JP2000256468A - ポリマー溶液調製装置、ポリマーフィルムの製造装置、ポリマー溶液の調製方法、ポリマーフィルムの製造方法及びポリマーフィルム - Google Patents
ポリマー溶液調製装置、ポリマーフィルムの製造装置、ポリマー溶液の調製方法、ポリマーフィルムの製造方法及びポリマーフィルムInfo
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Abstract
極小化し得る、そして長時間安定なポリマー溶液を提供
する。また充分溶解された、容易に濾過したポリマー溶
液(ドープ)を用い、フィッシュアイ、異物、泡等の欠
陥のない良品質で平面性に優れたポリマーフィルムを溶
液流延製膜によって得ることであって、その方法、装置
及びフィルムを提供する。 【解決手段】 超臨界流体となる物質の超臨界温度以上
及び超臨界圧力以上から選ばれる少なくとも一方の超臨
界状態で該物質の超臨界流体を形成する手段、及び該状
態における該物質を用いてポリマーを溶解する手段を有
することを特徴とするポリマー溶液調製装置。
Description
の調製装置、ポリマー溶液の調製方法、ポリマーフィル
ムの製造装置、ポリマーフィルムの製造方法及びポリマ
ーフィルムに関する。
マーをその良溶媒を主とする溶媒に溶解するのが定法で
あるが、中には、最近の機能性ポリマーのように常態で
は溶解する溶媒もほとんどなく、そのため溶液から成型
品に加工をすることの出来ないものもある。また最近の
環境問題から溶媒の変更を余儀なくされるものもあり、
常態では溶解しにくい溶媒を低温や高圧という条件を利
用するという場合もある。例えば、ポリイミドは、合成
途中のポリアミド酸という形の溶液で成型した後に高温
加熱処理を行い、ポリイミド成型品としている。また、
別の例として、セルローストリアセテートを通常の溶媒
であるメチレンクロライドの代わりに、常温では溶解し
ないアセトン等の溶媒を使用し、溶解させる方法があ
る。その方法の一つとしては、J.M.G.Cowie
等による、Die Makromolekulare
Chemie、143巻、105〜114頁(1971
年)においてセルローストリアセテート(酢化度60.
1〜61.3%)とアセトンとの混合物を−80〜−7
0℃に冷却した後、加温することによって0.5〜5重
量%の稀薄溶液が得られたとの報告がある。このような
セルローストリアセテートと溶媒との混合物を冷却した
後、加温することにより溶解する方法を冷却溶解方法と
言われている。また、上出健二等による、繊維機械学会
誌、34巻、7号、57−61頁(1981年)「三酢
酸セルロースのアセトン溶液からの乾式紡糸」に冷却溶
解方法を用いた紡糸技術が述べられている。特開平9−
95544号及び同9−95557号公報には、上記技
術を背景に、実質的にアセトンからなる有機溶媒を用い
た、あるいはアセトンと他の有機溶媒を共用した冷却溶
解方法によるセルローストリアセテートの溶解及びフィ
ルムの製造が提案されている。
トを溶解する方法があり、本出願人は、特願平9−17
8284号、同10−131999号及び同10−13
2000号で、非塩素系有機溶媒を主成分とする有機溶
媒(例えばアセトン、酢酸メチル等)を含む混合物を、
10〜5000kgf/cm2の圧力下で処理する工程
と、処理した該混合物を0.1〜10kgf/cm2圧
力下で処理するセルロースアシレート溶液の調製方法を
提案した。
628号公報には、高濃度のセルローストリアセテート
溶液を調製するのに、溶解容器内で、セルロースアシレ
ート溶媒の常圧における沸点以上に加熱して加圧状態下
で溶解する方法が記載されている。特開平5−1633
01号公報には、セルローストリアセテートをその溶媒
の沸点以下の温度で不完全溶解した後、熱交換器に不完
全溶解物を加熱した熱交換器に通して短時間で高濃度で
溶解することが出来、この時粘度が低下し濾過圧力が上
昇することなくドープを調製出来ることが記載されてい
る。また、特開平8−179463号公報には、メチレ
ンクロライドを主たる溶媒とした高濃度のセルロースト
リアセテート溶液を、7〜50気圧の圧力下で、41〜
63℃の温度まで加熱して、濾過し、このドープを直接
溶液流延製膜するという記載がある。何れも使用する主
溶媒の沸点以上に温度を上げることにより、高濃度でも
粘度が下がることを利用して濾過を容易にして、高濃度
のドープを用いて効率的に製膜する方法等がある。
不要物を抽出する手段として、また破棄物を分子レベル
まで分解し、有害物質を無害化、あるいは原料を再利用
化する方法として、超臨界流体を用いる技術が最近注目
されている。例えば、多賀谷英幸の平成9年度産学交流
夏季セミナーのテキスト、「超臨界流体の利用」(19
97年8月6日)、化学工学論文集、第23巻、第4
号、505〜511頁(1997)等に上記技術の記載
がある。
許第5,328,934号明細書には、たばこのトウの
セルロースエステル廃棄物からセルロースエステルをリ
サイクルすることが、米国特許第5,009,746号
明細書には、セルロースから接着剤を除去することが、
米国特許第4,308,200号明細書には、木材から
テルペン油を抽出することがそれぞれ記載され、また、
これらの技術を利用したコーヒーや紅茶からの脱カフェ
イン、ビールのホップ成分の抽出、たばこの脱ニコチン
などもある。これらはMacHugh et al.,
Supercritical Fluid Extra
ction:Principles and Prac
tice(Butterworths出版)(1986
年);Eckert et al.,Environm
ental Science and Technol
ogy、第20巻、319〜325頁(1986年);
Kirk−Othmer Encyclopedia
of ChemicalTechnology、第3
版、John Wiley & Son、NewYor
k等にも記載されている。
細書には、5〜50重量%の二酸化炭素及び50〜95
重量%の二酸化炭素と相溶性の有機溶媒、例えばアセト
ン、トリアセチン、エタノール、メタノールのような溶
媒を使用し、二酸化炭素の超臨界点温度以上または超臨
界点圧力以上あるいは超臨界状態で、セルロースアセテ
ート(グルコーズ単位当たりのアセチル基置換度が2.
4〜2.5、これはセルロースジアセテートである)を
溶解し、濾過後、これを用いてたばこのトウに使用する
繊維を紡糸するという記載がある。
特開昭61−106628号、特開平5−163301
号及び同8−179463号公報に記載されている方法
では、温度あるいは圧力を上げて高濃度溶液(不完全溶
解液も含む)の粘度を低下させ、濾過し易くしている
が、溶解過程で溶解が不十分のものを後で主溶媒の常圧
での沸点以上に温度を上げても、あるいは圧力を上げて
も完全な溶解状態にはならず、濾過する際の濾材の寿命
は若干延びるものの目詰まりは起こり易く、結局最初の
溶解過程でほぼ完全な状態にまで溶解させることが重要
である。
フォン樹脂溶液を調製後、溶液流延製膜する前に経時に
より溶液中に結晶が析出し、また濾過後でも経時させる
と更に析出が起こるという、経時させないと後で結晶が
析出するし、逆に経時させることによる経済的な損失が
大きいという課題がある。特開平5−329857号公
報には溶液を4ヶ月経時させた後に溶液流延製膜に使用
するという記載があるが、この課題に対する対応では、
余分な装置が必要になったり、経時によるコスト高とな
る。特開平7−281027号及び同8−75923号
公報では、30℃以上の温度で溶解後2〜20日経時さ
せた後、濾過して溶液流延製膜することが記載されてい
るが、やはり長い時間の経時を必要としている。
を上げ、中には、圧が上がることによって通過してしま
う不純物、また、溶解後に出て来る結晶やそれに類似物
はフィルムに製膜した後、フィッシュアイや異物とし
て、またそれらが原因で泡を発生させたりして、フィル
ムの品質を著しく損なう要因となるので、溶解時点で、
より完全な溶解状態にもっていくことが、良い品質のフ
ィルムを作製するのに重要なことである。
解された、濾過する負荷を極小化し得る、そして長時間
安定なポリマー溶液を提供することにあり、第2の目的
は、充分溶解された、容易に濾過したポリマー溶液(ド
ープ)を用い、フィッシュアイ、異物、泡等の欠陥のな
い良品質で平面性に優れたポリマーフィルムを溶液流延
製膜によって得ることであって、その方法、装置及びフ
ィルムを提供することにある。
題に対して鋭意検討した結果、超臨界流体を用い超臨界
状態においてポリマーを溶解させることによって、ほぼ
完全な状態で溶解することが出来、更に続いて超臨界状
態のまま濾過することによって、濾過の負荷がほとんど
なく、濾過寿命を著しく延ばすことの出来ることを見出
し、その結果、フィッシュアイや泡、異物等を含まない
高品質のポリマー溶液とポリマーフィルムを得る解決手
段を見出した。
以上及び超臨界圧力以上から選ばれる少なくとも一方の
超臨界状態で該物質の超臨界流体を形成する手段、及び
該状態における該物質を用いてポリマーを溶解する手段
を有することを特徴とするポリマー溶液調製装置。
以上及び超臨界圧力以上から選ばれる少なくとも一方の
超臨界状態で該物質の超臨界流体を形成する手段、該状
態における該物質を用いてポリマーを溶解する手段、該
状態においてポリマー溶液を濾過する手段、及び該物質
を該ポリマー溶液から除去する手段を有することを特徴
とするポリマー溶液調製装置。
除去する手段が、減圧する手段であることを特徴とする
(1)または(2)に記載のポリマー溶液調製装置。
載の装置を用いて調製した溶液を使用する前に、脱泡す
る手段を有することを特徴とするポリマー溶液調製装
置。
載の装置を用いて調製することを特徴とするポリマー溶
液の調製方法。
特徴とする(5)に記載のポリマー溶液の調製方法。
臨界圧力が50〜500気圧であることを特徴とする
(5)または(6)に記載のポリマー溶液の調製方法。
界圧力が72.9〜200気圧であることを特徴とする
(5)乃至(7)の何れか1項に記載のポリマー溶液の
調製方法。
であることを特徴とする(5)乃至(8)の何れか1項
に記載のポリマー溶液の調製方法。
解する際のポリマーの濃度が、10重量%以上であるこ
とを特徴とする(5)乃至(8)の何れか1項に記載の
ポリマー溶液の調製方法。
記載のポリマー溶液調製装置の後に溶液流延製膜装置を
有するポリマーフィルムの製造装置。
に記載の方法により調製したポリマー溶液を用い、溶液
流延製膜方法により製膜することを特徴とするポリマー
フィルムの製造方法。
したことを特徴とするポリマーフィルム。
界流体について説明する。ある物質に対して、温度と圧
力とを上昇させていくと、ある条件になったところで物
質は液体と気体の中間の性質を持つ流体となる。これは
臨界温度(超臨界温度ともいう)Tcと臨界圧力(超臨
界圧力ともいう)Pcを越えた領域での物質の状態であ
り、この状態を超臨界状態という。超臨界状態における
超臨界流体は常態の液体よりも2桁も大きい拡散係数を
持ち、粘度は気体並になる。食品、香料、医薬品分野で
の抽出、ファインセラミックの成型過程での利用、超微
細発砲ポリマーの製造、難分解化合物や有害物質の分
解、原料回収等幅広く応用されている。これらは超臨界
状態の物質が他の物質内に拡散する性質を利用したもの
である。
質への拡散し易いことと粘度が気体並であるという性質
に注目し、ポリマーを完全な状態に溶解させる方法、ま
た難溶性のポリマーについても溶解させる方法を鋭意検
討した結果、超臨界流体溶液のまま濾過することによっ
て濾過寿命を長期間にまで延ばすことに、また今まで難
溶とされて来たポリマーについても溶液を得ることに成
功した。
臨界圧力Pcを共に越えた領域の超臨界点以上の領域と
ならなくとも、TcあるいはPcの何れか一方を越えた
状態においても超臨界流体に似た状態が発生し、同様な
効果があることを認めた。従って、本発明においては、
Tcを越えた領域あるいはPcを越えた領域の何れか、
あるいはTcとPcを共に越えた超臨界点以上の領域を
総称して超臨界状態という。そしてそれらの領域で発生
する流体を超臨界流体と総称していうこととする。以
降、本発明において、超臨界流体となる物質を超臨界流
体あるいは超臨界物質と呼ぶことがある。
体または液体であり、下記のような物質を挙げることが
出来る(カッコ内の前の数値はTc(℃)、後の数値は
Pc(MPa)である)。代表的なものとして、空気
(−140.7、3.77)、メタン(−82.6、
4.60)、エチレン(9.2、5.04)、二酸化炭
素(31.1、7.38)、エタン(32.1、4.8
7)、プロパン(96.7、4.25)、アンモニア
(132.4、11.28)、ブタン(152.0、
3.80)、メタノール(239.4、8.09)、エ
タノール(240.7、6.14)、ベンゼン(28
9.0、4.90)、トルエン(318.6、4.1
1)、水(374.1、22.12)等が用いられる。
本発明において、超臨界流体となる物質は制限なく使用
出来るが、これらの内、本発明に好ましい超臨界物質と
しては、Tc及びPcの点から、エチレン、二酸化炭
素、エタン、プロパンを好ましく挙げることが出来、特
に、二酸化炭素が温度圧力ともに使用し易い範囲にある
こと、無味、無臭、不燃、化学的に安定、有資源、安
価、製品中に超臨界物質が残らない等の観点から好まし
く用いることが出来る。二酸化炭素は、一般的に石炭か
らの重油の抽出、ポリマーからの残留モノマーの抽出、
スプレー用溶媒などに用いられている。水も安全な物質
であるが、Tc及びPcがかなり高く、超臨界水はポリ
マーや毒性の強い化合物を分解する等廃棄物処理に効果
があり、ポリマーを溶解するというより分解するために
使用するもので、本発明には条件が過酷過ぎるので、あ
まり適しているとはいえない。
説明する。
界流体がポリマーの分子レベルでポリマー分子を分離さ
せるので、溶媒の溶媒和を助長しほぼ完全な溶液とする
ことが可能である。良溶媒のみならず、通常では良溶媒
となり得ない溶媒でも溶解能を向上させることが出来
る。例えば、耐熱性樹脂のように溶解し難いポリマーも
容易に溶解することが出来るし、溶媒の使用が制限され
他の常態では溶解し難い溶媒を使用しなければならい場
合でも本発明の超臨界状態で溶解させることによって溶
液を得ることが出来る。更に溶液中の不純物の存在によ
って結晶が成長するような場合でも結晶化が妨げられ易
い。また高濃度であっても超臨界状態では溶液粘度が低
く、移送することも、濾過することも容易で、以上の如
く通常では考えられなかったことを容易に達成すること
が出来ることを見出した。
0/90〜90/10で溶解させることが出来るが、好
ましくは30/70〜70/30である。溶液中のポリ
マーの濃度(溶液の重量に対するポリマー重量の割合を
%で表す)は5〜60重量%の範囲でポリマーを溶解す
ることが出来、好ましくは10〜50重量%である。
装置及び溶解方法の概略を説明するが、これに限定され
ない。図1は例えば、二酸化炭素を使用するバッチ式の
ポリマー溶液調製装置の概略図である。本発明に用いる
ポリマーの耐圧性溶解容器6は50〜500気圧程度の
耐圧性があれば制限なく使用できるが、耐圧性は二酸化
炭素を超臨界物質として使用する場合は、150気圧に
耐えればよい。耐圧性溶解容器6には、ポリマー、溶
媒、超臨界物質、充填ガス等を導入するに当たり定まっ
た順序はないが、ポリマーを初めに導入するのが好まし
い。溶解に先だって予めポリマーとそれに続いて溶媒を
投入(何れの投入手段も図示してない)して、窒素また
は二酸化炭素ガスで溶解容器6内の空気を置換してお
き、溶解温度を、超臨界物質の超臨界温度以上に加温
(加温手段は図示してない)しておく。二酸化炭素ボン
ベ1から導管2を通して二酸化炭素ガスを加圧装置3に
導入し、加熱器(熱交換器)4で加熱して二酸化炭素を
超臨界流体とし、弁5を通して耐圧性溶解容器6に導入
する。所定量の超臨界流体の二酸化炭素を耐圧性溶解容
器6に導入し終わったら弁5を閉じ、超臨界流体と混合
相溶した溶媒とポリマーを所定の時間、撹拌しながら
(撹拌手段は図示してない)二酸化炭素の超臨界状態を
維持する。ポリマーを溶解完了後、調節弁7を開き、超
臨界状態の圧力と温度を保ちながら導管8を通して濾過
装置9に導入し、濾過後減圧弁10を通して気液分離容
器11に導入し、二酸化炭素ガスを弁12、導管13を
経て減圧調節器14に導入し二酸化炭素ガスを開放15
する。この二酸化炭素はリサイクリングされ、再び使用
される。一方ポリマー溶液は気液分離容器11の下方に
たまり必要に応じて弁16から、例えば溶液流延製膜装
置方向へ導管17に送られる。本発明に使用する濾過装
置9には、通常の濾過方法を用いることが出来、濾紙を
濾材として用いるフィルタープレス方式、ステンレス鋼
線を用いるリーフディスクフィルター方式等を用いるこ
とが出来る。濾過は前段で目の粗い濾過装置を通して大
きな異物を除去し、後半で微細な濾過装置で微細な異物
を除去する2段以上で行ってもよい。本発明におけるポ
リマー溶液の濾過は超臨界状態で行われる。超臨界状態
で濾過を行うことによって、ポリマーが高濃度であって
も溶液粘度が低く、フィルターの圧力損失がほとんどな
く容易にしかも長時間濾過を継続することが出来る。ま
た若干圧力を低下させて濾材に負担をかけないようにし
て濾過装置を通過させてもよい。濾過後、超臨界物質を
系内から系外へ除去して真の溶液とするが、除去する手
段としては、減圧弁を通してから容積の比較的大きい気
液分離容器11に導入して圧力を低下させて二酸化炭素
ガスを減圧調節出来るようにするのが好ましい。また超
臨界物質(二酸化炭素ガス)を系外に排出する際、出来
得る限り溶媒を出さないように、減圧する際、温度を下
げることが好ましく、二酸化炭素の場合には温度は30
℃以下とすることが好ましい。また他の流体物質の場合
には、その低下させる温度を臨界温度以下にするが、そ
の後の工程に供する際の温度付近に調整するのが好まし
い。図1はバッチ式であるが、図示はしてないが、連続
調製装置によってもポリマーを溶解調製することが出来
る。
ー溶液から、濾過、冷却後あるいは温度調整後、溶液中
に残存する空気を脱泡することが好ましい。脱泡させる
方法としては、従来と同様に、ポリマー溶液中の主溶媒
の沸点より若干低い温度にして長時間静置して脱泡させ
る方法、超音波振動清浄機によりポリマー溶液を振動さ
せる方法、減圧による方法等が用いられる。本発明にお
いては、超臨界物質を除去する際に、空気も一緒に系外
に出易いので、全く脱泡を行わなくても良い場合もあ
る。
液調製装置と、これを用いたポリマー溶液の調製方法、
ポリマー溶液調製装置と図2の溶液流延製膜装置とを有
するポリマーフィルムの製造装置、それに、上記装置を
用いたポリマーフィルムの製造方法、またそれによって
製膜されたポリマーフィルムに関する。図2は、溶液流
延製膜方法により製膜するポリマーフィルム製造装置の
概略図である。
ると、図1に例示したポリマー溶液調製装置で溶解され
たポリマー溶液は、導管17を経て、例えば、貯蔵タン
ク、脱泡装置、送液ポンプ(何れも図示していない)等
に必要に応じて送液され、導管20を通して溶液流延製
膜装置の流延用ダイ21に送られる。ポリマー溶液(ド
ープ22)は、ダイ21から無端の鏡面を持つステンレ
ス製のベルト25(二つのドラムで支えられている)上
に流延され、ベルト上で溶媒が蒸発しウェブ23とな
り、剥離点24でウェブ23を剥離し、乾燥装置26内
で溶媒が乾燥除去され、巻き取り機27でフィルム(ウ
ェブが更に乾燥したもの)として巻き取られる。溶液流
延製膜装置の流延部は、上記無端のステンレスベルト2
5の他に、クロムメッキの鏡面を有する回転するドラム
である場合もある。乾燥装置26には、剥離後のウェブ
を千鳥状に配した複数のロールで搬送しながら乾燥する
もの、テンターで幅保持しながら乾燥するもの、また湿
式脱溶媒装置(図示していないが、例えばポリマー溶液
の溶媒が水に相溶性の場合は水浴を通して溶媒を除去す
る)を通した後乾燥させるもの等がある。一般に、乾燥
装置は、これらの乾燥手段をいろいろ組み合わせたもの
である場合が多い。またフィルムの使用目的によって
は、テンター内でウェブの幅を保持したり、幅方向に延
伸しながら乾燥させる方法もある。乾燥温度について
は、ポリマー溶液に使用する溶媒がポリマーによって異
なるため、溶媒の沸点が低い場合(例えばメチレンクロ
ライド、酢酸メチルのような)は、ウェブを全乾燥工程
中130℃以下で乾燥すればよいが、ジメチルスルホオ
キサイドやジメチルホルムアミドのような200℃近い
沸点を有する高沸点溶媒の場合には、250〜300℃
で加熱する必要がある。またポリマーがポリイミドの場
合には、溶媒の蒸発以外に構造を完結させるために、ウ
ェブを加熱キュアリングする場合もある。
ポリマー溶液の特徴は、通常の溶解方法で調製されるも
のよりも、未溶解物や異物がなく、澄明で、経時安定性
の良いことである。また、このポリマー溶液を用いて溶
液流延製膜したポリマーフィルムの特徴は、透明性が良
く、結晶や異物等によるフィッシュアイ等の結果がない
ことである。更に耐熱性ポリマーのような溶解性が難し
いポリマーも溶解させることが出来ることである。ポリ
スルフォン系のポリマー溶液は結晶や凝集物が発生し易
く、それが時間経過とともに成長したり、新たに発生し
易い。特開平7−281027号及び同8−75923
号公報に記載されているような、ポリスルホン系のポリ
マー溶液を2日〜4ヶ月も経時させてから、発生または
成長した結晶や凝集物を濾過して溶液流延製膜すること
が述べられているが、本発明においては経時してもしな
くとも結晶や凝集物の発生成長がなく、溶液流延製膜す
ることが出来る。
としては制限はないが、硫酸、塩酸、硝酸等の強酸にし
か溶解しないもの、あるいは全く溶媒のないものは本発
明から除外される。本発明に有用なポリマーとしては、
セルロースアシレート類、ポリカーボネート類、ポリエ
ステル類、ポリエーテルスルホン類、ポリエーテルケト
ン類、ポリスルフィド類、ポリオレフィン類、ポリアミ
ド類、主鎖中に異項環を含有するポリマー類、ポリビニ
ルエーテル類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルニ
トリル類、脂環式ポリマー類、ポリエーテル類、ポリス
ルフォネート類、ポリヒドラジン類、ポリフォスファゼ
ン類等を挙げることが出来る。
ストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロ
ピオネート、セルロースブチレート、セルロース高級脂
肪酸エステル、セルロースベンゾエート等を挙げること
が出来るが、ポリマーフィルムとして有用なものとし
て、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)乃至
(IV)の全てを満足するものが好ましい。
ているアシル基の置換基を表し、Mはアセチル基の置換
度、またNは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度であ
る。セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基が
あり、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を
表すもので、最大の置換度が3.0である。セルロース
トリアセテートは一般にMの置換度が2.6以上3.0
以下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大
0.4もある)、N=0の場合がセルローストリアセテ
ートである。本発明のセルロースアシレートは、アシル
基が全部アセチル基のセルローストリアセテート、及び
アセチル基が2.0以上で、炭素原子数が3〜5のアシ
ル基が0.8以下、置換されなかった水酸基が0.4以
下のものが好ましい。炭素原子数3〜5のアシル基の場
合、0.3以下が物性の点から特に好ましい。
シカルボニルオキシヘキサメチレン)、ポリ(オキシカ
ルボニルオキシ−1,3−フェニレン)、ポリ(オキシ
カルボニルオキシ−1,4−フェニレン)、ポリ(オキ
シカルボニルオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリ
デン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシカルボニル
オキシ−1,4−フェニレン−2−ペンチリデン−1,
4−フェニレン)、ポリ(オキシカルボニルオキシプロ
ピレン)等を挙げることが出来る。
チレンオキシテレフタロイル)、ポリ(オキシエチレン
オキシ−2,6−ナフタロイル)、ポリ(オキシカルボ
ニル−1,4−シクロヘキシレンカルボニルオキシオク
タメチレン)、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンイソ
プロピリデン−1,4−フェニレンオキシカルボニル−
1,4−フェニレンカルボニル)、ポリ(オキシ−1,
4−フェニレンカルボニル)、ポリ(オキシ−1,4−
フェニレン−1,4−フェニレンオキシカルボニル−
1,4−フェニレンオキシカルボニル−1,4−フェニ
レンカルボニル)等を挙げることが出来る。
(オキシ−1,4−フェニレンスルフォニル−1,4−
フェニレン)、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキ
シ−1,4−フェニレンスルフォニル1,4−フェニレ
ン)、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルフォニル
−1,4−ナフチレン)、ポリ(オキシ−1,4−フェ
ニレンスルフォニル−1,4−フェニレン−1,4−フ
ェニレンスルフォニル−1,4−フェニレン)、ポリ
(オキシ−1,4−フェニレンスルフォニル−1,4−
フェニレン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシ−
1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニ
レンオキシ−1,4−フェニレンスルフォニル−1,4
−フェニレン)等を挙げることが出来る。
キシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン
カルボニル−1,4−フェニレン)を挙げることが出来
る。
1,4−フェニレン)、ポリ(オキシ−1,4−フェニ
レンチオ−1,4−フェニレン)、ポリ(チオ−4,4
−ビスフェニレン)、ポリ(チオ−1,4−フェニレン
カルボニル−1,4−フェニレン)、ポリ(チオ−1,
4−フェニレンスルフォニル−1,4−フェニレン)等
を挙げることが出来る。
ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリト
リフルオロエチレン、ポリ(1,1−ジフルオロエチレ
ン)等を挙げることが出来る。
−オキソヘキサメチレン))、ポリ(イミノアジポイル
イミノヘキサメチレン)、ポリ(イミノアジポイルイミ
ノデカメチレン)、ポリ(イミノ(1−オキソウンデカ
メチレン))、ポリ(イミノ(1−オキソオクタデカメ
チレン))、ポリ(イミノカルボニル−ピリジン−2,
6−ジイル−カルボニルイミノ−1,4−フェニレンオ
キシ−1,4−フェニレン)、ポリ(イミノエチレンイ
ミノテトラフタロイル)、ポリ(N−メチルイミノエチ
レン−N−メチルイミノテレフタロイル)、ポリ(イミ
ノテレフタロイルイミノエチレンオキシイソプタロイル
オキシエチレン)、ポリ(イミノテトラメチレンイミノ
テレフタロイル)、ポリ(イミノ−1,3−(4,6−
ジカルボキシ)フタロイルイミノ−1,4−フェニレ
ン)、ポリ(イミノ−1,3−(4,6−ジカルボキ
シ)フタロイルイミノ−1,4−フェニレン−1,4−
フェニレン)、ポリ(イミノ−1,3−(4,6−ジカ
ルボキシ)フタロイルイミノ−1,4−フェニレンオキ
シ−1,4−フェニレン)、ポリ(イミノ−1,3−
(4,6−ジカルボキシ)フタロイルイミノ−1,4−
フェニレンチオ−1,4−フェニレン)、ポリ(イミノ
−1,3−(4,6−ジカルボキシ)フタロイルイミノ
−1,4−フェニレンスルフォニル−1,4−フェニレ
ン)、ポリ(イミノ−1,3−(4,6−ジカルボキ
シ)フタロイルイミノ−1,4−フェニレンメチレン−
1,4−フェニレン)、ポリ(イミノ−1,3−(4,
6−ジカルボキシ)フタロイルイミノ−1,4−フェニ
レンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)等を挙げ
ることが出来る。
ては、ポリ(テトラメチレン−2,5−(1,3−ベン
ゾオキサゾール)イソプロピリデン−5,2−(1,3
−ベンゾオキサゾール))、ポリ(メタクレジル−2,
5−(1,3−ベンゾオキサゾール)イソプロピリデン
−5,2−ベンゾオキサゾール)、ポリ(1,4−フェ
ニレン−2,5−(1,3−ベンゾオキサゾール)イソ
プロピリデン−5,2−ベンゾオキサゾール)、ポリ
(オクタメチレン−2,5−(1,3,4−オキサジア
ゾール))、ポリ(ノナメチレン−N,N′−ピロメッ
トイミド)、ポリ(オキシ−1,4−フェニレン−N,
N′−ピロメットイミド−1,4−フェニレン)、ポリ
(テトラメチレン−2,2′−(6,6′−ジベンゾイ
ミダゾール))、ポリ(オクタメチレン−2,2′−
(6,6′−ジベンゾイミダゾール))、ポリ(シクロ
ヘキシレン−2,2′−(6,6′−ジベンゾイミダゾ
ール))等を挙げることが出来る。
エチレン、ポリエトキシエチレン、ポリブトキシエチレ
ン、ポリイソブトキシエチレン、ポリベンジルオキシエ
チレン等を挙げることが出来る。
ニルアルコール、部分アセチル化ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等を
挙げることが出来る。
リロニトリル、ポリメタクリルニトリル等を挙げること
が出来る。
−シクロヘキサジエン)、ポリ(1,5−シクロオクタ
ジエン)、ポリシクロペンタジエン、ポリインデン等を
挙げることが出来る。
チレン)、ポリ(オキシプロピリデン)、ポリ(オキシ
シクロヘキセニレン)、ポリ(オキシ−1,3−フェニ
レン)、ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレン)等を挙げることが出来る。
シスルフォニル−1,4−フェニレンスルフォニルオキ
シ−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシスルフォニル
−1,4−フェニレン−1,4−フェニレンスルフォニ
ルオキシ−1,4−フェニレン−1,4−フェニレ
ン)、ポリ(オキシスルフォニル−1,4−フェニレン
オキシ−1,4−フェニレンスルフォニルオキシ−1,
4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン)、ポリ
(オキシスルフォニル−1,4−フェニレンスルフォニ
ル−1,4−フェニレンスルフォニルオキシ−1,4−
フェニレンスルフォニル−1,4−フェニレン)等を挙
げることが出来る。
−1,4−フェニレンカルボニル−トリス−(オキシエ
チレン)オキシカルボニル−1)、ポリ(ヒドラゾアジ
ポイルヒドラゾイソフタロイル)、ポリ(ヒドラゾイソ
フタロイル−ヒドラゾテレフタロイル)等を挙げること
が出来る。
((フェニル−チオフォスホノイル)トリメチレン)、
ポリ(フェノキシフォスファゼン)、ポリ(4−(ニト
ロフェノキシ)フェノキシフォスファゼン)等を挙げる
ことが出来る。
使用し得る溶媒としては、ポリマーによって異なるが、
メチレンクロライド、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、2−フルオロ
エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、
1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,
3,3,3−ヘキサ−2−メチル−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ
−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
タフルオロ−1−ブタノール、パーフルオロ−tert
−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オク
トフルオロ−1−ペンタノール、2,2,3,3,4,
4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ト
リデカフルオロ−1−オクタノール、2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタ
デカフルオロ−1−オクタノール、1−(ペンタフルオ
ロフェニル)エタノール、2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロベンジルアルコール、ジフルオロ酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、1,1,1−トリフルオロアセトン、ペン
タフルオロプロピオン酸、パーフルオロ−2−ブタノ
ン、トリフルオロ酢酸−2,2,2−トリフルオロエチ
ル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、2,2,2−
トリフルオロエチルエーテル、トリフルオロ酢酸エチ
ル、ペンタフルオロブタン酸、パーフルオロシクロペン
タノン、トリフルオロ酢酸イソプロピル、2,3,4−
トリフルオロフェノール、2,3,5−トリフルオロフ
ェノール、2,3,6−トリフルオロフェノール、2,
3−ジフルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノ
ール、3,5−ジフルオロフェノール、2−フルオロフ
ェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェ
ノール、4,4,4−トリフルオロブタン酸エチル、ペ
ンタフルオロフェノール、2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロアニソール、2−フルオロ−3−(トリフルオ
ロメトキシ)フェノール、1−フルオロ−4−(トリフ
ルオロメトキシ)ベンゼン、2,3,5,6−テトラフ
ルオロアニソール、(トリフルオロメトキシ)ベンゼ
ン、α,α,α−トリフルオロ−o−クレゾール、α,
α,α−トリフルオロ−m−クレゾール、α,α,α−
トリフルオロ−p−クレゾール、2,4,5−トリフル
オロアニソール、3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼ
ン、4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2,4−
ジフルオロアニソール、2−フルオロアニソール、3−
フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、N−メ
チルピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トリフルオ
ロアセトアミド、N−アセチルモルホリン、N−メチル
カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリデ
ィノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホオキサイ
ド、テトラメチレンスルホン、N−メチルホスホアミ
ド、アセトニトリル、ジオキソラン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、アニソール、アセトン、アセトフェノ
ン、トルエン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ベンゼン、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o
−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロ
ロフェノール、ギ酸、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸アミル等を挙げることが出
来る。
着色剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを
添加してもよい。
液から10〜30μmのポリマーフィルムを作ることが
出来る。用途によって膜厚は異なるが、30〜130μ
mが好ましい。
液から作製するフィルムの用途は、写真フィルム用支持
体、液晶画像表示装置反射防止フィルム用あるいは位相
差フィルム用基材、高密度記録材料等の耐熱絶縁材料用
基材、航空宇宙分野の軽量・高強度複合材料用基材、防
弾装備用基材、精密機械等摺動部材、音響用振動板、太
陽電池用基材等、先端技術にとって重要な部材として用
いられる。
るが、これらによって限定されない。
性〉濾過後、超臨界物質を気液分離装置で分離したドー
プ(ポリマー溶液)を清潔なゴミのない透明な容器に入
れ、目視で作製直後、72時間後及び20日後の透明
性、結晶の有無を観察し、次の基準で評価しランク付け
した。
見られる C:若干濁りがあり、結晶状、凝集物あるいは不溶解物
のような異物が認められる。
装置を連続してドープを通過させ、実施例については1
ヶ月後、比較例については15日後の濾圧の上昇率を、
数値範囲をもって次のような評価ランクとした。
過装置を連続してドープを通過させ、1ヶ月目に濾過し
たドープを用いて作製したフィルムの面状を下記に数値
範囲をもって次のような評価ランクとした。
なかった B:微細な異物か、泡が50m2中に1個あった C:微細な異物か、泡が50m2中2から5個あった D:異物か泡が50m2中5個以上あった。
ーストリアセテート(置換度2.78)100重量部を
耐圧溶解容器に導入し、次いで撹拌しながら表1に記載
の溶媒として酢酸メチル190重量部とトリフェニルホ
スフェート10重量部導入して該容器を密閉し撹拌を続
け、系内の空気を二酸化炭素ガスで置換する。次に超臨
界物質として二酸化炭素120重量部を100℃、7.
4MPaとして導入して系内を超臨界状態とする。この
状態で1時間撹拌し、セルローストリアセテート溶液と
なし、排出口のバルブを開け、超臨界状態のまま濾過精
度30μmを有する濾過器を通し、減圧弁から気液分離
容器で二酸化炭素ガスとセルローストリアセテート溶液
に分離した。このセルローストリアセテート溶液を貯蔵
容器に移送し、8時間静置した後、該溶液を溶液流延製
膜装置に供給し、コートハンガーダイから乾燥膜厚が1
20μmになるように無端の鏡面を有するステンレスベ
ルト上に流延し、ウェブを剥離後、テンターに導入し、
搬送させながら120℃で乾燥し、クリップアウトした
後、ロール搬送しながら乾燥を続けて、巻き取り、セル
ローストリアセテートフィルムを得た。なお、クリップ
アウトした時のウェブの残留溶媒率は20%、また巻き
取り時の残留溶媒率は0.8%であった。なお、残留溶
媒率は測定する任意の試料を115℃で3時間加熱し、
下記の計算によって算出した。
量)−(乾燥後の重量)}/(乾燥重量)〕×100 なお、セルロースアシレートのアシル基の置換度測定は
下記のように行った。すなわち、アシル基の置換度は、
ケン化法によって測定するものとする。乾燥したセルロ
ースアシレートを精秤し、アセトン70mlとジメチル
スルホキシド30mlとの混合溶媒に溶解した後、更に
アセトン50mlを加えた。攪拌しながら1Nの水酸化
ナトリウム水溶液30mlを加え、25℃で2時間ケン
化する。熱水100mlを加え、フェノールフタレイン
を指示薬として添加し、1Nの硫酸水溶液(濃度ファク
ター;F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。ま
た、上記と同様な方法により、ブランクテストを行う。
滴定が終了した溶液の上澄み液を100に希釈し、イオ
ンクロマトグラフィーを用いて、定法により有機酸の組
成を測定した。滴定結果とイオンクロマトグラフィーの
酸組成物分析から下記によりアシル化置換度を計算し
た。
4×T[M+N]+(1−56.06×T[M+N])
×(Cn/Cm)} N=M×(Cn/Cm) ここで、 T[M+N]:全有機酸量(モル/g) E:ブランク試験滴定量(ml) V:試料滴定量(ml) F:1Nの硫酸のファクター W:試料重量(g) Cm:イオンクロマトグラフィーで測定した酢酸量(モ
ル) Cn:イオンクロマトグラフィーで測定した炭素原子数
3〜5の有機酸量(モル) Cn/Cm:酢酸と他の有機酸とのモル比 M:アセチル基の置換度 N:炭素原子数3〜5のアシル基の置換度 である。
ートプロピオネート(アセチル基置換度2.3、プロピ
オニル基置換度0.5)を用いた外は、実施例1と同様
に行った。
モコエンジニアリング社製)を100重量部を耐圧性溶
解容器に投入し、ついで撹拌しながらフェニルメチルエ
ーテル(アニソール)190重量部を投入し、該容器内
の空気を二酸化炭素ガスで置換し、次に二酸化炭素8
4.5重量部を100℃、7.4MPaとして導入し系
内を超臨界状態とする。この状態で2時間撹拌し、排出
口のバルブを開け、超臨界状態のまま濾過精度30μm
を有する濾過器を通し、減圧弁から気液分離容器で二酸
化炭素ガスとポリスルホン樹脂溶液に分離した。この溶
液を貯蔵容器に移送し、8時間静置した後、ポリスルホ
ン樹脂溶液を溶液流延製膜装置に供給し、コートハンガ
ーダイから乾燥膜厚が80μmになるようにベルト上に
流延し、ウェブを剥離後テンターに導入し、150〜2
50℃で乾燥し、巻き取りポリスルホン樹脂フィルムを
得た。
ンオキシ−1,4−フェニレン)の芳香族ポリアミド樹
脂を100重量部を耐圧性溶解容器に投入し、ついで撹
拌しながらN−メチルピロリドン190重量部を投入
し、該容器内の空気を二酸化炭素ガスで置換し、次に二
酸化炭素92.2重量部を100℃、7.4MPaとし
て導入し系内を超臨界状態とする。この状態で2時間撹
拌し、排出口のバルブを開け、超臨界状態のまま濾過精
度30μmを有する濾過器を通し、減圧弁から気液分離
容器で二酸化炭素ガスと芳香族ポリアミド樹脂溶液に分
離した。この溶液を貯蔵容器に移送し、8時間静置した
後、芳香族ポリアミド樹脂溶液を溶液流延製膜装置に供
給し、コートハンガーダイから乾燥膜厚が50μmにな
るようにベルト上に流延し、ウェブを剥離後テンターに
導入し、210〜300℃で乾燥し、巻き取りポリ(イ
ミノイソフタロイルイミノ−1,4−フェニレンオキシ
−1,4−フェニレン)フィルムを得た。
リットイミド−1,4−フェニレン)のポリイミド樹脂
(商品名ヴェスペル、デュポン社製)を100重量部を
耐圧性溶解容器に投入し、ついで撹拌しながらN,Nジ
メチルアセトアミド567重量部を投入し、容器内の空
気を二酸化炭素ガスで置換し、次に二酸化炭素313重
量部を100℃、7.4MPaとして導入し系内を超臨
界状態とする。この状態で1時間撹拌し、排出口のバル
ブを開け、超臨界状態のまま濾過精度30μmを有する
濾過器を通し、減圧弁から気液分離容器で二酸化炭素ガ
スとポリイミド樹脂溶液に分離した。この溶液を貯蔵容
器に移送し、8時間静置した後、ポリイミド樹脂溶液を
溶液流延製膜装置に供給し、コートハンガーダイから乾
燥膜厚が80μmになるようにベルト上に流延し、ウェ
ブを剥離後テンターに導入し、180〜250℃で乾燥
し、巻き取りポリイミド樹脂フィルムを得た。
外は実施例1と同様に行った。
外は実施例2と同様に行った。
外は実施例3と同様に行った。
外は実施例4と同様に行った。
外は実施例5と同様に行った。
下記表1に結果を示す。
で溶解した本発明の方法は、濾過の負荷がほとんどな
く、異物もなく、結晶も発生せず、良品質のドープを得
ることが出来、濾過寿命を非常に延ばすことが出来た。
またこれによって製膜したフィルムもフィッシュアイも
なく面状の優れたフィルムを得ることが出来た。これに
対して、通常の方法で溶解した比較例は濾過直後のもの
はさほど目立たなかった透明性や異物も経時で現れ、ド
ープの経時安定性が乏しく、仕上がりのフィルムについ
ても面状が悪かった。
溶解することによって濾過装置に負荷をかけることな
く、良質なドープを得ることが出来、更に濾過寿命が非
常に延びることにより生産性が向上し、コストの安い手
段を提供することが出来る。またこのドープを用いて製
膜することにより、欠陥のない生産収率の優れ、良好な
品質のしかもコストダウンのはかれたフィルムを提供出
来る。更に今まで溶解し難いか、あるいは異物の成長を
生じ易かった耐熱性ポリマードープ及びフィルムを容易
に提供出来る。
Claims (13)
- 【請求項1】 超臨界流体となる物質の超臨界温度以上
及び超臨界圧力以上から選ばれる少なくとも一方の超臨
界状態で該物質の超臨界流体を形成する手段、及び該状
態における該物質を用いてポリマーを溶解する手段を有
することを特徴とするポリマー溶液調製装置。 - 【請求項2】 超臨界流体となる物質の超臨界温度以上
及び超臨界圧力以上から選ばれる少なくとも一方の超臨
界状態で該物質の超臨界流体を形成する手段、該状態に
おける該物質を用いてポリマーを溶解する手段、該状態
においてポリマー溶液を濾過する手段、及び該物質を該
ポリマー溶液から除去する手段を有することを特徴とす
るポリマー溶液調製装置。 - 【請求項3】 前記超臨界状態における前記物質を除去
する手段が、減圧する手段であることを特徴とする請求
項1または2に記載のポリマー溶液調製装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の装
置を用いて調製した溶液を使用する前に、脱泡する手段
を有することを特徴とするポリマー溶液調製装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の装
置を用いて調製することを特徴とするポリマー溶液の調
製方法。 - 【請求項6】 前記物質が二酸化炭素であることを特徴
とする請求項5に記載のポリマー溶液の調製方法。 - 【請求項7】 超臨界温度が25〜150℃で、超臨界
圧力が50〜500気圧であることを特徴とする請求項
5または6に記載のポリマー溶液の調製方法。 - 【請求項8】 超臨界温度が31〜120℃、超臨界圧
力が72.9〜200気圧であることを特徴とする請求
項5乃至7の何れか1項に記載のポリマー溶液の調製方
法。 - 【請求項9】 ポリマーがガラス転移点70℃以上であ
ることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載
のポリマー溶液の調製方法。 - 【請求項10】 超臨界流体を用いてポリマーを溶解す
る際のポリマーの濃度が、10重量%以上であることを
特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載のポリマ
ー溶液の調製方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の
ポリマー溶液調製装置の後に溶液流延製膜装置を有する
ポリマーフィルムの製造装置。 - 【請求項12】 請求項5乃至10の何れか1項に記載
の方法により調製したポリマー溶液を用い、溶液流延製
膜方法により製膜することを特徴とするポリマーフィル
ムの製造方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の方法により製膜し
たことを特徴とするポリマーフィルム。
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