JP2000256521A - 塩素化ポリオレフィン組成物 - Google Patents
塩素化ポリオレフィン組成物Info
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Abstract
的強度、耐熱性、圧縮永久歪み性、耐候性が良好な塩素
化ポリオレフィン組成物を提供する。 【解決手段】 (A)重量平均分子量が10万以上であ
り、かつ分子量比Mw/Mnが10以下であるポリオレ
フィンを塩素化した塩素含有量が20〜50重量%であ
る塩素化ポリオレフィン 100重量部、(B)ポリエ
チレンワックス1〜12重量部、(C)受酸剤となる金
属化合物 1〜30重量部、(D)白色充填剤 5〜1
50重量部、(E)可塑剤 5〜80重量部及び(F)
架橋剤及び架橋促進剤 0.1〜20重量部からなる架
橋可能な耐磨耗性に優れた塩素化ポリオレフィン組成物
を提供する。
Description
塩素化ポリオレフィン組成物に関する。更に詳しくは、
黒色以外の明色で、かつ高度な耐磨耗性を要求される自
動車部品、産業資材、建築資材に好適に用いられる架橋
性塩素化ポリオレフィン組成物に関する。
分野において天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジ
エンゴム、クロロプレンゴムなどの架橋ゴムが使用され
ている。しかし、これらのゴムにおいては、カーボンブ
ラックを配合してなる架橋ゴム配合物は耐磨耗性に優れ
るが、白色補強剤あるいは白色充填剤を配合した場合
は、機械的強度に劣るばかりか、耐磨耗性も劣るので、
明色な色調のゴムを得ることは困難とされている。ま
た、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエ
ンゴムにおいては、カラフルな色調を得ることができる
が、耐磨耗性及び機械的強度に劣る。一方、クロロスル
フォン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン
(CPE)においては、白色補強剤、白色充填剤を配合
してなる配合物は、カラフルな色調を得ることが可能で
あり、更に機械的強度、耐候性も良好であることから明
色ゴムとして用いられている。
は、耐磨耗性は比較的優れているものの、耐熱性、永久
歪み性に劣る。一方、CPEは、耐熱性、圧縮永久歪み
性は優れているものの、耐磨耗性に劣るというように両
者は一長一短の特長を有していた。本発明は、かかる状
況に鑑みてなされたものであり、明色配合において耐磨
耗性に優れ、かつ機械的強度、耐熱性、圧縮永久歪み
性、耐候性が良好な塩素化ポリオレフィン組成物を提供
することを目的とする。
を重ねた結果、特定の塩素ポリオレフィンとワックスを
組み合わせることにより上記目的を達成し得ることを見
い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(A)重量平均分子量が10
万以上であり、かつ分子量比(Mw/Mn)が10以下
であるポリオレフィンを塩素化した塩素含有量が20〜
50重量%である塩素化ポリオレフィン 100重量
部、(B)ポリエチレンワックス 1〜12重量部、
(C)受酸剤となる金属化合物 1〜30重量部(D)
白色充填剤 5〜150重量部、(E)可塑剤 5〜8
0重量部及び(F)架橋剤及び架橋促進剤 0.1〜2
0重量部からなる架橋可能な耐磨耗性に優れた塩素化ポ
リオレフィン組成物を提供するものである。
オレフィン(以下「CPO」という)は、重量平均分子
量が10万以上であり、かつ分子量比Mw/Mnが10
以下であるポリオレフィンを原料として塩素化して得ら
れるもので、塩素含有量が20〜50重量%である。ポ
リオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の炭素数2〜10のα−オレフィン単独重合体、あるい
はα−オレフィン同士の共重合体、例えば、LLDP
E、ブロックPP、ランダムPP等が挙げられる。これ
らのポリオレフィンは、重量平均分子量(Mw)が10
万以上であり、好ましくは12万以上、更に好ましくは
15万〜30万である。Mwが10万未満では耐磨耗性
が低下するとともに機械的強度も低下するので好ましく
ない。一方、30万を超えると加工性が低下する傾向に
あるので注意を要する。また、重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が10以
下であり、好ましくは8以下、更に好ましくは6以下で
ある。比が10を超えると耐磨耗性が低下するので好ま
しくない。なお、 Mw及びMnはゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーを用いて測定される。
法、例えば水性懸濁液中に塩素ガスを導入する方法等に
よって行えばよい。本発明のCPOは、塩素含有量が2
0〜50重量%であり、好ましくは25〜45重量%で
あり、更に好ましくは28〜40重量%である。塩素含
有量が20重量%未満では柔軟性が損なわれる。一方、
50重量%を超えると柔軟性及び耐熱性が低下するので
好ましくない。塩素含有量については、一般に、有機過
酸化物架橋では塩素含有量が少ないほど架橋度が大きく
なり、一方、メルカプトトリアジン及びチオ尿素架橋で
は塩素含有量が大きいほど架橋度が大きくなり耐磨耗性
も良好な傾向がある。
スは、エチレン単独重合体、エチレンとビニル基含有極
性モノマーとの共重合体、あるいはポリエチレンの熱分
解、酸化などの公知の方法によって製造されるポリエチ
レンであり、一般にMwが1000〜10000であ
る。好ましくはMwが2000〜8000であり、融点
は100〜130℃のものが好ましい。また、酸化タイ
プのポイエチレンワックスでは、JIS K5902に
準拠して測定される酸価が12KOHmg/g以下が好
ましい。Mwが1000未満であると架橋ゴムへ表面へ
の過度の移行が起こり、十分な体磨耗性が得られない。
(A)成分100重量部に対する(B)成分の配合割合
は、1〜12重量部であり、好ましくは2〜8重量部、
更に好ましくは3〜6重量部である。配合割合が1重量
部未満では十分な耐磨耗性が得られない。一方、12重
量部を超えると機械的強度が劣るとともに接着性も低下
するので好ましくない。
金属化合物としては、周期律表第II族金属の酸化物、水
酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩もし
くは周期律表IV族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性
カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩
基性硫酸鉛あるいはハイドロタルサイト石群等が挙げら
れる。具体例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、亜燐酸マグネシウム、亜燐酸カルシウム、酸化錫、
リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性
炭酸鉛、塩基性亜燐酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫
酸鉛、合成ハイドロタルサイト等が挙げられる。(A)
成分100重量部に対する(C)成分の配合割合は、1
〜30重量部であり、好ましくは2〜20重量部、更に
好ましくは5〜15重量部である。配合割合が1重量部
未満では耐熱性が低下する。一方、30重量部を超える
と機械的強度が低下するで好ましくない。
は、カーボンブラック以外なら特に限定されないが、具
体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸ア
ルミニウム(カオリンクレー)、珪酸マグネシウム(タ
ルク)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)、珪酸
(シリカ)、マイカ、ソノトライト、沈降性硫酸バリウ
ム、チタン酸カリウム等が挙げられる。(A)成分10
0重量部に対する(D)成分の配合割合は、5〜150
重量部であり、好ましくは20〜100重量部、更に好
ましくは30〜80重量部である。配合割合が5重量部
未満では成形性が低下し、望まれる特性、例えばモジュ
ラスが得にくくなる。一方、150重量部を超えると耐
磨耗性及び機械的強度が低下するので好ましくない。
に限定されないが、望ましいものの例としては、塩素化
パラフィン、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジノ
ルマルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイ
ソデシル、トリメリット酸トリエチルヘキシル、トリメ
リット酸ジ混合アルコールエステル、トリメリット酸ト
リノルマルオクチル、トリメリット酸トリイソデシル、
トリメリット酸トリ混合アルコールエステル、アジピン
酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピ
ン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ混合アルコールエステ
ル、アゼライン酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチ
ルヘキシル、ドデカン酸ジエチルヘキシル、各種鉱物
油、大豆油、菜種油、エポキシ化大豆油、ポリエステル
系可塑剤、液状NBR、エチレン−一酸化炭素共重合体
等が挙げられる。(A)成分100重量部に対する
(E)成分の配合割合は、5〜80重量部であり、好ま
しくは8〜60重量部、更に好ましくは10〜40重量
部である。配合割合が5重量部未満では成形性に劣る。
一方、80重量部を超えると耐磨耗性及び機械的強度が
低下するので好ましくない。
剤としては、特に限定されないが、望ましくは、有機過
酸化物架橋、メルカプトトリアジン架橋、チオ尿素架橋
等が使用される。具体的には、有機過酸化物架橋におい
ては、架橋剤として1,1−ジ−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ジ−
t−ブチルパーオキシバレリック酸−n−ブチルエステ
ルのごときパーオキシケタール類、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサ
イドのごときジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエートのごときアルキルパーエステルが
挙げられ、架橋促進剤としてトリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等が
挙げられる。
して1,3,5−トリシアヌル酸、1−ジブチルアミノ
−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミ
ノ−3,5−ジメルカプトトリアジンのごときメルカプ
トトリアジン類が挙げられ、架橋促進剤としてn−ヘキ
シルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、またこれらの2−メルカ
プトベンゾチアゾール塩、カルバミン酸塩、酢酸塩、ジ
フェニルグアジニン、2−ベンゾチアジルスルフェンア
ミド類等が挙げられる。
チレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿
素単独もしくは硫黄との併用等が挙げられる。(A)成
分100重量部に対する(E)成分の配合割合は、0.
1〜20重量部であり、好ましくは1〜18重量部、更
に好ましくは3〜12重量部である。配合割合が0.1
重量部未満では十分な耐磨耗性が得られない。一方、2
0重量部を超えると架橋度が高くなりすぎ、伸びが低下
するので好ましくない。
合機、例えばオープンロール、バンバリーミキサー、加
圧式ニーダー、インターミキサー等通常のゴム混合に適
用される機械を用いることができる。さらに、本発明の
組成物には、当該技術分野における各種添加剤、例えば
安定剤、老化防止剤、加工助剤、粘性付与剤、難燃剤、
顔料等を本発明の特性を損なわない範囲で添加すること
ができる。本発明の組成物は、各種成形法、例えば金型
による圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等によ
り成形品を得ることができる。また、架橋方法として
は、熱空気架橋、マイクロ波架橋、電子線架橋等各種の
方法を用いることができる。
する。なお、硬さ及び引張試験はJIS K6301に
準拠し、試験片は3号ダンベル、試験速度は500mm
/分の条件で測定した。磨耗量はJIS K6264テ
ーパー磨耗試験に従い、研磨といしはH−22、荷重1
kgの条件で1時間当たりの磨耗量(g/3600回)
で示した。表面状態は温度23℃で168時間放置した
ときのサンプル表面を目視によりブルームの有無を観察
した。
w/Mnが4である高密度ポリエチレンを塩素化した塩
素含有量が35重量%の塩素化ポリエチレン(以下「C
PE−1」という)及びMwが23万、Mw/Mnが7
である高密度ポリエチレンを塩素化した塩素含有量が3
5重量%の塩素化ポリエチレン(以下「CPE−2」と
いう)を用いた。また、比較用として、Mwが23万、
Mw/Mnが19である高密度ポリエチレンを塩素化し
た塩素含有量が35重量%の塩素化ポリエチレン(以下
「CPE−A」という)及びMwが8万、Mw/Mnが
4である高密度ポリエチレンを塩素化した塩素含有量が
35重量%の塩素化ポリエチレン(以下「CPE−B」
という)を用いた。塩素化はいずれも水性懸濁法で行っ
た。
10℃、酸価が0KOHmg/gであるポリエチレンワ
ックス(以下「PW−1」という)、 Mwが700
0、融点113℃、酸価が0KOHmg/gであるポリ
エチレンワックス(以下「PW−2」という)、 Mw
が3000、融点114℃、酸価が1KOHmg/gで
あるポリエチレンワックス(以下「PW−3」とい
う)、 Mwが3000、融点114℃、酸価が12K
OHmg/gであるポリエチレンワックス(以下「PW
−4」という)を用いた。また、比較用として、パラフ
ィンワックス(融点60℃)(以下「WAX1」とい
う)、ステアリン酸(以下「WAX2」という)、ステ
アリン酸アミド(以下「WAX1」という)を用いた。
としてハードクレー、(E)成分としてフタル酸ジエチ
ルヘキシル、(F)成分の架橋剤として1,3,5−ト
リシアヌル酸(以下「TCA」という)及び架橋促進剤
として2−メルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキ
シルアミン塩(以下「MDCA」という)を用いた。
を用いて(A)成分を2分間素練りした後、(E)成分
を除く(B)〜(D)成分を添加し、更に5分間混練し
た。得られた混練物をシート状に分出しして未架橋シー
トを作製した。得られたシートを金型に入れ、150℃
で20分間プレス架橋して厚みが約2mmの架橋シート
を作製した。得られた各シートの特性を評価し、その結
果を表2に示す。
磨耗性に優れ、かつ機械的強度、耐熱性、圧縮永久歪み
性、耐候性が良好であるので各種工業用ホース、ベル
ト、シール材、ガスケット、ロール、ハンドレール、防
絃材、ゴム引布、ゴムシート、電線被覆等に代表される
自動車部品、産業資材、建築資材等の幅広い分野に利用
できるので有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)重量平均分子量が10万以上であ
り、かつ分子量比(Mw/Mn)が10以下であるポリ
オレフィンを塩素化した塩素含有量が20〜50重量%
である塩素化ポリオレフィン 100重量部、(B)ポ
リエチレンワックス 1〜12重量部、(C)受酸剤と
なる金属化合物 1〜30重量部、(D)白色充填剤
5〜150重量部、(E)可塑剤 5〜80重量部及び
(F)架橋剤及び架橋促進剤 0.1〜20重量部から
なる架橋可能な耐磨耗性に優れた塩素化ポリオレフィン
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5715499A JP2000256521A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 塩素化ポリオレフィン組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5715499A JP2000256521A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 塩素化ポリオレフィン組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256521A true JP2000256521A (ja) | 2000-09-19 |
JP2000256521A5 JP2000256521A5 (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=13047660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5715499A Pending JP2000256521A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 塩素化ポリオレフィン組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000256521A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297360A (ja) * | 2005-04-20 | 2006-11-02 | Toyo Kasei Kogyo Co Ltd | 発泡防止機構を備えた高速減圧濃縮装置 |
JP2014031404A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
CN104277343A (zh) * | 2013-07-09 | 2015-01-14 | 日立金属株式会社 | 氯化聚乙烯组合物、电线、电缆和氯化聚乙烯组合物的制造方法 |
CN111471244A (zh) * | 2020-04-27 | 2020-07-31 | 宝胜科技创新股份有限公司 | 一种高强高粘耐低温氯化聚乙烯橡胶基电缆护套料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-03-04 JP JP5715499A patent/JP2000256521A/ja active Pending
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CN111471244B (zh) * | 2020-04-27 | 2023-10-20 | 宝胜科技创新股份有限公司 | 一种高强高粘耐低温氯化聚乙烯橡胶基电缆护套料及其制备方法 |
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