JP2000253683A - 静電クランプ機構と該クランプ機構によるインチワーム機構、および静電クランプ方法と該方法を用いたインチワームの駆動方法 - Google Patents
静電クランプ機構と該クランプ機構によるインチワーム機構、および静電クランプ方法と該方法を用いたインチワームの駆動方法Info
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- JP2000253683A JP2000253683A JP11053268A JP5326899A JP2000253683A JP 2000253683 A JP2000253683 A JP 2000253683A JP 11053268 A JP11053268 A JP 11053268A JP 5326899 A JP5326899 A JP 5326899A JP 2000253683 A JP2000253683 A JP 2000253683A
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Abstract
移に要する時間の短縮化を図ることができる静電クラン
プ機構及び静電クランプ方法と、それらを用いた駆動速
度の速いインチワーム機構及びインチワームの駆動方法
を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明の静電クランプ機構または静電クラ
ンプ方法は、絶縁材料を挟んで対抗するように配置され
た一対のクランプ電極と、該クランプ電極間に印加する
電圧を生成するクランプ電圧生成手段とを有し、前記ク
ランプ電圧生成手段が、クランプ動作開始時に、所定の
時間にわたって規定電圧よりも高い電圧を生成した後に
規定電圧を生成する構成を備えてなることを特徴とする
ものであり、また、本発明のインチワーム機構及びイン
チワームの駆動方法は、上記した本発明の静電クランプ
機構または静電クランプ方法を用いて構成されたことを
特徴とするものである。
Description
と該クランプ機構によるインチワーム機構、および静電
クランプ方法と該方法を用いたインチワームの駆動方法
に関する。
トロークを取り出す機構としてインチワーム機構が知ら
れている。インチワーム機構においては、クランプ動作
と、伸長動作を交互に繰り返すことで、物体を移動させ
たり、自分自身が移動したりする。インチワーム機構に
おいて、クランプを行うには、圧電素子の変位を用いる
方法や電磁力を用いる方法等、様々な方法が考えられる
が、特に、特開平5−26149号公報には、静電気力
を利用してクランプを行い、インチワーム駆動を行う機
構が提案されている。
案されている物体駆動装置を説明する図である。この物
体駆動装置は、第1の静電気力印加手段1011が第1
の導電体1021に接続され、第1の導電体1021の
表面を覆う第1の誘電体1031が物体1006の接触
面に接するように構成される第1の接触部1001と、
第2の静電気力印加手段1012が第2の導電体102
2に接続され、第2の導電体1022の表面を覆う第2
の誘電体1032が物体1006の接触面に接するよう
構成される第2の接触部1002とを連結する伸縮可能
材料1003とを有し、伸縮可能材料1003の伸張乃
至縮小に同期して、第1の静電気力印加手段1011と
第2の静電気力印加手段1012とは互いに反転動作す
ることによって、物体1006の接触面に対し略水平方
向に移動できる。
ンプを静電クランプと称する。静電クランプには、つぎ
のようなメリットがある。 (1)コイルやセラミック等、加工や組み立てにコスト
がかかる部品を必要としないため、コストが安い。 (2)半導体プロセス等で作成できるため、小型化が容
易である。 (3)クランプ状態を保持し続けるときにエネルギー消
費がなく、また、発熱しない。 静電クランプの模式図を図4に示す。一対のクランプ電
極901と902が対抗する位置に配置されている。ク
ランプ電極901と902の表面にはそれぞれ絶縁体膜
903と904が成膜されている。絶縁体膜は両方のク
ランプ電極に配置される必要がなく、どちらか一方のク
ランプ電極のみについていてもよい。電圧印加手段90
5が、このクランプ電極901と902の間に電圧を印
加すると、クランプ電極間に静電引力が働き、クランプ
動作が行われる。また、印加電圧を0にすれば、クラン
プ状態は解除される。
クランプにおいては、クランプ電圧を印加してから十分
なクランプ力を発生するまでの時間と、クランプ電圧の
印加を止めてからクランプ力が解除されるまでの時間
が、インチワーム機構の駆動速度を制限する一因になっ
ていた。その理由としては、まず、第一に、静電クラン
プは電気的に見るとコンデンサであるので、静電クラン
プの静電容量をCc、配線等の電気抵抗をRとすると、
充放電の時定数はCcRとなる。従来の静電クランプに
おいては、クランプ状態と非クランプ状態の遷移に要す
る時間がこの時定数で制限されていたために、十分な速
度が得られなかった。また、実際には、2つのクランプ
面は、反っていたり、非平行であったり、表面に凹凸が
あったり等の要因により、モデルに示したような理想的
な平行面をとっていない。そのため、従来の一定電圧を
印加する方法では、2つの面の非平行な位置関係と、物
理的な面の反りを無くし、クランプ状態とするために、
さらに時間が延びることがあった。
おける課題を解決し、クランプ状態と非クランプ状態の
遷移に要する時間の短縮化を図ることができる静電クラ
ンプ機構及び静電クランプ方法と、それらを用いた駆動
速度の速いインチワーム機構及びインチワームの駆動方
法を提供することを目的とするものである。
成するため、静電クランプ機構と該クランプ機構による
インチワーム機構、および静電クランプ方法と該方法を
用いたインチワームの駆動方法を、つぎのように構成し
たことを特徴としている。すなわち、本発明の静電クラ
ンプ機構は、絶縁材料を挟んで対抗するように配置され
た一対のクランプ電極と、該クランプ電極間に印加する
電圧を生成するクランプ電圧生成手段とを有し、前記ク
ランプ電圧生成手段が、クランプ動作開始時に、所定の
時間にわたって規定電圧よりも高い電圧を生成した後に
規定電圧を生成する構成を備えてなることを特徴として
いる。また、本発明の静電クランプ機構は、前記クラン
プ電圧生成手段で生成される電圧の前記規定電圧に保持
されるタイミングが、前記一対のクランプ電極間の電圧
が前記規定電圧を超える前であるように構成されている
ことを特徴としている。また、本発明の静電クランプ機
構は、前記クランプ電圧生成手段で生成される電圧の前
記規定電圧に保持されるタイミングが、前記一対のクラ
ンプ電極間の電圧が前記規定電圧に達すると同時である
ように構成されていることを特徴としている。また、本
発明の静電クランプ機構は、絶縁材料を挟んで対抗する
ように配置された一対のクランプ電極と、該クランプ電
極間に印加する電圧を生成するクランプ電圧生成手段と
を有し、前記クランプ電圧生成手段が、クランプ動作解
除時に、所定の時間にわたってクランプ時とは逆符号の
電圧を生成した後に零ボルトを生成する構成を備えてな
ることを特徴としている。また、本発明の静電クランプ
機構は、前記クランプ電圧生成手段で生成される電圧の
零ボルトに保持されるタイミングが、前記一対のクラン
プ電極間の電圧が零ボルトを下回る前であるように構成
されていることを特徴としている。また、本発明の静電
クランプ機構は、前記クランプ電圧生成手段で生成され
る電圧の零ボルトに保持されるタイミングが、前記一対
のクランプ電極間の電圧が零ボルトになると同時である
ように構成されていることを特徴としている。また、本
発明のインチワーム機構は、支持体と、該支持体に対し
て相対的に移動できる移動体と、該移動体に近接する位
置に存在する駆動体と、該駆動体を前記支持体に対して
相対的に変位させる伸長手段と、移動体と駆動体とをク
ランプ駆動する静電クランプ機構と、を有するインチワ
ーム機構において、上記した本発明のいずれかの静電ク
ランプ機構で構成されていることを特徴としている。
材料を挟んで対抗するように配置された一対のクランプ
電極間に、クランプ電圧生成手段により電圧を印加して
クランプ動作を行う静電クランプ方法であって、クラン
プ動作開始時に、所定の時間にわたって規定電圧よりも
高い電圧を印加し、その後に規定電圧を印加することを
特徴としている。また、本発明の静電クランプ方法は、
前記クランプ電圧生成手段による規定電圧よりも高い電
圧の印加は、前記一対のクランプ電極間の電圧が前記規
定電圧を超えない間のみ行われることを特徴としてい
る。また、本発明の静電クランプ方法は、前記クランプ
電圧生成手段による規定電圧よりも高い電圧の印加は、
前記一対のクランプ電極間の電圧が前記規定電圧になる
と同時に、規定電圧での印加に変更されることを特徴と
している。また、本発明の静電クランプ方法は、絶縁材
料を挟んで対抗するように配置された一対のクランプ電
極間に、クランプ電圧生成手段により電圧を印加してク
ランプ動作を行い、またはクランプ動作解除を行う静電
クランプ方法であって、クランプ動作解除時に、前記ク
ランプ電圧生成手段により所定の時間にわたってクラン
プ時とは逆符号の電圧を印加し、その後に印加電圧を零
ボルトとすることを特徴としている。また、本発明の静
電クランプ方法は、前記クランプ電圧生成手段によるク
ランプ時とは逆符号の電圧の印加は、前記一対のクラン
プ電極間の電圧が零ボルトを下回らない間のみ行われる
ことを特徴としている。また、本発明の静電クランプ方
法は、前記クランプ電圧生成手段によるクランプ時とは
逆符号の電圧の印加は、前記一対のクランプ電極間の電
圧が零ボルトとなると同時に、零ボルトに変更されるこ
とを特徴としている。また、本発明のインチワームの駆
動方法は、支持体に対して相対的に移動できる移動体
と、伸長手段により駆動体を前記支持体に対して相対的
に変位させる手段とを備え、静電クランプ方法によって
前記移動体と駆動体をクランプしてインチワーム駆動を
行うインチワームの駆動方法において、上記した本発明
のいずれかの静電クランプ方法を用いることを特徴とし
ている。
たようにクランプ電圧生成手段を、クランプ動作開始時
に、所定の時間にわたって規定電圧よりも高い電圧を生
成した後に規定電圧を生成するように構成することによ
って、非クランプ状態からクランプ状態へ移行する際
に、充電時間を短縮するように印加電圧を高めるので、
静電クランプの充電に必要な時間を短縮することができ
る。また、クランプ開始時に、クランプ電極間に大きな
静電引力が働くため、電極間の非平行度や、電極の反り
や、電極表面の凹凸に対して、より鈍感な静電クランプ
を提供することができる。 (2)また、本発明においては、クランプ電圧生成手段
で生成される電圧の規定電圧に保持されるタイミング
が、一対のクランプ電極間の電圧が規定電圧を超える前
であるように構成することにより、静電クランプの電圧
が規定電圧を超えない間のみ印加電圧を高め、その後
は、印加電圧を規定電圧とすることが可能となり、電極
間電圧が規定電圧を超えることなく充電時間を短くする
ことができる。そのため、クランプ力を最大化させるた
めに規定電圧を放電限界ぎりぎりに設定しても、クラン
プ電極間で放電が生じる心配はない。 (3)特に、本発明においては、クランプ電圧生成手段
で生成される電圧の規定電圧に保持されるタイミング
が、一対のクランプ電極間の電圧が規定電圧に達すると
同時であるように構成することにより、電極間電圧が規
定電圧になると同時に印加電圧を規定電圧とすることが
可能となり、充電時間を最も短くできるので、強いクラ
ンプ力と、速いクランプ速度を実現でき、より好まし
い。 (4)また、本発明においては、クランプ電圧生成手段
を、クランプ動作解除時に、所定の時間にわたってクラ
ンプ時とは逆符号の電圧を生成した後に零ボルトを生成
するように構成することにより、クランプ状態から非ク
ランプ状態へ移行する際に、放電を促進するように逆方
向に電圧を印加することが可能となり、静電クランプの
放電に必要な時間を短縮することができる。 (5)また、本発明においては、クランプ電圧生成手段
で生成される電圧の零ボルトに保持されるタイミング
が、前記一対のクランプ電極間の電圧が零ボルトを下回
る前であるように構成することにより、静電クランプの
電圧が零ボルトを下回らない間のみ印加電圧を負の電圧
とし、その後は、印加電圧を0ボルトとすることが可能
となり、電極間電圧が負になることなく充電時間を短く
することができる。 (6)また、本発明においては、特に、クランプ電圧生
成手段で生成される電圧の零ボルトに保持されるタイミ
ングが、前記一対のクランプ電極の間の電圧が零ボルト
になると同時であるように構成することにより、電極間
電圧が零ボルトになると同時に印加電圧を零ボルトにな
るようにすることが可能となり、放電時間を最も短くで
きるので、より好ましい。
(1)〜(3)で説明した形態のものにおける作用につ
いて説明する。図6(a)は、従来の静電クランプにお
ける印加電圧と、静電クランプの電極間電圧を示した図
である。破線は、印加電圧、実線は、電極間電圧を示し
ている。図では、印加電圧が0からV0になってクラン
プが行われる様子を示している。静電クランプを静電容
量Cの理想的なコンデンサであるとみなし、配線抵抗を
Rとすると、電極間電圧Vは、以下の数式1で表され
る。
プにおける印加電圧と、静電クランプの電極間電圧を示
した図である。図6(a)と同様に、破線は印加電圧、
実線は電極間電圧を示している。図では、所定の時間t
cの間、電圧V1を印加し、その後に電圧V0を印加する
様子が示されている。ここで、上と同様に、静電クラン
プを静電容量Cの理想的なコンデンサであるとみなす
と、V1が印加されている間の電極間電圧Vはつぎの数
式2となる。 数式1との比較から、V0<V1であれば、電圧の立ち上
がりが従来の静電クランプよりも速くなることがわか
る。
いほどクランプ力が強くなる。そのため、V0は、放電
限界を超えない範囲で高くするのが望ましい。本発明
(2)によれば、静電クランプの電圧が規定電圧V0を
超えない間のみ印加電圧を高め、その後は、印加電圧を
V0に設定するため、電極間電圧がV0を超えることがな
くなる。そのため、クランプ力を最大化させるために、
V0を放電限界ぎりぎりに設定しても電極間で放電が生
じる心配はない。特に、本発明(3)に示すように、電
極間電圧がV0になると同時に印加電圧をV0にするよう
に設定すると、強いクランプ力と、速いクランプ速度を
実現することができるので、より好ましい。静電クラン
プが静電容量Cの理想的なコンデンサであるときは、t
cをつぎの数式3を満たすように設定することで、上記
の条件を満たすことが可能になる。
と見なせない場合や、電圧波形が矩形波でない場合にお
いても、オシロスコープ等で立ち上がり波形を計測し
て、電極間電圧がV0に達する時間を計測することでt
cを決定することができる。本発明(4)の静電クラン
プを用いると、クランプ状態から非クランプ状態へ移行
する際に、放電を促進するように逆方向に電圧を印加す
るので、静電クランプの放電に必要な時間を短縮するこ
とができる。さらに、本発明(5)によれば、静電クラ
ンプの電圧が零ボルトを下回らない間のみ印加電圧を負
の電圧に設定し、その後は、印加電圧を0ボルトに設定
するため、電極間電圧が負になることなく充電時間を短
くすることができる。特に、本発明(6)に示すよう
に、電極間電圧が零ボルトになると同時に印加電圧を零
ボルトになるように設定すると、放電時間を最も短くで
きるので、より好ましい。
(4)〜(6)で説明した形態のものにおける作用につ
いて説明する。図7(a)は、従来の静電クランプにお
ける印加電圧と、静電クランプ電極間の電圧を示した図
である。破線は、印加電圧、実線は、電極間電圧を示し
ている。図では、印加電圧がV0から0になってクラン
プが解除される様子を示している。静電クランプを静電
容量Cの理想的なコンデンサであるとみなし、配線抵抗
をRとすると、クランプを解除するときの電極間電圧V
は、つぎの数式4で表される。
プにおける印加電圧と、静電クランプ電極間の電圧を示
した図である。図7(a)と同様に、破線は印加電圧、
実線は電極間電圧を示している。図7(b)では、所定
の時間tcの間、負の電圧V2を印加し、その後に0ボ
ルトを印加する様子が示されている。ここで、上と同様
に、静電クランプを静電容量Cの理想的なコンデンサで
あるとみなすと、V2が印加されている間の電極間電圧
Vは、つぎの数式5となる。 上記式よりV2<0であれば、電圧の立ち下がりが従来
の静電クランプよりも速くなることがわかる。
でも、静電クランプ電極間には引力が働く。そのため、
電極間電圧が負になってしまうと、クランプされてしま
うことになる。本発明(5)によれば、静電クランプの
電圧が0Vを下回らない間のみ負の電圧を印加し、その
後は、印加電圧を0に設定するため、電極間電圧が負に
なることはない。そのため、負電圧によるクランプが生
じる心配はない。特に、本発明(6)に示すように、電
極間電圧が0Vになると同時に印加電圧を0Vにするよ
うに設定すると、クランプ速度を最も速くできるので、
より好ましい。静電クランプが静電容量Cの理想的なコ
ンデンサであるときは、tcをつぎの数式6を満たすよ
うに設定することで、上記の条件を満たすことが可能に
なる。 また、静電クランプを理想的なコンデンサと見なせない
場合や、電圧波形が矩形波と見なせない場合において
も、オシロスコープ等で立ち下がり波形を計測して、電
極間電圧が0Vに達する時間を計測することで時間を決
定することができる。さらに、本発明においては、上記
した静電クランプ機構または静電クランプ方法を用いて
駆動速度の速いインチワーム機構及びインチワームの駆
動方法を実現することができる。
る。積層圧電素子104は、一端を駆動体102に連結
され、他端を支持体101に連結されている。支持体1
01と駆動体102の上部にはそれぞれ電極105、1
06が配置され、これらの電極は同一面上に位置するよ
うに配置されている。これらの電極の上部には移動体1
03が配置されている。この移動体103の前記した電
極105、106に対抗する面には、電極107と絶縁
膜108が成膜されている。図では、説明をしやすくす
るために、絶縁膜108と電極105、106が離して
描いてあるが、実際には接触するように配置されてい
る。移動体105は、自重のみで支持体101に押し付
けられていてもよいし、バネ等で押し付けられていても
よい。電極107は電気的に接地されており、電極10
5、106は、それぞれ、クランプ電圧生成回路11
1、112から電圧を印加されている。伸縮制御回路1
10は、圧電素子104の伸縮を制御しており、クラン
プ電圧制御回路109は、クランプ電圧生成回路11
1、112を制御している。
12が生成する電圧の時間経過を説明する図である。図
では、クランプ解除状態から、まずクランプを行い、つ
ぎにクランプ解除を行い、最後にクランプを行う様子を
表している。図よりわかるように、クランプを行う際に
は、まず、クランプ電圧がVbに上がり、一定時間経過
後にVaに落ち着く。この動作により、電極間に速やか
に充電が行われる。また、クランプを解除する時には、
まず、クランプ電圧がVc(Vc<0)まで下がり、一
定時間後に0Vに落ち着く。この動作で、速やかに放電
が行われる。
作を説明する図である。まず、移動体103と駆動体1
02をクランプする(a)。次に、その状態で圧電素子
104を伸ばすと、移動体103は、支持体101に対
して移動する(b)。次に、移動体103と駆動体10
2のクランプを解除し、移動体103と支持体101を
クランプする(c)。そして、圧電素子104を縮める
と1サイクルが終了する(d)。上記動作を必要なだけ
繰り返すことで、移動体103を支持体101に対して
移動させることができる。本発明によれば、クランプ状
態と非クランプ状態の遷移が従来に比べて速やかに行え
るため、高速に駆動できるインチワーム機構を提供する
ことができる。
ば、クランプ状態と非クランプ状態の遷移に要する時間
の短縮化を図ることができる静電クランプ機構及び静電
クランプ方法と、それらを用いた駆動速度の速いインチ
ワーム機構及びインチワームの駆動方法を実現すること
ができる。また、本発明においては、上記したようにク
ランプ電圧生成手段を、クランプ動作開始時に、所定の
時間にわたって規定電圧よりも高い電圧を生成した後に
規定電圧を生成するように構成することによって、非ク
ランプ状態からクランプ状態へ移行する際に、充電時間
を短縮するように印加電圧を高めるので、静電クランプ
の充電に必要な時間を短縮することができる。また、ク
ランプ開始時に、クランプ電極間に大きな静電引力が働
くため、電極間の非平行度や、電極の反りや、電極表面
の凹凸に対して、より鈍感な静電クランプを提供するこ
とができる。また、本発明においては、クランプ電圧生
成手段で生成される電圧の規定電圧に保持されるタイミ
ングが、一対のクランプ電極間の電圧が規定電圧を超え
る前であるように構成することにより、静電クランプの
電圧が規定電圧を超えない間のみ印加電圧を高め、その
後は、印加電圧を規定電圧とすることが可能となり、電
極間電圧が規定電圧を超えることなく充電時間を短くす
ることができる。そのため、クランプ力を最大化させる
ために規定電圧を放電限界ぎりぎりに設定しても、クラ
ンプ電極間で放電が生じる心配はない。特に、本発明に
おいては、クランプ電圧生成手段で生成される電圧の規
定電圧に保持されるタイミングが、一対のクランプ電極
間の電圧が規定電圧に達すると同時であるように構成す
ることにより、電極間電圧が規定電圧になると同時に印
加電圧を規定電圧とすることが可能となり、充電時間を
最も短くできるので、強いクランプ力と、速いクランプ
速度を実現できる。また、本発明においては、クランプ
電圧生成手段を、クランプ動作解除時に、所定の時間に
わたってクランプ時とは逆符号の電圧を生成した後に零
ボルトを生成するように構成することにより、クランプ
状態から非クランプ状態へ移行する際に、放電を促進す
るように逆方向に電圧を印加することが可能となり、静
電クランプの放電に必要な時間を短縮することができ
る。また、本発明においては、クランプ電圧生成手段で
生成される電圧の零ボルトに保持されるタイミングが、
前記一対のクランプ電極間の電圧が零ボルトを下回る前
であるように構成することにより、静電クランプの電圧
が零ボルトを下回らない間のみ印加電圧を負の電圧と
し、その後は、印加電圧を0ボルトとすることが可能と
なり、電極間電圧が負になることなく充電時間を短くす
ることができる。また、本発明においては、特に、クラ
ンプ電圧生成手段で生成される電圧の零ボルトに保持さ
れるタイミングが、前記一対のクランプ電極の間の電圧
が零ボルトになると同時であるように構成することによ
り、電極間電圧が零ボルトになると同時に印加電圧を零
ボルトになるようにすることが可能となり、放電時間を
最も短くすることができる。さらに、本発明において
は、上記した静電クランプ機構または静電クランプ方法
を用いて、駆動速度の速いインチワーム機構及びインチ
ワームの駆動方法を実現することができる。
路の動作を説明する図である。
る。
する図である。
する図である。
Claims (14)
- 【請求項1】絶縁材料を挟んで対抗するように配置され
た一対のクランプ電極と、該クランプ電極間に印加する
電圧を生成するクランプ電圧生成手段とを有し、 前記クランプ電圧生成手段が、クランプ動作開始時に、
所定の時間にわたって規定電圧よりも高い電圧を生成し
た後に規定電圧を生成する構成を備えてなることを特徴
とする静電クランプ機構。 - 【請求項2】前記クランプ電圧生成手段で生成される電
圧の前記規定電圧に保持されるタイミングが、前記一対
のクランプ電極間の電圧が前記規定電圧を超える前であ
るように構成されていることを特徴とする請求項1に記
載の静電クランプ機構。 - 【請求項3】前記クランプ電圧生成手段で生成される電
圧の前記規定電圧に保持されるタイミングが、前記一対
のクランプ電極間の電圧が前記規定電圧に達すると同時
であるように構成されていることを特徴とする請求項1
に記載の静電クランプ機構。 - 【請求項4】絶縁材料を挟んで対抗するように配置され
た一対のクランプ電極と、該クランプ電極間に印加する
電圧を生成するクランプ電圧生成手段とを有し、 前記クランプ電圧生成手段が、クランプ動作解除時に、
所定の時間にわたってクランプ時とは逆符号の電圧を生
成した後に零ボルトを生成する構成を備えてなることを
特徴とする静電クランプ機構。 - 【請求項5】前記クランプ電圧生成手段で生成される電
圧の零ボルトに保持されるタイミングが、前記一対のク
ランプ電極間の電圧が零ボルトを下回る前であるように
構成されていることを特徴とする請求項4に記載の静電
クランプ機構。 - 【請求項6】前記クランプ電圧生成手段で生成される電
圧の零ボルトに保持されるタイミングが、前記一対のク
ランプ電極間の電圧が零ボルトになると同時であるよう
に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の静
電クランプ機構。 - 【請求項7】支持体と、該支持体に対して相対的に移動
できる移動体と、該移動体に近接する位置に存在する駆
動体と、該駆動体を前記支持体に対して相対的に変位さ
せる伸長手段と、移動体と駆動体とをクランプ駆動する
静電クランプ機構と、を有するインチワーム機構におい
て、 前記静電クランプ機構が請求項1〜6のいずれか1項に
記載の静電クランプ機構で構成されていることを特徴と
するインチワーム機構。 - 【請求項8】絶縁材料を挟んで対抗するように配置され
た一対のクランプ電極間に、クランプ電圧生成手段によ
り電圧を印加してクランプ動作を行う静電クランプ方法
であって、 クランプ動作開始時に、所定の時間にわたって規定電圧
よりも高い電圧を印加し、その後に規定電圧を印加する
ことを特徴とする静電クランプ方法。 - 【請求項9】前記クランプ電圧生成手段による規定電圧
よりも高い電圧の印加は、前記一対のクランプ電極間の
電圧が前記規定電圧を超えない間のみ行われることを特
徴とする請求項8に記載の静電クランプ方法。 - 【請求項10】前記クランプ電圧生成手段による規定電
圧よりも高い電圧の印加は、前記一対のクランプ電極間
の電圧が前記規定電圧になると同時に、規定電圧での印
加に変更されることを特徴とする請求項8に記載の静電
クランプ方法。 - 【請求項11】絶縁材料を挟んで対抗するように配置さ
れた一対のクランプ電極間に、クランプ電圧生成手段に
より電圧を印加してクランプ動作を行い、またはクラン
プ動作解除を行う静電クランプ方法であって、 クランプ動作解除時に、前記クランプ電圧生成手段によ
り所定の時間にわたってクランプ時とは逆符号の電圧を
印加し、その後に印加電圧を零ボルトとすることを特徴
とする静電クランプ方法。 - 【請求項12】前記クランプ電圧生成手段によるクラン
プ時とは逆符号の電圧の印加は、前記一対のクランプ電
極間の電圧が零ボルトを下回らない間のみ行われること
を特徴とする請求項11に記載の静電クランプ方法。 - 【請求項13】前記クランプ電圧生成手段によるクラン
プ時とは逆符号の電圧の印加は、前記一対のクランプ電
極間の電圧が零ボルトとなると同時に、零ボルトに変更
されることを特徴とする請求項11に記載の静電クラン
プ方法。 - 【請求項14】支持体に対して相対的に移動できる移動
体と、伸長手段により駆動体を前記支持体に対して相対
的に変位させる手段とを備え、静電クランプ方法によっ
て前記移動体と駆動体をクランプしてインチワーム駆動
を行うインチワームの駆動方法において、 前記静電クランプ方法が請求項8〜13のいずれか1項
に記載の静電クランプ方法を用いることを特徴とするイ
ンチワームの駆動方法。
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