JP2000254004A - 無煙ロースター及びそれを利用する調理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】赤熱源として前記ガスバーナーで加熱される溶
岩粒を組み込んだ無煙ロースターの調理効率の低下を抑
制して溶岩粒の赤熱状態を良好かつ安定に維持する。 【解決手段】溶岩粒９を支持する支持体７と、その支持
体を係止する内釜５と、その内釜の中に設置されるガス
バーナー６及び食材支持体１０と、前記内釜の周囲に環
状排気空間４を介して外挿される外釜３と、前記内釜と
外釜の前記排気空間４の塞ぐ環状トップリング１４とか
らなる無煙ロースターとする。そして、前記内釜５に給
気ダクト１７を接続するとともにその給気ダクトに強制
的給気手段１８を直結して、前記ガスバーナー６の燃料
ガスの噴出雰囲気に２次空気を強制的に送り込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はガスバーナーの炎で
溶岩粒を加熱してその赤熱で食材を調理する無煙ロース
ター及びそれを利用した調理方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から無煙ロースターは周知である
が、その中に次の構造を有する無煙ロースターが知られ
ている（実公平５−２３１７６号公報）。すなわち、発
熱源としての木炭を支持する支持体を収容する炭壷と、
その炭壷を支持する内釜と、その内釜の中において前記
支持体の上方に設置されるロストルと、前記内釜の周囲
に所定の環状排気通路を介して外挿される外釜と、前記
内釜と外釜の上部開口部において前記環状排気通路の上
端を塞ぐ環状トップリングと、前記内釜に対して接続さ
れた給気ダクトと、その給気ダクトに設けられた給気手
段とからなる構造の無煙ロースターが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、近年前記構
造の無煙ロースターにおける発熱源の代わり溶岩粒を使
用する試みがあるが、この試みは次に点で問題がある。
すなわち溶岩粒そのものは発熱性がないので仮に一旦赤
熱させても発熱源として赤熱状態を維持し得ない。

【０００４】そこで、前記内釜の中にガスバーナーを設
置して溶岩粒を赤熱して放熱されるに等しい量のエネル
ギーを補給してやる必要があるが、前記内釜や外釜は通
常有底筒状になっているので、内釜の中にガスバーナー
を設置する場合、ガスバーナーの混合管部分を通す挿通
孔を前記内釜の側壁に形成する必要もある。

【０００５】このようにして溶岩粒の赤熱を維持してそ
の上方に置かれた食材を調理すれば一応調理の目的が達
成されるのであるが、実際に長時間無煙ロースターを使
用してゆくと、余程、ガスバーナーの火力を強く維持し
ない限り、溶岩粒の赤熱状態が徐々に減少し、その結果
調理効率が低下するという事実が判明した。

【０００６】そこで、本発明者等はその原因を追求した
結果、前記内釜及び外釜のそれぞれの側壁に形成したガ
スバーナーの混合管を通す貫通孔と前記スバーナーの周
面との一部分との間に形成される隙間に原因があること
を突き止めた。すなわち、前記隙間を通じた熱が外部に
逃げたり折角吹き込んだ外気がガスバーナーの二次空気
として有効に利用されずに前記隙間からショートバスす
るのである。

【０００７】従って、本発明の課題は、発熱源として内
釜内にガスバーナーを設置するとともに、赤熱源として
前記ガスバーナーで加熱される溶岩粒を組み込んだ無煙
ロースターにおける燃料ガスの消費量極力抑制しながら
前記溶岩粒の赤熱状態を良好かつ安定に維持することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本請求項２記載の発明は、溶岩粒を支持する支持体
と、その支持体を係止する有底筒状の内釜と、その内釜
の中で前記支持体の下方に設置されるガスバーナーと、
前記支持体に上方に設置されるロストルと、前記内釜の
周囲に所定の環状排気通路を介して外挿される外釜と、
前記内釜と外釜の上部開口部において前記排気排気通路
の上端を塞ぐ環状トップリングとからなる無煙ロースタ
ーにおいて、前記内釜に対して給気ダクトを接続すると
ともにその給気ダクトに強制的給気手段を直結し、さら
に内釜及び外釜のそれぞれの側壁を介して前記内釜５の
内部空間と外釜の外方空間とを連通する連通口を前記給
気ダクト以外に形成させないようにするいう手段を採用
する。

【０００９】本請求項２の記載の発明は、ガスバーナー
から噴出される燃料ガスの炎で溶岩粒を赤熱しながら前
記溶岩粒の上方に設置された支持体上で食材を料理する
調理方法において、前記燃料ガスの噴出雰囲気に２次空
気を強制的に送り込んで前記溶岩粒の赤熱を促進させる
という手段を採用する。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、図面に沿って本発明に係る
無煙ロースターの構造をまず説明すると図１に示すよう
に、テーブル１の中央に穿設された取付口２にロート状
外釜３が落とし込まれており、その中に有底筒状の内釜
５が所定の環状排気通路４を介して係止されている。そ
して、前記内釜５の中において底部５ｃ寄りには支持体
１１を介してガスバーナー６が設置されているととも
に、開口部５ａ寄りには鍋状又は逆円錐形の支持部材７
が係止されている。

【００１１】前記支持体７の底部には格子状火床８が載
置されており、更にその上に多数個の溶岩粒９がランダ
ムかつ小山状に積み重ねられており、前記ガスバーナー
６から噴出した燃料ガスに着火すると、その炎により赤
熱されるようになっている。

【００１２】前記支持部材７の上には食材支持体として
のロストル１０が置かれその上に食材１２が載せられて
調理されるようになっている。さらに前記外釜３の開口
部３ａと内釜５の開口部５ａには前記環状排気通路４を
塞ぐ放射方向断面が逆Ｕ字形の環状トップリング１４が
載置されている。該環状トップリング１４の内側壁１５
には多数個の排気口１６が形成されており、前記外釜３
に連接させた（後述する）給気ダクトに組み込まれてい
る強制的給気手段を駆動させると、食材１２の料理中に
ロストル１０上に発生する煙や臭いを含む熱い空気が排
気口１６、環状排気通路４を通って外釜３の排気手段
（図示なし）に吸い込まれるようになっている。

【００１３】更に本発明に係る無煙ロースターにおいて
は、前記外釜３及び内釜５の側壁３ｂ、５ｂに透孔３
ｃ、５ｃをあけ、その中に給気ダクト１７と強制的給気
手段１８の先端部が接続されている。そして、内釜５及
び外釜３のそれぞれの側壁５ｂ、３ｂを介して前記内釜
５の内部空間Ｓ１と外釜の外方空間Ｓ２とを連通する連
通口、例えば隙間が、前記給気ダクト以外に実質上存在
しない。従ってパイロットバーナー（図示なし）を前記
側壁５ｂ、３ｂに透孔を設けてその透孔にパイロットバ
ーナーを通した後は余分な透孔を塞いで前記内部空間Ｓ
１と外方空間Ｓ２とが直接連通しないようになってい
る。

【００１４】そして、前記給気ダクト１７の中にはガス
バーナー６の一部分をなす混合管６ａが通されており、
燃料ガスの供給管（図示なし）が接続される基端部６ｂ
側が前記給気ダクト１７に挿入固定される蓋状支持体２
０により支持されているとともに、従来技術と相異し
て、少なくとも前記外釜３及び内釜５の側壁３ｂ、５ｂ
に直接又は隙間を介しての接触を回避させている。

【００１５】さらに、前記強制的排気手段１８の始動ス
イッチ（図示なし）が無煙ロースタ本体のメーンスイッ
チ１９と信号線１３を介して同期的又は一定の時間差を
もってＯＮ−ＯＦＦ可能になっており、無煙ロースター
を使用しての調理中は前記ガスバーナーから噴出される
燃料ガスの噴出雰囲気に２次空気が強制的に送り込まれ
るようになっている。

【００１６】上記の構造を有する無煙ロースターを使用
する場合、前記内釜５の中に少量の水２１を入れて料理
中に食材１２から滴り落ちる油を受けることができるよ
うにする。それから内釜５の中にガスバーナー６を入れ
て基端部６ｂを給気ダクト１７内に通してから先端部を
支持体１１に支持させるとともに基端部６ｂ寄りの混合
管６ａと給気ダクト１７との間を塞ぐ。

【００１７】それから溶岩粒９が入れられた支持部材７
を前記内釜５内に係止してその上にロストル１０を載せ
れば食材１２の調理に入ることができる。パイロットバ
ーナー（図示なし）に点火してメーンスイッチ１９を入
れればガスバーナー６が着火するとともに、強制的排気
手段１８も始動する。

【００１８】すると、やがて溶岩粒９が加熱させれ赤熱
するので、その時点でロストル１０に食材１２を載せて
調理すればよい。この間、強制的給気手段１８を通して
絶えず外気が内釜５内に送り込まれるから、ガスバーナ
ー６から噴出される燃料ガスの雰囲気が、いわゆる２次
空気で包まれ燃焼効率が最大限に発揮される。

【００１９】さらに前記給気ダクト１７と、外釜３や内
釜５の側壁３ｂ、５ｂとの間に実質上隙間がないので、
内釜５の内部空間Ｓ１に送り込まれて外気が外部に洩れ
出ることがないので上記の燃焼効率を低下させることは
ない。よって、溶岩粒９の赤熱状態は良好かつ安定して
維持される。

【００２０】本発明はその根本的技術思想を踏襲し発明
の効果を著しく損わない限度において前記実施態様の一
部分を変更して実施することができる。例えば、外釜
３、内釜５、支持部材７の形状や構造を変更できるし、
給気ダクト１７の先端部を予めガスバーナー６の混合管
６ａに組み付けておいて、外釜３や内釜５の側壁３ｂ、
５ｂに設けた透孔３ｃ、５ｃを塞ぐようにして取付ける
ことができる。また、前記ロストル１０の代わりに金網
を使用するこができる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように本発明は、燃料ガス
の消費量を極力少ない状態で、赤熱源としてガスバーナ
ーで加熱される溶岩粒を組み込んだ無煙ロースターの調
理効率の低下を抑制して、溶岩粒の赤熱状態を良好かつ
安定に維持することができるという優れた効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る無煙ロースターを部分的に破断し
て示す縦断面図である。

【符号の説明】

３ 外釜 ３ａ 上部開口部 ３ｂ 側壁 ４ 環状排気空間 ５ 内釜 ５ａ 上部開口部 ５ｂ 側壁 ６ ガスバーナー ６ａ スバーナーの一部分（混合管） ７ 支持体 ９ 溶岩粒 １０ 食材支持体 １４ 環状トップリング １７ 給気ダクト １８ 強制的給気手段 １９ メーンスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4B040 AA03 AA08 AB12 AC03 AE13 CA02 CA16 CB03 CB20 JA02 JA16 NA11

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】溶岩粒（９）を支持する支持体（７）と、
   その支持体を係止する有底筒状の内釜（５）と、その内
   釜の中で前記支持体の下方に設置されるガスバーナー
   （６）と、前記支持体に上方に設置されるロストル（１
   ０）と、前記内釜の周囲に所定の環状排気通路（４）を
   介して外挿される外釜（３）と、前記内釜と外釜の上部
   開口部（５ａ、３ａ）において前記排気排気通路（４）
   の上端を塞ぐ環状トップリング（１４）とからなる無煙
   ロースターにおいて、前記内釜（５）に対して給気ダク
   ト（１７）を接続するとともにその給気ダクトに強制的
   給気手段（１８）を直結し、さらに内釜（５）及び外釜
   （３）のそれぞれの側壁（５ｂ、３ｂ）を介して前記内
   釜（５）の内部空間（Ｓ１）と外釜（３）の外方空間
   （Ｓ２）とを連通する連通口を前記給気ダクト以外に形
   成させないようにしたことを特徴とする無煙ロースタ
   ー。
2. 【請求項２】前記ガスバーナー（６）の一部分（６ａ）
   が前記吸気ダクト（１７）の中を通っている請求項１記
   載の無煙ロースター。
3. 【請求項３】前記強制的給気手段（１８）の始動スイッ
   チが無煙ロースター本体のメーンスイッチ（１９）と同
   期的又は時間差をもってＯＮ−ＯＦＦする請求項１記載
   の無煙ロースター。
4. 【請求項４】ガスバーナー（６）から噴出される燃料ガ
   スの炎で溶岩粒（９）を赤熱しながら前記溶岩粒の上方
   に設置された食材支持体（１０）上で食材（１２）を料
   理する調理方法において、前記燃料ガスの噴出雰囲気に
   ２次空気を強制的に送り込んで前記溶岩粒（９）の赤熱
   を促進させることを特徴とする無煙ロースターを利用す
   る調理方法。