JP2000256451A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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- JP2000256451A JP2000256451A JP11060033A JP6003399A JP2000256451A JP 2000256451 A JP2000256451 A JP 2000256451A JP 11060033 A JP11060033 A JP 11060033A JP 6003399 A JP6003399 A JP 6003399A JP 2000256451 A JP2000256451 A JP 2000256451A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 重縮合反応時に留出するゲルマニウム化合物
を精製回収して重縮合触媒として再使用するポリエステ
ルの製造方法において、回収率を高めて回収コストの安
価な二酸化ゲルマニウムを再利用できるポリエステルの
製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルオリゴマーを、二酸化ゲル
マニウムを触媒として重縮合反応させてポリエステルを
製造するに際し、前記重縮合反応に伴って生成する反応
留出液から、下記の(a)〜(d)の工程を経て得られ
る二酸化ゲルマニウムを触媒として再使用する。 (a)反応留出液を濃縮比率20倍以下に蒸留する工
程。 (b)(a)の濃縮液中に含有するオリゴマーをエチレ
ングリコールで解重合する工程。 (c)解重合後の液を蒸留濃縮する工程。 (d)濃縮液を精製処理する工程。
を精製回収して重縮合触媒として再使用するポリエステ
ルの製造方法において、回収率を高めて回収コストの安
価な二酸化ゲルマニウムを再利用できるポリエステルの
製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルオリゴマーを、二酸化ゲル
マニウムを触媒として重縮合反応させてポリエステルを
製造するに際し、前記重縮合反応に伴って生成する反応
留出液から、下記の(a)〜(d)の工程を経て得られ
る二酸化ゲルマニウムを触媒として再使用する。 (a)反応留出液を濃縮比率20倍以下に蒸留する工
程。 (b)(a)の濃縮液中に含有するオリゴマーをエチレ
ングリコールで解重合する工程。 (c)解重合後の液を蒸留濃縮する工程。 (d)濃縮液を精製処理する工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化ゲルマニウ
ムを重縮合触媒とするポリエステルの製造方法におい
て、重縮合反応時に留出するゲルマニウム化合物を回収
し、重縮合触媒として再使用するポリエステルの製造方
法に関するものである。
ムを重縮合触媒とするポリエステルの製造方法におい
て、重縮合反応時に留出するゲルマニウム化合物を回収
し、重縮合触媒として再使用するポリエステルの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルを代表するポリエチレンテ
レフタレート(PET)は、テレフタル酸(TPA)又
はテレフタル酸ジメチル(DMT)とエチレングリコー
ル(EG)とをエステル化反応又はエステル交換反応さ
せてポリエステルオリゴマー(オリゴマー)とし、この
オリゴマーを重縮合触媒の存在下、高温、高減圧下でE
Gを留去しながら重縮合させる方法により製造されてい
る。
レフタレート(PET)は、テレフタル酸(TPA)又
はテレフタル酸ジメチル(DMT)とエチレングリコー
ル(EG)とをエステル化反応又はエステル交換反応さ
せてポリエステルオリゴマー(オリゴマー)とし、この
オリゴマーを重縮合触媒の存在下、高温、高減圧下でE
Gを留去しながら重縮合させる方法により製造されてい
る。
【0003】重縮合触媒としては、アンチモン化合物、
ゲルマニウム化合物、チタン化合物等種々の化合物が知
られているが、ボトル用などの高透明度の要求されるポ
リエステルの製造には二酸化ゲルマニウムが一般に使用
されている。しかし、二酸化ゲルマニウムは高価である
とともに、重縮合反応時に投入量の半分以上がEGに伴
われて系外に留出するため、重縮合触媒として必要な量
の2倍以上を投入しなければならず、PETの製造コス
トを著しく高くするという問題を有している。
ゲルマニウム化合物、チタン化合物等種々の化合物が知
られているが、ボトル用などの高透明度の要求されるポ
リエステルの製造には二酸化ゲルマニウムが一般に使用
されている。しかし、二酸化ゲルマニウムは高価である
とともに、重縮合反応時に投入量の半分以上がEGに伴
われて系外に留出するため、重縮合触媒として必要な量
の2倍以上を投入しなければならず、PETの製造コス
トを著しく高くするという問題を有している。
【0004】そこで、重縮合反応時に留出したゲルマニ
ウム化合物を再利用することが試みられている。例え
ば、重縮合反応時の留出液を分離精製することなく、あ
るいは濃縮して、エステル化又はエステル交換反応時に
投入して再利用する方法(特開昭55−110120号
公報)や反応留出液を濃縮処理した後、ゲルマニウム化
合物を精製処理して再利用する方法(特開昭63−69
711号公報)が提案されている。
ウム化合物を再利用することが試みられている。例え
ば、重縮合反応時の留出液を分離精製することなく、あ
るいは濃縮して、エステル化又はエステル交換反応時に
投入して再利用する方法(特開昭55−110120号
公報)や反応留出液を濃縮処理した後、ゲルマニウム化
合物を精製処理して再利用する方法(特開昭63−69
711号公報)が提案されている。
【0005】しかし、前者の方法では、エステル化又は
エステル交換反応時にゲルマニウム化合物の一部が反応
ガスと共に留出してしまい、再使用率が低下するという
問題があった。
エステル交換反応時にゲルマニウム化合物の一部が反応
ガスと共に留出してしまい、再使用率が低下するという
問題があった。
【0006】一方、後者の方法によれば、回収再使用す
る二酸化ゲルマニウムに低沸点不純物や高沸点不純物を
含まないため、PETの品質に影響を与えることなく利
用することができる。しかし、この方法では、精製処理
工程での回収率を経済的な水準に保つためには反応留出
液を濃縮処理して含有するゲルマニウム化合物の濃度を
高めておく必要があるが、濃縮蒸留の際、反応留出液中
に併含されるオリゴマーの濃度も高まることから、濃縮
比率が高まると共に濃縮液の流動性が著しく低下し、次
工程への移送作業や添加剤の混合性が悪化してしまうた
め、充分な回収率が得られるゲルマニウム化合物の濃度
になるまで濃縮倍率を上げられないという問題があっ
た。
る二酸化ゲルマニウムに低沸点不純物や高沸点不純物を
含まないため、PETの品質に影響を与えることなく利
用することができる。しかし、この方法では、精製処理
工程での回収率を経済的な水準に保つためには反応留出
液を濃縮処理して含有するゲルマニウム化合物の濃度を
高めておく必要があるが、濃縮蒸留の際、反応留出液中
に併含されるオリゴマーの濃度も高まることから、濃縮
比率が高まると共に濃縮液の流動性が著しく低下し、次
工程への移送作業や添加剤の混合性が悪化してしまうた
め、充分な回収率が得られるゲルマニウム化合物の濃度
になるまで濃縮倍率を上げられないという問題があっ
た。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問
題を解決し、重縮合反応時に留出するゲルマニウム化合
物を精製回収して重縮合触媒として再使用するポリエス
テルの製造方法において、回収率を高めることにより、
より回収コストの安価な二酸化ゲルマニウムを再利用す
ることができるポリエステルの製造方法を提供すること
を技術的な課題とするものである。
題を解決し、重縮合反応時に留出するゲルマニウム化合
物を精製回収して重縮合触媒として再使用するポリエス
テルの製造方法において、回収率を高めることにより、
より回収コストの安価な二酸化ゲルマニウムを再利用す
ることができるポリエステルの製造方法を提供すること
を技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために研究を重ね、鋭意検討した結果、反
応留出液を濃縮して得られる濃縮液中に含有するゲルマ
ニウム化合物の濃度を、精製処理工程で充分な回収率が
得られる水準まで高めることができ、かつ、精製処理工
程の時間を短縮できる方法を見い出して本発明に到達し
た。
題を解決するために研究を重ね、鋭意検討した結果、反
応留出液を濃縮して得られる濃縮液中に含有するゲルマ
ニウム化合物の濃度を、精製処理工程で充分な回収率が
得られる水準まで高めることができ、かつ、精製処理工
程の時間を短縮できる方法を見い出して本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明は、ポリエステルオリゴ
マーを、二酸化ゲルマニウムを触媒として重縮合反応さ
せてポリエステルを製造するに際し、前記重縮合反応に
伴って生成する反応留出液から、下記の(a)〜(d)
の工程を経て得られる二酸化ゲルマニウムを触媒として
再使用することを特徴とするポリエステルの製造方法を
要旨とするものである。 (a)反応留出液を濃縮比率20倍以下に蒸留する工
程。 (b)(a)の濃縮液中に含有するオリゴマーをEGで
解重合する工程。 (c)解重合後の液を蒸留濃縮する工程。 (d)濃縮液を精製処理する工程。
マーを、二酸化ゲルマニウムを触媒として重縮合反応さ
せてポリエステルを製造するに際し、前記重縮合反応に
伴って生成する反応留出液から、下記の(a)〜(d)
の工程を経て得られる二酸化ゲルマニウムを触媒として
再使用することを特徴とするポリエステルの製造方法を
要旨とするものである。 (a)反応留出液を濃縮比率20倍以下に蒸留する工
程。 (b)(a)の濃縮液中に含有するオリゴマーをEGで
解重合する工程。 (c)解重合後の液を蒸留濃縮する工程。 (d)濃縮液を精製処理する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0011】本発明は、TPAとEGとからエステル化
反応及び重縮合反応を経てPETを製造する際に好適に
採用される。重縮合触媒としては、二酸化ゲルマニウム
を使用するものであるが、三酸化アンチモンと併用した
場合でも、三酸化アンチモンは重縮合反応時にほとんど
留出しないので、本発明を適用することができる。
反応及び重縮合反応を経てPETを製造する際に好適に
採用される。重縮合触媒としては、二酸化ゲルマニウム
を使用するものであるが、三酸化アンチモンと併用した
場合でも、三酸化アンチモンは重縮合反応時にほとんど
留出しないので、本発明を適用することができる。
【0012】次に、TPAとEGとからPETを製造す
る具体例について、図面を参照しながら説明する。図1
は、本発明の一実施態様を示す概略工程図であり、1は
スラリー槽、2は連続式エステル化反応装置、3は連続
式重縮合反応装置、4はオリゴマー供給配管、5は触媒
液調製槽、6は触媒液供給ポンプ、7は第1段蒸留濃縮
装置、8はオリゴマーの解重合装置、9は第2段蒸留濃
縮装置、10は精製回収装置である。
る具体例について、図面を参照しながら説明する。図1
は、本発明の一実施態様を示す概略工程図であり、1は
スラリー槽、2は連続式エステル化反応装置、3は連続
式重縮合反応装置、4はオリゴマー供給配管、5は触媒
液調製槽、6は触媒液供給ポンプ、7は第1段蒸留濃縮
装置、8はオリゴマーの解重合装置、9は第2段蒸留濃
縮装置、10は精製回収装置である。
【0013】まず、TPAとEGとをモル比1/1.1
〜1/2.0の割合でスラリー槽1に投入し、撹拌、混
合してスラリーを調製する。次いで、このスラリーを、
オリゴマーの存在する連続式エステル化反応装置2に投
入し、圧力0.1〜0.6MPa、温度230〜280
℃でエステル化反応を行い、オリゴマーを得る。この
際、エステル化反応で発生する水は、蒸留分離して系外
へ排出する。
〜1/2.0の割合でスラリー槽1に投入し、撹拌、混
合してスラリーを調製する。次いで、このスラリーを、
オリゴマーの存在する連続式エステル化反応装置2に投
入し、圧力0.1〜0.6MPa、温度230〜280
℃でエステル化反応を行い、オリゴマーを得る。この
際、エステル化反応で発生する水は、蒸留分離して系外
へ排出する。
【0014】得られたオリゴマーをオリゴマー供給配管
4を通して連続式重縮合反応装置3に投入する。そし
て、これと同時にあるいはオリゴマー投入直後に、重縮
合触媒として触媒液調製槽5で作液した二酸化ゲルマニ
ウムのEG溶液を触媒液供給ポンプ6で計量しながら供
給する。この時の触媒液調製槽5で作液の際に投入する
二酸化ゲルマニウムは回収品と新たな製品との比率を制
限することなく使用することができる。連続式重縮合反
応装置3では、0.1〜30hPaの圧力下で、温度2
60〜290℃で重縮合反応が行われる。
4を通して連続式重縮合反応装置3に投入する。そし
て、これと同時にあるいはオリゴマー投入直後に、重縮
合触媒として触媒液調製槽5で作液した二酸化ゲルマニ
ウムのEG溶液を触媒液供給ポンプ6で計量しながら供
給する。この時の触媒液調製槽5で作液の際に投入する
二酸化ゲルマニウムは回収品と新たな製品との比率を制
限することなく使用することができる。連続式重縮合反
応装置3では、0.1〜30hPaの圧力下で、温度2
60〜290℃で重縮合反応が行われる。
【0015】重縮合反応での反応留出液は、第1段蒸留
濃縮装置7に移送する。この反応留出液は、EG、水分
(蒸発成分)、飛散したオリゴマーやオリゴマーの分解
物(残渣成分)と共に、ゲルマニウム化合物を含有して
いるが、ここで15〜270hPaの圧力下で100〜
180℃に加熱して低沸点成分である蒸発成分を留去さ
せる。ここでの濃縮比率(濃縮比率=濃縮前液量/濃縮
後液量)は、任意に決定されるが、蒸留濃縮液中にEG
が多く残存している方が次の解重合工程が効率的に行え
るので、20倍以下である必要があり、好ましくは15
倍以下である。
濃縮装置7に移送する。この反応留出液は、EG、水分
(蒸発成分)、飛散したオリゴマーやオリゴマーの分解
物(残渣成分)と共に、ゲルマニウム化合物を含有して
いるが、ここで15〜270hPaの圧力下で100〜
180℃に加熱して低沸点成分である蒸発成分を留去さ
せる。ここでの濃縮比率(濃縮比率=濃縮前液量/濃縮
後液量)は、任意に決定されるが、蒸留濃縮液中にEG
が多く残存している方が次の解重合工程が効率的に行え
るので、20倍以下である必要があり、好ましくは15
倍以下である。
【0016】次に、前記濃縮液をオリゴマーの解重合装
置8に供給し、濃縮液中のオリゴマーをEGにより解重
合する。第1段蒸留濃縮比率が20倍以下の場合、濃縮
液中には解重合に必要な量のEGが残存しているため、
そのまま解重合できる。なお、濃縮液中に充分なEGが
残存しない場合には、系外から必要量のEGを添加する
ことも可能である。
置8に供給し、濃縮液中のオリゴマーをEGにより解重
合する。第1段蒸留濃縮比率が20倍以下の場合、濃縮
液中には解重合に必要な量のEGが残存しているため、
そのまま解重合できる。なお、濃縮液中に充分なEGが
残存しない場合には、系外から必要量のEGを添加する
ことも可能である。
【0017】本発明において濃縮液を解重合するのは、
蒸留濃縮液中のオリゴマーの濃度が高いと濃縮液の流動
性が悪く、二酸化ゲルマニウムの精製処理工程への移送
作業や添加剤の混合性が悪化するので、オリゴマーを解
重合することによって流動性を向上させるためである。
解重合の際の温度は120〜280℃、圧力は常圧〜1
MPa、滞留時間は1〜50時間の範囲内であることが
好ましい。解重合反応速度は、液温度が高くなると共に
増加するため、液温度を高くすれば滞留時間は短くな
り、経済的である。反応容器圧力を常圧〜1MPaにす
ることにより、EGの沸点である197℃以上に液温度
を上げることができるが、実際にはオリゴマーの解重合
装置8の種類により加圧可能限界があり、前記した圧力
範囲と温度範囲内で適切な時間と圧力を選択すればよ
い。液温度が120℃未満になると、濃縮液の流動性を
良好なものにするためには、50時間以上の長時間を要
するため好ましくない。
蒸留濃縮液中のオリゴマーの濃度が高いと濃縮液の流動
性が悪く、二酸化ゲルマニウムの精製処理工程への移送
作業や添加剤の混合性が悪化するので、オリゴマーを解
重合することによって流動性を向上させるためである。
解重合の際の温度は120〜280℃、圧力は常圧〜1
MPa、滞留時間は1〜50時間の範囲内であることが
好ましい。解重合反応速度は、液温度が高くなると共に
増加するため、液温度を高くすれば滞留時間は短くな
り、経済的である。反応容器圧力を常圧〜1MPaにす
ることにより、EGの沸点である197℃以上に液温度
を上げることができるが、実際にはオリゴマーの解重合
装置8の種類により加圧可能限界があり、前記した圧力
範囲と温度範囲内で適切な時間と圧力を選択すればよ
い。液温度が120℃未満になると、濃縮液の流動性を
良好なものにするためには、50時間以上の長時間を要
するため好ましくない。
【0018】ここで得られた解重合液を第2段蒸留濃縮
装置9に移送する。この解重合液はEG、ジエチレング
リコール(DEG)、トリエチレングリコール(TE
G)、オリゴマーやオリゴマーの分解物、ゲルマニウム
化合物を含有している。本発明において解重合液を再度
濃縮するのは、解重合しただけでは、この解重合液に含
まれるEG、DEG、TEGと、オリゴマーやオリゴマ
ーの分解物が分離しやすくなり、液が不均一になってし
まうが、濃縮することで透明な均一溶液とすることがで
きるからである。濃縮液が不均一な場合、精製回収装置
10への移送が困難になりやすく、次の精製処理工程で
長時間を要するようになる。また、濃縮液中に二酸化ゲ
ルマニウムが遍在しやすくなり、回収率が低下する。
装置9に移送する。この解重合液はEG、ジエチレング
リコール(DEG)、トリエチレングリコール(TE
G)、オリゴマーやオリゴマーの分解物、ゲルマニウム
化合物を含有している。本発明において解重合液を再度
濃縮するのは、解重合しただけでは、この解重合液に含
まれるEG、DEG、TEGと、オリゴマーやオリゴマ
ーの分解物が分離しやすくなり、液が不均一になってし
まうが、濃縮することで透明な均一溶液とすることがで
きるからである。濃縮液が不均一な場合、精製回収装置
10への移送が困難になりやすく、次の精製処理工程で
長時間を要するようになる。また、濃縮液中に二酸化ゲ
ルマニウムが遍在しやすくなり、回収率が低下する。
【0019】第2段蒸留濃縮装置9では、15〜270
hPaの圧力下で100〜180℃に加熱して低沸点成
分を留去させ、濃縮液を得る。ここでの濃縮比率(濃縮
比率=濃縮前液量/濃縮後液量)は、二酸化ゲルマニウ
ムの回収率向上と濃縮液の透明化、流動性確保が合理的
に見合う点で決定すればよいが、精製回収工程を効率的
に行うためには4倍以上であることが好ましい。
hPaの圧力下で100〜180℃に加熱して低沸点成
分を留去させ、濃縮液を得る。ここでの濃縮比率(濃縮
比率=濃縮前液量/濃縮後液量)は、二酸化ゲルマニウ
ムの回収率向上と濃縮液の透明化、流動性確保が合理的
に見合う点で決定すればよいが、精製回収工程を効率的
に行うためには4倍以上であることが好ましい。
【0020】このようにして得られた濃縮液は、精製回
収装置10に投入して二酸化ゲルマニウムとして精製回
収し、再び重縮合触媒として使用する。精製回収方法と
しては、濃縮液に塩酸を加えてゲルマニウム化合物を塩
化ゲルマニウムとして精製蒸留して得た後、水酸化ナト
リウムを加えて水酸化ゲルマニウムとして精製濾過し、
これを脱水反応させて高純度の二酸化ゲルマニウムを得
る方法や、解重合液を焼却処理し、焼却灰中に残存する
二酸化ゲルマニウムを精製回収する方法などの公知の方
法が利用できる。なお、本発明は、上記のような連続式
の他、回分式でポリエステルを製造する場合にも適用す
ることができる。
収装置10に投入して二酸化ゲルマニウムとして精製回
収し、再び重縮合触媒として使用する。精製回収方法と
しては、濃縮液に塩酸を加えてゲルマニウム化合物を塩
化ゲルマニウムとして精製蒸留して得た後、水酸化ナト
リウムを加えて水酸化ゲルマニウムとして精製濾過し、
これを脱水反応させて高純度の二酸化ゲルマニウムを得
る方法や、解重合液を焼却処理し、焼却灰中に残存する
二酸化ゲルマニウムを精製回収する方法などの公知の方
法が利用できる。なお、本発明は、上記のような連続式
の他、回分式でポリエステルを製造する場合にも適用す
ることができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、測定法は次の通りである。 (a)色調(b値) 日本電色工業社製300A型色差計で測定した。 (b)極限粘度 ポリエステルをフェノールとテトラクロールエタンとの
等重量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定した。 (c)二酸化ゲルマニウム濃度 EG溶液を蛍光X線分析装置リガク社製3270型で測
定した。
する。なお、測定法は次の通りである。 (a)色調(b値) 日本電色工業社製300A型色差計で測定した。 (b)極限粘度 ポリエステルをフェノールとテトラクロールエタンとの
等重量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定した。 (c)二酸化ゲルマニウム濃度 EG溶液を蛍光X線分析装置リガク社製3270型で測
定した。
【0022】実施例1 図1の工程に従って、次の条件でPETの製造を30日
間連続して行った。TPAとEGを、TPAは2000
kg/h、EGは900kg/hの割合でスラリー槽1
に供給し、撹拌、混合してスラリーとし、このスラリー
を連続式エステル化反応装置2に供給し、圧力0.12
MPa、温度260℃でエステル化反応を行ってオリゴ
マーとした。
間連続して行った。TPAとEGを、TPAは2000
kg/h、EGは900kg/hの割合でスラリー槽1
に供給し、撹拌、混合してスラリーとし、このスラリー
を連続式エステル化反応装置2に供給し、圧力0.12
MPa、温度260℃でエステル化反応を行ってオリゴ
マーとした。
【0023】次いで、このオリゴマーを連続式重縮合反
応装置3に供給し、二酸化ゲルマニウムの精製回収した
ものと、新たなものとの混合比が2/8である二酸化ゲ
ルマニウムのEG溶液を30kg/hで添加した。重縮
合反応装置3は第1〜3槽からなるもので、各槽の温度
及び圧力を順次、270℃×30hPa、273℃×3
hPa、275℃×1hPaとした。
応装置3に供給し、二酸化ゲルマニウムの精製回収した
ものと、新たなものとの混合比が2/8である二酸化ゲ
ルマニウムのEG溶液を30kg/hで添加した。重縮
合反応装置3は第1〜3槽からなるもので、各槽の温度
及び圧力を順次、270℃×30hPa、273℃×3
hPa、275℃×1hPaとした。
【0024】連続式重縮合反応装置3からの反応留出液
を、第1段蒸留濃縮装置7に導入し、圧力50hPa、
温度130℃の条件下で濃縮比率が20倍となるまで蒸
留を行い、濃縮液を得た。この濃縮液中のゲルマニウム
濃度は二酸化ゲルマニウム換算で5000ppmであっ
た。
を、第1段蒸留濃縮装置7に導入し、圧力50hPa、
温度130℃の条件下で濃縮比率が20倍となるまで蒸
留を行い、濃縮液を得た。この濃縮液中のゲルマニウム
濃度は二酸化ゲルマニウム換算で5000ppmであっ
た。
【0025】次に、この濃縮液を解重合装置8に供給
し、0.5MPa、200℃で1時間撹拌して、解重合
を行った。この解重合液を第2段蒸留濃縮装置9に移送
し、圧力50hPa、温度150℃の条件下で濃縮比率
が4倍となるまで蒸留濃縮を行い濃縮液を得た。この濃
縮液中の二酸化ゲルマニウム濃度は、20000ppm
であり、液は透明であった。
し、0.5MPa、200℃で1時間撹拌して、解重合
を行った。この解重合液を第2段蒸留濃縮装置9に移送
し、圧力50hPa、温度150℃の条件下で濃縮比率
が4倍となるまで蒸留濃縮を行い濃縮液を得た。この濃
縮液中の二酸化ゲルマニウム濃度は、20000ppm
であり、液は透明であった。
【0026】こうして得られた濃縮液を精製回収装置1
0に投入して塩酸を用いた精製回収処理を行い、回収さ
れた二酸化ゲルマニウムは再び触媒液調製槽5で使用し
た。期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は73
kgであった。PETの生産量は2300kg/hで、
得られたPETは、極限粘度が0.66、b値が0.2
であった。
0に投入して塩酸を用いた精製回収処理を行い、回収さ
れた二酸化ゲルマニウムは再び触媒液調製槽5で使用し
た。期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は73
kgであった。PETの生産量は2300kg/hで、
得られたPETは、極限粘度が0.66、b値が0.2
であった。
【0027】実施例2 第1段蒸留濃縮装置7での蒸留濃縮倍率が15倍であ
り、解重合装置8での圧力が1.0MPa、温度が23
0℃で解重合を1時間行い、6倍に濃縮した他は実施例
1と同様にしてPETを製造した。
り、解重合装置8での圧力が1.0MPa、温度が23
0℃で解重合を1時間行い、6倍に濃縮した他は実施例
1と同様にしてPETを製造した。
【0028】その結果、得られた濃縮液中の二酸化ゲル
マニウム濃度は33000ppmであり、液は透明であ
った。また、期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総
量は70kgであった。PETの生産量は2300kg
/hで、得られたPETは、極限粘度が0.66、b値
が0.3であった。
マニウム濃度は33000ppmであり、液は透明であ
った。また、期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総
量は70kgであった。PETの生産量は2300kg
/hで、得られたPETは、極限粘度が0.66、b値
が0.3であった。
【0029】比較例1 図1の工程で、オリゴマー解重合装置8と第2段蒸留濃
縮装置9を使用せず、蒸留濃縮装置7での蒸留濃縮倍率
を30倍とした以外は、実施例1と同様にしてPETの
製造を30日間連続して行った。
縮装置9を使用せず、蒸留濃縮装置7での蒸留濃縮倍率
を30倍とした以外は、実施例1と同様にしてPETの
製造を30日間連続して行った。
【0030】その結果、濃縮液中の二酸化ゲルマニウム
の濃度は7600ppmと低いにもかかわらず、液は濁
っており、また、流動性が悪いため移送に時間がかかっ
た。期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は40
kgにすぎなかった。PETの生産量は2300kg/
hで、得られたPETは、極限粘度が0.65、b値が
0.4であった。
の濃度は7600ppmと低いにもかかわらず、液は濁
っており、また、流動性が悪いため移送に時間がかかっ
た。期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は40
kgにすぎなかった。PETの生産量は2300kg/
hで、得られたPETは、極限粘度が0.65、b値が
0.4であった。
【0031】比較例2 第1段蒸留濃縮装置7での一段目の濃縮比率を40倍と
し、解重合液を第2段蒸留濃縮装置9に移送し、圧力5
0hPa、温度150℃の条件下で濃縮比率が4倍とな
るまで蒸留濃縮を行った以外は、実施例1と同様にして
PETの製造を30日間連続して行った。
し、解重合液を第2段蒸留濃縮装置9に移送し、圧力5
0hPa、温度150℃の条件下で濃縮比率が4倍とな
るまで蒸留濃縮を行った以外は、実施例1と同様にして
PETの製造を30日間連続して行った。
【0032】その結果、濃縮液中の二酸化ゲルマニウム
の濃度は50000ppmであったが、流動性の改善効
果が低く、移送に時間がかかった。また、液は濁ってお
り、期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は55
kgにすぎなかった。PETの生産量は2300kg/
hで、得られたPETは、極限粘度が0.66、b値が
0.4であった。
の濃度は50000ppmであったが、流動性の改善効
果が低く、移送に時間がかかった。また、液は濁ってお
り、期間中に得られた二酸化ゲルマニウムの総量は55
kgにすぎなかった。PETの生産量は2300kg/
hで、得られたPETは、極限粘度が0.66、b値が
0.4であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、二酸化ゲルマニウムを
重合触媒とするポリエステルの製造方法において、反応
留出液の低沸点成分を蒸留留去した濃縮液中のオリゴマ
ーをEGにより解重合することで濃縮液の流動性がよく
なるので、濃縮比率を高くして濃縮液中のゲルマニウム
化合物の濃度を充分に高めることができ、また、解重合
液を濃縮することで均一な透明液が得られるので、精製
処理時間が短縮されて回収効率が向上し、二酸化ゲルマ
ニウムを安価なコストで回収して再利用することが可能
となる。
重合触媒とするポリエステルの製造方法において、反応
留出液の低沸点成分を蒸留留去した濃縮液中のオリゴマ
ーをEGにより解重合することで濃縮液の流動性がよく
なるので、濃縮比率を高くして濃縮液中のゲルマニウム
化合物の濃度を充分に高めることができ、また、解重合
液を濃縮することで均一な透明液が得られるので、精製
処理時間が短縮されて回収効率が向上し、二酸化ゲルマ
ニウムを安価なコストで回収して再利用することが可能
となる。
【図1】本発明のポリエステルの製造方法の一実施態様
を示す概略工程図である。
を示す概略工程図である。
1 スラリー槽 2 連続式エステル化反応装置 3 連続式重縮合反応装置 4 オリゴマー供給配管 5 触媒液調製槽 6 触媒液供給ポンプ 7 第1段蒸留濃縮装置 8 オリゴマー解重合装置 9 第2段蒸留濃縮装置 10 精製回収装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 益夫 愛知県豊田市畝部東町川田41−34 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AB05 AC02 BA03 CB06A JA091 JF361 KH08 KJ02 KJ03 LB02
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステルオリゴマーを、二酸化ゲル
マニウムを触媒として重縮合反応させてポリエステルを
製造するに際し、前記重縮合反応に伴って生成する反応
留出液から、下記の(a)〜(d)の工程を経て得られ
る二酸化ゲルマニウムを触媒として再使用することを特
徴とするポリエステルの製造方法。 (a)反応留出液を濃縮比率20倍以下に蒸留する工
程。 (b)(a)の濃縮液中に含有するオリゴマーをエチレ
ングリコールで解重合する工程。 (c)解重合後の液を蒸留濃縮する工程。 (d)濃縮液を精製処理する工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11060033A JP2000256451A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11060033A JP2000256451A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256451A true JP2000256451A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=13130366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11060033A Pending JP2000256451A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000256451A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004323828A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法 |
-
1999
- 1999-03-08 JP JP11060033A patent/JP2000256451A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004323828A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法 |
JP4552462B2 (ja) * | 2003-04-07 | 2010-09-29 | 三菱化学株式会社 | ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法 |
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