JP4326322B2 - 複合型消音器 - Google Patents

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Description

本発明は、空調用ダクトなどを通じて伝播する音を消音する消音器に関し、詳しくは、通風路に臨ませる吸音材層、及び、共鳴口を通じて通風路に連通させる共鳴室を装備する複合型の消音器(すなわち、吸音材により音響エネルギを吸収して消音する吸音型の消音器と、共鳴室で逆位相音を発生させて消音する共鳴型の消音器とを組み合わせた消音器)に関する。
吸音型と共鳴型とを組み合わせた複合型消音器は、吸音型では十分な消音効果を得ることが難しい低周波音を共鳴型としての消音機能により消音することで、消音可能な周波数域の拡張を図ったものであるが、従来、この種の複合型消音器としては、図11に示す如く、四角筒状の器体1の内部で、対向する2つの器体壁部の夫々に器体長さ方向(すなわち、通風方向)に延びる吸音材層4を設けて、これら対向する吸音材層4の間を入出口2a,2bに対し縮巾された通風路2にするとともに、各吸音材層4の器体長さ方向における両端部夫々に共鳴室5(共鳴器)を配設し、この器体1を消音対象音が伝播する空調用ダクト等に介装するようにしたものがある(特許文献1参照)。
また、吸音材層4を同様の形態で器体1の内部に設けるものにおいて、図12に示す如く、共鳴室5を吸音材層4の層中に配設するものもある(同特許文献1参照)。
なお、同図11,図12に示す複合型消音器では、吸音材層4を覆う保護材を設け、また、共鳴室5の共鳴口6を吸音材層4を介して通風路2に連通させてある。
特開2001−41021公報
しかし、上記従来の複合型消音器のうち前者のものでは、器体長さ方向に延在させる吸音材層4の両端部に共鳴室5を設ける為、通風路2に対する共鳴室5の配備領域が面積的に小さなものに限られ、この為、共鳴型としての消音効果(すなわち、低周波音に対する消音効果)が低く制限される問題があった。
また一方、上記従来の複合型消音器のうち後者のものでは、共鳴室5を器体長さ方向に延在させ得ることから前者のものに比べ共鳴型としての消音機能を高く確保し易いものの、吸音材層4の層中に共鳴室5を設ける言わば二重構造である為、製作に手間を要する問題があった。
本発明の主たる課題は、合理的な構造を採ることで、従来の複合型消音器における上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
発明の第1特徴構成は、通風路に臨ませる吸音材層、及び、共鳴口を通じて前記通風路に連通させる共鳴室を装備する複合型消音器であって、
前記吸音材層と前記共鳴室とを前記通風路の風路壁部で風路周方向に交互に並置して、風路横断面視で前記通風路の全周を前記吸音材層と前記共鳴室とにより囲む配置にするのに、
矩形横断面形状の前記通風路において、その矩形横断面形状の各辺に対応する第1〜第4風路壁部のうち、風路横断面視で、第1風路壁部及びそれに対向する第3風路壁部に、それら第1及び第3風路壁部夫々の全巾にわたる前記吸音材層を配置し、
第2風路壁部及びそれに対向する第4風路壁部に、それら第2及び第4風路壁部夫々の全巾にわたる前記共鳴室を配置するとともに、
前記通風路を「L」字状又は「へ」の字状又は「U」字状の屈曲風路、又は、「T」字状の分岐風路にし、
その通風路の風路壁部のうち、通風路の屈曲又は分岐に伴い巾方向が変化する側の対向する2風路壁部を前記第2及び第4風路壁部として、それら第2及び第4風路壁部に前記共鳴室を配置し、
この配置で前記吸音材層及び前記共鳴室の夫々を前記通風路の通風方向に連続的に設けてあることにある。
つまり、この第1特徴構成によれば、風路周方向に並置する吸音材層と共鳴室とにより通風路の全周を囲む配置にして、それら吸音材層及び共鳴室を通風路の通風方向に連続的に設けるから、器体寸法が限られる条件下において通風路の風路壁部を最大限に有効利用した状態で、吸音材層の通風路に対する対面面積を極力大きく確保しながら、共鳴室についても通風路に対する配備領域を面積的に大きく確保することができ、これにより、吸音型としての消音効果(すなわち、高周波音に対する消音効果)、及び、共鳴型としての消音効果(すなわち、低周波音に対する消音効果)のいずれにも優れた複合型消音器にすることができる。
そしてまた、このように低周波音及び高周波音の両方について高い消音効果を得ながらも、吸音材層及び共鳴室を通風路の風路壁部で風路周方向に並置するだけの単純な構造であるから、吸音材層の層中に共鳴室を設ける先述の後者の従来消音器などに比べ、構造を簡素にすることができて製作を容易にすることができる。
また、本発明の第1特徴構成では、前記吸音材層と前記共鳴室とを交互に配置して、それら吸音材層の複数及び共鳴室の複数を前記通風路の風路周方向に並置するから次の利点もある。
つまり、吸音材層及び共鳴室の夫々を風路横断面視で通風路の周方向に分散させて配置できるから、例えば、風路横断面視で通風路の風路壁部の半部に吸音材層を配置して、他の半部に共鳴室を配置するなど、吸音材層及び共鳴室を相互に風路周方向で偏らせて配置するのに比べ、通風路を伝播する消音対象音に対し風路横断面の全体について吸音材層及び共鳴室の夫々をより均等に消音機能させることができ、これにより、低周波音及び高周波音の夫々に対する消音効果を一層高めることができ、特に、通風路の横断面積が大きな場合に好適なものになる。
なお、本発明の第2特徴構成として、第1特徴構成の実施にあたり、前記共鳴室に音響インピーダンス調整用の音響抵抗材を充填してもよい。
つまり、この第特徴構成では、共鳴室に充填する音響抵抗材の材質や充填量などを選択することで、共鳴室の消音機能を通風路伝播の消音対象音に適合するものに調整するが、風路周方向に並置する吸音材層と共鳴室とにより通風路の全周を囲む配置で、それら吸音材層及び共鳴室を通風路の通風方向に連続的に設ける前述の構成において、この第2特徴構成を採れば、吸音材層及び共鳴室に充填の音響抵抗材の夫々を断熱材として、通風路における風路壁部の大部分に対し断熱機能を持たせることができ、これにより、結露防止や保温を目的とする専用断熱材の装備を不要ないし僅かなものにして、コスト面で有利にすることができる。
本発明の第3特徴構成として、第1又は第2特徴構成の実施にあたり、前記共鳴室を、各別の共鳴口を有する互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室に前記通風路の通風方向又は前記通風路の風路周方向で分割してもよい。
つまり、風路周方向に並置する吸音材層と共鳴室とにより通風路の全周を囲む配置で、それら吸音材層及び共鳴室を通風方向に連続的に設ける前述の構成では、特に通風路の横断面積が大きな場合など、共鳴室を形成する室壁(通風路側及び反通風路側の室壁)の面積が大きくなって、その室壁が共鳴室の共鳴作用下で振動し易くなり、この振動の為に共鳴室の消音機能が低下する虞があるが、上記第特徴構成によれば、共鳴室を互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室に分割するから、全体としては通風路に対する共鳴室の配備領域を面積的に大きく確保する所期目的を達成しながらも、共鳴室を形成する室壁の上記の如き振動を効果的に抑止することができて、室壁振動による共鳴室消音機能の低下を
防止することができ、これにより、消音効果を一層高めることができる。
また、この第特徴構成によれば、分割共鳴室の面積や共鳴口径を互いに異ならせるなどして、各分割共鳴室の共鳴周波数に差を与えておくことで、周波数が異なる複数の低周波音に対して各分割共鳴室を的確かつ効果的に消音機能させることができて、低周波領域での消音効果の偏りを効果的に抑止することができ、このことからも、消音効果を一層高めることができる。
なお、第特徴構成の実施において、共鳴室を複数の分割共鳴室に分割するのに加え、共鳴室の室壁に適当な補強材を付設すれば、共鳴室の室壁振動を一層効果的に防止することができて、室壁振動による共鳴室消音機能の低下を一層確実に防止することができる。
本発明の第1特徴構成では、矩形横断面形状の前記通風路において、その矩形横断面形状の各辺に対応する第1〜第4風路壁部のうち、風路横断面視で、第1風路壁部及びそれに対向する第3風路壁部に、それら第1及び第3風路壁部夫々の全巾にわたる前記吸音材層を配置し、第2風路壁部及びそれに対向する第4風路壁部に、それら第2及び第4風路壁部夫々の全巾にわたる前記共鳴室を配置するから次の利点もある。
つまり、吸音材層と共鳴室とを交互に配置して、それら吸音材層の複数及び共鳴室の複数を通風路の風路周方向に並置するのに、矩形横断面形状の通風路において、その矩形横断面形状の各辺に対応する平面状の各風路壁部ごとに、吸音材層あるいは共鳴室を配置するから、それら吸音材層及び共鳴室の形成構造を含めた風路壁部の構造を簡素にすることができ、これにより、製作を容易にするとともに製作コストを安価にしながら、前述の効果を得ることができる。
また、本発明の第1特徴構成では、前記通風路を「L」字状又は「へ」の字状又は「U」字状の屈曲風路、又は、「T」字状の分岐風路にし、その通風路の風路壁部のうち、通風路の屈曲又は分岐に伴い巾方向が変化する側の対向する2風路壁部を前記第2及び第4風路壁部として、それら第2及び第4風路壁部に前記共鳴室を配置するから次の利点もある。
つまり、通風路の屈曲部や分岐部においても共鳴室の通風路側の室壁が通過気流に沿う姿勢にあって、その室壁に対する通過気流の衝突やその室壁での通過気流の剥離が回避されることから、それら気流衝突や気流剥離による共鳴室の室壁振動を防止でき、これにより、室壁振動による共鳴室消音機能の低下を一層確実に防止することができて、消音効果をさらに高めることができる。
なお、本発明の第4特徴構成として、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施にあたり、第2及び第4風路壁部に配置する前記共鳴室を、第2及び第4風路壁部の巾方向において、第1及び第3風路壁部に配置した前記吸音材層夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置してもよい。
つまり、この第特徴構成によれば、吸音材層及び共鳴室を配置した状態での風路横断面視における風路壁部の外周形状を矩形状の単純な形状(特に後述の第特徴構成を併行実施する場合に顕著)にすることができ、これにより、例えば風路横断面視で吸音材層や共鳴室の配置部が外方へ部分的に突出する外周形状を採るなどに比べ、外周形状の単純化の分だけ製作を容易にするとともに製作コストを安価にすることができ、また、設置性も
高めることができる。
あるいはまた、本発明の第5特徴構成として、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施にあたり、第1及び第3風路壁部に配置する前記吸音材層を、第1及び第3風路壁部夫々の巾方向において、第2及び第4風路壁部に配置した前記共鳴室夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置してもよい。
つまり、この第特徴構成によれば、第特徴構成と同様、吸音材層及び共鳴室を配置した状態での風路横断面視における風路壁部の外周形状を矩形状の単純な形状(特に後述の第特徴構成を併行実施する場合に顕著)にすることができ、これにより、例えば風路横断面視で吸音材層や共鳴室の配置部が外方へ部分的に突出する外周形状を採るなどに比べ、外周形状の単純化の分だけ製作を容易にするとともに製作コストを安価にすることができ、また、設置性も高めることができる。
さらに、本発明の第6特徴構成として、第1〜第5特徴構成のいずれかの実施にあたり、前記共鳴室を、前記通風路の風路壁となる内側壁とその内側壁に平行な外側壁との間の壁間空間として形成し、前記吸音材層を、前記通風路の風路壁となる通気性の内側壁とその内側壁に平行な外側壁との間の壁間充填層として形成してもよい。
つまり、この第特徴構成によれば、吸音材層及び共鳴室のいずれについても通風路の風路壁となる内側壁とその内側壁に平行な外側壁とで形成するから、例えば吸音材層や共鳴室を曲面状の内側壁と平面状の外側壁との間の壁間充填層や壁間空間として形成するなどに比べ、消音器全体としての製作を一層容易にするとともに製作コストも一層安価にすることができ、特に、平面状の各風路壁部ごとに吸音材層あるいは共鳴室を配置する第1特徴構成の実施において、これらの効果は顕著になる。
また、この第特徴構成によれば、共鳴室としての壁間空間を形成する内側壁と外側壁とが互いに平行であるから、それら内側壁と外側壁との間隔の設定による消音効果の調整(一般的には両壁の間隔を大きくするほど、共鳴型としての消音効果が得られる周波数域が広くなる)も容易にすることができる。
1〜図5は、空調用ダクトなどに介装するストレート型の消音器を示し、各々が平板状の第1〜第4風路壁1a〜1dにより矩形横断面形状で直線状に延びる通風路2を形成し、この通風路2のほぼ全長(すなわち、消音器のほぼ全長)にわたって、第1風路壁1aとそれに対向する第3風路壁1cとの各々に対し、第1風路壁1aと平行でその外側に位置する平板状の第1外側壁3a、及び、第3風路壁1cと平行でその外側に位置する平板状の第3外側壁3cを設け、これら第1風路壁1aと第1外側壁3aとの間、及び、第3風路壁1cと第3外側壁3cとの間にグラスウールなどの吸音材4aを充填することで、第1及び第3風路壁1a,1c夫々の全巾にわたる配置で通風路2のほぼ全長にわたって延びる吸音材層4を形成してある。
そして、第1及び第3風路壁1a,1cはパンチング板などで形成する多孔壁とし、これにより、器体に接続のダクトD中を伝播するファン騒音などの音(特に高周波音)を通風路2の通過過程において吸音材層4による音響エネルギの吸収により消音する吸音型の消音器にしてある。
なお、通風路2の入口部2aにおいては、第1及び第3風路壁1a,1cの夫々を湾曲板状にして通風方向で通風路2を漸次的に縮巾し、また、通風路2の出口部2bにおいては、同じく第1及び第3風路壁1a,1cの夫々を湾曲板状にして通風方向で通風路2を漸次的に拡巾する構造にしてある。
第2風路壁1b及びそれに対向する第4風路壁1dは、それら第2及び第4風路壁1b,1d夫々の巾方向において第1及び第3外側壁3a,3cまで達する風路壁にして、それら第2及び第4風路壁1b,1dを各吸音材層4の両側の仕切壁とする構造にしてあり、また、これら第2及び第4風路壁1b,1dの各々に対し、第2風路壁1bと平行でその外側に位置する平板状の第2外側壁3b、及び、第4風路壁1dと平行でその外側に位置する平板状の第4外側壁3dを設け、これら第2風路壁1bと第2外側壁3bとの間の壁間空間、及び、第4風路壁1dと第4外側壁3dとの間の壁間空間の各々を共鳴室5とすることで、第2及び第4風路壁1b,1d夫々の全巾にわたる配置で通風路2のほぼ全長にわたる共鳴室5を形成してある。
そして、各共鳴室5の通風路側の室壁となる第2及び第4風路壁1b,1dの夫々には、通風路2と共鳴室5とを連通させる共鳴口6を形成し、これにより、接続ダクトD中を伝播するファン騒音などの音(特に低周波音)を通風路2の通過過程において共鳴室5での逆位相音の発生により消音する共鳴型の消音器にして、全体として、吸音型と共鳴型とを組み合わせた複合型の消音器にしてある。
7a〜7dは平板材(具体的にはC型鋼材を利用)からなる共鳴室周壁であり、これら共鳴室周壁7a〜7dは接する各風路壁1a〜1d及び各外側壁3a〜3dに対してボルト連結してある。また、8a,8bは第1外側壁3a,第3外側壁3c,第2風路壁1b,第4風路壁1dにより形成される四角筒体(実質的な通風路形成体)の両端部に設けたダクト接続用のフランジである。
各共鳴室5(第2風路壁1bと第2外側壁3bとの間の壁間空間、第4風路壁1dと第4外側壁3dとの間の壁間空間)は、仕切部材9により通風路2の通風方向で複数の小空間に仕切って、各別の共鳴口6aを有する互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室5aに分割してあり、また、共鳴室5の反通風路側の室壁となる第2及び第4外側壁3b,3dの夫々には補強材10を付設してあり、これにより、全体としては通風路2に対する共鳴室5の配備領域を面積的に大きく確保しながらも、共鳴室室壁としての第2及び第4外側壁3b,3dの振動を抑止して、室壁振動による共鳴室消音機能の低下を防止するようにしてある。
そしてまた、第2及び第4風路壁1b,1d各々の共鳴室5を複数の分割共鳴室5aに分割するにあたっては、各分割共鳴室5aの面積や共鳴口径などを互いに異ならせて、各分割共鳴室5aの共鳴周波数に差を与えておくことで、周波数が異なる複数の低周波音に対し各分割共鳴室5aを的確かつ効果的に消音機能させ、これにより、低周波領域での消音効果の偏りを抑止するようにしてある。
11は各分割共鳴室5aに充填した音響インピーダンス調整用の音響抵抗材(例えばグラスウールなど)であり、この音響抵抗材11の材質や充填量などを選択することで、共鳴室5の消音機能を通風路伝播の消音対象音に適合するものに調整する。また、第1及び第3風路壁1a,1cに設ける吸音材層4と、第2及び第4風路壁1b,1dに設ける共鳴室5に充填の音響抵抗材11とを断熱材として、第1〜第4風路壁1a〜1dの大部分に断熱機能を持たせることで、結露防止や保温を目的とする専用断熱材の不要化も可能にする。
以上要するに、上記例では、吸音型と共鳴型とを組み合わせた複合型の消音器を構成するのに、次の(イ)〜(ト)の構成を採用している。
(イ)吸音材層4と共鳴室5とを通風路2の風路壁部で風路周方向に並置して、風路横断面視で通風路2の全周を吸音材層4と共鳴室5とにより囲む配置にし、この配置で吸音材層4及び共鳴室5の夫々を通風路2の通風方向に連続的に設ける。
(ロ)吸音材層4と共鳴室5とを交互に配置して、それら吸音材層4の複数及び共鳴室5の複数を通風路2の風路周方向に並置する。
(ハ)共鳴室5に音響インピーダンス調整用の音響抵抗材11を充填する。
(ニ)共鳴室5を、各別の共鳴口6aを有する互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室5aに通風路2の通風方向で分割する。
(ホ)矩形横断面形状の通風路2において、その矩形横断面形状の各辺に対応する第1〜第4風路壁部のうち、風路横断面視で、第1風路壁部及びそれに対向する第3風路壁部に、それら第1及び第3風路壁部夫々の全巾にわたる吸音材層4を配置し、第2風路壁部及びそれに対向する第4風路壁部に、それら第2及び第4風路壁部夫々の全巾にわたる共鳴室5を配置する。
(ヘ)第2及び第4風路壁部に配置する共鳴室5を、第2及び第4風路壁部の巾方向において、第1及び第3風路壁部に配置した吸音材層4夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置する。
(ト)共鳴室5を、通風路2の風路壁となる内側壁1b,1dとその内側壁1b,1dに平行な外側壁3b,3dとの間の壁間空間として形成し、吸音材層4を、通風路2の風路壁となる通気性の内側壁1a,1cとその内側壁1a,1cに平行な外側壁3a,3cとの間の壁間充填層として形成する。
なお、図13は上記例で示したストレート型消音器の消音性能を示すグラフであり、図中において細実線aは共鳴室5を設けた場合の実測値、細破線bは共鳴室5の無い場合の実測値を示し、太実線Aは共鳴室5を設けた場合の実測値の各周波数帯域ごとの平均値、細実線Bは共鳴室5の無い場合の実測値の各周波数帯域ごとの平均値を示す。
6〜図10は空調用ダクトなどに介装するエルボ型の消音器(本発明の実施形態としての消音器)を示し、対向する2枚の湾曲板状の第1,第3風路壁1a,1cと、対向する2枚の平板状の第2,第4風路壁1b,1dとにより矩形横断面形状で「L」字状に屈曲する通風路2を形成し、このL字状通風路2のほぼ全長にわたって、第1風路壁1a(屈曲形状外側の風路壁)及び第3風路壁1c(屈曲形状内側の風路壁)の各々に対し、第1風路壁1aの外側に位置する屈折板状の第1外側壁3a、及び、第3風路壁1cの外側に位置する屈折板状の第3外側壁3cを設け、これら第1風路壁1aと第1外側壁3aとの間、及び、第3風路壁1cと第3外側壁3cとの間に吸音材4aを充填することで、第1及び第3風路壁1a,1c夫々の全巾にわたる配置でL字状通風路2のほぼ全長にわたって延びる吸音材層4を形成してある。
そして、第1及び第3風路壁1a,1cはパンチング板などで形成する多孔壁とし、これにより、器体に接続のダクトD中を伝播するファン騒音などの音(特に高周波音)をL字状通風路2の通過過程において吸音材層4による音響エネルギの吸収により消音する吸音型の消音器にしてある。
平板状の第2及び第4風路壁1b,1d(すなわち、屈曲形状両側の風路壁)は、それら第2及び第4風路壁1b,1d夫々の巾方向において第1及び第3外側壁3a、3cまで達する風路壁にして、それら第2及び第4風路壁1b,1dを各吸音材層4の両側の仕切壁とする構造にしてあり、また、これら第2及び第4風路壁1b,1dの各々に対し、第2風路壁1bと平行でその外側に位置する平板状の第2外側壁3b、及び、第4風路壁1dと平行でその外側に位置する平板状の第4外側壁3dを設け、これら第2風路壁1bと第2外側壁3bとの間の壁間空間、及び、第4風路壁1dと第4外側壁3dとの間の壁間空間の各々の共鳴室5とすることで、第2及び第4風路壁1b、1d夫々の全巾にわたる配置でL字状通風路2のほぼ全長にわたる共鳴室5を形成してある。
そして、各共鳴室5の通風路側の室壁となる第2及び第4風路壁1b,1dの夫々には、通風路2と共鳴室5とを連通させる共鳴口6を形成し、これにより、接続ダクトD中を伝播するファン騒音などの音(特に低周波音)をL字状通風路2の通過過程において共鳴室5での逆位相音の発生により消音する共鳴型の消音器にして、全体として、吸音型と共鳴型とを組み合わせた複合型の消音器にしてある。
7a〜7fは平板材(具体的にはC型鋼を利用)からなる共鳴室周壁であり、これら共鳴室周壁7a〜7fは接する各風路壁1a〜1d及び各外側壁3a〜3dに対してボルト連結してある。また、8a,8bは入口側及び出口側の器体端壁1e,1fに設けたダクト接続用フランジである。
各共鳴室5(第2風路壁1bと第2外側壁3bとの間の壁間空間、第4風路壁1dと第4外側壁3dとの間の壁間空間)は、仕切部材9により通風路2の通風方向及び通風路2の風路周方向で複数の小空間に仕切って、各別の共鳴口6aを有する互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室5aに分割してあり、また、共鳴室5の反通風路側の室壁となる第2及び第4外側壁3b,3dの夫々には補強材10を付設してあり、これにより、全体としては、通風路2に対する共鳴室5の配備領域を面積的に大きく確保しながらも、共鳴室室壁としての第2及び第4外側壁3b,3dの振動を抑止して、室壁振動による共鳴室消音機能の低下を防止するようにしてある。
そしてまた、第2及び第4風路壁1b,1d各々の共鳴室5を複数の分割共鳴室5aに分割するにあたっては、各分割共鳴室5aの面積や共鳴口径などを互いに異ならせて、各分割共鳴室5aの共鳴周波数に差を与えておくことで、周波数が異なる複数の低周波音に対し各分割共鳴室5aを的確かつ効果的に消音機能させるようにしてあり、さらに、各分割共鳴室5aの共鳴口6aには、音響インピーダンス調整用のシート状音響抵抗材11aを張設してある。
以上要するに、このエルボ型消音器では、吸音型と共鳴型とを組み合わせた複合型の消音器を構成するのに、前述(イ),(ロ),(ハ)〜(ト)の構成に加え、次の(チ)の構成を採用している。
(チ)通風路2を「L」字状の屈曲風路にし、その通風路2の風路壁部のうち、通風路2の屈曲に伴い巾方向が変化する側の対向する2風路壁部を第2及び第4風路壁部として、それら第2及び第4風路壁部に共鳴室5を配置する。
なお、図14は上記エルボ型消音器の消音性能を示すグラフであり、図中において細実線aは共鳴室5を設けた場合の実測値、細破線bは共鳴室5の無い場合の実測値を示し、太実線Aは共鳴室5を設けた場合の実測値の各周波数帯域ごとの平均値、細実線Bは共鳴室5の無い場合の実測値の各周波数帯域ごとの平均値を示す。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
前述の実施形態では、風路壁部に設ける共鳴室5を通風路2の通風方向又は通風路2の風路周方向で複数の分割共鳴室5aに分割する例を示したが、場合によっては、この分割を行わない共鳴室構造にしてもよい。
通風路2は「L」字状に屈曲する風路に限られるものでなく、「ヘ」の字状や「U」字状に屈曲する風路、あるいは、「T」字状に分岐する風路などであってもよい。
吸音材層4と共鳴室5とを通風路2の風路壁部で風路周方向に並置して、風路横断面視で通風路2の全周を吸音材層4と共鳴室5とにより囲む配置にし、この配置で吸音材層4及び共鳴室5の夫々通風路2の通風方向に連続的に設ける構成において、通風路2、吸音材層4、共鳴室5各々の具体的構造は前述の実施形態で示した構造に限られるものではな、種々の変更が可能である。
前述の実施形態では、第2及び第4風路壁部に配置する共鳴室5を、第2及び第4風路壁部の巾方向において、第1及び第3風路壁部に配置した吸音材層4夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置する例を示したが、場合によっては、これとは逆に、第1及び第3風路壁部に配置する吸音材層4を、第1及び第3風路壁部夫々の巾方向において、第2及び第4風路壁部に配置した共鳴室5夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置する構造を採用してもよい。
吸音材層4を形成する吸音材4aには使用条件などに応じて種々の材質のものを使用でき、また同様に、共鳴室5に充填する音響抵抗材11にも使用条件などに応じて種々の材質のものを使用できる。
空調用ダクトを通じて伝播する音の消音を初め、各種風路における伝播音の消音に利用できる。
ストレート型消音器の横断面図 ストレート型消音器の縦断面図 ストレート型消音器の正面図 ストレート型消音器の側面図 ストレート型消音器の平面図 エルボ型消音器の横断面図 エルボ型消音器の共鳴室部分での縦断面図 エルボ型消音器の通風路部分での縦断面図 エルボ型消音器の正面図 エルボ型消音器の側面図 従来の消音器を示す縦断面図 従来の他の消音器を示す縦断面図 ストレート型消音器の消音性能を示すグラフ エルボ型消音器の消音性能を示すグラフ
符号の説明
2 通風路
4 吸音材層
5a 分割共鳴室
6 共鳴口
6a 各別共鳴口
11 音響抵抗材

Claims (6)

  1. 通風路に臨ませる吸音材層、及び、共鳴口を通じて前記通風路に連通させる共鳴室を装備する複合型消音器であって、
    前記吸音材層と前記共鳴室とを前記通風路の風路壁部で風路周方向に交互に並置して、風路横断面視で前記通風路の全周を前記吸音材層と前記共鳴室とにより囲む配置にするのに、
    矩形横断面形状の前記通風路において、その矩形横断面形状の各辺に対応する第1〜第4風路壁部のうち、風路横断面視で、第1風路壁部及びそれに対向する第3風路壁部に、それら第1及び第3風路壁部夫々の全巾にわたる前記吸音材層を配置し、
    第2風路壁部及びそれに対向する第4風路壁部に、それら第2及び第4風路壁部夫々の全巾にわたる前記共鳴室を配置するとともに、
    前記通風路を「L」字状又は「へ」の字状又は「U」字状の屈曲風路、又は、「T」字状の分岐風路にし、
    その通風路の風路壁部のうち、通風路の屈曲又は分岐に伴い巾方向が変化する側の対向する2風路壁部を前記第2及び第4風路壁部として、それら第2及び第4風路壁部に前記共鳴室を配置し、
    この配置で前記吸音材層及び前記共鳴室の夫々を前記通風路の通風方向に連続的に設けてある複合型消音器。
  2. 前記共鳴室に音響インピーダンス調整用の音響抵抗材を充填してある請求項1記載の複合型消音器。
  3. 前記共鳴室を、各別の共鳴口を有する互いに独立した集合状態の複数分割共鳴室に前記通風路の通風方向又は前記通風路の風路周方向で分割してある請求項1又は2記載の複合型消音器。
  4. 第2及び第4風路壁部に配置する前記共鳴室を、第2及び第4風路壁部の巾方向において、第1及び第3風路壁部に配置した前記吸音材層夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合型消音器。
  5. 第1及び第3風路壁部に配置する前記吸音材層を、第1及び第3風路壁部夫々の巾方向において、第2及び第4風路壁部に配置した前記共鳴室夫々の外側端に対応する箇所まで連続的に配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合型消音器。
  6. 前記共鳴室を、前記通風路の風路壁となる内側壁とその内側壁に平行な外側壁との間の壁間空間として形成し、
    前記吸音材層を、前記通風路の風路壁となる通気性の内側壁とその内側壁に平行な外側壁との間の壁間充填層として形成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合型消音器。
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