JP2000257789A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JP2000257789A
JP2000257789A JP11058105A JP5810599A JP2000257789A JP 2000257789 A JP2000257789 A JP 2000257789A JP 11058105 A JP11058105 A JP 11058105A JP 5810599 A JP5810599 A JP 5810599A JP 2000257789 A JP2000257789 A JP 2000257789A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数帯域にわたっての消音を可能に
し、また、その広帯域消音において上手側伝播経路の音
響特性に影響され難い安定した消音性能を得る。 【解決手段】 共鳴周波数f0 の異なる共鳴器が隣り合
う位置関係となる状態で、かつ、共鳴周波数f0 の等し
い共鳴器が隣り合わない位置関係で含まれることを許し
て、3個以上の共鳴器K11〜K13を消音対象音Pの伝播
方向に並置し、これら共鳴器K11〜K13のインピーダン
ス抵抗値Rの設定にあたり、この共鳴器列において、消
音対象音Pの伝播方向で上手側の上位並び順位に配置す
る上手側共鳴器K11,K12の平均インピーダンス抵抗値
を、消音対象音Pの伝播方向で下手側の下位並び順位に
配置する下手側共鳴器K12,K13の平均インピーダンス
抵抗値よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調設備における
ダクト中伝播騒音の消音などに用いる消音装置に関し、
詳しくは、複数の共鳴器を消音対象音の伝播方向に並置
して、各共鳴器の応答音との干渉で消音対象音を消音す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の消音装置では、消音対象
周波数の異なる共鳴器(すなわち、共鳴周波数の異なる
共鳴器)を含む3個以上の共鳴器を消音対象音の伝播方
向に並べて配置し、これにより、広い周波数帯域にわた
っての消音を図ったものが提案されている(例えば、特
開平1−296040号公報、特公昭60−46312
号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の消音
装置において安定した消音性能を得るには、装置全体と
しての音源側への反射率(二乗値)を小さくして透過損
失に対する吸音損失の割合を大きく(略言すれば、音源
側への反射音を小さく)し、これにより、消音対象音の
伝播方向で消音装置部分よりも上手側における伝播経路
の音響特性(ダクト等の音響特性)が外乱要因となって
装置の消音性能に与える影響を極力小さくすることが重
要であるが、前記の従来装置の如く共鳴周波数の異なる
共鳴器を単に並置するだけでは、装置全体としての音源
側への反射率が大きく、この点、広い周波数帯域にわた
っての消音において安定した消音性能を得ることが難し
い問題があった。
【0004】なお、吸音損失AL及び透過損失TLは、
各々次式で与えられる。 AL=−10log (|τ|2 +|γ|2 ) TL=−10log |τ|2 |γ|2 :反射率(二乗値) |τ|2 :透過率(二乗値)
【0005】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
この種の消音装置についての研究に基づいた改良によ
り、広い周波数帯域にわたっての消音を可能にするとと
もに、その広帯域消音において、上手側伝播経路の音響
特性に影響され難い安定した消音性能を得られるように
する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、共鳴周波数の異なる共鳴器が隣り合う位置関係
となる状態で、かつ、共鳴周波数の等しい共鳴器が隣り
合わない位置関係で含まれることを許して、3個以上の
共鳴器を消音対象音の伝播方向に並置し、この共鳴器列
において、消音対象音の伝播方向で上手側の上位並び順
位に配置する上手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値
を、消音対象音の伝播方向で下手側の下位並び順位に配
置する下手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値よりも
大きくした構成とする。
【0007】つまり、この構成では、基本的には、音源
から伝播する消音対象音に対し、その伝播方向に並置し
た複数の共鳴器を応答させることにおいて、これら共鳴
器を各共鳴器の応答音に対しても相互に応答させて、こ
れら共鳴器どうしの間で共鳴周波数をピーク周波数とす
る応答音の行き来が生じるようにし、これにより、消音
対象音に対する共鳴器応答音の干渉作用を促進して消音
対象音を効果的に減衰させ、もって高い透過損失を得
る。
【0008】また、この共鳴器列に共鳴周波数が異なる
2個以上の共鳴器を含ませることにより、行き来する応
答音が2以上のピーク周波数を有するようにし、これに
より、単一のピーク周波数を示す応答音を行き来きさせ
るだけ(すなわち、共鳴周波数の等しい共鳴器を並置す
るだけの装置)に比べ、より広い周波数帯域にわたって
上記の消音機能が効果的に得られるようにする。
【0009】そしてまた、3個以上の共鳴器を並置する
ことにより、単に2個の共鳴器の間だけで応答音を行き
来させて消音するに比べ、個々の共鳴器の共鳴室容積を
小さくしながら高い消音機能を得られるようにして、そ
の共鳴室容積の縮小化により共鳴室内での音圧分布の偏
りを抑制した状態で各共鳴器に所期の共鳴特性を確実に
発揮させ、また、共鳴器間での相互応答のパターン数を
効果的に増加させて消音対象音と共鳴器応答音との干渉
機会を増加させ、これらのことで、所期の消音機能(特
に、上記の広帯域消音機能)をより確実に得られるよう
にする。
【0010】ちなみに、図1は次の3個の共鳴器K11
13をその順に消音対象音Pの伝播方向上手側から並置
した装置、及び、その装置による透過損失TLと吸音損
失AL(夫々の太線グラフは帯域平均損失)を示し、 共鳴器K11:f0 =140,R=1.2 共鳴器K12:f0 =115,R=0.5 共鳴器K13:f0 = 65,R=0.1 f0 :共鳴周波数(Hz),R:インピーダンス抵抗値 また、図11は次の2個の共鳴器K1 ,K2 をその順に
消音対象音Pの伝播方向上手側から並置した装置、及
び、その装置による透過損失TLと吸音損失AL(夫々
の太線グラフは帯域平均損失)を示すが、 共鳴器K1 :f0 =101,R=0.7 共鳴器K2 :f0 = 88,R=0.1 これら図1及び図11に示す装置の比較からも分かるよ
うに、2個の共鳴器を並置するだけの装置では、高い消
音機能を得るのに共鳴器の共鳴室容積が大きくなって
(図11の例では下手側共鳴器K2 の共鳴室容積が大き
くなって)、共鳴室内の音圧分布に偏りが生じ易く、ま
た、共鳴器間での相互応答のパターンも図1に示す装置
では3パターンであるのに対し1パターンに限られて、
消音対象音Pと共鳴器応答音との干渉機会が少なく、こ
の為、図11の(ロ)に示す如き消音性能を確実かつ安
定的に得ることが難しいのに対し、3個以上の共鳴器を
並置する構成を採れば、この問題を効果的に解消して図
1の(ロ)に示す如き消音性能を確実かつ安定的に得る
ことができる。
【0011】そしてさらに、これら基本的な消音機能に
加え、前記構成では、3個以上の共鳴器を消音対象音の
伝播方向に並べて配置するのに、共鳴周波数の異なる共
鳴器が隣り合う位置関係となる配置形態(共鳴周波数の
等しい共鳴器が隣り合わない位置関係で含まれることを
許し、また逆に、全ての共鳴器を共鳴周波数の異なる共
鳴器とする場合を含む)を採り、かつ、この共鳴器列に
おいて、消音対象音の伝播方向で上手側の上位並び順位
に配置する上手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値
を、消音対象音の伝播方向で下手側の下位並び順位に配
置する下手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値よりも
大きくすることにより、装置全体としての音源側への反
射率(二乗値)を効果的に低減して、吸音損失を効果的
に増大させる。
【0012】すなわち、図2及び図12〜図14は、次
の4つの共鳴器K21〜K24の配置順序を種々変更した装
置、及び、各装置による透過損失TLと吸音損失AL
(夫々の太線グラフは帯域平均損失)を示すが、 共鳴器K21:f0 =125,R=0.9 共鳴器K22:f0 = 63,R=0.9 共鳴器K23:f0 =125,R=0.1 共鳴器K24:f0 = 63,R=0.1 f0 :共鳴周波数(Hz),R:インピーダンス抵抗値 この例において図2に示す装置と図12〜図14に示す
各装置との比較からも分かるように、共鳴周波数の異な
る共鳴器が隣り合う位置関係となるようにするととも
に、上手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値を下手側
共鳴器の平均インピーダンス抵抗値よりも大きくする上
記構成を採れば、装置全体としての音源側への反射率
(二乗値)を効果的に低減して、吸音損失ALを効果的
に増大させることができ、このことは、図2及び図12
〜図14の装置例に限らず、一般的に得られる効果であ
ることが種々の実験により確認された。
【0013】ちなみに、図14に示す装置と図12及び
図13に示す各装置との比較からは、上手側共鳴器の平
均インピーダンス抵抗値を下手側共鳴器の平均インピー
ダンス抵抗値より大きくすることだけでも、吸音損失A
Lをある程度増大し得ることが分かるが、これは、前記
の如く共鳴器間で応答音を行き来させる形態を採りなが
らも、共鳴器応答音のうち共鳴器列から音源側へ反射す
る応答音(すなわち、上手側伝播経路の音響特性が消音
性能に悪影響を及ぼすことの原因となる反射音)を、大
きなインピーダンス抵抗値を備える上手側共鳴器の高い
吸音性をもって吸音することで得られる効果であり、前
記の構成では、この効果と共鳴周波数の異なる共鳴器を
隣り合う位置関係とすることで得られる音響上の作用と
の協動で、吸音損失ALがより効果的に増大するものと
考えられる。
【0014】以上のことから、請求項1に係る発明の前
記構成によれば、広い周波数帯域にわたって高い消音効
果を得られるとともに、その広帯域消音において、消音
装置部分よりも上手側における伝播経路の音響特性が消
音性能に影響を及ぼすことを効果的に抑止した状態で、
先述の如き従来装置に比べ一層安定した消音性能を得る
ことができる。
【0015】なお、請求項1に係る発明の実施にあた
り、奇数個の共鳴器を並置する場合、消音対象音の伝播
方向で中央順位に配置する共鳴器は、上手側共鳴器及び
下手側共鳴器夫々の平均インピーダンス抵抗値の算出に
おいて、上手側共鳴器及び下手側共鳴器の両方に含める
か、あるいは、いずれにも含めないものとするが、その
中央順位共鳴器のインピーダンス抵抗値は、それよりも
上手側の共鳴器の平均インピーダンス抵抗値、及び、そ
れよりも下手側の共鳴器の平均インピーダンス抵抗値の
いずれからもあまり大きくかけ離れない値にするのが好
ましい。
【0016】また、上手側共鳴器の平均インピーダンス
抵抗値を下手側共鳴器の平均インピーダンス抵抗値より
も大きくするにあたっては、全ての上手側共鳴器(ない
しは、ほぼ全ての上手側共鳴器)を、下手側共鳴器のう
ち最も大きいインピーダンス抵抗値を備える共鳴器より
も大きいインピーダンス抵抗値の共鳴器とするのが好ま
しく、その方が装置全体としての音源側への反射率(二
乗値)をより効果的に低減できる傾向がある。
【0017】消音対象音の伝播方向での各共鳴器の共鳴
口間隔は、前記構成の下で透過損失TL及び吸音損失A
Lを最大化できる間隔を選定すればよく、定性的には、
上手側共鳴器の共鳴口を、下手側共鳴器からの反射応答
音と音源からの消音対象音との干渉により消音対象周波
数での音圧が増大する位置(略言すれば、消音対象周波
数での音エネルギが集中する位置)に配置することが好
ましく、このように配置すれば、集中する音エネルギを
上手側共鳴器の吸音性をもって効率的に吸収する形態
で、透過損失TL及び吸音損失ALを効果的に高めるこ
とができる。
【0018】共鳴器のインピーダンス抵抗値Rは共鳴器
の音響インピーダンス密度Zにおける実部として与えら
れ、また、共鳴器の音響インピーダンス密度Zは次式で
与えられる。 Z=P/U =R+j×(f/f0 −f0 /f)/σ P:音圧 U:粒子速度 R:抵抗 σ:共鳴器の無次元容積 σ=2π/C×f0 ×V/S V:共鳴器容積 S:伝播経路断面積 f:周波数 f0 :共鳴周波数 C:音速 j:虚数単位
【0019】〔2〕請求項2に係る発明では、前記した
請求項1に係る発明の実施にあたり、前記上手側共鳴器
を互いの共鳴周波数が異なる共鳴器にし、かつ、前記下
手側共鳴器を互いの共鳴周波数が異なる共鳴器にする。
【0020】つまり、この構成によれば、上手側共鳴器
夫々の共鳴周波数の異なり、及び、下手側共鳴器夫々の
共鳴周波数の異なりにより、これら共鳴器間で行き来さ
せる応答音のピーク周波数を効果的に多元化する(換言
すれば、行き来させる応答音を広い周波数帯域にわたっ
て効果的に平準化する)ことができ、また、上手側共鳴
器の吸音性も広い周波数帯域にわたってより均等に発揮
させることができ、これらのことから、前述の如き消音
機能を広い周波数帯域にわたり一層均等に得ることがで
きて、その点で広帯域消音性能をさらに高めることがで
きる。
【0021】〔3〕請求項3に係る発明では、前記した
請求項1又は2に係る発明の実施にあたり、前記共鳴器
列において、互いの共鳴周波数が等しい又は近い上手側
共鳴器と下手側共鳴器の対を設け、この共鳴器対におけ
る上手側共鳴器のインピーダンス抵抗値を、その共鳴器
対における下手側共鳴器のインピーダンス抵抗値よりも
大きくする。
【0022】つまり、この構成によれば、上記対を成す
共鳴周波数の等しい又は近い上手側共鳴器と下手側共鳴
器との間で、それら共鳴器の共鳴周波数ないしそれに近
い周波数をピーク周波数とする応答音を行き来させるこ
とに対し、共鳴器列から音源側へ反射する応答音のう
ち、そのピーク周波数部分の音(すなわち、音源側への
反射音のうち強度の高い周波数部分)を、この共鳴器対
において大きなインピーダンス抵抗値を備える上手側共
鳴器の高い吸音性をもって確実かつ効果的に吸音するこ
とができ、これにより、吸音損失の増大をより確実かつ
効果的に達成することができる。
【0023】なお、上記の共鳴器対を異なる共鳴周波数
について複数対設ければ、広い周波数帯域にわたっての
吸音損失の増大をより確実かつ効果的なものにすること
ができる。
【0024】〔4〕請求項4に係る発明では、前記した
請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施にあた
り、共鳴周波数の異なる共鳴器として、隣り合う1/1
オクターブ帯域夫々の中心周波数、又は、それら中心周
波数に近い周波数を各々の共鳴周波数とする共鳴器を前
記共鳴器列に含ませる。
【0025】つまり、この構成によれば、前述の如く、
共鳴器列に共鳴周波数が異なる2個以上の共鳴器を含ま
せることで、行き来する応答音が2以上のピーク周波数
を有するようにして、広い周波数帯域で高い消音機能が
得られるようにするのに、共鳴周波数の異なる共鳴器と
して、隣り合う1/1オクターブ帯域夫々の中心周波
数、又は、それら中心周波数に近い周波数を各々の共鳴
周波数とする共鳴器を共鳴器列に含ませることから、そ
れら隣り合う1/1オクターブ帯域にわたる極めて広い
周波数帯域について高い消音効果を得ることができる。
【0026】なお、請求項4に係る発明の実施において
は、2つの隣り合う1/1オクターブ帯域夫々の中心周
波数又はそれら中心周波数に近い周波数を各々の共鳴周
波数とする共鳴器を共鳴器列に含ませるだけに限らず、
3以上の隣り合う1/1オクターブ帯域夫々の中心周波
数又はそれら中心周波数に近い周波数を各々の共鳴周波
数とする共鳴器を共鳴器列に含ませ、これにより、さら
に広い周波数帯域で高い消音機能を得られるようにして
もよい。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、1/1オクターブ63H
z帯域と1/1オクターブ125Hz帯域とにわたる2
オクターブを消音帯域とする本発明の実施例装置、及
び、その装置による透過損失TLと吸音損失AL(夫々
の太線グラフは帯域平均損失)を示し、この装置では、
消音対象音Pの伝播方向でその上手側から順に次の3つ
の共鳴器K11〜K13を並置してある。 共鳴器K11:f0 =140,R=1.2 共鳴器K12:f0 =115,R=0.5 共鳴器K13:f0 = 65,R=0.1 f0 :共鳴周波数(Hz),R:インピーダンス抵抗値
【0028】つまり、この図1の実施例装置では、共鳴
周波数f0 が互いに異なる3つの共鳴器K11〜K13を消
音対象音Pの伝播方向に並置し、この共鳴器列におい
て、消音対象音Pの伝播方向で上手側の上位並び順位に
配置する上手側共鳴器K11,K 12の平均インピーダンス
抵抗値{=(1.2+0.5)/2}を、下手側の下位
並び順位に配置する下手側共鳴器K12,K13の平均イン
ピーダンス抵抗値{=(0.5+0.1)/2}よりも
大きくしてある。
【0029】また、隣り合う1/1オクターブ63Hz
帯域と1/1オクターブ125Hz帯域とにわたる広帯
域消音を可能にするのに、共鳴周波数f0 の異なる共鳴
器として、1/1オクターブ63Hz帯域の中心周波数
(63Hz)に近い周波数を共鳴周波数f0 とする共鳴
器K13と、1/1オクターブ125Hz帯域の中心周波
数(125Hz)に近い周波数を共鳴周波数f0 とする
共鳴器K11,K12とを用いてある。
【0030】図2は、同じく1/1オクターブ63Hz
帯域と1/1オクターブ125Hz帯域とにわたる2オ
クターブを消音帯域とする本発明の別の実施例装置、及
び、その装置による透過損失TLと吸音損失AL(夫々
の太線グラフは帯域平均損失)を示し、この装置では、
消音対象音Pの伝播方向でその上手側から順に次の4つ
の共鳴器K21〜K24を並置してある。 共鳴器K21:f0 =125,R=0.9 共鳴器K22:f0 = 63,R=0.9 共鳴器K23:f0 =125,R=0.1 共鳴器K24:f0 = 63,R=0.1 f0 :共鳴周波数(Hz),R:インピーダンス抵抗値
【0031】つまり、この図2の実施例装置では、1/
1オクターブ63Hz帯域の中心周波数(63Hz)を
共鳴周波数f0 とする2個の共鳴器K22,K24と、1/
1オクターブ125Hz帯域の中心周波数(125H
z)を共鳴周波数f0 とする2個の共鳴器K21,K23
の計4個の共鳴器を、共鳴周波数f0 の異なる共鳴器が
隣り合う位置関係となる状態で、消音対象音Pの伝播方
向に並べて配置し、この共鳴器列において、消音対象音
Pの伝播方向で上手側の上位並び順位に配置する上手側
共鳴器K21,K22の平均インピーダンス抵抗値{=
(0.9+0.9)/2}を、下手側の下位並び順位に
配置する下手側共鳴器K23,K24の平均インピーダンス
抵抗値{=(0.1+0.1)/2}よりも大きくして
ある。
【0032】また、この装置では、上手側共鳴器K21
22を互いの共鳴周波数f0 が異なる共鳴器にし、か
つ、下手側共鳴器K23,K24を互いの共鳴周波数f0
異なる共鳴器にするとともに、互いの共鳴周波数f0
等しい上手側共鳴器と下手側共鳴器の対として、共鳴周
波数f0 が63Hzについての1対(K22・K24)と共
鳴周波数f0 が125Hzについての1対(K21
23)との計2対を設けるようにし、これら共鳴器対の
各々について、上手側共鳴器K21,K22のインピーダン
ス抵抗値Rを下手側共鳴器K23,K24のインピーダンス
抵抗値Rよりも大きくしてある。
【0033】図3〜図6の各図は、1/1オクターブ6
3Hz帯域を消音帯域とする本発明の他の実施例装置、
及び、各装置による透過損失TLと吸音損失AL(夫々
の太線グラフは帯域平均損失)を示し、また、図7〜図
9の各図は、1/1オクターブ63Hz帯域と1/1オ
クターブ125Hz帯域とにわたる2オクターブを消音
帯域とする本発明の他の実施例装置、及び、各装置によ
る透過損失TLと吸音損失AL(夫々の太線グラフは帯
域平均損失)を示す。
【0034】これら図3〜図9のいずれに示す実施例装
置も、共鳴周波数f0 の異なる共鳴器が隣り合う位置関
係となる状態で、かつ、共鳴周波数f0 の等しい共鳴器
が隣り合わない位置関係で含まれることを許して、3個
以上の共鳴器Kn を消音対象音Pの伝播方向に並べて配
置し、この共鳴器列において、消音対象音Pの伝播方向
で上手側の上位並び順位に配置する上手側共鳴器の平均
インピーダンス抵抗値を、消音対象音Pの伝播方向で下
手側の下位並び順位に配置する下手側共鳴器の平均イン
ピーダンス抵抗値よりも大きくした構成にしてある。
【0035】また、図3〜図9のいずれに示す実施例装
置も、上手側共鳴器を互いの共鳴周波数f0 が異なる共
鳴器にし、かつ、下手側共鳴器を互いの共鳴周波数f0
が異なる共鳴器にしてある。
【0036】そして、1/1オクターブ63Hz帯域と
1/1オクターブ125Hz帯域とにわたる2オクター
ブを消音帯域とする図7〜図9に示す実施例装置では、
共鳴周波数f0 の異なる共鳴器として、1/1オクター
ブ63Hz帯域の中心周波数(63Hz)又はその中心
周波数に近い周波数を共鳴周波数f0 とする共鳴器と、
1/1オクターブ125Hz帯域の中心周波数(125
Hz)又はその中心周波数に近い周波数を共鳴周波数f
0 とする共鳴器を共鳴器列に含ませてある。
【0037】さらにまた、図7に示す実施例装置につい
ては、互いの共鳴周波数f0 が等しい上手側共鳴器と下
手側共鳴器の対として、共鳴周波数f0 が63Hzにつ
いての1対と共鳴周波数f0 が140Hzについての1
対との計2対を共鳴器列に含ませ、これら共鳴器対の各
々について、上手側共鳴器のインピーダンス抵抗値Rを
下手側共鳴器のインピーダンス抵抗値Rよりも大きくし
てある。
【0038】上記の各図に示す装置では、両端部を空調
設備のダクト1に対する接続端とする内筒体2と、その
内筒体2を外側から囲う外筒体3を設け、これら内筒体
2と外筒体3との間の環状空間を筒芯方向で仕切って複
数の環状室an を形成し、また、各環状室an につい
て、それら環状室an と内筒体2の内部風路とを連通さ
せる小開口bn を、夫々、筒体周方向に複数個分散させ
た状態で内筒体2に形成し、これにより、各環状室an
を共鳴室とし、かつ、各小開口bn を共鳴口とする共鳴
器Kn の並置列を形成して、この共鳴器列により、ダク
ト1中を伝播する消音対象音Pを消音するようにしてあ
る。
【0039】また、各共鳴器Kn の共鳴周波数f0 は、
各々の共鳴口径、共鳴口数、共鳴室容積などの調整によ
り設定し、各共鳴器Kn のインピーダンス抵抗値Rは、
共鳴室an に充填する吸音材の充填量調整や、笛吹き音
防止用として共鳴口bn を塞ぐ状態に張設する通気性膜
状体cn の厚さ調整などにより設定してある。
【0040】なお、図中に記した寸法は、各図(ロ)に
示す消音性能データを採取した実験装置の各部寸法(単
位mm)を示す。
【0041】〔別実施形態〕前述の実施形態では、内筒
体2周りの環状室an を共鳴室として各共鳴器Knを形
成する例を示したが、本発明の実施において、消音対象
音Pの伝播方向に並置する各共鳴器Kn の具体的形状・
構造は種々の変更が可能であり、例えば、図10の
(イ)〜(ニ)に示す如く、消音対象音Pの伝播方向に
並置する共鳴器K n の夫々について、各々の共鳴室an
を複数室an-1 ,an-2 ,……に分割し、これら分割室
n-1 ,an-2 ,……を消音対象音Pの伝播経路を形成
する角筒体2′の外周部に分散配置する構造を採用する
などしてもよい。
【0042】消音対象音は空調設備におけるダクト中伝
播騒音に限られるものではなく、本発明による消音装置
は、各種分野における種々の伝播音の消音に使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例装置を示す縦断面図と、その装置の消音
性能を示すグラフ
【図2】別の実施例装置を示す縦断面図と、その装置の
消音性能を示すグラフ
【図3】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図4】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図5】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図6】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図7】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図8】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図9】その他の実施例装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図10】別の実施形態を示す概略斜視図
【図11】比較装置を示す縦断面図と、その装置の消音
性能を示すグラフ
【図12】その他の比較装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図13】その他の比較装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【図14】その他の比較装置を示す縦断面図と、その装
置の消音性能を示すグラフ
【符号の説明】
0 共鳴周波数 K 共鳴器 P 消音対象音 R インピーダンス抵抗値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共鳴周波数の異なる共鳴器が隣り合う位
    置関係となる状態で、かつ、共鳴周波数の等しい共鳴器
    が隣り合わない位置関係で含まれることを許して、3個
    以上の共鳴器を消音対象音の伝播方向に並置し、 この共鳴器列において、消音対象音の伝播方向で上手側
    の上位並び順位に配置する上手側共鳴器の平均インピー
    ダンス抵抗値を、消音対象音の伝播方向で下手側の下位
    並び順位に配置する下手側共鳴器の平均インピーダンス
    抵抗値よりも大きくしてある消音装置。
  2. 【請求項2】 前記上手側共鳴器を互いの共鳴周波数が
    異なる共鳴器にし、かつ、前記下手側共鳴器を互いの共
    鳴周波数が異なる共鳴器にしてある請求項1記載の消音
    装置。
  3. 【請求項3】 前記共鳴器列において、互いの共鳴周波
    数が等しい又は近い上手側共鳴器と下手側共鳴器の対を
    設け、 この共鳴器対における上手側共鳴器のインピーダンス抵
    抗値を、その共鳴器対における下手側共鳴器のインピー
    ダンス抵抗値よりも大きくしてある請求項1又は2記載
    の消音装置。
  4. 【請求項4】 共鳴周波数の異なる共鳴器として、隣り
    合う1/1オクターブ帯域夫々の中心周波数、又は、そ
    れら中心周波数に近い周波数を各々の共鳴周波数とする
    共鳴器を前記共鳴器列に含ませてある請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の消音装置。
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