。これは、Fe2O3添加量の増加がガラ
スを磁性体化するためと考えられる。一方、再生出力
は、Fe2O3添加量の増加によって増大する。これは、
Fe2O3が多くなるほど、ガラスとギャップ内合金との
間の反応が抑制されるためである。ガラスとギャップ内
合金との間で反応が進行すると、ギャップ内合金の端部
(反応部分)の磁気特性が劣化するため(磁気劣化層の
形成)、ギャップ内合金の実効的な幅(「実効トラック
幅」に対応)が減少する(図6(a)参照)。実効トラ
ック幅の減少は、再生出力を低下させてしまうが、本発
明によれば、Fe2O3の添加が上記反応を抑制するた
め、実効トラック幅の減少を抑制し、再生出力低下を防
止できる。
のS/N比(dB)と再生出力(mV)である。S/N
比および再生出力の規格値としては、例えば、それぞ
れ、−25dB以下および150mV以上などの数値が
与えられる。この場合、ガラスBおよびCを用いたヘッ
ドアセンブリが両規格を満足する。ここで、S/N比
は、ガラスに含まれるFe2O3が多くなるにつれて低下
する傾向がある。これは、Fe2O3添加量の増加がガラ
スを磁性体化するためと考えられる。一方、再生出力
は、Fe2O3添加量の増加によって増大する。これは、
Fe2O3が多くなるほど、ガラスとギャップ内合金との
間の反応が抑制されるためである。ガラスとギャップ内
合金との間で反応が進行すると、ギャップ内合金の端部
(反応部分)の磁気特性が劣化するため(磁気劣化層の
形成)、ギャップ内合金の実効的な幅(「実効トラック
幅」に対応)が減少する(図6(a)参照)。実効トラ
ック幅の減少は、再生出力を低下させてしまうが、本発
明によれば、Fe2O3の添加が上記反応を抑制するた
め、実効トラック幅の減少を抑制し、再生出力低下を防
止できる。
【0042】(実施例2)実施例1で作製した磁気ヘッ
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部段差を測
定した。測定は、非接触型形状測定器(WYKO)を用
いて行った。測定結果を図8(a)および(b)ならび
に図9(a)および(b)に示す。図8(a)および
(b)は、Fe2O3を添加していないガラスを用いた場
合の表面段差を示している。これに対して、図9(a)
および(b)は、1wt%のFe2O3を添加したガラス
を用いた場合の表面段差を示している。
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部段差を測
定した。測定は、非接触型形状測定器(WYKO)を用
いて行った。測定結果を図8(a)および(b)ならび
に図9(a)および(b)に示す。図8(a)および
(b)は、Fe2O3を添加していないガラスを用いた場
合の表面段差を示している。これに対して、図9(a)
および(b)は、1wt%のFe2O3を添加したガラス
を用いた場合の表面段差を示している。
【0043】図8(b)からわかるように、Fe2O3を
添加していないガラスは50nm以上の深さまで封着ガ
ラスがエッチングされており、幅50μm程度の溝がコ
ア20の両側に形成されている。このような溝が存在す
ると、大気中に浮遊するダストなどが付着しやすい。溝
にダストが取り込まれると、情報の記録・再生時に磁気
記録媒体の表面に損傷を与える危険性がある。
添加していないガラスは50nm以上の深さまで封着ガ
ラスがエッチングされており、幅50μm程度の溝がコ
ア20の両側に形成されている。このような溝が存在す
ると、大気中に浮遊するダストなどが付着しやすい。溝
にダストが取り込まれると、情報の記録・再生時に磁気
記録媒体の表面に損傷を与える危険性がある。
【0044】一方、Fe2O3を添加したガラスの場合、
図9(a)および(b)からわかるように、ガラスのエ
ッチング深さは10nm以下であり、実質的に表面の平
坦性が確保されている。
図9(a)および(b)からわかるように、ガラスのエ
ッチング深さは10nm以下であり、実質的に表面の平
坦性が確保されている。
【0045】以上の実施例および本発明者による他の実
験から、Fe2O3の添加量を0.5wt%以上にすれ
ば、ギャップ合金と封着ガラスとの間の反応抑制効果が
得られることがわかった。ただし、過度のFe2O3添加
は、ガラスを結晶化させやすくし、また、ガラス自体に
磁性を帯びさせるため、Fe2O3添加量の上限は3wt
%にすることが好ましく、S/N比を重視する場合は、
Fe2O3添加量の上限を2wt%にすることが更に好ま
しい。
験から、Fe2O3の添加量を0.5wt%以上にすれ
ば、ギャップ合金と封着ガラスとの間の反応抑制効果が
得られることがわかった。ただし、過度のFe2O3添加
は、ガラスを結晶化させやすくし、また、ガラス自体に
磁性を帯びさせるため、Fe2O3添加量の上限は3wt
%にすることが好ましく、S/N比を重視する場合は、
Fe2O3添加量の上限を2wt%にすることが更に好ま
しい。
【0046】一方、ギャップ内合金とガラスとの反応を
確実に抑制し、しかもヘッド特性を高く維持するという
観点からは、Fe2O3添加量の下限を1.0wt%とす
ることが好ましい。
確実に抑制し、しかもヘッド特性を高く維持するという
観点からは、Fe2O3添加量の下限を1.0wt%とす
ることが好ましい。
【0047】S/N比の多少の低下を許容しつつ、大き
な再生出力を得るために、3wt%を超えるFe2O3を
添加してもよい場合がある。ただし、その場合でも、F
e2O3添加量は4wt%未満にすることが好ましい。
な再生出力を得るために、3wt%を超えるFe2O3を
添加してもよい場合がある。ただし、その場合でも、F
e2O3添加量は4wt%未満にすることが好ましい。
【0048】なお、ガラス組成物へのCuOの添加は、
ガラス中での異相の析出が抑制されるため好ましいと言
えるが、CuOの添加は本発明にとって不可欠ではな
い。
ガラス中での異相の析出が抑制されるため好ましいと言
えるが、CuOの添加は本発明にとって不可欠ではな
い。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、ギャップ内の合金と封
着ガラスとの反応が抑制されるため、実効トラック幅の
減少が防止され、高い再生出力を達成することができ
る。また、組立工程中に洗浄によって封着ガラスが浸食
するという問題が生じないため、コア上面部分の平坦性
が維持され、ダストの取り込みなどの問題を避けること
ができる。従って、例えば100メガバイト以上の大容
量FD等のリムーバブルメディアに対して、本発明は特
に顕著な効果を発揮し得る。
着ガラスとの反応が抑制されるため、実効トラック幅の
減少が防止され、高い再生出力を達成することができ
る。また、組立工程中に洗浄によって封着ガラスが浸食
するという問題が生じないため、コア上面部分の平坦性
が維持され、ダストの取り込みなどの問題を避けること
ができる。従って、例えば100メガバイト以上の大容
量FD等のリムーバブルメディアに対して、本発明は特
に顕著な効果を発揮し得る。
【図1】本発明によるMIGコンポジット型磁気ヘッド
アセンブリの実施形態の斜視図である。
アセンブリの実施形態の斜視図である。
【図2】図1のスライダの一部および磁気コアの断面図
である。
である。
【図3】図1の磁気ヘッドアセンブリの製造プロセスを
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図4】溶融前の封着ガラスの配置を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】溶融後の封着ガラスを示す斜視図である。
【図6】(a)は、実効トラック幅が減少したヘッドの
上面図であり、(b)は実効トラック幅が減少していな
いヘッドの上面図である。
上面図であり、(b)は実効トラック幅が減少していな
いヘッドの上面図である。
【図7】(a)は、研磨工程および洗浄工程を繰り返し
た結果、封着ガラスの表面がエッチングされ、コアの両
側に段差(溝)が形成された構造の断面図であり、
(b)は、そのような溝が形成されていない構造の断面
図である。
た結果、封着ガラスの表面がエッチングされ、コアの両
側に段差(溝)が形成された構造の断面図であり、
(b)は、そのような溝が形成されていない構造の断面
図である。
【図8】(a)および(b)は、サンプルAの磁気ヘッ
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部分の段差
を示すグラフである。
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部分の段差
を示すグラフである。
【図9】(a)および(b)は、サンプルBの磁気ヘッ
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部分の段差
を示す図である。
ドアセンブリについて、磁気コアのギャップ部分の段差
を示す図である。
10 スライダ(ハウジング) 11 サイドレール 12 スロット 20 磁気コア 22 ギャップ(Gap) 30 封着ガラス 40 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB04 DA03 DB03 DC03 DD01 DE01 DF06 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA03 GA04 GB01 GC01 GD03 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM09 MM10 NN32 PP01 5D093 AC08 FA21 HB15 HC20
Claims (9)
- 【請求項1】 磁気コアと、非磁性材料から形成された
スライダと、前記磁気コアを前記スライダに結合する封
着ガラスとを備えたコンポジット型磁気ヘッドアセンブ
リであって、 前記磁気コアのギャップ内には軟磁性合金薄膜が設けら
れており、 前記封着ガラスは、前記合金薄膜と接触し、かつ、3〜
9wt%のSiO2、60〜70wt%のPbO、3〜
9wt%のB2O3、3〜9wt%のAl2O3、5〜15
wt%のBi2O3、および3〜9wt%のTe2Oを含
有し、 前記封着ガラスには0.5wt%以上4wt%未満のF
e2O3が添加されていることを特徴するコンポジット型
磁気ヘッドアセンブリ。 - 【請求項2】 前記封着ガラスに3wt%以下のCuO
が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のコ
ンポジット型磁気ヘッドアセンブリ。 - 【請求項3】 前記封着ガラスの熱膨張係数は、50〜
250℃において85〜120×107/℃の範囲内に
あることを特徴とする請求項1または2に記載のコンポ
ジット型磁気ヘッドアセンブリ。 - 【請求項4】 取り外し可能な磁気記録媒体に対して情
報を記録し、または前記記録媒体から情報を読み出すこ
とを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の
コンポジット型磁気ヘッドアセンブリ。 - 【請求項5】 ギャップ内に軟磁性合金薄膜が設けられ
た磁気コア、および非磁性材料から形成されたスライダ
を用意する工程と、 3〜9wt%のSiO2、60〜70wt%のPbO、
3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%のAl2O3、5〜
15wt%のBi2O3、および3〜9wt%のTe2O
を含有し、0.5wt%以上4wt%未満のFe2O3が
添加されている封着ガラスで、前記磁気コアを前記スラ
イダに固定する工程と、を包含するコンポジット型磁気
ヘッドアセンブリの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1から3の何れかに記載のコンポ
ジット型磁気ヘッドアセンブリと、 取り外し可能な磁気記録媒体を回転させる駆動手段と、
を備えた磁気記録媒体駆動装置。 - 【請求項7】 3〜9wt%のSiO2、60〜70w
t%のPbO、3〜9wt%のB2O3、3〜9wt%の
Al2O3、5〜15wt%のBi2O3、および3〜9w
t%のTe2Oを含有するコンポジット型磁気ヘッド封
着用ガラス組成物であって、 前記封着ガラスには0.5wt%以上4wt%未満のF
e2O3が添加されていることを特徴するコンポジット型
磁気ヘッド封着用ガラス組成物。 - 【請求項8】 3wt%以下のCuOが添加されている
ことを特徴とする請求項7に記載のコンポジット磁気ヘ
ッド封着用ガラス組成物。 - 【請求項9】 前記封着ガラスの熱膨張係数は、50〜
250℃において85〜120×107/℃の範囲内に
あることを特徴とする請求項7または8に記載のコンポ
ジット型磁気ヘッド封着用ガラス組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189915A JP2001023110A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | コンポジット型磁気ヘッド用封着ガラス組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189915A JP2001023110A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | コンポジット型磁気ヘッド用封着ガラス組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001023110A true JP2001023110A (ja) | 2001-01-26 |
Family
ID=16249348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11189915A Pending JP2001023110A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | コンポジット型磁気ヘッド用封着ガラス組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001023110A (ja) |
-
1999
- 1999-07-05 JP JP11189915A patent/JP2001023110A/ja active Pending
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