JP2000254702A - 熱間スラブの鍛造方法 - Google Patents
熱間スラブの鍛造方法Info
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Abstract
傾斜したテーパ部3と該テーパ部3と連続し前記進行方
向と平行な平行部2からなる主加工面を持つ金型1a,
1bを用いて前記熱間スラブ5を鍛造する方法におい
て、前記熱間スラブ5と金型1a,1bの接触開始面
が、前記テーパ部3と平行部2間の遷移領域4及び前記
平行部2の一部であることを特徴とする熱間スラブ5の
製造方法。
Description
法に関し、特に熱間圧延用素材である熱間鋼スラブを金
型によって鍛造する熱間スラブの鍛造方法に関する。
などにより製造されている。近年、熱間スラブに対し、
材料入り側方向にテーパ部を持つ金型によって熱間スラ
ブに鍛造を加える技術が開発されている。一例として、
板厚プレスのように板厚方向から鍛造する技術がある。
般的な金型の一部の側面図を示す。なお、金型は熱間ス
ラブを挟むように上下にそれぞれ配置された一対の金型
からなるが、図1では便宜上片側の金型のみを示してい
る。金型1の側面は、材料送り方向と平行な平行部2
と、材料の進行方向に対して入側に傾斜したテーパ部3
と、平行部2及びテーパ部3間の遷移領域4からなる主
加工面となっている。ここで、前記平行部2に対する前
記テーパ部3の角度θは、通常12〜15度である。
鍛造する方法について図5(A)〜(C)を参照して説
明する。この方法は、金型を材料長手方向(進行方向)
に対し垂直方向、つまり材料の板厚方向隙間を周期的に
変化させて材料から鍛造する方法である。
1bを熱間スラブ5の進行方向に対し垂直方向に配置し
た後、熱間スラブ5を金型1a,1b側に送る(nパス
目プレス前)。次に、図5(B)に示すように金型1
a,1bにより熱間スラブ5をプレスする(nパス目
プレス中)。つづいて、図5(C)に示すように熱間ス
ラブ5から金型1a,1bを離した後、熱間スラブ5を
所定量送る((n+1)パス目 プレス前)。なお、図
5(B)中、Hはプレス前の熱間スラブ5の板厚、hは
プレス後の熱間スラブ5の板厚をそれぞれ示す。
プのように材料がプレス中も連続的に長手方向に移動し
ており、材料との相対速度を小さくするため金型が長手
方向に移動するものもある。
にスリップが発生することがあり、操業上問題となって
いる。つまり、図6(A)に示すようにプレス前の状態
からプレスする際、図6(B)に示すように熱間スラブ
5が圧下されず後退するという現象が生じていた。とこ
ろで、スリップが発生すると、熱間スラブ5が規定の送
り量分の加工を受けないことになるため、プレス回数を
増やさざるを得ず、操業能率が低下する。また、熱間ス
ラブ5の表面にはスリップの痕が残るため、製品の表面
品質を低下させる原因ともなる。
接する金型表面に溝や突起、穴加工を施すなどして摩擦
係数を増加させ、スリップを抑制するプレス用金型につ
いて開示されている。しかし、この考案の場合、金型の
加工に費用がかかったり、溝が磨耗すれば金型が使えな
くなるため金型の交換頻度が高くなるといった問題があ
った。また、材料表面に金型表面の溝や突起が転写する
ため、特に板厚方向から鍛造を行う場合、疵の原因とな
りやすいという問題があった。
重や搬送ロールの送り量からスリップを検出し、スリッ
プが発生したときに規定の送り量となるように材料の搬
送をやり直すサイジングプレスのスリップ検出方法が開
示されている。しかし、この発明の場合、板厚方向から
の鍛造に際し、材料表面に対し何らかのダメージは避け
られないという問題があった。
情を考慮してなされたもので、熱間スラブと金型の接触
開始面を、テーパ部と平行部間の遷移領域及び平行部の
一部として鍛造することにより、特別な金型加工するこ
となく、プレス時にスリップが発生するのを回避しえる
熱間スラブの鍛造方法を提供することを目的とする。
進行方向に対し入側方向に傾斜したテーパ部と該テーパ
部と連続し前記進行方向と平行な平行部からなる主加工
面を持つ金型を用いて前記熱間スラブを鍛造する方法に
おいて、前記熱間スラブと金型の接触開始面が、前記テ
ーパ部と平行部間の遷移領域及び前記平行部の一部であ
ることを特徴とする熱間スラブの製造方法である。
ち少なくとも熱間スラブとの接触面には潤滑剤を塗布す
ることが好ましい。これは、金型の平行部から接触する
場合には摩擦係数を低減させてもスリップが発生しない
ため、潤滑剤を用いることにより荷重低減を図ることに
より非常に効果的であることに基づく。ここで、潤滑剤
としては、例えば黒鉛や二硫化モリブデン、グラファイ
ト等の固体潤滑剤を鉱物油(グリース)と混合したも
の、鉱物油単独等、摩擦係数を低下させる作用を持つ熱
間潤滑剤であれば種類を問わない。潤滑剤を塗布する箇
所は、上記のように金型の主加工面のうち少なくとも熱
間スラブとの接触面に施せばよいが、金型の長手方向及
び/又は幅方向の一部でも全体にわたって施してもよ
い。なお、金型表面の溝加工等で摩擦係数を変化させる
ことは、金型表面が材料に転写し疵の原因となり得るた
め望ましくない。
金型のテーパ部については、材料を鍛造して一旦金型の
ギャップを開き、次パスの鍛造に向けて規定量だけ材料
を移動させている(送っている)に、材料の入側方向か
ら金型のテーパ部に向けてノズルで潤滑剤を噴射するこ
とにより行う。一方、金型の平行部については、材料の
出側方向から同様にして塗布する。同様に、金型の幅方
向の端部から潤滑剤を噴射することにより、金型のテー
パ部、平行部の両方に潤滑剤を塗布することが可能であ
る。
方向に伸びるため、金型の平行部はプレス時の送り量以
上の長さを持つことが望ましい。また、本発明は、熱間
スラブ先端から定常部を経て後端までのプレスのうち、
特に定常部に用いるとスリップが防止でき効果的であ
る。
料のスリップ発生について調査を行った。その結果、ス
リップは金型と材料(熱間スラブ)の接触開始時に発生
し、ある程度圧下が進んだ状態ではスリップは発生しな
いことがわかった。ここで、鍛造では、圧下量や送り、
金型テーパ角度により、金型と材料の接触箇所は金型の
略平行部(本発明では、金型の平行部と、遷移領域中の
傾斜角5度以内の部分を合わせて略平行部と呼ぶ)であ
ったり、テーパ部であったりする。
るときの、接触開始時点で金型に働く力を模式的に示す
ものである。図1において、Pは金型1a,1bを熱間
スラブ5に押し付ける外力を、Nは熱間スラブ5から金
型に働く反力を、fは熱間スラブと金型間に働く摩擦力
を示す。図1において、金型1a,1bがスリップせず
に鍛造を続けるためには、図1の摩擦力fが圧下力のテ
ーパ方向の分力P‖と等しくなければならない。そし
て、分力P‖が最大静止摩擦力μNを超えると、金型1
a,1bと熱間スラブ5はスリップし始める。従って、
スリップしない条件を熱間スラブ5と金型1a,1b間
の摩擦係数μ及び角度θを用いて表すと、μ≧tanθ
となる。なお、図1において、Hは熱間スラブ5のプレ
ス前の板厚を、hは熱間スラブ5のプレス後の板厚を示
す。
金型の接触状態が悪く、また鍛造面にスケールが発生す
るため材料と金型間の摩擦係数μは低いものとなる。従
って、接触開始面が金型のテーパ部である場合は、スリ
ップの発生頻度が高くなることになる。
あり、圧下量が大きくない場合あるいは材料の送り量が
小さい場合には、一旦金型のテーパ部で鍛造した材料面
を次周期の鍛造でも金型のテーパ部から接触させること
が頻繁に発生するため、スリップする頻度が高くなる。
部が5度程度の傾斜まではスリップは発生しなかった。
これは、圧下力の入側方向の分力が小さいためと推測さ
れる。しかし、テーパ部の傾斜が5度以下であると、材
料と金型の長手方向の接触長さが非常に大きくなり、荷
重増加や鍛造と垂直方向(図の場合は幅方向)の変形の
増加を招くため実用的でない。
a,1bと熱間スラブ5の接触開始面が金型1a,1b
の平行部2であるときは、圧下力のテーパ部方向の分力
が働かないため、スリップは発生しない。また、発明者
らの実験結果により、金型1a,1bの平行部2が5度
程度の傾斜をもっていてもスリップが発生しないため、
平行部2からテーパ部3への遷移領域4中、傾斜角が5
度以内の部分から接触を開始してもスリップは発生しな
い。
摩擦係数を低減させてもスリップが発生しないため、潤
滑剤を金型の主加工面に塗布して荷重低減を図る等する
と非常に効果的である。
する。本実施例では、図4に示すように入り側のテーパ
部が1段の金型を用いた場合を示す。図3は、この1段
の金型を用いた場合の、テーパ角と送り量と圧下量との
関係を示す。図3において、(イ)は圧下量が50mm
の場合を、(ロ)は圧下量が100mmの場合を、
(ハ)は圧下量が150mmの場合をそれぞれ示す。図
3の矢印の範囲(曲線の上側の範囲)であれば、プレス
時にスリップが発生せず、安定してプレスが可能であ
る。また、送り量、圧下量が一定で金型のテーパ角度の
みを変更した場合を考えると、金型のテーパ角度の増加
にしたがってプレス荷重は減少するから、図3の範囲で
プレスを行うことによってプレス荷重の低減という効果
もある。
剤を前記金型の主加工面のうち、平行部、テーパ部、主
加工面全体に施して摩擦係数を低減させたときの荷重低
減効果を調べたところ、平行部、テーパ部及び主加工面
全体における荷重低減率はそれぞれ10%、20%、3
0%であった。このときも、スリップは発生せず、プレ
スの安定性を保ちながら潤滑剤による荷重低減を行うこ
とが可能である。
が1段の金型の場合について述べたが、これに限らず、
例えば図7に示すように入り側のテーパ部3が2段の傾
斜を持つように多段の傾斜をもつ金型1a,1bにも適
用できる。
ラブの鍛造方法によれば、熱間スラブと金型の接触開始
面を、テーパ部と平行部間の遷移領域及び平行部の一部
として鍛造することにより、特別な金型加工することな
く、プレス時にスリップが発生するのを回避できる。従
って、スリップ発生による操業上の問題を回避できる。
また、同一圧下量、同一送り量で金型のテーパ角度を本
発明範囲外から徐々に増加させることを考えると、本発
明は金型のテーパ角度が大きくなる方向であるから、プ
レス荷重の低減にもなる。更に、金型表面に特殊な加工
を施す必要がないため、金型加工費が安価となるし、ス
リップ発生時に必要な複雑な制御を行わなくてもよい。
滑剤を塗布して、主加工面の一部又は全体の摩擦係数を
低下させてもスリップが発生しないため、プレスの安定
性を保ちながら荷重低減を行うことが可能となる。
図。
す特性図。
状の平面図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間スラブの進行方向に対し入側方向に
傾斜したテーパ部と該テーパ部と連続し前記進行方向と
平行な平行部からなる主加工面を持つ金型を用いて前記
熱間スラブを鍛造する方法において、 前記熱間スラブと金型の接触開始面が、前記テーパ部と
平行部間の遷移領域及び前記平行部の一部であることを
特徴とする熱間スラブの製造方法。 - 【請求項2】 前記金型の主加工面のうち少なくとも熱
間スラブとの接触面に潤滑剤を塗布することを特徴とす
る請求項1記載の熱間スラブの鍛造方法。
Priority Applications (9)
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TR2005/02555T TR200502555T1 (tr) | 1999-03-10 | 2000-03-01 | Sıcak haddeli çelik plaka üretimi cihazı ve yöntemi |
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