JP2000254513A - 潜伏性触媒の製造方法 - Google Patents

潜伏性触媒の製造方法

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JP2000254513A
JP2000254513A JP11059915A JP5991599A JP2000254513A JP 2000254513 A JP2000254513 A JP 2000254513A JP 11059915 A JP11059915 A JP 11059915A JP 5991599 A JP5991599 A JP 5991599A JP 2000254513 A JP2000254513 A JP 2000254513A
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義幸 郷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温においては触媒作用を発現することな
く、長期間にわたって樹脂組成物を安定に保存すること
が可能であり、成形時に加熱すると優れた触媒作用を発
揮して、良好な硬化性及び高品質の成形品を与えること
ができる潜伏性触媒を、穏和な条件下で安価な原料から
高収率で製造する。 【解決手段】 第3アミンまたは複素環式含窒素化合物
(A)、一般式[1]で示される、分子外に放出しうる
プロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(n
は2以上の整数)のプロトン供与体(B)、および、ホ
ウ酸(C)を溶媒中で反応させ、一般式[2]で表され
る潜伏性触媒(D)を製造する。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂の潜
伏性触媒の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂及びマレイミド樹
脂に配合し、常温においては触媒作用を発現することな
く、長期にわたって樹脂組成物を安定に保存することが
可能であり、成形時に加熱したときには優れた触媒作用
を発揮し、良好な成形性及び高品質の成形品を与えるこ
とができる潜伏性触媒を、安価な原料から穏和な条件下
において製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、常温のような比較的低温では樹脂
の硬化反応を進行させず、成形時に加熱された際にのみ
硬化反応を促進する、いわゆる潜伏性触媒を開発するた
めの多くの研究がなされている。代表的な潜伏性触媒と
して、触媒の活性点をイオン対化して潜在化するオニウ
ム塩類があり、これらは低温では活性を示さず、高温で
は速やかに活性化して、樹脂の硬化反応を促進する。オ
ニウム塩系潜伏性触媒の中でも、非ハロゲン系のアンモ
ニウムボレート、ホスホニウムボレート等は、樹脂の電
気特性を損なうことなく、高度な潜伏性を発現すること
ができ有用である。しかし、これらのオニウムボレート
塩系触媒は、それを構成するカチオン部、アニオン部と
もに高価な原料であるため、触媒コストが全体に高くな
る問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常温におい
ては触媒作用を発現することなく、長期間にわたって樹
脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時に
加熱すると優れた触媒作用を発揮して、良好な硬化性及
び高品質の成形品を与えることができる潜伏性触媒を、
穏和な条件下で安価な原料から高収率で製造することを
目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂に
配合したとき、常温においては優れた保存安定性を、加
熱成形時においては優れた硬化性を示し、且つその最終
硬化物は従来用いられている触媒を用いた場合と比較し
たとき何ら劣ることのない物性を与える、特定構造の含
窒素オニウム4級置換ボレートからなる潜伏性触媒を製
造するにあたり、第3アミンまたは複素環式含窒素化合
物、プロトン供与体、およびホウ酸を出発原料にして、
さらには有機溶媒中で反応させることにより、工業的に
安価でまた穏和な条件下で収率よく製造できることを見
いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0005】即ち本発明は、第3アミンまたは複素環式
含窒素化合物(A)、一般式[1]で示される、分子外
に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有
するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体
(B)、および、ホウ酸(C)を溶媒中で反応させるこ
とを特徴とする、一般式[2]で表される潜伏性触媒
(D)の製造方法である。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】式中、Z1は、置換基Y1,Y2を有する有
機基である。Y1,Y2は、1価のプロトン供与性置換基
がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換
基Y1,Y2がホウ素原子と結合して、キレート構造を形
成しうるものである。また、Xは、第3アミンまたは複
素環式含窒素化合物を表す。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において原料として用い
る、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)は、
潜伏性触媒(D)の構造を示す一般式[2]中ではXで
表され、製造過程でプロトンが付加してオニウムカチオ
ン[HX]+を形成している。
【0010】このような第3アミンの例としては、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2,4,6-(ジメチルアミノメチル)フェノールなど、
また、複素環式含窒素化合物としては、例えば、ジアザ
ビシクロアルケン類、イミダゾール類、イミダゾリジン
類、オキサゾール類、ピロール類、チアゾール類、ピリ
ジン類、ピラジン類、モルホリン類、ピリダジン類、ピ
リミジン類、ピラゾール類、キノキサリン類、キナゾリ
ン類、フタロジン類、キノリン類、プリン類、インダゾ
ール類、インドール類、インドラジン類、フェナジン
類、フェナルシン類、フェノチアジン類、ピロリン類、
インドリン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピロリジ
ン類などを挙げることができる。
【0011】上記の第3アミンや複素環式含窒素化合物
の中では、ジアザビシクロアルケン類やイミダゾール類
が特に好適であり、その具体的な例としては、ジアザビ
シクロアルケン類では、1,5-ジアザビシクロ[4.3.
0]ノン-5-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.4.0]
デセ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセ-7-エンなど、また、イミダゾール類では、2-メ
チルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニ
ルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、
2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジルイミ
ダゾール、2-クロロイミダゾール、2-シアノイミダゾ
ールなどを挙げることができる。
【0012】本発明において原料として用いる、分子外
に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有
するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)
は、一般式[1]で表されるが、式中、Z1は、置換基
1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2は、1価のプ
ロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であ
り、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原子と結合し
てキレート構造を形成しうるものである。これらから構
成されるプロトン供与体、HY1−Z1−Y2Hは、ホウ
素原子と結合してキレート構造を形成可能なものに限定
される。
【0013】このようなプロトン供与体(B)HY1
1−Y2Hとしては、カルボン酸やフェノール化合物、
または多価アルコール類が含まれる。これらプロトン供
与体の中でも特に、分子内にカルボキシル基を少なくと
も2個有する芳香族カルボン酸、分子内にカルボキシル
基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳
香族カルボン酸、または、分子内に少なくとも2個の水
酸基を有し、カルボキシル基を有さないフェノール化合
物からなる群より選ばれるプロトン供与体が好ましく、
また、2個の置換基Y1およびY2は、有機基Z1に対し
てそれぞれ互いに隣接していることがさらに好ましい。
【0014】このようなプロトン供与体HY1−Z1−Y
2Hの具体的な例としては、分子内にカルボキシル基を
少なくとも2個有する芳香族カルボン酸の例としては、
例えば、o-フタル酸、1,8-ナフタル酸、2,3-ピリ
ジンカルボン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、1,4,
5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、分子内にカルボキ
シル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有す
る芳香族カルボン酸の例としては、サリチル酸、3-ヒ
ドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシビフェニル-3
-カルボン酸、4-ヒドロキシビフェニル-3-カルボン
酸、2,2'-ビフェノール-4-カルボン酸、また、分子
内に少なくとも2個の水酸基を有し、カルボキシル基を
有さないフェノール化合物の例としては、カテコール、
レゾルシノール、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,
2'-ビフェノール等を挙げることができる。
【0015】本発明においては、先ず、一般式[1]で
表されるプロトン供与体(B)とホウ酸(C)とを溶解
しプロトンが解離可能な溶媒中に、両者を均一に溶解さ
せる。この時、プロトン供与体(B)がプロトンを放出
して、ホウ酸(C)のホウ素原子とキレート構造を形成
し、強酸性の安定な1価のボレート陰イオン錯体が形成
される。次いで、これに塩基性の第3アミンまたは複素
環式含窒素化合物を反応させて、中和することにより、
一般式[2]で表される潜伏性触媒(D)が得られる。
【0016】尚、2種類以上のプロトン供与体(B)を
混合して用いることも可能で、その場合、生成した潜伏
性触媒(D)は、一般式[1]における2組のY1−Z1
−Y2が異なる構造を有するオニウムボレート、また
は、異なる構造を有するオニウムボレートと同じ構造を
有するオニウムボレートの混合物となる。また、第3ア
ミンまたは複素環式含窒素化合物(A)についても、2
種類以上を混合して用いることが可能で、その場合は、
オニウム基とボレート基の組み合わせの異なる、オニウ
ムボレートの混合物となる。
【0017】この反応は、室温程度の比較的穏和な条件
下においても、速やかに反応を進行させることが可能で
あり、また反応の制御の面からも有利である。また、ボ
レート側の原料として安価なホウ酸およびプロトン供与
体を用い、オニウム側原料にも、汎用で比較的安価な第
3アミン化合物または複素環式含窒素化合物を使用し、
さらに生成物が高収率で得られるため、コスト面におい
ても有利である。
【0018】本発明による潜伏性触媒の製造方法に用い
る溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、非
プロトン性極性溶媒、水等の極性溶媒が好ましく、さら
には上記の溶媒同士や上記の溶媒と他の有機溶媒の均一
混合溶媒も用いることができる。
【0019】これら溶媒の具体的な例としては、アルコ
ール系溶媒では、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメト
キシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を挙
げることができる。ケトン系溶媒では、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケト
ン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等を挙げることができる。また、非プロ
トン性極性溶媒では、アセトニトリル、ジオキサン、ト
リオキサン、メチルフラン、テトラヒドロフラン、テト
ラヒドロピラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチ
ルホスホアミド、スルホラン等を挙げることができる。
本発明ではこれら溶媒を特に好ましく用いることができ
るが、これらのみに限定されるものではない。
【0020】本発明の方法を実施する際の反応条件とし
ては、原料、溶媒、仕込量等の条件により異なるが、一
般的な例について記すと、プロトン供与体(B)のホウ
酸(C)に対する比率xは、モル比で 0.9<x<1.
2 の範囲であり、かつ第3アミンまたは複素環式含窒
素化合物(A)のホウ酸(C)に対する比率yが、モル
比で 0.9<y<1.2 の範囲で仕込むのが好ましい。
【0021】また、溶媒に対する固形分の濃度として
は、1〜30wt%の範囲、好ましくは5〜20wt%
の範囲で仕込み、0〜100℃程度の範囲の温度で、
0.5〜2時間程度反応を行なう。
【0022】反応液から目的の触媒であるオニウムボレ
ートを回収するには、冷却し析出してくる結晶を濾過す
る方法が一般に採られるが、さらに反応液に水や2-プ
ロパノール等アルコール系の貧溶媒を加えて沈殿、析出
させることにより、さらに収率を上げることも可能であ
る。回収したオニウムボレートは。用途により微量の不
純物の存在が問題となる場合には、さらに、有機溶媒や
純水での洗浄等により、所望の純度の製品を調製するこ
とができる。
【0023】本発明の一般式[2]で表されるオニウム
ボレートからなる潜伏性触媒は、熱硬化性樹脂に配合さ
れた場合、常温においては触媒活性を示さないので、熱
硬化性樹脂の硬化反応が進むことなく、成形時の高温に
おいて触媒活性が発現し、しかも一度発現すると従来の
硬化促進剤よりも強い触媒活性を示して、熱硬化性樹脂
を高度に硬化させることができる。
【0024】本発明のオニウムボレートからなる潜伏性
触媒は、該潜伏性触媒によって硬化反応が促進されるす
べての熱硬化性樹脂に対して有効であるが、従来より第
3アミンやアンモニウム塩系触媒が有効である熱硬化性
樹脂に対して特に有効である。このような熱硬化性樹脂
としては、例えば、エポキシ樹脂、特にポリアミン、フ
ェノール樹脂またはカルボン酸無水物硬化剤を含むエポ
キシ樹脂や、マレイミド系樹脂を挙げることができる
が、これらの樹脂以外にも、シアネート樹脂、イソシア
ネート樹脂、アクリレート樹脂、アルケニル樹脂などを
挙げることができる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0026】(実施例1)2000mlの3つ口セパラ
ブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g
(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40m
ol)、メタノール276g、および純水248gを仕
込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次い
で、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒
に、30.4g(0.20mol)の1,8-ジアザビシク
ロ[5,4,0]ウンデセ-7-ンを均一に溶解した溶液
を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出
した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗
浄、乾燥し白色結晶80.3g(収率92%)を得た。
【0027】得られた白色結晶のコフラーベンチ法によ
る融点は、128〜130℃であった。分析により、目
的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウム
ビスサリチラトボレート(式[3]、DBU−BSAと略
す)が合成されたことを確認した。
【0028】また、DBU−BSAについての、示差走
査熱量分析(DSC、窒素気流下10℃/分で昇温)の
結果を図1に、また、1H−NMRによる測定結果を図
2に示した。示差走査熱量分析の結果では、129℃の
単一の鋭い融解吸熱ピークを示した。また、NMRによ
る測定では、目的の塩の生成を示すピークシフトが観測
された。
【0029】
【化3】
【0030】(実施例2)2000mlの3つ口セパラ
ブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g
(0.20mol)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
75.3g(0.40mol)、メチルセルソルブ276
g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌
を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと
378gの純水の混合溶媒に、30.4g(0.20mo
l)の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-
エンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1
時間かけて滴下した。析出した黄色結晶を濾過した後、
1000mlの冷水で洗浄、乾燥し黄色結晶100.7
g(収率94%)を得た。
【0031】得られた黄色結晶のコフラーベンチ法によ
る融点は、173〜175℃であった。分析により、目
的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウム
ビス(3−オキシ−2−ナフトエート)ボレート(式
[4]、DBU−BHNAと略す)が合成されたことを確
認した。
【0032】
【化4】
【0033】(実施例3)2000mlの3つ口セパラ
ブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g
(0.20mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン6
4.1g(0.40mol)、メタノール276g、およ
び純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均
一溶解した。次いで、378gのメタノールと378g
の純水の混合溶媒に、30.4g(0.20mol)の
1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エンを
均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間か
けて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、100
0mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶91.3g(収率
95%)を得た。
【0034】得られた白色結晶のコフラーベンチ法によ
る融点は、187〜189℃であった。分析により、目
的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウム
ビス(2,3−ジオキシナフタレン)ボレート(式
[5]、DBU−BDHNと略す)が合成されたことを確
認した。
【0035】
【化5】
【0036】(実施例4)2000mlの3つ口セパラ
ブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g
(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40m
ol)、メタノール276g、および純水248gを仕
込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次い
で、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒
に、16.4g(0.20mol)の2-メチルイミダゾ
ールを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1
時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、
1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶66.0g
(収率90%)を得た。
【0037】得られた白色結晶のコフラーベンチ法によ
る融点は、121〜124℃であった。分析により、目
的の2-メチルイミダゾリウムビスサリチラトボレート
(式[6]、2MZ−BSAと略す)が合成されたことを
確認した。
【0038】
【化6】
【0039】(実施例5)2000mlの3つ口セパラ
ブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g
(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40m
ol)、メタノール276g、および純水248gを仕
込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次い
で、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒
に、27.0g(0.20mol)のベンジルジメチルア
ミンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1
時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、
1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶76.3g
(収率91%)を得た。
【0040】得られた白色結晶のコフラーベンチ法によ
る融点は、121〜124℃であった。分析により、目
的のベンジルジメチルアンモニウムビスサリチラトボレ
ート(式[7]、BDMA−BSAと略す)が合成された
ことを確認した。
【0041】
【化7】
【0042】実施例1〜5の反応条件、収率、融点、お
よび元素分析結果を、まとめて表1に示した。これらの
結果から明らかなように、本発明の製造方法により、室
温条件下で、高収率・高純度で、目的のオニウムボレー
トが合成可能なことが分かる。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、常温におい
ては触媒作用を発現することなく、長期間にわたって樹
脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時に
加熱すると優れた触媒作用を発揮して、良好な硬化性、
成形性及び高品質な成形品を与えることのできる潜伏性
触媒を、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物、プロ
トン供与体、およびホウ酸と言う、比較的安価な原料を
用い、かつ穏和な条件下で簡便に、高純度・高収率で合
成することが可能であり、電気・電子部品用エポキシ樹
脂やマレイミド樹脂組成物の潜伏性触媒の製造方法とし
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したDBU−BSAの示差走査
熱量分析(DSC)結果である。
【図2】実施例1で合成したDBU−BSAの1H−N
MRスペクトルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第3アミンまたは複素環式含窒素化合物
    (A)、一般式[1]で示される、分子外に放出しうる
    プロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(n
    は2以上の整数)のプロトン供与体(B)、および、ホ
    ウ酸(C)を溶媒中で反応させることを特徴とする、一
    般式[2]で表される潜伏性触媒(D)の製造方法。 【化1】 【化2】 式中、Z1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。
    1,Y2は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを
    放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2
    ホウ素原子と結合して、キレート構造を形成しうるもの
    である。また、Xは、第3アミンまたは複素環式含窒素
    化合物を表す。
  2. 【請求項2】 一般式[1]で示される、分子外に放出
    しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn
    価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)とホウ
    酸(C)とを、両者を均一に溶解させ得る溶媒中で反応
    させ、さらにこれに第3アミンまたは複素環式含窒素化
    合物(A)を反応させることを特徴とする、一般式
    [2]で表される潜伏性触媒(D)の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式[1]で表されるプロトン供与体
    (B)が、分子内にカルボキシル基を少なくとも2個有
    する芳香族カルボン酸、分子内にカルボキシル基を少な
    くとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族カル
    ボン酸、または分子内に少なくとも2個の水酸基を有
    し、カルボキシル基を有さないフェノール化合物からな
    る群より選ばれたものであることを特徴とする、請求項
    1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン
    系溶媒、非プロトン性極性溶媒、および水から選ばれた
    1種、または、これらを含む混合溶媒であることを特徴
    とする、請求項1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式[1]で表されるプロトン供与体
    (B)の、ホウ酸(C)に対するモル比xが 0.9<x
    <1.2、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物
    (A)の、ホウ酸(C)に対するモル比yが 0.9<y
    <1.2 の範囲であり、かつ溶媒に対する全固形分の仕
    込み量が 1〜30wt%の範囲であることを特徴とす
    る、請求項1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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