JP2000254915A - ドリル - Google Patents

ドリル

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JP2000254915A
JP2000254915A JP2000060593A JP2000060593A JP2000254915A JP 2000254915 A JP2000254915 A JP 2000254915A JP 2000060593 A JP2000060593 A JP 2000060593A JP 2000060593 A JP2000060593 A JP 2000060593A JP 2000254915 A JP2000254915 A JP 2000254915A
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drill
shank
hole
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Shigeru Hanai
茂 花井
Fumio Tanaka
冨美雄 田中
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、比較的小さな穴径で深穴を加工する
際に用いられるドリル及び加工方法に関し、コアを形成
せずに穴加工ができ、余計な加工工程を必要とせずに内
壁面を高い面精度で穴加工できるドリル及び加工方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】円柱形状の中心軸を回転軸として回転可能
なシャンク2を有し、切削用砥粒が少なくともその回転
中心部22表面に固着された切削部4がシャンク2先端
に設けられている構成とし、シャンク2を回転させて切
削部4を回転軸方向に送り、切削用砥粒が固着された回
転中心部22表面を加工物に押し当てて穴あけ加工する
ことにより、穴加工中にコアが形成されることなく穴を
あけることができるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物に穴加工
をする際に用いられるドリル及び加工方法に関し、特
に、比較的小さな穴径で深穴を加工する際に用いられる
ドリル及び加工方法、並びにステージ加工方法及び露光
装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体露光装置のステージ装置をはじめ
として各種の精密なステージ装置の軸受機構として用い
られる静圧気体軸受は、案内体と移動体との間に気体を
噴出させ、静圧気体の圧力により案内体と移動体との間
に所定の空隙を形成して軸受として機能するようになっ
ている。この静圧気体軸受で噴出する気体は、セラミッ
ク材やガラス材(例えば石英ガラス)の案内体や移動体
内に形成された細い径の配管を通って供給されるように
なっている。このセラミック材等の内部に形成される細
い管は、小径、深穴加工用のドリルを用いて加工され
る。
【0003】従来の深穴加工に用いられるドリルとし
て、図11に示すようなコアドリルが用いられている。
図11は、コアドリルを用いてセラミック材に小径深穴
の研削加工を施している状態におけるコアドリル及びセ
ラミック材の部分断面を示している。コアドリルは中空
のパイプ状のシャンク104を有している。シャンク1
04の先端には、その外壁面に砥粒が電着された研削部
106が形成されている。中空パイプ状の中心軸を回転
軸としてシャンク104を回転させて回転軸方向に送
り、研削部106を加工物に押し当てて穴あけ加工が行
われるようになっている。
【0004】コアドリルによりセラミック材100がそ
の側面から内部に向かって研削されると、コアドリルの
シャンク104外周面にはセラミック材100の内壁面
100aが隣接するようになる。一方、中空のシャンク
104内部には研削されなかったセラミック材100に
よるコア(芯)102が形成される。シャンク104内
周面にはコア102の外周面102aが隣接している。
研削時の冷却及び切屑の搬出等を目的として、シャンク
104の内部から所定の圧力で供給される研削液(クー
ラント)は、矢印108に示すように中空のシャンク1
04内面とコア102の外周面102aとの間の空隙を
通って研削部106に到達し、次いでシャンク104外
周面とセラミック材100の内壁面100aとの間の空
隙を通って外部に排出される。所定の深さまで研削が進
んだらコアドリルを引き抜き、残ったコア102を別の
工具を用いて削ったり折ったりして取り除いて小径深穴
加工が終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のコアドリルを用いた小径深穴加工では、必ずコア
102が形成されてしまう。ところが、コア102が存
在すると、加工における深穴の程度が大きくなるほどシ
ャンク104内部からの研削液の供給が困難になり、研
削部106の冷却や潤滑、あるいは切屑の搬出が阻害さ
れて所望の精度の加工が困難になってしまう。
【0006】また、回転しながら軸方向の力を受けるコ
アドリルのシャンク104にはたわみ変形が生じるが、
研削深さが深くなってくるとこのたわみ変形によりセラ
ミック材100のコア102の外周面102aとコアド
リルのシャンク104の内壁とが干渉してしまう。通常
セラミック材100はコアドリルの母材の金属より固い
ため、セラミック材100のコア102の外周面102
aとコアドリルのシャンク104の内壁とが干渉する
と、シャンク104の内壁が削られてしまい、シャンク
104内壁が薄くなってついには破損してしまったり、
あるいはたわみ変形しながら高速回転するコアドリルと
衝突してコア102が折れてしまい、さらに折れたコア
102がコアドリルに衝突してシャンク104が破損し
てしまうという問題を有している。またその結果とし
て、セラミック材100内に加工した加工穴内壁にも損
傷を与えてしまうという問題を有している。
【0007】また、上記従来のコアドリルによる深穴加
工において、貫通穴加工の場合には最終的にコア102
は抜けて取れてしまうので問題ないが、止まり穴加工の
場合には、コア102の除去処理が困難であるという問
題を有している。コア102を別の工具で削ったり折っ
たりする余計な工程を必要とするだけでなく、コア10
2が除去された除去部には凹凸が形成されるため、さら
に別の工具を用いて除去部の面加工処理工程も必要にな
るという問題を有している。
【0008】本発明は、上述の従来の技術が有している
技術的課題を解決するためになされたものであり、その
目的は、シャンク内部から研削液を十分供給して研削部
の冷却や潤滑を行うことができるドリルを提供すること
にある。また本発明の目的は、研削部から発生する切屑
の搬出を容易に行うことができるドリルを提供すること
にある。さらに本発明の目的は、被加工物の内壁面でシ
ャンクが削られてしまうことを防止したドリルを提供す
ることにある。またさらに本発明の目的は、余計な加工
工程を必要とせずに内壁面を高い面精度で穴加工できる
加工方法を提供することにある。さらに本発明の目的
は、余計な加工工程を必要とせずに内壁面を高い面精度
で穴加工できる加工方法を用いたステージ加工方法及び
露光装置の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施の形態を
表す図1乃至図10に対応付けて説明すると上記目的
は、砥粒を備え被加工物を研削可能な研削部(4)と、
当該研削部(4)に接続されたシャンク部(2)とを有
するドリルにおいて、研削部(4)の加工中心(22)
からずれた位置に形成され、流体を噴出する流体噴出部
(14,16)と、シャンク部(2)に形成され、流体
を流す逃げ溝(24,26)とを有していることを特徴
とするドリルによって達成される。
【0010】そして、本発明のドリルにおいて、流体噴
出部(14,16)は複数設けられていることを特徴と
する。
【0011】また、研削部(4)とシャンク部(2)と
を接続する接続部(8)とを設けたことを特徴とする。
【0012】さらに、本発明のドリルにおいて、シャン
ク部(2)の材料は、コバルトハイスを含んでいること
を特徴とする。また、研削部(4)は、先端が全体とし
てほぼ半球形状であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
ドリル及び加工方法、並びにステージ加工方法及び露光
装置の製造方法を図1乃至図10を用いて説明する。ま
ず本実施の形態によるドリルの概略の構成を図1を用い
て説明する。本実施の形態によるドリル及び加工方法
は、例えば、半導体露光装置等に搭載される精密ステー
ジ装置の軸受機構に設けられた静圧気体軸受の気体噴出
用の配管を形成するために用いられる。
【0014】図1(a)は、本実施の形態による深穴加
工に用いられるドリルの回転軸に沿った断面を示してい
る。図1(a)に示すように、本実施の形態のドリル
は、シャンク2と、シャンク2の先端部に設けられた研
削部4とを有している。シャンク2の材質(母材)とし
ては、研削工具の材料として一般的に用いられるハイス
(高速度鋼)、コバルトハイス(コバルト(Co)を含
むハイス)、あるいは粉末ハイス(粉末状の成分に結合
剤を加えてプレスにより成形して焼結したハイス)等を
用いることができる。これらの材料によれば、通常の工
具用炭素鋼では本実施の形態によるドリルの研削抵抗に
耐えられず、一方、超硬合金ではもろくて折れてしまう
という問題を生じることなく十分使用に耐えるドリルを
作製することができる。
【0015】また、研削部4の形成材料としては例えば
JIS規格における超硬合金の使用選択基準のK分類に
ある超硬K種を用いることができる。図1(a)に示し
た本実施の形態によるドリルは、研削部4とシャンク2
とを接合部8にてろう付けあるいは溶接により固定して
いるが、図1(b)の変形例に示すように、ハイス等を
形成材料としてシャンク2と研削部4とを一体に形成す
るようにしてももちろんよい。図1(a)のように研削
部4をろう付け等により付刃として用いると、研削部4
の超硬K種に砥粒の電着メッキを施した場合、ハイスに
比してその剥離強度が相対的に弱く、使用するに従って
砥粒が剥がれてしまう欠点がある。また、穴加工により
生じる応力の影響を受けてろう付け等の接合部8が損傷
を起こしやすいという欠点も生じるので、好ましくはハ
イスのむく材で一体に形成した図1(b)のドリルを用
いる方が望ましい。
【0016】さて、図1(a)、(b)において、シャ
ンク2内部には研削部4へ研削液を搬入するための配管
6がシャンク2の回転軸に沿って形成されている。ま
た、研削部4内部には、配管6を通ってきた研削液を分
岐して2つの研削液噴出穴14、16に導く配管10、
12が形成されている。また、図示は省略したが、研削
部4の外壁面には、セラミック材やガラス材を研削する
ための砥粒が電着されている。
【0017】次に、図2(a)〜(c)を用いて、シャ
ンク2先端に設けられた研削部4のより詳細な構成につ
いて説明する。ここで、図2(a)はドリルの回転軸方
向から研削部4先端を見た状態を示している。図2
(b)は、図2(a)に対応させて側面から見た研削部
4の状態を示している。図2(c)は、図2(b)に示
した矢印A方向から見たときの研削部4の形状を示して
いる。さて、図2(a)、(b)に示すように、本実施
の形態による研削部4先端の回転中心部22は、従来の
コアドリルのような研削液を供給する研削液噴出穴は設
けられておらず、その回転中心部表面には図示を省略し
た研削用砥粒が固着されている。そして、回転中心部2
2から所定距離ずれて2つの研削液噴出穴14、16が
設けられている。
【0018】このように本実施の形態によるドリルは、
円柱形状の中心軸を回転軸として回転可能なシャンク2
を有し、研削用砥粒が少なくともその回転中心部22表
面に固着された研削部4がシャンク2先端に設けられて
いる構成であるので、シャンク2を回転させて研削部4
を回転軸方向に送り、研削用砥粒が固着された回転中心
部22表面を加工物に押し当てて穴あけ加工することに
より、穴加工中にコアが形成されることなく穴をあける
ことができるようになる。
【0019】また、図1及び図2からも分かるように、
本実施の形態によるドリルの研削部4は、その先端が全
体としてほぼ半球形状に形成されている。先端部をこの
ような半球形状にすることにより、例えば、3000〜
7000RPMで回転するシャンクと共に研削部4先端
を加工物に押し当てて穴あけ加工する際の求心性を向上
させることができるようになり、曲がりの少ない高精度
の穴加工ができるようになる。
【0020】また、研削部4先端部に半球状の丸みを付
けたことにより、研削部4に電着(メッキ)で砥粒を付
ける際、研削部4表面に角部が多く形成されている場合
より容易に確実に砥粒を固着させることができるように
なる。また、先端に角部があると、角部に固着した砥粒
の加工による摩耗の程度が他より大きくなるため先端部
の砥粒の摩耗の程度を均一にすることが困難だが、先端
を球形状にすることにより、研削部4外壁面に電着され
た砥粒の摩耗を均一にして寿命の長いドリルを実現する
ことができる。
【0021】図2に戻り、本実施の形態による研削部4
の先端部は、その回転中心部22からずれた位置に2つ
の溝部18、20を有している。そして、上述の研削液
噴出穴14、16は、当該溝部18、20内にそれぞれ
形成されている。溝部18、20は、研削部4で被加工
物を研削して生じた切屑を、シャンク2外周面に螺旋状
に形成したにげ溝に排出する役目を有している。なお、
にげ溝については後程説明する。溝部18、20は回転
中心部22を中心としてほぼ点対称に形成されている。
図2(b)に示すように、溝部18、20は、回転中心
部22を通る回転軸(一点鎖線)から約40°の角度で
回転中心部22近傍からシャンク2側に向かって斜めに
形成されている。また、図2(b)の矢印A方向に見た
図2(c)に示すように、溝部20は約120°に開い
たV字型の溝形状を有している。図示は省略するが溝部
18も同様のV字型形状を有している。
【0022】これらの溝部18、20は、約120°の
凸V形砥石をドリルの回転軸に対して40°傾けて配置
してドリルの研削部4先端部を研削することにより得る
ことができる。またこれら溝部18、20で挟まれた回
転中心部22の幅は、電着させる砥粒の粒度にも依存す
るが、本実施の形態では、研削部4の外径d=3mm程
度に対して概ね0.4mm程度にしている。
【0023】以上の説明において、本実施の形態では、
溝部18、20の形状や回転中心部22の幅を上述のよ
うに決めているが、これに限らず、ドリルの回転速度や
被加工物の硬さ、あるいは加工する穴の内径や深さ等種
々の条件に合わせて形状を変更することが可能である。
形状や大きさの変更に際しては、溝部18、20が被加
工物に接触する面積を広くすると研削抵抗が大きくな
り、一方、接触面積を小さくすると砥粒の寿命が短くな
ってしまう点も考慮すべきである。また、回転中心部2
2の幅も広すぎると研削抵抗の増加につながり、狭すぎ
ると砥粒が剥離し易くなるので、その辺の兼ね合いを考
えて角度等を決めるようにする。例えば、研削部4の外
径dが上記と同一の場合、つまり上述と同一の内径を有
する穴をあける場合であっても、上記種々の点を考慮し
て、回転中心部22の幅を0.7mmとし、溝部18、
20の形状が、回転中心部22を通る回転軸から約45
°の角度を有し、約90°に開いたV字型の溝形状とな
るドリルを作製してもよい。
【0024】また、比較的浅い穴を加工する場合や、加
工穴底部を平らにすることを要求されている加工におい
ては、図2に示すようなほぼ半球状の先端を有するドリ
ルを用いなくてもよい。例えば、図3に示すような先端
が平面形状のドリルを用いることができる。図3(a)
〜(c)を用いて、シャンク2に設けられた研削部4の
先端が平坦状であるドリルを変形例として説明する。こ
こで、図3(a)はドリルの回転軸方向から研削部4先
端を見た状態を示している。図3(b)は、図3(a)
に対応させて側面から見た研削部4の状態を示してい
る。図3(c)は、図3(b)に示した矢印A方向から
見たときの研削部4の形状を示している。図3(a)、
(b)に示すように、この変形例のドリルの研削部4先
端の回転中心部22も、従来のコアドリルのような研削
液を供給する研削液噴出穴は設けられておらず、その回
転中心部表面には図示を省略した研削用砥粒が固着され
ている。そして、回転中心部22から所定距離ずれて2
つの研削液噴出穴14、16が設けられている。
【0025】このように本変形例のドリルも、円柱形状
の中心軸を回転軸として回転可能なシャンク2を有し、
研削用砥粒が少なくともその回転中心部22表面に固着
された研削部4がシャンク2先端に設けられている構成
である。従って、シャンク2を回転させて研削部4を回
転軸方向に送り、研削用砥粒が固着された回転中心部2
2表面を加工物に押し当てて穴あけ加工することによ
り、穴加工中にコアが形成されることなく穴をあけるこ
とができるようになる。
【0026】また、研削部4先端部周囲には半径0.3
mm〜0.5mm程度で面取りがなされており、研削部
4に電着(メッキ)で砥粒を付ける際、研削部4表面に
角部が多く形成されている場合より容易に確実に砥粒を
固着させることができるようになっている。また、先端
に角部があると、角部に固着した砥粒の加工による摩耗
の程度が他より大きくなるため先端部の砥粒の摩耗の程
度を均一にすることが困難だが、先端周囲に面取り部を
設けていることにより、研削部4外壁面に電着された砥
粒の摩耗を均一にして寿命の長いドリルを実現すること
ができる。
【0027】本変形例による研削部4の先端部は、その
回転中心部22からずれた位置に2つの溝部18、20
を有している。そして、上述の研削液噴出穴14、16
は、当該溝部18、20内にそれぞれ形成されている。
溝部18、20は、研削部4で被加工物を研削して生じ
た切屑を、シャンク2外周面に螺旋状に形成したにげ溝
に排出する役目を有している。溝部18、20は回転中
心部22を中心としてほぼ点対称に形成されている。図
3(b)に示すように、溝部18、20は、回転中心部
22を通る回転軸(一点鎖線)から約45°の角度で回
転中心部22近傍からシャンク2側に向かって斜めに形
成されている。また、図3(b)の矢印A方向に見た図
3(c)に示すように、溝部20は約120°に開いた
V字型の溝形状を有している。図示は省略するが溝部1
8も同様のV字型形状を有している。
【0028】これらの溝部18、20は、約120°の
凸V形砥石をドリルの回転軸に対して45°傾けて配置
してドリルの研削部4先端部を研削することにより得る
ことができる。またこれら溝部18、20で挟まれた回
転中心部22の幅は、電着させる砥粒の粒度にも依存す
るが、本実施の形態では、研削部4の外径d=3mm程
度に対して概ね0.4mm程度にしている。
【0029】以上説明した本実施の形態によるドリルの
研削部4は、被研削物を研削しない溝部18、20に砥
粒を固着させる必要はもちろんないが、メッキなどによ
る砥粒固着工程を複雑にさせないため、研削部4全面に
砥流が固着していても問題ない。
【0030】このように本実施の形態によるドリルは回
転中心部22に研削用砥粒が固着されているため、被加
工物の穴加工の際にコアが形成されない点に特徴を有し
ている。従って研削液が噴出する研削液噴出穴14、1
6がドリル先端の回転中心部22からはずれて形成さ
れ、さらにそれらの噴出穴14、16は溝部18、20
内に位置しているため、研削液が噴出穴14、16から
効率的に吹き出すことができるようになり、切屑の排出
及び研削時の冷却効果を向上させることができるように
なる。
【0031】次に、本実施の形態によるドリルの外面形
状の構成例について図4を用いて説明する。図4は本実
施の形態によるドリルを溝部20側から見た外面形状を
示している。図4において、シャンク2外壁部には溝部
20からにげ溝26が螺旋状に形成されている。一方、
溝部20の裏側に位置する溝部18(図4では図示を省
略)からも同様ににげ溝24がシャンク2外壁部に螺旋
状に形成されている。本実施の形態では、にげ溝24、
26は、溝部18、20にそれぞれ接続されており、回
転軸に対して約15°のねじれを持ってシャンク2外壁
面に螺旋状に形成されている。にげ溝24、26の溝の
深さは、シャンク2の強度(概ね外径に依存)に合わせ
て決めることになるが、本例では、0.2mm程度の深
さの溝に形成している。このように溝部18、20にそ
れぞれ通じるにげ溝24、26をシャンク2外壁面に形
成することにより、研削部4において切屑の洗浄及び冷
却の効率を向上させることができるようになると共に、
研削部4先端に十分な研削液を行き渡らせることができ
るようになる。
【0032】なお図中、研削部4に施した斜線は研削に
供される砥粒が固着されている部分を示している。この
砥粒として例えば電着ダイヤが用いられ、これをメッキ
により研削部4に固着している。研削部4先端からの砥
粒の電着長さは、ドリル長さ、加工する穴の径や深さを
勘案して設定する。特に、小径、深穴の加工の場合に
は、シャンク2が加工中にたわみやすいので、被加工物
の加工内壁にシャンク2外壁面が接触しても削られてし
まわないように、砥粒をシャンク2側まで長めに電着す
るようにしてももちろんよい。例えば、被加工物にあけ
る穴の加工径の少なくとも6倍程度の長さだけ研削部4
先端からシャンク2周囲に砥粒を電着するようにしても
効果的である。こうすることにより深穴加工でシャンク
2がたわんでも、セラミックの穴内側面でシャンク2周
囲が削られてしまうことを防止できる。このシャンク2
外周面に固着した砥粒は、被加工物(例えばセラミック
材)に対する保護膜として機能する。
【0033】シャンク2の保護膜として用いる砥粒は、
例えば、研削部4に電着する砥粒とは粗目の異なる砥粒
を用いるようにしてもよい。この例を図5及び図6を用
いて説明する。図5は、本実施の形態によるドリルに固
着させた砥粒及び保護膜の構造を示しており、またドリ
ル内部及び研削部4先端部の溝部等の図示は省略してい
る。
【0034】図5は、穴径が3.3mmの穴加工をする
ドリルを例として示している。図5に示すように本実施
の形態のドリルは、研削部4とシャンク2の径が異なっ
て形成されており、例えば、研削部4の外径Xは2.9
2mmであり、シャンク2の外径は3.16mmであ
る。そして、研削部4の外壁面には例えば#100の砥
粒30が電着され、シャンク2の外壁面にはそれより目
の細かい#400の砥粒32が電着されている。研削部
4とシャンク2の径を異ならせて、それに対応させて所
定の粗目の砥粒30、32を電着させることにより、全
体で均一な径を有するドリルに仕上げることが可能であ
る。図5に示したドリルの外観の砥粒及び保護膜の構造
を図6に示す。なお図6では、シャンク2外壁面に形成
したにげ溝24、26の表示は省略している。本例で
は、電着作業を容易にするため、研削部4に電着された
砥粒30とシャンク2に電着した砥粒32との間に砥粒
が固着されない所定の隙間34を設けているが、この隙
間34を設けないようにしてももちろんよい。
【0035】以上の構成によれば、研削部4に固着され
た相対的に粗い粒度の砥粒30により高能率の研削が実
現でき、また、シャンク2に固着した相対的に細かい粒
度の砥粒32により、シャンク2外側面が被加工物表面
により研削されてしまうのを防止する保護膜を実現でき
る。さらに砥粒32をシャンク2外側面に形成したこと
によりシャンク2を穴加工時の案内として用いることが
できるようになる。
【0036】また、研削用砥粒30が固着された研削部
4の平均外径が、保護層の厚さを含むシャンク2の外径
とほぼ等しくなるようにすることで、シャンク2の径を
従来より大きくすることができ、粗目砥粒30による高
能率な研削性能を低下させることなくドリルの強度を向
上させることができるようになる。
【0037】なお、シャンク2に固着した砥粒32の粒
度を上げてより細かい目にすることにより、被加工物に
あけた加工穴の内壁面を削ってしまう割合を低下させて
加工穴径の拡大を防止させることができる。さらに、砥
粒32の粒度を上げて細かい目にすることにより、シャ
ンク2外壁面に形成したにげ溝24、26の溝を砥粒で
埋めてしまうことがなくなるので、にげ溝24、26の
有する研削液を排出する機能を十分に引き出すことがで
きるようになる。さらに、砥粒32の粒度が細かいほど
その表面がなめらかになるので、にげ溝24、26を流
れる研削液の流れをスムーズにさせるという利点も有し
ている。
【0038】本実施の形態では、シャンク2に砥粒を用
いた保護層を形成したが、好適には保護層の砥粒の粒度
は細かいほどよく、さらには砥粒ではなくダイアモンド
薄膜等の保護膜をシャンク2外表面に形成することが望
ましい。ダイアモンド薄膜等によれば被加工物に加工す
る穴の内壁を削ってしまうことが少ないので、保護膜を
シャンク2外表面に形成しても所望の穴径で加工するこ
とができるようになる。
【0039】次に、以上説明した本実施の形態によるド
リルによる深穴加工を簡単に説明する。まず短めの通常
のドリルで所定の加工領域に案内穴をあけておく。次い
で本実施の形態によるドリルをマシニングセンタ等に取
り付けて回転させて回転軸方向に送り、研削部4を案内
穴に押し当てて深穴加工を開始する。研削液が配管6を
通って研削液噴出穴14、16から噴出して研削部4を
冷却すると共に、溝部18、20からシャンク2外周面
に形成されたにげ溝24、26を経由して研削したセラ
ミック材の切屑を排出する。ドリルの送り速度を上げる
とシャンク2にたわみが生じ、研削が深くなってくると
シャンク2外周面が被加工物のセラミック材の内壁面と
接触するが、保護層(膜)によりシャンク2の母材が摩
耗することはない。また、従来のようなコアも形成され
ず、余計な加工工程を必要とせずに内壁面を高い面精度
で穴加工できるようになる。
【0040】次に、図7を用いて本実施の形態によるド
リルで形成したエア供給孔を有するエアベアリングにつ
いて簡単に説明する。図7において、セラミック製の移
動体40の気体噴出口42が所定の空隙を介して案内体
46面に対向している。気体噴出口42には、移動体4
0内部に形成されたエア供給孔44を介して空気が送り
込まれている。このエア供給孔44が本実施の形態によ
るドリルを用いて加工されたものである。エア供給孔4
4からの空気が気体噴出口42から所定の圧力で吹き出
して、移動体40の気体噴出口42と案内体46との間
に所定の静圧気体層が形成されることにより、移動体4
0は案内体46に対して所定の空隙を介して浮上して移
動することができるようになる。
【0041】次に、上述の図7を用いて説明した本実施
の形態によるドリルで形成したエア供給孔を有するエア
ベアリングを搭載したステージ装置について図8及び図
9を用いて説明する。図8には、本実施の形態によるス
テージ装置としてのXYステージ装置210が概略的に
示されている。このXYステージ装置210は、定盤2
12と、定盤212上に固定されたガイドバーとしての
Xガイド214と、定盤212上面及びXガイド214
に沿って図8におけるX方向(所定の第1方向)に移動
可能な第1の移動体216と、この第1の移動体216
を構成する移動ガイドとしてのYガイド222に沿って
X方向に直交するY方向(第2方向)に移動可能な第2
の移動体236とを備えている。
【0042】定盤212としては、鉄に比べ軽量で傷の
つき難いアルミナセラミックス製の長方形状のものが使
用されている。この定盤212の上面は基準面とされて
いる。Xガイド214としては、同じくアルミナセラミ
ックス製のものが使用されている。このXガイド214
は、定盤212上のY方向の一端面近傍にX方向に沿っ
て配置されている。このXガイド214のY方向の他端
側の面は基準面とされている。
【0043】第1の移動体216は、定盤212上にX
ガイド214に近接してX方向に沿って配置された断面
L字状部材からなる第1の移動ガイド搬送体としての第
1のYガイド搬送体218と、この第1のYガイド搬送
体218から所定距離隔てて当該第1のYガイド搬送体
218と平行に定盤212上に配置された細長い板状部
材からなる第2の移動ガイド搬送体としての第2のYガ
イド搬送体220と、これら第1、第2のYガイド搬送
体218、220相互間に架設されたY方向に延びるY
ガイド222とを有している。
【0044】定盤212上のXガイド214のY方向の
一側には、第1のXリニアモータ224の固定子224
Aが、Xガイド214に近接してX方向に延設されてい
る。また、定盤212上のY方向の他端部近傍で第2の
Yガイド搬送体220のY方向の他側には、第2のXリ
ニアモータ226の固定子226Aが、X方向に延設さ
れている。本実施の形態では、図8から明らかなよう
に、第1、第2のXリニアモータ224、226とし
て、いわゆるムービングマグネット型のリニアモータが
使用されている。
【0045】第1のXリニアモータ224の可動子22
4Bは、連結部材228を介してYガイド222の一端
に連結されており、第2のXリニアモータ226の可動
子226Bは、連結部材230を介してYガイド222
の他端に連結されている。このため、第1、第2のXリ
ニアモータ224、226の可動子224B、226B
の移動によって第1の移動体がX方向に駆動されるよう
になっている。Yガイド222のX方向の一側と他側に
は、第1、第2のYリニアモータ232、234の固定
子232A、234AがY方向に沿って配置され、第
1、第2のYガイド搬送体218、220間に懸架され
ている。但し、図8では、奥側の第2のYリニアモータ
の可動子は図示を省略されている。第1、第2のYリニ
アモータとしてもムービングマグネット型のリニアモー
タが使用されている。
【0046】第2の移動体236は、Yガイド222を
上下から挟む状態で相互に平行にかつ定盤212の上面
(基準面)にほぼ平行に配置された天板238及び底板
240と、これらの天板238と底板240とをYガイ
ド222の両側で相互に連結する一対のY方向軸受体2
42、242とを有している。これらのY方向軸受体2
42、242はYガイド222との間に所定の間隙を形
成した状態でYガイド222に平行に配置されている。
これらのY方向軸受体242、242の外面には、第2
の移動体236の駆動手段を構成する前述の第1、第2
のYリニアモータ232、234の可動子232B、2
34B(但し、234Bは図示せず)が取り付けられて
おり、Yリニアモータ232、234の可動子232
B、234Bの移動によって第2の移動体236がY方
向に駆動されるようになっている。また、Y方向軸受体
242の内面には、図示しない空気吹き出し部が設けら
れている。さらに、これらのY方向軸受体242の高さ
方向の寸法は、Yガイド222のそれにより大きく設定
されている。
【0047】天板部238は、基板ステージを兼ねてお
り、この天板部238の上面には、定盤212上に固定
されたX座標計測用レーザ干渉計244及びY座標計測
用レーザ干渉計246から放射されるレーザ光を反射す
るX移動鏡248、Y移動鏡250及び被露光基板25
2が搭載されている。なお、この被露光基板252は、
実際には、上下(Z方向)の移動、及びX、Y、Z軸回
りの同転が可能な不図示のZレベリングステージを介し
て天板部238上に搭載される。
【0048】さらに、本実施の形態では、いろいろな所
に空気噴出部と真空予圧部とを備えた真空予圧型静圧空
気軸受(図7で簡単に説明したエアベアリング)が設け
られている。以下、これについて図9を参照しつつ説明
する。図9(A)は第1の移動体216及び第2の移動
体236部分を中心とした要部を図8の矢印A方向から
見た図であり、図9(B)は同図(A)の底面図であ
り、図9(C)は同図(A)のC−C線断面図である。
第1のYガイド搬送体218の定盤212との対向面に
は、図9(B)に示されるように、空気噴出部254
(2541〜2543)と真空予圧部256(2561
2562)とが交互に設けられている。各空気噴出部2
54には本実施の形態において既に説明したドリルを用
いて形成されたエア供給孔300を介してコンプレッサ
からの圧搾空気が供給され、各真空予圧部256には真
空予圧部256のみの圧力を手動により調整可能な真空
調圧弁258を介して真空源としての真空ポンプ262
が接続されており、これにより空気圧と真空吸引力の釣
合で生じる軸受隙間(定盤212上面とYガイド搬送体
218との間に生じる隙間)の調節が可能になってい
る。
【0049】同様に、第2のYガイド搬送体220の定
盤212との対向面には、図9(B)に示されるよう
に、空気噴出部264(2641〜2643)と真空予圧
部266(2661、2662)とが交互に設けられてい
る。図示を省略しているが、各空気噴出部264にも、
本実施の形態によるドリルで加工されたエア供給孔が設
けられ、コンプレッサからの圧搾空気が供給されるよう
になっている。各真空予圧部266には真空予圧部26
6のみの圧力を手動により調整可能な真空調圧弁268
を介して真空ポンプ262が接続されており、これによ
り空気圧と真空吸引力の釣合で生じる軸受隙間(定盤2
12上面とYガイド搬送体220との間に生じる隙間)
の調節が可能になっている。
【0050】また、同様に、第2の移動体236の底板
240の定盤212との対向面には、図9(B)に示さ
れるように、空気噴出部270(2701〜2704)と
真空予圧部272(2721〜2724)とが設けられて
いる。各空気噴出部270には本実施の形態において既
に説明したドリルを用いて形成されたエア供給孔302
〜308を介してコンプレッサからの圧搾空気が供給さ
れ、各真空予圧部272には真空予圧部272のみの圧
力を手動により調整可能な真空調圧弁274を介して真
空ポンプ262が接続されており、これにより空気圧と
真空吸引力の釣合で生じる軸受隙間(定盤212と底板
240との間の隙問)の調節が可能になっている。この
場合、この隙間の調整により、Yガイド222と天板2
38及び底板240との間には、所定のクリアランスが
設定・維持できるようになる。
【0051】また、同様に、第1のYガイド搬送体21
8のXガイド214との対向面には、図9(C)に示さ
れるように、空気噴出部276(2761〜2763)と
真空予圧部278(2781、2782)とが交互に設け
られている。空気噴出部276にはコンプレッサからの
圧搾空気が供給され、真空予圧部278には真空予圧部
278のみの圧力を手動にて調整可能な真空調圧弁28
0を介して真空ポンプ262が接続されており、空気圧
と真空吸引力の釣合で生じる軸受隙問(第1のYガイド
搬送体218のXガイト214との間の隙間)の調節が
可能になっている。さらに、Y方向軸受体242、24
2のYガイド222との対向面にはそれぞれ空気噴出部
2821、2822が設けられており、両者の空気圧の釣
合により所定の軸受隙間が保たれるようになっている。
【0052】次に、上述のようにして構成された本実施
の形態のXYステージ装置10の作用を説明する。ぞれ
ぞれの真空予圧型静圧空気軸受を構成する真空予圧部2
56、266、272、278の圧力が真空調圧弁25
8、268、274、280により各別に調整される
と、各真空予圧型静圧空気軸受の軸受隙間が適切に設定
される。この場合、真空調圧弁258、268、27
4、280は手動により操作されるが、所定の条件に基
づいてコンピュータ制御により自動的に真空予圧部の圧
力を自動調整できるものであってもよい。各真空予圧型
静圧空気軸受の軸受隙間が適切に設定された状態で、第
1、第2のXリニアモータ224、226、第1、第2
のYリニアモータ232、234が駆動されると、これ
に応じて被露光基板252が搭載された第2の移動体2
36がX、Y2次元方向に移動し、その移動位置がレー
ザ干渉計244、246によって計測される。
【0053】次に、上述の図8及び図9を用いて説明し
たステージ装置を搭載した露光装置について図10を用
いて簡単に説明する。本実施の形態では、ステップ・ア
ンド・スキャン方式の露光動作を採用した投影露光装置
を例にとって説明する。図10では、投影光学系PLの
光軸AXに平行にZ軸をとり、Z軸に垂直な面内で互い
に垂直なX軸およびY軸をとるものとする。照明系60
0は、水銀ランプ、あるいはKrFエキシマレーザ、A
rFエキシマレーザ等の光源からの照明光を、フライア
イレンズ、コンデンサーレンズ等を介してレチクルステ
ージRSTに載置されたレチクルR上に照度均一に照射
するようになっている。レチクルステージRSTは駆動
系602により走査方向に移動できるようになってい
る。また、レチクルステージRSTの走査方向一端に
は、本実施の形態による光波干渉測定装置603がレチ
クルステージRSTの位置決め測長系として搭載されて
いる。
【0054】レチクルRに形成されたパターンの像は投
影光学系PLによって例えば1/4に縮小されてウェハ
W上に結像される。ウェハWはウェハステージWST上
にウェハホルダ610により保持されている。ウェハス
テージWSTは、X方向に移動するXステージおよびY
方向に移動するYステージによって構成されている。こ
のウェハステージWSTは、本実施の形態によるドリル
を用いて加工されたエア供給孔を有し、このエア供給孔
に応じてエアベアリングが固設されている。Xステージ
およびYステージは、レーザ干渉計605等によって移
動量が計測され、移動量に基づいてXY座標が計測され
るようになっている。なお、図10においては、X軸方
向の移動量を測定するレーザ干渉計のみを示し、Y軸方
向の移動量を測定するレーザ干渉計については図示を省
略している。ウェハステージWSTは、計測されたXY
座標に基づいて実行される制御系606の制御に従って
X方向あるいはY方向に移動するようになっている。な
お、レチクルステージRSTの加工に本実施の形態のド
リルを用いてもよいことは言うまでもない。
【0055】本実施の形態による走査型投影露光装置に
おける露光シーケンス制御は、主制御部606によって
統括的に管理される。主制御部606は、レチクルステ
ージRSTおよびウェハステージWSTに設けられたレ
ーザ干渉計603、605からの移動情報の入力、駆動
系602、604からの速度情報の入力等に基づいて、
スキャン露光時にレチクルステージRSTとウェハステ
ージWSTとを所定の速度比を保ちつつ、レチクルRに
形成されたパターンとウェハW上に形成されたパターン
との相対位置関係を所定のアライメント誤差内に抑えた
まま相対移動させて、レチクルRのパターン全面をウェ
ハW上の所定のショット領域に正確に転写することがで
きるようになっている。
【0056】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、深穴
の加工を例にとって説明したが、本発明はこれに限られ
ず、加工される穴の内径が数mmから数cm(例えば、
5cm)程度の穴加工に適用することができる。また、
上記実施の形態においては、研削液として液体を用いて
いるが当該研削液として水溶性、油性のいずれも用いる
ことができ、また、気体を研削液として利用することも
もちろん可能である。また、上記実施の形態では、エア
ベアリング用のエア配管の深穴加工を例にとったが、こ
れに限られず気体や液体を通す一般の通気穴や配管の加
工に本発明を適用することができる。
【0057】またさらに、上記実施の形態では、研削液
噴出穴14、16がドリル先端の回転中心部22からは
ずれて溝部18、20内にそれぞれ1つずつ形成されて
いる例で説明したが、本発明はもちろんそれに限定され
ず、例えば、研削液噴出穴14だけが溝部18内に形成
されるようにしてもよい。また上記実施の形態において
は、研削部4先端がほぼ半球状あるいは平坦状の形状を
有する例を説明したが、本発明はこれらに限られず、研
削部4先端部の形状は、ドリルの加工用途等に応じて種
々の形状を採り得るものである。
【0058】なお、上記実施の形態では、本発明が、水
銀ランプあるいはArF、KrFエキシマレーザ等を光
源とする露光装置にそれぞれ適用された場合について説
明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されることは
なく、F2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外域
光を露光用照明光として用いる他のVUV露光装置や、
波長5〜15nmの光を露光用照明光とするEUV露光
装置は勿論、X線露光装置やイオンビーム露光装置等の
荷電粒子線を用いる露光装置などにも本発明は適用可能
である。
【0059】また、複数のレンズから構成される照明光
学系及び投影光学系(または電子光学系)を露光装置本
体に組み込み光学調整をするとともに、本実施の形態の
ドリルを用いてレチクルステージ及びステージ装置を加
工するとともに、露光装置本体に取り付けて配線や配管
を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)を
することにより上記実施の形態の露光装置を製造するこ
とができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン
度等が管理されたクリーンルームで行うことが望まし
い。
【0060】また、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウェ
ハを製作するステップ、上記実施の形態の露光装置によ
り所定のパターンをウェハに転写するステップ、デバイ
ス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工
程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製
造される。
【0061】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、シャンク
内部から研削液を十分供給して研削部の冷却や潤滑を行
うことができるドリルを実現できる。また、研削部から
発生する切屑の搬出を容易に行うことができるドリルを
実現できる。さらに本発明によれば、被加工物の内壁面
でシャンクが削られてしまうことを防止したドリルを実
現することができる。またさらに本発明によれば、余計
な加工工程を必要とせずに内壁面を高い面精度で穴加工
できる加工方法、並びにステージ加工方法及び露光装置
の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるドリルの概略の構
造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるドリルの先端部の
概略の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるドリルの先端部の
変形例の概略の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるドリルの外径形状
の概略を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるドリルに固着させ
た砥粒及び保護膜の構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるドリルに固着させ
た砥粒及び保護膜の構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるドリルによる穴加
工が施されたステージ装置の概略構造を示す図である。
【図8】本実施の形態によるドリルで形成したエア供給
孔を有するエアベアリングを搭載したステージ装置を説
明する図である。
【図9】本実施の形態によるドリルで形成したエア供給
孔を有するエアベアリングを搭載したステージ装置を説
明する図である。
【図10】本実施の形態によるドリルで形成したエア供
給孔を有するエアベアリングを搭載したステージ装置を
備えた露光装置を説明する図である。
【図11】従来のコアドリルでセラミック材に穴加工を
施している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2、104 シャンク 4、106 研削部 6、10、12 配管 8 接合部 14、16 研削液噴出穴 18、20 溝部 22 回転中心部 24、26 にげ溝 30、32 砥粒 34 隙間 40 移動体 42 気体噴出口 44 エア供給孔 46 案内体 100 セラミック材 100a セラミック材100の内壁面 102 コア 102a コア102の外周面 108 矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 7/18 B24D 7/18 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒を備え被加工物を研削可能な研削部
    と、当該研削部に接続されたシャンク部とを有するドリ
    ルにおいて、 前記研削部の加工中心からずれた位置に形成され、流体
    を噴出する流体噴出部と、 前記シャンク部に形成され、前記流体を流す逃げ溝とを
    有していることを特徴とするドリル。
  2. 【請求項2】請求項1記載のドリルにおいて、 前記流体噴出部は複数設けられていることを特徴とする
    ドリル。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のドリルにおいて、 前記研削部と前記シャンク部とを接続する接続部とを設
    けたことを特徴とするドリル。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載のド
    リルにおいて、 前記シャンク部の材料は、コバルトハイスを含んでいる
    ことを特徴とするドリル。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項に記載のド
    リルにおいて、 前記研削部は、先端が全体としてほぼ半球形状であるこ
    とを特徴とするドリル。
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