JP4228456B2 - 潜伏性触媒の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂の潜伏性触媒の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂及びマレイミド樹脂に配合し、常温においては触媒作用を発現することなく、長期にわたって樹脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時に加熱したときには優れた触媒作用を発揮し、良好な成形性及び高品質の成形品を与えることができる潜伏性触媒を、安価な原料から穏和な条件下において製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、常温のような比較的低温では樹脂の硬化反応を進行させず、成形時に加熱された際にのみ硬化反応を促進する、いわゆる潜伏性触媒を開発するための多くの研究がなされている。代表的な潜伏性触媒として、触媒の活性点をイオン対化して潜在化するオニウム塩類があり、これらは低温では活性を示さず、高温では速やかに活性化して、樹脂の硬化反応を促進する。オニウム塩系潜伏性触媒の中でも、非ハロゲン系のアンモニウムボレート、ホスホニウムボレート等は、樹脂の電気特性を損なうことなく、高度な潜伏性を発現することができ有用である。しかし、これらのオニウムボレート塩系触媒は、それを構成するカチオン部、アニオン部ともに高価な原料であるため、触媒コストが全体に高くなる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、常温においては触媒作用を発現することなく、長期間にわたって樹脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時に加熱すると優れた触媒作用を発揮して、良好な硬化性及び高品質の成形品を与えることができる潜伏性触媒を、穏和な条件下で安価な原料から高収率で製造することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂に配合したとき、常温においては優れた保存安定性を、加熱成形時においては優れた硬化性を示し、且つその最終硬化物は従来用いられている触媒を用いた場合と比較したとき何ら劣ることのない物性を与える、特定構造の含窒素オニウム4級置換ボレートからなる潜伏性触媒を製造するにあたり、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物、プロトン供与体、およびホウ酸を出発原料にして、さらには有機溶媒中で反応させることにより、工業的に安価でまた穏和な条件下で収率よく製造できることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち本発明は、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)、一般式[1]で示される、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)、および、ホウ酸(C)を溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式[2]で表される潜伏性触媒(D)の製造方法である。
【0006】
【化1】
Figure 0004228456
【0007】
【化2】
Figure 0004228456
【0008】
式中、Z1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原子と結合して、キレート構造を形成しうるものである。また、Xは、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物を表す。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において原料として用いる、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)は、潜伏性触媒(D)の構造を示す一般式[2]中ではXで表され、製造過程でプロトンが付加してオニウムカチオン[HX]+を形成している。
【0010】
このような第3アミンの例としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-(ジメチルアミノメチル)フェノールなど、また、複素環式含窒素化合物としては、例えば、ジアザビシクロアルケン類、イミダゾール類、イミダゾリジン類、オキサゾール類、ピロール類、チアゾール類、ピリジン類、ピラジン類、モルホリン類、ピリダジン類、ピリミジン類、ピラゾール類、キノキサリン類、キナゾリン類、フタロジン類、キノリン類、プリン類、インダゾール類、インドール類、インドラジン類、フェナジン類、フェナルシン類、フェノチアジン類、ピロリン類、インドリン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピロリジン類などを挙げることができる。
【0011】
上記の第3アミンや複素環式含窒素化合物の中では、ジアザビシクロアルケン類やイミダゾール類が特に好適であり、その具体的な例としては、ジアザビシクロアルケン類では、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.4.0]デセ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ-7-エンなど、また、イミダゾール類では、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾール、2-クロロイミダゾール、2-シアノイミダゾールなどを挙げることができる。
【0012】
本発明において原料として用いる、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)は、一般式[1]で表されるが、式中、Z1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原子と結合してキレート構造を形成しうるものである。これらから構成されるプロトン供与体、HY1−Z1−Y2Hは、ホウ素原子と結合してキレート構造を形成可能なものに限定される。
【0013】
このようなプロトン供与体(B)HY1−Z1−Y2Hとしては、カルボン酸やフェノール化合物、または多価アルコール類が含まれる。これらプロトン供与体の中でも特に、分子内にカルボキシル基を少なくとも2個有する芳香族カルボン酸、分子内にカルボキシル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、または、分子内に少なくとも2個の水酸基を有し、カルボキシル基を有さないフェノール化合物からなる群より選ばれるプロトン供与体が好ましく、また、2個の置換基Y1およびY2は、有機基Z1に対してそれぞれ互いに隣接していることがさらに好ましい。
【0014】
このようなプロトン供与体HY1−Z1−Y2Hの具体的な例としては、分子内にカルボキシル基を少なくとも2個有する芳香族カルボン酸の例としては、例えば、o-フタル酸、1,8-ナフタル酸、2,3-ピリジンカルボン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、分子内にカルボキシル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族カルボン酸の例としては、サリチル酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸、4-ヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸、2,2'-ビフェノール-4-カルボン酸、また、分子内に少なくとも2個の水酸基を有し、カルボキシル基を有さないフェノール化合物の例としては、カテコール、レゾルシノール、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,2'-ビフェノール等を挙げることができる。
【0015】
本発明においては、先ず、一般式[1]で表されるプロトン供与体(B)とホウ酸(C)とを溶解しプロトンが解離可能な溶媒中に、両者を均一に溶解させる。この時、プロトン供与体(B)がプロトンを放出して、ホウ酸(C)のホウ素原子とキレート構造を形成し、強酸性の安定な1価のボレート陰イオン錯体が形成される。次いで、これに塩基性の第3アミンまたは複素環式含窒素化合物を反応させて、中和することにより、一般式[2]で表される潜伏性触媒(D)が得られる。
【0016】
尚、2種類以上のプロトン供与体(B)を混合して用いることも可能で、その場合、生成した潜伏性触媒(D)は、一般式[1]における2組のY1−Z1−Y2が異なる構造を有するオニウムボレート、または、異なる構造を有するオニウムボレートと同じ構造を有するオニウムボレートの混合物となる。また、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)についても、2種類以上を混合して用いることが可能で、その場合は、オニウム基とボレート基の組み合わせの異なる、オニウムボレートの混合物となる。
【0017】
この反応は、室温程度の比較的穏和な条件下においても、速やかに反応を進行させることが可能であり、また反応の制御の面からも有利である。また、ボレート側の原料として安価なホウ酸およびプロトン供与体を用い、オニウム側原料にも、汎用で比較的安価な第3アミン化合物または複素環式含窒素化合物を使用し、さらに生成物が高収率で得られるため、コスト面においても有利である。
【0018】
本発明による潜伏性触媒の製造方法に用いる溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水等の極性溶媒が好ましく、さらには上記の溶媒同士や上記の溶媒と他の有機溶媒の均一混合溶媒も用いることができる。
【0019】
これら溶媒の具体的な例としては、アルコール系溶媒では、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を挙げることができる。ケトン系溶媒では、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。また、非プロトン性極性溶媒では、アセトニトリル、ジオキサン、トリオキサン、メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド、スルホラン等を挙げることができる。本発明ではこれら溶媒を特に好ましく用いることができるが、これらのみに限定されるものではない。
【0020】
本発明の方法を実施する際の反応条件としては、原料、溶媒、仕込量等の条件により異なるが、一般的な例について記すと、プロトン供与体(B)のホウ酸(C)に対する比率xは、モル比で 0.9<x<1.2 の範囲であり、かつ第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)のホウ酸(C)に対する比率yが、モル比で 0.9<y<1.2 の範囲で仕込むのが好ましい。
【0021】
また、溶媒に対する固形分の濃度としては、1〜30wt%の範囲、好ましくは5〜20wt%の範囲で仕込み、0〜100℃程度の範囲の温度で、0.5〜2時間程度反応を行なう。
【0022】
反応液から目的の触媒であるオニウムボレートを回収するには、冷却し析出してくる結晶を濾過する方法が一般に採られるが、さらに反応液に水や2-プロパノール等アルコール系の貧溶媒を加えて沈殿、析出させることにより、さらに収率を上げることも可能である。回収したオニウムボレートは。用途により微量の不純物の存在が問題となる場合には、さらに、有機溶媒や純水での洗浄等により、所望の純度の製品を調製することができる。
【0023】
本発明の一般式[2]で表されるオニウムボレートからなる潜伏性触媒は、熱硬化性樹脂に配合された場合、常温においては触媒活性を示さないので、熱硬化性樹脂の硬化反応が進むことなく、成形時の高温において触媒活性が発現し、しかも一度発現すると従来の硬化促進剤よりも強い触媒活性を示して、熱硬化性樹脂を高度に硬化させることができる。
【0024】
本発明のオニウムボレートからなる潜伏性触媒は、該潜伏性触媒によって硬化反応が促進されるすべての熱硬化性樹脂に対して有効であるが、従来より第3アミンやアンモニウム塩系触媒が有効である熱硬化性樹脂に対して特に有効である。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、特にポリアミン、フェノール樹脂またはカルボン酸無水物硬化剤を含むエポキシ樹脂や、マレイミド系樹脂を挙げることができるが、これらの樹脂以外にも、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、アクリレート樹脂、アルケニル樹脂などを挙げることができる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40mol)、メタノール276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、30.4g(0.20mol)の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-ンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶80.3g(収率92%)を得た。
【0027】
得られた白色結晶のコフラーベンチ法による融点は、128〜130℃であった。分析により、目的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウムビスサリチラトボレート(式[3]、DBU−BSAと略す)が合成されたことを確認した。
【0028】
また、DBU−BSAについての、示差走査熱量分析(DSC、窒素気流下10℃/分で昇温)の結果を図1に、また、1H−NMRによる測定結果を図2に示した。示差走査熱量分析の結果では、129℃の単一の鋭い融解吸熱ピークを示した。また、NMRによる測定では、目的の塩の生成を示すピークシフトが観測された。
【0029】
【化3】
Figure 0004228456
【0030】
(実施例2)
2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸75.3g(0.40mol)、メチルセルソルブ276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、30.4g(0.20mol)の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した黄色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し黄色結晶100.7g(収率94%)を得た。
【0031】
得られた黄色結晶のコフラーベンチ法による融点は、173〜175℃であった。分析により、目的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウムビス(3−オキシ−2−ナフトエート)ボレート(式[4]、DBU−BHNAと略す)が合成されたことを確認した。
【0032】
【化4】
Figure 0004228456
【0033】
(実施例3)
2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン64.1g(0.40mol)、メタノール276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、30.4g(0.20mol)の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶91.3g(収率95%)を得た。
【0034】
得られた白色結晶のコフラーベンチ法による融点は、187〜189℃であった。分析により、目的の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウムビス(2,3−ジオキシナフタレン)ボレート(式[5]、DBU−BDHNと略す)が合成されたことを確認した。
【0035】
【化5】
Figure 0004228456
【0036】
(実施例4)
2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40mol)、メタノール276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、16.4g(0.20mol)の2-メチルイミダゾールを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶66.0g(収率90%)を得た。
【0037】
得られた白色結晶のコフラーベンチ法による融点は、121〜124℃であった。分析により、目的の2-メチルイミダゾリウムビスサリチラトボレート(式[6]、2MZ−BSAと略す)が合成されたことを確認した。
【0038】
【化6】
Figure 0004228456
【0039】
(実施例5)
2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、サリチル酸55.2g(0.40mol)、メタノール276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、27.0g(0.20mol)のベンジルジメチルアミンを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し白色結晶76.3g(収率91%)を得た。
【0040】
得られた白色結晶のコフラーベンチ法による融点は、121〜124℃であった。分析により、目的のベンジルジメチルアンモニウムビスサリチラトボレート(式[7]、BDMA−BSAと略す)が合成されたことを確認した。
【0041】
【化7】
Figure 0004228456
【0042】
実施例1〜5の反応条件、収率、融点、および元素分析結果を、まとめて表1に示した。これらの結果から明らかなように、本発明の製造方法により、室温条件下で、高収率・高純度で、目的のオニウムボレートが合成可能なことが分かる。
【0043】
【表1】
Figure 0004228456
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、常温においては触媒作用を発現することなく、長期間にわたって樹脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時に加熱すると優れた触媒作用を発揮して、良好な硬化性、成形性及び高品質な成形品を与えることのできる潜伏性触媒を、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物、プロトン供与体、およびホウ酸と言う、比較的安価な原料を用い、かつ穏和な条件下で簡便に、高純度・高収率で合成することが可能であり、電気・電子部品用エポキシ樹脂やマレイミド樹脂組成物の潜伏性触媒の製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したDBU−BSAの示差走査熱量分析(DSC)結果である。
【図2】実施例1で合成したDBU−BSAの1H−NMRスペクトルである。

Claims (5)

  1. 第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)、一般式[1]で示される、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)、および、ホウ酸(C)を溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式[2]で表される潜伏性触媒(D)の製造方法。
    Figure 0004228456
    Figure 0004228456
    式中、Z1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原子と結合して、キレート構造を形成しうるものである。また、Xは、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物を表す。
  2. 一般式[1]で示される、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも2個以上分子内に有するn価(nは2以上の整数)のプロトン供与体(B)とホウ酸(C)とを、両者を均一に溶解させ得る溶媒中で反応させ、さらにこれに第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)を反応させることを特徴とする、請求項1記載の一般式[2]で表される潜伏性触媒(D)の製造方法。
  3. 一般式[1]で表されるプロトン供与体(B)が、分子内にカルボキシル基を少なくとも2個有する芳香族カルボン酸、分子内にカルボキシル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、または分子内に少なくとも2個の水酸基を有し、カルボキシル基を有さないフェノール化合物からなる群より選ばれたものであることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の製造方法。
  4. 反応溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、非プロトン性極性溶媒、および水から選ばれた1種、または、これらを含む混合溶媒であることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の製造方法。
  5. 一般式[1]で表されるプロトン供与体(B)の、ホウ酸(C)に対するモル比xが0.9<x<1.2、第3アミンまたは複素環式含窒素化合物(A)の、ホウ酸(C)に対するモル比yが0.9<y<1.2の範囲であり、かつ溶媒に対する全固形分の仕込み量が1〜30wt%の範囲であることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載の潜伏性触媒の製造方法。
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