JP2000252107A - 高磁束密度の半硬質磁性材料およびその製造方法、ならびにヒステリシスカップリング装置 - Google Patents

高磁束密度の半硬質磁性材料およびその製造方法、ならびにヒステリシスカップリング装置

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JP2000252107A
JP2000252107A JP11054200A JP5420099A JP2000252107A JP 2000252107 A JP2000252107 A JP 2000252107A JP 11054200 A JP11054200 A JP 11054200A JP 5420099 A JP5420099 A JP 5420099A JP 2000252107 A JP2000252107 A JP 2000252107A
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semi
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hard magnetic
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Hirokazu Kanekiyo
裕和 金清
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
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    • H01F1/0579Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B with exchange spin coupling between hard and soft nanophases, e.g. nanocomposite spring magnets

Abstract

(57)【要約】 【課題】 飽和磁束密度の高い新規な半硬質磁性材料を
提供し、磁性材料のヒステリシス特性を利用した各種装
置の性能を向上させる。 【解決手段】 (Fe1-mCom100-x-yxyzの組
成式等によって表された半硬質磁性材料である。Rは
Y、La、Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群か
ら選択された少なくとも1種の希土類元素、MはAl、
Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、G
a、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、
Au、およびPbからなる群から選択された少なくとも
1種の元素である。組成式中のx、y、z、およびm
は、7原子%≦x<15原子%、0.5原子%≦y≦4
原子%、0.1原子%≦z≦7原子%、および0.00
1≦m≦0.5の関係を満足する。この組成の合金溶湯
をメルトクエンチング法によって急冷し、アモルファス
相を含む急冷凝固合金を形成した後、この急冷凝固合金
を加熱し、平均結晶粒径が100nm以下である微結晶
を構成相中に形成することによって製造される。熱処理
後の結晶質相はα−Fe微結晶を主として含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒステリシス材料
や各種ヨーク材に最適な飽和磁束密度を持つ半硬質磁性
材料およびその製造方法、ならびに当該半硬質磁性材料
から形成した部材を備えたヒステリシスカップリング装
置等に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性材料の分野では、保磁力が低く透磁
率の高い材料(軟磁性材料または高透磁率材料)と、保
磁力および飽和磁束密度の両方が高い材料(硬磁性材料
または永久磁石材料)とが代表的な磁性材料として活発
に研究開発されてきた。しかしながら、磁性材料の中に
は保磁力が軟磁性材料と硬磁性材料との中間範囲にあっ
てしかも高い残留磁束密度を示すものがあり、「半硬質
磁性材料」と呼ばれている。この半硬質磁性材料は角形
ヒステリシス材料のひとつとして、各種リレー、スイッ
チ、半固定メモリ、ヒステリシスモータ、およびヒステ
リシスカッリング装置等に用いられる。角形ヒステリシ
ス材料は、飽和磁束密度Bsに対する残留磁束密度Br
比(Br/Bs)、すなわち角形比が1に近い材料である
ことが好ましい。
【0003】従来、ヒステリシスモータやヒステリシス
カップリング装置には、バイカロイ等の半硬質磁性材料
や保磁力が10〜40kA/m程度のAl-Ni-Co磁
石およびFe-Cr-Co磁石が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の半硬質磁性材料
は、何れも残留磁束密度Brが1テスラ[T]前後と比
較的に低く、ヒステリシスモータやヒステリシスカップ
リング装置の小型化に適した材料ではなかった。また、
残留磁束密度の高い鉄系磁性材料を半硬質磁性材料とし
て利用しようとしても、既存の鉄系磁性材料(例えばF
e−Si−B軟磁性材料やNd−Fe−B磁石)の保磁
力は何れも1kA/m未満(軟磁性材料)または600
kA/m以上(硬磁性材料)であり、半硬質磁性材料に
求められる範囲(1〜50kA/m)内の保磁力を示す
ものは得られなかった。
【0005】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、飽和磁束密度の高い新規な半
硬質磁性材料を提供し、磁性材料のヒステリシス特性を
利用する各種装置の性能を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による半硬質磁性
材料は、Fe100-x-yxy(Feは鉄、Bはボロン、
RはY、La、Ce、Pr、Nd、およびSmからなる
群から選択された少なくとも1種の希土類元素)の組成
式で表される半硬質磁性材料であって、前記組成式中の
xおよびyが7原子%≦x<15原子%、および0.5
原子%≦y≦4原子%の関係を満足し、かつ構成相とし
て、平均結晶粒径が100nm以下であるα−Fe微結
晶とを含んでいることを特徴とする。
【0007】本発明による他の半硬質磁性材料は、Fe
100-x-yxyz(Feは鉄、Bはボロン、RはY、L
a、Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群から選択
された少なくとも1種の希土類元素、MはAl、Si、
Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Z
r、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Au、
およびPbからなる群から選択された少なくとも1種の
元素)の組成式で表される半硬質磁性材料であって、前
記組成式中のx、y、およびzが7原子%≦x<15原
子%、0.5原子%≦y≦4原子%、および0.1原子
%≦z≦7原子%の関係を満足し、かつ構成相として、
平均結晶粒径が100nm以下であるα−Fe微結晶と
を含んでいることを特徴とする。
【0008】本発明による更に他の半硬質磁性材料は、
(Fe1-mCom100-x-yxyz(Feは鉄、Coは
コバルト、Bはボロン、RはY、La、Ce、Pr、N
d、およびSmからなる群から選択された少なくとも1
種の希土類元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、M
n、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、A
g、Hf、Ta、W、Pt、Au、およびPbからなる
群から選択された少なくとも1種の元素)の組成式で表
される半硬質磁性材料であって、前記組成式中のx、
y、z、およびmが7原子%≦x<15原子%、0.5
原子%≦y≦4原子%、0.1原子%≦z≦7原子%、
および0.001≦m≦0.5の関係を満足し、かつ構
成相として、平均結晶粒径100nm以下であるα−F
e微結晶を含んでいることを特徴とする。
【0009】前記構成相中には平均結晶粒径が100n
m以下であるα−Fe微結晶以外の鉄系化合物微結晶が
存在していてもよい。
【0010】好ましい実施形態では、飽和磁束密度Bs
が1.4T以上、固有保磁力Hcjが1kA/m≦Hcj
50kA/mの範囲内、飽和磁束密度Bsに対する残留
磁束密度Brの比である角形比(Br/Bs)が0.7以
上である。
【0011】本発明による半硬質磁性材料用合金の製造
方法は、Fe100-x-yxyの組成式、Fe100-x-yx
yzの組成式、または(Fe1-mCom100-x-yx
yzの組成式の何れかによって表され(Feは鉄、Co
はコバルト、Bはボロン、RはY、La、Ce、Pr、
Nd、およびSmからなる群から選択された少なくとも
1種の希土類元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、
Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、A
g、Hf、Ta、W、Pt、Au、およびPbからなる
群から選択された少なくとも1種の元素)、前記組成式
中のx、y、z、およびmが、7原子%≦x<15原子
%、0.5原子%≦y≦4原子%、0.1原子%≦z≦
7原子%、および0.001≦m≦0.5の関係を満足
する合金溶湯を形成する工程と、前記合金溶湯をメルト
クエンチング法によって急冷し、アモルファス相を含む
急冷凝固合金を形成する急冷工程とを包含する。
【0012】本発明による半硬質磁性材料の製造方法
は、Fe100-x-yxyの組成式、Fe100-x-yxy
zの組成式、または(Fe1-mCom100-x-yxyz
の組成式の何れかによって表され(Feは鉄、Coはコ
バルト、Bはボロン、RはY、La、Ce、Pr、N
d、およびSmからなる群から選択された少なくとも1
種の希土類元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、M
n、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、A
g、Hf、Ta、W、Pt、Au、およびPbからなる
群から選択された少なくとも1種の元素)、前記組成式
中のx、y、z、およびmが、7原子%≦x<15原子
%、0.5原子%≦y≦4原子%、0.1原子%≦z≦
7原子%、および0.001≦m≦0.5の関係を満足
する合金溶湯を形成する工程と、前記合金溶湯をメルト
クエンチング法によって急冷し、アモルファス相を含む
急冷凝固合金を形成する急冷工程と、前記急冷凝固合金
を加熱することによって、平均結晶粒径が100nm以
下である微結晶を構成相中に生成する熱処理工程とを包
含する。
【0013】前記微結晶は主にα−Fe微結晶から構成
されることが好ましい。
【0014】好ましい実施形態では、前記熱処理工程に
おいて、加熱温度を400℃以上700℃以下に設定
し、加熱時間を30秒以上にする。
【0015】前記メルトクエンチング法として、回転ロ
ール法、ガスアトマイズ法、回転ロール法とガスアトマ
イズ法を組み合わせた液体急冷法の何れかを用いること
が好ましい。
【0016】本発明による他の半硬質磁性材料の製造方
法は、上記製造方法によって製造された半硬質磁性材料
用合金を加熱し、それによって半硬質磁性材料を製造す
ることを特徴とする。
【0017】本発明によるヒステリシスカップリング装
置は、上記製造方法の何れかによって製造された半硬質
磁性材料から形成され、回転軸を中心に回転可能に支持
された第1の部材と、永久磁石材料から形成され、前記
第1の部材に対して前記回転軸方向に沿って間隙をおき
ながら前記回転軸を中心に回転可能に支持された第2の
部材とを備え、前記第1の部材と前記第2の部材との間
で磁力を介してトルク伝達を行い得る。
【0018】本発明による他のヒステリシスカップリン
グ装置は、上記製造方法の何れかによって製造された半
硬質磁性材料から形成され、回転可能に支持された第1
の部材と、永久磁石材料から形成され、前記第1の部材
に対して間隙をおいて回転可能に支持された第2の部材
とを備え、前記第1の部材と前記第2の部材との間で磁
力を介してトルク伝達を行い得る。
【0019】本発明による半硬質磁性材料用合金は、F
100-x-yxy、Fe100-x-yxyz、または(F
1-mCom100-x-yxyzの組成式(Feは鉄、C
oはコバルト、Bはボロン、RはY、La、Ce、P
r、Nd、およびSmからなる群から選択された少なく
とも1種の希土類元素、MはAl、Si、Ti、V、C
r、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、M
o、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Au、およびPbか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素である)
で表現され、前記組成式中のx、y、z、およびmが、
7原子%≦x<15原子%、0.5原子%≦y≦4原子
%、0.1原子%≦z≦7原子%、および0.001≦
m≦0.5の関係を満足することを特徴とする。この合
金を加熱することによって、本発明の半硬質磁性材料を
得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来から軟磁性材料
として知られていた鉄基ナノ結晶合金材料にLa等の希
土類元素を添加することによって保磁力が増大し、半硬
質磁性材料としての性質が現れることを見いだし、本発
明を想到するにいたった。
【0021】本発明は、Fe100-x-yxyの組成式、
Fe100-x-yxyzの組成式、または(Fe1-m
m100-x-yxyzの組成式の何れかによって表さ
れた磁性材料である。ここで、Feは鉄、Coはコバル
ト、Bはボロン、RはY、La、Ce、Pr、Nd、お
よびSmからなる群から選択された少なくとも1種の希
土類元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、N
i、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、H
f、Ta、W、Pt、Au、およびPbからなる群から
選択された少なくとも1種の元素であり、前記組成式中
のx、y、z、およびmは、7原子%≦x<15原子
%、0.5原子%≦y≦4原子%、0.1原子%≦z≦
7原子%、および0.001≦m≦0.5の関係を満足
する。
【0022】本発明による磁性材料は、上記組成の合金
溶湯をメルトクエンチング(melt-quenching)法によっ
て急冷し、アモルファス相を含む急冷凝固合金を形成し
た後、この急冷凝固合金を加熱することによって平均結
晶粒径が100nm以下である微結晶を構成相中に形成
した半硬質(セミハード)のナノ結晶磁性材料である。
【0023】アモルファス相のままでは磁化が低く(B
s=1T)、加熱に対する磁気特性の安定性も低いの
で、平均結晶粒径が100nm以下の微結晶相は、α−
Fe微結晶を主として含む以外に、他の鉄系化合物微結
晶を含んでいてもよい。結晶相を構成する微結晶の平均
粒径が100nmを超えると、Hcjが50kA/mより
大きくなり、また角形比が0.7を下回ってしまうた
め、微結晶の平均粒径は100nmを超えないようにす
る必要がある。一方、微結晶の平均粒径は小さいほど好
ましいが、平均結晶粒径が1nm以下の結晶相を再現性
良く形成することは工業的に難しい。
【0024】本発明の半硬質磁性材料は、100nm以
下の微細なα−Fe結晶が分散し、交換相互作用を通じ
て各α−Fe微結晶が磁気的に相互結合している状態に
ある。適切な量のボロンおよび希土類元素を添加したこ
とによって、急冷凝固合金のアモルファス生産能を高め
ることができ、熱処理によって上記結晶組織の形成を実
現可能ならしめている。また、希土類元素の添加によっ
て結晶化後の保磁力が増大したが、これは急冷凝固後の
非晶質性を高める目的で添加した希土類元素が結果的に
磁歪を大きくしたためではないかと推察される。
【0025】本発明の半硬質磁性材料は、飽和磁束密度
sが1.4T以上と高い値を示しながら、固有保磁力
cjが1kA/m≦Hcj<50kA/mの範囲内にあ
り、しかも角形比Br/Bsが0.7以上という角形ヒス
テリシス特性を発揮する。また、透磁率は2以上であ
る。 [組成限定理由]ボロン(B)の含有量が7原子%未満
では、液体急冷法によって溶湯合金を急冷してもアモル
ファス組織が得られず、15原子%以上になると飽和磁
束密度B sが1.4Tを下回る。このためボロン組成比
xは、7原子%≦x<15原子%を満足する必要があ
り、8原子%≦x≦12原子%を満足することが好まし
い。
【0026】希土類元素Rの含有量が0.5原子%未満
では、液体急冷法によって溶湯合金を急冷してもアモル
ファス相を含む急冷凝固合金が得られず、4原子%を超
えると、結晶化した後、1.4T以上の飽和磁束密度B
sを得ることができない。このため、希土類元素Rの組
成比yは、0.5原子%≦y≦4原子%を満足する必要
があり、1.0原子%≦y≦4原子%を満足することが
好ましい。なお、用いる希土類元素として、周期律表の
Gdよりも重い重希土類金属を排除している理由は、重
希土類元素の磁気モーメントとFeおよびCoの磁気モ
ーメントが反平行であり、磁化が互いに打ち消されて高
磁束密度が得られないためである。
【0027】元素Mの添加は、角形比Br/Bsの向上、
および最適な磁気特性を発揮し得る使用温度範囲の拡大
などの効果をもたらす。元素Mの含有量が0.1原子%
未満では、このような効果が充分に発揮されず、7原子
%を超えると飽和磁束密度B sが低下しだす。このた
め、添加元素Mの組成比zは、0.1原子%≦z≦7原
子%を満足する必要があり、0.5原子%≦z≦5原子
%を満足することが好ましい。
【0028】コバルト(Co)は、Feの一部と置換さ
れることによって角形比を向上させる効果を発揮する。
このため、角形比を特に高めたい場合にCoを添加する
ことが好ましい。しかし、Feに対するCo置換量が
0.1%未満では、このような効果は充分に発揮され
ず、また50%を超えると1.4T以上の飽和磁束密度
sを得ることができない。従って、Co置換量mは、
0.001≦m≦0.5である必要があり、0.005
≦m≦0.1とすることが好ましい。
【0029】なお、Feは上記元素の含有残余を占めて
いる。
【0030】次に、本発明による半硬質磁性材料の製造
方法の実施形態を説明する。
【0031】まず、前述の組成式で表現される諸成分を
組成式に示される組成比で含む原料を用意し、この原料
を加熱し溶融することによって合金溶湯を作製する。
【0032】この合金溶湯をメルトクエンチング法によ
って超急冷し、アモルファス相を含む急冷凝固合金を形
成する。このとき、メルトクエンチング法としては、回
転ロール法、ガスアトマイズ法、回転ロール法とガスア
トマイズ法とを組み合わせて行う方法の何れかを用いる
ことが好ましい。
【0033】超急冷工程の後、急冷凝固合金に対する熱
処理を行うことによって平均結晶粒径が100nm以下
である微結晶を構成相中に生成する。この熱処理は、4
00℃〜700℃、より好ましくは500℃〜700℃
の温度で30秒以上加熱することが好ましい。このよう
な条件で熱処理を行えば、主にα−Fe微結晶から構成
される微結晶をその平均結晶粒径が100nm以下にな
るように形成することができる。好ましい熱処理時間は
熱処理温度に依存して異なるが、例えば600℃で熱処
理する場合、5分〜30分程度の加熱を行うことが好ま
しい。
【0034】ここに説明した製造方法によれば、飽和磁
束密度Bsが1.4T以上と高い値を示しながら、固有
保磁力Hcjが1kA/m≦Hcj<50kA/mの範囲内
にあり、しかも角形比Br/Bsが0.7以上という着磁
性に優れた半硬質磁性材料を再現性良く製造することが
できる。 (実施例)以下、本発明による半硬質磁性材料の実施例
を説明する。
【0035】実施例No.1〜No.11の各々につい
て、純度99.5%以上のFe、Co、Cu、B、L
a、Ce、およびNbをその総量が30グラムとなるよ
うに秤量し、石英るつぼ内に投入した。各実施例No.
1〜No.11の組成は表1に示す通りとした。石英る
つぼは、底部に直径0.8mmのオリフィスを有してい
るため、上記原料は石英るつぼ内で溶解された後、合金
溶湯となってオリフィスから下方に滴下することにな
る。原料の溶解は、圧力が1.33kPaのアルゴン雰
囲気下において高周波加熱法を用いて行った。本実施例
では、溶解温度を1300℃に設定した。
【0036】合金溶湯の湯面を26.7kPaで加圧す
ることによって、オリフィスの下方0.7mmの位置に
ある銅製ロールの外周面に対し溶湯を噴出させた。ロー
ルは、その外周面の温度が室温程度に維持されるように
内部で冷却されながら高速で回転する。このため、オリ
フィスから滴下した合金溶湯はロール周面に接触して熱
を奪われつつ、周速度方向に飛ばされることになる。合
金溶湯はオリフィスを介して連続的にロール周面上に滴
下されるため、急冷によって凝固した合金は薄帯状に長
く延びたリボン(幅:1〜2mm、厚さ:10〜20μ
m)の形態を持つことになる。
【0037】本実施例で採用する片ロール法の場合、冷
却速度はロール周速度および単位時間当たりの溶湯流下
量によって規定される。なお、流下量はオリフィス径
(断面積)と溶湯圧力とに依存し、実施例ではオリフィ
スは径0.8mm、溶湯噴射圧は26.7Paとし、流
下レートは約0.6kg/minであった。本実施例で
はロール周速度Vsを40m/秒に設定した。本発明の
半硬質磁性材料を製造するには、合金溶湯を急冷する際
の冷却速度が重要なパラメータとなる。アモルファス相
を含む急冷凝固合金とするためには、冷却速度は104
℃/sec以上であることが好ましく、この範囲の冷却
速度を達成するには、ロール周速度を20m/sec以
上に設定することが好ましい。
【0038】こうして得た急冷合金の薄帯に対し、Cu
Kαの特性X線による分析を行った。その結果、合金薄
帯がアモルファス状態、または、わずかにα−Feを含
むアモルファス状態にあることが確認された。本実施例
では、構成相が全体の90体積%以上のアモルファス相
を含んでいた。
【0039】この急冷薄帯に対し、表1に示す温度での
熱処理をアルゴン雰囲気中にて10分間行い、結晶化を
実行した。この熱処理後、室温まで冷却した薄帯から幅
1〜2mm、厚さ10〜20μm、長さ3〜5mmの試
料を作製し、各試料に対する磁気特性の測定をVSMに
よって行った。表2は、測定結果を示している。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 表1において、例えば「R」と表示している欄の「La
3」は希土類元素としてLaを3原子%添加したことを
示しており、「La3+Ce1」は希土類元素としてLa
を3原子%、Ceを1原子%添加したことを示してい
る。
【0042】表2からわかるように、実施例No.1〜
No.11はいずれも1.4T以上の飽和磁束密度Bs
と0.7以上の角形比Br/Bsを示し、固有保磁力Hcj
も1kA/m≦Hcj<50kA/mの範囲内にあった。
【0043】図1(a)および(b)は、実施例No.
1、No.7、およびNo.9について、それぞれ、熱
処理温度と磁気特性(BsおよびHcj)との関係を示し
ている。図1(b)から、CuやNbの添加によって固
有保磁力Hcjの増加が抑制されることがわかる。これ
は、CuやNbが熱処理による結晶成長を抑制し、結晶
粒径を小さくするためである。
【0044】図2(a)および(b)は、それぞれ、実
施例No.1およびNo.9について、X線回折パター
ンの熱処理温度依存性を示している。グラフ中の黒丸は
α−Fe結晶の回折ピークを示している。図2(a)お
よび(b)から、熱処理前(as-spun)にはほとんどア
モルファス状態にあった合金中に熱処理によってα−F
e結晶相が成長してゆくことがわかる。また、熱処理後
の結晶相の結晶粒径を透過型電子顕微鏡(TEM)によ
って分析したところ、平均結晶粒径は何れの試料につい
ても30nm以下であった。
【0045】上記実施例では、急冷凝固合金としてアモ
ルファス相が90体積%を占める半硬質磁性材料合金を
作製した後、熱処理によって結晶化を実行したが、本発
明の半硬質磁性材料は、冷却速度の調節によって、溶湯
合金を急冷凝固させただけでも作製することが可能であ
る。その場合、急冷凝固合金中に既にα−Fe微結晶が
存在しており、その後の熱処理は必ずしも必要ない。
【0046】ただし、いったんアモルファス相の多い状
態の急冷凝固合金を作製した後、熱処理を行うことによ
って所望の結晶組織を形成する方法の方が安定した特性
の半硬質磁性材料を製造できるため好ましいと考えられ
る。[ヒステリシスカップリング装置]以下、図3〜図
5を参照しながら、本発明によるヒステリシスカップリ
ング装置の実施形態を説明する。
【0047】本実施形態にかかるヒステリシスカップリ
ング装置10は、図3(a)および(b)に示すよう
に、中空円筒状ケース12と中空円筒状のシャフト14
とを備えており、ケース12の内周面およびシャフト1
4の外周面には、それぞれ、中空円筒状の半硬質磁性部
材16および中空円筒状の永久磁石18が固着されてい
る。この半硬質磁性部材16は、本発明による半硬質磁
性材料から形成される。
【0048】シャフト14は、その半硬質磁性部材16
が永久磁石18とギャップGを介して対向するようにケ
ース12内に挿入され、軸受けフランジ20によって支
持されている。軸受けフランジ20は溶接などによって
ケース12に一端に装着される。ケース12の他端には
凸部22aおよび22bが形成されており、凸部22a
および22bは図3(a)において不図示の装置に連結
される。
【0049】半硬質磁性部材16と永久磁石18との間
には上述のようにギャップGが存在するが、ケース12
とシャフト14とは共通の軸を中心に回転自在に配置さ
れているため、半硬質磁性部材16と永久磁石18との
間に働く磁力を介してケース12とシャフト14との間
でトルク伝達を行うことができる。
【0050】図4は、上記ヒステリシスカップリング装
置10をトルクリミッタとして備えた複写機等の給紙機
構100を示している。この給紙機構100を例にとっ
て、ヒステリシスカップリング装置10の動作を説明す
る。
【0051】図4の給紙機構100において、ヒステリ
シスカップリング装置10は凸部22aおよび22bを
介して摩擦ローラ28に接続され、摩擦ローラ28は給
紙ローラ30に対して所定圧力で押しつけられる。ヒス
テリシスカップリング装置10のシャフト14にはプー
リ32およびモータ34が連結されるとともに、給紙ロ
ーラ30にはプーリ36が連結されている。この例で
は、プーリ32および36にベルトが装着されている
が、ベルト38の代わりにギアなどの動力伝達手段を用
いても良い。
【0052】モータ34の生成したトルクはヒステリシ
スカップリング装置10を介して摩擦ローラ28に伝え
られ、用紙を戻す方向Eに一定のトルクが常に与えられ
る。給紙ローラ30と摩擦ローラ28との間に2枚の用
紙40aおよび40bが案内された場合(重送時)、摩
擦ローラ28は矢印D1で示す方向に回転し、それによ
って2枚目の用紙40bを1枚目の用紙40aとは分離
して矢印Eの方向に戻そうとする。このとき、ヒステリ
シスカップリング装置10のケース12およびシャフト
14は、図5(a)の矢印で示すように同方向に回転す
る。
【0053】一方、給紙ローラ30と摩擦ローラ28と
が一枚の用紙40を挟んで接しているとき(通常の給紙
時)は、摩擦ローラ28が給紙ローラ30と一緒に用紙
を送り出す方向に回転する。このとき、ケース12は、
図5(b)に示すように、シャフト14とは反対方向に
回転する。
【0054】このようにして用紙を一枚ずつ確実に送り
出すには、ヒステリシスカップリング装置10が摩擦ロ
ーラ28に伝達するトルクを用紙間の摩擦力よりも大き
くし、かつ、給紙ローラ30の回転トルクよりも小さく
する必要がある。もし、ヒステリシスカップリング装置
10によって摩擦ローラ28に伝達されるトルクが用紙
間の摩擦力よりも小さいと、重送時に用紙40bを矢印
E方向に押し戻すことができない。逆に、ヒステリシス
カップリング装置10によって摩擦ローラ28に伝達さ
れるトルクが給紙ローラ30の回転トルクよりも大きい
と、通常給紙時に用紙を矢印Eの方向に押し戻してしま
うことになる。
【0055】このような性能を有するヒステリシスカッ
プリング装置10を製造するには、安定したヒステリシ
ス特性を発揮する半硬質磁性材料が必要であり、また、
その飽和磁束密度を大きくすることによって、小型化し
ても所望の大きさのトルクを伝達することができるよう
になる。本実施形態によれば、飽和磁束密度の高い半硬
質磁性材料を用いてため、ヒステリシスカップリング装
置10を小型化・軽量化し、その結果、給紙機構そのも
のを小型化することが可能になる。
【0056】次に、図6を参照しながら、本発明による
ヒステリシスカップリング装置の他の実施形態を説明す
る。
【0057】このヒステリシスカップリング装置は、回
転自在に支持された円盤状の永久磁石60と、同じよう
に回転自在に支持された円盤状の半硬質磁性部材62と
を備えている。半硬質磁性部材62の回転軸は永久磁石
60の回転軸と一致し、半硬質磁性部材62と永久磁石
60とは僅かのギャップを介して相対向している。
【0058】永久磁石60と半硬質磁性部材62との間
で磁力を介したトルク伝達が行われる点は、前述の実施
形態と同様であるが、半硬質磁性部材62が永久磁石6
0に対して回転軸に平行な方向に距離を置いて配置され
ている点で前述の実施形態と異なっている。このように
トルクを伝達するために求められる永久磁石と半硬質磁
性部材との配置関係は自由度が高く、図示したものに限
定されない。
【0059】図6に示す構成の場合でも、用いる半硬質
磁性部材の飽和磁束密度が従来よりも向上しているた
め、大きなトルク伝達が可能になる。このため、必要な
トルク伝達特性を維持しながら永久磁石および半硬質磁
性部材を小さくすることができ、ヒステリシスカップリ
ング装置を小型化・軽量化することが可能になる。
【0060】なお、本発明の半硬質磁性材料の用途は、
ヒステリシスカップリング装置に限られるものではな
く、各種リレー、スイッチ、半固定メモリ、ヒステリシ
スモータ等他の種々の装置に適用可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、従来の半硬質磁性材料
によっては得られなかった高い残留磁束密度Brを示す
ヒステリシス特性が得られるため、ヒステリシスモータ
やヒステリシスカップリング装置等の小型化・軽量化が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施例について、熱処理温
度と飽和磁束密度(Bs)との関係を示すグラフであ
り、(b)は、熱処理温度と保磁力(Hcj)との関係を
示しを示すグラフである。
【図2】(a)および(b)は、いずれも、本発明の実
施例について、X線回折パターンの熱処理温度依存性を
示すグラフである。
【図3】(a)は、本発明によるヒステリシスカップリ
ング装置の実施形態(トルクリミッタ)を示す軸方向断
面図であり、(b)は、その軸方向に垂直な断面図であ
る。
【図4】本発明の実施形態にかかるヒステリシスカップ
リング装置を備えた給紙機構の斜視図である。
【図5】(a)は、図4に示すヒステリシスカップリン
グ装置の重送時の動作状態を示す主要部断面図であり、
(b)は通常給紙時の動作状態を示す主要部断面図であ
る。
【図6】本発明によるヒステリシスカップリング装置の
他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
12 中空円筒状ケース 14 シャフト 16 半硬質磁性部材 18 永久磁石 20 軸受けフランジ 32 プーリ 34 モータ 36 プーリ 100 複写機の給紙機構

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe100-x-yxy(Feは鉄、Bはボ
    ロン、RはY、La、Ce、Pr、Nd、およびSmか
    らなる群から選択された少なくとも1種の希土類元素)
    の組成式で表される半硬質磁性材料であって、 前記組成式中のxおよびyが、 7原子%≦x<15原子%、および0.5原子%≦y≦
    4原子%の関係を満足し、かつ構成相として、平均結晶
    粒径が100nm以下であるα−Fe微結晶を含んでい
    ることを特徴とする半硬質磁性材料。
  2. 【請求項2】 Fe100-x-yxyz(Feは鉄、Bは
    ボロン、RはY、La、Ce、Pr、Nd、およびSm
    からなる群から選択された少なくとも1種の希土類元
    素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、C
    u、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、T
    a、W、Pt、Au、およびPbからなる群から選択さ
    れた少なくとも1種の元素)の組成式で表される半硬質
    磁性材料であって、 前記組成式中のx、y、およびzが、 7原子%≦x<15原子%、 0.5原子%≦y≦4原子%、および0.1原子%≦z
    ≦7原子%の関係を満足し、かつ構成相として、平均結
    晶粒径が100nm以下であるα−Fe微結晶を含んで
    いることを特徴とする半硬質磁性材料。
  3. 【請求項3】 (Fe1-mCom100-x-yxyz(F
    eは鉄、Coはコバルト、Bはボロン、RはY、La、
    Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群から選択され
    た少なくとも1種の希土類元素、MはAl、Si、T
    i、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、
    Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Au、およ
    びPbからなる群から選択された少なくとも1種の元
    素)の組成式で表される半硬質磁性材料であって、 前記組成式中のx、y、z、およびmが、 7原子%≦x<15原子%、 0.5原子%≦y≦4原子%、 0.1原子%≦z≦7原子%、および0.001≦m≦
    0.5の関係を満足し、かつ構成相として、平均結晶粒
    径が100nm以下であるα−Fe微結晶を含んでいる
    ことを特徴とする半硬質磁性材料。
  4. 【請求項4】 前記構成相中にはα−Fe微結晶以外の
    鉄系強磁性相が存在し、その平均結晶粒径が100nm
    以下であることを特徴とする請求項1から3の何れかひ
    とつに記載の半硬質磁性材料。
  5. 【請求項5】 飽和磁束密度Bsが1.4T以上、固有
    保磁力Hcjが1kA/m≦Hcj<50kA/mの範囲
    内、飽和磁束密度Bsに対する残留磁束密度Brの比であ
    る角形比(Br/Bs)が0.7以上である請求項1から
    4の何れかひとつに記載の半硬質磁性材料。
  6. 【請求項6】 Fe100-x-yxyの組成式、Fe
    100-x-yxyzの組成式、または(Fe1-mCom
    100-x-yxyzの組成式の何れかによって表され(F
    eは鉄、Coはコバルト、Bはボロン、RはY、La、
    Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群から選択され
    た少なくとも1種の希土類元素、MはAl、Si、T
    i、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、
    Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Au、およ
    びPbからなる群から選択された少なくとも1種の元
    素)、前記組成式中のx、y、z、およびmが、7原子
    %≦x<15原子%、0.5原子%≦y≦4原子%、
    0.1原子%≦z≦7原子%、および0.001≦m≦
    0.5の関係を満足する合金溶湯を形成する工程と、前
    記合金溶湯をメルトクエンチング法によって急冷し、ア
    モルファス相を含む急冷凝固合金を形成する急冷工程と
    を包含する半硬質磁性材料用合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 Fe100-x-yxyの組成式、Fe
    100-x-yxyzの組成式、または(Fe1-mCom
    100-x-yxyzの組成式の何れかによって表され(F
    eは鉄、Coはコバルト、Bはボロン、RはY、La、
    Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群から選択され
    た少なくとも1種の希土類元素、MはAl、Si、T
    i、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、
    Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Au、およ
    びPbからなる群から選択された少なくとも1種の元
    素)、前記組成式中のx、y、z、およびmが、7原子
    %≦x<15原子%、0.5原子%≦y≦4原子%、
    0.1原子%≦z≦7原子%、および0.001≦m≦
    0.5の関係を満足する合金溶湯を形成する工程と、 前記合金溶湯をメルトクエンチング法によって急冷し、
    アモルファス相を含む急冷凝固合金を形成する急冷工程
    と、 前記急冷凝固合金を加熱することによって、平均結晶粒
    径が100nm以下である微結晶を構成相中に生成する
    熱処理工程とを包含する半硬質磁性材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記微結晶が主にα−Fe微結晶から構
    成されることを特徴とする請求項7に記載の半硬質磁性
    材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記熱処理工程において、加熱温度を4
    00℃以上700℃以下に設定し、加熱時間を30秒以
    上にすることを特徴とする請求項7または8に記載の半
    硬質磁性材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記メルトクエンチング法として、回
    転ロール法、ガスアトマイズ法、回転ロール法とガスア
    トマイズ法を組み合わせた液体急冷法の何れかを用いる
    ことを特徴とする請求項7から9の何れかひとつに記載
    の半硬質磁性材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載の製造方法によって製
    造された半硬質磁性材料用合金を加熱し、それによって
    半硬質磁性材料を製造することを特徴とする半硬質磁性
    材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項7から11の何れかひとつに記
    載された製造方法によって製造した半硬質磁性材料から
    形成され、回転可能に支持された第1の部材と、 永久磁石材料から形成され、前記第1の部材に対して間
    隙をおいて回転可能に支持された第2の部材とを備え、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間で磁力を介して
    トルク伝達を行い得るヒステリシスカップリング装置。
  13. 【請求項13】Fe100-x-yxy、Fe100-x-yxy
    z、または(Fe1-mCom100-x-yxyzの組成
    式(Feは鉄、Coはコバルト、Bはボロン、RはY、
    La、Ce、Pr、Nd、およびSmからなる群から選
    択された少なくとも1種の希土類元素、MはAl、S
    i、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、
    Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、A
    u、およびPbからなる群から選択された少なくとも1
    種の元素である)で表現され、 前記組成式中のx、y、z、およびmが、 7原子%≦x<15原子%、 0.5原子%≦y≦4原子%、 0.1原子%≦z≦7原子%、および0.001≦m≦
    0.5の関係を満足することを特徴とする半硬質磁性材
    料用合金。
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