JP2000248231A - 漆成分を含有する粉体 - Google Patents
漆成分を含有する粉体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】これまでの工芸品としての漆という素材から、
他素材との複合を容易し、バインダー、接着剤、樹脂改
質剤、抗菌剤、防虫剤等といった工業的に使用可能な漆
成分を含有する粉体を提供することを目的とする。 【解決手段】多孔質材に漆成分を含有させ、粉体化す
る。
他素材との複合を容易し、バインダー、接着剤、樹脂改
質剤、抗菌剤、防虫剤等といった工業的に使用可能な漆
成分を含有する粉体を提供することを目的とする。 【解決手段】多孔質材に漆成分を含有させ、粉体化す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】漆の粉末化に関する。
【０００２】
【従来の技術】漆は、常温乾燥性を有し、その塗膜は優
雅な光沢を持ち、耐薬品性で耐久性にも優れているた
め、工芸品、美術品、屋内の装飾塗装に広く用いられて
いる。
雅な光沢を持ち、耐薬品性で耐久性にも優れているた
め、工芸品、美術品、屋内の装飾塗装に広く用いられて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来、漆の用途はほと
んど塗り物に限定されている。近年、漆器の出荷額が伸
び悩み、新しい漆の用途開発が望まれている。漆は高価
であり、漆が、工芸品から工業製品へと用途拡大するた
めには、安価で容易に他素材と複合化する技術が必要で
ある。
んど塗り物に限定されている。近年、漆器の出荷額が伸
び悩み、新しい漆の用途開発が望まれている。漆は高価
であり、漆が、工芸品から工業製品へと用途拡大するた
めには、安価で容易に他素材と複合化する技術が必要で
ある。
【０００４】さらに漆には、抗菌性、抗黴性、防微生物
性、防虫性等の効果があり、我々も確認している。これ
らの機能を生かした用途開発をする必要がある。
性、防虫性等の効果があり、我々も確認している。これ
らの機能を生かした用途開発をする必要がある。
【０００５】通常、漆の形状は漆液の粘性の高い液状、
あるいは硬化した塗膜状もしくは塊状である。漆液のま
までは取り扱い性が悪く、物に付着して汚染したり、人
体に直接触れて漆かぶれを起こしたりする。また塗膜状
や塊状の形状では、他素材に複合する際の制限となる。
このため漆を粉体化させる必要がある。
あるいは硬化した塗膜状もしくは塊状である。漆液のま
までは取り扱い性が悪く、物に付着して汚染したり、人
体に直接触れて漆かぶれを起こしたりする。また塗膜状
や塊状の形状では、他素材に複合する際の制限となる。
このため漆を粉体化させる必要がある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明では漆成分を多孔
質材に含浸させることにより、性状を粉体として非液体
性状として使用するものである。漆成分を多孔質材に含
浸して粉体化させることにより他素材に複合しやすくな
る。
質材に含浸させることにより、性状を粉体として非液体
性状として使用するものである。漆成分を多孔質材に含
浸して粉体化させることにより他素材に複合しやすくな
る。
【０００７】漆液を固化粉砕して漆の粉末化を図ること
も可能であるが、固化粉砕に比較して本発明の優れてい
る点は、粒径の制御が可能である、粉砕の手間がかから
ない、使用目的に応じて漆成分の硬化状態を制御できる
等があげられる。さらに多孔質材に含有させることで表
面積の増大がはかれ、漆成分が少量で抗菌、抗黴、防微
生物、防虫性等を発揮させることができる。
も可能であるが、固化粉砕に比較して本発明の優れてい
る点は、粒径の制御が可能である、粉砕の手間がかから
ない、使用目的に応じて漆成分の硬化状態を制御できる
等があげられる。さらに多孔質材に含有させることで表
面積の増大がはかれ、漆成分が少量で抗菌、抗黴、防微
生物、防虫性等を発揮させることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】漆成分を含有する粉体に使用する
漆成分は、生漆でも精製漆でもよく、顔料・油等が混入
されていてもよく、ウルシオール、ラッコール、チチオ
ールといった漆の一部の成分だけでもよい。また、フェ
ノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビ
フェニル、ビカテコール、およびビレゾルシンよりなる
群から選ばれた少なくとも一つのフェノール性化合物の
ベンゼン核に不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水素基
を含む置換基が結合している化合物の使用も構わない。
漆成分は、生漆でも精製漆でもよく、顔料・油等が混入
されていてもよく、ウルシオール、ラッコール、チチオ
ールといった漆の一部の成分だけでもよい。また、フェ
ノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビ
フェニル、ビカテコール、およびビレゾルシンよりなる
群から選ばれた少なくとも一つのフェノール性化合物の
ベンゼン核に不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水素基
を含む置換基が結合している化合物の使用も構わない。
【０００９】前記不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水
素基を含む置換基とは、アルキル基、アルコキシル基、
アルキルカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アル
ケニル基、アルケニロキシ基、アルケニルカルボニル
基、およびアルケニルカルボキシル基よりなる群から選
ばれた少なくとも一つの原子団である。
素基を含む置換基とは、アルキル基、アルコキシル基、
アルキルカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アル
ケニル基、アルケニロキシ基、アルケニルカルボニル
基、およびアルケニルカルボキシル基よりなる群から選
ばれた少なくとも一つの原子団である。
【００１０】漆成分を含有する粉体に使用する多孔質材
は、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属珪酸
塩、金属酸化物、セルロース、ゼオライト、モルデナイ
ト、活性炭等の一種又は、二種以上の混合物である。
は、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属珪酸
塩、金属酸化物、セルロース、ゼオライト、モルデナイ
ト、活性炭等の一種又は、二種以上の混合物である。
【００１１】漆成分を含有する粉体は、漆成分を含浸さ
せた後、通常行われる漆自体の硬化にまかせるだけでな
く、加熱、紫外線照射、電子線照射等により促進硬化さ
せてもよい。また、必要ならば樹脂、顔料、重合開始
剤、硬化剤等を加えて、漆成分を含有する粉体を作成し
てもよい。
せた後、通常行われる漆自体の硬化にまかせるだけでな
く、加熱、紫外線照射、電子線照射等により促進硬化さ
せてもよい。また、必要ならば樹脂、顔料、重合開始
剤、硬化剤等を加えて、漆成分を含有する粉体を作成し
てもよい。
【００１２】また、多孔質材に漆成分を含浸したのみで
まだ漆の硬化が十分進行していない漆成分を含有する粉
体を中間体として、他素材中に複合してから硬化、反応
を進行させてもよい。つまり漆成分を含有する粉体を他
素材と複合する場合、漆成分を完全に硬化させたものを
用いても、また複合してから漆成分の硬化をさせても構
わない。
まだ漆の硬化が十分進行していない漆成分を含有する粉
体を中間体として、他素材中に複合してから硬化、反応
を進行させてもよい。つまり漆成分を含有する粉体を他
素材と複合する場合、漆成分を完全に硬化させたものを
用いても、また複合してから漆成分の硬化をさせても構
わない。
【００１３】
【実施例】次に具体的な実施例を説明する。生漆（中国
産）にアセトン１０倍量混ぜて、漆の主成分であるウル
シオールを分離する。そのウルシオール−アセトン溶液
１００ｍｌに多孔質シリカ（平均粒径３μｍ、鈴木油脂
工業（株）製）１０ｇを減圧下で含浸させ、アセトンを
除去する。その後１２０℃で２時間加熱処理を行い、漆
成分を含有する粉体を得た。シェークフラスコ法を用い
て、上記漆成分を含有する粉体の黄色ブドウ球菌に対す
る効力評価を行った。表１のように、上記漆成分を含有
する粉体の黄色ブドウ球菌に対する滅菌率は、１００％
であった。
産）にアセトン１０倍量混ぜて、漆の主成分であるウル
シオールを分離する。そのウルシオール−アセトン溶液
１００ｍｌに多孔質シリカ（平均粒径３μｍ、鈴木油脂
工業（株）製）１０ｇを減圧下で含浸させ、アセトンを
除去する。その後１２０℃で２時間加熱処理を行い、漆
成分を含有する粉体を得た。シェークフラスコ法を用い
て、上記漆成分を含有する粉体の黄色ブドウ球菌に対す
る効力評価を行った。表１のように、上記漆成分を含有
する粉体の黄色ブドウ球菌に対する滅菌率は、１００％
であった。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【発明の効果】これまでの工芸品としての漆という素材
が、本発明により他素材との複合が容易になり、新素材
のバインダー、接着剤、樹脂改質剤等として有用であ
る。特に漆成分の持つ抗菌性、抗黴性、防微生物性、防
虫性等の効果により、本発明の漆成分を含有する粉体
は、抗菌剤、防虫剤としても産業上大いに役立つことが
期待される。
が、本発明により他素材との複合が容易になり、新素材
のバインダー、接着剤、樹脂改質剤等として有用であ
る。特に漆成分の持つ抗菌性、抗黴性、防微生物性、防
虫性等の効果により、本発明の漆成分を含有する粉体
は、抗菌剤、防虫剤としても産業上大いに役立つことが
期待される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成１１年１２月２７日（１９９９．１２．
２７）
２７）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】漆の粉末化に関する。
【０００２】
【従来の技術】漆は、常温乾燥性を有し、その塗膜は優
雅な光沢を持ち、耐薬品性で耐久性にも優れているた
め、工芸品、美術品、屋内の装飾塗装に広く用いられて
いる。
雅な光沢を持ち、耐薬品性で耐久性にも優れているた
め、工芸品、美術品、屋内の装飾塗装に広く用いられて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来、漆の用途はほと
んど塗り物に限定されている。近年、漆器の出荷額が伸
び悩み、新しい漆の用途開発が望まれている。漆は高価
であり、漆が、工芸品から工業製品へと用途拡大するた
めには、安価で容易に他素材と複合化する技術が必要で
ある。
んど塗り物に限定されている。近年、漆器の出荷額が伸
び悩み、新しい漆の用途開発が望まれている。漆は高価
であり、漆が、工芸品から工業製品へと用途拡大するた
めには、安価で容易に他素材と複合化する技術が必要で
ある。
【０００４】さらに漆には、抗菌性、抗黴性、防微生物
性、防虫性等の効果があり、我々も確認している。これ
らの機能を生かした用途開発をする必要がある。
性、防虫性等の効果があり、我々も確認している。これ
らの機能を生かした用途開発をする必要がある。
【０００５】通常、漆の形状は漆液の粘性の高い液状、
あるいは硬化した塗膜状もしくは塊状である。漆液のま
までは取り扱い性が悪く、物に付着して汚染したり、人
体に直接触れて漆かぶれを起こしたりする。また塗膜状
や塊状の形状では、他素材に複合する際の制限となる。
このため漆を粉体化させる必要がある。一方、特許第１
６７９３６号に熔融乾漆材の製造法が提案されている。
雲母、滑石、石綿粉末等の表面に熔融性製漆が付着した
状態の塊状の混合物が得られるため、粉砕した後篩にか
けている。そのため、粉砕製造される個々の粒子がすべ
て同形状で、同様の性質を示すとは考えにくく、漆の機
能を生かした工業製品としての新用途展開を考えた場合
問題がある。
あるいは硬化した塗膜状もしくは塊状である。漆液のま
までは取り扱い性が悪く、物に付着して汚染したり、人
体に直接触れて漆かぶれを起こしたりする。また塗膜状
や塊状の形状では、他素材に複合する際の制限となる。
このため漆を粉体化させる必要がある。一方、特許第１
６７９３６号に熔融乾漆材の製造法が提案されている。
雲母、滑石、石綿粉末等の表面に熔融性製漆が付着した
状態の塊状の混合物が得られるため、粉砕した後篩にか
けている。そのため、粉砕製造される個々の粒子がすべ
て同形状で、同様の性質を示すとは考えにくく、漆の機
能を生かした工業製品としての新用途展開を考えた場合
問題がある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明では漆成分を粉末
状の多孔質材に含浸させることにより、性状を粉体とし
て非液体性状として使用するものである。漆成分を粉末
状の多孔質材に含浸して粉体化させることにより他素材
に複合しやすくなる。
状の多孔質材に含浸させることにより、性状を粉体とし
て非液体性状として使用するものである。漆成分を粉末
状の多孔質材に含浸して粉体化させることにより他素材
に複合しやすくなる。
【０００７】漆液を固化粉砕して漆の粉末化を図ること
も可能であるが、固化粉砕に比較して本発明の優れてい
る点は、粒径の制御が可能である、粉砕の手間がかから
ない、使用目的に応じて漆成分の硬化状態を制御できる
等があげられる。さらに粉末状の多孔質材に含有させる
ことで表面積の増大がはかれ、漆成分が少量で抗菌、抗
黴、防微生物、防虫性等を発揮させることができる。
も可能であるが、固化粉砕に比較して本発明の優れてい
る点は、粒径の制御が可能である、粉砕の手間がかから
ない、使用目的に応じて漆成分の硬化状態を制御できる
等があげられる。さらに粉末状の多孔質材に含有させる
ことで表面積の増大がはかれ、漆成分が少量で抗菌、抗
黴、防微生物、防虫性等を発揮させることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】漆成分を含有する粉体に使用する
漆成分は、生漆でも精製漆でもよく、顔料・油等が混入
されていてもよく、ウルシオール、ラッコール、チチオ
ールといった漆の一部の成分だけでもよい。また、フェ
ノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビ
フェニル、ビカテコール、およびビレゾルシンよりなる
群から選ばれた少なくとも一つのフェノール性化合物の
ベンゼン核に不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水素基
を含む置換基が結合している化合物の使用も構わない。
漆成分は、生漆でも精製漆でもよく、顔料・油等が混入
されていてもよく、ウルシオール、ラッコール、チチオ
ールといった漆の一部の成分だけでもよい。また、フェ
ノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビ
フェニル、ビカテコール、およびビレゾルシンよりなる
群から選ばれた少なくとも一つのフェノール性化合物の
ベンゼン核に不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水素基
を含む置換基が結合している化合物の使用も構わない。
【０００９】前記不飽和炭化水素基、又は、飽和炭化水
素基を含む置換基とは、アルキル基、アルコキシル基、
アルキルカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アル
ケニル基、アルケニロキシ基、アルケニルカルボニル
基、およびアルケニルカルボキシル基よりなる群から選
ばれた少なくとも一つの原子団である。
素基を含む置換基とは、アルキル基、アルコキシル基、
アルキルカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アル
ケニル基、アルケニロキシ基、アルケニルカルボニル
基、およびアルケニルカルボキシル基よりなる群から選
ばれた少なくとも一つの原子団である。
【００１０】漆成分を含有する粉体に使用する粉末状の
多孔質材は、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金
属珪酸塩、金属酸化物、セルロース、ゼオライト、モル
デナイト、活性炭等よりなる粉末状の多孔質材の一種又
は、二種以上の混合物である。
多孔質材は、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金
属珪酸塩、金属酸化物、セルロース、ゼオライト、モル
デナイト、活性炭等よりなる粉末状の多孔質材の一種又
は、二種以上の混合物である。
【００１１】漆成分を含有する粉体は、漆成分を含浸
後、通常行われる漆自体の硬化にまかせるだけでなく、
加熱、紫外線照射、電子線照射等により促進硬化させて
もよい。また、必要ならば樹脂、顔料、重合開始剤、硬
化剤等を加えて、漆成分を含有する粉体を作成してもよ
い。
後、通常行われる漆自体の硬化にまかせるだけでなく、
加熱、紫外線照射、電子線照射等により促進硬化させて
もよい。また、必要ならば樹脂、顔料、重合開始剤、硬
化剤等を加えて、漆成分を含有する粉体を作成してもよ
い。
【００１２】また、粉末状の多孔質材に漆成分を含浸し
たのみでまだ漆の硬化が十分進行していない漆成分を含
有する粉体を中間体として、他素材中に複合してから硬
化、反応を進行させてもよい。つまり漆成分を含有する
粉体を他素材と複合する場合、漆成分を完全に硬化させ
たものを用いても、また複合してから漆成分の硬化をさ
せても構わない。
たのみでまだ漆の硬化が十分進行していない漆成分を含
有する粉体を中間体として、他素材中に複合してから硬
化、反応を進行させてもよい。つまり漆成分を含有する
粉体を他素材と複合する場合、漆成分を完全に硬化させ
たものを用いても、また複合してから漆成分の硬化をさ
せても構わない。
【００１３】
【実施例】次に具体的な実施例を説明する。生漆（中国
産）にアセトン１０倍量混ぜて、漆の主成分であるウル
シオールを分離する。そのウルシオール−アセトン溶液
１００ｍｌに粉末状の多孔質シリカ（平均粒径３μｍ、
鈴木油脂工業（株）製）１０ｇを減圧下で含浸させ、ア
セトンを除去する。その後１２０℃で２時間加熱処理を
行い、漆成分を含有する粉体を得た。シェークフラスコ
法を用いて、上記漆成分を含有する粉体の黄色ブドウ球
菌に対する効力評価を行った。表１のように、上記漆成
分を含有する粉体の黄色ブドウ球菌に対する滅菌率は、
１００％であった。
産）にアセトン１０倍量混ぜて、漆の主成分であるウル
シオールを分離する。そのウルシオール−アセトン溶液
１００ｍｌに粉末状の多孔質シリカ（平均粒径３μｍ、
鈴木油脂工業（株）製）１０ｇを減圧下で含浸させ、ア
セトンを除去する。その後１２０℃で２時間加熱処理を
行い、漆成分を含有する粉体を得た。シェークフラスコ
法を用いて、上記漆成分を含有する粉体の黄色ブドウ球
菌に対する効力評価を行った。表１のように、上記漆成
分を含有する粉体の黄色ブドウ球菌に対する滅菌率は、
１００％であった。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【発明の効果】これまでの工芸品としての漆という素材
が、本発明により他素材との複合が容易になり、新素材
のバインダー、接着剤、樹脂改質剤等として有用であ
る。特に漆成分の持つ抗菌性、抗黴性、防微生物性、防
虫性等の効果により、本発明の漆成分を含有する粉体
は、抗菌剤、防虫剤としても産業上大いに役立つことが
期待される。
が、本発明により他素材との複合が容易になり、新素材
のバインダー、接着剤、樹脂改質剤等として有用であ
る。特に漆成分の持つ抗菌性、抗黴性、防微生物性、防
虫性等の効果により、本発明の漆成分を含有する粉体
は、抗菌剤、防虫剤としても産業上大いに役立つことが
期待される。
Claims (1)
- 【請求項１】多孔質材に漆成分を含有させた粉体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09797999A JP3225262B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 漆成分を含有する粉体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09797999A JP3225262B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 漆成分を含有する粉体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000248231A true JP2000248231A (ja) | 2000-09-12 |
| JP3225262B2 JP3225262B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=14206791
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09797999A Expired - Fee Related JP3225262B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 漆成分を含有する粉体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3225262B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110894401A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-20 | 黄旭曦 | 一种改性大漆及其制备方法 |
| JP2021186239A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | あらい有限会社 | ３−メチルブタン酸（イソ吉草酸）吸着用漆膜、抗白癬菌用漆膜、及び消臭用具 |
| JP2022047843A (ja) * | 2020-09-14 | 2022-03-25 | 進 立松 | 漆塗り皮革製品の製造方法及びその方法により製造された皮革製品 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101317110B1 (ko) * | 2012-03-08 | 2013-10-11 | 안명선 | 옻칠 분말 및 이의 제조 방법 |
| CN108721682B (zh) * | 2018-06-20 | 2021-04-27 | 福建师范大学 | 一种含儿茶酚基团的漆酚修饰介孔二氧化硅微球的合成方法及其应用 |
-
1999
- 1999-03-01 JP JP09797999A patent/JP3225262B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110894401A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-20 | 黄旭曦 | 一种改性大漆及其制备方法 |
| JP2021186239A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | あらい有限会社 | ３−メチルブタン酸（イソ吉草酸）吸着用漆膜、抗白癬菌用漆膜、及び消臭用具 |
| JP7061155B2 (ja) | 2020-05-29 | 2022-04-27 | あらい有限会社 | ３－メチルブタン酸（イソ吉草酸）吸着用漆膜、及び消臭用具 |
| JP2022047843A (ja) * | 2020-09-14 | 2022-03-25 | 進 立松 | 漆塗り皮革製品の製造方法及びその方法により製造された皮革製品 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3225262B2 (ja) | 2001-11-05 |
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