JP2000257411A - 4サイクル内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

4サイクル内燃機関のデコンプ装置

Info

Publication number
JP2000257411A
JP2000257411A JP11061586A JP6158699A JP2000257411A JP 2000257411 A JP2000257411 A JP 2000257411A JP 11061586 A JP11061586 A JP 11061586A JP 6158699 A JP6158699 A JP 6158699A JP 2000257411 A JP2000257411 A JP 2000257411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decompression
shaft
pin
hydraulic
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11061586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4208329B2 (ja
Inventor
Tomonori Ikuma
智典 井熊
Nobuo Suzuki
宣生 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP06158699A priority Critical patent/JP4208329B2/ja
Priority to CA002298986A priority patent/CA2298986C/en
Priority to US09/512,792 priority patent/US6250271B1/en
Publication of JP2000257411A publication Critical patent/JP2000257411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4208329B2 publication Critical patent/JP4208329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/08Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for decompression, e.g. during starting; for changing compression ratio
    • F01L13/085Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for decompression, e.g. during starting; for changing compression ratio the valve-gear having an auxiliary cam protruding from the main cam profile

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でかつ軽量であって、しかも設定された
機関回転数を越えたとき確実にデコンプ作動を解除し
て、安定した機関始動を可能とする4サイクル内燃機関
のデコンプ装置を提供すること。 【解決手段】 4サイクル内燃機関のデコンプ装置は、
カム軸1に形成された軸穴21と、軸穴21に形成され
た油圧室30と、油圧室30の油圧に応じて往復動自在
なデコンプ軸25と、デコンプ軸25の第1位置で圧縮
行程時に排気弁を開弁駆動し、第2位置で排気弁の開弁
駆動を停止するデコンプピン24と、機関回転数に応じ
て回動するウエイト35に連動してリーク穴33を開閉
して、油圧室30の油圧を制御する油圧制御バルブ32
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、例えば船外機
に搭載される4サイクル内燃機関において、機関始動時
に、圧縮行程でのシリンダ内の圧縮圧力を減圧すること
により、始動を容易にするためのデコンプ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リコイルスタータなどの人力による始動
装置を備えた4サイクル内燃機関には、機関始動時に、
圧縮行程でのシリンダ内の圧縮圧力を減圧して始動を容
易にするためのデコンプ装置が設けられたものがある。
そして、そのようなデコンプ装置として、カム軸に設け
られて、該カム軸の径方向外方に突出するデコンプピン
を備えたものが知られている。この種のデコンプ装置で
は、機関始動時に、カム軸の径方向外方に突出したデコ
ンプピンが、圧縮行程時に排気弁を小リフト量開弁させ
ることで、機関始動時のシリンダ内の圧縮圧力が抜ける
ようになっている。
【0003】例えば、特開平9−49408号公報に記
載された内燃機関のデコンプ装置は、遠心力によりデコ
ンプ軸を回動してデコンプピンを突出させるものであ
る。この内燃機関は、船外機に搭載された4サイクル内
燃機関であって、リコイルスタータを備えている。そし
て、デコンプ装置は、カム軸の内部に回動自在に設けら
たデコンプ軸、デコンプピンおよび遠心クラッチ機構を
備えている。デコンプ軸には、排気側のカムに近接した
位置の外周の一部に切欠きが形成され、該切欠きに対向
する位置のカム軸に、ピン孔が形成されている。そし
て、ピン孔にはデコンプピンがカム軸の径方向に摺動自
在に挿入されている。遠心クラッチ機構は、クランク軸
のプーリに巻き掛けられたタイミングベルトが巻き掛け
られるカム軸のプーリの外側部に設けられていて、支持
ピンに回動自在に支持された一対のウエイトを備えてい
る。ウエイトは、該ウエイトに発生する遠心力により、
スプリングのバネ力に抗して外方に開くように回動し、
同時に該ウエイトに係合するデコンプ軸が、カム軸内で
回動するようになっている。
【0004】このようなデコンプ装置において、機関始
動時は、機関回転数が小さいため、ウエイトに発生する
遠心力も小さく、ウエイトがバネ力に抗して回動するこ
とはない。この状態では、デコンプピンは、デコンプ軸
の切欠きが形成されていない外周部分に当接しているた
め、デコンプピンの先端部がカム軸の表面(カムのベー
ス円部に相当)より所定長さ突出して、圧縮行程時に排
気弁が少し開弁され、圧縮圧力が抜けるようになってい
る。
【0005】機関の始動後は、機関回転数が上昇し、遠
心力によりウエイトが回動して、同時に、該ウエイトと
係合するデコンプ軸も、その切欠きがデコンプピンに対
向する位置まで回動する。この状態では、デコンプピン
は、該切欠きに嵌入して、カム軸の表面から突出してい
ないため、圧縮行程時に排気弁が開弁されることはな
い。
【0006】また、特開平8−21221号公報に記載
された内燃機関の減圧装置(デコンプ装置に相当)は、
油圧により作動軸(デコンプ軸に相当)を往復動させて
ピン(デコンプピンに相当)を移動させるものである。
減圧装置は、カムシャフトの内部に軸方向に往復動自在
に設けらた作動軸、ピンおよびピストンを備えている。
該ピンは、作動軸に、排気弁カム部分の円筒形の面(ベ
ース円部に相当)から突出した状態で固定され、さらに
カムシャフトに形成されたスロット内に収容されてい
る。該ピストンは、内燃機関により駆動されるオイルポ
ンプに発生する油圧を受けて、作動軸の端部と当接し、
作動軸を螺旋バネのバネ力に抗して軸方向に変位させる
ようになっている。
【0007】このような減圧装置において、機関始動時
は、機関回転数が小さいため、ピストンに作用する油圧
も小さく、ピストンが作動軸に当接しても、作動軸がバ
ネ力に抗して変位することはない。この状態では、ピン
はスロットの排気弁カム部分の端部に位置しているた
め、円筒形の面から突出しているピンにより、圧縮行程
時に排気弁が少し開弁され、圧縮圧力が抜けるようにな
っている。
【0008】機関の始動後は、機関回転数が上昇し、オ
イルポンプに発生する油圧が上昇して、ピストンがバネ
力に抗して作動軸を軸方向に変位させる。この状態で
は、ピンは、スロットの、排気弁カム部分から離れた側
の端部であって、ロッカーアームと係合しない位置にあ
るため、圧縮行程時に排気弁が開弁されることはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ウエイトに
発生する遠心力を利用してデコンプピンを移動させるデ
コンプ装置においては、機関回転数が設定値を越えたと
きデコンプ作動を解除するようにできるものの、その解
除を確実に行うためには、ウエイトを重くするか、モー
メントアームを長くして、所要の作動力を得なければな
らず、ウエイトが大型化する傾向がある。そのため、こ
のデコンプ装置は、油圧を利用したデコンプ装置に比べ
て、シリンダヘッド内のカム軸周りにより大きなスペー
スを確保する必要が生じて、内燃機関の大型化・重量増
を招いていた。
【0010】また、内燃機関により駆動されるオイルポ
ンプに発生する油圧を利用してデコンプピンを移動させ
るデコンプ装置は、油圧が設定値を越えたときデコンプ
作動を解除するものであり、小型・軽量である。ところ
が、油圧が前記設定値に達するときの機関回転数は、油
温によって変化するため、このデコンプ装置において
は、いかなる油温においても、機関回転数が設定値を越
えたときにデコンプ作動が解除されるようにすることは
困難である。
【0011】本出願発明は、このような事情に鑑みてな
されたものであって、小型でかつ軽量であって、しかも
設定された機関回転数を越えたとき確実にデコンプ作動
を解除して、安定した機関始動を可能とするデコンプ装
置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段および効果】本出願の請求
項1記載の発明は、排気弁を開弁駆動する排気カムが形
成されるとともに回転駆動されるカム軸の内部に軸方向
に形成された軸穴と、該軸穴に形成されて圧油が供給さ
れる油圧室と、前記軸穴に嵌合されて前記油圧室の油圧
に応じて第1位置および第2位置を占めるデコンプ軸
と、該デコンプ軸の前記第1位置で圧縮行程時に前記排
気弁を開弁駆動し、前記デコンプ軸の前記第2位置で前
記排気弁の開弁駆動を停止するデコンプピンと、機関回
転数が設定始動回転数以下のとき、前記油圧室の油圧を
前記デコンプ軸が前記第1位置を占める油圧とし、機関
回転数が前記設定始動回転数を越えたとき、前記油圧室
の油圧を前記デコンプ軸が前記第2位置を占める油圧に
する油圧制御バルブとを備えた4サイクル内燃機関のデ
コンプ装置である。
【0013】このような請求項1記載の発明によれば、
油圧により位置が制御されるデコンプ軸により、デコン
プピンによる排気弁の開弁駆動が制御されるので、ウエ
イトに発生する遠心力を利用してデコンプピンを移動さ
せるデコンプ装置に比べて、小型・軽量のデコンプ装置
とすることができる。しかも、デコンプ軸の位置を決め
る油圧室の油圧が、機関回転数に応じて作動する油圧制
御バルブにより制御されるため、機関回転数が設定始動
回転数を越えると油圧制御バルブが作動して、油圧室の
油圧を、デコンプ軸が第2位置を占めるような油圧とな
るように制御し、デコンプピンによる排気弁の開弁駆動
が停止されるので、設定された機関回転数において確実
にデコンプ作動を解除できるため、安定した機関始動が
可能となる。
【0014】請求項2記載の発明のように、請求項1記
載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置において、前記
油圧室は、該油圧室の圧油を前記カム軸の外部に流出さ
せるリーク穴を有し、前記油圧制御バルブは、機関回転
数が前記設定始動回転数以下のとき前記リーク穴を開放
し、機関回転数が前記設定始動回転数を越えたとき前記
リーク穴を閉塞することにより、油圧室の油圧の発生お
よび解除を、リーク穴の開閉のみで簡単に行うことがで
きるとともに、リーク穴から流出した圧油をカム軸近傍
の潤滑に利用できる。
【0015】請求項3記載の発明のように、請求項2記
載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置において、前記
油圧制御バルブは、前記カム軸に固定された支持ピンに
回動自在に支持されて機関回転数に応じて発生する遠心
力により回動するウエイトに連動して、機関回転数が前
記設定始動回転数以下のときのウエイトの挙動により前
記リーク穴を開放し、機関回転数が前記設定始動回転数
を越えたときのウエイトの挙動により前記リーク穴を閉
塞することにより、ウエイトを利用した簡単な構造によ
り、油圧制御バルブを機関回転数に応じて作動させるこ
とができる。また、ウエイトは、油圧制御バルブを駆動
できる程度のものであればよいため、小型のものでよ
く、ウエイトを使用しているにも拘わらず、小型・軽量
のデコンプ装置とすることができる。
【0016】請求項4記載の発明のように、請求項2ま
たは請求項3記載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置
において、前記デコンプピンは、前記カム軸に径方向に
形成されたピン穴に挿入されており、前記デコンプ軸
は、軸方向に往復動自在で、しかも前記第2位置を占め
るとき前記ピン穴と対向する位置に形成された環状溝を
有し、さらに前記デコンプピンは、前記デコンプ軸が前
記第1位置を占めるとき前記デコンプ軸の外周に当接し
て前記排気カムのベース円部より径方向外方に突出し、
前記デコンプ軸が前記第2位置を占めるとき前記環状溝
に嵌入して前記排気カムのベース円部より径方向内方に
後退することにより、ピン穴に挿入されたデコンプピン
が嵌入する第2位置にあるデコンプ軸に形成された溝
が、環状溝であることにより、カム軸の周方向の特定位
置において径方向に形成されたピン穴に対して、デコン
プ軸の位置は、その周方向位置には無関係に、その軸方
向の位置のみ合わせればよいことから、デコンプ軸の位
置決めが容易であり、さらにデコンプ軸がカム軸に対し
て回動したとしても、デコンプピンが確実に溝内に嵌入
できる。
【0017】請求項5記載の発明のように、請求項2な
いし請求項4のいずれか1項記載の4サイクル内燃機関
のデコンプ装置において、前記油圧室には、内燃機関に
より駆動されるオイルポンプにより圧送された圧油が絞
り部材を介して供給されることにより、リーク穴から流
出する圧油の流量と、機関回転数に比例する油圧を発生
するオイルポンプから絞り部材を介して油圧室に供給さ
れる圧油の流量とを適切に設定することにより、設定始
動回転数に達する前に、オイルポンプに発生する油圧
が、デコンプ軸を移動させることが可能な大きさとなっ
たときにも、油圧制御バルブがリーク穴を開放している
ときは、油圧室の油圧を、デコンプ軸が確実に第1位置
を占めるような油圧にすることが容易にでき、油圧制御
バルブがリーク穴を閉じたときは、油圧室の油圧を、デ
コンプ軸が速やかに第2位置を占めるような油圧にする
ことができる。
【0018】なお、この明細書において、始動回転数と
は、始動装置により始動された内燃機関が、完爆した
後、自力運転可能となる機関回転数を意味する。そし
て、設定始動回転数とは、デコンプ装置によるデコンプ
作動を解除するために予め設定した始動回転数を意味す
る。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本出願発明の一実施形態を図
1ないし図7を参照して説明する。図1ないし図7に図
示された本出願発明の一実施形態は、船外機に搭載され
る、リコイルスタータ付きの4サイクル2気筒内燃機関
のデコンプ装置である。
【0020】まず、図1に図示されたカム軸1を参照し
て、カム軸1を中心に、吸気弁および排気弁の動弁機構
について説明する。シリンダヘッド2に設けられて、鉛
直方向に延びるカム軸1には、その上端部にドリブンプ
ーリ3が取り付けられ、やはり鉛直方向に延びるクラン
ク軸(図示されず)の上端部には、ドライブプーリが取
り付けられている。該ドリブンプーリ3および該ドライ
ブプーリ間には、タイミングベルトが掛け渡されてい
て、カム軸1は、このタイミングベルトを介して伝達さ
れるクランク軸のトルクにより、クランク軸の回転と同
期して回転駆動される。
【0021】カム軸1には、ドリブンプーリ3の取り付
け部の下方に隣接して上ジャーナル部4aが、さらにカ
ム軸1の下端部に下ジャーナル部4bがそれぞれ形成さ
れている。そして、カム軸1は、これら両ジャーナル部
4a,4bにおいて、シリンダヘッド2に回転自在に支
持されている。また、上ジャーナル部4aの上部外周と
シリンダヘッド2との間には、オイルシール5が設けら
れている。さらに、上ジャーナル部4aの下端には、シ
リンダヘッド2に当接してカム軸1の上方への移動を阻
止する鍔状の上スラスト受け部6aが形成され、下ジャ
ーナル部4bの上端には、シリンダヘッド2に当接して
カム軸1の下方への移動を阻止する鍔状の下スラスト受
け部6bが形成されている。
【0022】そして、両スラスト受け部6a,6bの間
のカム軸1には、二つの気筒に対応して上カム形成部7
aおよび下カム形成部7bが設けられている。各カム形
成部7a,7bは、カム軸1の軸線を中心とする円弧状
のベース円部と、ベース円部より径方向外方に突出した
ノーズ部とを有している。そして、各カム形成部7a,
7bにおいて、軸方向の上部分が排気カム8を形成して
おり、軸方向の下部分が吸気カム9を形成している。な
お、両カム形成部7a,7bの間には、内燃機関の燃料
ポンプ駆動用カム10が形成されている。
【0023】また、シリンダヘッド2には、各気筒に対
応して吸気弁および排気弁が1個ずつ設けられている。
さらに、シリンダヘッド2には、それら吸気弁および排
気弁に対応して吸気ロッカーアームおよび排気ロッカー
アーム11が、略90度(または略270度)の位相差
を持って、ロッカーアーム軸に回動自在に取り付けられ
ている。この実施形態では、排気カム8および吸気カム
9を一つのカムプロフィールで共用しているため、ロッ
カーアームのスリッパー面を例えば前述のような位相差
をもって配置している。
【0024】それゆえ、カム軸1が、タイミングベルト
を介して伝達されるクランク軸のトルクにより回転駆動
されると、吸気ロッカーアームの一端および排気ロッカ
ーアーム11の一端にそれぞれ当接する吸気カム9およ
び排気カム8が、各ロッカーアームを回動させて、吸気
ロッカーアームの他端および排気ロッカーアーム11の
他端にそれぞれ当接する吸気弁および排気弁を、各カム
8,9のノーズ部の突出長さに対応したリフト量でそれ
ぞれ開弁駆動するようになっている。
【0025】つぎに、デコンプ装置の詳細な構造を説明
する。図1は、デコンプ作動時のデコンプ装置の断面図
であり、図2は、デコンプ非作動時のデコンプ装置の断
面図である。なお、図1および図2においては、破断線
を境に異なる周方向位置での断面が示されている。
【0026】カム軸1の内部には、カム軸1と同軸にそ
の軸方向に延びる軸穴21が形成されている。軸穴21
は、カム軸1の下端面から上ジャーナル部4aに渡って
形成され、その上端は閉塞され、その下端は開口してい
る。この軸穴21は、後述するデコンプ軸25が嵌合さ
れる小径部21aと、小径部21aより径の大きい大径
部21bとを有する段付きの穴となっている。そして、
大径部21bは、カム軸1の下端面から下スラスト受け
部6bに至る長さで軸方向に延びている。
【0027】さらに、カム軸1の、各排気カム8の上方
に近接して、排気ロッカーアーム11が当接可能な位置
に、カム形成部7a,7bのノーズ部の径方向に最も突
出した点のカム軸1周方向位置と同じ周方向位置におい
て、カム軸軸線と直交する中心線を有する貫通穴が、カ
ム形成部7a,7bのノーズ部側からカム形成部7a,
7bのベース円部側に、カム軸1をその径方向に貫通し
て形成されている。図5および図6にも図示されるよう
に、貫通穴のベース円部側の穴は、後述するデコンプピ
ン24が収容されるピン穴22を構成しており、小径部
22aと、小径部22aより径の大きい大径部22bと
を有する段付きの穴である。大径部22bは、軸穴21
の小径部21aの周壁面より所定長さ径方向外方に延び
た位置まで形成されており、小径部22aは、大径部2
2bの延びた位置からカム軸1の外周の開口まで形成さ
れている。また、それら貫通穴のノーズ部側の穴は、デ
コンプピンをピン穴22に挿入するための挿入穴23を
構成しており、ピン穴22の大径部22bと同じ径を有
していて、カム軸1の外周から軸穴21に至る穴であ
る。
【0028】各ピン穴22には、デコンプピン24が挿
入されていて、該デコンプピン24は、ピン穴22の軸
方向(カム軸1の径方向)に摺動自在である。デコンプ
ピン24は、ピン穴22の小径部22aおよび大径部2
2bに対応して、小径部24aと、小径部24aより径
の大きい大径部24bとを有する段付きのピンである。
大径部24bの軸方向長さは、大径部24bの底面が、
後述するデコンプ軸25の大径部の外周に当接した状態
で、デコンプピン24の段部24cがピン穴22の段部
22cに当接する長さとされる。また、デコンプピン2
4の軸方向長さは、大径部24bの底面が、デコンプ軸
25の大径部25bの外周に当接した状態で、小径部2
4aの先端が、各カム形成部7a,7b(排気カム8)
のベース円部より径方向外方に所定長さ突出するように
されている。この所定長さは、排気弁のリフト量を決め
るものであり、機関始動時において、圧縮行程時になす
べきシリンダ内の減圧の程度を考慮して適宜決定され
る。
【0029】図1および図2に図示されるように、軸穴
21の小径部21aには、デコンプ軸25がカム軸1の
軸方向に摺動して往復動自在に嵌合されている。デコン
プ軸25は、その上端部に形成された小径部25aと、
それより下方位の、小径部25aより径の大きい大径部
25bとを有する段付きの軸である。そして、軸穴21
の閉塞された上端とデコンプ軸25の段部25cとの間
には、小径部25aを囲んで遊嵌された状態で、軸スプ
リング26が縮設されている。デコンプ軸25は、この
軸スプリング26のバネ力により、その下端面が抜け止
めピン27に当接するように付勢されている。そして、
抜け止めピン27に当接しているときのデコンプ軸25
の位置が、デコンプ軸25の第1位置である。なお、抜
け止めピン27は、下カム形成部7bの吸気カム9の下
方で、軸穴21を直径方向に横切る態様で、カム軸1に
固定されている。
【0030】デコンプ軸25の下端面は、後述する油圧
室30の油圧を受ける受圧面となっていて、この下端面
に作用する油圧に基づく力が、軸スプリング26のバネ
力より大きくなると、デコンプ軸25は上方に移動し
て、小径部25aの上端面が軸穴21の上端に当接した
状態で停止する。そして、小径部25aの上端面が上端
に当接しているときのデコンプ軸25の位置が、デコン
プ軸25の第2位置である。
【0031】第2位置にあるデコンプ軸25の大径部2
5bには、ピン穴22に対向する位置に、環状溝28が
形成されている。この環状溝28には、デコンプピン2
4による排気弁の開弁駆動を停止するために、排気ロッ
カーアーム11に当接したデコンプピン24が嵌入する
ようになっている。それゆえ、環状溝28の深さは、環
状溝28にデコンプピン24が嵌入して、環状溝28の
底壁面にデコンプピン24の大径部24bの底面が当接
した状態で、デコンプピン24の先端面がカム形成部7
a,7b(排気カム8)のベース円部より径方向内方に
後退した位置となる深さに設定されている。なお、環状
溝28の底壁面にデコンプピン24の大径部24bの底
面が当接しているとき、デコンプピン24の大径部24
bの一部は、ピン穴22の大径部22bに嵌合してい
る。
【0032】このように、デコンプピン24が嵌入する
デコンプ軸25の溝が環状溝28であるため、カム軸1
の周方向の特定位置に形成されたピン穴22に対して、
デコンプ軸25の位置は、その周方向位置には無関係
に、その軸方向の位置のみ合わせればよいことから、ピ
ン穴22に対するデコンプ軸25の位置決めが容易であ
り、さらにデコンプ軸25がカム軸1に対して回動した
としても、デコンプピン24が確実に溝内に嵌入でき
る。さらに、環状溝28の上側壁面は、環状溝28の底
壁面からデコンプ軸25の外周に向かって斜め上方に傾
斜していて、デコンプ軸25が第1位置と第2位置との
間で往復動する際に、デコンプピン24が環状溝28に
出入りするとき、この傾斜した上側壁面を利用してスム
ーズに出入りできるようになっている。
【0033】軸穴21において、軸穴21の段部21c
には絞り部材29が配置され、さらにデコンプ軸25の
下端面と絞り部材29の上端面との間には油圧室30が
形成されている。この油圧室30には、内燃機関により
駆動されるオイルポンプから圧送された圧油が、シリン
ダヘッド2に形成されたオイル通路31を介して、さら
に絞り部材29のオリフィスを通って供給される。この
オイルポンプは、機関回転数に比例する油圧を発生する
ものであり、デコンプ作動を解除する機関回転数である
設定始動回転数に達する前に、その油温に関わらず、発
生する油圧が、デコンプ軸25を軸スプリング26のバ
ネ力に抗して移動させることができる大きさとなるよう
に設定してある。なお、オイルポンプは、例えばトロコ
イド式ポンプであって、そのローターの軸をカム軸1の
下端に合わせるようにして、カム軸1に直結されて駆動
されるものであってもよい。
【0034】そして、油圧室30に流入する圧油の流量
は、絞り部材29に形成されたオリフィスの大きさを変
えることにより、調整可能である。したがって、後述す
るリーク穴33から流出する圧油の流量と、絞り部材2
9を介して油圧室30に供給される圧油の流量を適切に
設定することにより、設定始動回転数に達する前に、オ
イルポンプに発生する油圧が、デコンプ軸25を軸スプ
リング26のバネ力に抗して移動できる大きさとなるよ
うに設定してあっても、後述する油圧制御バルブ32が
リーク穴33を開放しているときは、油圧室30の油圧
を、デコンプ軸25が確実に第1位置を占めるような油
圧にすることができる。そして、油圧制御バルブ32が
リーク穴33を閉じたときは、既に、デコンプ軸25を
移動させることができる大きさとなっている油圧を有す
る圧油で油圧室30が満たされるため、デコンプ軸25
が速やかに第2位置を占めるように移動する。
【0035】図3および図4にも図示されるように、油
圧制御バルブ32は、円柱形状の弁本体部32aと、弁
本体部32aの一端に形成された円錐形状をした弁部3
2bと、弁本体部32aの他端に形成された切欠き部3
2cとからなる。この油圧制御バルブ32は油圧室30
を横切るようにしてカム軸1に形成された後述する穴に
嵌合されている。そして、切欠き部32cは、カム軸1
の外部に位置していて、油圧制御バルブ32の軸方向に
平行な平面が形成されるように、円柱の一部を切除した
ものであり(図7参照)、それによって形成された平面
部に後述するウエイト35の係合溝35dに係合し、カ
ム軸軸線と平行に延びる係合ピン32dが植設されてい
る。
【0036】一方、油圧室30を形成しているカム軸1
の部分には、抜け止めピン27の設置位置より下方に、
カム軸軸線と直交する中心線を有し、カム軸1を貫通す
る貫通穴が径方向に形成されている。貫通穴は、直径方
向に対向するカム軸1の外周から油圧室30に至る一対
の穴からなる。そして、この貫通穴の一方の穴は、油圧
室30の圧油をカム軸1の外部に流出させるためのリー
ク穴33を構成しており、油圧制御バルブ32の弁部3
2bが着座する弁座を有していて、油圧制御バルブ32
により開閉されるようになっている。また、貫通穴の他
方の穴には、この油圧制御バルブ32の弁本体部32a
が摺動して往復動自在に嵌合されており、この他方の穴
は油圧制御バルブ32を案内するための案内穴34とな
っている。なお、案内穴34の周壁面と弁本体部32a
の外周面との間にはシール部材を設けることもできる。
【0037】つぎに、図3および図7を参照して、ウエ
イト35について説明する。ウエイト35は、ウエイト
部35aとボス部35bとアーム部35cとからなる。
ボス部35bには、一端が下スラスト受け部6bに、他
端が下カム形成部7bのノーズ部に固定された支持ピン
36が挿入されていて、ウエイト35は、この支持ピン
36に回動自在に支持されている。支持ピン36は、カ
ム軸軸線と平行となるように配置され、下スラスト受け
部6bに形成された穴を貫通して、下カム形成部7bの
ノーズ部下端に形成された有底の穴に挿入されている。
ボス部35bの上端面は下カム形成部7bの吸気カム9
の下端面に当接しており、ボス部35bの下端面は、下
スラスト受け部6bの上端面に当接している。そのた
め、ウエイト35は上下方向にぶれることなく回動が可
能である。下スラスト受け部6b寄りのボス部35bの
周囲には、ウエイトスプリング37が遊嵌されている。
ウエイトスプリング37の一端は、カム軸1の外周に当
接し、その他端はウエイト部35aの端部に当接してい
て、その捩りバネ力により、ウエイト35は、ウエイト
部35aの内周がカム軸1の外周に当接するように付勢
されている。
【0038】また、ウエイト部35aは、リングをその
中心線を含む平面で略半分にした半リングの形状をして
いて、下スラスト受け部6bおよび下カム形成部7bと
の間にあって、ボス部35bからカム軸1の外周に沿っ
て延びている。ウエイト部35aには、ウエイトスプリ
ング37のバネ力によりウエイト部35aの内周がカム
軸1の外周に当接している状態で、リーク穴33に対向
する部分に、リーク穴33から流出するオイルの流れを
妨げないようにするための流出溝35eが、径方向に形
成されている。
【0039】アーム部35cは、ボス部35bから、ウ
エイト部35aが形成されている方向とは逆方向にカム
軸1の外周に沿って延びており、その先端部には、油圧
制御バルブ32の係合ピン32dと係合する断面がコ字
状の係合溝35dが形成されている。
【0040】したがって、この係合溝35dと係合ピン
32dの係合により、油圧制御バルブ32は、後述する
ように、カム軸1の回転に応じて発生する遠心力により
支持ピン36周りに回動し得るウエイト35の挙動に連
動して、リーク穴33を開閉するようになっている。
【0041】すなわち、機関回転数が設定始動回転数以
下のときは、ウエイト部35aに発生する遠心力による
支持ピン36周りのモーメントは、ウエイトスプリング
37のバネ力による支持ピン36周りのモーメントより
大きくないため、流出溝35eがリーク穴33と整合
し、そしてウエイト部35aの内周がカム軸1の外周と
当接している状態で、ウエイト35はカム軸1に対して
静止している。このとき、係合溝35dと係合ピン32
dとは、油圧制御バルブ32がリーク穴33を開放する
態様で係合している。
【0042】そして、機関回転数が設定始動回転数を越
えると、ウエイト部35aに発生する遠心力による支持
ピン36周りのモーメントが、ウエイトスプリング37
のバネ力による支持ピン36周りのモーメントより大き
くなって、ウエイト部35aの内周がカム軸1の外周か
ら離れる方向に、ウエイト35が回動する。このとき
は、係合溝35dと係合ピン32dとの係合により、ウ
エイト35のアーム部35cが、カム軸1の外周に接近
する方向へ回動することにより、油圧制御バルブ32が
弁座に向けて移動してリーク穴33を閉塞する。
【0043】このように、ウエイト35は、機関回転数
を検知する機構を構成し、さらに油圧制御バルブ32を
駆動する機構を構成している。
【0044】つぎに、図1ないし図7を参照して、この
実施形態の動作を説明する。内燃機関の停止時は、ウエ
イトスプリング37の捩りバネ力により、ウエイト部3
5aの内周はカム軸1の外周に押し付けられ、かつ油圧
制御バルブ32は弁座から離れた位置に保持されるた
め、リーク穴33は開放されている。また、デコンプ軸
25は、軸スプリング26のバネ力により第1位置を占
めている。
【0045】内燃機関が、リコイルスタータにより始動
されると、クランク軸の回転がタイミングベルトを介し
てカム軸1に伝達されて、カム軸1が回転駆動されると
同時に、オイルポンプも駆動される。オイルポンプより
圧送された圧油は、オイル通路31を経てカム軸1の下
端に供給され、さらに絞り部材29を通って油圧室30
に流入する。
【0046】一方、この始動期間中の機関回転数でのカ
ム軸1の回転によりウエイト部35aに発生する遠心力
は小さく、該遠心力に基づいてウエイト35に作用する
支持ピン36周りのモーメントは、ウエイトスプリング
37の捩りバネ力によるモーメントよりも小さいため、
ウエイト35および油圧制御バルブ32は内燃機関停止
時の状態のままとなっている。そのため、図3に図示さ
れるように、油圧室30に流入した圧油は、開放されて
いるリーク穴33から流出している。そして、この流出
した圧油は、カム軸1の近傍の潤滑に利用できる。
【0047】また、オイルポンプに発生する油圧は、機
関回転数に比例して上昇するが、油圧室30に流入する
圧油の流量は、開放しているリーク穴33から流出する
圧油の流量を考慮して、絞り部材29により調整されて
いるため、油圧室30の油圧は、デコンプ軸25が軸方
向に移動することがない程度の油圧としている。すなわ
ち、オイルポンプに発生する油圧が、軸スプリング26
のバネ力に抗して、デコンプ軸25を移動させるに大き
さに達していないときはもちろんであるが、前述のよう
に、設定始動回転数に達する前に、オイルポンプに発生
する油圧が、デコンプ軸25を移動させることが可能な
大きさとなったときにも、その大きさの油圧を有する圧
油は、リーク穴33から流出する圧油の流量を考慮して
設定された絞り部材29のオリフィスを介して油圧室3
0に導入されているため、リーク穴33が開放されてい
る限り、油圧室30には軸スプリング26のバネ力に打
ち勝ってデコンプ軸25を上方に移動させる大きさの油
圧が存在しない。その結果、デコンプ軸25は図1に図
示された第1位置にあり、デコンプピン24はデコンプ
軸25の外周に当接して、デコンプピン24の小径部2
4aの先端面がカム形成部7a,7bのベース円部より
径方向外方に所定長さ突出している。そして、図5に図
示されるように、内燃機関の圧縮行程時に、このデコン
プピン24のこの所定長さに対応したリフト量で排気弁
が開弁されるため、シリンダ内の圧縮圧力が抜けて減圧
される。
【0048】その後、機関が始動して自力運転可能とな
り、機関回転数が設定始動回転数に達し、それを越える
と、図4に図示されるように、ウエイト部35aに発生
する遠心力に基づいてウエイト35に作用する支持ピン
36周りのモーメントが、ウエイトスプリング37の捩
りバネ力によるモーメントよりも大きくなるため、ウエ
イト35が支持ピン36の周りに回動し、同時に、ウエ
イト35が係合溝35dを介して係合ピン32dを押圧
することで、油圧制御バルブ32の弁部32bが弁座に
向かって移動してリーク穴33を閉塞する。
【0049】この時、オイルポンプに発生する油圧は、
既にデコンプ軸25を軸スプリング26のバネ力に抗し
て移動させることができる大きさに達しているため、油
圧室30はその大きさの油圧を持った圧油により満たさ
れるので、デコンプ軸25は、軸スプリング26のバネ
力に抗して速やかに上方に移動して、図2に図示される
第2位置を占める。この状態では、デコンプピン24の
大径部24bの底部が環状溝28と対向している。した
がって、ピストンが圧縮行程中に、排気ロッカーアーム
11がデコンプピン24の先端に当接すると、図6に図
示されるように、デコンプピン24は環状溝28に嵌入
するので、排気弁が開弁することはない。その結果、デ
コンプ作動が解除される。
【0050】以後、設定始動回転数を越えた状態での内
燃機関の運転時は、ウエイト35に発生する遠心力によ
るモーメントにより、油圧制御バルブ32は弁座に向け
てウエイト35に押圧され続けるので、リーク穴33の
閉塞状態が維持される。
【0051】前記実施形態は以上のように構成されてい
るので、次の効果を奏する。オイルポンプの圧油が供給
される油圧室30の油圧によりデコンプ軸25の位置が
制御されて、デコンプピン24による排気弁の開弁駆動
が制御されるので、遠心力により回動するウエイト35
がデコンプピン24を移動させるデコンプ装置に比べ
て、小型・軽量のデコンプ装置とすることができる。し
かも、デコンプ軸25の位置を決める油圧室30の油圧
は、機関回転数に応じて回動するウエイト35の挙動を
油圧制御バルブ32と連動させることで、機関回転数に
応じて油圧制御バルブ32が制御されるため、機関回転
数が設定始動回転数を越えると油圧制御バルブ32が作
動して、油圧室30の油圧を、デコンプ軸25が第2位
置を占めるような油圧となるように制御し、デコンプピ
ン24による排気弁の開弁駆動が停止されるので、設定
された機関回転数において確実にデコンプ作動を解除で
きるため、安定した機関始動が可能となる。
【0052】ウエイト35がカム軸1に固定された支持
ピン36に回動自在に支持され、機関回転数に応じて発
生する遠心力により回動するウエイト35の挙動を油圧
制御バルブ32と連動させたので、ウエイト35を利用
した簡単な構造により、油圧制御バルブ32を機関回転
数に応じて作動させることができる。また、ウエイト3
5は、油圧制御バルブ32を駆動できる程度のものであ
ればよいため、小型のものでよく、ウエイト35を使用
しているにも拘わらず、小型・軽量のデコンプ装置とす
ることができる。
【0053】油圧室30の圧油をカム軸1の外部に流出
させるリーク穴33を油圧制御バルブ32で開閉するこ
とにより、油圧室30の油圧を制御するので、油圧室3
0の油圧の発生および解除を、リーク穴33の開閉のみ
で簡単に行うことができるとともに、リーク穴33から
流出した圧油をカム軸1の近傍の潤滑に利用できる。
【0054】デコンプ軸25に形成された溝が、環状溝
28であることにより、カム軸1の周方向の特定位置に
おいて径方向に形成されたピン穴22に対して、デコン
プ軸25の位置は、その周方向位置には無関係に、その
軸方向の位置のみ合わせればよいことから、デコンプ軸
25の位置決めが容易であり、さらにデコンプ軸25が
カム軸1に対して回動したとしても、デコンプピン24
が確実に溝内に嵌入できる。
【0055】デコンプ軸25の環状溝28の上側壁面
は、環状溝28の底壁面からデコンプ軸25の外周に向
かって斜め上方に傾斜しているので、デコンプ軸25が
第1位置と第2位置との間で往復動する際に、デコンプ
ピン24が環状溝28に出入りするとき、この傾斜した
上側壁面を利用してスムーズに出入りできるようになっ
ている。
【0056】リーク穴33を有する油圧室30には、内
燃機関により駆動されるオイルポンプからの圧油を絞り
部材29を介して供給しているため、リーク穴33から
流出する圧油の流量と、機関回転数に比例する油圧を発
生するオイルポンプから絞り部材29を介して油圧室3
0に供給される圧油の流量とを適切に設定することによ
り、設定始動回転数に達する前に、オイルポンプに発生
する油圧が、デコンプ軸25を移動させることが可能な
大きさとなったときにも、油圧制御バルブ32がリーク
穴33を開放しているときは、油圧室30の油圧を、デ
コンプ軸25が確実に第1位置を占めるような油圧にす
ることが容易にでき、油圧制御バルブ32がリーク穴3
3を閉じたときは、油圧室30の油圧を、デコンプ軸2
5が速やかに第2位置を占めるような油圧にすることが
できる。
【0057】なお、前記実施形態では、内燃機関は、船
外機に搭載されたが、船外機以外に、車両またはその他
の機器に搭載されてもよい。また、始動装置は、リコイ
ルスタータであったが、キックスタータであってもよ
い。
【0058】前記実施形態では、カム軸1は排気カム8
と吸気カム9とが形成されているものであったが、排気
カムのみが形成されているカム軸であってもよい。
【0059】前記実施形態では、デコンプピン24の大
径部24bの軸方向長さは、大径部24bの底面がデコ
ンプ軸25の大径部25bの外周に当接した状態で、デ
コンプピン24の段部24cがピン穴22の段部22c
に当接する長さとされていたが、大径部24bの底面が
デコンプ軸25の大径部25bの外周に当接した状態
で、デコンプピン24の段部24cとピン穴22の段部
22cとの間に間隙が形成されるようにして、この間隙
に、デコンプピン24を径方向内方に付勢するスプリン
グを設けてもよい。そのようにすると、そのスプリング
により、デコンプピン24を環状溝28の底壁面に押し
つけておくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の一実施形態である4サイクル内燃
機関のデコンプ装置の、デコンプ作動時の断面図であ
る。
【図2】図1の4サイクル内燃機関のデコンプ装置の、
デコンプ非作動時の断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】図3のVII方向矢視図である。
【符号の説明】
1…カム軸、2…シリンダヘッド、3…ドリブンプー
リ、4a,4b…ジャーナル部、5…オイルシール、6
a,6b…スラスト受け部、7a,7b…カム形成部、
8…排気カム、9…吸気カム、10…燃料ポンプ駆動用
カム、11…排気ロッカーアーム、21…軸穴、22…
ピン穴、23…挿入穴、24…デコンプピン、25…デ
コンプ軸、26…軸スプリング、27…抜け止めピン、
28…環状溝、29…絞り部材、30…油圧室、31…
オイル通路、32…油圧制御バルブ、33…リーク穴、
34…案内穴、35…ウエイト、36…支持ピン、37
…ウエイトスプリング。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気弁を開弁駆動する排気カムが形成さ
    れるとともに回転駆動されるカム軸の内部に軸方向に形
    成された軸穴と、該軸穴に形成されて圧油が供給される
    油圧室と、前記軸穴に嵌合されて前記油圧室の油圧に応
    じて第1位置および第2位置を占めるデコンプ軸と、該
    デコンプ軸の前記第1位置で圧縮行程時に前記排気弁を
    開弁駆動し、前記デコンプ軸の前記第2位置で前記排気
    弁の開弁駆動を停止するデコンプピンと、機関回転数が
    設定始動回転数以下のとき、前記油圧室の油圧を前記デ
    コンプ軸が前記第1位置を占める油圧とし、機関回転数
    が前記設定始動回転数を越えたとき、前記油圧室の油圧
    を前記デコンプ軸が前記第2位置を占める油圧にする油
    圧制御バルブとを備えたことを特徴とする4サイクル内
    燃機関のデコンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧室は、該油圧室の圧油を前記カ
    ム軸の外部に流出させるリーク穴を有し、前記油圧制御
    バルブは、機関回転数が前記設定始動回転数以下のとき
    前記リーク穴を開放し、機関回転数が前記設定始動回転
    数を越えたとき前記リーク穴を閉塞することを特徴とす
    る請求項1記載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧制御バルブは、前記カム軸に固
    定された支持ピンに回動自在に支持されて機関回転数に
    応じて発生する遠心力により回動するウエイトに連動し
    て、機関回転数が前記設定始動回転数以下のときのウエ
    イトの挙動により前記リーク穴を開放し、機関回転数が
    前記設定始動回転数を越えたときのウエイトの挙動によ
    り前記リーク穴を閉塞することを特徴とする請求項2記
    載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記デコンプピンは、前記カム軸に径方
    向に形成されたピン穴に挿入されており、前記デコンプ
    軸は、軸方向に往復動自在で、しかも前記第2位置を占
    めるとき前記ピン穴と対向する位置に形成された環状溝
    を有し、さらに前記デコンプピンは、前記デコンプ軸が
    前記第1位置を占めるとき前記デコンプ軸の外周に当接
    して前記排気カムのベース円部より径方向外方に突出
    し、前記デコンプ軸が前記第2位置を占めるとき前記環
    状溝に嵌入して前記排気カムのベース円部より径方向内
    方に後退することを特徴とする請求項2または請求項3
    記載の4サイクル内燃機関のデコンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧室には、内燃機関により駆動さ
    れるオイルポンプにより圧送された圧油が絞り部材を介
    して供給されることを特徴とする請求項2ないし請求項
    4のいずれか1項記載の4サイクル内燃機関のデコンプ
    装置。
JP06158699A 1999-03-09 1999-03-09 4サイクル内燃機関のデコンプ装置 Expired - Fee Related JP4208329B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06158699A JP4208329B2 (ja) 1999-03-09 1999-03-09 4サイクル内燃機関のデコンプ装置
CA002298986A CA2298986C (en) 1999-03-09 2000-02-17 A decompression device of a four-stroke cycle internal combustion engine
US09/512,792 US6250271B1 (en) 1999-03-09 2000-02-25 Decompression device of a four-stroke-cycle internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06158699A JP4208329B2 (ja) 1999-03-09 1999-03-09 4サイクル内燃機関のデコンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000257411A true JP2000257411A (ja) 2000-09-19
JP4208329B2 JP4208329B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=13175409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06158699A Expired - Fee Related JP4208329B2 (ja) 1999-03-09 1999-03-09 4サイクル内燃機関のデコンプ装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6250271B1 (ja)
JP (1) JP4208329B2 (ja)
CA (1) CA2298986C (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1247951A2 (en) * 2001-04-05 2002-10-09 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Multi-cylinder engine
US6988477B2 (en) 2002-07-01 2006-01-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for an internal combustion engine and control method thereof
JP2009180104A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd エンジンのデコンプ装置
JP2018507983A (ja) * 2015-03-13 2018-03-22 バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト デコンプ装置を有したカムシャフト

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3705726B2 (ja) * 1999-12-15 2005-10-12 川崎重工業株式会社 自動デコンプ装置
US6672269B1 (en) 2002-07-18 2004-01-06 Kohler Co. Automatic compression release mechanism
US6978751B2 (en) * 2002-07-18 2005-12-27 Kohler Co. Cam follower arm for an internal combustion engine
DE10253231B3 (de) * 2002-11-15 2004-02-12 Dr.Ing.H.C. F. Porsche Ag Automatische Dekompressionsvorrichtung für ventilgesteuerte Brennkraftmaschinen
JP2005233176A (ja) * 2004-01-22 2005-09-02 Yamaha Motor Co Ltd デコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジン
US7228832B2 (en) * 2004-03-23 2007-06-12 Tecumseh Products Company Internal combustion engine with translatable camshaft
AT501030B1 (de) * 2004-06-03 2006-10-15 Avl List Gmbh Dekompressionseinrichtung für eine brennkraftmaschine
JP4234653B2 (ja) * 2004-09-03 2009-03-04 ヤマハ発動機株式会社 エンジンのデコンプ装置
JP2006291778A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Yamaha Motor Co Ltd デコンプ装置及び車両
JP4549321B2 (ja) * 2006-07-14 2010-09-22 本田技研工業株式会社 内燃機関のデコンプ装置
JP5027739B2 (ja) * 2008-06-10 2012-09-19 川崎重工業株式会社 デコンプ機構
JP2015010595A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 ヤマハ発動機株式会社 エンジン及び鞍乗り型車両
DE102013019751A1 (de) * 2013-11-25 2015-05-28 intelli engineering GmbH Dekompressionseinrichtung für einen Verbrennungsmotor
CN114135359A (zh) * 2021-11-30 2022-03-04 江门市大长江集团有限公司 发动机及减压凸轮挡片结构

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5402759A (en) * 1994-07-08 1995-04-04 Outboard Marine Corporation Cylinder decompression arrangement in cam shaft
JPH0949408A (ja) 1995-08-07 1997-02-18 Sanshin Ind Co Ltd オートデコンプ装置を備える船外機

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1247951A2 (en) * 2001-04-05 2002-10-09 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Multi-cylinder engine
EP1247951A3 (en) * 2001-04-05 2003-05-14 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Multi-cylinder engine
US6789521B2 (en) 2001-04-05 2004-09-14 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Valve system for engine
US6988477B2 (en) 2002-07-01 2006-01-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for an internal combustion engine and control method thereof
JP2009180104A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd エンジンのデコンプ装置
JP2018507983A (ja) * 2015-03-13 2018-03-22 バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト デコンプ装置を有したカムシャフト

Also Published As

Publication number Publication date
CA2298986C (en) 2005-08-09
US6250271B1 (en) 2001-06-26
JP4208329B2 (ja) 2009-01-14
CA2298986A1 (en) 2000-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4208329B2 (ja) 4サイクル内燃機関のデコンプ装置
US8061311B2 (en) Variable valve actuating apparatus for internal combustion engine
US7726271B2 (en) Engine with decompression device
US7793625B2 (en) Variable valve actuating apparatus for internal combustion engine
JP3358887B2 (ja) 気筒数制御内燃機関
US6718929B2 (en) Starting method for internal combustion engine and starting device for the same
US6311658B2 (en) Valve timing control device
JP2007198367A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US6378475B2 (en) Valve timing adjusting device
US20090159027A1 (en) Variable valve actuating apparatus for internal combustion engine, and controller for variable valve actuating apparatus
JP2009174546A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2017198100A (ja) 内燃機関
EP1447530B1 (en) Decompressor for 4-stroke cycle internal combustion engines
US6394054B1 (en) Mechanical compression and vacuum release
US4324210A (en) Hydraulic valve lifter and fluid pressure control device therefor
US20040139939A1 (en) Internal combustion engine
US9157338B2 (en) Lash adjuster
US6868835B2 (en) Internal combustion engine
US6857408B2 (en) Internal combustion engine provided with decompressing mechanism
JP3354290B2 (ja) エンジンのオートデコンプ装置
JP2007291987A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5826096B2 (ja) 内燃機関の可変動弁機構
US20140366823A1 (en) Valve timing adjustment apparatus
US10774885B2 (en) Clutch device and switching device
JPH11229828A (ja) バルブタイミング調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees