JP2000252434A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JP2000252434A
JP2000252434A JP11048331A JP4833199A JP2000252434A JP 2000252434 A JP2000252434 A JP 2000252434A JP 11048331 A JP11048331 A JP 11048331A JP 4833199 A JP4833199 A JP 4833199A JP 2000252434 A JP2000252434 A JP 2000252434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
capacitor
insulating film
electrode
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11048331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3872917B2 (ja
Inventor
Osamu Arisumi
修 有隅
Koji Yamakawa
晃司 山川
Katsuhiko Hieda
克彦 稗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP04833199A priority Critical patent/JP3872917B2/ja
Publication of JP2000252434A publication Critical patent/JP2000252434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3872917B2 publication Critical patent/JP3872917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】強誘電特性の劣化を招かずに、キャパシタ絶縁
膜としてPZT膜を用いたキャパシタを作成すること。 【解決手段】キャパシタ絶縁膜となるアモルファスPZ
T膜4aを形成し、その上にTi膜6を形成してから、
結晶化アニールによってアモルファスPZT膜4aを結
晶化してキャパシタ絶縁膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャパシタ絶縁膜
の材料に強誘電体または高誘電体を用いたキャパシタの
作成工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DRAM(Dynamic Random Access Memor
y)は、電荷蓄積メモリとして登場して以来、年々その集
積度を増しつつ、半導体記憶装置として広く用いられて
いる。集積化が進み素子寸法が小さくなっても、キャパ
シタの電気容量は約30fFに保つ必要があり、素子の
微細化に対して、キャパシタの有効面積を大きくする、
誘電体膜を薄膜化するなどの検討がなされてきた。
【0003】しかし、電子デバイスの高機能化を、金属
もしくは単一金属化合物膜(例えばタングステンシリサ
イド膜)と、シリコン膜と、シリコン系化合物(例えば
シリコン酸化膜)とを用いた回路構成のみで達成するこ
とはもはや困難であり、電子デバイス材料の種類は世代
毎に増加しているのが実状である。
【0004】ギガビット世代に向けて求められる技術と
して、リソグラフィ技術によるものだけでなく、微細化
時の性能を確保するために、キャパシタや配線などに新
機能性材料を導入する必要が高まってきており、実用化
に向けた開発が始めっている。
【0005】一方、記憶情報用キャパシタのキャパシタ
絶縁膜として、ペロブスカイト型酸化物誘電体であるチ
タン酸鉛ペロブスカイト化合物もしくはビスマス層状化
合物などからなる強誘導体薄膜を用いた不発揮性強誘電
動体メモリセルおよびそのアレイを有するFRAM(Fe
rroelectric AM)が注目を集めている。
【0006】FRAMは、大容量メモリの代表であるD
RAMと比較すると、不揮発性であるためにデータ保持
にリフレッシュ動作が不要であって、待機時の消費電力
が不要であるという特徴を持つ。
【0007】また、同じ不揮発柑メモリであるフラッシ
ュメモリと比較しても、データ書き換え回数が多く、か
つデータ書き換え速度が著しく速いという特徴を併せ持
っている。
【0008】加えて、フラッシュメモリ、FEPROM
(Electrocally Erasable Programmable Read Only Mem
ory)には、その動作上、少なくとも3種類の電源電圧
が必要で消費電力も増大すること、情報の記憶は、トン
ネル酸化膜と呼ばれる絶縁膜を介したフローティングゲ
ートへの電子の注入・引き出しで行うが、その絶縁膜の
破壊(疲労)により電気的特性の劣化が生じることなど
の難点もある。
【0009】さらに、メモリカードなどに使用される電
池パックアップ可能なSRAM(Static RAM)と比べて
も、消費電力が小さく、集積度においても大幅にセル面
積を小さくすることができる特徴を持つ。
【0010】上記のような特徴を持っFRAMは、既存
のフラッシュメモリ、ARAM、DRAMとの置き換
え、ロジック混載デバイスへの適用など、次世伏メモリ
としての期待は極めて大きい。また、FRAMは、バブ
デリーレスで高速動作が可能とい利点から、非接触カー
ド(RF-ID:Radio Frequency-Indentification)への展
開が始まっている。
【0011】しかし、既存のFRAMデバイスにおいて
は、DRAM、ロジックなど、他のデバイスとの混載、
ならびに高集積化に不可欠となる技術が未だ確立してい
ない状況である。
【0012】強誘電体膜にはPb(Zrx Ti1-x)0
3 膜(PZT膜)などが用いられ、これを上部および下
部キャパシタ電極で挟むことによりキャパシタを構成し
ている。上部および下部キャパシタ電極の材料にはP
t,Ir,Ruなどの貴金属が多く用いられる。
【0013】PZTなどの強誘電体膜の形成にはスパッ
タリング法やゾルゲル法が、Pt,Tiなどの金属膜の
形成にはスパッタリング法が使用される。その結晶化に
ついては、主にスパッタリング法で強誘電体膜を形成す
る揚合において、基板温度を結晶化温度以上に保って結
晶成長させながら形成する方法と、低温でアモルファス
状態のPZT膜(アモルファスPZT膜)を一旦形成した
後、それに結晶化アニールを施すことによって、ペロブ
スカイト構造のPZT膜(結晶性PZT膜)を形成する
方法がある。
【0014】前者結晶化法では非常に困難な基板温度制
御が必要であり、多少の温度ずれで結晶配向性や結晶構
造自体の変化を来たしやすいなどの問題があるのに対
し、後者結晶化法では、アモルファスPZT膜の結晶化
アニールを高速の昇降温で行い短時間の熱処理で済ます
と、PZTとPtとの間の反応を低減し界面の平滑曲を
保ちやすいなどの利点がある。
【0015】PZT膜の強誘電体としてのポテンシャル
を決めている重要な要素のーつとして化学量論組成(ス
トイキオメトリ)があるが、取り分け、その構成元素で
ある什は、低融点で蒸気圧PZTが高い物質であるた
め、温度制御が極めて困難である。したがって、容易に
T結晶膜を得る方法としては、温度安定性や再現性の高
い後者結晶化法が有利と言える。
【0016】上記理由のため、結晶化の熱処理でPbは
容易に外方拡散あるいは下地電極へも内方拡散してい
く。そのため、ストイキオメトリよりも過剰のアモルフ
ァスKT膜を形成することが一般的となっている。
【0017】例えば、FRAMの金属−強誘電体−金属
(Metal-Ferroelectric-Metal)構造のキャパシタにお
いて、下部および上部キャパシタ電極にPt膜、キャパ
シタ絶縁膜にPZT膜を用いた場合には、下部キャパシ
タ電極との界面でPbが過剰となるアモルファスPZT
膜を形成する。
【0018】これは、結晶化アニールの際に下部キャパ
シタ電極中にPbが拡散し、ストイキオメトリより少な
いPb量で結晶化が進むことによって、ペロブスカイト
構造が得られなくなるのを防ぐためである。
【0019】しかし、この形成方法では、Pb過剰量お
よびアニール温度の制御性の困難さから、キャパシタ絶
縁膜(結晶性PZT膜)上にもしくはキャパシタ絶縁膜
中の粒界部分にPbを過剰に含む酸化物層が形成されや
すい。これは、上部界面に低誘電率層を形成したり、リ
ーク電流のパスを形成するために、強誘電性が劣化する
という問題がある。
【0020】また、下部および上部キャパシタ電極との
界面では、酸化物層の有無やPZT膜の結晶化状態など
の違いがあることから、膜厚方向でPZT膜の非対称性
が現れる。このような非対称性は、分極疲労、インプリ
ント、リテンションなどの信頼性の劣化を誘発する要因
となる。
【0021】さらに、分極疲労が観測されない分極反転
回数であっても、ヒステリシス曲線に非対称性が現れる
ことがあり、このような現象はデバイスのスペックによ
っては分極電荷をセンスする際に誤動作を招き、メモリ
動作としての信頼性の低下の原因となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、キャパシ
タ絶縁膜としてPZT膜を用いたキャパシタを従来方法
で作成すると、PZT膜上もしくはPZT膜中の粒界に
Pbを過剰に含む酸化物層が形成されて強誘電性が劣化
する、またはPZT膜の膜質の非対称性からメモリ動作
としての信頼性が低下するという問題があった。
【0023】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、強誘電体または高誘電
体からなる結晶性絶縁膜を用いたキャパシタの特性劣化
を防止できる半導体装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】[構成]上記目的を達成
するために、本発明(請求項1)に係る半導体装置の製
造方法は、第1電極、ABO3 ペロブスカイト型酸化物
誘電体からなる結晶性絶縁膜、第2電極が順次積層され
てなるキャパシタを作成する工程を含む半導体装置の製
造方法において、前記第1電極上に前記結晶性絶縁膜と
なるアモルファス絶縁膜を形成する第1工程と、前記第
2電極を形成する前に、前記アモルファス絶縁膜上にZ
r、Ti、Ta、Nb、Mg、W、FeおよびCoから
選ばれる1種類以上の元素を含む物質からなる第1界面
膜を形成する第2工程と、熱処理によって前記アモルフ
ァス絶縁膜を結晶化する第3工程とを有することを特徴
とする。
【0025】この半導体装置の製造方法のより具体的な
構成は以下の通りである。
【0026】(1)第1工程と第2工程とからなる一連
の工程を複数回繰り返す。
【0027】(2)結晶性絶縁膜の構成材料であるAB
3 ペロブスカイト型酸化物誘電体は、AがPb、Ba
およびSrから選ばれる1種類以上の元素を含む物質、
BがZr、Ti、Ta、Nb、Mg、W、FeおよびC
oから選ばれる1種類以上の元素を含む物質である。
【0028】(3)第1電極上にZr、Ti、Ta、N
b、Mg、W、FeおよびCoから選ばれる1種類以上
の元素を含む物質からなる第2界面膜を形成した後、ア
モルファス絶縁膜を形成する。
【0029】(4)熱処理は、第2電極の形成前および
形成後のいずれの段階で行っても良い。
【0030】[作用]本発明者らの研究によれば、第2
電極を形成する前に、ABO3 ペロブスカイト系材料か
らなる結晶性絶縁膜となるアモルファス絶縁膜上に、Z
r、Ti、Ta、Nb、Mg、W、FeおよびCoから
選ばれる1種類以上の元素を含む物質からなる第1界面
膜を形成した後、熱処理によってアモルファス絶縁膜を
結晶化した場合には、結晶化中のアモルファス絶縁膜の
表面からその構成元素が脱離することを効果的に抑制で
きることが分かった。
【0031】したがって、このような研究結果を利用し
た本発明によれば、強誘電特性の劣化や誘電率の低下の
原因となる層がキャパシタ絶縁膜(結晶化されたアモル
ファス絶縁膜)上に形成されることを防止できるので、
キャパシタの特性劣化を防止できるようになる。
【0032】また、本発明(請求項4)によれば、第1
界面膜に加えて、Zr、Ti、Ta、Nb、Mg、W、
FeおよびCoから選ばれる1種類上の元素を含む物質
からなる第2界面膜を用いてキャパシタ絶縁膜を形成す
ることによって、PZT結晶膜の膜質が膜厚方向に対称
性を持つようになる。したがって、このような方法によ
って、DRAM等のメモリに使用されるキャパシタのキ
ャパシタ絶縁膜を形成すれば、メモリ動作における信頼
性を向上できるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0034】(第1の実施形態)先ず、比較例1のキャ
パシタの作成方法について説明する。
【0035】まず、図1(a)に示すように、酸化膜1
上にTiからなる接着層2、Ptからなる下部キャパシ
タ電極3(第1電極)を順次形成する。
【0036】次に図1(b)に示すように、RFスパッ
タリング法を用いて、下部キャパシタ電極3上にキャパ
シタ絶縁膜となる厚さ240nmのアモルファスPZT
膜4aを形成する。
【0037】ここで、ターゲットとしては(Pb1.15,
La0.03)(Zr0.3 ,Ti0.7 )O 3 組成で焼結した
ものを使用する。また、成膜室はArガス雰囲気下で
2.5Paに減圧し、スパッタ時の投入電力は1.0k
Wとする。また、スパッタ室内の試料を載置するウェハ
ステージには冷却機構が設けられ、この冷却機構によっ
て成膜中の基板温度は室温に保たれている。
【0038】次に図1(c)に示すように、酸素雰囲気
下で850℃、5secの結晶化アニールによってアモ
ルファスPZT膜4aを結晶化し、キャパシタ絶縁膜と
しての結晶性PZT膜4cを形成する。この結晶性PZ
T膜4cの膜厚は220nmでアモルファスPZT膜4
よりも薄い。これは結晶化アニールによって膜収縮が起
こるからである。
【0039】また、結晶化アニールの工程中で、結晶性
PZT膜4cの表面においてはPZT膜4a,4c中の
Pbの脱離、結晶性PZT膜4cと下部キャパシタ電極
3との界面(以下、下部電極界面という)付近において
はPZT膜4a,4c中のPbの下部キャパシタ電極3
への拡散が起こる。
【0040】次に図1(d)に示すように、DCスパッ
タリング法を用いて、上部キャパシタ電極5(第2電
極)となるPt膜を形成した後、このPt膜をパターニ
ングすることによって、直径160μmの上部キャパシ
タ電極5を形成する。
【0041】この段階において、as depo状態で
電気的な評価を行ったところ、図2に示すように、リー
ク電流成分のため強誘電性は全く観察されなかった。こ
れは、結晶化アニールの工程でPZT膜4a,4cの粒
界または表面に過剰なPbが析出して、粒界に鉛化合物
が形成され、リーク電流を増加させるパスが形成された
こと、PZT4cと上部キャパシタ電極5との界面近傍
に低誘電率の鉛酸化物が形成されたこと、Pt膜の成膜
時に生じたスパッタリングダメージなどが要因であると
考えられる。
【0042】次に酸素雰囲気下で650℃、1hrの熱
処理を施し、上記スパッタリングダメージを回復させ
る。この段階で電気的な評価を行ったところ、図3に示
すように、±5V駆動の印加電圧で残留分極20μC/
cm2 、抗電圧0.93Vのヒステリシス特性が得られ
た。
【0043】このような比較例1に対して、本発明者ら
は以下のような改善策を施した。すなわち、図1(b)
の工程後、図4に示すように、DCスパッタリング法を
用いて、アモルファスPZT膜4a上に厚さ2.5nm
のTi膜6(第1界面膜)を形成する。
【0044】ここで、ターゲットとしてはTiターゲッ
トを使用する。また、スパッタ室はArガス雰囲気下で
2.5Paに減圧し、スパッタ時の投入DC電力は3.
0kWとする。この後の工程は、比較例1の図1(c)
の工程以降の工程と同じである。
【0045】なお、Ti膜6は、アモルファスPZT膜
4aを結晶化するための熱処理によってPZT結晶膜と
して取り込まれる。また、接着層2としてのTi膜2は
下地酸化膜や下部キャパシタ電極を通過した酸素と反応
し、その一部がTi酸化物となって残る。
【0046】このようなプロセスにおいて、上部キャパ
シタ電極を形成した後のas depo状態で電気的な
評価を行ったところ、図5に示すように、非対称ながら
ヒステリシス曲線が得られた。
【0047】これはアモルファスPZT膜4aの表面を
Ti膜6で覆った効果であると考えられる。すなわち、
アモルファスPZT膜4aの表面をTi膜6で覆った状
態で結晶化アニールを行うことによって、強誘電性の劣
化の原因となる絶縁性酸化物層が結晶性絶縁膜4c上に
形成されることを抑制できたからだと考えられる。
【0048】また、上部キャパシタ電極を形成し、酸素
雰囲気下で650℃、1時間の熱処理を行った段階にお
いて電気的な評価を行ったところ、図6に示すように、
±5V駆動の印加電圧で残留分極27μC/cm2 、抗
電圧0.95Vのヒステリシス特性という良好な結果が
得られた。
【0049】また、キャパシタの作成方法として上述し
た改善策を施した方法を用いてFRAMを製造し、その
評価を行ったところ、リテンション、インプリント特性
が改善されていることを確認した。
【0050】(第2の実施形態)図7は、比較例2のキ
ャパシタの製造方法を示す工程断面図である。なお、図
1と対応する部分には図1と同一符号を付してあり、詳
細な説明は省略する。
【0051】まず、図1(a)の工程までを行い、続い
て図7(a)に示すように、DCスパッタリング法を用
いて下部キャパシタ電極3上に厚さ2.5nmのTi膜
7(第2界面膜)を形成した後、厚さ240nmのアモ
ルファスPZT膜4aを形成する。
【0052】次に図7(b)に示すように、酸素雰囲気
下で850℃、5秒の結晶化アニールによってアモルフ
ァスPZT膜4aを結晶化し、結晶性PZT膜4cを形
成した後、Ptからなる上部キャパシタ電極5を形成す
る。この後、酸素雰囲気下で650℃、1時間の熱処理
を行う。Ti膜7は、アモルファスPZT膜4aの結晶
化を促進するとともに、結晶の配向性を高めるシード層
の働きを担う。
【0053】このようにして作成した比較例2のキャパ
シタについて、図8に示すような波高±5V、パルス幅
100μsec、パルス間隔200μsecの三角波の
ダブルパルスで分極疲労試験を行った。
【0054】その結果、図9に示すように、分極反転回
数が9×105 回で疲労が始まった。すなわち、比較例
2のキャパシタは、Ti膜7を形成しない比較例1のキ
ャパシタの疲労の始まる7×104 回と比べると、1桁
以上も向上している。
【0055】しかしながら、疲労試験中のヒステリシス
曲線の原点からのずれ(Asymmentry)を調べると、比較
例2のキャパシタは、図10に示すように、数μC/c
2の分極量のずれがあり、非対称性が戻らないままと
なる。
【0056】ここで、ヒステリシス曲線の原点からのず
れは、図11に示すように、{(N−U)−(P−
D)}/2と定義している。
【0057】このような比較例2に対して、本発明者ら
は以下のような改善策を施した。すなわち、第1の実施
形態と同様に、図12に示すように、DCスパッタリン
グ法を用いて、アモルファスPZT膜4a上に厚さ2.
5nmのTi膜6を形成する。この後の工程は、比較例
2の図7(a)の工程の後の工程と同じである。
【0058】このようにして作成した本発明に係るキャ
パシタについて、前述した比較例2と同様の分極疲労試
験を行ったところ、3×106 回まで疲労が観測され
ず、比較例2のキャパシタに比べて、分極疲労が起こり
難いことが分かった。また、ヒステリシス曲線の原点か
らのずれについては、比較例2のキャパシタと同様に反
転回数が増加しても良好な対称性を示した。
【0059】(第3の実施形態)図13は、本発明の第
3の実施形態に係るキャパシタの作成方法を示す工程断
面図である。なお、図7と対応する部分には図7と同一
符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0060】第1、第2の実施形態では、アモルファス
PZT膜4を形成し、その上にTi膜6を形成する方法
について説明したが、これらの一連の工程を複数回行っ
ても良い。ここでは、第2の実施形態において2回行う
場合について説明する。
【0061】まず、図7(a)の工程までを行う。ただ
し、アモルファスPZT膜4aの膜厚は120nmとす
る。すなわち、比較例2におけるアモルファスPZT膜
4aの膜厚の半分にする。Ti膜7の膜厚は同じである
(2.5nm)。
【0062】次に図13(a)に示すように、アモルフ
ァスPZT膜4a上にTi膜6を形成した後、このTi
膜6上に厚さ120nmのアモルファスPZT膜8a、
厚さ2.5nmのTi膜9(第1界面膜)を順次形成す
る。
【0063】次に図13(b)に示すように、酸素雰囲
気下で650℃、1時間の結晶化アニールによってアモ
ルファスPZT膜4a,8aを結晶化し、結晶性PZT
膜4c,9cを形成する。結晶化アニールによって膜収
縮が起こり、結晶性PZT膜4c,8cの合計膜厚は2
20nmとなる。
【0064】この後、同図(b)に示すように、Ptか
らなる厚さ175nmの上部キャパシタ電極5を形成し
た後、酸素雰囲気下で650℃、1時間の熱処理を行っ
てキャパシタが完成する。
【0065】このようにして作成したキャパシタの分極
疲労特性を調べたところ、図14に示すように、反転回
数が107 付近まで疲労せず非対称性も観測されなかっ
た。
【0066】なお、本実施形態では、アモルファスPZ
T膜4を形成する工程と、その上にTi膜6を形成する
工程とからなる一連の工程を2回繰り返す場合について
説明したが、3回以上繰り返しても良いことは言うまで
もない。
【0067】(第4の実施形態)第1〜第3の実施形態
では、Ti膜6またはTi膜6,9を形成した後、アモ
ルファスPZT膜4aまたはアモルファスPZT膜4
a,8aを結晶化するための結晶化アニールを行った
が、この結晶化アニールはTi膜6またはTi膜6,9
を形成する前に行って良い。ここでは、第2の実施形態
においてTi膜6を形成する前に結晶化アニールを行う
場合について説明する。
【0068】すなわち、図15(a)に示すように、第
2の実施形態と同様にアモルファスPZT膜4aまでを
形成し、続いて図15(b)に示すように、酸素雰囲気
下で850℃、5秒の結晶化アニールによって結晶性P
ZT膜4cを形成した後、結晶性PZT膜4c上にTi
膜6を形成する。各膜の膜厚は第2の実施形態と同じで
良い。
【0069】この後の工程は第2の実施形態と同様で、
Ti膜6上に厚さ175nmの上部キャパシタ電極5を
形成した後、酸素雰囲気下で650℃、1時間の熱処理
を行ってキャパシタが完成する。
【0070】このようにして作成したキャパシタも反転
回数が107 回付近まで疲労せず非対称性も観測されな
かった。ただし、第3の実施形態(図14)よりも若干
劣っていた。
【0071】また、本作成方法の変形例としては、例え
ばPZT膜4a上に厚さ2.5nmのTi膜を形成した
後に結晶化アニールを行い、次いで上部キャパシタ電極
5を形成して熱処理を行っても良い。さらに第2の実施
形態のように、下部キャパシタ電極3との界面に厚さ
2.5nmのTi膜7を形成した後に、アモルファスP
ZT膜4cを形成しても良い。
【0072】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施形態ではTi膜2,
7の膜厚を同じにしたが、これらの膜厚は互いに異なっ
ていても良い。
【0073】また、上記実施形態では界面膜の材料とし
てTiを使用したが、要はZr、Ti、Ta、Nb、M
g、W、FeおよびCoから選ばれる1種類以上の元素
を含む物質であれば良い。
【0074】また、上記実施形態ではキャパシタ絶縁膜
の材料としてPZTを使用したが、キャパシタ絶縁膜の
材料はこれに限定されるものではなく、要はABO3
ロブスカイト系材料であり、AはPb、BaおよびSr
から選ばれる1種類上の元素を含む物質、BはZr、T
i、Ta、Nb、Mg、W、FeおよびCoから選ばれ
る1種類以上の元素を含む物質であれば良い。
【0075】また、上記実施形態では下部キャパシタ電
極の上面がキャパシタ絶縁膜で覆われた構造のキャパシ
タの場合について説明したが、下部キャパシタ電極の上
面および側面がキャパシタ絶縁膜で覆われたキャパシタ
に対しても本発明は有効である。さらにコンケイブ型の
キャパシタにも適用可能である。すなわち、本発明はキ
ャパシタ構造に関係なく適用可能である。
【0076】また、本発明はFRAM以外のデバイスの
キャパシタにも適用できる。
【0077】また、上記実施形態では強誘電体のキャパ
シタ絶縁膜を用いたキャパシタの場合について説明した
が、本発明は、ABO3 ペロブスカイト型酸化物誘電体
で形成されていれば、高誘電体のキャパシタ絶縁膜を用
いたキャパシタにも有効である。この場合にはリーク電
流を小さくすることができ、キャパシタ絶縁膜としての
性能を向上することができるようになる。
【0078】また、下部電極の材料もPtに限定される
ものではない。ただし、キャパシタ絶縁膜の材料によっ
ては酸化されても導電性を示す材料を用いたほうが良い
場合がある。
【0079】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施できる。
【0080】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、第
2電極を形成する前に、ABO3 ペロブスカイト型酸化
物誘電体からなる結晶性絶縁膜となるアモルファス絶縁
膜以上に、Zr、Ti、Ta、Nb、Mg、W、Feお
よびCoから選ばれる1種類上の元素を含む物質からな
る第1界面膜を形成した後、熱処理によってアモルファ
ス絶縁膜を結晶化してキャパシタ絶縁膜を形成すること
によって、誘電率の低下の原因となる層がキャパシタ絶
縁膜上に形成されること、リーク電流の要因となる電流
パスが生成されることを抑制できるので、キャパシタの
特性劣化を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1のキャパシタの作成方法を示す工程断
面図
【図2】上部キャパシタ電極の形成後にダメージ回復の
ための熱処理を行わなかった場合の比較例1のキャパシ
タの評価結果を示す特性図
【図3】上部キャパシタ電極の形成後にダメージ回復の
ための熱処理を行った場合の比較例1のキャパシタの評
価結果を示す特性図
【図4】比較例1のキャパシタの特性の改善方法を説明
するための断面図
【図5】同改善方法を比較例1のキャパシタに適用した
場合の図2に相当する特性図
【図6】同改善方法を比較例1のキャパシタに適用した
場合の図3に相当する特性図
【図7】比較例2のキャパシタの製造方法を示す工程断
面図
【図8】分極疲労試験に用いたダブルパルス波を示す図
【図9】比較例2のキャパシタに改善方法を施した場合
および施さなかった場合のそれぞれの分極疲労試験の結
果を示す図
【図10】疲労試験中のヒステリシス曲線の原点からの
ずれを調べた結果を示す図
【図11】ヒステリシス曲線の原点からのずれの定義を
示す図
【図12】比較例1のキャパシタの特性の改善方法を説
明するための工程断面図
【図13】本発明の第3の実施形態に係るキャパシタの
作成方法を示す工程断面図
【図14】同作成方法を用いて作成したキャパシタの分
極疲労特性を示す特性図
【図15】本発明の第4の実施形態に係るキャパシタの
作成方法を示す工程断面図
【符号の説明】
1…酸化膜 2…接着層 3…下部キャパシタ電極(第1電極) 4a…アモルファスPZT膜 4c…結晶性PZT膜(キャパシタ絶縁膜) 5…上部キャパシタ電極(第2電極) 6…Ti膜(第1界面膜) 7…Ti膜(第2界面膜) 8a…アモルファスPZT膜 8c…結晶性アモルファスPZT膜 9…Ti膜(第1界面膜)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 稗田 克彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5F001 AA17 AD33 AF07 AF25 AG30 5F038 AC05 AC09 AC15 AC17 AC18 DF05 EZ17 5F083 AD21 FR01 FR02 GA06 GA25 GA27 JA14 JA15 JA31 JA38 JA39 PR22 PR33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1電極、ABO3 ペロブスカイト型酸化
    物誘電体からなる結晶性絶縁膜、第2電極が順次積層さ
    れてなるキャパシタを作成する工程を含む半導体装置の
    製造方法において、 前記第1電極上に前記結晶性絶縁膜となるアモルファス
    絶縁膜を形成する第1工程と、 前記第2電極を形成する前に、前記アモルファス絶縁膜
    上にZr、Ti、Ta、Nb、Mg、W、FeおよびC
    oから選ばれる1種類以上の元素を含む物質からなる第
    1界面膜を形成する第2工程と、 熱処理によって前記アモルファス絶縁膜を結晶化する第
    3工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記第1工程と前記第2工程とからなる一
    連の工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1に
    記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ABO3 ペロブスカイト型酸化物誘電
    体は、AがPb、BaおよびSrから選ばれる1種類以
    上の元素を含む物質、BがZr、Ti、Ta、Nb、M
    g、W、FeおよびCoから選ばれる1種類以上の元素
    を含む物質であることを特徴とする請求項1に記載の半
    導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1電極上にZr、Ti、Ta、N
    b、Mg、W、FeおよびCoから選ばれる1種類以上
    の元素を含む物質からなる第2界面膜を形成した後、前
    記アモルファス絶縁膜を形成することを特徴とする請求
    項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第2電極を形成する前に前記熱処理を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記第2電極を形成した後に前記熱処理を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製
    造方法。
JP04833199A 1999-02-25 1999-02-25 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3872917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04833199A JP3872917B2 (ja) 1999-02-25 1999-02-25 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04833199A JP3872917B2 (ja) 1999-02-25 1999-02-25 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000252434A true JP2000252434A (ja) 2000-09-14
JP3872917B2 JP3872917B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=12800444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04833199A Expired - Fee Related JP3872917B2 (ja) 1999-02-25 1999-02-25 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3872917B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3872917B2 (ja) 2007-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3319994B2 (ja) 半導体記憶素子
JP3249496B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP3103916B2 (ja) 強誘電体キャパシタおよびその製造方法並びにそれを用いたメモリセル
CN100388497C (zh) 金属薄膜及其制造方法、电介质电容器及其制造方法及半导体装置
JP2003258202A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2004319651A (ja) メモリの素子及びその製造方法
JP2004296929A (ja) 強誘電体キャパシタの製造方法、強誘電体キャパシタ、記憶素子、電子素子、メモリ装置及び電子機器
JP2000260954A (ja) 強誘電体キャパシタ、半導体装置およびその製造方法
US6495412B1 (en) Semiconductor device having a ferroelectric capacitor and a fabrication process thereof
JP3641142B2 (ja) 強誘電体メモリ
JP2001237402A (ja) 構造化された金属酸化物含有層および半導体構造素子の製造方法
JP2004296681A (ja) 強誘電体膜、強誘電体膜の製造方法、強誘電体キャパシタおよび強誘電体キャパシタの製造方法ならびに強誘電体メモリ
KR20040035742A (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP2002087819A (ja) ビスマスランタンチタネート、ビスマスランタンチタネート薄膜及びその製造方法、並びにこの薄膜を用いた電子素子
JP3294214B2 (ja) 薄膜キャパシタ
JP3363091B2 (ja) 誘電体メモリの製造方法
JP3872917B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2001028426A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2004296735A (ja) 強誘電体キャパシタの製造方法、強誘電体キャパシタ、記憶素子、電子素子、メモリ装置及び電子機器
JP2003197772A (ja) キャパシタ、半導体記憶装置およびその製造方法
JP2003243628A (ja) 強誘電体薄膜、強誘電体キャパシタ、及び強誘電体メモリ素子の製造方法
JP3663575B2 (ja) 強誘電体膜の改質方法及び容量素子の製造方法
JPH09321237A (ja) 強誘電体膜を有する不揮発性半導体記憶装置及び強誘電体膜を有するキャパシタ及びその製造方法
JP2010157748A (ja) 金属膜およびその製造方法、誘電体キャパシタおよびその製造方法ならびに半導体装置
JP2002110935A (ja) 薄膜キャパシタ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061023

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees