JP2019056800A - 消音システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い通気性と防音性能を両立することができ、小型化できる消音システムを提供する。【解決手段】2つの空間を隔てる壁16を貫通して設けられる管状部材12に、管状部材を通過する音を消音する消音装置14が設置された消音システムであって、消音装置は、吸音材24と、吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材28とを有する。吸音材の表面の一部は、消音システム内における管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部32であり、吸音材の表面の他の少なくとも一部は、高抵抗部材で覆われて音場空間とは遮断されており、開口部から吸音材に侵入した音波の進行方向における吸音材の深さは、管状部材の軸方向における開口部の幅よりも大きく、吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、高抵抗部材の厚みをtとすると、log(t×Zr2.5)>1.99を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、消音システムに関する。
換気口、空調用ダクトなど、室内と室外とを隔てる壁に設けられた、室内と室外とを貫通する管状部材において、室外からの騒音が室内に伝わるのを抑制するため、あるいは室内からの騒音が外部に伝わるのを抑制するために、管状部材内にウレタン、ポリエチレン、および、グラスウール等の吸音材を設置することが行なわれている。
ウレタン、ポリエチレン、およびグラスウール等の吸音材を用いる場合には、800Hz以下の低周波音の吸収率が極端に低くなるため、吸収率を大きくするためには体積を大きくするが必要である。しかしながら、換気口、空調用ダクトなどの通気性を確保する必要があるため、吸音材の大きさには限度があり、高い通気性と防音性能とを両立することが難しいという問題があった。
これに対して、空調用ダクトの外周部に吸音材を配置することで、大きな吸音材を用いた場合でも通気性を確保することが提案されている。
例えば、特許文献1には、空調ダクトの流路に介在し、流路を伝わる騒音を低減する空調ダクト用吸音材において、流路に臨む周壁は、吸音材の外側にフィルムを張設し、その外側に間隔をおいて多孔板を設けた積層体を有するものとし、フィルムとして、音を透過させ、かつ空気の漏洩を防止するものを用いた空調ダクト用吸音材が記載されている。
特開2001−074302号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、空調用ダクトの外周部に吸音材を配置する構成では、低周波域の騒音から高周波域の騒音まで低減するためには、大きな吸音材を用いる必要があるため、吸音材等の吸音材を含むシステム全体として大型化してしまうという問題があった。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、高い通気性と防音性能を両立することができ、小型化できる消音システムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2つの空間を隔てる壁を貫通して設けられる管状部材に、管状部材を通過する音を消音する消音装置が設置された消音システムであって、消音装置は、吸音材と、吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材とを有し、吸音材の表面の一部は、消音システム内における管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、吸音材の表面の他の少なくとも一部は、高抵抗部材で覆われて、音場空間とは遮断されており、開口部から吸音材に侵入した音波の進行方向における吸音材の深さLdは、管状部材の軸方向における開口部の幅Loよりも大きく、吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、高抵抗部材の厚みをt(mm)とすると、log(t×Zr2.5)>1.99を満たすことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
[1] 2つの空間を隔てる壁を貫通して設けられる管状部材に、管状部材を通過する音を消音する消音装置が設置された消音システムであって、
消音装置は、吸音材と、吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材とを有し、
吸音材の表面の一部は、消音システム内における管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、
吸音材の表面の他の少なくとも一部は、高抵抗部材で覆われて、音場空間とは遮断されており、
開口部から吸音材に侵入した音波の進行方向における吸音材の深さLdは、管状部材の軸方向における開口部の幅Loよりも大きく、
吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、高抵抗部材の厚みをt(mm)とすると、
log(t×Zr2.5)≧1.99
を満たす消音システム。
[2] 第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、吸音材の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たす[1]に記載の消音システム。
[3] 高抵抗部材の厚みtが0.01mm以上 3.00mm以下である[1]または[2]に記載の消音システム。
[4] 吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスが、2.4×104以上5×107[kg・m-2・s-1]以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の消音システム。
[5] 吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比Zrと、高抵抗部材の厚みt(mm)とが、
1.99 ≦log(t×Zr2.5)≦ 11.0
を満たす[1]〜[4]のいずれかに記載の消音システム。
[6] 軸方向に平行な断面において、吸音材の深さ方向に直交する方向の吸音材の幅Lwは、0.001×λ<Lw<0.061×λを満たす[1]〜[5]のいずれかに記載の消音システム。
[7] 軸方向に平行な断面において、吸音材は、軸方向に延在する矩形状であり、
吸音材の、軸方向の長さが深さLdであり、
吸音材の、管状部材の中心軸側の面の一部が、管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、
吸音材の、管状部材の中心軸側の面の他の少なくとも一部が、高抵抗部材に覆われている[1]〜[6]のいずれかに記載の消音システム。
[8] 吸音材の、管状部材の中心軸側の面以外の面が、高抵抗部材で覆われている[7]に記載の消音システム。
[9] 消音装置は、吸音材の、管状部材の中心軸側の面以外の面を覆うケース部を有する[7]に記載の消音システム。
[10] 管状部材の中心軸を軸とする円周面における、開口部の面積S1は吸音材の面積S0よりも小さい[7]〜[9]のいずれかに記載の消音システム。
[11] 吸音材の流れ抵抗σ1は、(1.25−log(0.1×Ld))/0.24<log(σ1)<5.6を満たす[1]〜[10]のいずれかに記載の消音システム。
[12] 2以上の吸音材を有し、
各吸音材の開口部は、管状部材の中心軸に対して回転対称に配置されている[1]〜[11]のいずれかに記載の消音システム。
[13] 吸音材は、壁の一方の端面側に配置されている[1]〜[12]のいずれかに記載の消音システム。
[14] 消音装置は、管状部材に接続される筒状の挿入部と、
吸音材の、管状部材の中心軸側の面以外の面を覆うケース部と、を有し、
挿入部は、中心軸を管状部材の中心軸に一致させて配置されている[13]に記載の消音システム。
[15] 吸音材の少なくとも一部が、管状部材の外周に配置されている[1]〜[12]のいずれかに記載の消音システム。
[16] 軸方向に垂直な断面において、管状部材の実効外径D0と、吸音材の実効外径D1とは、D1<D0+2×(0.045×λ+5mm)を満たす[15]に記載の消音システム。
[17] 吸音材が管状部材の内部に配置されている[1]〜[13]のいずれかに記載の消音システム。
[18] 吸音材を複数有し、
複数の吸音材の開口部は、管状部材の軸方向の少なくとも2箇所以上の位置に配置されている[1]〜[17]のいずれかに記載の消音システム。
[19] 開口部の位置ごとに、吸音材の深さLdが異なる[18]に記載の消音システム。
[20] 開口部の位置ごとに、吸音材の音響特性が異なる[18]または[19]に記載の消音システム。
[21] 2つの空間を隔てる壁を貫通して設けられる管状部材に、消音装置が配置された消音システムであって、
消音装置は、吸音材と、吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材とを有し、
吸音材の表面の一部は、消音システム内における管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、
吸音材の表面の他の少なくとも一部は、高抵抗部材で覆われて、音場空間とは遮断されており、
吸音材の開口部の面積をS1、吸音材の内壁の表面積をSdとすると、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sdは、0<S1/Sd<40%を満たし、
吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、高抵抗部材の厚みをt(mm)とすると、
log(t×Zr2.5)>1.99
を満たす消音システム。
[22] 管状部材の軸方向において、吸音材は、壁と、壁から離間して配置される化粧板との間に、一部が化粧板に形成された貫通孔に挿通されて配置されており、
管状部材の軸方向から見た際に、化粧板と貫通孔との境界を覆う境界カバーを有する[1]〜[21]のいずれかに記載の消音システム。
[23] 管状部材の軸方向において、吸音材は、管状部材の一方の端部に配置され、
さらに、管状部材内に配置される防音部材を有する[1]〜[22]のいずれかに記載の消音システム。
[24] 管状部材の軸方向において、吸音材は、管状部材の一方の端部に配置され、
さらに、管状部材の他方の端部に配置される防音部材を有する[1]〜[23]のいずれかに記載の消音システム。
本発明によれば、高い通気性と防音性能を両立することができ、小型化できる消音システムを提供することができる。
本発明の消音システムの一例を概念的に示す断面図である。 管状部材の音場空間を説明するための図である。 吸音材の深さおよび幅を説明するための図である。 吸音材の開口部の面積および吸音材の面積を説明するための図である。 吸音材の深さと幅とv×Pとの関係を表すグラフである。 周波数と透過音圧との関係を表すグラフである。 開口面積の割合と透過音圧のピークとの関係を表すグラフである。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 図19のC−C線断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 消音装置の他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 図32を風量調整部材側から見た正面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の消音システムの他の一例を概念的に示す断面図である。 シミュレーションにおける消音システムのモデルを模式的に表す断面図である。 透過音圧と周波数との関係を表すグラフである。 インピーダンス比Zrと500Hzオクターブバンドの透過損失との関係を表すグラフである。 厚みtと500Hzオクターブバンドの透過損失との関係を表すグラフである。 パラメータPtZと500Hzのピーク音吸音の効果発現率との関係を表すグラフである。 透過音圧と周波数と流れ抵抗との関係を表すグラフである。 流れ抵抗と透過音圧のピーク値との関係を表すグラフである。 深さと流れ抵抗と透過音圧のピーク値との関係を表すグラフである。 透過音圧の測定方法を説明するための図である。 比較例の構成を説明するための概略断面図である。 実施例の構成を説明するための概略断面図である。 透過音圧と周波数との関係を表すグラフである。 透過音圧と周波数との関係を表すグラフである。 透過音圧と周波数との関係を表すグラフである。 実施例および比較例の500Hzオクターブバンドの透過損失を表すグラフである。 パラメータPtZと500Hzのピーク音吸音の効果発現率との関係を表すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
[消音システム]
本発明の消音システムの構成について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の消音システムの好適な実施態様の一例を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、消音システム10aは、2つの空間を隔てる壁16を貫通して設けられる、円筒状の管状部材12の外側の周面(外周面)に消音装置14が配置された構成を有する。
管状部材12は、例えば、換気口および空調用ダクト等の通気スリーブである。
なお、管状部材12は、換気口および空調用ダクト等に限定はされず、各種機器に用いられる一般的なダクトであってもよい。
消音装置14は、吸音材24と、ケース部27と、高抵抗部材28とを有する。
吸音材24は、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う従来公知の吸音材である。高抵抗部材28は、吸音材24よりも音響インピーダンスが高い材料からなるフィルム状の部材である。ケース部27は、剛体とみなすことができ、音波を遮蔽する部材である。
図1に示すように、消音装置14は、管状部材12と壁16との間に(壁16に設けられた空間に)配置されている。
図1に示す例においては、ケース部27は、一面が開放された略直方体の箱型形状で、その開放面を、管状部材12の中心軸側に向けて、管状部材12の周面に形成された周面開口部12aに接続されている。ケース部27の開放面と、管状部材12の周面開口部12aは略同じ形状および大きさである。
ケース部27内には、吸音材24が配置されている。すなわち、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面以外の面は、ケース部27で覆われている。
吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面には、この面の一部を覆う高抵抗部材28が配置されている。吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面の残りの部分は、管状部材12の内部と連通している。吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面の高抵抗部材28で覆われていない部分を開口部32とする。
吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面の一部である開口部32は、消音システム10aにおける管状部材12内に生じる第一共鳴の音場空間に接続されている。言い換えると、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面は、管状部材12内に生じる第一共鳴の音場空間に接続される位置に配置されており、その一部は、高抵抗部材28で覆われて、音場空間とは遮断されている。
ここで、消音システム10a内における管状部材12の第一共鳴の音場空間について図2を用いて説明する。
図2は、2つの空間を隔てる壁16を貫通して設けられる管状部材12の第一共鳴モードにおける音圧の分布をシミュレーションによって求めたものである。図2からわかるように、管状部材12の第一共鳴の音場空間は、管状部材12内、および、開口端補正距離内の空間である。周知のとおり、開口端補正の距離だけ音場の定在波の腹が管状部材12の外側にはみ出している。なお、円筒形の管状部材12の場合の開口端補正距離は、大凡1.2×管直径で与えられる。
また、図3に示すように、吸音材24内の音波の進行方向における吸音材24の深さをLdとし、管状部材12の軸方向(以下、単に軸方向ともいう)における開口部32の幅をLoとすると、吸音材24の深さLdは、開口部32の幅Loよりも大きい。
ここで、吸音材24内の音波の進行方向は、シミュレーションにより求めることができる。図3に示す例においは、吸音材24は軸方向に延在しているため、吸音材24内の音波の進行方向は軸方向(図中左右方向)である。従って、吸音材24の深さLdは、軸方向における開口部32から吸音材24の遠い側の端面までの長さである。なお、位置によって吸音材24の深さが異なる場合には、吸音材24の深さLdは、各位置での深さの平均値である。
また、位置によって開口部32の幅が異なる場合には、開口部32の幅Loは、各位置での幅の平均値である。
なお、図3においては、説明のため壁16の図示を省略している。以降の図においても、壁16の図示を省略する場合がある。
さらに、本発明において、吸音材24の音響特性インピーダンスの絶対値(Za)に対する高抵抗部材28の音響特性インピーダンス(Zh)の比をZr(=Zh/Za 以下、「インピーダンス比Zr」ともいう)とし、高抵抗部材28の厚みをt(mm)とすると、log(t×Zr2.5)>1.99を満たす。
吸音材24の音響特性インピーダンスに対する高抵抗部材28の音響特性インピーダンスの比Zrと、高抵抗部材28の厚みtが上記式を満たすことで、音波が高抵抗部材28内を伝搬しにくくなって、吸音材24の高抵抗部材28に覆われた部分は音場空間から遮断されて、音波は開口部32からのみ吸音材24内に侵入する。これによって、吸音材24の開口部32の幅Loが吸音材24の深さLdよりも小さくなる。
なお、高抵抗部材28の厚みtが位置によって異なる場合には、高抵抗部材28厚みtは、各位置での厚みの平均値である。
開口部32の幅Loが吸音材24の深さLdよりも小さいことによって、管状部材12内の音波が開口部32から吸音材24内に流入する際に、音圧を保ったまま気体(空気)分子の移動速度が速くなる。吸音材24による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率は、音圧および気体分子の移動速度に依存する。そのため、音圧を保ったまま気体分子の移動速度が速くなることによって、吸音材24による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が高くなる。従って、吸音材単体の場合よりも高い防音性能を得ることができる。
また、吸音材単体の場合よりも高い防音性能を得られるので、吸音材24(消音装置14)を小さくして高い通気性を維持することができ、また、システム全体も小型化することができる。
ここで、吸音材の、管状部材の中心軸側の面を、一部を開口した状態で剛体からなるケース部で覆う構成とした場合でも、音波が開口部から吸音材に流入する際に、音圧を保ったまま気体分子の移動速度(粒子速度)が速くなるため、吸音材による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が高くなって、高い防音性能を得ることができる。
しかしながら、吸音材の開口部以外を剛体からなるケース部で覆う構成とする場合には、吸音材をケース部内に設置するために、ケース部を複数のパーツで構成して分離可能にするなどの必要がある。そのため、構造が複雑になって、組み立てが煩雑になる、コストが増加する、隙間ができやすく性能が低下する等の問題が生じるおそれがある。
これに対して、本発明の消音システムでは、吸音材24の、管状部材12内に生じる第一共鳴の音場空間に接続される面、図1に示す例では、管状部材12の中心軸側の面に、この面の一部を覆う、フィルム状の高抵抗部材28が配置される構成である。そのため、図1に示す例のように、吸音材24を収容する、剛体からなるケース部27は、一面が全開にされた形状として、一体的に形成することができ、また、このケース部27内に吸音材24を容易に設置でき、また、高抵抗部材28を吸音材24上に容易に設置することができる。すなわち、構造および組み立てを簡易化することができ、コストを低減することができる。
また、安価なフィルム状の高抵抗部材28を用いることで、コストを低減することができる。また、高抵抗部材28は、薄いフィルム状の部材であるため、システム全体を小型軽量化することができる。
また、吸音材24による消音の原理は音波の波長に依存しないので、広い周波数帯域の音を消音することができる。
また、吸音材24による消音の原理は音波の波長に依存しないので、管状部材12の長さおよび形状等が異なる場合でも、防音性能を発現することができ、管状部材12に合わせた設計が不要であり汎用性が高い。
また、吸音材24による消音の原理は音波の波長に依存しないので、管状部材12の共鳴周波数に応じて共鳴周波数の音を消音するように設計する必要がない。そのため、共鳴型の吸音材のように、吸音材のサイズを共鳴周波数に合わせたサイズ(λ/4の長さ)とする必要がなく、消音装置14を小型化することができる。
従って、消音システム内における管状部材12内に生じる第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、吸音材24の深さLdを、Ld<0.25×λとすることができ、消音装置14を小型化できる。消音装置14の小型化、防音性能等の観点から、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たすのが好ましい。
また、音波を開口部32から吸音材24に侵入しやすくなる点、防音性能、小型化、通気性等の観点から、インピーダンス比Zrと高抵抗部材28の厚みをt(mm)とは、1.99≦log(t×Zr2.5)≦11.0を満たすのが好ましく、2.5≦log(t×Zr2.5)≦10.0を満たすのがより好ましく、3.0≦log(t×Zr2.5)≦9.0を満たすのがより好ましい。
インピーダンス比Zrと高抵抗部材28の厚みtとの関係については、後述するシミュレーションにおいて詳細に説明する。
また、剛性、吸音材の体積割合増加、製作等の観点から、高抵抗部材の厚みtは、0.01mm以上3.00mm以下が好ましく、0.02mm以上2.50mm以下がより好ましく、0.03mm以上2.00mm以下がさらに好ましい。
防音性能、小型化等の観点から、吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスZcは、2.4×104[kg・m-2・s-1]以上5×107[kg・m-2・s-1]以下であるのが好ましく、3.0×104[kg・m-2・s-1]以上4×107[kg・m-2・s-1]以下であるのがより好ましく、3.4×104[kg・m-2・s-1]以上1×107[kg・m-2・s-1]以下であるのがさらに好ましい。
なお、吸音材および高抵抗部材の音響特性インピーダンスは以下のようにして測定できる。
吸音材、および、高抵抗部材が不織布等の通気性を有するものの場合には、音響特性インピーダンスは、アルミニウム製の音響管(内径4cm)に4本のマイクを用いて伝達関数法による測定を行う。この手法は「ASTM E2611-09:Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。
音響管としては、例えば日東紡音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものを用いることができる。この方法で広いスペクトル帯域において音響透過損失を測定することができる。
1cm以上の厚み、直径4cmの評価対象を音響管の測定部位に配置し、100Hz〜2000Hzの範囲で音響透過損失測定を行い、音響特性インピーダンスを算出し、355Hz〜710Hzの範囲で平均をとり、500Hzオクターブバンドの音響特性インピーダンスとする。
高抵抗部材が樹脂フィルム等の非通気性のものの場合には、上記の音響管により、内径40mmの円形枠(音響管と同じ径)に張り付けた試料の反射透過特性を測定し、有限要素法計算ソフトCOMSOL ver5.3(COMSOL社)を用いた数値計算とフィッティングすることによって音響特性インピーダンスを求めることができる。
なお、図1に示す例においては、吸音材24は略直方体形状としたがこれに限定はされず円筒形状等の種々の形状とすることができる。また、開口部32の形状も限定はなく、矩形状、多角形状、円形状、楕円形状等の種々の形状とすることができる。
また、軸方向における開口部32の位置には限定はない。開口部32の位置によって、より好適に消音する周波数帯を制御することが可能である。
例えば、管状部材12の第一共鳴周波数の音波を消音する場合には、第一共鳴周波数の音波の音圧が高くなる位置、すなわち、軸方向における管状部材の中央に開口部32を配置することで、音圧および気体分子の移動速度を高くすることができ、より高い防音性能を発現することができる。
ここで、図4に示すように、吸音材24の面積をS0とし、開口部32の面積をS1とすると、開口部32の面積S1は、吸音材24の面積S0よりも小さいのが好ましい。開口部32の面積S1を、吸音材24の面積S0よりも小さくすることで、管状部材12内の音波が吸音材24内に流入する際に、音圧を保ったまま気体(空気)分子の移動速度を速くすることができるため、吸音材24による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率をより高くすることができる。
ここで、吸音材24の面積S0および開口部32の面積S1はそれぞれ、吸音材24または開口部32を通る管状部材12の中心軸を軸とする円周面における面積である。
なお、管状部材12の半径方向の位置によって吸音材24の面積が異なる場合には、吸音材24の面積S0は、各位置での面積の平均値である。
また、開口部32の面積S1は、開口が最小となる面積である。
気体分子の移動速度を速くする観点では開口部32の面積S1が小さいほど好ましいが、開口部32の面積S1が小さすぎると音波が吸音材24内に流入しにくくなるため防音性能が低くなってしまう。以上の観点から、開口部32の面積S1は吸音材24の面積S0の0.1%<S1/S0<40%が好ましく、0.3%<S1/S0<35%がより好ましく、0.5%<S1/S0<30%がより好ましい。
また、防音性能および通気性の観点から、吸音材24の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たすのが好ましく、0.016×λ<Ld<0.25×λを満たすのが好ましく、0.021×λ<Ld<0.25×λを満たすのがより好ましい。
また、軸方向に平行な断面において、吸音材24の深さ方向に直交する方向の吸音材24の幅Lw(図3参照)は、0.001×λ<Lw<0.061×λを満たすのが好ましく、0.001×λ<Lw<0.051×λを満たすのがより好ましく、0.001×λ<Lw<0.041×λを満たすのがさらに好ましい。
なお、吸音材24の幅Lwが位置によって異なる場合には、吸音材24の幅Lwは、各位置での幅の平均値である。
この点について図5を用いて説明する。図5は、図1に示すような消音装置を用いた場合のシミュレーションの結果である。
図5は、(吸音材24の深さLd/消音対象の音波の波長λ)と、(吸音材24の幅Lw/消音対象の音波の波長λ)と、気体分子の平均粒子速度vおよび平均音圧Pの乗算値(|v|×|P|)との関係を表すグラフである。(|v|×|P|)は、吸音材24の体積当たりの吸収に比例する値である。
粒子速度vおよび音圧Pは、有限要素法計算ソフトCOMSOL ver5.3(COMSOL社)の音響モジュールを用いて、吸音材24の深さLdと吸音材24の幅Lwとを種々変更して求めた。シミュレーションにおいて管状部材の長さは300mm、直径は100mmとし、吸音材24は、管状部材12の外周に環状に設置し、軸方向が深さ方向とした。開口部32は管状部材の周面方向にスリット状に配置した。開口部32の幅は10mmとした。開口部32は軸方向において管状部材12の中央に配置した。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面の開口部32以外の領域には、高抵抗部材28を配置した。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面以外の面には、剛体(ケース部)を配置した。
管状部材12の最低共鳴周波数は460Hzであった。消音対象の音波の周波数は460Hzとした。また、吸音材24の音響特性インピーダンスは6304[kg/(s・m2)]とした。また、高抵抗部材28の音響特性インピーダンスは5×107[kg/(s・m2)]、厚みは1mmとした。
すなわち、log(t×Zr2.5)は10.4である。
後述する図38に示すように、壁で仕切られた一方の空間の半球状の面から音波を入射させ、他方の空間の半球状の面に到達する音波の単位体積あたりの振幅を求めた。半球状の面は、管状部材の開口面の中心位置を中心とした半径500mmの半球状の面である。入射させる音波は単位体積あたりの振幅を1とした。
図5から、吸収に比例する(|v|×|P|)の値は、吸音材24の幅Lwと深さLdがある範囲で、高くなることがわかる。
また、本発明の消音システムは、吸音材24の表面積Sdに対する開口部32の面積S1の比率S1/Sdを0<S1/Sd<40%とすることで、吸音材24の表面積に対して音波が入射する面の面積の割合を小さくして、高い音圧Pを保ったまま吸音材24に流入する音波に対応する気体分子の移動速度を速くして防音性能を高めることができる。
気体分子の移動速度を速くする観点では開口部32の面積S1(比率S1/Sd)は小さいほど好ましいが、開口部32の面積S1が小さすぎると音波が吸音材24内に流入しにくくなるため防音性能が低くなってしまう。以上の観点から、吸音材24の内壁の表面積Sdに対する開口部32の面積S1は0.1%<S1/Sd<40%が好ましく、0.3%<S1/Sd<35%がより好ましく、0.5%<S1/Sd<30%がより好ましい。
なお、吸音材24の表面積Sdは、分解能を1mmとして測定する。すなわち、1mm未満の凹凸等の微細構造を有する場合には、これを平均化して表面積Sdを求めればよい。例えば、COMSOLのCADソフトを用いてモデル化して、COMSOLで表面積を計算することで表面積Sdを求めることができる。
この点について、図5の場合と同様に、図1に示すような消音システムについてシミュレーションを行なった。
シミュレーションにおいて管状部材の長さは300mm、直径は100mmとし、吸音材24は、管状部材12の外周に環状に設置し、軸方向が深さ方向とした。開口部32は管状部材の周面方向にスリット状に配置した。吸音材24の深さLdは80mm、幅Lwは10mmとした。開口部32は軸方向において管状部材12の中央に配置した。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面の開口部32以外の領域には高抵抗部材28を配置した。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面以外の面には、剛体(ケース部)を配置した。
また、吸音材24の流れ抵抗は13000[Pa・s/m2]、音響特性インピーダンスは6304[kg/(s・m2)]とした。また、高抵抗部材28の流れ抵抗は∞(非通気膜)、音響特性インピーダンスは5×107[kg/(s・m2)]、厚みは1mmとした。
すなわち、log(t×Zr2.5)は10.4である。
開口部の幅Loを10mm(1cm)〜70mm(7cm)に変更することで、面積比率S1/Sdを5.3%〜54.7%に変更して、それぞれ透過音圧を算出した。
結果を図6および図7に示す。
図6中、面積割合5.3%が1cmに対応し、17.9%が3cmに対応し、25.3%が4cmに対応し、33.8%が5cmに対応し、54.7%が7cmに対応する。なお、透過音圧は、消音装置を設置しなかった場合の透過音圧のピーク(第一共鳴周波数の透過音圧)を1として規格化した。消音装置を設置しない場合の管状部材内の第一共鳴周波数は460Hzであるので、460Hzにおける透過音圧がピーク音圧である。
図6は、周波数と透過音圧との関係を表すグラフであり、図7は、開口面積の割合と透過音圧のピークとの関係を表すグラフである。
図6および図7からわかるように、吸音材の体積は同じであるにも関わらず、開口部の面積比率S1/Sdが小さいほど、共鳴周波数の透過音圧は小さくなることがわかる。なお、吸音材無しの場合に対して、吸音材を設置した場合の共鳴周波数が低周波側にシフトしているのは音波が存在できる体積が増えたためである。
吸音材24としては、特に限定はなく、従来公知の吸音材が適宜利用可能である。例えば、発泡ウレタン、軟質ウレタンフォーム、木材、セラミックス粒子焼結材、フェノールフォーム等の発泡材料および微小な空気を含む材料;グラスウール、ロックウール、マイクロファイバー(3M社製シンサレートなど)、フロアマット、絨毯、メルトブローン不織布、金属不織布、ポリエステル不織布、金属ウール、フェルト、インシュレーションボードおよびガラス不織布等のファイバーおよび不織布類材料;木毛セメント板;シリカナノファイバーなどのナノファイバー系材料;石膏ボード;種々の公知の吸音材が利用可能である。
吸音材24の流れ抵抗σ1は、音波を開口部32から吸音材24に侵入しやすくなる点、防音性能、小型化、通気性の観点から、吸音材24は、単位厚さ当たりの流れ抵抗σ1[Pa・s/m2]が(1.25−log(Ld))/0.24<log(σ1)<5.6を満たすことが好ましく、(1.32−log(Ld))/0.24<log(σ1)<5.2を満たすことがより好ましく、(1.39−log(Ld))/0.24<log(σ1)<4.7を満たすことがさらに好ましい。なお、上記式において、Ldの単位は[mm]であり、logは自然対数である。
吸音材の流れ抵抗は、1cm厚の吸音材の垂直入射吸音率を測定し、Mikiモデル(J. Acoust. Soc. Jpn., 11(1) pp.19−24 (1990))でフィッティングすることで評価することができる。または「ISO 9053」に従って評価してもよい。
吸音材24の厚みは限定はない。吸音性能、小型化等の観点から、吸音材24の厚みは0.01mm〜500mmが好ましく、0.1mm〜100mmがより好ましい。
高抵抗部材28として、吸音材24よりも音響特性インピーダンスが高いものであれば特に限定はない。例えば、膜状にできる樹脂材料、箔状にできる金属材料、その他繊維状の膜になる材質の材料、不織布、ナノサイズのファイバーを含むフィルム、薄く加工したポーラス材料、薄膜構造に加工したカーボン材料、および、ゴム材料等、薄い構造を形成できる材質又は構造等を挙げることができる。具体的には、金属材料としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、パーマロイ、42アロイ、コバール、ニクロム、銅、ベリリウム、リン青銅、黄銅、洋白、錫、亜鉛、鉄、タンタル、ニオブ、モリブデン、ジルコニウム、金、銀、白金、パラジウム、鋼鉄、タングステン、鉛、イリジウム等の各種金属、および、これら金属の合金を挙げることができる。また、樹脂材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリ塩化ビニルデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルベンテン、COP(シクロオレフィンポリマー)、ポリカーボネート、ゼオノア、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレン、および、ポリイミド等の樹脂材料等が利用可能である。その他繊維状の膜になる材質の材料としては、例えば紙、および、セルロース等を挙げることができる。薄く加工したポーラス材料としては、例えば薄く加工したウレタン、および、シンサレート等を挙げることができる。さらに、薄膜ガラスなどのガラス材料、CFRP(炭素繊維強化プラスチック:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、および、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック:Glass Fiber Reinforced Plastics)のような繊維強化プラスチック材料を用いることもできる。また、ゴム材料としては、例えば、シリコーンゴム、および、天然ゴムをあげることができる。
高抵抗部材28が吸音材24を覆う面積については特に限定はないが、音場に接続された開口部32の面積以上の吸音材の面積が高抵抗部材で覆われていることが好ましい。
ケース部27の材料としては、剛体とみなすことができ、音波を遮蔽することができる材料であれば限定はなく、金属材料、樹脂材料、強化プラスチック材料、および、カーボンファイバ等を挙げることができる。金属材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、および、これらの合金等の金属材料を挙げることができる。また、樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、および、トリアセチルセルロース等の樹脂材料を挙げることができる。また、強化プラスチック材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、および、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)を挙げることができる。
ここで、ケース部27は、排気口等に利用可能な点から、難燃材料より耐熱性の高い材料からなることが好ましい。耐熱性は、例えば、建築基準法施行令の第百八条の二各号を満たす時間で定義することができる。建築基準法施行令の第百八条の二各号を満たす時間が5分間以上10分間未満の場合が難燃材料であり、10分間以上20分間未満の場合が準不燃材料であり、20分間以上の場合が不燃材料である。ただし耐熱性は各分野ごとで定義されることが多い。そのため、消音システムを利用する分野に合わせて、ケース部27を、その分野で定義される難燃性相当以上の耐熱性を有する材料からなるものとすればよい。
ここで、図1に示す例においては、消音装置14は、管状部材12の外周部に配置される構成としたが、これに限定はされず、消音装置14は、開口部32が管状部材12の第一共鳴の音場空間に接続される位置に配置されていればよい。例えば、図8に示す消音システム10cのように、消音装置14が管状部材12の内部に配置されていてもよい。あるいは、後述する図22に示す消音システム10kのように、消音装置14(吸音材24)が壁16の一方の端面側に、すなわち、管状部材12の開口端面の外側に配置されていてもよい。
なお、図8に示す消音システム10cおよび図22に示す消音システム10kにおいて、消音装置14は開口部32が管状部材12の中心軸側を向くように配置されている。
また、図1に示す例では、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面以外の面は、ケース部27で覆われる構成としたが、これに限定はされない。図8に示す例のように、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面以外の面も高抵抗部材28で覆われる構成としてもよい。また、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面以外の面の一部が高抵抗部材28で覆われて、残りの部分がケース部27で覆われる構成としてもよい。
また、図1に示す例では、消音装置14は、一部を高抵抗部材28で覆われた吸音材24を1つ有する構成としたが、これに限定はされず、一部を高抵抗部材28で覆われた吸音材24を2以上有する構成としてもよい。例えば、図9に示す消音システム10fのように、2つの吸音材24を管状部材12の外周面に配置して、開口部32および高抵抗部材28を有する面を、管状部材12の周面に形成された周面開口部12aに配置する構成としてもよい。あるいは、図10に示す消音システム10gのように、開口部32を除いて周囲を高抵抗部材28で覆われた吸音材24を管状部材12の内部に配置する構成としてもよい。
2以上の吸音材24を有する場合には、2以上の吸音材24は管状部材12の中心軸に対して回転対称に配置されていることが好ましい。
例えば、図11に示すように、3つの吸音材24を有し、3つの吸音材24が管状部材12の外周面に、周面方向に等間隔に配置されて回転対称となる構成としてもよい。あるいは、図12に示すように、6つの吸音材24を有し、6つの吸音材24が管状部材12の外周面に等間隔に配置されて回転対称となる構成としてもよい。なお、吸音材24の数はこれらに限定はされず、例えば、2つの吸音材24が回転対称に配置される構成であってもよいし、4つの吸音材24が回転対称に配置される構成であってもよい。
吸音材24が管状部材12の内部に配置される場合も同様に、2以上の吸音材24が回転対称に配置されるのが好ましい。
例えば、図13に示すように、4つの吸音材24が管状部材12の内部(内側の周面(内周面))に、周面方向に等間隔に配置されて回転対称となる構成としてもよい。
また、複数の吸音材24を周面方向に配列して配置する構成の場合には、各吸音材24を収容するケース部27を連結してもよい。例えば、図14に示す例のように、8つの吸音材24を周面方向に連結した構成としてもよい。
また、図1に示す例では、吸音材24は略立方体形状としたが、これに限定はされず、各種の立体形状であればよい。
例えば、図15に示すように、吸音材24は、周面方向において管状部材12の外周面の全周に沿った円環状であってもよい。この場合、高抵抗部材28は、例えば、軸方向の一部を除いて吸音材24の内周面の全周を覆う。これによって、開口部32は、管状部材12の内周面の周面方向に沿ったスリット状に形成される。
吸音材24が管状部材12内に配置される場合も同様に、図16に示すように、吸音材24は、周面方向において管状部材12の内周面の全周に沿った円環状であってもよい。この場合も、高抵抗部材28は、例えば、軸方向の一部を除いて吸音材24の内周面の全周を覆う。開口部32は、管状部材12の内周面の周面方向に沿ったスリット状に形成される。
また、吸音材24が管状部材12の外周面に配置される場合において、吸音材24が周面方向において管状部材12の外周面の全周を覆うと想定した場合の吸音材24の外径(実効外径)をD1とし、管状部材12の外径(実効外径)をD0とすると(図15参照)、D1<D0+2×(0.045×λ+5mm)を満たすのが好ましい。なお、式中のD1、D0およびλの単位はmmである。
これにより、消音システムの大型化を抑制しつつ、高い防音性能を発現することができる。
なお、実効外径は、円相当直径であり、断面が円形ではない場合、その断面積と同じ円の直径を実効外径とした。
また、吸音材24が管状部材12の内周面に配置される場合において、吸音材24が周面方向において管状部材12の内周面の全周を覆うと想定した場合の吸音材24の内径をD2とし、管状部材12の内径をD0とすると(図10参照)、0.75×D0<D2を満たすのが好ましい。
これにより、消音システムの大型化を抑制して通気性を確保しつつ、高い防音性能を発現することができる。
また、図9〜図14に示す例では、複数の吸音材24を管状部材12の周面方向に配列した構成としたが、これに限定はされず、複数の吸音材24を管状部材12の軸方向に配列した構成としてもよい。言い換えると、管状部材12の軸方向の少なくとも2箇所以上の位置に、複数の吸音材24の開口部32が配置される構成としてもよい。
例えば、図17に示す消音システム10hは、軸方向において、管状部材12の略中央部に配置される吸音材24aと、管状部材12の一方の端部近傍に配置される吸音材24bとを有する。吸音材24aおよび吸音材24bそれぞれの、管状部材12の中心軸側の面の一部は高抵抗部材(28aおよび28b)で覆われて、残りの部分が開口部(32aおよび32b)となっている。管状部材12の、吸音材24aおよび吸音材24bそれぞれの配置位置には周面開口部12aが形成されており、吸音材24の、開口部32および高抵抗部材28を有する面が、管状部材12の周面に形成された周面開口部12aに配置されている。
また、図17に示す例では、周面方向にもそれぞれ2つの吸音材を回転対称に配置している。このように、周面方向および軸方向のそれぞれで、2つ以上の吸音材を配置してもよい。
なお、図17に示す例では、軸方向に2つの吸音材を配置する構成としたが、これに限定はされず、軸方向に3つ以上の吸音材を配置する構成としてもよい。
また、複数の吸音材を軸方向に配置する構成とする場合には、開口部の位置ごとに吸音材の長さLdが異なる吸音材を配置することが好ましい。
例えば、図18に示す消音システム10iは、軸方向において、管状部材12の略中央部に配置される吸音材24aと、管状部材12の一方の端部近傍に接続される吸音材24bとを有する。中央部側の吸音材24aの深さLdと、端部側の吸音材24bの深さLdとは互いに異なる。
また、複数の吸音材を軸方向に配置する構成とする場合には、開口部の位置ごとに吸音材の音響特性を異なるものとしてもよい。
例えば、図17に示す例において、吸音材24aの吸音特性と吸音材24bの吸音特性とを互いに異なるものとしてもよい。
本発明の消音システムにおいては、軸方向における吸音材(開口部)の配置位置に応じて、好適に消音可能な波長が変化する。従って、軸方向に複数の吸音材を配置することで異なる波長域の音を消音することができ、より広帯域に消音することができる。また、軸方向における開口部の位置ごとに好適に消音可能な波長に合わせて、吸音材の深さLd、および、吸音体の吸音特性を調整することによって、より好適に消音することができる。
また、図1に示す例では、吸音材24は開口部32から軸方向に深さLdを有する構成としたが、これに限定はされず、開口部32から周面方向に深さを有する構成としてもよい。
図19は、本発明の消音システムの他の一例を模式的に表す断面図であり、図20は、図19のC−C線断面図である。
図19および図20に示す消音システムにおいては、管状部材12の周面方向に沿って2つの周面開口部が形成されており、周面開口部の位置に、2つの吸音材24が管状部材12の外周面に沿って配置されている。吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面は、周面方向において、一部が開口部32とされ、残りの部分が高抵抗部材28で覆われている。
従って、吸音材24は、開口部32から管状部材12の周面方向に沿って延在している。すなわち、吸音材24は開口部32から周面方向に深さを有する。
このような構成とすることで、吸音材の軸方向の長さを短くすることができる。
なお、図20に示す例では、2つの吸音材24を有する構成としたが、これに限定はされず、3以上の吸音材24を有していてもよい。例えば、図21に示す例のように、5つの吸音材24を有する構成としてもよい。
ここで、本発明の消音システムにおいて、吸音材を壁16(管状部材12)の一方の端面側に配置する場合には、消音装置の一部を、管状部材(通気スリーブ)に挿入して配置する構成としてもよい。
図22に本発明の消音システムの他の一例の模式的な断面図を示す。
図22に示す消音システム10kは、壁16(管状部材12)の一方の端面側に、管状部材12を通過する音を消音する消音装置14が設置された構成を有する。
消音装置14は、挿入部26と、吸音材24と、吸音材24を収容するケース部27と、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面の一部を覆う高抵抗部材28と、を有する。
挿入部26は、両端が開放された筒状の部材で、一方の端面にケース部27が固定されている。また、挿入部26の外径は、管状部材12の内径と略同じで、管状部材12内に挿入可能である。
ケース部27は、挿入部26の端面に固定される以外は、図1のケース部27と同様の構成を有する。また、ケース部27は、挿入部26の内径を塞がないように、挿入部26の周面に沿って配置されている。また、ケース部27はその開放面が挿入部26の中心軸(管状部材12の中心軸)側を向くように挿入部26に固定されている。
ケース部27内には吸音材24が配置されており、吸音材24の、管状部材12の中心軸側の面(すなわち、ケース部27の開放面側の面)の一部は高抵抗部材28で覆われている。
消音装置14は、挿入部26のケース部27が配置されていない端面側から管状部材12内に挿入されて設置されている。ケース部27の外径は管状部材12の内径よりも大きいため、挿入部26は、ケース部27が管状部材12の端面に接する位置まで挿入される。これにより、吸音材24は管状部材12の開口端面近傍に配置される。すなわち、吸音材24の開口部32は、管状部材12の開口端補正距離内の空間に配置される。従って、吸音材24の開口部32は、管状部材12の第一共鳴の音場空間に接続される。
このように、挿入部を有する消音装置の挿入部を管状部材内に挿入して設置する構成とすることで、既存の換気口および空調ダクト等に大規模な工事等を行うことなく簡易に、消音装置を設置することが可能となる。従って、吸音材が劣化あるいは破損した時の交換が簡易である。また、住宅の換気スリーブなどに使用する場合は、コンクリート壁の貫通穴径を変える必要がなく施工が簡易である。また、リノベーション時に後付けで設置することが簡易である。
また、マンションのような住宅の壁は、例えば、コンクリート壁、石膏ボード、断熱材、化粧板、および、壁紙等を有して構成されており、これらを貫通して換気スリーブが設けられている。このような壁の換気スリーブに、図22に示すような消音装置14を設置する場合には、本発明における壁16はコンクリート壁に相当し、消音装置14の吸音材24部分はコンクリート壁の外側に設置されて、コンクリート壁と化粧板の間に設置されるのが好ましい(図30参照)。
なお、図22に示す例では、消音装置14の挿入部26を管状部材12内に挿入して、消音装置14を管状部材12の開口部に配置する構成としたが、これに限定はされない。
例えば、図23に示す消音システム10nのように、消音装置14が挿入部を有さず、壁16に接着剤等で貼り付ける構成としてもよい。
あるいは、図24に示す消音システム10pのように、消音装置14の挿入部26の内径を壁16に配置された管状部材12の外径と略同じ径として、消音装置14の挿入部26内に管状部材12を挿入して、消音装置14を設置する構成としてもよい。挿入部26は、管状部材12と壁16との間に配置される。
あるいは、図25に示す消音システム10qのように、消音装置14の挿入部26の内径を管状部材12の外径よりも大きくして、挿入部26が壁16内に配置される構成としてもよい。
図23〜図25に示すような構成にすることにより、挿入部26を管状部材12に挿入することによる開口率の低下を抑制でき、管状部材12の通気性を向上できる。
なお、図24および図25に示すように、挿入部26を壁16内に配置する構成とする場合には、挿入部26の大きさおよび形状に合わせて、壁16に挿入部26を配置するための溝を形成すればよい。あるいは、壁16を作製する際に、あらかじめ消音装置14(および管状部材12)を設置しておき、コンクリートを流し込んで壁16を作製してもよい。
また、吸音材24を壁16の一方の端面側に配置する構成とする場合にも、消音装置14は、複数の吸音材24を有するのが好ましい。
複数の吸音材24を有する場合には、周面方向に等間隔に配置されて回転対称となる構成としてもよい。
あるいは、図26に示す消音システム10lのように軸方向に複数の吸音材24(24aおよび24b)を有し、軸方向の少なくとも2箇所以上の位置に、複数の吸音材24の開口部32(32aおよび32b)が配置される構成としてもよい。
また、複数の吸音材を軸方向に配置する構成とする場合には、開口部の位置ごとに吸音材の深さLdが異なる吸音材を配置することが好ましい。
例えば、図27に示す消音装置は、軸方向に挿入部26側から吸音材24aと吸音材24bとを有する。吸音材24aの深さLdと、吸音材24bの深さLdとは互いに異なる。
また、複数の吸音材を軸方向に配置する構成とする場合には、開口部の位置ごとに吸音材の音響特性を異なるものとしてもよい。
例えば、図26に示す消音装置において、吸音材24aの吸音特性と吸音材24bの吸音特性とは互いに異なるものとしてもよい。
また、消音装置は、ケース部を分離可能に構成されていてもよい。ケース部を分離可能とすることで、ケース部(吸音材)の大きさおよび数等を変えた消音装置の作製が容易となる。
また、図28に示すように、消音装置14は、管状部材12に着脱可能に設置されるのが好ましい。これにより、消音装置14の交換、あるいはリフォーム等を簡単に行うことができる。
また、消音装置14は、管状部材12の室内側の端面、および、室外側の端面のどちらに設置してもよいが、室内側の端面に設置されるのが好ましい。
また、消音システムは、管状部材のいずれか一方の端面に設置されるカバー部材および他方の端部に設置される風量調整部材の少なくとも一方を有していてもよい。カバー部材は、換気口および空調用ダクト等に設置される従来公知の、ルーバ、ガラリ等である。また、風量調整部材は、従来公知のレジスター等である。
また、カバー部材および風量調整部材は、管状部材の消音装置が設置された側の端面に設置されてもよいし、消音装置が設置されていない側の端面に設置されてもよい。
また、例えば、図29に示すように、風量調整部材20が消音装置14側に設置される場合には、軸方向から見た際に、風量調整部材20が消音装置14を全て覆うように設置されるのが好ましい。カバー部材が消音装置14側に設置される場合も同様である。
ここで、マンション等の一般的な住宅においては、コンクリート壁と化粧板とが離間して設置されており、コンクリート壁と化粧板との間に、断熱材等が配置されている。消音装置14は、コンクリート壁と化粧板との間の空間に設置するのが好ましい。その際、図30に示すように、消音装置14は化粧板40側の端面が、化粧板40の壁16側の面よりも壁16側に配置される構成としてもよい。あるいは、図31に示すように、消音装置14は化粧板40側の端面が、化粧板40の壁16とは反対側の面と面一に配置される構成としてもよい。すなわち、化粧板40に形成される貫通孔を消音装置14の外径と略同じにして、化粧板40の貫通孔に消音装置14を挿通させる構成としてもよい。なお、図31に示す例では、消音装置14は化粧板40側の端面と、化粧板40の壁16とは反対側の面とが面一となる構成としたが、これに限定はされず、消音装置14の一部が、化粧板40がある平面上に存在する構成であってもよい。
化粧板40の貫通孔に消音装置14を挿通させる構成とすることで、消音装置の設置、交換等が容易になる。
消音装置14の吸音材24は、サイズが大きいほど消音性能が高くなる。
ここで、図31に示すように、消音装置14は化粧板40側の端面が、化粧板40の壁16とは反対側の面と面一に配置される構成の場合には、吸音材24のサイズが大きいと、化粧板40側にレジスターのような風量調整部材20を設置しても、室内から化粧板40に形成した貫通孔(消音装置14と化粧板40との境界)が視認されてしまうおそれがある。従って、図32に示すように、風量調整部材20と化粧板40および消音装置14との間に、境界カバー42を設置するのが好ましい。これにより、室内側(風量調整部材20側)から見た際に、図33に示すように、化粧板40の貫通孔が境界カバー42によって隠れるので、意匠性を高めることができる。
なお、図32に示す例では、消音装置14と境界カバー42とを別部材としたが、消音装置14と境界カバー42を一体的に形成してもよい。すなわち、消音装置14のケース部27にフリンジを設けて境界カバー42としてもよい。
また、図30等に示す例においては、消音装置14の内径は、管状部材12と略同じ径で一様としたが、これに限定はされない。図34に示す消音システム10rのように、ケース部27の内径を挿入部26の内径よりも大きく、すなわち、管状部材12の内径よりも大きくしてもよい。
ケース部27の内径を管状部材12の内径よりも大きくすることで、管状部材12の径よりも大きい径の管状部材用の、大きな風量調整部材20を用いることができる。大きな風量調整部材20を用いることで、化粧板40の貫通孔が風量調整部材20によって隠れるので、意匠性を高めることができる。
また、図36に示す消音システム10sのように、消音装置14と風量調整部材20とを一体化してもよい。
図31等に示すように、市販のレジスター等の風量調整部材20は、差込部を有し、差込部を消音装置14に差し込んで設置される。しかしながら、市販のレジスターの差し込み部は、接続時の剛性および密閉性確保のため、長さが5cm程度あり、消音装置14の設計が制限されるおそれがある。これに対して、図36のように、消音装置14と風量調整部材20とを一体化することで、消音装置14の設計自由度が高くなり、また、施工も簡易化される点で好ましい。
なお、消音システムが、カバー部材および風量調整部材を有する場合には、管状部材内に生じる第一共鳴は、カバー部材、風量調整部材および消音装置を含む消音システムにおける管状部材の第一共鳴である。従って、吸音材の長さLdは、カバー部材、風量調整部材および消音装置を含む消音システムにおける管状部材の第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長λの1/4よりも短いのが好ましい。
また、図1等に示す例においては、吸音材24の、開口部32以外の面は、高抵抗部材28およびケース部27で覆われる構成としたが、これに限定はされず、高抵抗部材28で囲まれる空間、あるいは、高抵抗部材28およびケース部27で囲まれる空間内の少なくとも一部に吸音材24が配置される構成であればよい。すなわち、吸音材24と空間とからなる吸音空間を高抵抗部材28(およびケース部27)で覆う構成としてもよい。
なお、吸音材24と空間とからなる吸音空間を高抵抗部材28(およびケース部27)で覆う構成の場合でも、高抵抗部材28は、少なくとも吸音材24の一部を覆う。
また、本発明の消音システムにおいて、他の市販の防音部材を有していてもよい。
例えば、図36に示すように、管状部材12の一方の端部には、本発明における消音装置14が配置され、管状部材12の内部には、内挿型消音器50が配置される構成としてもよい。
また、図37に示すように、管状部材12の一方の端部には、本発明における消音装置14が配置され、管状部材12の他方の端部には、野外設置型の防音フード52が配置される構成としてもよい。
あるいは、管状部材12の一方の端部には、本発明における消音装置14が配置され、管状部材12の内部には、内挿型消音器50が配置され、管状部材12の他方の端部には、野外設置型の防音フード52が配置される構成としてもよい。
このように、他の防音部材と組み合わせることで、より広い帯域で高い防音性能を得られる。
内挿型消音器50としては、種々の公知の内挿型消音器が利用可能である。例えば、株式会社新協和製:防音スリーブ(SK-BO100等)、大建プラスチックス株式会社製:防音スリーブ(100NS2等)、西邦工業株式会社製 自然換気用サイレンサー(SEIHO NPJ100等)、株式会社ユニックス製:サイレンサー(UPS100SA等)、株式会社建友製:サイレントスリーブP(HMS-K等)等を用いることができる。
野外設置型の防音フード52としては、種々の公知の防音フードが利用可能である。例えば、株式会社ユニックス製:防音フード(SSFW-A10M等)、株式会社シルファー製:防音型フード(BON-TS等)等を用いることができる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[シミュレーション]
まず、本発明の消音システムについてシミュレーションを行なった結果を説明する。
シミュレーションは、有限要素法計算ソフトCOMSOL ver5.3(COMSOL社)の音響モジュールを用いて行なった。
図38に、シミュレーションモデルを示す。図38に示すように、壁16の厚みは209mmとし、管状部材12の直径は100mmとした。吸音材24は、管状部材12の外周に環状に配置し、軸方向が深さ方向とし、軸方向の長さは60mmとし、吸音材の幅Lwは10mmとした。開口部32は管状部材12の周面方向にスリット状に配置した。開口部32の幅は12mmとした。吸音材の深さLdは54mmである。壁の、音波の入射側の面から開口部32までの距離は102mmとした。開口部32は、吸音材24の音波の入射側の端部に形成されるものとした。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面の開口部32以外の領域には、高抵抗部材28を配置した。吸音材24の、管状部材の中心軸側の面以外の面は剛体と接するものとした。
また、吸音材24の流れ抵抗は27000[Pa・s/m2]、音響特性インピーダンスは826[kg/(s・m2)]とした。また、高抵抗部材28の音響特性インピーダンスは、5×107[kg/(s・m2)]とした。
厚みは.5mmとした。
また、管状部材12の、音波の入射側の開口部にはガラリ(カバー部材)が配置され、音波の出射側の開口部にはレジスター(風量調整部材)が配置される構成とした。
ガラリ、および、レジスターは、市販のものを参考にモデル化した。
[参考例]
まず、リファレンスとして、消音装置を設置しない場合(ストレート管の場合)の管状部材を透過する音波についてシミュレーションを行なった。シミュレーションによって、管状部材を透過して一方の空間から他方の空間に伝搬する音波の音圧(透過音圧)と周波数との関係を算出した。結果を図39に示す。
図39に示すように、消音装置を設置しない場合には、管状部材に生じる共鳴の共鳴周波数で透過音圧が高くなっている。第一共鳴周波数は510Hzである。
[シミュレーション1]
次に、シミュレーション1として、図38に示すように、管状部材12の外周面に吸音材24(消音装置14)を配置した構成について、吸音材24の音響特性インピーダンスの絶対値に対する高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比Zrを種々変更して、シミュレーションを行ない、周波数と透過損失との関係を算出した。具体的には、インピーダンス比Zrが、1.04、1.85、3.41、7.00、13.75、29.08、57.97の場合について、それぞれシミュレーションを行なった。
結果を図39に示す。なお、透過音圧は、リファレンスにおける第一次共鳴周波数の透過音圧を1として規格化した値である。
また、図39に示す透過音圧と周波数との関係から、350Hz以上710Hz以下の周波数での透過損失の平均値を、500Hzオクターブバンドの透過損失として求めた。500Hzオクターブバンドの透過損失とインピーダンス比Zrとの関係を図40に示す。
図39および図40に示すように、インピーダンス比Zrが高いほど、すなわち、高抵抗部材28の音響特性インピーダンスが高いほど、透過音圧が低くなっており、防音性能が高いことがわかる。
図39から、特に、第一共鳴周波数近傍において透過音圧が選択的に低くなっており、この周波数帯での防音性能が高いことがわかる。本発明の消音システムにおいて、吸音材24による吸音の効果が、音圧および気体分子の粒子速度に依存する。そのため、本発明の消音システムは、管状部材の共鳴現象によって音圧が高くなる第一共鳴周波数近傍で防音性能が高くなる。
また、図40に、高抵抗部材が剛体の場合、および、高抵抗部材が無い場合の、500Hzオクターブバンドの透過損失の値を破線で示す。
[シミュレーション2]
次に、シミュレーション2として、各インピーダンス比Zrの場合において、高抵抗部材28の厚みtを種々変更してシミュレーションを行ない、周波数と透過損失との関係を算出し、500Hzオクターブバンドの透過損失を求めた。
結果を図41に示す。
図41から、高抵抗部材28の厚みtが厚くなるほど500Hzオクターブバンドの透過損失が高くなることがわかる。一方で、インピーダンス比Zrと厚みtとが十分に高い場合には、500Hzオクターブバンドの透過損失は、略一定の値となることがわかる。以上から、透過損失は、インピーダンス比Zrと厚みtとに依存することがわかる。
そこで、インピーダンス比Zrおよび高抵抗部材28の厚みtを含むパラメータPtZを、PtZ=log(t×Zr2.5)と定義して、インピーダンス比Zrおよび高抵抗部材28の厚みtを種々変更してシミュレーションを行ない、パラメータPtZと500Hzのピーク音吸音の効果発現率(以下、単に「効果発現率」ともいう)[%]との関係を求めた。
500Hzのピーク音吸音の効果発現率Rとは、高抵抗部材なしの時の透過損失をTLmin、高抵抗部材が剛体の時の透過損失をTLmmax、高抵抗部材が任意のインピーダンスを持つ場合の透過損失をTLすると、以下のように定義される。
R=100×(TL―TLmin)/(TLmmax−TLmin
図42から、パラメータPtZと効果発現率との間にはある一定の関係が成り立つことがわかる。パラメータPtZと効果発現率Yeとの関係式をフィッティングにより求めたところ、下記の関係式が成り立つことがわかった。
Ye=100/(1+exp(−(PtZ−1.961)/0.4390))
この関係式から、効果発現率Yeを50%以上とするためにはパラメータPtZ(=log(t×Zr2.5))は1.99以上とする必要があることがわかる。また、効果発現率Yeを80%以上にできる点からパラメータPtZは2.62以上であるのが好ましく、効果発現率Yeをほぼ100%にできる点からパラメータPtZは3.88以上であるのがより好ましい。
[シミュレーション3]
次に、吸音材24の流れ抵抗についてシミュレーションを行なった結果について説明する。
シミュレーション1のモデルにおいて、吸音材24の流れ抵抗を種々変更してシミュレーションを行なった結果を図43に示す。インピーダンス比Zrは、57.97とした。
図43から流れ抵抗には最適な範囲があることがわかる。これは、流れ抵抗が大きくなりすぎると吸音材24内を通過しにくくなり、吸音材24による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が低くなってしまうためである。
また、以上のシミュレーション結果に基づいて、吸音材24の深さLdと吸音材24の流れ抵抗との組み合わせに対して、透過音圧を測定した結果を図44および図45に示す。図44は、吸音材24の深さLdが10mm(1cm)〜140mm(14cm)それぞれの場合の、吸音材24の流れ抵抗と透過音圧のピーク値との関係を表すグラフである。図45は、吸音材24の深さLdと吸音材24の流れ抵抗に対する透過音圧のピーク値を表すグラフである。
図44および図45に示すように、吸音材24の流れ抵抗は、吸音材24の深さLdに応じて好適な範囲があることがわかる。この結果から、本発明の共鳴音を選択的に吸音する効果が表れる流れ抵抗の範囲は、(log(0.1×Ld)−1.25)/0.24<log(σ1)<5.6が好ましく、(log((0.1×Ld))−1.32)/0.24<log(σ1)<5.2がより好ましく、(log((0.1×Ld))−1.39)/0.24<log(σ1)<4.7がさらに好ましい。なお、上記式において、Ldの単位は[mm]であり、流れ抵抗σ1の単位は[Pa・s/m2]であり、logは自然対数である。
[実測結果]
次に、消音システムを作製して防音性能を評価した結果について説明する。
性能評価には、図46に示すような簡易小型防音室を用いた。
図46に示す簡易防音室は、5面を吸音ウレタンフォームW3(厚み100mm、富士ゴム産業株式会社製 U00F2)およびその外側に配置される厚み5mmのアクリル板W1で囲まれ、残りの1面を、防音室内側からアルミニウム板W5(厚み3mm)、グラスウールW6(正城通商株式会社製 32501211 密度32kg/m3 ノンホルムアルデヒド)およびアクリル板W1からなる壁部材(本発明における壁16に相当)で閉塞されている。壁部材の合計厚みは100mmとした。さらに、壁部材から110mm離間して、壁部材に平行にアクリル板W1(本発明における化粧板に相当)が配置されている。
また、5面の吸音ウレタンフォームW3のうち、左右面に配置される3面の内側の面には、波型の吸音ウレタンフォームW4(最大厚み35mm、富士ゴム産業株式会社製 U00F6)が配置されている。防音室内の大きさは、800mm×800mm×900mmとした。
アルミニウム板W5、グラスウールW6およびアクリル板W1からなる壁部材には、壁部材を貫通して、内径100mm、長さ100mmの塩化ビニル製の通気スリーブ(管状部材)12を設置した。また、化粧板(アクリル板W1)には、通気スリーブの軸方向から見た際に、通気スリーブと同じ位置に100mmの開口を設けた。
なお、アクリル板W1およびアルミニウム板W5は端部を30mm角のアルミニウム製のフレームFrに固定して支持した。
通気スリーブ12の防音室内の端面にはカバー部材18として横ガラリ(株式会社ユニックス製 SG−CB)を取り付け、通気スリーブ12の外側の端面には風量調整部材20としてレジスター(株式会社ユニックス製 KRP−BWF)を取り付けた。
防音室内には、ピンクノイズを発生させるスピーカーSP(FOSTEX社製 かんすぴセット KANSPI−8)を2つ配置した。また、防音室外のレジスター20から50cm離間した位置には、音波検出用の測定用マイクロフォンMP(株式会社アコー製 TYPE4152N)を配置した。
まず、通気スリーブ12内に、リファレンス用遮音材として、その内径と同サイズ(100mm径)の円形のアクリル板(厚み5mm)を10枚重ねて配置した。これにより、この通気スリーブ12を通過する音をほぼ完全に遮蔽した。この状態で2つのスピーカーSPからノイズを発生させて、測定用マイクロフォンMPで、サンプリングレート25000Hzで10秒間、音圧を測定した。測定した音圧のデータに対してフーリエ変換を行い周波数スペクトルを算出した。フーリエ変換後のデータは10Hz間隔で平均化した。このデータをバックグラウンドデータとする。
次に、レジスター20を全開にして上記と同様に音圧を測定して、音圧のデータに対してフーリエ変換を行い周波数スペクトルを算出し、バックグラウンドデータとの差分を求めてリファレンスデータとした。
[比較例1]
次に、比較例1として、リファレンス用遮音材を取り除き、通気スリーブ12内に吸音材24を設置した。吸音材24として吸音ウレタン(株式会社イノアック製 カームフレックスF−2)を円筒形状にして用いた(図47参照)。軸方向の長さを70mm、外径を100mm、内径を70mmとした。また、吸音材24の音響特性インピーダンスを前述の方法で測定したところ、6304[kg/(s・m2)]であった。
レジスター20を全開にして上記と同様に音圧を測定して、音圧のデータに対してフーリエ変換を行い周波数スペクトルを算出し、バックグラウンドデータとの差分を求めて透過音圧のデータとした。
結果を図49に示す。
[実施例1]
実施例1として、図48に示すように、吸音材24の内周面に、軸方向の幅Loを12mm空けて高抵抗部材28で覆い、吸音材24の他の全ての面を高抵抗部材28で覆う構成とした以外は比較例1と同様にして消音システムを作製して、透過音圧のデータを求めた。
高抵抗部材28として厚み50μmのPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー)を用いた。音響特性インピーダンスは、2.9×106[kg/(s・m2)]であった。すなわち、パラメータPtZ(=log(t×Zr2.5))は、7.99であった。
結果を図50に示す。
[実施例2]
高抵抗部材として厚み350μmのPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー)を用いた以外は、実施例1と同様にして消音システムを作製して、透過音圧のデータを求めた。パラメータPtZ(=log(t×Zr2.5))は、8.83であった。
結果を図51に示す。
また、図49〜図51に示す透過音圧と周波数との関係から、350Hz以上710Hz以下の周波数での透過損失の平均値を、500Hzオクターブバンドの透過損失として求めた。結果を図52に示す。
図49〜図52から、本発明の消音システムの実施例は、吸音材24が同じであるにも関わらず、比較例に比べて透過損失が高く、高い防音性能が得られることがわかる。
また、図49〜図51から、実施例においては、特に第一共鳴周波数付近で透過損失が高くなることがわかる。
また、図53に、図42のパラメータPtZと効果発現率Yeとの関係を表すグラフに、実施例1および実施例2のパラメータPtZの位置をプロットした図を示す。図53に示すように、実施例1および実施例2は、ほぼ同じ(100%に近い)効果発現率が得られる条件である。図50〜図52の実施例1と実施例2との対比から、高抵抗部材28の厚みが7倍異なるにも関わらず、透過音圧、および、透過損失について同等の効果が得られていることがわかる。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
10a〜10s 消音システム
12 管状部材
12a 周面開口部
14 消音装置
16 壁
18 カバー部材
20 風量調整部材
24、24a、24b 吸音材
26 挿入部
27、27a、27b ケース部
28、28a、28b 高抵抗部材
32、32a、32b 開口部
40 化粧板
42 境界カバー
50 内挿型消音器
52 防音フード

Claims (24)

  1. 2つの空間を隔てる壁を貫通して設けられる管状部材に、前記管状部材を通過する音を消音する消音装置が設置された消音システムであって、
    前記消音装置は、吸音材と、前記吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材とを有し、
    前記吸音材の表面の一部は、前記消音システム内における前記管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、
    前記吸音材の表面の他の少なくとも一部は、前記高抵抗部材で覆われて、前記音場空間とは遮断されており、
    前記開口部から前記吸音材に侵入した音波の進行方向における前記吸音材の深さLdは、前記管状部材の軸方向における前記開口部の幅Loよりも大きく、
    前記吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する前記高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、前記高抵抗部材の厚みをt(mm)とすると、
    log(t×Zr2.5)≧1.99
    を満たす消音システム。
  2. 前記第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、前記吸音材の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たす請求項1に記載の消音システム。
  3. 前記高抵抗部材の厚みtが0.01mm以上 3.00mm以下である請求項1または2に記載の消音システム。
  4. 前記吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する前記高抵抗部材の音響特性インピーダンスが、2.4×104以上5×107[kg・m-2・s-1]以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の消音システム。
  5. 前記吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する前記高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比Zrと、前記高抵抗部材の厚みt(mm)とが、
    1.99≦log(t×Zr2.5)≦11.0
    を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載の消音システム。
  6. 前記軸方向に平行な断面において、前記吸音材の深さ方向に直交する方向の前記吸音材の幅Lwは、0.001×λ<Lw<0.061×λを満たす請求項1〜5のいずれか一項に記載の消音システム。
  7. 前記軸方向に平行な断面において、前記吸音材は、前記軸方向に延在する矩形状であり、
    前記吸音材の、前記軸方向の長さが深さLdであり、
    前記吸音材の、前記管状部材の中心軸側の面の一部が、前記管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された前記開口部であり、
    前記吸音材の、前記管状部材の中心軸側の面の他の少なくとも一部が、前記高抵抗部材に覆われている請求項1〜6のいずれか一項に記載の消音システム。
  8. 前記吸音材の、前記管状部材の中心軸側の面以外の面が、前記高抵抗部材で覆われている請求項7に記載の消音システム。
  9. 前記消音装置は、前記吸音材の、前記管状部材の中心軸側の面以外の面を覆うケース部を有する請求項7に記載の消音システム。
  10. 前記管状部材の中心軸を軸とする円周面における、前記開口部の面積S1は前記吸音材の面積S0よりも小さい請求項7〜9のいずれか一項に記載の消音システム。
  11. 前記吸音材の流れ抵抗σ1は、(1.25−log(0.1×Ld))/0.24<log(σ1)<5.6を満たす請求項1〜10のいずれか一項に記載の消音システム。
  12. 2以上の前記吸音材を有し、
    各前記吸音材の前記開口部は、前記管状部材の中心軸に対して回転対称に配置されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の消音システム。
  13. 前記吸音材は、前記壁の一方の端面側に配置されている請求項1〜12のいずれか一項に記載の消音システム。
  14. 前記消音装置は、前記管状部材に接続される筒状の挿入部と、
    前記吸音材の、前記管状部材の中心軸側の面以外の面を覆うケース部と、を有し、
    前記挿入部は、中心軸を前記管状部材の中心軸に一致させて配置されている請求項13に記載の消音システム。
  15. 前記吸音材の少なくとも一部が、前記管状部材の外周に配置されている請求項1〜12のいずれか一項に記載の消音システム。
  16. 前記軸方向に垂直な断面において、前記管状部材の実効外径D0と、前記吸音材の実効外径D1とは、D1<D0+2×(0.045×λ+5mm)を満たす請求項15に記載の消音システム。
  17. 前記吸音材が前記管状部材の内部に配置されている請求項1〜13のいずれか一項に記載の消音システム。
  18. 前記吸音材を複数有し、
    複数の前記吸音材の前記開口部は、前記管状部材の軸方向の少なくとも2箇所以上の位置に配置されている請求項1〜17のいずれか一項に記載の消音システム。
  19. 前記開口部の位置ごとに、前記吸音材の深さLdが異なる請求項18に記載の消音システム。
  20. 前記開口部の位置ごとに、前記吸音材の音響特性が異なる請求項18または19に記載の消音システム。
  21. 2つの空間を隔てる壁を貫通して設けられる管状部材に、消音装置が配置された消音システムであって、
    前記消音装置は、吸音材と、前記吸音材よりも音響特性インピーダンスが高い高抵抗部材とを有し、
    前記吸音材の表面の一部は、前記消音システム内における前記管状部材の第一共鳴の音場空間に接続された開口部であり、
    前記吸音材の表面の他の少なくとも一部は、前記高抵抗部材で覆われて、前記音場空間とは遮断されており、
    前記吸音材の開口部の面積をS1、前記吸音材の内壁の表面積をSdとすると、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sdは、0<S1/Sd<40%を満たし、
    前記吸音材の音響特性インピーダンスの絶対値に対する前記高抵抗部材の音響特性インピーダンスの比をZrとし、前記高抵抗部材の厚みをt(mm)とすると、
    log(t×Zr2.5)>1.99
    を満たす消音システム。
  22. 前記管状部材の軸方向において、前記吸音材は、前記壁と、前記壁から離間して配置される化粧板との間に、一部が前記化粧板に形成された貫通孔に挿通されて配置されており、
    前記管状部材の軸方向から見た際に、前記化粧板と前記貫通孔との境界を覆う境界カバーを有する請求項1〜21のいずれか一項に記載の消音システム。
  23. 前記管状部材の軸方向において、前記吸音材は、前記管状部材の一方の端部に配置され、
    さらに、前記管状部材内に配置される防音部材を有する請求項1〜22のいずれか一項に記載の消音システム。
  24. 前記管状部材の軸方向において、前記吸音材は、前記管状部材の一方の端部に配置され、
    さらに、前記管状部材の他方の端部に配置される防音部材を有する請求項1〜23のいずれか一項に記載の消音システム。
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