JP2000248286A - コークス炉ガスの精製プロセス - Google Patents

コークス炉ガスの精製プロセス

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JP2000248286A
JP2000248286A JP11054741A JP5474199A JP2000248286A JP 2000248286 A JP2000248286 A JP 2000248286A JP 11054741 A JP11054741 A JP 11054741A JP 5474199 A JP5474199 A JP 5474199A JP 2000248286 A JP2000248286 A JP 2000248286A
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coke oven
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cos
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Hideyuki Matsumoto
英之 松本
Takashi Sasaki
孝 佐々木
Setsuo Shibata
節夫 柴田
Shinya Ishigaki
慎也 石垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークス炉ガスに含まれる不純物のうち、H
2 S、COS、C2 〜C 4 の不飽和炭化水素、およびO
2 の除去を複数のステップで行い、下流側のステップで
悪影響を与える不純物は上流側のステップで除去するよ
うにして不純物の除去を効率的にかつ簡易に行い得るコ
ークス炉ガスの精製方法を提供すること。 【解決手段】 第1ステップでO2 とC2 〜C4 の不飽
和炭化水素とを水素化してH2 Oと対応する飽和炭化水
素に転化し、第2ステップでHCNとCOSを水蒸気お
よびH2 の存在下に分解し、第3ステップでNH3 を水
に吸収させた後、ストリッピングし空気を混合してN2
とH2 Oに酸化分解し、第4ステップで好気性バクテリ
ヤによってH2 Sからバイオロジカル硫黄を回収する
か、またはアルカノールアミンで捕捉し放出されるH2
SをS源として硫酸、石膏、単体硫黄を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコークス炉ガスの精
製プロセスに関するものであり、更に詳しくは、コーク
ス炉ガスに含まれる不純物としてのH2 S(硫化水
素)、COS(硫化カルボニル)、NH3 (アンモニ
ア)、HCN(シアン化水素)、炭素数2から4までの
不飽和炭化水素、およびO2 (酸素)を簡易に除去し得
るコークス炉ガスの精製プロセスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭を乾留してコークスを製造する際に
副生するコークス炉ガス(以降、COGと称する)は都
市ガス等の燃料として、また化学工業用の原料として使
用されている。COGの組成は原料石炭の種類や製造条
件の違いもあってコークス製造工場ごとに若干異なる
が、可燃性ガスとしてH2 (水素)、CH4 (メタン)
を主体に少量のCO(一酸化炭素)、アセチレン(C2
2 )、それ以外のC2 〜C4 の不飽和炭化水素と飽和
炭化水素、不燃性ガスとしてCO2 (二酸化炭素)、N
2 (窒素)、02 ( 酸素)を含み、更に、石炭粉塵等の
ダスト、コールタール、水分のほか、ベンゼン等の芳香
族炭化水素(いわゆるBTX類)、常温で気体のH2
S、COS、NH3 、HCNを不純物として含んでい
る。従って通常的には、500〜600゜Cの温度のC
OGをクーラーで冷却してコールタールと水分を凝縮分
離し、バッグフィルターまたは電気集塵器によってダス
トを補集し、続いて軽油等で洗浄してBTXを分離した
後、H2 S、NH3 、HCNやその他の不純物を除去す
ることが行われている。
【0003】すなわち、化学工業用の原料として、これ
らの不純物は工程に悪影響を与えることが多いので除去
されるべきものであり、また燃料としても、H2 SやC
OSをそのまま燃焼させるとSOX (硫黄酸化物)とな
り、HCNはNOX (窒素酸化物)となって大気を汚染
し、NH3 はそのままでは悪臭を発し大気へ放出できな
いからである。そのほか、NH3 は同じく不純物として
含まれるC02 と反応して(NH42 CO3 (炭酸ア
ンモニウム)等の固形物を生じ、配管を閉塞させる怖れ
もある。
【0004】COGからH2 S、NH3 、HCNを除去
する精製方法として種々の方法が開示されている。例え
ば、特公昭51−3481号公報および特公昭51−9
761号公報は基本的には同様な内容を有するが、特公
昭51−9761号公報に開示されている方法は、HC
N吸収塔で硫黄および/または多硫化物を含むHCN吸
収液をCOGと向流気液接触させて主としてHCNを吸
収させ、塔底から抜き出されるチオシアン化物を含む吸
収液は湿式反応塔へ導き、O2 を含むガスで酸化して硫
酸根を含む水溶液とされる。HCN吸収塔の塔頂から取
り出される主としてH2 S、NH3 を含むCOGはH2
S吸収塔へ導き、キノン誘導体等の酸化還元触媒を含む
アルカリ性のH2 S吸収液と向流気液接触させてH2
を吸収させる。H2 S吸収塔の塔底から抜き出されるH
2 S吸収液は酸化塔へ導かれ、吸収されたH2 SはO2
を含むガスによって酸化されて殆どは硫黄となり、一部
はチオ硫酸化物、亜硫酸化物、チオシアン化物まで酸化
される。H2 S吸収液はH 2 S吸収塔と酸化塔との間を
循環されるが、H2 S吸収塔の塔底から抜き出されるH
2 S吸収液の一部は濾過器を通すことによってSが単離
される。H2 S吸収液からの抜取液およびSの一部も湿
式反応塔へ導かれO2 を含むガスで酸化されて硫酸根へ
転化される。H2 S吸収塔の塔頂から取り出されるNH
3 を含むCOGはNH3 吸収設備に導かれ、供給されて
くる硫酸根を含む溶液と接触され肥料の硫安(硫酸アン
モニウム、(NH42 SO4 )とされている。
【0005】また、特公昭52−10443号公報およ
び特公昭52−10445号公報は基本的には共通の内
容を有するが、特公昭52−10445号公報には、多
段吸収塔においてCOGと吸収液である稀NH3 水とを
向流気液接触させ、稀NH3水にH2 S、HCN、NH3
等を吸収させて、塔頂から実質的にH2 S、HCN、
NH3 を含まないCOGを取り出す工程と、多段吸収塔
の塔底から抜き出されるH2 S、HCN、NH3 等を含
んだ吸収液を放散塔の頂部と中段部に導入し(頂部へは
40。C以下、導入重量比は中段部への導入重量1に対
して0.05〜0.1)加熱して、放散塔の塔頂からH
CNおよびNH3 を実質的に含まないH 2 Sを取り出
し、塔底からはHCNを含むNH3 水を抜き出して分解
反応器へ導入し、HCNを加水分解させるか、水素の存
在下に還元分解させるか、または酸素の存在下に酸化し
て無害化する工程とからなる方法が開示されている。
【0006】そのほか、特開平10−60449号公報
には、第1気液接触塔でCOGを吸収液と向流気液接触
させてH2 S、HCN、NH3 等を吸収させると共に、
塔底の吸収液は酸化槽へ抜き出し、含まれている硫化水
素アンモニウム(NH4 HS)とシアン化アンモニウム
(NH4 CN)を空気によって酸化させてチオ硫酸アン
モニウム((NH4223 )、硫酸アンモニウム
((NH42 SO4)、ロダンアンモニウム(NH4
SCN)とし、吸収能力の回復した吸収液は第1気液接
触塔へ戻して循環使用すると共に、第1気液接触塔から
取り出されるH 2 S、HCNの除去され、NH3 の約半
量が残るCOGは第2気液接触塔へ導入して吸収液であ
る水と向流接触させてNH3 を吸収させ、第2気液接触
塔の塔頂からは不純物を除いたCOGが取り出され、塔
底から取り出される吸収液は水蒸気蒸留塔へ導いてNH
3 等を分離し、水蒸気蒸留塔の塔底の吸収液は第2気液
接触塔へ戻して循環使用する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公昭51−9
761号公報による方法は、最終的に得られるものがS
と(NH42 SO4 とに限定されるほか、Sはチオ硫
酸化物、亜硫酸化物、チオシアン化物を含む吸収液から
濾過器によって得ているので、高純度Sとするには更に
作業が必要である。更に、この方法はCOGに含まれる
不純物の量が相互に関連して成り立っているので、CO
Gの組成変動に対して順応性に劣る。また、特公昭52
−10445号公報による方法は、当該明細書にも記載
されているように、放散塔の頂部へ導入される吸収液の
温度や液量が所定の範囲を逸脱すると、放散塔の塔頂か
ら取り出されるH2 SにHCNやNH3 が混入するよう
になり、これをクラウス反応による硫黄の回収に使用す
ると、副生する(NH42SO4 等が触媒床を閉塞さ
せる等のトラブルを招く。また更には、特開平10−6
0449号公報による方法は、吸収したH2 S、NH
3 、HCNから生成するNH4 HSとNH4 CNを空気
で酸化して(NH4223 、(NH42SO
4 、NH4 SCNの混合物として固定し、その一部を定
期的に系外へ排出して燃焼させており、H2 SをS源と
して有価物を回収するようなプロセスではない。また、
空気酸化の工程はNH4 HS、NH4 CN、生成するN
4 OHの相対的な量バランスの上に成立しており、バ
ランスが崩れると空気酸化は必ずしも設定通りに進行し
ない。なお、COSはそのままでは除去が困難な不純物
であるが、上述した全ての先行技術には、COSの除去
に関する記述はない。
【0008】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、簡易
な反応からなる複数のステップによって、COGに含ま
れるH2 S、COS、NH3 、HCN、炭素数2から4
までの不飽和炭化水素、O2 の不純物を確実に除去する
ことができ、かつ下流側のステップで悪影響を与える不
純物は上流側のステップであらかじめ除去するようにス
テップを組み合わせて、各ステップの反応が円滑に進行
し、不純物の除去を効率的に行い得ると共に、好ましく
は不純物から有価物を回収してコストを低減し得るCO
Gの精製プロセスを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、請求項1
の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれ
ば、請求項1のCOGの精製プロセスは、少なくとも、
タール、ダスト等が除去され、なお不純物として存在す
るH2 S、COS、NH3 、炭素数2から4までの不飽
和炭化水素、O2 について、第1ステップで、O2 と炭
素数2から4までの不飽和炭化水素とを水素化してH2
Oと炭素数2から4までの飽和炭化水素とに転化し、第
2ステップで、水蒸気およびコークス炉ガスに含まれる
2 の存在下にHCNを加水分解および/または水素化
によってNH3 とCOおよび/またはNH3 とCH4
転化すると共に、COSを加水分解によってH2 SとC
2 とに転化し、第3ステップでは、NH3 の除去およ
びH2 Sの除去のうち、続く第4ステップでNH3 の存
在が支障になる場合には、NH3 の除去を選択し、同じ
く第4ステップでH2 Sの存在が支障になる場合には、
2 Sの除去を選択し、第4ステップでは、第3ステッ
プにおいてNH3 の除去を選択した場合にはH2 Sの除
去を行い、第3ステップにおいてH2 Sの除去を選択し
た場合にはNH3 の除去を行うプロセスである。第1ス
テップでO2 をH2 Oに転化させるのは、第2ステップ
においてO2 が存在することによりH2 Sを発生源とす
るSが触媒上に析出して反応を阻害することを防ぎ、炭
素数2から4までの不飽和炭化水素の不飽和結合を水素
で飽和させるのは不飽和炭化水素の樹脂状重合物が触媒
上に析出して反応を阻害すること防ぐためである。また
第2ステップは、水蒸気およびH2 の存在下にHCNお
よびCOSを分解して除去の容易な化合物に転化させる
ことを可能にする。また第3ステップはNH3 を除去す
るか、またはH2Sを除去する。すなわち、第4ステッ
プでNH3 の存在がH2 Sの除去に支障となる場合に
は、第3ステップでNH3 を除去した後、第4ステップ
でH2 Sを除去し、第4ステップでH2 Sの存在がNH
3 の除去に支障となる場合には、第3ステップでH2
を除去した後、第4ステップでNH3 を除去する。この
ようなCOGの精製プロセスは、下流側のステップで悪
影響を与える不純物を上流側であらかじめ除去するよう
な順に各ステップが組み合わされており、かつ各ステッ
プにおいて不純物を簡易な反応で確実に除去し、COG
の精製を効果的かつ経済的に進行させる。
【0010】請求項1に従属する請求項2のCOGの精
製プロセスは、第1ステップの水素化の触媒としてPd
を含む触媒および/またはNi、Co、Moのうちの少
なくとも何れか一種を含む触媒を使用するプロセスであ
る。このようなCOGの精製プロセスは、O2 をH2
に転化させる反応、炭素数2から4までの不飽和炭化水
素の不飽和結合をH2 で飽和させる反応を効果的に進行
させる。請求項1に従属する請求項3のCOGの精製プ
ロセスは、第2ステップのHCNおよびCOSを分解さ
せる触媒として、Al23 とVI族金属とBaとを含
む触媒、およびアルカリ金属とCr23 とAl23
とを含む触媒のうちの少なくとも何れか一種を使用する
プロセスである。このようなCOGの精製プロセスは、
簡易な反応によってHCNおよびCOSを確実に分解し
得る。請求項1に従属する請求項4のCOGの精製プロ
セスは、第3ステップまたは第4ステップにおけるNH
3の除去が湿式吸収法から構成されており、更に除去し
たNH3 をO2 含有ガスと混合して触媒に接触させN2
とH2 Oとに酸化分解させるプロセスである。このよう
なCOGの精製プロセスは、処理ガスを悪臭の怖れなく
大気中へ排出し得ると共に、NH3 の酸化分解時の発熱
を有効利用し得る。請求項1に従属する請求項5のCO
Gの精製プロセスは、第3ステップまたは第4ステップ
におけるH2Sの除去が、第3ステップと第4ステップ
の何れにも適用可能で、アルカノールアミンによって捕
捉され放出されるH2 SをS源として硫酸、石膏、また
は単体硫黄を回収するか、または第3ステップでNH3
を除去した後の第4ステップにのみ適用可能で、好気性
バクテリヤによってH2 Sからバイオロジカル硫黄を回
収するプロセスである。このようなCOGの精製プロセ
スは、精製されたCOGのコストを一層低減させる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のCOGの精製プロセス
は、上述したように、少なくとも、タール、ダスト等が
除去され、なお不純物として存在するH2 S、COS、
NH3 、炭素数2から4までの不飽和炭化水素、O2
ついて、第1ステップでO2 と炭素数2から4までの不
飽和炭化水素とを水素化してH2 Oと炭素数2から4ま
での飽和炭化水素に転化し、第2ステップで水蒸気およ
びコークス炉ガスに含まれるH2の存在下にHCNを加
水分解および/または水素化によってNH3 とCOおよ
び/またはNH3 とCH4 に転化すると共に、COSを
加水分解によってH2 SとCO2 とに転化し、第3ステ
ップでは、NH3 の除去およびH2 Sの除去のうち、続
く第4ステップでNH3 の存在が支障となる場合にはN
3 の除去を選択し、同じく第4ステップでH2 Sの存
在が支障となる場合にはH2 Sの除去を選択し、第4ス
テップでは、第3ステップにおいてNH3 の除去を選択
した場合にはH2 Sを除去し、第3ステップにおいてH
2 Sの除去を選択した場合にはNH3を除去するプロセ
スである。
【0012】本発明のCOGの精製プロセスの要点は、
各ステップが上記の順に行われことにあり、各ステップ
における不純物の除去プロセスは上述の条件を満たす限
りにおいて特に限定されず、一般的に採用されているプ
ロセスをそのまま採用し得る。例えば、第1ステップに
おけるO2 と炭素数2から4までの不飽和炭化水素との
水素化反応には触媒が使用されるが、特開昭59−23
009号公報および特公平2−29711号公報に記載
のCOGを2工程で精製する方法に採用されている白金
族金属を含む触媒および/またはニッケル(Ni)、コ
バルト(Co)、モリブデン(Mo)のうちの少なくと
も何れか一種を含む触媒を使用してもよい。なかでも、
本願出願人の出願による特公昭58−12318号公報
に開示されている方法、すなわち、常圧〜50kg/c
2 G、温度100〜500℃の条件下にNiを含む触
媒、Coを含む触媒、Niを含む触媒等の水添脱硫触媒
と接触させて水添する方法、更には、特公平3−499
60号公報に開示されている方法、すなわち、Pdを含
む触媒によって不飽和炭化水素およびO2 を水添する方
法が効果的に採用され得る。勿論、Pdを含む触媒と上
述の水添脱硫触媒とを前後の二段に配して併用してもよ
い。
【0013】また、第2ステップにおけるHCNおよび
COSの分解方法も限定されないが、例えば、本願出願
人の出願による特願平10−205822号に示した方
法、すなわち、HCNおよび/またはCOSを含有する
混合ガスを、混合ガスと水蒸気との比が0.05≦水/
混合ガス≦0.3の範囲内にある水蒸気の存在下に、粒
径が1mm以上で4.5mm以下のアルカリ金属とCr
23 とAl23 とを含む触媒に、150°C以上で
250°C以下の温度において、2000h-1以上の空
塔速度で接触させることによって、また、特願平10−
236387号に示した方法、すなわち、HCNおよび
/またはCOSを含有する混合ガスを、水蒸気の存在下
にAl23 とVI族金属とBaとを含む触媒に接触さ
せることによって、HCNおよび/またはCOSを加水
分解させてもよく、この場合には加水分解以外にHCN
の水素化による分解も生じ極めて効果的な分解が可能と
なる。なお、COSをそのままの形で除去して脱硫する
ことは通常やや困難であるが、このステップでCOSが
2 Sに転化され脱硫が容易化されることは本発明のプ
ロセスの大きい利点である。
【0014】更には、第3ステップまたは第4ステップ
でのNH3 の除去には通常的に行われている方法を採用
することができる。例えば、古くから行われているよう
に、NH3 を硫酸に吸収させ濃縮して肥料の硫安として
回収するか、または水に吸収させ蒸留して液体アンモニ
アを回収するようにしてもよい。また、特開昭54−1
63902号公報に記載されているように、NH3 含有
溶液から分離したNH 3 含有ガスをPt(白金)、Fe
(鉄)、Mn(マンガン)、またはRu(ルテニウム)
を含有する触媒を充填した反応器の内部でO2 を含むガ
スと接触させてNH3 を酸化分解してもよく、更にま
た、代表的には特公昭59−29317号公報に開示さ
れているように、所定の触媒を充填した反応塔内でNH
3 含有水溶液を液体のままO2 を含むガスと接触させる
湿式酸化分解によってNH3 を分解してもよい。なかで
も本願出願人の出願による特願平9−241554号公
報に示した気相触媒酸化反応によるNH3 の分解方法は
NH3 含有蒸気を加圧し触媒を充填した気相反応器を通
過させることによって蒸気の凝縮熱の回収を行うので、
熱エネルギーの投入量が低減される点で好ましい。酸化
分解によって窒素酸化物(NOX )が副生する場合に
は、酸化分解反応器の後に引き続いて五酸化バナジウム
(V25 )と酸化チタン(TiO2 )を含む触媒を充
填した反応器を配することによって、NH3 を完全にN
2 と水に分解することができる。
【0015】また更には、第3ステップまたは第4ステ
ップにおいてNH3 の除去と順序を交換して行われるH
2 Sの除去には、例えば、酸化鉄充填層を通過させてH
2 Sと酸化鉄(Fe23 )とを反応させ硫化鉄として
除去してもよく、Fe23に代えて酸化亜鉛(Zn
O)、酸化銅(CuO)も使用し得る。また、上述した
特開平10−60449号公報におけるように、NH3
が溶解された吸収液にH 2 Sを吸収させ、これを酸化し
て(NH4223 、(NH42 SO4 、NH4
SCNの混合物として除去することも可能である。しか
し、H2 SをS源として有価物、例えば固体硫黄、硫酸
(H2 SO4 )、石膏(CaSO4 )等として回収する
ことが好ましく、それによってCOGのコストを低減さ
せることができる。
【0016】なお、H2 Sの除去の前にNH3 の除去を
行い、除去したNH3 を燃焼する方法を採用する場合、
少量の同伴されるH2 Sも同時に燃焼されるようなプロ
セスでは排出ガス中にSOx が含まれてくるので、この
ような場合には第3ステップでH2 Sの除去を採用する
ことが望ましい。また、後述するように、H2 Sから好
気性バクテリアによってバイオロジカル硫黄を回収する
場合には、NH3 が好気性バクテリアの活性を損なうの
で、この場合には第3ステップで選択的にNH 3 の除去
を行うことが必要である。
【0017】以下、本発明の実施の形態によるCOGの
精製プロセスについて、図面を参照して具体的に説明す
る。
【0018】図1は実施の形態のCOGの精製プロセス
のフローを示す図である。コールタール、ダスト等の重
質分が除去され、なおそれら以外の不純物を含むCOG
が配管31によって多段の芳香族吸収塔1の底部へ導入
され、配管35から頂部へ灌液として導入される軽油と
向流気液接触されて、COGに含まれるベンゼン等の芳
香族炭化水素(BTX類)が軽油に溶解されることによ
り、塔頂からはBTX類の除去されたCOGが配管33
へ取り出され、塔底からはBTX濃度の高い軽油が取り
出され、配管32によって多段の芳香族ストリッパー2
の中段部へ導入される。芳香族ストリッパー2はリボイ
ラー21によって加熱されているので、塔頂からは気化
し分離されたBTXが排出され配管34を経由して図示
しない凝縮器へ送られて液化され回収される。そして、
リボイラー21から抜き出されるBTX濃度の低い軽油
は配管35と図示しない冷却器を経て芳香族吸収塔1の
頂部へ戻される。なお、このBTX類を除去するプロセ
スはBTX類を回収して有効利用する場合に行われ、C
OGを燃料として使用し、COGにBTX類が含まれて
いても特に支障とならない場合には、このBTX類を除
去するプロセスは省略される。
【0019】芳香族吸収塔1の塔頂から取り出されるB
TX類の除去されたCOGは配管33とその途中の熱交
換器3を経て水素化塔4の頂部へ導入され、水素化塔4
内に設置され要すれば冷却手段42が付加される触媒床
41を通過することにより、本発明の第1ステップとし
て、不純物のO2 と炭素数2から4までの不飽和炭化水
素は同伴されるH2 によって水素化されて、H2 Oおよ
び対応する炭素数の飽和炭化水素に転化されるが、炭素
数2から4までの不飽和炭化水素のうち、特にアセチレ
ン(C22 )は弊害が大きいので厳密に除去しておか
ねばならない。C22 、および上述の不飽和炭化水素
の中で量的に多いエチレン(C24 )は水素化されて
共にエタン(C26 )に転化される。 O2 + 2H2 → 2H2 O C22 + 2H2 → C2624 + H2 → C26 水素化された生成物であるH2 Oおよびと炭素数2から
4までの飽和炭化水素はCOGに伴われて水素化塔より
取り出される。O2 を水素化してH2 Oにするのは、上
述したように、続くHCNおよびCOSの分解プロセス
でO2 が存在すると、伴われてくるH2 Sを発生源とし
てS(硫黄)が触媒上に析出し反応を阻害するので、こ
れを防ぐためである。また炭素数2から4までの不飽和
炭化水素のうち、特に不飽和のC22 を水素化して飽
和させるのはC22 の重合した樹脂状物が触媒上に析
出することを防ぐためである。
【0020】触媒床41にはPdをアルミナに担持させ
た触媒が充填され、水素化反応は100〜200゜Cの
温度、常圧〜80kg/cm2 Gの圧力、1000〜2
0000h-1の空塔速度で行われる。なお、炭素数2か
ら4までの不飽和炭化水素の不飽和結合にH2 Sが付加
したようなパラフィン系硫黄化合物(メルカプタン類)
ないしは芳香族硫黄化合物(チオフェン類)が不純物と
して存在するような場合には、触媒床41に例えばNi
またはMoを含む触媒のような水添脱硫触媒を充填する
か、触媒床41を上流側と下流側とに、すなわち上下の
2段に分割して、上流側にはPdを含む触媒、下流側に
は水添脱硫触媒を充填するようにしてもよい。水添脱硫
触媒の場合には100〜500゜C、好ましくは270
〜340゜Cの温度が採用される。O2 や不飽和炭化水
素の濃度が低い場合には、水素化塔4として断熱タイプ
のものを用いることができる。一方、これらの成分の濃
度が高く水素化塔4の触媒床41の温度上昇が大きい場
合、水素化塔4の材質に高価なものを要したり、水素化
塔4の肉厚を大にして強度を高めることが必要になって
経済的ではなくなるので、触媒床41に冷却手段42を
設けて温度上昇を抑制することが有効である。
【0021】O2 と炭素数2から4までの不飽和炭化水
素が水素化されたCOGは水素化塔4から配管36とそ
の途中の熱交換器5を経てHCN・COS分解塔6へ導
入され、同分解塔6内に設置された触媒床61を通過す
ることにより、本発明の第2ステップとして、不純物の
HCNとCOSとが以下に示すように分解される。すな
わち、HCNは水蒸気の存在下にNH3 と一酸化炭素
(CO)と加水分解されるほか、COG中に共存するH
2 によって水素化されてNH3 とメタン(CH4)に分
解される。また、COSは水蒸気の存在下にH2 SとC
2 (二酸化炭素)とに加水分解される。 HCN + H2 O → NH3 + CO HCN + 3H2 → NH3 + CH4 COS + H2 O → H2 S + CO2 ガス中に水蒸気が不足な場合は、必要に応じて水素化塔
4とHCN・CO分解塔6との間で更に水を加える。触
媒床61にはAl23 とVI族金属(例えばMoおよ
び/またはCr(クロム))とBaとを含む触媒が充填
され、分解反応は100〜250゜Cの温度、常圧〜8
0kg/cm2 Gの圧力、1000〜20000h-1
空塔速度で行われる。上記の触媒以外に、アルカリ金属
とCr23 とAl23 とを含む触媒も好適に使用さ
れる。
【0022】HCNおよびCOSの分解されたCOGは
HCN・COS分解塔6の塔頂から配管37とその途中
の熱交換器7を経て多段のアンモニア吸収塔8の底部へ
導入される。アンモニア吸収塔8の頂部には配管39と
その途中の熱交換器9を経た水が灌液として導入されて
おり、本発明の第3ステップの一つの形態として、CO
Gが水と向流気液接触され、COGに含まれている不純
物のNH3 は水に吸収され溶解して水酸化アンモニウム
(NH4 OH)となりアンモニア水が生成される。 NH3 + H2 O → NH4 OH そして、アンモニア吸収塔8の塔頂からは、NH3 が除
去されてH2 Sのみを不純物とするCOGが配管38を
経て排出される。アルカリ性のアンモニア水には酸性ガ
スのH2 Sが溶解するので塔底から取り出され、配管5
1を経て多段の硫化水素ストリッパー10の中段部へ導
入される。硫化水素ストリッパー10はリボイラー11
によって加熱されており、溶解しているH2 Sはストリ
ップされて塔頂から排出され、アンモニア吸収塔8への
配管39の水の中へ溶け込ませるようになっている。
【0023】また、リボイラー11から抜き出されるア
ンモニア水は配管52を経てアンモニアストリッパー1
2の頂部へ導入されると共に、酸化用の空気が底部へ導
入され、塔底液はリボイラー13で加熱されることによ
り、下式に示すようにNH3がストリップされる。 NH4 OH → H2 O + NH3 そして、ストリップされたNH3 は空気と共にアンモニ
ア酸化分解塔14へ導入され、塔内に設置されている触
媒床15を通過する間に、下式に示すように空気によっ
て酸化分解され、窒素(N2 )とH2 Oとに転化されて
配管53から大気中へ排出される。 NH3 + (3/4) O2 → (1/2) N2 + (3/2) H2 O なお、このNH3 の酸化分解は発熱反応であり、排出さ
れるN2 の熱は例えば上記のリボイラー13の加熱用と
して回収される。
【0024】アンモニア吸収塔8の塔頂からのH2 Sを
含むCOGは、本発明の第4ステップの一つの形態とし
て、周知の各種のプロセスによって脱硫されて精製CO
Gとされ、上述したように燃料ガスまたは化学工業用の
原料ガスとして使用される。脱硫プロセスによりH2
から回収される代表的な有価物として次の4種が例示さ
れる。 バイオロジカル硫黄、硫酸、石膏、単
体硫黄
【0025】バイオロジカル硫黄の回収 図2はH2 Sからバイオロジカル硫黄を回収するプロセ
スのフローを示す図である。アンモニア吸収塔8の塔頂
からのH2 Sを含むCOGは配管38を経てアルカリ性
水溶液による硫化水素吸収塔71の底部に導入される。
硫化水素吸収塔71とバイオリアクタ72との間には配
管54a、54bを介してアルカリ性水溶液が硫化水素
吸収塔71の灌液として循環されており、向流気液接触
されるH 2 SはHS- として吸収され、精製されたCO
Gは硫化水素吸収塔71の塔頂から配管55によって所
定の場所へ送られる。 H2 S + OH- → HS- + H2 O 次いで、アルカリ性水溶液中のHS- はバイオリアクタ
72内のバクテリア床73において、配管56によって
底部から空気が供給され培養されている好気性バクテリ
ヤによってバイオロジカル硫黄に転化される。 HS- + (1/2) O2 → S + OH- そして、バイオリアクタ72の排気が配管57を経て大
気中へ放出される。更には、バイオリアクタ72は配管
58a、58bを介して遠心分離装置74と連結されて
おり、バイオロジカル硫黄が遠心分離され単離される。
バイオロジカル硫黄は農業分野での土壌改良剤として使
用される。なお、好気性バクテリヤはNH3 によって活
性を失うので、このプロセスはあらかじめNH3 を除去
したCOGに適用される。
【0026】硫酸、石膏、単体硫黄の回収は何れ
もCOGに含まれるH2 Sをアルカノールアミン(例え
ばメチルジエタノールアミン)によって捕捉した後、加
熱して放出される純度の高いH2 SをS源とするもので
ある。すなわち、図3はアルカノールアミンによってH
2 Sを捕捉し放出させるプロセスのフローを示す図であ
る。アンモニア吸収塔8の塔頂からのH2 Sを含むCO
Gは配管38を経て硫化水素吸収塔81の底部へ導入さ
れ、配管94によって頂部から導入される灌液としての
アルカノールアミンの水溶液と向流気液接触されてH2
Sが吸収、捕捉され、精製されたCOGは硫化水素吸収
塔81の塔頂から配管91によって所定の場所へ送られ
る。 H2 S + 2RN → [(RNH)+ (RNHS)- ] (ここにおいてRNはアルカノールアミンを示す) 硫化水素吸収塔81の塔底から抜き出されるH2 Sを捕
捉した高濃度のアルカノールアミンの水溶液は配管92
を経てアルカノールアミン再生塔82の頂部へ導入され
る。アルカノールアミン再生塔82はリボイラー83に
よって加熱されており、加熱されたアルカノールアミン
はH2 Sを放出するので、分離されたH2 Sは塔頂から
配管93を経て排出され、塔底からはH2 Sを放出した
低濃度のアルカノールアミンが配管94を経由し灌液と
して硫化水素吸収塔81の頂部へ戻される。 [(RNH)+ (RNHS)- ] → H2 S + 2RN
【0027】硫酸の回収 アルカノールアミン再生塔82の塔頂から排出されるH
2 Sは常法に従って、空気で酸化してSO2 とし、更に
触媒に接触させてSO3 まで酸化した後、水に吸収させ
てH2 SO4 が製造される。 石膏の回収 同じくアルカノールアミン再生塔82の塔頂から排出さ
れるH2 Sは常法に従って、空気で酸化してSO2
し、これを水に溶解させて亜硫酸(H2 SO3 )とし、
更にH2 SO3 を消石灰(Ca(OH)2 )と反応させ
て亜硫酸カルシウム(CaSO3 )を得た後、これを酸
化することにより石膏 (CaSO4 )が製造される。 単体硫黄の回収 同じくアルカノールアミン再生塔82の塔頂から排出さ
れるH2 Sは常法に従って、O2 と反応させることによ
り、単体硫黄が溶融状態で得られ、これを更に冷却すれ
ば固形硫黄が得られる。これらによるH2 Sの除去のプ
ロセスはNH3 の共存によって影響されないので、第3
ステップにアルカノールアミンを使用するH2 Sの除去
を行い、第4ステップでNH3 の除去を行うことができ
る。
【0028】本実施の形態による精製前のCOGと精製
後のCOGについての典型的な不純物濃度を比較して表
1に示した。
【表1】
【0029】
【実施例】以下、本発明のCOGの精製プロセスに関し
て実施したプロセス・シミュレーションおよびモデル実
験によって本精製プロセスを更に詳しく説明する。
【0030】実施例として図1のフローを構成する次の
5プロセスを取り上げた。 芳香族の除去 第1ステップ(O2 と不飽和炭化水素の水素化) 第2ステップ(HCNとCOSとの分解) 第3ステップ−1(NH3 の吸収とH2 Sのストリッ
ピング) 第3ステップ−2(NH3 のストリッピングとNH3
の酸化分解) 上記のうちの、との前半のNH3 のストリッピン
グについては工業規模のプロセス設計に実績のあるプロ
セス・シミュレータによって前後の物質収支を決定し、
、およびの後半についてはモデル実験を施して各
ステップにおけるガス組成を求め、それらの結果は、未
精製COGのガス組成と共に、表2に示した。
【0031】芳香族の除去 表2のA欄に示したガス組成を有する未精製COGはあ
らかじめ圧縮機で昇圧された後、図1の芳香族吸収塔1
へ常温、6.0kg/cm2 Gの圧力で導入することに
よって、ベンゼンの99%が除去されるとした。従っ
て、芳香族吸収塔1の塔頂からは表2のB欄に示したガ
ス組成のCOGが取り出される。
【0032】第1ステップ(O2 と不飽和炭化水素の
水素化) 表2のB欄の組成を有するガスを、5.5kg/cm2
Gの圧力で図1の水素化塔4に相当する反応器へ導入し
た。使用した反応器の構造、触媒の種類、反応条件等は
次の如くである。 反応器 : 外部との熱の授受を実質的に排除し
た断熱構造のステンレス製で、触媒床を前段(上流側)
と後段(下流側)とに備えたものを使用した。 触媒 : 0.5wt%のPdを直径3mmの
球状アルミナに担持させた触媒を前段に、NiOとして
4.5wt%のNi、およびMo23 として13.2
wt%のMoを直径3mm、長さ10mmのアルミナ押
出成型品に担持させた触媒を後段に、1:1の容積比で
充填した。 反応器入口温度: 150°C ガス空塔速度 : 2000h-1 ガス温度は触媒層の出口で336°Cまで上昇した。水
素化反応器の出口におけるガス組成を分析した結果は表
2のC欄に示したが、C22 、C24 、O 2 は検出
されなかった。すなわち、実質的に100%除去され
る。
【0033】第2ステップ(HCNおよびCOSの分
解) 表2のC欄の組成を有するガスを、4.0kg/cm2
Gの圧力で図1のHCN・COS分解塔6に相当する反
応器へ導入した。使用した反応器の構造、触媒の種類、
反応条件等は次の如くである。 反応器 : 第1ステップにおいて使用したもの
と同一の反応器を使用した。 触媒 : Cr23 として13.5wt%の
Cr、およびK2 Oとして5.0wt%のK(カリウ
ム)を直径3mm、長さ10mmのアルミナ押出成型品
に担持させたものを充填した。 反応器入口温度: 200°C ガス空塔速度 : 1500h-1 反応器の温度上昇は5°C以下であり、HCNの転化率
は99.2%、COSの転化率は98.0%であった。
【0034】第3ステップ−1(NH3 の吸収とH2
Sのストリッピング) 第1ステップおよび第2ステップで処理されたガスを温
度40°Cまで冷却し、2.5kg/cm2 Gの圧力で
図1の硫化水素ストリッパー10で処理する場合のシミ
ュレーションを行った。図1に示すアンモニア吸収塔8
および硫化水素ストリッパー10は共に、バブルキャッ
プトレイを15段に配置した塔とし、硫化水素ストリッ
パー10のリボイラー11の温度は150°Cに維持さ
れるとした。また、アンモニア吸収塔8の頂部への水の
供給量はアンモニア吸収塔8へ導入されるガス流量(N
3 /h)に対して2倍の値の重量流量(kg/h)で
ある。計算の結果、アンモニア吸収塔8の塔頂の配管3
8を経由する排出ガス(COG+H2 S)中には表2の
D欄に示すようにNH3 は含まれず、H2 Sの濃度は1
1.1g/Nm3 、COSの濃度は0.1g/Nm3
あった。これらの硫黄化合物、特にH2 Sは下流側の第
4ステップのH2 S除去プロセスで通常99%以上が取
り除かれるので、大気中へ放出されるH2 Sの濃度とし
て別掲の表1に示した0.17g/Nm3 は容易に達成
される。
【0035】第3ステップ−2(NH3 のストリッピ
ングとNH3 の酸化分解) 硫化水素のストリッピングの結果、NH3 の酸化分解
プロセスへ導入されるアンモニア水には0.31wt%
のNH3 が含まれる。このNH3 をストリッピングする
ために、アンモニア水を3.5kg/cm2 Gの圧力で
10段のバブルキャップトレイを配したアンモニアスト
リッパー12の頂部へ導き、底部から空気を導入する。
アンモニアストリッパー12のリボイラー13によって
塔底部の液温度を92°Cに維持する。空気の供給量は
導入されるアンモニア水の重量流量(kg/h)に対し
て0.34倍の値のガス流量(Nm3 /h)である。そ
して、アンモニアストリッパー12からアンモニア酸化
分解塔14の塔底へ表2のF欄に示す組成のガスが供給
され、アンモニアストリッパー12の底部からは表2の
E欄に示す組成の水が排出される。以上のシミュレーシ
ョン結果に基づいて、アンモニア酸化分解塔13の入口
における圧力を3.2kg/cm2 Gと想定し、表2の
F欄の組成のガスを反応器へ導入してNH3 を酸化分解
した。 反応器 : 第一ステップにおいて使用したものと
同一の反応器を使用した。 触媒 : 0.3wt%のPdを直径5mmの球
状アルミナに担持させた触媒を前段に、V25 として
3wt%のV(バナジウム)とWO3 として10wt%
のW(タングステン)を直径5mmの球状酸化チタンに
担持させた触媒を後段に、1:8の容積比で充填した。 塔入口温度 : 300℃ ガス空塔速度: 4500h-1 反応の結果、触媒層出口のガス温度は369℃まで上昇
した。また、反応器出口の排出ガスの組成は表2のG欄
に示したが、NH3 濃度は0.04g/Nm3であり、
NH3 の99%がN2 に転化された。なお、G欄の排出
ガスのNH3 はNOX として排出される。
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0037】請求項1のCOGの精製プロセスによれ
ば、例えば第2ステップにおいて支障となる不純物はあ
らかじめ第1ステップで除去するように複数のステップ
が組み合わされているので、各ステップにおける不純物
の除去が円滑かつ確実に行われ、操作性、経済性に優れ
たCOGの精製を可能ならしめると共に、精製されたC
OGが燃料ガスや化学工業用の原料ガスとして使用され
る時に、環境を汚染することを効果的に防ぐ。
【0038】請求項2のCOGの精製プロセスによれ
ば、Pdを含む触媒および/または水添脱硫触媒を使用
しているので、O2 および炭素数2から4までの不飽和
炭化水素の水素化が効果的かつ確実に進行する。また請
求項3のCOGの精製プロセスによれば、アルミナとV
I族金属とバリウムとを含む触媒、またはアルカリ金属
と酸化クロムとアルミナとを含む触媒を使用しているの
で、HCNおよびCOSの分解が効果的かつ確実に進行
するほか、脱硫の困難なCOSを脱硫の容易なH 2 Sに
転化させることができる。また請求項4のCOGの精製
プロセスによれば、NH3 をO2 含有ガスと混合して触
媒に接触させN2 とH2 Oとに酸化分解させるので、N
3 の除去が効果的かつ確実に進行する。また請求項5
のCOGの精製プロセスによれば、第3ステップまたは
前記第4ステップに適用され、アルカノールアミンによ
って捕捉され放出される純度の高いH2 SをS源とする
硫酸、石膏、固形硫黄の回収、または第4ステップにの
み適用される好気性バクテリアによるバイオロジカル硫
黄の回収など、H2 Sの除去が有価物の回収として行わ
れるので、精製されたCOGのコストを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態によるCOGの精製プロセスのフロ
ーを示す図である。
【図2】H2 Sから好気性バクテリアによってバイオロ
ジカル硫黄を回収するプロセスのフローを示す図であ
る。
【図3】アルカノールアミンによってH2 Sを捕捉し放
出させるプロセスのフローを示す図である。
【符号の説明】
1 芳香族吸収塔 2 芳香族ストリッパー 4 水素化塔 6 HCN・COS分解塔 8 アンモニア吸収塔 10 硫化水素ストリッパー 11 リボイラー 12 アンモニアストリッパー 13 リボイラー 14 アンモニア酸化分解塔 15 触媒床 21 リボイラー 41 触媒床 61 触媒床 71 硫化水素吸収塔 72 バイオリアクター 74 遠心分離装置 81 硫化水素吸収塔 82 アルカノールアミン再生塔 83 リボイラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 節夫 神奈川県横浜市西区みなとみらい2−3− 1 日揮株式会社内 (72)発明者 石垣 慎也 愛知県半田市州の崎町2−110 日揮株式 会社衣浦研究所内 Fターム(参考) 4D020 AA04 AA10 BA16 BA19 BA23 BB03 BC01 CC02 CC21 CD03 4H060 AA01 BB02 BB16 BB23 CC15 DD12 DD21 FF02 FF04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、タール、ダスト等の重質分
    が除去され、なお不純物として硫化水素(H2 S)、硫
    化カルボニル(COS)、アンモニア(NH 3 )、シア
    ン化水素(HCN)、炭素数2から4までの不飽和炭化
    水素、酸素(O2 )を含むコークス炉ガスの精製プロセ
    スにおいて、 第1ステップで、O2 と炭素数2から4までの不飽和炭
    化水素とを水素化して水(H2 O)と炭素数2から4ま
    での飽和炭化水素とに転化し、 第2ステップで、水蒸気およびコークス炉ガスに含まれ
    る水素(H2 )の存在下にHCNを加水分解および/ま
    たは水素化によってNH3 と一酸化炭素(CO)および
    /またはNH3 とメタン(CH4 )に転化すると共に、
    COSを加水分解によってH2 Sと二酸化炭素(CO
    2 )とに転化し、 第3ステップでは、NH3 の除去およびH2 Sの除去の
    うち、続く第4ステップでNH3 の存在が支障になる場
    合には、NH3 の除去を選択し、同じく第4ステップで
    2 Sの存在が支障になる場合には、H2 Sの除去を選
    択し、 第4ステップでは、第3ステップにおいてNH3 の除去
    を選択した場合には、H2 Sを除去し、第3ステップに
    おいてH2 Sの除去を選択した場合には、NH 3 を除去
    することを特徴とするコークス炉ガスの精製プロセス。
  2. 【請求項2】 前記第1ステップにおける水素化の触媒
    として、パラジウム(Pd)を含む触媒および/または
    ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(M
    o)のうちの少なくとも何れか一種を含む触媒を使用す
    る請求項1に記載のコークス炉ガスの精製プロセス。
  3. 【請求項3】 前記第2ステップにおけるHCNおよび
    COSを分解させる触媒として、アルミナ(Al2
    3 )とVI族金属とバリウム(Ba)を含む触媒、およ
    びアルカリ金属と酸化クロム(Cr23 )とアルミナ
    を含む触媒のうちの少なくとも何れか一種を使用する請
    求項1に記載のコークス炉ガスの精製プロセス。
  4. 【請求項4】 前記第3ステップまたは前記第4ステッ
    プにおけるNH3 の除去が湿式吸収法から構成されてお
    り、更に除去したNH3 を酸素(O2 )含有ガスと混合
    して触媒に接触させN2 とH2 Oとに転化させるNH3
    の酸化分解である請求項1に記載のコークス炉ガスの精
    製プロセス。
  5. 【請求項5】 前記第3ステップまたは前記第4ステッ
    プにおけるH2 Sの除去が、前記第3ステップと前記第
    4ステップの何れにも適用可能で、アルカノールアミン
    によって捕捉され放出されるH2 Sを硫黄(S)源とす
    る硫酸、石膏、または単体硫黄(液体、固体)の回収、
    または、前記第3ステップにおけるNH3 の除去後の前
    記第4ステップに適用される好気性バクテリアによるH
    2 Sからのバイオロジカル硫黄の回収である請求項1に
    記載のコークス炉ガスの精製プロセス。
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