JP2000256816A - 加工性及び耐食性に優れた溶融Alめっき鋼帯の製造方法 - Google Patents

加工性及び耐食性に優れた溶融Alめっき鋼帯の製造方法

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JP2000256816A
JP2000256816A JP11059924A JP5992499A JP2000256816A JP 2000256816 A JP2000256816 A JP 2000256816A JP 11059924 A JP11059924 A JP 11059924A JP 5992499 A JP5992499 A JP 5992499A JP 2000256816 A JP2000256816 A JP 2000256816A
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Yasunori Hattori
保徳 服部
Tadaaki Miono
忠昭 三尾野
Toshiharu Kikko
敏晴 橘高
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酷な加工を受けても亀裂,めっき剥離等の
欠陥が発生することなく、加工後にも優れた耐食性が維
持される溶融Alめっき鋼帯を製造する。 【構成】 溶融Alめっき浴に導入する直前の鋼帯を板
温630℃以上に保持し、浴温640℃以上に保持され
た溶融Alめっき浴に鋼帯を導入してSi含有量5〜1
2重量%の溶融Alめっき層を両面当りの目付け量10
0〜350g/m 2 で鋼帯表面に形成し、溶融Alめっ
き浴から引き上げられた鋼帯を平均冷却速度10℃/秒
以上で400℃まで冷却し、得られた溶融Alめっき鋼
帯を250〜500℃で5〜50時間加熱する。 【効果】 溶融Alめっき層と下地鋼との界面に生成す
る合金層が突起のない一様な層厚をもつため、加工に追
従して溶融Alめっき層が変形し、腐食発生起点となる
亀裂やめっき剥離が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋根材,壁材等の建材
用途に適した溶融Alめっき鋼帯を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶融Alめっき鋼帯は、優れた耐食性,
耐熱性,表面性状を活用し、自動車用部材,家電部材,
建材等の広範な分野で使用されている。建材用途では、
大気雰囲気において溶融Alめっき層が優れた耐食性を
呈することから屋根材,壁材等の外装材として多用され
ている。溶融Alめっき層は、大気雰囲気下で優れた耐
食性を呈するものの、Znめっきのように下地鋼に対す
る犠牲防食作用が得られないため、加工時に発生しため
っき層の亀裂,剥離部や切断端面部等のように下地鋼が
露出した部分に赤錆が発生し易い。なかでも、加工部を
起点とした赤錆の早期発生は、溶融Alめっき鋼帯の商
品価値を著しく低下させる。
【0003】加工部を起点とする赤錆の発生を抑制する
ため、Crを含む素材を使用して露出部自体の耐食性を
向上させ且つ素材の自然電位の上昇によって溶融Alめ
っき層に犠牲防食作用を付与する方法(特開平1−28
351号公報),加工部で下地鋼の露出を防止するため
溶融めっき後の加熱処理で溶融Alめっき層自体の加工
性を向上させる方法(特開平6−128713号公
報),溶融Alめっき後に加熱処理された溶融Alめっ
き鋼帯の表面に金属粉を含む有機樹脂の皮膜を形成させ
る方法(特開平9−53166号公報)等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ユーザニーズの多様化
に伴い屋根等のデザインもユニークな形状が増加してお
り、結果として更に厳しい加工に耐える特性が素材に要
求されるようになってきている。より優れた加工性が要
求される傾向に即して従来の加工後耐食性改善方法をみ
ると、溶融Alめっき鋼帯の素材にCr含有鋼を使用す
る方法では、素材自体の加工性が低いために複雑形状の
加工が困難であり、しかも素材自体が高価なためコスト
高になる。溶融めっき後の加熱処理で溶融めっき層の加
工性を向上させた溶融Alめっき鋼帯は、比較的軽度の
曲げ加工や張出し加工では顕著な改善効果を呈するが、
圧縮歪みを受けた部分が更に伸ばされるラジアル加工等
の厳しい加工に曝されると十分な特性が得られない。過
酷な加工条件で十分な特性が得られないことは、金属粉
を含む有機樹脂皮膜を形成した溶融Alめっき鋼帯でも
同様である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、溶融Alめっき
層と下地鋼との間に形成される合金層の形態及び層厚を
制御することにより溶融Alめっき層の加工性を改善
し、ラジアル加工等の過酷な加工を施しても下地鋼の露
出がなく、加工後に優れた耐食性が維持される溶融Al
めっき鋼帯を提供することを目的とする。本発明の製造
方法は、その目的を達成するため、溶融Alめっき浴に
導入する直前の鋼帯を板温630℃以上に保持し、浴温
640℃以上に保持された溶融Alめっき浴に鋼帯を導
入してSi含有量5〜12重量%の溶融Alめっき層を
両面当りの目付け量100〜350g/m2 で鋼帯表面
に形成し、溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯を
平均冷却速度10℃/秒以上で400℃まで冷却し、得
られた溶融Alめっき鋼帯を250〜500℃で5〜5
0時間加熱することを特徴とする。
【0006】
【作用】溶融Alめっき鋼帯を加工すると、加工程度に
よっては溶融Alめっき層に亀裂,めっき剥離等の欠陥
が発生する。欠陥は、下地鋼を露出させて腐食発生起点
となり、赤錆の早期発生の原因となる。溶融めっき後の
加熱処理は、溶融Alめっき層自体の伸び特性を改善
し、溶融Alめっき層に生じた亀裂が下地鋼に到達する
までに亀裂の伝播を抑制する作用がある。しかし、ラジ
アル加工のように圧縮歪みを受けた部分が更に伸び歪み
を受ける非常に厳しい複合加工が施されると、溶融Al
めっき層の亀裂やめっき剥離を完全に抑制することは困
難である。そこで、本発明者等は、ラジアル加工におけ
る溶融Alめっき層の損傷挙動を詳細に調査・研究し
た。その結果、溶融めっき時に溶融Alめっき層と下地
鋼との界面に形成される合金層の形態及び層厚が大きな
影響を及ぼしていることを知見した。
【0007】ラジアル加工が施された溶融Alめっき層
を観察すると、亀裂やめっき剥離が生じたものでは、溶
融Alめっき層と下地鋼との界面に生じた合金層が突起
状の特異形態になっており、層厚も6μm以上と厚く成
長していた。合金層は、脆いFe−Al系金属間化合物
を主とし、過酷な加工を受けたとき亀裂や剥離が発生し
易い。なかでも、突起のある合金層では、突起に応力が
集中して亀裂の発生が助長される。合金層の形態及び層
厚に及ぼす製造条件の影響を調査したところ、めっき時
に形成される合金層の形態は、溶融Alめっき浴に導入
する直前の鋼帯温度及び溶融Alめっき浴の浴温による
影響を大きく受けていることが判った。詳細な原因につ
いて鋭意検討中であるが、突起状合金層の生成は、めっ
き浴に導入する直前の鋼帯温度及び溶融Alめっき浴の
温度を低くすると、鋼帯とアルミめっき浴の反応が不均
一に進行して合金層が局部的に成長することが原因と推
察される。しかも、突起状の合金層は、溶融Alめっき
浴から引き上げられた後で鋼帯の冷却速度を種々変更し
ても当初の形態に維持される。このことから、合金層の
形態に関しては、溶融Alめっき浴に導入する直前の鋼
帯温度及び溶融Alめっき浴の浴温が支配的に関与して
いることが判る。
【0008】他方、局部的な突起状の合金層を除いた平
均的な合金層の層厚は、溶融Alめっき浴中のSi濃度
を本発明で規定する範囲に調整して操業すると、溶融A
lめっき浴に導入する直前の鋼帯温度及び溶融Alめっ
き浴の浴温が高くても、冷却速度が一定の場合にはほと
んど変化しない。合金層の層厚は、冷却速度が大きな影
響を及ぼし、溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯
の平均冷却速度が10℃/秒に達しないと6μm以上の
厚みに成長する。6μm以上の層厚に達する合金層をも
つ溶融アルミめっき鋼帯では、比較的軽度の絞り成形加
工でめっき層が容易に剥離する。このようにして、溶融
Alめっき浴に導入する直前の鋼帯温度及び溶融Alめ
っき浴の浴温を高温に保持し、溶融Alめっき浴から引
き上げられた鋼帯の冷却速度を大きくするとき、突起の
ない一様な層厚をもつ合金層が形成され、層厚も6μm
以下になることが判った。突起がなく薄い合金層をもつ
溶融Alめっき鋼帯を加熱処理すると、熱応力が除去さ
れ、溶融Alめっき層が軟質化する。その結果、溶融A
lめっき層は、圧縮,引張りを伴う複合加工によっても
剥離せず、加工に追従した変形が可能になる。したがっ
て、加工後においても、下地鋼を露出させる亀裂,剥離
等の欠陥が溶融Alめっき層に発生せず、溶融Alめっ
き層本来の優れた耐食性が維持される。
【0009】以下、本発明で規定した製造条件を説明す
る。溶融Alめっき浴に導入する直前の鋼帯の板温:630
℃以上 溶融Alめっき浴の浴温:640℃以上 突起がなく一様な層厚をもつ合金層を形成するために
は、溶融Alめっき浴に導入する直前の鋼帯の板温を6
30℃以上,溶融Alめっき浴の浴温を640℃以上に
保持することが必要である。形態制御された合金層は、
溶融Alめっき鋼帯を加熱処理した後でラジアル加工す
る場合に亀裂,剥離等の原因とならず、溶融Alめっき
層に良好な加工性を付与する。これに対し、溶融Alめ
っき浴に導入する直前の板温が630℃を下回り、或い
は溶融Alめっき浴の浴温が640℃を下回ると、溶融
Alめっき層と下地鋼との界面に生成した合金層が一部
針状に成長し、合金層が突起状に積層された構造をもつ
溶融Alめっき層が形成される。突起状の合金層は、下
地鋼に対して垂直又は斜め方向に沿ってランダムに成長
し、層厚が20μmを超える部分も生じる。しかも、溶
融Alめっき時に形成された合金層は、溶融Alめっき
時の冷却速度や溶融Alめっき後の熱処理条件を如何に
調整しても形態が変わらない。その結果、圧縮及び引張
りを伴った複合加工を受けると、溶融Alめっき層に亀
裂やめっき剥離が生じ易くなる。
【0010】溶融Alめっき層のSi含有量:5〜12
重量% 溶融Alめっき浴に添加されたSiは、溶融Alめっき
時に合金層の成長を抑制する作用がある。複合加工に耐
える加工性を安定して確保するためには、溶融Alめっ
き層に含まれるSiの含有量を5重量%以上にすること
が有効である。しかし、12重量%を超える過剰量のS
iが含まれる過共晶組成になると、溶融Alめっき層の
凝固時に粗大な初晶Siが晶出し、粗大な初晶Siを起
点として加工時に溶融Alめっき層が著しく割れ易くな
る。
【0011】溶融Alめっき層の目付け量:両面当り1
00〜350g/m2 溶融Alめっき層は、必要な耐食性及び加工性を得るた
めに両面当りの目付け量100〜350g/m2 で鋼帯
表面に形成される。100g/m2 未満の目付け量で
は、建材用途に要求される長期耐食性が乏しくなり、伸
び特性が重視される加工では下地鋼の露出をカバーでき
なくなる。逆に、350g/m2 を超える厚目付けで
は、厚すぎる溶融Alめっき層のため加工時のめっき剥
離を防止することが困難になる。なお、目付け量は、鋼
帯のラインスピードや引上げ直後のワイピング条件等に
より調整される。
【0012】溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯
の平均冷却速度:10℃/秒以上 溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯は、合金層の
成長を抑制するため10℃/秒以上の平均冷却速度で4
00℃まで冷却される。冷却速度が10℃/秒に達しな
いと、溶融Alめっき層が凝固するまでに合金層が成長
し、加工時に溶融Alめっき層に亀裂やめっき剥離が発
生し易くなる。板温が400℃以下に降下すると、溶融
Alめっき層が完全に凝固して合金層がほとんど成長し
なくなるので、ミスト冷却,風冷,水冷等の強制冷却に
替えて自然冷却することも可能である。
【0013】溶融Alめっき後の熱処理:250〜50
0℃で5〜50時間加熱 製造された溶融Alめっき鋼帯は、溶融Alめっき層を
軟質化するため、250〜500℃で5〜50時間加熱
される。適正な加熱条件は、加熱温度と加熱時間との関
係で変化するが、250℃未満の温度では溶融Alめっ
き層に十分な変形能が付与できない。逆に500℃を超
える加熱温度では、溶融Alめっき層と下地鋼との間の
拡散反応が活発になり、加熱処理時に合金層が厚く成長
するため却って加工性が低下する。加熱処理による軟質
化効果は5時間以上の加熱時間で顕著になるが、50時
間を超える加熱時間では溶融Alめっき層の軟質化効果
が飽和するばかりでなく、熱エネルギの消費及び処理時
間の長期化に起因して生産コスト,生産性が悪化する。
加熱雰囲気としては、特に制約されるものではないがH
2 ,N2 ,Ar,真空等が使用される。
【0014】
【実施例1】常法に従って熱延,冷延した板厚0.8m
mの低炭素Alキルド鋼帯をめっき原板として使用し
た。無酸化炉タイプの連続めっきラインで、溶融Alめ
っき浴に導入される直前の板温が600〜680℃の範
囲になるようにめっき原板を加熱した。板温が調整され
ためっき原板をラインスピード110m/分で浴温62
5〜680℃,Si含有量9.2重量%の溶融Alめっ
き浴に導入した。ガスワイピングで目付け量を両面当り
200g/m2 に調整し、溶融Alめっき浴から引き上
げられた鋼帯を平均冷却速度5〜22℃/秒で板温40
0℃まで冷却した。溶融Alめっき鋼帯の表面には、S
i含有量9.0重量%の溶融Alめっき層が形成されて
いた。次いで、10体積%H2 −N2 雰囲気に維持され
たバッチ焼鈍炉に溶融Alめっき鋼帯を通板し、350
℃×20時間の加熱処理を施した。加熱処理された溶融
Alめっき鋼帯を圧下率1.0%でスキンパス圧延し、
製品とした。
【0015】製造された各溶融Alめっき鋼帯から切り
出された試験片を、図2の(a)及び(b)に示す形状
にそれぞれ曲げ加工及びラジアル加工した。曲げ加工で
は、板厚t(mm)の試験片を1tR曲げ(内曲げ半
径)した。ラジアル加工では、試験片の一部を圧縮加工
した後で引き伸ばし、軒先唐草等に適した形状に成形し
た。加工後の溶融Alめっき層を観察し、損傷程度を調
査した。そして、溶融Alめっき層に亀裂,めっき剥離
等の欠陥が検出されなかったものを◎,めっき剥離はな
かったが微細な亀裂が検出されたものを○,めっき剥離
はなかったが著しい亀裂が検出されたものを△,亀裂及
びめっき剥離の双方が発生したものを×と評価した。ラ
ジアル加工された試験片については、屋外に1ヶ月間暴
露した後で加工部の赤錆発生状況を調査した。そして、
赤錆が検出されなかったものを○,赤錆が僅かに発生し
たものを△,著しく赤錆が発生したものを×と評価し
た。
【0016】表1の調査結果にみられるように、溶融A
lめっき浴に導入される直前の板温,溶融Alめっき浴
の浴温,溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯が板
温400℃までに降下する間の平均冷却速度の何れもが
本発明で規定する条件を満足するものでは、優れた加工
性を示し、過酷な曲げ加工やラジアル加工を受けた後で
もめっき層に損傷が検出されず、暴露試験においても赤
錆発生のない優れた耐食性が示された。これに対し、溶
融Alめっき浴に導入される直前の板温,溶融Alめっ
き浴の浴温,溶融Alめっき浴から引き上げられた鋼帯
が板温400℃までに降下する間の平均冷却速度の何れ
かが本発明で規定した範囲を外れる場合、加工性や耐食
性が劣る溶融めっき鋼板であった。
【0017】製造条件が加工性に及ぼす原因を調査する
ため、試験番号12の溶融Alめっき層の断面を顕微鏡
観察したところ、図1の上段に示すように溶融Alめっ
き層と下地鋼との界面に生成した合金層は、変動幅が3
〜5μmの範囲に収まった一様な層厚をもち、めっき層
表面に向けて針状に成長した突起部も検出されなかっ
た。他方、溶融Alめっき浴に導入される直前の板温及
び溶融Alめっき浴の浴温の何れもが低い条件で製造さ
れた試験番号1では、めっき層表面に向けて針状に成長
した突起部をもつ合金層が形成されており、層厚も3〜
20μmの範囲で局部的に大きく成長していた。合金層
の形態を表1の加工性と照らし合わせるとき、突起部が
なく一様な層厚をもつ合金層を形成させることにより溶
融Alめっき鋼帯の加工性が改善されることが確認され
る。
【0018】
【0019】
【実施例2】常法に従って熱延,冷延した板厚1.0m
mの低炭素Alキルド鋼帯をめっき原板として使用し
た。無酸化炉タイプの連続めっきラインで、溶融Alめ
っき浴に導入される直前の板温が650℃とになるよう
にめっき原板を加熱し、ラインスピード100m/分で
浴温650℃の溶融Alめっき浴に導入した。実施例2
では、溶融Alめっき浴のSi含有量を1.5〜13重
量%の範囲で変化させた。溶融Alめっき浴から引き上
げられた鋼帯の目付け量が両面当り45〜380g/m
2 となるようにガスワイピングで調節し、平均冷却速度
12℃/秒で板温400℃まで強制冷却した。次いで、
2 雰囲気に維持されたバッチ焼鈍炉に溶融Alめっき
鋼帯を通板し、200〜500℃×3〜50時間の加熱
処理を施した。加熱処理された溶融Alめっき鋼帯を圧
下率1.0%でスキンパス圧延し、製品とした。
【0020】製造された各溶融Alめっき鋼帯から切り
出された試験片を、実施例1と同様に曲げ加工及びラジ
アル加工し、加工性及び加工後の耐食性を調査した。表
2の調査結果にみられるように、めっき浴組成,めっき
付着量,溶融Alめっき後の加熱処理を適正に調整する
とき、曲げ加工及びラジアル加工した後でも加工部の溶
融Alめっき層に亀裂やめっき剥離が発生せず、加工後
の大気暴露試験でも良好な耐食性が示された。
【0021】
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、溶融Alめっき浴に導入される直前の板温,溶融A
lめっき浴の組成及び浴温,溶融Alめっき浴から引き
上げられた鋼帯の平均冷却速度,溶融Alめっき層の目
付け量及び溶融Alめっき後の加熱処理条件を適正に制
御することにより、溶融Alめっき層と下地鋼との界面
に形成される合金層を突起のない一様な層厚をもつ形態
に調整している。これにより、ラジアル加工のような過
酷な加工によっても溶融Alめっき層に腐食発生起点と
なる亀裂,めっき剥離等の欠陥が発生せず、溶融Alめ
っき層本来の優れた耐食性が加工後にも維持される。こ
のようにして本発明に従って製造された溶融Alめっき
鋼板は、優れた加工性及び加工後の耐食性を活用し、海
岸地域,工業地帯等の厳しい腐食環境に長期間曝される
各種構造材として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造条件が合金層の形態に及ぼす影響を示し
た図表
【図2】 実施例で溶融Alめっき鋼板を曲げ加工
(a)及びラジアル加工(b)した説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘高 敏晴 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB02 AB05 AB48 AC64 AC72 AE02 AE03 AE12 AE18 AE23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融Alめっき浴に導入する直前の鋼帯
    を板温630℃以上に保持し、浴温640℃以上に保持
    された溶融Alめっき浴に鋼帯を導入してSi含有量5
    〜12重量%の溶融Alめっき層を両面当りの目付け量
    100〜350g/m2 で鋼帯表面に形成し、溶融Al
    めっき浴から引き上げられた鋼帯を平均冷却速度10℃
    /秒以上で400℃まで冷却し、得られた溶融Alめっ
    き鋼帯を250〜500℃で5〜50時間加熱すること
    を特徴とする加工性及び耐食性に優れた溶融Alめっき
    鋼帯の製造方法。
JP11059924A 1999-03-08 1999-03-08 加工性及び耐食性に優れた溶融Alめっき鋼帯の製造方法 Pending JP2000256816A (ja)

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