JP2000257442A - 自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品およびその製造方法

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JP2000257442A
JP2000257442A JP11056791A JP5679199A JP2000257442A JP 2000257442 A JP2000257442 A JP 2000257442A JP 11056791 A JP11056791 A JP 11056791A JP 5679199 A JP5679199 A JP 5679199A JP 2000257442 A JP2000257442 A JP 2000257442A
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weight
resin
glass fiber
engine room
molded article
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JP11056791A
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Toru Shima
徹 嶋
Manabu Nomura
学 野村
Hiroshi Aida
宏史 合田
Kaoru Wada
薫 和田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、強度を満足するとともに、著しく軽
量化され、遮熱性と共に遮音性、吸音性をも兼ね備え
た、成形品としての絶対重量の軽減された自動車エンジ
ンルーム内用軽量樹脂成形品およびその効率的な製造方
法の提供。 【解決手段】 ガラス繊維含有熱可塑性樹脂からなり、
(A)ガラス繊維の含有量が15〜60重量%、(B)
平均ガラス繊維長が2〜20mm、(C)平均見かけ密
度が0.2〜0.9g/cm3 である自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品。特定ガラス繊維含有材料を用
いた射出成形時に成形金型キャビティを拡大する膨張成
形方法で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品に関し、詳しくは、著しく軽量
化されていながら、曲げ強度、曲げ剛性、耐熱性、衝撃
強度などにすぐれ、さらに断熱性、遮音性にすぐれたエ
ンジンカバー、エンジンアンダーカバー、タイミングベ
ルトなどの軽量樹脂成形品およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年自動車において、衝突安全性の向上
のための車体の高強度化やエアーバックの装備などが図
られている。また、エンジンにおいても効率化、低燃料
消費、排気ガス対策などから直接噴射エンジンなどが開
発され搭載されてきている。これらはいずれも、自動車
の重量の増加をもたらしている。
【0003】また、省資源、環境問題などから燃料消費
量の低減が最重要事項となり、これら問題点の解決に、
自動車の軽量化が強く求められている。自動車の軽量化
を目的に、それぞれの部品において、金属から樹脂への
転換が急速に進んでいる。これらの自動車用部品は、成
形性、強度、剛性などに加えて、リサイクル性、材料の
統一の動向などから、ポリプロピレン系樹脂などの熱可
塑性樹脂が多用されてきている。
【0004】自動車部品の軽量化の要求は、日々厳しく
なっており、成形品の軽量化のためには、成形品の肉厚
を薄くする努力がなされている。しかしながら、成形品
の肉厚を薄くするためには、強度、剛性など樹脂本来の
特性に加えて、部品の大型化に対応して成形性、すなわ
ち溶融流動性の向上が必要となる。たとえばポリプロピ
レン系樹脂の強度、剛性などを向上するために、他の熱
可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ガラス繊維などの
強化剤、タルクなどの充填剤などを添加する手段が数多
く提案されている。
【0005】自動車用の軽量化のために、樹脂化されて
いる部品としては、バンパー、ホイールキャップ、エア
ースポイラー、ランプハウジング、ドア把手などの外装
材やインストルメントパネル、コンソールボックス、ド
アパネル、ハンドルなどの内装材がある。これらの部品
は、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂あるいは、これらと熱可塑性
エラストマー、タルクなどの無機充填剤、ガラス繊維な
どの補強剤との複合材料としてその使用量は増大してき
ている。また、これらの部品は、射出成形、射出圧縮成
形、ブロー成形などの成形手段を用いて製造されてい
る。
【0006】自動車の軽量化に当たり、エンジンルーム
の軽量化は、エンジン自体が占める重量が大きく、あま
り検討されてきていない。エンジンルーム内の部品とし
ては、エンジンカバー、エンジンアンダーカバー、タイ
ミングベルトカバー、バッテリートレイ、ラジエタート
ップ、エアークリーナーケース、シリンダーヘッドカバ
ー、オーナメント、ジャンクションブロック、ヒューズ
ケース、コンピューターブランケットなどがある。これ
らの部品の中でも、特に、エンジン本体周辺の部品は、
エンジンによる高温、振動、騒音に対処することが必要
であり、軽量化に当たり材料選択上制約が多い特殊な分
野である。したがって、一般的には鉄を主体とした金属
材料が用いられている。しかし金属は軽量化が困難であ
ると共に、腐食しやすい問題点もある。
【0007】しかしながら、これらエンジン本体周辺の
部品においても軽量化が要求されるようになってきてい
る。こけに対して、たとえば、合成樹脂製のエンジンカ
バーとして、特開平5−24559号公報には、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる熱可塑性樹脂
に、ハロゲン化フタル酸イミド誘導体、臭素化ポリスチ
レン、アンチモン酸化物からなる難燃剤を含有するエン
ジンアンダーカバーが提案されている。
【0008】また、特開平8−192466号公報に
は、樹脂材料を接着する接着手段を備えたシート状遮熱
材を、樹脂材料と共に一体成形して樹脂成形品の表面に
貼着した樹脂成形品の遮熱構造が開示されている。同公
報には、シート状遮熱材が、ポリプロピレン樹脂発泡シ
ートやポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂製の糸か
らなるメッシュとアルミニウムはくからなり、また、遮
熱材として自動車用エンジンアンダーカバーが具体的に
開示されている。さらに、特開平10−76609号
公報には、単味樹脂層と金属粉を練り込んだ複合樹脂層
とをラミネートして形成された2層構造材を成形した遮
熱構造を備えた樹脂成形品が開示されている。同公報に
は、樹脂がポリプロピレンであること、金属粉がアルミ
ニウム粉であること、成形品がエンジンアンダーカバー
であることが具体的に開示されている。
【0009】しかしながら、前記、では、熱可塑性
樹脂を用いることは開示されているが、通常の熱可塑性
樹脂の使用の範囲を越えるものではない。したがって、
その軽量化は単に、金属から熱可塑性樹脂への変更によ
るものである。したがって、遮熱性、すなわちエンジン
からの発生熱が周辺部品へ及ぼす悪影響を防止する効果
は実質的に期待できない。また、にあっては、金属粉
を含有するものであり、軽量化には逆行するものと見る
こともできる。また、には、樹脂発泡シートなどの軽
量材料の使用により、軽量化を図っているが、遮熱性効
果を主眼としたものであり、強度、耐熱性などトータル
の性能では必ずしも十分でない場合がある。
【0010】また、前記、にあっては、最終成形品
の成形は、シートとしての一次材料の成形品を二次成形
することが必要であり、製造工程の複雑化、工程増加、
さらにはトリミングロスなどによる製品収率の低下な
ど、省資源、コストの点からもさらなるすぐれた構造の
成形品が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、強
度を満足するとともに、著しく軽量化され、遮熱性と共
に遮音性をも兼ね備えた、自動車エンジンルーム内用軽
量樹脂成形品、即ち、成形品としての絶対重量の軽減さ
れた自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品およびそ
の効率的な製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況下において、自動車エンジンルーム内用軽量樹脂
成形品の軽量化と性能について鋭意研究を重ねた結果、
特定の組成と構造因子を満足する場合に、自動車エンジ
ンルーム内用軽量樹脂成形品の部品全体として重量を軽
減した場合であっても、すぐれた物性を満足し、耐熱
性、強度を有し、すぐれた遮熱性、遮音性の自動車エン
ジンルーム内用軽量樹脂成形品が得られることを見いだ
し本発明を完成したものである。
【0013】すなわち、本発明は、 (1) ガラス繊維含有熱可塑性樹脂からなり、(A)
ガラス繊維の含有量が15〜60重量%、(B)平均ガ
ラス繊維長が2〜20mm、(C)平均見かけ密度が
0.2〜0.9g/cm3 である自動車エンジンルーム
内用軽量樹脂成形品。 (2) (A)ガラス繊維の含有量が20〜50重量
%、(B)平均ガラス繊維長が3〜15mm、(C)平
均見かけ密度が0.3〜0.8g/cm3 である上記
(1)記載の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形
品。 (3) 熱可塑性樹脂が不飽和カルボン酸またはその誘
導体変性ポリオレフィンを0〜10重量%含有するポリ
プロピレン系樹脂である上記(1)または(2)記載の
自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品。 (4) 熱可塑性樹脂が酸化防止剤を0.2〜1重量%
含有するものである上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品。 (5) 軽量樹脂成形品が、エンジンカバーあるいはエ
ンジンアンダーカバーまたはタイミングベルトカバーで
ある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の自動車エン
ジンルーム内用軽量樹脂成形品。 (6) 熱可塑性樹脂と互いに平行に配列された15〜
90重量%のガラス繊維を含み、長さが3〜100mm
であるガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを含む成形
材料を溶融混練し、成形金型キャビティに射出あるいは
射出圧縮後、成形金型キャビティ容積を拡大して膨張成
形する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の自動車エ
ンジンルーム内用軽量樹脂成形品の製造方法。 (7) 成形材料が、発泡剤を0.01〜1重量%含む
ものである上記(6)記載の自動車エンジンルーム内用
軽量樹脂成形品の製造方法。 (8) 金型キャビティ容積を拡大開始後に溶融樹脂に
ガスを注入する上記(6)または(7)記載の自動車エ
ンジンルーム内用軽量樹脂成形品の製造方法を提供する
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形
品としては、自動車のエンジンルーム内の部品であれば
特に制限はなく、たとえば、エンジンカバー、エンジン
アンダーカバー、タイミングベルトなどのエンジン本体
周辺に設けられる部品類、バッテリートレイ、ラジエタ
ートップ、エアークリーナーケース、シリンダーヘッド
カバー、オーナメント、ジャンクションブロック、ヒュ
ーズケース、コンピューターブランケットなどがある。
特に、特殊な性能が要求されるエンジン本体周辺に設け
られる部品としての成形品に好ましく用いられる。
【0015】すなわち、エンジン本体周辺のエンジンカ
バー、エンジンアンダーカバー、タイミングベルトカバ
ーは、単なるカバーとしての機能だけでなく、まず、エ
ンジン本体から発生する熱が周辺の電気部品、電気配線
などへ伝わるのを防止する遮熱性が要求される。さら
に、エンジンによる騒音が、車室内に伝達することを抑
制することが求められているからである。
【0016】以下、本発明の自動車エンジンルーム内用
軽量樹脂成形品を、前記エンジン本体周辺部品としての
軽量樹脂成形品について図面に基づいて説明する。図1
は、エンジンカバーの一例の概略図を示す。(A)は、
平面図、(B)は、(A)のX−X線断面図である。図
1において、1はエンジンカバー、2は板状部、3は外
周枠状部である。図2は、エンジンアンダーカバーの一
例の概略図を示す。(A)は、平面図、(B)は、
(A)のX−X線断面図である。図2において、4はエ
ンジンアンダーカバー、5は板状部、6は外周枠状部で
ある。図3は、タイミングベトカバーの一例の概略図を
示す。(A)は、平面図、(B)は、(A)のX−X線
断面図である。図3において、7はタイミングベルトカ
バー、8は板状部、9は外周枠状部である。また、各図
において、10は、板状部に設けられた凹凸部であり、
断面図においては、一部図示を省略してある。
【0017】各図面から明らかなように、これら3種の
軽量樹脂成形品は、本質的に第1目的は、カバーであ
り、形状に差はあるものの、共に主要部は板状部で構成
されている。また、通常は外周に枠状部を有するような
構造となっている。本発明においては、図1、2、3に
示す、自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品は、板
状部2、5、8の部分の膨張倍率が高く、外周枠状部の
膨張倍率はやや低くなっているか、または、実質的に膨
張していない場合もある。すなわち、主要部である板状
部の膨張による軽量化により、樹脂成形品全体としての
軽量化を確保するものである。この膨張倍率の差は、そ
れぞれの部分の膨張前の樹脂量が異なる場合、あるいは
外周枠状部を成形時に膨張させない成形方法の採用など
により発生するものである。しかしながら、自動車エン
ジンルーム内用軽量樹脂成形品は、全体としての強度、
剛性、耐熱性はこの枠状部で確保されるので、板状部の
軽量化を主体として、全体の軽量化が図られる特徴があ
る。また、必要により、外周枠状部あるいは枠状部の外
方に実質的に膨張していない取り付け部を形成したもの
であってもよい。
【0018】また、これらの軽量樹脂成形品は、図面よ
り明らかなように、成形品として全体的に平板状で構成
されており、平板部の成形品厚みが均一であれば、膨張
倍率は面方向では略均一となっている。しかしながら、
厚み方向では、表面部は未膨張であるスキン層を有し、
中央部の見かけ密度は低くなっている。この表面スキン
層は、溶融樹脂の膨張前の時点での溶融樹脂の射出充填
時、あるいは射出圧縮充填時の樹脂圧下における、金型
冷却により形成されるものである。したがってその外観
は、実質的に一般の射出成形品と変わらない転写性と表
面性を有するものである。なお、平板部に形成されてい
る凹凸10は、意匠性とともに、板状部の曲げ剛性を高
めるために設けることができる。
【0019】ここで、自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品の厚みは、車種による要求特性、エンジンなど
のサイズ、熱可塑性樹脂の選択、他の配合成分、ガラス
繊維の含有量、成形品中のガラス繊維長など、あるい
は、車種に求められる軽量化、遮熱性、遮音性などの要
求特性などを総合的に判断して決定される。いずれにし
ても、本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形
品は、部品そのものの重量が決定されれば、これに見合
った成形品の重量が一義的に決まり、これに対応した成
形樹脂材料量が決まるものである。
【0020】これらの自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品は、主要部が板状部を有し、全体的にあるレベ
ル以上の曲げ強度、曲げ剛性を有するとともに、耐熱
性、剛性、特に、過酷なエンジンからの発生熱を遮熱
し、さらにエンジンによる騒音を軽減する遮音性、場合
により吸音性を有するものとすることもできる。従来、
エンジンカバーなどにおいては、熱可塑性樹脂の使用が
既に提案されていた。これらは、成形材料からの射出成
形による直接成形や発泡を含むシート類の一次材料から
プレスなどの加圧二次成形により成形することが提案さ
れていた。しかしながら単なる熱可塑性樹脂の使用で
は、軽量性と強度、耐熱性などの物性を両立させること
は極めて困難であることに変わりはない。また、軽量化
のためには、部品の肉厚を厚くすることには自ずと限界
があり、また、厚くすれば金属との差別化が困難であ
り、実用化が極めて困難であるのが実情である。
【0021】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品は、熱可塑性樹脂中に比較的繊維長の長いガラ
ス繊維がランダムに分布するとともに、成形品の内部に
は樹脂の膨張による実質的に連続する空隙を有する構造
をとることにより軽量化されたものである。また、含有
するガラス繊維も溶融樹脂の膨張とともにその方向がラ
ンダム、均一化する。さらに、成形品は、内部の膨張に
よる空隙発生による軽量化と表面部分のスキン層との成
形一体化多層構造およびガラス繊維による補強効果によ
り、すぐれた物性を発揮するものである。
【0022】また、本発明の自動車エンジンルーム内用
軽量樹脂成形品は、その一般的形状は、主要部となる板
状部と外周枠状部で形成されるものが多い。ここで、膨
張、軽量化部分は主要部の板状部においてその倍率が高
く、外周枠状部あるいは外周部は実質的に未膨張ないし
低膨張部分とすることができるものである。したがっ
て、成形品全体として総合的に強度を発揮することがで
きるすぐれた構造である。さらに、主要部の膨張による
空隙部分により、遮熱性、遮音性、吸音性など従来の樹
脂からなる自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品に
ない全く異なる特性を有するものである。なお、吸音性
を持たせるためには、表面スキン層を通気性にすること
が好ましい。すなわち、成形後に表面に穴あけ加工、切
削加工などによりスキン層の少なくとも一部を除去する
方法、あるいは成形時にスキン層が明瞭に形成できない
ような方法を採用することができる。
【0023】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品は、具体的には、ガラス繊維含有熱可塑性樹脂
からなり、(A)ガラス繊維の含有量が15〜60重量
%、好ましくは20〜50重量%、(B)平均ガラス繊
維長が2〜20mm、好ましくは3〜15mm、(C)
平均見かけ密度が0.2〜0.9g/cm3 、好ましく
は0.3〜0.7g/cm3 である自動車エンジンルー
ム内用軽量樹脂成形品である。
【0024】まず、(A)ガラス繊維の含有量が15〜
60重量%、好ましくは20〜50重量%で(B)平均
ガラス繊維長が2〜20mm、好ましくは3〜15mm
であるガラス繊維含有熱可塑性樹脂からなるものであ
る。ここで、ガラス繊維の含有量が15重量%未満で
は、強度、耐熱性が十分でなく、また、後記するところ
の膨張成形による膨張性が低下する場合があり、60重
量%を越えると成形時の溶融流動性の低下や外観が低下
する場合がある。したがって、前記好ましい範囲の選択
が望ましい。
【0025】次に、平均ガラス繊維長が、2mm未満で
あると本発明の特徴である膨張成形性が低下するととも
に、強度の点からも好ましくない。また、20mmを越
えると溶融流動性が低下するとともに、溶融混練シリン
ダ内での混練が不十分となり、成形品内の均一性が低下
し、この結果、膨張の不均一性、外観不良などか起こり
やすくなる。したがって、前記好ましい範囲の平均ガラ
ス繊維長となるような成形材料、成形条件の選択が望ま
しい。なお、平均ガラス繊維長は、成形品の一部を灰化
後、万能投影機で倍率10倍で直接撮影し、その画像を
用いデジタイザーにてガラス繊維長を測定したものであ
る。
【0026】さらに、本発明の自動車エンジンルーム内
用軽量樹脂成形品は、その(C)平均見かけ密度が0.
2〜0.9g/cm3 、好ましくは0.3〜0.7g/
cm 3 である。本発明の自動車エンジンルーム内用軽量
樹脂成形品の本質的は特徴は、この平均見かけ密度が小
さいことにある。すなわち、平均見かけ密度が0.9g
/cm 3 で下、特に0.7g/cm3 以下と言う極めて
軽量である自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品を
初めて可能にしたものである。そして、この軽量化は、
前記したように、平均繊維長が2〜20mmのガラス繊
維を15〜60重量%含有する成形品において達成され
たものであることに価値がある。
【0027】これは、後記するところの、成形材料の選
択、製造方法の採用の組み合わせにおいて初めて製造が
可能になったものである。ここで密度を平均見かけ密度
として規定したのは、自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品の形状は、板状部と外周部、枠状部さらには、
成形品の厚み方向の表面部分と中間部分とでは、密度が
一定でない場合があり、これらの成形品の構造を考慮し
て、成形品全体としての軽量化の指標とするためであ
る。即ち、平均見かけ密度は、(成形品の重量/成形品
の容積)として測定できるものである。
【0028】なお、成形品の肉厚を薄くすることによっ
ても、成形品全体としての軽量化は不可能ではないが、
これでは、単なる軽量化は達成されるものの、自動車エ
ンジンルーム内用軽量樹脂成形品としての使用に耐える
曲げ強度、曲げ剛性を満足することは困難である。した
がって、本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
形品は、軽量であるとともに、使用に耐える曲げ特性を
有するものである。たとえば、成形品の板状部の切り出
し3点曲げ試験における最大荷重が30N以上、好まし
くは50N以上であり、曲げ剛性が50N/cm以上、
好ましくは70N/cm以上である。ここで曲げ試験方
法は、成形品から、160mm×50mm×厚みからな
る曲げ試験用試験片を切り出し、支点間距離80mmの
三点曲げ試験を試験速度10mm/分、室温(23℃)
で行うことにより測定できる。
【0029】また、本発明の自動車エンジンルーム内用
軽量樹脂成形品は、膨張による空隙構造により軽量化さ
れている為、遮熱性にすぐれた特性を有する。さらに、
見かけ密度が低いにも関わらず、すぐれた遮音性、すな
わち騒音低減率が高い特徴がある。この理由は成形品内
部に吸音性にすぐれた膨張構造を有するためと思われ
る。また、本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂
成形品は、通常の発泡剤による発泡構造である、独立気
泡でなく、連続した空隙構造をとっている。この構造に
より、吸音性を有し、この特性からも自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品としてすぐれたものである。
【0030】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品は、上記(A)、(B)、(C)をそれぞれ満
足することによって、軽量でありながら、使用に耐える
曲げ強度、曲げ剛性、衝撃強度を満足するものであり、
軽量化とこれら強度特性が通常相反するものであるにも
関わらず、これらを両立させたものである。以下、本発
明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品およびそ
の製造方法を成形材料と共に詳細に述べる。本発明の自
動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品は熱可塑性樹脂
とガラス繊維を主成分とするものである。
【0031】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に、制限はなく、例えば、ポリプロピレン、プロ
ピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチ
レンランダム共重合体、高密度ポリエチレン等のポレオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリ
スチレン、シンジオタクチック構造を含むポリスチレ
ン、ABS樹脂、AS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系樹脂、ポ
リ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびア
クリレート系樹脂等が採用できる。ここで、上記熱可塑
性樹脂は、単独で用いることがもできるが、二種類以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0032】このような熱可塑性樹脂のうち、ポリオレ
フィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好まし
い。中でもポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィ
ンとのブロック共重合体、ランダム共重合体、あるい
は、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂が好ま
しい。
【0033】これら熱可塑性樹脂には、不飽和カルボン
酸またはその誘導体変性樹脂類を含有することが好まし
い。なお、ここで変性樹脂類としては、前記の熱可塑性
樹脂あるいは各種エラストマー類があり、変性方法とし
ては、通常グラフト変性であるが、共重合体であっても
よい。変性樹脂類としては、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリオレ
フィン系エラストマー、ポリスチレン系樹脂を例示でき
る。
【0034】また、変性に用いられ不飽和カルボン酸と
しては、例えばアクリル酸,メタクリル酸,マレイン
酸,フマル酸,イタコン酸,クロトン酸,シトラコン
酸,ソルビン酸,メサコン酸,アンゲリカ酸などが挙げ
られ、またその誘導体としては、酸無水物,エステル,
アミド,イミド,金属塩などがあり、例えば無水マレイ
ン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,アクリル酸
メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アク
リル酸ブチル,マレイン酸モノエチルエステル,アクリ
ルアミド,マレイン酸モノアミド,マレイミド,N−ブ
チルマレイミド,アクリル酸ナトリウム,メタクリル酸
ナトリウムなどを挙げることができる。
【0035】これらの中で不飽和ジカルボン酸及びその
誘導体が好ましく、特に無水マレイン酸が好適である。
ここで、酸変性樹脂類として酸変性ポリオレフィン、特
に無水マレイン酸変成ポリプロピレンなどが例示でき
る。ここで不飽和カルボン酸やその誘導体の付加量ば
0.01〜20重量%、さらには、0.02〜10重量
%の範囲にあるものが好ましい。なお、ポリプロピレン
系樹脂に対して、酸変成ポリオレフィンは通常10重量
%以下の範囲で含有することができる。
【0036】つぎに、熱可塑性樹脂としてポリプロピレ
ン系樹脂を例として、具体的に説明する。ポリプロピレ
ン系樹脂のMI(メルトインデックス)としては、特に
制限はなく、全体としてのMIが、5〜1,000g/
10分、好ましくは10〜600g/10分である。な
お、本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品
は、ポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂とガラス
繊維を必須とするものであり、通常、ガラス繊維含有ポ
リプロピレン系樹脂マスターペレット、特に後記するガ
ラス繊維強化ポリプロピレン系樹脂ペレットとポリプロ
ピレン系樹脂ペレットとの混合物からなる成形材料が用
いられる。したがって、ガラス繊維含有ポリプロピレン
系樹脂マスターペレット中の,ポリプロピレン系樹脂と
ガラス繊維希釈用のポリプロピレン系樹脂ペレットは、
自ずから異なるMIのペレットを用いることが自由であ
り、自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品の曲げ強
度、曲げ剛性、衝撃強度、耐熱性、耐熱寸法安定性など
の特性、成形性を考慮して適宜決定できる。
【0037】しかしながら、本発明の自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品は、比較的成形時の金型キャビ
ティの厚みが薄く、かつ比較的繊維長の長いガラス繊維
を含有するものであり、成形性すなわち、溶融流動性が
良好であることが求められる。したがって、希釈用のポ
リプロピレン系樹脂のMIを10〜1,000g/10
分、好ましくは30〜600g/10分と比較的大きい
MIのポリプロピレン系樹脂を適宜選択することが望ま
しい。従来の一般的な射出成形では、溶融樹脂の流動性
を考慮して、一般にこのような大きいMIのポリプロピ
レン系樹脂を用いた場合衝撃強度が著しく低下し、実用
的でなくなるため、MIの上限にはおのずと制限があっ
た。
【0038】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品にあっては、ポリプロピレン系樹脂のMIが、
従来の一般的な射出成形法におけるMIよりも、格段と
大きく、すなわち、分子量を大幅に低く成形性の向上を
図ることができる。しかも、ガラス繊維の含有、ガラス
繊維の絡み合い、ガラス繊維のランダム分布、空隙の形
成などにより、軽量でありながら、本発明の自動車エン
ジンルーム内用軽量樹脂成形品としての特性を十分満足
する強度、耐熱性などの特性を得ることが可能になった
ものである。
【0039】本発明に用いる、例えばポリプロピレン系
樹脂の場合には、ホモポリプロピレン樹脂あるいは、耐
衝撃性のために、プロピレンと他のオレフィンとのブロ
ック共重合体、プロピレンと数重量%以下の他のオレフ
ィンとのランダム共重合体が好ましい。更に衝撃性を向
上するために、熱可塑性樹脂エラストマーや非晶質ない
し低結晶性のポリプロピレン系樹脂などを適宜含有させ
ることも可能である。
【0040】ここで熱可塑性エラストマーとしては、た
とえば、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー
(EPR)、エチレン・ブテン−1共重合体エラストマ
ー、エチレン・オクテン−1共重合体エラストマー、エ
チレン・プロピレン・ブテン−1共重合体エラストマ
ー、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体エラストマ
ー(EPDM)、エチレン・プロピレン・エチリデンノ
ルボルネン共重合体エラストマー、軟質ポリプロピレ
ン、軟質ポリプロピレン系共重合体などのオレフィン系
エラストマーがある。これらの内エチレン系エラストマ
ーの場合のエチレン含有量は通常40〜90重量%程度
である。これらのエラストマーとしては、ムーニー粘度
(ML1+4 100 )が通常5〜100、好ましくは10〜
60であるものが用いられる。
【0041】また、スチレン系エラストマーとしては、
たとえば、スチレン・ブタジエン共重合体エラストマ
ー、スチレン・イソプレン共重合体エラストマー、スチ
レン・ブタジエン・イソプレン共重合体エラストマー、
あるいはこれら共重合体の完全あるいは部分水添してな
るスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体エ
ラストマー(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピ
レン・スチレン共重合体(SEPS)などを例示でき
る。これらのエラストマーとしては、メルトインデック
ス(MI)〔JIS K7210に準拠し、200℃、
荷重5kgで測定〕が、0.1〜120g/10分、好
ましくは8〜100g/10分であるものが用いられ
る。
【0042】次に、ガラス繊維としては、各種繊維長の
ものが用いられ、本発明の自動車エンジンルーム内用軽
量樹脂成形品としての成形品中の、平均ガラス繊維長が
2〜20mm、特に3〜15mm程度の範囲となるもの
である。したがって、成形品中のガラス繊維の平均繊維
長が上記範囲を確保されれば、成形材料としては特に制
限はない。しかしながら、成形品中のガラス繊維長をあ
るレベルに保つため、一般的には、全長が3〜100m
m、好ましくは4〜50mmであり、この全長と等しい
長さのガラス繊維が互いに平行に配列され、ガラス繊維
の含有率が20〜80重量%であるガラス繊維強化熱可
塑性樹脂ペレットを用いることが好ましい。ここでガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、複数のガラス繊維
束を溶融樹脂中で引き抜き成形し、樹脂を含浸しストラ
ンドとし、3〜100mmに切断する公知の方法で得ら
れるものである。
【0043】ここで、ガラス繊維としては、E−ガラ
ス、S−ガラスなどのガラス繊維であって、その平均繊
維径が25μm以下のもの、好ましくは3〜20μmの
範囲のものである。ガラス繊維の径が3μm未満である
と、前記ガラス繊維強化ポリプロピレン系樹脂ペレット
の製造時にガラス繊維に樹脂がなじまず、樹脂が含浸す
るのが困難となる一方、20μmを超えると、外観が低
下するとともに、リブなどの細部に繊維が流れ難くなる
とともに、溶融混練時に切断、欠損が起こりやすくな
る。ガラス繊維は、カップリング剤で表面処理した後、
収束剤により、100〜10,000本、好ましくは、
150〜5,000本の範囲で束ねておくことが望まし
い。
【0044】カップリング剤としては、いわゆるシラン
系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来
からあるものの中から適宜選択することができる。例え
ば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用
できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用するの
が好ましい。
【0045】本発明で用いるガラス繊維強化熱可塑性樹
脂成形材料は、溶融時に含有するガラス繊維の絡み合い
の回復による膨張現象により、軽量の自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品が成形できるものであることが
必要である。したがって、本発明の自動車エンジンルー
ム内用軽量樹脂成形品の軽量化は、本質的にはガラス繊
維の成形時の弾性回復(スプリングバック)による膨張
現象によって達成されるものである。しかしながら、膨
張の補助として、少量の発泡剤を用いることができる。
【0046】ここで、発泡剤としては、特に限定される
ものではなく、それぞれの樹脂材料の溶融温度における
熱による分解などによってガスを発生する化学発泡剤や
物理発泡剤がある。化学発泡剤としては、シュウ酸誘導
体、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド、
アジド化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール、尿素お
よびその関連化合物、亜硝酸塩、水素化物、炭酸塩なら
びに重炭酸塩等が採用できる。さらに具体的に例示すれ
ば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ベンゼンスル
ホヒドラジド、N,N−ジニトロペンタメチレンテトラ
ミン、テレフタルアジド等が採用できる。また、物理発
泡剤としては、ペンタン、ブタン、フッ素化合物、水な
どがある。
【0047】これらの発泡剤は、成形材料ペレットと所
定量の発泡剤を加えて混合してもよいが、通常は、予
め、発泡剤と熱可塑性樹脂とのマスターバッチとして加
えることができる。発泡剤は、前記のガラス繊維強化熱
可塑性樹脂ペレットと希釈用の熱可塑性樹脂ペレットと
の合計100重量部に対して、通常0.01〜1重量
部、好ましくは、0.05〜0.5重量部の範囲であ
る。この発泡剤の添加量は、金型キャビティ容積の初期
の拡大時における膨張性の確保など、あくまでも補助的
な使用であり、ガラス繊維による膨張性を考慮して、適
宜決定できる。ここで発泡剤の含有量が一般の発泡成形
の場合のように多いと、ガスが成形品表面に漏洩し、シ
ルバーの発生など外観不良が発生しやすくなると共に、
成形品内部に大きな中空部が発生し成形品の均一性が阻
害される恐れがある。
【0048】さらに、本発明の自動車エンジンルーム内
用軽量樹脂成形品には、必要により、タルク、マイカ、
炭酸カルシウムなどの無機充填剤、アラミド繊維、ケプ
ラー繊維、ポリアリレート繊維、炭素繊維などの他の繊
維類、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤などの各種
安定剤、帯電防止剤、着色剤、核剤、過酸化物などを含
有することができる。特に、本発明の自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品は、過酷な温度条件下の使用で
長期的に安定した性能、さらには耐熱性、リサイクルも
考慮して、酸化防止剤が含有されていることが望まし
い。
【0049】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、硫黄系のものなどがある。ここでフェノール系酸化
防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オクタデシ
ル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフエニル)プロピオネート、4,4’ブチリデンビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチルフエノール、トリエ
チレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオネート〕、
3,9−ビス〔2−〔3(3−t−ブチル−4−ヒトロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−
1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなどが挙げられる。
【0050】また、リン系酸化防止剤としては、トリス
ノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−
ジ−ホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトール−ジホスファイト、2,2,−メチレ
ンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイトなどを挙げることができる。
【0051】硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−
3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’
−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテスラ
キス(3−ラウリルチオプロピオネート)などを挙げる
ことができる。これらの酸化防止剤は、成形品中に、重
量として、通常500〜10,000ppm、好ましく
は1,000〜5,000ppmである。これらの酸化
防止剤は通常熱可塑性樹脂を用いたマスターバッチとし
て添加される。なお、酸化防止剤は予め成形材料ペレッ
ト中に含有されている場合もあり、添加量はこれらを考
慮して決定される。
【0052】つぎに、本発明の自動車エンジンルーム内
用軽量樹脂成形品の製造方法を板状成形品の製造の場合
について、図面に基づいて説明する。図4は、自動車エ
ンジンルーム内用軽量樹脂成形品を成形するための、金
型の要部の概念図を示す。図4では、成形金型キャビテ
ィへのガラス繊維含有溶融樹脂の充填、圧縮、キャビテ
ィの拡張による膨張工程を説明することができる。
【0053】図4において、11は固定金型、12は可
動金型、13は成形金型キャビティ、14はスプルー、
15は射出溶融樹脂、16はガス注入管、17はガス排
気管をそれぞれ示す。本発明の自動車エンジンルーム内
用軽量樹脂成形品を成形するためには、図4から明らか
なように、成形金型キャビティ13の容積を変化できる
ことが必要である。通常は、金型開閉方向のキャビティ
厚みを変化できるものである。すなわち、可動金型12
を進退させる機能を有する射出成形装置が用いられる。
この射出成形機としては、一般に射出圧縮成形が可能な
成形機、あるいは、一般の射出成形機に可動金型移動装
置が装備された射出成形装置が用いられる。
【0054】本発明の軽量樹脂成形品の成形は、図4に
おいて、固定金型11に対して、可動金型12が鎖線で
示す位置、すなわち、成形金型キャビティのクリアラン
スがD1となる位置まで前進する。ついで、図示しない
ガラス繊維含有成形材料がスクリューにより溶融混練・
可塑化計量され、スプルー14を通り、成形金型キャビ
ティ13中に、成形金型キャビティクリアランスD2に
相当する量射出される。このD2は、次工程における圧
縮により成形金型キャビティ全体に充填、充満する量で
ある。
【0055】前記ガラス繊維含有溶融樹脂の射出時、溶
融樹脂の射出量は、成形金型キャビティ容積の通常2/
3以下であり、射出樹脂圧力は低く、また樹脂、ガラス
繊維の配向は少ないか実質的に起こらない。溶融樹脂の
射出開始後、通常数秒後に可動金型12を前進させるこ
とにより、溶融樹脂を圧縮し成形金型キャビティに完全
充填する。これにより、成形品の表面部は金型により冷
却が開始されるとともに、金型表面は、微小な凹凸まで
も完全に転写される。表面がある程度冷却されスキン層
が形成された後、可動金型12は、成形品厚みである成
形金型キャビティクリアランスD3の位置まで後退する
ことにより膨張させる。次いで、冷却することにより、
軽量樹脂成形品が成形され、可動金型12を開放するこ
とにより、軽量樹脂成形品が取り出される。
【0056】なお、図4においては、溶融樹脂の圧縮完
了時にさらなる圧縮代(固定金型と可動金型がさらに圧
縮可能なこと)としてのCを設けた例を示したが、Cが
ゼロとすることもできる。また、圧縮工程においては、
図4に示すように、成形金型キャビティクリアランスを
位置制御する場合の他、圧縮力により制御することもで
きる。特に、表皮材一体化成形の場合には、溶融樹脂の
完全充填と表皮材の損傷防止を考慮して、圧力制御する
ことが好ましい場合がある。
【0057】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹
脂成形品の製造方法は、基本的には前記方法であるが、
可動金型12の後退開始後に、ガス注入管16より、窒
素ガスなどを注入することができる。このガスの注入は
ガラス繊維による膨張を補助するとともに、膨張後にお
いて成形品を金型表面に押圧して、金型転写性、外観の
向上に寄与する。さらに、注入ガスの圧力を必要により
ある程度のレベルに制御しながら、排気し、成形品内に
ガスを流通させることにより、成形品の冷却を促進する
ことができる。このことは、空隙の形成により断熱状態
となった成形品を金型により冷却しなければならない不
都合に変えて、成形品の内部からの冷却を可能にするも
のであり、成形サイクルの改善に大きく寄与するもので
ある。なお、注入ガスとしては、特に、制限はないが、
窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスが好ましく用
いられる。また、ガス圧力は、0.01〜20MPaの
範囲、好ましくは、0.1〜5MPaの範囲で選定され
る。
【0058】また、前記ガスとしては、通常は室温のガ
スであるが、温度が15℃以下、好ましくは、0℃以下
の冷却用ガスを採用することもできる。この際に、揮発
性の水などの液体を同伴させると、より冷却効率が向上
する。さらに、前記ガスは、前記溶融樹脂を可塑化して
射出する射出装置のノズルの内部に設けられたガスノズ
ル、または、前記金型の内部に設けられたスプル、ラン
ナおよびキャビティのいずれかに開口されるガスノズ
ル、ガスピンから、繊維含有溶融樹脂の内部へ注入する
ことができる。これらのなかでも、金型に設けられたガ
スピン、特に、キャビティに開口されたガスピンから注
入するのが好ましい。
【0059】また上記には、本発明の一製造方法である
射出圧縮充填の例を示したが、成形品の形状、大きさな
どによっては、溶融樹脂の射出充填方法として、圧縮工
程を省くこともできる。しかし、前記したように、樹脂
の配向、ガラス繊維の配向防止、溶融樹脂の充填の容易
さ、金型転写性などが要求される場合には射出圧縮成形
方法の採用が好ましい。しかしながら、本発明の自動車
エンジンルーム内用軽量樹脂成形品は、外部、すなわち
人目に曝されるものではなく、外観よりも物性が優先す
るものであり、生産性、コストなどを考慮して成形方法
を適宜選択することができる。
【0060】また、本発明の製造方法では、前記金型
に、必要により成形品の表面を被覆一体化するための表
皮材を、成形前に予め装着させることができる。このよ
うに、予め成形前に表皮材が装着された金型を用いれ
ば、表面が表皮材で被覆一体化された自動車エンジンル
ーム内用軽量樹脂成形品が得られるようになる。ここ
で、表皮材としては、織布や不織布等の布、熱可塑性樹
脂シート、フイルム、合成皮革、熱可塑性樹脂の発泡シ
ート、および、模様等が印刷されたフィルム等の単層
材、ならびに、熱可塑性エラストマーや塩化ビニル樹脂
等の表皮材に、熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂の発泡体シ
ート等からまる裏地材を裏打ちした多層材が採用でき
る。なお、表皮材は成形品に全面被覆することもできる
し、部分被覆することもできる。
【0061】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるものではない。 実施例1 ガラス繊維(繊維径:13μm)が平行に配列し、その
含有量が65重量%、長さが16mmであるガラス繊維
強化ポリプロピレン系樹脂ペレット(無水マレイン酸変
性ポリプロピレンを3重量%含有)60重量部とメルト
インデックス(MI)〔230℃、2.16kg荷重〕
が60g/10分のポリプロピレン樹脂ペレット40重
量部および下記添加剤含有マスターバッチ(MB)ペレ
ツト3重量部を成形用材料とした。射出成形機は、型締
力:850t、ガラス繊維の破断を極力少なくするため
に圧縮比:1.8のスクリューを用いた。金型として図
1に示す、エンジンカバー〔概略寸法・L:430mm
×D:310mm×厚み:可変〕の成形用金型、成形金
型キャビティの容積を変更できるように、可動金型を進
退させるためのIPMユニット(出光石油化学株式会社
製)を装備した金型構造を有する射出成形装置である。
なお、金型には、キャビティ内への窒素ガスの注入、排
気設備を設けた。
【0062】成形材料を溶融混練可塑化計量した後、成
形金型キャビティ厚みを、1.7mmにセットし、この
1.7mmに相当する溶融樹脂(樹脂温度:250℃)
を射出、充填した。充填完了2秒後に、可動金型を金型
キャビティ厚みが4mmになるように後退させ膨張させ
た。可動金型後退開始2秒後に、ガスピンより3MPa
の窒素ガスを樹脂中に注入した。その後冷却固化、ガス
排気後、金型を開放してエンジンカバーを得た。評価結
果を第1表に示す。なお、成形品中のガラス繊維量は約
38重量%であった。平均ガラス繊維長、曲げ試験につ
いては、前記記載の方法によって測定した。また、騒音
低減率は、同じ組成、見かけ密度の板状成形品を用い、
その板状成形品より90mm径の円盤を切り出し、垂直
入射の吸音率を測定した。500Hz、750Hz、1
000Hzの吸音率を測定しその平均を騒音低減率とし
て示す。
【0063】酸化防止剤マスターバッチ(MB):ヒン
ダードフエノール系酸化防止剤:テトラキス〔メチレン
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン:イルガノックス107
6(チパ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)=10重
量%含有 比較例1 ガラス短繊維(繊維径:13μm、繊維長さ:3mm)
20重量%とメルトインデックス(MI)〔230℃、
2.16kg荷重〕が30g/10分のポリプロピレン
樹脂ペレット80重量%をドライブレンドした後溶融混
練することによりガラス繊維含有ポリプロピレン樹脂ペ
レットを得た。このペレット中の平均ガラス繊維長は
0.32mmであった。このガラス繊維含有ポリプロピ
レン樹脂ペレットを成形材料として、実施例1の成形金
型キャビティクリアランスを3mmに固定し、通常の射
出成形によりエンジンカバーを得た。評価結果を第1表
に示す。
【0064】比較例2 タルク(平均粒子径:2.3μm)40重量%とメルト
インデックス(MI)〔230℃、2.16kg荷重〕
が10g/10分のポリプロピレン樹脂ペレット60重
量%をドライブレンドした後溶融混練することによりタ
ルク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。このタル
ク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを成形材料として、
実施例1の成形金型キャビティクリアランスを3mmに
固定し、通常の射出成形によりエンジンカバーを得た。
評価結果を第1表に示す。
【0065】実施例2 ガラス繊維(繊維径:9μm)が平行に配列し、その含
有量が60重量%、長さが12mmであるガラス繊維強
化ポリプロピレン系樹脂ペレット(無水マレイン酸変性
ポリプロピレンを3重量%含有)50重量部、メルトイ
ンデックス(230℃、2.16kg荷重)が100g
/10分のポリプロピレン樹脂ペレット50重量部、添
加剤マスターバッチペレット(実施例1に同じ):3重
量部及び発泡剤マスターバッチ(MB)ペレット:永和
化成工業株式会社製:ポリスレンEE115(発泡剤含
有量:10重量%)0.2重量部をドライブレンドした
ものを成形用材料とし、成形装置は、実施例1と同じも
のを用いた。エンジンアンダーカバー〔概略寸法・L:
900mm×D:450mm×厚み:可変〕成形用金型
を装着した。成形材料を溶融混練・可塑化計量した後、
成形金型キャビティ厚みを、1.5mmにセットし、こ
の1.5mmに相当する溶融樹脂(樹脂温度:230
℃)を射出(金型温度:60℃)、充填した。溶融樹脂
の充填完了の2秒後に、可動金型を金型キャビティ厚み
が3.5mmになるように後退させ膨張させた。可動金
型後退開始1秒後にガスピンより、2MPaの窒素ガス
を注入した。その後冷却固化し、金型を開放してエンジ
ンアンダーカバーを得た。評価結果を第1表に示す。な
お、成形品中のガラス繊維含有量は約29重量%であっ
た。
【0066】比較例3 ガラス短繊維(繊維径:13μm、繊維長さ:3mm)
25重量%とメルトインデックス(MI)〔230℃、
2.16kg荷重〕が60g/10分のポリプロピレン
樹脂ペレット75重量%をドライブレンドした後溶融混
練することによりガラス繊維含有ポリプロピレン樹脂ペ
レットを得た。このペレット中の平均ガラス繊維長は
0.39mmであった。このガラス繊維含有ポリプロピ
レン樹脂ペレット100重量部と発泡剤マスターバッチ
(MB)ペレット:永和化成工業株式会社製:ポリスレ
ンEE115(発泡剤含有量:10重量%)5重量部を
ドライブレンドしたものを成形材料として、可動金型の
後退時の窒素ガスの注入を行わなかった以外は実施例2
と同様にしてエンジンアンダーカバーを得た。評価結果
を第1表に示す。
【0067】比較例4 タルク(平均粒子径:4.8μm)20重量%とメルト
インデックス(MI)〔230℃、2.16kg荷重〕
が30g/10分のポリプロピレン樹脂ペレット80重
量%をドライブレンドした後溶融混練することによりタ
ルク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。このタル
ク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを成形材料として、
実施例2の成形金型キャビティクリアランスを3mmに
固定し、通常の射出成形によりエンジンアンダーカバー
を得た。評価結果を第1表に示す。
【0068】実施例3 ガラス繊維(繊維径:13μm)が平行に配列し、その
含有量が65重量%、長さが16mmであるガラス繊維
強化ポリプロピレン系樹脂ペレット(無水マレイン酸変
性ポリプロピレンを3重量%含有)46重量部、メルト
インデックス(230℃、2.16kg荷重)が100
g/10分のポリプロピレン樹脂ペレット54重量部、
添加剤マスターバッチペレット(実施例1に同じ):3
重量部及び発泡剤マスターバッチ(MB)ペレット:永
和化成工業株式会社製:ポリスレンEE115(発泡剤
含有量:10重量%)2重量部をドライブレンドしたも
のを成形用材料とし、成形装置は、実施例1と同じもの
を用いた。タイミングベルトカバー〔概略寸法・L:3
60mm×D:150mm×厚み:可変〕成形用金型を
装着した。成形材料を溶融混練・可塑化計量した後、成
形金型キャビティ厚みを、1mmにセットし、この1m
mに相当する溶融樹脂(樹脂温度:250℃)を射出
(金型温度:40℃)、充填した。溶融樹脂の充填完了
の2秒後に、可動金型を金型キャビティ厚みが2mmに
なるように後退させ膨張させた。可動金型後退開始1秒
後にガスピンより、1MPaの窒素ガスを注入した。そ
の後冷却固化し、金型を開放してタイミングベルトカバ
ーを得た。評価結果を第1表に示す。なお、成形品中の
ガラス繊維含有量は約29重量%であった。
【0069】比較例5 ガラス短繊維(繊維径:13μm、繊維長さ:3mm)
20重量%とメルトインデックス(MI)〔230℃、
2.16kg荷重〕が60g/10分のポリプロピレン
樹脂ペレット75重量%をドライブレンドしたあと溶融
混練することによりガラス繊維含有ポリプロピレン樹脂
ペレットを得た。このペレット中の平均ガラス繊維長は
0.41mmであった。このガラス繊維含有ポリプロピ
レン樹脂ペレット100重量部と発泡剤マスターバッチ
(MB)ペレット:永和化成工業株式会社製:ポリスレ
ンEE115(発泡剤含有量:10重量%)5重量部を
ドライブレンドしたものを成形材料として、可動金型の
後退時の窒素ガスの注入を行わなかった以外は実施例3
と同様にしてタイミングベルトカバーを得た。評価結果
を第1表に示す。
【0070】比較例6 タルク(平均粒子径:2.3μm)30重量%とメルト
インデックス(MI)〔230℃、2.16kg荷重〕
が60g/10分のポリプロピレン樹脂ペレット70重
量%をドライブレンドした後溶融混練することによりタ
ルク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。このタル
ク含有ポリプロピレン樹脂ペレットを成形材料として、
実施例3の成形金型キャビティクリアランスを3mmに
固定し、通常の射出成形によりタイミングベルトカバー
を得た。評価結果を第1表に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量
樹脂成形品(エンジンカバー、エンジンアンダーカバ
ー、タイミングベルトカバーなど)は軽量化が達成され
るとともに、要求される曲げ強度、曲げ剛性を有すると
ともに、遮熱性、遮音性、吸音性を有する。また、外観
にすぐれ、必要により表面特性の改良のために表皮材を
一体成形でき、二次加工工程の省略により、コスト、生
産性にも優れる。さらに、熱可塑性樹脂を用いるため、
リサイクルによる再生使用が可能となる。したがって、
自動車の軽量化、ひいては省資源、省エネルギー、耐環
境性さらには車室内の静寂化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
形品のエンジンカバーの一例の概略図を示す。(A)は
平面図、(B)は(A)のX−X線断面図である。
【図2】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
形品のエンジンアンダーカバーの一例の概念図を示す。
(A)は平面図、(B)は、(A)のX−X線断面図で
ある。
【図3】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
形品のタイミングベルトカバーの一例の概念図を示す。
(A)は平面図、(B)は、(A)のX−X線断面図で
ある。
【図4】本発明の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
形品の一例である板状成形品を成形するための、金型要
部の概念図を示す。
【符号の説明】
1:エンジンカバー 2:平板部 3:枠状部 4:エンジンアンダーカバー 5:平板部 6:枠状部 7:タイミングベルトカバー 8:平板部 9:枠状部 10:凹凸部 11:固定金型 12:可動金型 13:成形金型キャビティ 14:スプルー 15:射出溶融樹脂 16:ガス注入管 17:ガス排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 309:08 Fターム(参考) 3D003 AA04 AA07 AA10 BB01 CA13 DA02 4F072 AA02 AA08 AB09 AD04 AD53 AE10 AE14 AF25 AK14 AL02 4F206 AA11 AB06 AB25 AH17 JA03 JA07 JN27 JN33 JQ81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維含有熱可塑性樹脂からなり、
    (A)ガラス繊維の含有量が15〜60重量%、(B)
    平均ガラス繊維長が2〜20mm、(C)平均見かけ密
    度が0.2〜0.9g/cm3 である自動車エンジンル
    ーム内用軽量樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 (A)ガラス繊維の含有量が20〜50
    重量%、(B)平均ガラス繊維長が3〜15mm、
    (C)平均見かけ密度が0.3〜0.8g/cm 3 であ
    る請求項1記載の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成
    形品。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が不飽和カルボン酸または
    その誘導体変性ポリオレフィンを0〜10重量%含有す
    るポリプロピレン系樹脂である請求項1または2記載の
    自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が酸化防止剤を0.2〜1
    重量%含有するものである請求項1〜3のいずれかに記
    載の自動車エンジンルーム内用軽量樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 軽量樹脂成形品が、エンジンカバーもし
    くはエンジンアンダーカバーまたはタイミングベルトカ
    バーである請求項1〜4のいずれかに記載の自動車エン
    ジンルーム内用軽量樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂と互いに平行に配列された
    15〜90重量%のガラス繊維を含み、長さが3〜10
    0mmであるガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを含
    む成形材料を溶融混練し、成形金型キャビティに射出あ
    るいは射出圧縮後、成形金型キャビティ容積を拡大して
    膨張成形する請求項1〜5のいずれかに記載の自動車エ
    ンジンルーム内用軽量樹脂成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形材料が、発泡剤を0.01〜1重量
    %含むものである請求項6記載の自動車エンジンルーム
    内用軽量樹脂成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 金型キャビティ容積を拡大開始後に溶融
    樹脂にガスを注入する請求項6または7記載の自動車エ
    ンジンルーム内用軽量樹脂成形品の製造方法。
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