JP2006346837A - 小径ホーニングツールおよびホーニング盤 - Google Patents

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Shigeo Kajimoto
茂雄 梶本
Yutaka Sakane
豊 坂根
Kenichi Kawabe
健一 河辺
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Abstract

【課題】 高い加工精度を確保することができ、構造が簡単でかつ剛性に優れる安価な小径ホーニングツールを提供する。
【解決手段】 中空円筒状のツール本体10と、ツール本体10に開設された砥石保持開口17に径方向へ突出退入可能に保持されたホーニング砥石11と、ツール本体10の中空円筒穴15内を軸線方向へ往復移動可能とされる棒状の拡張ロッド12とを備えてなる。ツール本体10は、加工対象となるワークWの小径の被加工穴Waの内径よりも小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は小径ホーニングツールおよびホーニング盤に関し、さらに詳細には、工作物の小径の被加工穴内径面をホーニング加工するのに適したホーニング技術に関する。
工作物(以下、ワークと称する)の穴内径面を鏡面に仕上げるホーニング加工においては、ホーニング盤の回転主軸先端にホーニングツールを取り付けて、このホーニングツールとワークを相対的に浮動の状態におき、ホーニングツールに回転と往復運動を与えるとともに、ホーニングツールのホーニング砥石を拡張ロッドのウェッジまたはコーンにより拡張させながら、ワーク内径面に精密仕上げを行う。
ホーニングツールには目的に応じて種々の構造のものが使用されているところ、小径(例えば、直径2.5mm未満)の被加工穴内径面をホーニング加工するホーニングツールとしては、図7または図8に示す構造のものが知られている。
すなわち、図7に示されるホーニングツールは、外周に電着砥石からなる砥石部aを有する中空円筒棒状のツール本体bの中空円筒穴c内に、円筒体dが嵌着固定されるとともに、拡張ロッドeが上記中空円筒穴c内を軸線方向へ往復移動可能とされてなる。
そして、上記拡張ロッドeが軸方向先端側へ移動して、その先端部のウェッジfが上記ツール本体bの円筒体d内に強制的に挿入することで、円筒体dが拡開してツール本体bの砥石部aを拡大するようにされている。これに関連して、ツール本体bの砥石部aには、この砥石部aの拡縮動作を補助する拡縮用スリットgが軸線方向へ延びて形成されているのが望ましい。
また、図8に示されるホーニングツールは、外周に砥石部aを有する中空円筒棒状のツール本体bの中空円筒穴c内に、基端部が傾斜ウェッジhとされた円柱部材iが嵌着固定されるとともに、先端部を上記傾斜ウェッジiに係合する傾斜ウェッジjとされた拡張ロッドkが上記中空円筒穴c内を軸線方向へ往復移動可能とされてなる。
そして、上記拡張ロッドkが軸方向先端側へ移動して、その先端部の傾斜ウェッジjが上記円柱部材iの傾斜ウェッジhに係合することで、これら両傾斜ウェッジh、jが径方向へ膨出して上記ツール本体bの砥石部aを拡大するようにされている。
しかしながら、このような従来のホーニングツール構造においては、以下に列挙するような問題点があり、その改良が要望されていた。
(1)ツール本体bは、中実円柱状の棒材を機械加工して図示のような中空円筒棒状に形成されてなるところ、使用される金属材料が強度保持の観点から比較的硬質で加工が困難である。
(2)ホーニングツールの外径寸法は所定値に設定されるところ、ツール本体bの肉厚に制限を受けて、強度的に十分な肉厚を確保することができず、ひいてはツール剛性に劣り、破損しやすい(寿命が短い)。
(3)ツール本体bには、必須の構造として、砥石部aの拡縮動作を補助する拡縮用スリットgが軸線方向へ延びて形成されているところ、この拡縮用スリットgの存在がツール本体b自体の強度を低下させる大きな原因の一つになっている。
(4)従来の内径2.5mm未満の被加工穴内径面の加工に用いられるこの種のホーニングツールにおいては、構造上必然的に、砥石部aが電着砥石からなるとともに、この砥石部aの切込み量の制御がツール本体bを拡大することにより行われるところ、このような切込み量制御構造では、高い加工精度を安定して得ることが難しく、信頼性の高いホーニングツールさらにはホーニング盤を提供することが困難である。
すなわち、電着砥石からなる砥石部aの切込み量制御がツール本体bを拡大することにより行われる構造では、砥石部aの砥石面全体が鼓状に拡張することになるので、被加工穴内径面と砥石部aの砥石面との接触面積が小さく、かつ、砥石部aを形成する電着砥粒層は一層のみの砥粒からなるので、この電着砥粒層の磨耗状態によって切れ味に差が生じやすくて、加工状態を一定に維持し難く、これがため、高い加工精度を安定して得ることが難しい。
なお、本出願人の知る限りにおいて、これら従来技術を開示した特許文献等は存在しない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高い加工精度を確保することができ、しかも構造が簡単でかつ剛性に優れる安価な小径ホーニングツールを提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、上記ホーニングツールを備えるホーニング盤を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のホーニングツールは、ホーニング盤の回転主軸先端に取り付けられるとともに、ホーニング盤の切込み装置により一定の切込み量をもって切込みながら、工作物の小径の被加工穴内径面をホーニング加工する方式のホーニングツールであって、中空円筒状のツール本体と、このツール本体に開設された砥石保持開口に径方向へ突出退入可能に保持されたホーニング砥石と、上記ツール本体の中空円筒穴内を軸線方向へ往復移動可能とされる棒状の拡張ロッドとを備えてなり、上記ツール本体は、加工対象となる工作物の小径の被加工穴内径よりも小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されていることを特徴とする。
好適な実施態様として、上記ツール本体は、その先端部がスエージング加工等により絞り加工されて、先細の絞り部とされる。また、この絞り部は、その長さ寸法が上記工作物の被加工穴の長さに対応して設定されるとともに、その外径寸法が上記工作物の被加工穴の下穴内径よりも小さく設定される。
また、上記ツール本体には、単一のホーニング砥石が装着されるとともに、このホーニング砥石の装着位置に対応した上記ツール本体の外周面に、ツール本体の加工時の摩耗を防止するための保護膜が被覆形成される。この保護膜としては、上記ツール本体の外周面に砥粒が電着形成されてなる電着砥粒層、あるいは上記ツール本体の外周面に耐磨耗性に優れる金属が被覆形成されてなるめっき層が好適に採用される。
上記拡張ロッドは、上記ホーニング砥石の受圧面と協働するウェッジを備え、このウェッジは、上記拡張ロッドの上記ツール本体内における突出動作により上記ホーニング砥石を突出させる形状、または上記拡張ロッドの上記ツール本体内における退入動作により上記ホーニング砥石を突出させる形状とされる。
また、本発明のホーニング盤は、ホーニング砥石を備えるホーニングツールを、工作物の小径の被加工穴内径面の軸線方向へ往復移動するとともに、軸線まわりに回転させながら、上記ホーニング砥石に一定の切込み量をもって切込み動作を与えて、工作物の小径の被加工穴内径面をホーニング加工する方式のホーニング盤であって、工作物の被加工穴内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、軸線まわりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、この回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、上記回転主軸を上記被加工穴内径面の軸線方向へ往復動作させる主軸往復手段と、上記回転主軸先端に装着され、上記被加工穴内径面に沿った砥石面を有するホーニング砥石を拡縮可能に備えるホーニングツールと、このホーニングツールのホーニング砥石に所定の切込み動作を与える砥石駆動手段と、上記主軸回転手段、主軸往復手段および砥石駆動手段の動作を相互に連動して自動制御する制御手段とを備えてなり、上記ホーニングツールとして、上述した本発明の小径ホーニングツールが適用されることを特徴とする。
本発明のホーニングツールによれば、中空円筒状のツール本体と、このツール本体に開設された砥石保持開口に径方向へ突出退入可能に保持されたホーニング砥石と、上記ツール本体の中空円筒穴内を軸線方向へ往復移動可能とされて、上記ホーニング砥石を拡張動作させる棒状の拡張ロッドとを備えてなり、上記ツール本体は、加工対象となる工作物の小径の被加工穴内径よりも小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されているから、以下に列挙するような効果が得られる。
(1)ツール本体は、小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されているから、加工が容易である。
したがって、従来は製作が困難ないしは不可能とされていた内径2.5mm未満の小径の被加工穴内径面の加工を対象とするホーニングツールにおいても、拡張ロッドにより、ホーニング砥石がツール本体から突出して拡張動作するいわゆる砥石拡張タイプの構造が採用可能である。
(2)小径の被加工穴内径面の加工を対象とするホーニングツールにおいても、砥石拡張タイプの構造が採用可能となったことにより、ホーニング砥石の切込み量を高精度に制御することができ、高い加工精度を安定して得ることができ、これにより、ワークの被加工穴の円筒内径面を高い仕上げ精度をもってホーニング加工することができる。
すなわち、ホーニング砥石が拡張動作する構造とされることにより、ホーニング砥石の砥石面全体が偏ることなく径方向へほぼ均一に拡張動作する結果、電着砥石に比較して被加工穴内径面とホーニング砥石の砥石面との接触面積が大きく、また、ホーニング砥石の砥石を形成する砥粒層が多層の砥粒からなり、切れ味が悪くなった砥粒は脱落して次の砥粒が出てくるため、所定の切れ味が維持されて、加工状態を一定に維持することができる。これにより、高い加工精度を安定して得ることができる。
(3)ツール本体は、ホーニング砥石用の砥石保持開口が開設される部分を除き、円筒形状とされているから、小径にも関わらず所定の強度を確保することができ、ツール剛性に優れ、破損し難い(寿命が長い)。
(4)ホーニングツールの主要構成部が、ツール本体、ホーニング砥石および拡張ロッドの3点構成であるから、構成部品点数が少なく構造も簡単である。これにより、製造工程数が少なく、製造コストさらには製品コストの低減化が可能である。
本発明のホーニング盤によれば、上記(1)〜(4)の効果を奏するホーニングツールを備えることにより、小径の被加工穴を高い加工精度をもってホーニング加工することができ、しかもランニングコストの低減化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
本発明に係るホーニングツールを図1に示し、このホーニングツール1は、具体的には図5に示すように、ホーニング盤の回転主軸2の先端に取り付けられるとともに、ホーニング盤の切込み装置5により一定の切込み量をもって切込みながら、ワークWの小径(図示の場合は内径2.5mm未満)の被加工穴Wa内径面をホーニング加工するものである。
上記ホーニング盤は従来公知の基本構造を備える。すなわち、ホーニング盤は、ワークWの被加工穴Wa内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、その軸線まわりに回転可能に軸支されてなる上記回転主軸2、この回転主軸2をその軸線回りに回転駆動する主軸回転駆動部(主軸回転手段)3、回転主軸2をワークWの被加工穴Wa内径面の軸線方向へ往復動作させる主軸往復駆動部(主軸往復手段)4、回転主軸2の先端に交換可能に装着される上記ホーニングツール1、およびこのホーニングツール1に所定の切込み動作を与える上記砥石切込み装置としての砥石駆動部(砥石駆動手段)5を主要部として備えてなり、これら主要部は装置本体であるコラム7上に装置されるとともに、上記主軸回転駆動部3、主軸往復駆動部4および砥石駆動部5が制御部(制御手段)6により相互に連動して駆動制御される構成とされている。
また、ワークWは、その被加工穴内径面である円筒内径面Waの軸線が上下方向へ向いた状態で、ワーク保持部のワーク保持治具8に水平方向へ浮動状態(前後左右方向へ揺動可能な状態)でかつ取外し交換可能に支持される。
ホーニングツール1は、図2に示すように、ツール本体10、ホーニング砥石11および拡張ロッド12の3点構成からなる主要構成部を備えるとともに、ツール本体10の基端シャンク部13が上記回転主軸2の先端チャッキング部2aに交換可能にチャッキング固定されて装着される構成とされている。
ツール本体10は、直線棒状の小径中空円筒の形態とされ、その内部に中空円筒穴15を有するとともに、その先端側に単一のホーニング砥石11が径方向へ突出退入可能に保持されている。具体的には、このツール本体10は、加工対象となるワークWの被加工穴Wa内径よりも小径の金属製中空パイプからなり、この中空パイプに機械加工が施されて、所定の構造に形成されている。図示の実施形態のツール本体10は、既製品である金属製中空パイプが図3および図4に示すような形状に機械加工されてなる。
すなわち、ツール本体10の先端部16は、スエージング加工等により絞り加工されて、図4に示すごとく楔形状(具体的には、細径円筒部16aと先細テーパ部16bとからなる先細形状)に形成されて、ツール本体10をワークWの被加工穴Wa内へ案内する先細のパイロット案内部(絞り部)とされている。
このパイロット案内部16は、ツール本体10の先端絞り部として、後述する拡張ロッド12の傾斜ウェッジ(ウェッジ)21を保護する機能も兼備する。すなわち、この絞り部16の存在により、ツール本体10の先端開口がほぼ閉塞状態となり、拡張ロッド12の拡張動作等により、その先端部の傾斜ウェッジ21がツール本体10の先端から外部へ突き出してワークWと接触したり、あるいは、ツール本体10の先端開口に何か異物が詰まって、傾斜ウェッジ21が破損する等の危険が有効に防止される。
図示の実施形態のパイロット案内部16は、その長さ寸法がワークWの被加工穴Waの長さに対応して設定されるとともに、その外径寸法がワークWの被加工穴Waの下穴内径よりも小さく設定されている。
なお、パイロット案内部16の具体的な形状寸法は、図示のものに限定されず、ワークWの被加工穴Waへの進入を円滑かつ確実に案内する機能を有する限り、加工条件等に応じて適宜変形可能である。
また、この先端部のパイロット案内部16に続く部位には、図3に示すような平面視矩形状の開口17が切削加工により開設されて、上記ホーニング砥石11を保持する砥石保持開口とされている。この砥石保持開口17は、ホーニング砥石11の外周輪郭形状に対応した形状寸法を有して、ホーニング砥石11が径方向へ突出退入可能に保持される構造とされている。
ホーニング砥石11は、図2に示すように、砥石18と砥石台19が一体的に接合固定されてなる。
砥石18は四角柱状のもので、微小な砥粒が結合材料により結合されてなり、砥粒としては、WA、GC等の一般的な砥粒や、ダイヤモンド、CBN等の超砥粒が目的に応じて用いられ、また、結合材料としては、ビトリファイドボンドやメタルボンド等が目的に応じて用いられる。図示の実施形態の砥石18は、微小なダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒がメタルボンド等の結合材料により結合されてなる超砥粒砥石である。砥石18の外周面18aは、ワークWの被加工穴Waの仕上がり内径面に対応したプロフィールの砥石面を形成している。
砥石台19は、アルミニウム、鋼等の金属材料や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のプラスチック材料から構成され、図示の実施形態においては金属製とされている。砥石台19の上面には、適宜の接合手段により上記砥石18が一体接合されるとともに、砥石台19の底面19aは、後述する拡張ロッド12と協働する傾斜した受圧面とされている。
また、ツール本体10に単一のホーニング砥石11が装着される構造に関連して、ホーニング砥石11の装着位置に対応した上記ツール本体10の外周面、つまり、上記ホーニング砥石11の装着位置の反対側外周面には、図2(c)および図3(c)に示すように、ツール本体10の加工時の摩耗を防止するための保護膜20が被覆形成されている。図示の実施形態においては、ツール本体10の円形状断面輪郭におけるほぼ半円部分の外周面に、上記保護膜20が被覆形成されている。このような保護膜20が形成されることにより、ツール本体10が既製品である金属製中空パイプから形成されていても、ホーニングツール1の構成部品としての十分な強度・耐久性を確保することができる。
図示の実施形態の保護膜20は、上記ツール本体10の外周面に砥粒が電着形成されてなる電着砥粒層の形態とされており、具体的には、砥石18と同様に、微小なダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒が電着されて電着砥粒層が形成されている。
拡張ロッド12は、上記砥石台19と協働してホーニング砥石11を拡縮動作させる円柱棒状のもので、上記ツール本体10の中空円筒穴15内を軸線方向へ往復移動可能とされている。
この拡張ロッド12は、その外径寸法が上記ツール本体10の中空円筒穴15の内径寸法よりも僅かに小さく設定されて、この中空円筒穴15内を摺動案内されるように構成されている。また、拡張ロッド12の先端部は、図示のごとく所定角度をもって傾斜した傾斜ウェッジ21とされており、この傾斜ウェッジ21の傾斜面21aが上記ホーニング砥石11の受圧面19aに摺接係合する構造とされている。
図示の実施形態においては、上記傾斜ウェッジ21の傾斜面21aは、図2(b)に示すように、傾斜ウェッジ21の幅寸法がその基端から先端側に向けて徐々に減少する先細状の傾斜面とされており、拡張ロッド12の突出動作(矢符A方向)により、上記傾斜ウェッジ21がホーニング砥石11の受圧面19aに摺接係合することで、ホーニング砥石11が径方向外方へ押し出されてツール本体10から突出し、砥石面18aが切込み拡張する。
上記拡張ロッド12の基端部12aは、図1に示すように、ツール本体10の基端シャンク部13の基端から上方へ突出するとともに、ホーニング盤の砥石駆動部5の切込み駆動機構(図示省略)に駆動連結可能な構造とされている。すなわち、具体的には図示しないが、上記ホーニング盤の回転主軸2の内部に、上記砥石駆動部5の切込み駆動機構の押圧ロッドが軸方向へ往復動作可能に設けられ、この押圧ロッドの先端に上記拡張ロッド12の基端部12aが接続される。また、拡張ロッド12の基端部12aとツール本体10の基端シャンク部13との間には、圧縮スプリングからなる復帰スプリング22が介装されて、この復帰スプリング22により、拡張ロッド12が常時退入方向(矢符B方向)へ弾発付勢されている。
しかして、以上のように構成されたホーニングツール1がホーニング盤の回転主軸2に装着されるとともに、このホーニングツール1とワークWが相対的に浮動の状態におかれる(図示の場合は、ワーク保持治具8に支持されたワークWが図外のワーク保持部により浮動状態に保持される)。そして、上記制御部6に予めまたは適宜入力設定された制御プログラムに従って、ホーニングツール1は、そのホーニング砥石11が拡張ロッド12の傾斜ウェッジ21により上述した方法で一定の切込み量だけ拡張されながら、または拡張された状態で、上記回転主軸2の動作に伴って、ワークWの被加工穴Wa内に送込み挿入されるとともに、回転と往復運動を与えられながら、ワークWの被加工穴Waの内径面に対する精密仕上げが行われる。
以上のように、本実施形態のホーニングツールは、拡張ロッド12により、ホーニング砥石11がツール本体10から突出して拡張動作する構造により、ホーニング砥石11の切込み量を高精度に制御することができ、高い加工精度を安定して得ることができる。この結果、ワークWの被加工穴Waの円筒内径面を高い仕上げ精度をもってホーニング加工することができる。
すなわち、ホーニング砥石11が拡張動作する構造とされることにより、ホーニング砥石10の砥石面18a全体が偏ることなく径方向へほぼ均一に拡張動作する結果、被加工穴内径面Waとホーニング砥石11の砥石面18aとの接触面積が大きく、また、ホーニング砥石11の砥石18を形成する砥粒層が多層の砥粒からなり、切れ味が悪くなった砥粒は脱落して次の砥粒が出てくるため、所定の切れ味が維持されて、加工状態を一定に維持することができ、これにより、高い加工精度を安定して得ることができる。
また、上記ツール本体10は、小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されていることにより、加工が容易で、本実施形態のように、従来は製作が困難ないしは不可能とされていた内径2.5mm未満の小径の被加工穴内径面の加工を対象とするホーニングツールにおいても、砥石拡張タイプの構造が採用可能で、上述したような砥石拡張タイプの構造に特有の優れた効果が発揮され得る。
しかも、加工が容易であることから、製造コストを低く抑えることができ、しかも、既製品である金属製中空パイプを用いることも可能で、これにより材料コストの低減化およびさらなる製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、ツール本体10は、金属製中空パイプから形成されてなることで、ホーニング砥石11用の砥石保持開口17が開設される部分を除いて円筒形状とされているから、小径にも関わらず、ホーニングツールとして必要な所定の強度を確保することができ、ツール剛性に優れ、破損し難い(寿命が長い)。
また、本実施形態のホーニングツール1は、その主要構成部が、ツール本体10、ホーニング砥石11および拡張ロッド12の3点構成とされてなるから、構成部品点数が少なく構造も簡単であり、このため製造工程数が少なく、この点からも、製造コストさらには製品コストの低減化が可能である。
実施形態2
本実施形態は図6に示されており、実施形態1のツール本体10の具体的構造が若干改変されたものである。
すなわち、本実施形態においては、拡張ロッド12のウェッジ21は、上記拡張ロッド12のツール本体10内における退入動作によりホーニング砥石11を突出させる形状とされている。
具体的には、拡張ロッド12の先端部は、実施形態1と同様な傾斜ウェッジ21とされているが、この傾斜ウェッジ21の傾斜面21aは、実施形態1の場合と逆に、図6(b)に示すように、傾斜ウェッジ21の幅寸法がその基端側から先端に向けて徐々に増大する先太状の傾斜面とされており、拡張ロッド12の退入動作(矢符B方向)により、上記傾斜ウェッジ21がホーニング砥石11の受圧面19aに摺接係合することで、ホーニング砥石11が径方向外方へ押し出されてツール本体10から突出し、砥石面18aが切込み拡張する。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1および2はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
例えば、図示の実施形態においては、ツール本体10の保護膜20が、ツール本体10の外周面に砥粒が電着形成されてなる電着砥粒層の形態とされているが、同様な機能を有する他の構成とすることも可能であり、一例として、上記保護膜20が、ツール本体10の外周面に耐磨耗性に優れる金属が被覆形成されてなるめっき層の形態とされても良い。
本発明の実施形態1であるホーニングツールを示す正面図である。 同ホーニングツールの図1における一点鎖線円II内の砥石部位を拡大して示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面断面図、ならびに図2(c)は図2(a)および(b)のC−C線に沿って示す断面図である。 同ホーニングツールのツール本体の図1における一点鎖線円II内の砥石保持部位を拡大して示し、図3(a)は正面図、ならびに図3(b)は側面断面図および図3(c)は図3(a)および(b)のC−C線に沿って示す断面図である。 同じく同ツール本体の図1における一点鎖線円IV内のパイロット案内部を拡大して示し、図4(a)は正面図、および図4(b)は側面断面図である。 同ホーニングツールを備えるホーニング盤を示す側面図である。 本発明の実施形態2であるホーニングツールを示す図2に対応する砥石部位を示す図で、図6(a)は正面図、図6(b)は側面断面図、ならびに図6(c)は同主要構成部を図6(a)および(b)のC−C線に沿って示す断面図である。 従来のホーニングツールの一例の砥石部位を示し、図7(a)は正面図、および図7(b)は断面図である。 従来のホーニングツールの他の例の砥石部位を示し、図8(a)は正面図、および図8(b)は断面図である。
符号の説明
W ワーク
Wa ワークの被加工穴
1 ホーニングツール
2 回転主軸
3 主軸回転駆動部(主軸回転手段)
4 主軸往復駆動部(主軸往復手段)
5 切込み装置、砥石駆動部(砥石駆動手段)
6 制御部(制御手段)
10 ツール本体
11 ホーニング砥石
12 拡張ロッド
15 中空円筒穴
16 パイロット案内部(絞り部)
17 砥石保持開口
20 保護膜
21 拡張ロッドの傾斜ウェッジ(ウェッジ)

Claims (9)

  1. ホーニング盤の回転主軸先端に取り付けられるとともに、ホーニング盤の切込み装置により一定の切込み量をもって切込みながら、工作物の小径の被加工穴内径面をホーニング加工する方式のホーニングツールであって、
    中空円筒状のツール本体と、このツール本体に開設された砥石保持開口に径方向へ突出退入可能に保持されたホーニング砥石と、前記ツール本体の中空円筒穴内を軸線方向へ往復移動可能とされて、前記ホーニング砥石を突出拡張動作させる棒状の拡張ロッドとを備えてなり、
    前記ツール本体は、加工対象となる工作物の小径の被加工穴内径よりも小径の金属製中空パイプが機械加工により所定の構造に加工されて形成されている
    ことを特徴とする小径ホーニングツール。
  2. 前記ツール本体は、その先端部がスエージング加工等により絞り加工されて、先細の絞り部とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の小径ホーニングツール。
  3. 前記絞り部は、その長さ寸法が前記工作物の被加工穴の長さに対応して設定されるとともに、その外径寸法が前記工作物の被加工穴の下穴内径よりも小さく設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のホーニングツール。
  4. 前記ツール本体に単一のホーニング砥石が装着されるとともに、このホーニング砥石の装着位置に対応した前記ツール本体の外周面に、ツール本体の加工時の摩耗を防止するための保護膜が被覆形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のホーニングツール。
  5. 前記保護膜が、前記ツール本体の外周面に砥粒が電着形成されてなる電着砥粒層であることを特徴とする請求項4に記載のホーニングツール。
  6. 前記保護膜が、前記ツール本体の外周面に耐磨耗性に優れる金属が被覆形成されてなるめっき層であることを特徴とする請求項4に記載のホーニングツール。
  7. 前記拡張ロッドは、前記ホーニング砥石の受圧面と協働するウェッジを備え、
    このウェッジは、前記拡張ロッドの前記ツール本体内における突出動作により前記ホーニング砥石を突出させる形状とされている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の小径ホーニングツール。
  8. 前記拡張ロッドは、前記ホーニング砥石の受圧面と協働するウェッジを備え、
    このウェッジは、前記拡張ロッドの前記ツール本体内における退入動作により前記ホーニング砥石を突出させる形状とされている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の小径ホーニングツール。
  9. ホーニング砥石を備えるホーニングツールを、工作物の小径の被加工穴内径面の軸線方向へ往復移動するとともに、軸線まわりに回転させながら、前記ホーニング砥石に一定の切込み量をもって切込み動作を与えて、工作物の小径の被加工穴内径面をホーニング加工する方式のホーニング盤であって、
    工作物の被加工穴内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、軸線まわりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、
    この回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、
    前記回転主軸を前記被加工穴内径面の軸線方向へ往復動作させる主軸往復手段と、
    前記回転主軸先端に装着され、前記被加工穴内径面に沿った砥石面を有するホーニング砥石を拡縮可能に備えるホーニングツールと、
    このホーニングツールのホーニング砥石に所定の切込み動作を与える砥石駆動手段と、
    前記主軸回転手段、主軸往復手段および砥石駆動手段の動作を相互に連動して自動制御する制御手段とを備えてなり、
    前記ホーニングツールは、請求項1から8のいずれか一つに記載の小径ホーニングツールである
    ことを特徴とするホーニング盤。
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